(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6737377
(24)【登録日】2020年7月20日
(45)【発行日】2020年8月5日
(54)【発明の名称】振動吸収装置
(51)【国際特許分類】
F16F 15/14 20060101AFI20200728BHJP
F16F 15/134 20060101ALI20200728BHJP
【FI】
F16F15/14 Z
F16F15/134 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-84797(P2019-84797)
(22)【出願日】2019年4月26日
(62)【分割の表示】特願2015-38342(P2015-38342)の分割
【原出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2019-116975(P2019-116975A)
(43)【公開日】2019年7月18日
【審査請求日】2019年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(72)【発明者】
【氏名】神保 優
(72)【発明者】
【氏名】井下 芳尊
【審査官】
近藤 裕之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−194209(JP,A)
【文献】
特表2014−534397(JP,A)
【文献】
特開2016−118269(JP,A)
【文献】
特開2003−004101(JP,A)
【文献】
特開2014−152836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/14
F16F 15/134
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの振動を吸収する振動吸収装置であって、
前記振動吸収装置は、
前記エンジンの動力を伝達する動力伝達軸に設けられるハウジングと、
前記動力伝達軸の軸方向と交差する方向に沿って前記ハウジングの内部に設けられるセンタープレートと、
前記センタープレートを前記動力伝達軸の軸方向の両側から挟むように配置される一対の質量体と、
を備え、
前記一対の質量体は、
前記センタープレートの一方の側に配置される第1の質量体と、
前記センタープレートの他方の側に配置される第2の質量体と、
を備え、
前記第1の質量体と前記第2の質量体とは別体で構成され、
前記センタープレートには、
前記第1の質量体が転動する第1の転動面を有する第1の転動面部材と、
前記第2の質量体が転動する第2の転動面を有する第2の転動面部材と、
が備えられることを特徴とする振動吸収装置。
【請求項2】
前記センタープレートの一方の側には、複数の前記第1の質量体が配置され、
前記センタープレートの他方の側には、複数の前記第2の質量体が配置される、請求項1に記載の振動吸収装置。
【請求項3】
前記センタープレートには、
前記第1の質量体の内周側への移動を規制する第1の規制面を有する第1の規制面部材と、
前記第2の質量体の内周側への移動を規制する第2の規制面を有する第2の規制面部材と、
が備えられる、請求項1または請求項2に記載の振動吸収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動源と成る振動を吸収する振動吸収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両においては、自動車のエンジンのトルク変動に起因してクランク軸で発生する回転変動を低減する装置が提案されている。例えば、従来の捩り減衰装置は、慣性質量体を有する振動減衰器を備えている。慣性質量体は、2つの質量体から成っており、両質量体は、リベット結合部を介して互いに結合されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また従来、フライホイール本体に転動室が形成され、その転動室の内部にダンパマス(質量体)が収容された装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。この従来のフライホイールでは、ダンパマスの軸方向(クランク軸の軸方向)の振れが防止されて、ダンパマスの軸方向への振れに起因する異音の発生が抑えられている。具体的には、ダンパマスに、周方向に連続する凸部を形成するととに、転動室の転動面に、この凸部とかみ合いかつ転動方向に連続する凹部を形成することにより、ダンパマスの軸方向の振れが防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−4101号公報
【特許文献2】特開平6−193684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の捩り減衰装置では、2つの質量体をリベット結合部で互いに結合する作業が必要であり、質量体を組付けるのに手間がかかる、すなわち質量体の組付け性が低いという問題があった。
【0006】
