(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記適合品判定部による判定結果が、前記トナーコンテナを非適合品とする判定から適合品とする判定に変更されたときから、前記予め定められた時間として設定されている予め定められた第2の枚数の画像形成の実行が完了するまでの期間は、前記予め定められた第1の枚数の画像形成毎に、前記画像形成部及び前記定着部の動作を制御して、連続通紙が行われたことを動作条件にする前記定着エージング動作を行う、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像形成装置における定着温度の制御は、適合トナーの熱特性や帯電特性に合わせて設定されているので、適合トナーと性能が異なる非適合トナーが使用されると、トナーの熱特性や帯電特性の違いから、定着部にオフセット(記録紙に形成されていたトナー像の一部が定着ローラーに付着して取り去られる現象)が発生する場合がある。例えば、トナー溶融による熱量が足りない場合には、いわゆるコールドオフセットが発生し、逆に熱量過多の場合には、いわゆるホットオフセットが発生する。
【0007】
オフセットが継続すると、定着ローラーに付着したトナー(オフセットトナー)は、定着ローラーに固着してしまい、定着ローラーの離型性(非粘着性)が低下するため、トナー固着が冗長される。また、定着ローラーと対を成す加圧ローラーにも、オフセットトナーは接触するので、オフセットトナーは定着ローラーから加圧ローラーへ転移し、そして固着する。
【0008】
定着ローラーや加圧ローラーへのトナー固着が進行すると、オフセットの程度が悪化し、これらローラーへ固着したトナーが脱落して記録紙に付着し、トナー汚れによる画像不良が発生する場合がある。また、定着ローラーの周囲に設けられている記録紙分離爪や温度サーミスターにトナーが固着すると、これら記録紙分離爪や温度サーミスターによって、定着ローラーの表面が過度に削られることになり、定着ローラーの耐久寿命を著しく短くしてしまう。
【0009】
また、定着ローラーにトナーが一旦固着してしまうと、トナーを適合品に戻したとしても、ほとんどの場合で正常な状態に復帰せず、画像形成装置の故障に至ってしまうケースもある。
【0010】
ところで、画像形成装置においては、処理枚数の高速化や省エネルギーの観点から、定着温度を低く抑えるために、トナーの低融点化が進んでいる。また、連続通紙(複数の記録紙に対する連続的な定着動作)時には、定着ローラーの熱が記録紙に奪われるため、定着温度を高温で維持するには、単位時間に必要な熱量が多くなる。ところが、省エネルギーの観点から、消費電力量を抑える必要があり、単位時間に必要な熱量を多く確保することは難しい。すなわち、定着温度を高温で維持するのは難しい。従って、このような点からも、定着温度は低下する傾向にあり、トナーの低融点化が望まれる。
【0011】
適合トナーについては、定着温度の低下を想定して作成されているため、画像形成装置の性能の範囲内(例えば、連続印刷可能な速度)で、連続通紙を行っている限りにおいては、オフセットは発生しない。しかしながら、非適合トナーについては、定着温度の低下を想定して作成されているとは限らない。そのため、画像形成装置が想定するトナー特性と合わない非適合トナーが使用されると、性能の範囲内で、連続通紙を行ったとしても、コールドオフセットが発生する場合がある。特に、高印字率の画像を連続して記録紙に印刷する場合、コールドオフセットが発生しやすくなり、定着ローラーへのトナー固着が進行しやすい。
【0012】
上記の特許文献1には、表示パネルに非適合のトナーコンテナが装着された旨をユーザーに伝える警告メッセージを表示させる技術について記載されているが、ユーザーが警告メッセージを無視して、非適合のトナーコンテナを使用し続けた場合には、画像不良が発生するだけでなく、画像形成装置の故障の原因にもなり得る。
【0013】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、連続通紙に起因して発生する定着部の回転体(定着ローラー等)の表面へのトナー固着を防ぐことによって、安定した画像形成を実現し、画像形成装置の故障を防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、像担持体を有し、前記像担持体の表面にトナー像を形成
し、形成された前記トナー像を前記記録紙に転写する画像形成部と、前記画像形成部でトナー像が
転写された
前記記録紙を2つの回転体の間の定着ニップ部において挟んで加熱及び加圧することでトナー像を前記記録紙に定着させる定着部と、装置本体に着脱自在とされ、前記画像形成部でトナー像の形成に用いられるトナーを収容したトナーコンテナと、前記装置本体に装着されているトナーコンテナが適合品であるか否かを判定する適合品判定部と、前記画像形成部、及び前記定着部の動作を制御する制御部とを備え、前記画像形成部は、前記トナーコンテナから補給されたトナーを前記像担持体へ供給し、当該像担持体にトナー像を形成する現像装置を備え、前記制御部は、前記適合品判定部により前記装置本体に装着されているトナーコンテナが適合品でないと判定された場合
であって、連続通紙が行われる場合には
、予め定められた
第1の枚数の画像形成毎に、
前記画像形成部及び前記定着部の動作を制御して、画像形成動作を中断して前記定着部の回転体を回転させる定着エージング動作を行い、前記適合品判定部により前記装置本体に装着されているトナーコンテナが適合品であると判定された場合には、連続通紙が行われたことを動作条件にする前記定着エージング動作を行わ
ず、前記適合品判定部による判定結果が、前記トナーコンテナを非適合品とする判定から適合品とする判定に変更されたときから、前記現像装置に収容されているトナーが非適合トナーから適合トナーに入れ替わるまでの時間として予め定められた時間が経過するまでは、前記予め定められた第1の枚数の画像形成毎に、前記画像形成部及び前記定着部の動作を制御して、連続通紙が行われたことを動作条件にする前記定着エージング動作を行う。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、装置本体に非適合のトナーコンテナが装着された場合、連続通紙が行われると、予め定められた
第1の枚数(例えば、20枚)の画像形成毎に、定着エージング動作が行われる。定着エージング動作とは、例えば、定着部による定着動作が行われていない期間(画像形成動作が行われていない期間)に、定着部の回転体を回転駆動させることである。これにより、定着部の回転体の温度(特に表面温度)を上昇させる。
【0016】
従って、非適合トナーが使用される連続通紙時には、定着部の回転体を高温度で維持することができるので、非適合トナーが、適合トナーのように低融点トナーでなかったとしても、定着部の回転体の表面にトナーが固着するのを防ぐことが可能になり、安定した画像形成を実現し、画像形成装置の故障を防止可能となる。なお、装置本体に適合のトナーコンテナが装着された場合、生産性の低下を回避すべく、連続通紙が行われたことを動作条件にする定着エージング動作は行わない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構造を示した概略的な側面断面図である。画像形成装置1は、例えば、プリンターであり、装置本体11に、給紙部14、画像形成部12、トナーコンテナ17、定着部13、及び排出トレイ151を含んで構成されている。また、画像形成装置1は、給紙部14から画像形成部12及び定着部13を経由して、排出トレイ151まで記録紙Pを搬送する搬送部19を備える。
【0019】
搬送部19は、給紙部14と排出トレイ151とを繋ぐ搬送路191と、反転搬送路1911と、搬送路191及び反転搬送路1911の適所に設けられた複数の搬送ローラー対192と、レジストローラー対193と、搬送ドラム194と、排出ローラー対195とを備える。
【0020】
給紙部14は、装置本体11の底部に設けられ、複数の記録紙Pを収容する給紙カセット141と、給紙カセット141に収容された記録紙Pを1枚ずつ取り出すための第1ピックアップローラー142と、第1ピックアップローラー142で取り出された記録紙Pを搬送路191へ送り出す給紙ローラー対143とを備える。
【0021】
給紙ローラー対143によって給紙された記録紙Pは、搬送ドラム194を介して搬送路191へ送り出される。搬送路191へ送り出された記録紙Pは、レジストローラー対193によって画像形成部12へ供給される。
【0022】
画像形成部12は、給紙カセット141の上方に設けられ、感光体ドラム121と、帯電装置122と、露光装置123と、現像装置124と、転写ユニット120と、クリーニング装置60と、除電装置51とを備える。
【0023】
感光体ドラム121は、像担持体であり、回転軸を中心にして回転可能に構成され、表面にトナー像を担持する。帯電装置122は、感光体ドラム121の表面を帯電させる。露光装置123は、外部装置(例えば、パーソナルコンピューター)から伝送されてきた画像データに基づいて、レーザー光Lを照射することによって、感光体ドラム121の表面に潜像を形成する。
【0024】
現像装置124は、現像ローラー1241を有し、感光体ドラム121の表面に形成された潜像をトナーで可視化する。
【0025】
転写ユニット120は、記録紙Pを搬送する搬送ベルト125、駆動ローラー125A、従動ローラー125B、及び転写ローラー126を含んで構成されている。