また、従来のフライホイールでは、ダンパマスの軸方向の振れを防止するために、ダンパマスに、周方向に連続する凸部を形成するととに、転動室の転動面に、この凸部とかみ合いかつ転動方向に連続する凹部を形成している。しかしながら、このような構成を採用すると、ダンパマスや転動面の形状が複雑化し、高い加工精度が必要となり、高コストにつながるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、質量体の組付け性を向上することができること。また、従来よりも比較的簡素な構成で、質量体の軸方向への移動(振れ)に起因する異音の発生を抑えることのできる振動吸収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の振動吸収装置は、エンジンの振動を吸収する振動吸収装置であって、前記振動吸収装置は、前記エンジンの動力を伝達する動力伝達軸に設けられるハウジングと、前記動力伝達軸の軸方向と交差する方向に沿って前記ハウジングの内部に設けられるセンタープレートと、前記センタープレートを前記動力伝達軸の軸方向の両側から挟むように配置される一対の質量体と、を備え、前記一対の質量体は、前記センタープレートの一方の側に配置される第1の質量体と、前記センタープレートの他方の側に配置される第2の質量体と、を備え、前記第1の質量体と前記第2の質量体とは別体で構成されている。
【0009】
この構成により、センタープレートの両側に、第1の質量体と第2の質量体をそれぞれ別々に配置することができる。この場合、第1の質量体と第2の質量体とを互いに固定する必要がない。したがって、従来に比べて質量体を容易に組み付けることができ、質量体の組付け性が向上する。さらに、従来に比べて、比較的簡素な構成で、質量体の軸方向への移動(振れ)に起因する異音の発生を抑えることができる。また、質量体の軸方向への移動(振れ)に起因する摩耗を低減することができる。
【0010】
また、本発明の振動吸収装置では、前記センタープレートの一方の側には、複数の前記第1の質量体が配置され、前記センタープレートの他方の側には、複数の前記第2の質量体が配置されてもよい。
【0011】
この構成により、センタープレートの両側に、複数の第1の質量体と複数の第2の質量体をそれぞれ別々に配置することができる。この場合、複数の第1の質量体の各々と複数の第2の質量体の各々とを互いに固定する必要がない。したがって、従来に比べて複数の質量体を容易に組み付けることができ、組付け性が向上する。
【0012】
また、本発明の振動吸収装置では、前記センタープレートには、前記第1の質量体が転動する第1の転動面を有する第1の転動面部材と、前記第2の質量体が転動する第2の転動面を有する第2の転動面部材と、が備えられてもよい。
【0013】
この構成により、センタープレートに第1の転動面と第2の転動面が備えられる。第1の質量体と第2の質量体がそれぞれ第1の転動面と第2の転動面を転動することにより、エンジンの振動を吸収することができる。
【0014】
また、本発明の振動吸収装置では、前記センタープレートには、前記第1の質量体の内周側への移動を規制する第1の規制面を有する第1の規制面部材と、前記第2の質量体の内周側への移動を規制する第2の規制面を有する第2の規制面部材と、が備えられてもよい。
【0015】
この構成により、センタープレートに第1の規制面と第2の規制面が備えられる。この第1の規制面と第2の規制面により、第1の質量体と第2の質量体の内周側(動力伝達軸の径方向内側)への移動を規制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1の質量体と第2の質量体を別体で構成することにより、質量体の組付け性を向上させることができる。また、従来に比べて比較的簡素な構成で、質量体の軸方向への移動(振れ)に起因する異音の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態における振動吸収装置を車両に適用した場合の構成図である。
【
図2】本発明の実施の形態における振動吸収装置の構成を説明する側断面図である。
【
図3】(a)
図2に示すセンタープレートの構成を示す軸方向からみた平面図である。(b)
図2に示すセンタープレートの構成を示す
図3(a)のIII−III断面での説明図である。
【
図4】(a)
図2に示す規制面部材の構成を示す軸方向からみた平面図である。(b)
図2に示す規制面部材の構成を示す
図4(a)のIV−IV断面での説明図である。
【
図5】(a)
図2に示す転動面部材の構成を示す軸方向からみた平面図である。(b)
図2に示す転動面部材の構成を示す
図5(a)のV−V断面での説明図である。
【
図6】本発明の実施の形態における振動吸収装置の構成(質量体の組付け)を説明する軸方向からみた平面図である。
【
図7】本発明の実施の形態における振動吸収装置の構成(質量体の組付け)を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態の振動吸収装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、自動車の振動源となるエンジン等の振動を吸収する振動吸収装置の場合を例示する。
【0019】
本発明の実施の形態の振動吸収装置の構成を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の振動吸収装置を、車両に適用した場合の構成図である。