【0026】
搬送ベルト125は、駆動ローラー125Aと従動ローラー125Bとの間に張架され、感光体ドラム121の表面に当接した状態で駆動ローラー125Aによって駆動され、感光体ドラム121と同期しながら、無端走行する。また、感光体ドラム121の表面からトナー像が記録紙Pへ転写する位置に、搬送ベルト125を挟んで、転写ローラー126が設けられ、感光体ドラム121との間で転写ニップ部NP1が形成されている。
【0027】
クリーニング装置60は、クリーニングローラー61とクリーニングブレード62とを備える。クリーニングローラー61及びクリーニングブレード62は、感光体ドラム121の表面に接触して、感光体ドラム121の表面に残留したトナーや付着物を除去して、感光体ドラム121の表面を清掃する。
【0028】
除電装置51は、感光体ドラム121の表面に残存する電荷を除去するためのものであり、画像形成部12による画像形成後に、感光体ドラム121の表面に除電光を照射するものである。
【0029】
トナーコンテナ17は、装置本体11に着脱自在であり、画像形成部12の消耗品であるトナーを収容し、現像装置124へトナーを供給する。
【0030】
定着部13は、熱圧着によりトナー像を記録紙Pに定着させるものであり、熱源であるヒートランプ132を内蔵する、定着ローラーとしての加熱ローラー131と、加圧ローラー133とを備える。加熱ローラー131と加圧ローラー133とは対を成し、記録紙Pが加熱ローラー131及び加圧ローラー133による定着ニップ部NP2を挟持搬送される際に、未定着のトナー像がヒートランプ132の熱で溶融し、加熱ローラー131及び加圧ローラー133の圧力で記録紙Pに定着される。なお、加熱ローラー131及び加圧ローラー133は、特許請求の範囲における回転体の一例である。
【0031】
定着処理が施された記録紙Pは、搬送路191を通って上方に搬送され、排出ローラー対195を介して、装置本体11の上部に設けられた排出トレイ151に排出される。
【0032】
画像形成装置1で両面印刷が行われる場合について説明する。画像形成部12により一方の面に画像が形成された記録紙Pは、排出ローラー対195に挟まれた状態とされた後、排出ローラー対195によりスイッチバックされて反転搬送路1911に送られ、搬送ドラム194によって搬送路191へ搬送され、そして、レジストローラー対193によって画像形成部12へ再度供給される。これにより、記録紙Pのもう一方の面にも画像を形成することができる。
【0033】
図2は、画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。画像形成装置1は、制御ユニット10、画像形成部12、画像メモリー32、HDD(Hard Disk Drive)92、定着部13、給紙部14、搬送部19、RFID通信部21、トナーコンテナ17、操作部47、ネットワークインターフェイス部91、及び着脱センサー22を含んで構成されている。なお、
図1に示した画像形成装置1と同様の構成部分については同符号を付し、ここではその詳しい説明を省略する。
【0034】
画像メモリー32は、外部装置20(例えば、パーソナルコンピューター)から伝送されてきた画像データを一時的に記憶したり、画像形成部12のプリント対象となる画像データを一時的に保存したりするための領域である。HDD92は、画像データ等を記憶する大容量の記憶装置である。
【0035】
RFID通信部21は、装置本体11に着脱自在に構成されているトナーコンテナ17に取り付けられたRFタグ171と通信を行う。RFタグ171は、トナーコンテナ17の製品情報等を記憶するメモリーを備え、RFID通信部21は、RFタグ171から発信された信号を受信することによって、トナーコンテナ17の製品情報等を取得する。
【0036】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者から画像形成動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。表示部473はタッチパネルになっており、操作者は画面表示されるボタンやキーに触れて画像形成装置1を操作することができる。
【0037】
ネットワークインターフェイス部91は、ローカルエリア内、又はインターネット上の電子機器やサーバー等の外部装置20と種々のデータの送受信を行うものである。着脱センサー22は、トナーコンテナ17の装置本体11への取り付けや取り外しを検知する。
【0038】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、操作受付部101と、適合品判定部102と、印字率算出部103と、印字率記憶部104と、平均値算出部105とを備えている。
【0039】
制御ユニット10は、HDD92に記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部100、操作受付部101、適合品判定部102、印字率算出部103、印字率記憶部104、及び平均値算出部105として機能するものである。但し、制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、ハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0040】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、画像形成部12、画像メモリー32、HDD92、定着部13、給紙部14、搬送部19、RFID通信部21、操作部47、ネットワークインターフェイス部91、及び着脱センサー22と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。
【0041】
操作受付部101は、操作部47を介したユーザーからの操作入力を受け付ける。例えば、操作受付部101が、HDD92等に記憶されている画像データに対するユーザーからの印刷指示を受け付けると、制御部100が、画像形成部12等の動作を制御することによって、当該画像データが示すトナー像を記録紙Pに形成する。
【0042】
適合品判定部102は、RFID通信部21から得られる情報に基づいて、装置本体11に装着されているトナーコンテナ17が非適合品であるか否かを判断する。
【0043】
印字率算出部103は、画像形成部12により記録紙Pにトナー像を形成する際の印字率を算出する。
【0044】
印字率記憶部104は、例えば制御ユニット10に内蔵されるメモリーであり、印字率算出部103によって算出された印字率を記憶する。
【0045】
平均値算出部105は、直近に行われた画像形成を含んで予め定められた複数回分連続する画像形成についての前記印字率の平均値を算出する。
【0046】
次に、第1実施形態に係る画像形成装置1による、非適合品であるトナーコンテナが装着されている場合に定着エージング動作を行わせる処理を説明する。
図3は、当該処理を示すフローチャートである。なお、当該処理は、操作受付部101が、HDD92等に記憶されている画像データに対してユーザーから印刷指示を受け付けた場合に開始される。
【0047】
まず、適合品判定部102が、RFID通信部21から得られる情報に基づいて、装置本体11に装着されているトナーコンテナ17が適合品であるか否かを判断する(S1)。適合品判定部102が、装置本体11に装着されているトナーコンテナ17が適合品でない(非適合品である)と判断した場合(S1でNO)、制御部100は、操作受付部101が受け付けたユーザー印刷指示による印刷が連続通紙になるか否かを判断する(S2)。例えば、操作受付部101が、印刷対象物を複数受け付けている場合や、印刷対象物が1つであっても、操作受付部101が、複数枚の印刷についての指示を受け付けている場合、制御部100は、連続通紙になると判断する。
【0048】
制御部100は、連続通紙になると判断した場合(S2でYES)、画像形成枚数(印刷枚数)をカウントするためのカウンターN,Mを0にリセットすると共に、トナー像が形成された記録紙P上の印字率の平均値Y(具体的には、直近から予め定められた複数回M1分の連続する印字率の平均値Y)が高いか否かを示す高印字フラグBを0(0:平均値は高くない、1:平均値は高い)に設定し、そして、当該平均値Yを0にリセットする(S3)。カウンターNは印字枚数をカウントするカウンターである。カウンターMは、印字率を算出すべきタイミングに到ったか否かを判断するために印刷枚数をカウントするカウンターである。
【0049】
続いて、制御部100は、操作受付部101が受け付けたユーザーからの印刷指示に基づいて、画像形成部12等の動作を制御することによって、記録紙Pにトナー像を形成させ(S4)、カウンターNに1を加算し(S5)、その後、高印字フラグBが0であるか否かを判断する(S6)。
【0050】
制御部100が、高印字フラグBが0であると判断した場合(S6でYES)、印字率算出部103は、画像形成部12によりトナー像が形成された記録紙P上の印字率を算出し、算出した印字率を算出順に印字率記憶部104に記憶させる(S7)。この後、制御部100は、カウンターMに1を加算し(S8)、カウンターMが予め定められた複数回M1(例えば、10回)に到達したか否かを判断する(S9)。印字率算出部103は、上記印字率を、単位面積あたりのトナー像の面積、例えば、記録紙Pにおける印字可能領域の総面積に対する、印字ドットが形成される総面積の割合を計算することで求める。