図1に示すように、車両1は、エンジン2と変速機3を備えており、エンジン2の回転駆動力(変速機3からの出力)は、デファレンシャルギア装置(デフ)4を介して、左右の車輪5に分配して伝達される。エンジン2と変速機3との間には、エンジン2の振動を吸収するための振動吸収装置6が備えられている。
図1の例では、振動吸収装置6が変速機3の側に設けられているが、本発明の範囲はこれに限定されず、振動吸収装置6はエンジン2の側に設けることもできる。また、振動吸収装置6は、変速機3のハウジング内に設けることもできる。
【0020】
図2は、振動吸収装置6の構成を説明する側断面図である。
図2に示すように、振動吸収装置6は、エンジン2の動力(回転駆動力)を伝達するクランク軸7に固定され、クランク軸7と一体回転するハウジング8を備えている。ハウジング8は、クランク軸7の軸方向からみた平面視でリング形状に構成され外周がクランク軸7の軸方向に沿って水平となり、ハウジングカバーと変速機側の軸方向端部が溶接により一体となって、ハウジング8の内径の固定孔41にてクランク軸7にボルト等の締結部材42により取り付けられている(
図2および
図6参照)。
【0021】
ハウジング8は、
図2に示されるように、ハウジング8の内部中央にセンタープレート9が設けられ、センタープレート9の軸方向両側および外周の周囲を覆うハウジングプレート10により構成されている。センタープレート9は、クランク軸7の軸方向と交差する方向(
図2における上下方向)に沿って設けられている。なお、センタープレート9はドリブンプレートと呼ぶこともでき、ハウジングプレート10はドライブプレートと呼ぶこともできる。
【0022】
図2に示すように、振動吸収装置6は、形式の異なる二つの減衰器(オイル式ダンパ11と振り子式ダンパ12)をハウジング内部に収納する。この場合、オイル式ダンパ11が外周側(クランク軸7の径方向外側)に配置され、振り子式ダンパ12が内周側(クランク軸7の径方向内側)に配置されている。すなわち、オイル式ダンパ11が振り子式ダンパ12よりも径方向外側に配置されている。
【0023】
振り子式ダンパ12は、一対の質量体を備えている。一対の質量体は、センタープレート9をクランク軸7の軸方向の両側(
図2における左右両側)から挟むように配置されている。より具体的には、一対の質量体は、センタープレート9の一方の側(例えば、
図2における右側)に配置される第1の質量体13と、センタープレート9の他方の側(例えば、
図2における左側)に配置される第2の質量体14を備えている。第1の質量体13と第2の質量体14とは、別体で構成されている。
【0024】
この振り子式ダンパ12は、一対の質量体を複数組(例えば、
図6の例では12組)備えている。すなわち、センタープレート9の一方の側には、複数(例えば12個)の第1の質量体13が配置され、センタープレート9の他方の側には、複数(例えば12個)の
第2の質量体14が配置されている。
【0025】
センタープレート9には、第1の質量体13の内周側(クランク軸7の径方向内側)への移動を規制する第1の規制面15を有すると共に、規制面15から径方向外側へと延び第1の質量体13の軸方向端面が当接することにより第1の質量体13の軸方向への移動を規制することによりサイドプレートとしても機能する第1の側壁160を有するプレス加工された第1の規制面部材16と、第2の質量体14の内周側(クランク軸7の径方向内側)への移動を規制する第2の規制面17を有すると共に、規制面17から径方向外側へと延び第2の質量体14の軸方向端面が当接することにより第2の質量体14の軸方向への移動を規制することによりサイドプレートとしても機能する第2の側壁180を有するプレス加工された第2の規制面部材18が取り付けられている。第1の規制面15は、第1の質量体13より内周側(クランク軸7の径方向内側)に設けられており、第2の規制面17は、第2の質量体14より内周側(クランク軸7の径方向内側)に設けられている。第1の規制面部材16および第2の規制面部材18は、固定ピン19、20によりセンタープレート9に位置決めされて固定されている。
【0026】
また、センタープレート9には、第1の質量体13が外周側(径方向外側)で転動する第1の転動面21を有する環状の第1の転動面部材22と、第2の質量体14が外周側(径方向外側)で転動する第2の転動面23を有する環状の第2の転動面部材24が取り付けられている。第1の転動面21は、第1の質量体13より外周側(クランク軸7の径方向外側)に設けられており、第2の転動面23は、第2の質量体14より外周側(クランク軸7の径方向外側)に設けられている。第1の転動面部材22および第2の転動面部材24は、固定ピン19、20によりセンタープレート9に位置決めされて固定されている。第1の規制面部材22と第2の規制面部材24を固定する固定ピン20により、センタープレート9とフライホイール40とはセンタープレート9の軸方向両側から規制面部材16、18それぞれを挟んで一体に固定されており、図示しないクラッチを介してフライホイール40は変速機3の入力軸へとつながるよう構成されている。振り子式ダンパ12では、同時に質量体13、14が転動面21、23に沿って径方向および周方向に転動することによりエンジン2からの振動が吸収された後、変速機側に伝わるようになっている。
【0027】
図3は、センタープレート9の説明図である。