【0051】
制御部100が、カウンターMが複数回M1に到達したと判断した場合(S9でYES)、平均値算出部105が、直近に行われた画像形成を含んで予め定められた複数回M1分連続する画像形成についての印字率を印字率記憶部104から取得して、当該取得した複数回M1分の印字率の平均値Yを算出する(S10)。すなわち、平均値算出部105は、直近から10回分の連続する印字率の平均値Yを算出する。
【0052】
続いて、制御部100は、平均値算出部105が算出した平均値Yが予め定められた閾値Y1(例えば、30%)を超えているか否かを判断し(S11)、当該平均値Yが閾値Y1を超えていない(すなわち、高印字ではない)と判断した場合(S11でNO)、カウンターNが予め定められた枚数N1(例えば、20枚)を超えているか否かを判断する(S12)。
【0053】
一方、S9において、制御部100が、カウンターMが複数回M1に到達していないと判断した場合(S9でNO)、10回分の印字率を示す情報が得られていないので、処理は、S10、S11をスキップして、S12に移る。
【0054】
制御部100は、カウンターNが予め定められた枚数N1を超えていると判断した場合(S12でYES)、画像形成部12及び定着部13の動作を制御することによって、画像形成動作を中断して、通紙を行わずに定着部13の回転体(加熱ローラー131及び加圧ローラー133)を回転させる定着エージング動作を行い(S13)、その後、カウンターNを0にリセットすると共に、高印字フラグBを0に設定する(S14)。
【0055】
続いて、制御部100は、操作受付部101が受け付けたユーザーからの印刷指示に基づく印刷処理が終了しているか否かを判断し(S15)、印刷処理が終了していると判断した場合(S15でYES)、この処理動作を終了する。一方、制御部100が、印刷処理が終了していないと判断した場合(S15でNO)、処理はS4へ戻り、画像形成処理を続ける。
【0056】
一方、S12において、制御部100が、カウンターNが予め定められた枚数N1を超えていないと判断した場合(S12でNO)、定着エージング動作を行う必要がないので、処理はS13、S14をスキップして、S15に移る。
【0057】
また、S11において、制御部100は、平均値算出部105が算出した平均値Yが予め定められた閾値Y1を超えている(すなわち、高印字である)と判断した場合(S11でYES)、高印字フラグBを1に設定する(S16)。そして、制御部100は、カウンターNが予め定められた枚数N2(例えば、10枚)を超えているか否かを判断する(S17)。当該予め定められた枚数N2は、上記予め定められた枚数N1を予め定められた量少なくした枚数である。
【0058】
制御部100は、カウンターNが予め定められた枚数N2を超えていると判断した場合(S17でYES)、画像形成動作を中断して、上記定着エージング動作を行い(S13)、その後、カウンターNを0にリセットすると共に、高印字フラグBを0に設定する(S14)。
【0059】
一方、S17において、制御部100が、カウンターNが予め定められた枚数N2を超えていないと判断した場合(S17でNO)、定着エージング動作を行う必要がないので、S15へ進む。
【0060】
また、S6において、制御部100が、高印字フラグBが0でない(すなわち、高印字フラグは1であり、高印字である)と判断した場合(S6でNO)、高印字状態であるか否かを判断するための処理(S7〜S11)は不要であるので、処理はS17に移る。
【0061】
なお、S1において、適合品判定部102が、装置本体11に装着されているトナーコンテナ17が適合品であると判断した場合や(S1でYES)、S2において、制御部100が、連続通紙にならないと判断した場合は(S2でNO)、連続通紙が行われたことを動作条件にする定着エージング動作は必要ないので、制御部100は、操作受付部101が受け付けたユーザーからの印刷指示に基づいて、画像形成部12等の動作を制御して、記録紙Pにトナー像を形成させる(S18)。制御部100は、操作受付部101が受け付けたユーザーからの印刷指示に基づく印刷処理が終了したと判断した場合(S19でYES)、この処理動作を終了する。
【0062】
当該第1実施形態によれば、装置本体11に非適合のトナーコンテナ17が装着された場合、連続通紙が行われると、予め定められた枚数N1(例えば、20枚)の画像形成毎に、定着エージング動作が行われる。従って、非適合トナーが使用される連続通紙時には、定着部13が高温度で維持されるので、非適合トナーが、適合トナーのように低融点トナーでなかったとしても、定着部13の回転体の表面にトナーが固着するのを防ぐことが可能となり、安定した画像形成を実現し、画像形成装置1の故障を防止することが可能になる。また、上記第1実施形態では、印字率の高い印刷が続く場合には、定着エージング動作を行う間隔を短くするので、定着部13の回転体の表面にトナーが固着するのをより確実に防止することができる。
【0063】
なお、装置本体11に適合のトナーコンテナ17が装着された場合、連続通紙が行われたことを動作条件にする定着エージング動作は行われない。適合トナーが使用される連続通紙時には、画像形成装置1の性能の範囲内で連続通紙が行われている限りにおいて、オフセットは発生しない。このため、不要な定着エージング動作が行われて、画像形成動作が中断して生産性が低下することを回避すべく、定着エージング動作は行われない。
【0064】
図4は、第2実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。なお、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。第2実施形態に係る画像形成装置は、操作受付部101が、連続通紙が行われたことを動作条件にする定着エージング動作の実行指示/実行解除指示をユーザーから受け付けるエージング動作受付部106を備える。更には、制御部100が、エージング動作受付部106がユーザーからの上記実行指示を受け付けていない場合、上記定着エージング動作を実行しないという点で、第1実施形態に係る画像形成装置と相違する。
【0065】
エージング動作受付部106は、操作部47を介して、上記定着エージング動作の実行指示をユーザーから受け付けると、定着エージング動作の実行/不実行を示す実行フラグF(初期値は0)を1に設定し、上記定着エージング動作の実行解除指示をユーザーから受け付けると、実行フラグFを0に設定する。
【0066】
次に、第2実施形態に係る画像形成装置1による、非適合品であるトナーコンテナが装着されている場合に定着エージング動作を行わせる処理を説明する。
図5は、当該処理を示すフローチャートである。なお、
図3のスタートとS1との間に、S21を挿入した部分を除いて、第1実施形態と同様の処理であるので、
図3に示した処理と同様の処理については説明を省略する。
【0067】
まず、制御部100が、実行フラグFが1であるか否かを判断し(S21)、実行フラグFが1であると判断した場合(S21でYES)、S1へ進み、上記定着エージング動作を行うようにし、一方、実行フラグFが1でない(実行フラグFが0である)と判断した場合(S21でNO)、S18へ進み、上記定着エージング動作を行わないようにする。
【0068】
当該第2実施形態によれば、連続通紙が行われたことを動作条件にする定着エージング動作の実行/不実行をユーザーが選択することができるので、ユーザーが望まないのに、定着エージング動作が実行されるのを防ぐことができる。
【0069】
また、第3実施形態としては、制御部100が、適合品判定部102により装置本体11に装着されているトナーコンテナが適合品でないと判定された場合、予め定められた提示タイミングになると、搬送部19、画像形成部12、及び定着部13の動作を制御して、予め定められた画像パターンを記録紙Pに形成させ、チェックシートの役割を果たす当該記録紙Pを排出トレイ151に排出させることによって、当該チェックシートをユーザーに提示するようにしてもよい。
【0070】
上記予め定められた提示タイミングとしては、例えば、装置本体11に装着されているトナーコンテナ17が適合品から非適合品に交換されたことを起点にし、予め定められた枚数(例えば、500枚)の画像形成毎や、予め定められた期間(例えば、1週間)経過毎が挙げられる。なお、トナーコンテナ17が交換されたか否かの判断については、制御部100が、着脱センサー22から得られる情報に基づいて行うことができる。
【0071】
また、予め定められた画像パターンは、定着部13の回転体の表面状態を視覚的に確認できる画像であり、例えば、予め定められた濃度(濃度50%)からなる低濃度のベタ塗りグレー画像であり、定着部13の回転体の表面に付着しているトナーを検出できる画像である。
【0072】
当該第3実施形態によれば、装置本体11に非適合のトナーコンテナ17が装着された場合、定着部13の回転体の表面状態を示すチェックシートがユーザーに定期的に提示される。従って、当該回転体の表面の状態の確認がユーザーに定期的に促されるので、当該回転体の表面にトナーが付着しているのに、上記定着エージング動作の実行をユーザーが指示せず、上記定着エージング動作が行われないのを防ぐことができる。
【0073】
なお、当該回転体の表面状態の良否の確認については、ユーザーではなく、画像形成装置1に行わせるようにする。第4実施形態としては、
図6に示すように、原稿読取部5を備え、更に操作受付部101が良否確認受付部107を有するようにしてもよい。なお、