図3に示すように、センタープレート9は、クランク軸7の軸方向からみた平面視でリング形状に構成されており、センタープレート9の中央の中空部はクランク軸7の外径の大きさに対応した径となっている。また、
図4は、規制面部材(第1の規制面部材16、第2の規制面部材18)の説明図である。
図4に示すように、規制面部材も、クランク軸7の軸方向からみた平面視でリング形状に構成されており、規制面部材の中央の中空部はクランク軸7の外径の大きさに対応した径となっている。さらに、
図5は、転動面部材(第1の転動面部材22、第2の転動面部材24)の説明図である。
図5に示すように、転動面部材も、クランク軸7の軸方向からみた平面視でリング形状に構成されており、転動面の中央の中空部が、クランク軸7の外径の大きさに対応した径となっている。よって、センタープレート9とクランク軸7とは入力側となるエンジン2から振動が発生した場合でも、出力側となるセンタープレート9とは干渉しない。
【0028】
図6および
図7は、質量体の組付けの様子を示す説明図である。
図6および
図7に示すように、質量体(第1の質量体13、第2の質量体14)を組付ける場合には、まず、センタープレート9の一方の側(例えば、
図6における右側)に複数の(例えば12個)第1の質量体13を配置する。つぎに、センタープレート9の一方の側(例えば、
図6における右側)に第1の規制面部材16を配置して、第1の質量体13の内周側(クランク軸7の径方向内側)に第1の規制面15を配置する。また、センタープレート9の一方の側
(例えば、
図6における右側)に第1の転動面部材22を配置して、第1の質量体13の外周側(クランク軸7の径方向外側)に第1の転動面21を配置する。
【0029】
同様に、まず、センタープレート9の他方の側(例えば、
図6における左側)に複数(例えば12個)の第2の質量体14を配置する。つぎに、センタープレート9の他方の側(例えば、
図6における左側)に第2の規制面部材18を配置して、第2の質量体14の内周側(クランク軸7の径方向内側)に第2の規制面17を配置する。また、センタープレート9の他方の側(例えば、
図6における左側)に第2の転動面部材24を配置して、第2の質量体14の外周側(クランク軸7の径方向外側)に第2の転動面23を配置する。
【0030】
そして、固定ピン19で、第1の規制面部材16と第1の転動面部材22と第2の規制面部材18と第2の転動面部材24をセンタープレート9に固定し、また、固定ピン20で、第1の規制面部材16と第2の規制面部材18をセンタープレート9に固定する(
図2参照)。このようにして、質量体(第1の質量体13、第2の質量体14)の組付けが完了する。
【0031】
このような本発明の実施の形態の振動吸収装置6によれば、センタープレート9の両側に、一対の質量体(第1の質量体13、第2の質量体14)がそれぞれ別々に配置される。この場合、第1の質量体13と第2の質量体14とを互いに固定する必要がない。したがって、従来に比べて質量体(第1の質量体13、第2の質量体14)を容易に組み付けることができ、組付け性が向上する。さらに、従来に比べて、比較的簡素な構成で、質量体の軸方向への移動(振れ)に起因する異音の発生を抑えることができる。また、質量体の軸方向への移動(振れ)に起因する摩耗を低減することができる。
【0032】
本実施の形態では、センタープレート9の両側に、複数(例えば12個)の第1の質量体13と複数(例えば12個)の第2の質量体14をそれぞれ別々に配置することができる。この場合、複数の第1の質量体13の各々と複数の第2の質量体14の各々とを互いに固定する必要がない。したがって、従来に比べて複数の質量体(第1の質量体13、第2の質量体14)を容易に組み付けることができ、組付け性が向上する。
【0033】
また、本実施の形態では、センタープレート9に第1の転動面21と第2の転動面23が備えられる。第1の質量体13と第2の質量体14がそれぞれ第1の転動面21と第2の転動面23を転動することにより、エンジン2の振動を吸収することができる。
【0034】
また、本実施の形態では、センタープレート9に第1の規制面15と第2の規制面17が備えられる。この第1の規制面15と第2の規制面17により、第1の質量体13と第2の質量体14の内周側(動力伝達軸の径方向内側)への移動を規制することができる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように、本発明にかかる振動吸収装置は、質量体の組付け性が向上することができるとともに、比較的簡素な構成で、質量体の軸方向への移動(振れ)に起因する異音の発生を抑えることができるという効果を有し、自動車のエンジンの振動を吸収する振動吸収装置等として有用である。
【符号の説明】
【0037】
1 車両
2 エンジン
3 変速機
4 デファレンシャルギア装置(デフ)
5 車輪
6 振動吸収装置
7 クランク軸
8 ハウジング
9 センタープレート(ドリブンプレート)
10 ハウジングプレート(ドライブプレート)
11 オイル式ダンパ
12 振り子式ダンパ
13 第1の質量体
14 第2の質量体
15 第1の規制面
16 第1の規制面部材
17 第2の規制面
18 第2の規制面部材
19 固定ピン
20 固定ピン
21 第1の転動面
22 第1の転動面部材
23 第2の転動面
24 第2の転動面部材