図2に示した構成と同様の構成については説明を省略する。
【0074】
原稿読取部5は、光照射部を使って、原稿台に載置されている原稿を照射し、その反射光を受光することによって、原稿から画像を読み取る。原稿読取部5による読み取りで得られた画像データは画像メモリー32等に記憶される。
【0075】
制御部100は、上記第3実施形態と同様に、装置本体11に非適合のトナーコンテナ17が装着された場合、定着部13の回転体の表面状態を示すチェックシートを定期的にユーザーに提示する。
【0076】
良否確認受付部107は、操作部47を介して、定着部13の回転体の表面状態の良否の確認指示をユーザーから受け付けるものであり、例えば、ユーザーが原稿台に当該チェックシートを載置した状態で、良否確認受付部107が、上記確認指示を受け付けると、制御部100が、原稿台に載置されたチェックシートを原稿読取部5に読み取らせ、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データに基づいて、定着部13の回転体の表面状態の良否を判定する。
【0077】
例えば、制御部100は、チェックシートの元となる画像データと、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データとを例えばパターンマッチング等の処理により照合し、その差異が予め定められた範囲内であれば、当該表面状態は良好であると判定し、当該差異が当該予め定められた範囲内でなければ、当該表面状態は不良であると判定する。
【0078】
制御部100は、当該表面状態が良好であると判定した場合、定着エージング動作の実行/不実行を示す実行フラグF(初期値は0)を0に設定し、当該表面状態が不良であると判定した場合、実行フラグFを1に設定する。
【0079】
当該第4実施形態では、定着部13の回転体の表面状態の良否の確認をユーザーではなく、画像形成装置1そのものが行うので、上記定着エージング動作の実行/不実行の選択をより適切に行うことができる。
【0080】
ところで、トナーコンテナ17を非適合品から適合品に交換したとしても、その直後においては、現像装置124内のトナーは非適合品のままであり、現像装置124内のトナーは徐々に非適合トナーから適合トナーに入れ替わっていく。完全に入れ替わるまでの期間は、現像装置124の大きさに依存するが、一般的な磁性一成分を扱う現像装置124では、20000枚から30000枚程度の印刷を必要とする。
【0081】
従って、更なる別の実施形態としては、制御部100が、適合品判定部102による判定結果に基づいて、装置本体11に装着されているトナーコンテナ17が非適合品から適合品に交換されたと判断した場合、予め定められた時間が経過するまでは、制御部100が、連続通紙が行われたことを動作条件にする定着エージング動作を実行するようにしてもよい。
【0082】
このとき、更に、制御部100は、装置本体11に装着されているトナーコンテナ17が非適合品から適合品に交換されたとときに、「非適合トナーが過去に使用されていました。現像装置内には非適合トナーが含まれております。画像品質の維持および故障防止のため、20000枚印刷するまで、連続して20枚以上印刷される場合には、定着エージング動作が実行されます。」といったメッセージを、表示部473に表示させるようにしてもよい。
【0083】
また、上記予め定められた時間が経過するまでは、上記定着エージング動作を実行するのではなく、制御部100が、画像不良が発生した場合の処置方法を知らせるメッセージ(例えば、定着ローラーのクリーニング動作の実行を促す内容)を、適合のトナーコンテナ17への交換直後、又は定期的に、表示部473に表示させるようにしてもよい。
【0084】
なお、上記予め定められた時間としては、例えば、現像装置124のトナーが入れ替わる20000枚から30000枚程度が挙げられる。また、1つのトナーコンテナ17に収容されているトナーで上記枚数と同程度の印刷が可能である場合(例えば、25000枚の印刷が可能である場合)、1つのトナーコンテナ17の使用期間を上記予め定められた時間に設定するようにしてもよい。
【0085】
また、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてプリンターを用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機や、コピー機、ファクシミリ等の他の画像形成装置でもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、
図1乃至
図6を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。