特許第6737515号(P6737515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6737515
(24)【登録日】2020年7月20日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20200730BHJP
【FI】
   A63F7/02 312Z
   A63F7/02 315A
【請求項の数】1
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-72595(P2018-72595)
(22)【出願日】2018年4月4日
(65)【公開番号】特開2019-180604(P2019-180604A)
(43)【公開日】2019年10月24日
【審査請求日】2019年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】福原 弘修
【審査官】 井上 昌宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−223208(JP,A)
【文献】 特開2018−015377(JP,A)
【文献】 特開2014−100467(JP,A)
【文献】 特開2014−147606(JP,A)
【文献】 特開2015−112350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否判定で当りになると特別遊技を行うと共に、遊技領域に第1領域と第2領域とが設けられており、前記第1領域及び前記第2領域のうちのいずれの領域に遊技球を進入させるかを遊技者が選択可能に構成された弾球遊技機であって、
始動口への入球に起因して前記当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定で当った後に、遊技球が前記第1領域と前記第2領域とのうちのいずれに進入したかを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果と、抽選の結果とに基づき、前記特別遊技の内容を決定する決定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づき、前記特別遊技の開始に伴い行われる開始演出の継続時間である開始演出時間を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記開始演出時間にわたって、前記開始演出を行う演出手段と、
前記決定手段により決定された内容の前記特別遊技を行う特別遊技手段と、
を備え、
前記判定手段により遊技球が前記第1領域に進入したと判定された場合を第1ケースとすると共に、遊技球が前記第2領域に進入したと判定された場合を第2ケースとし、
前記決定手段は、前記第2ケースには、抽選により、遊技者の有利さの異なる複数の選択内容のうちのいずれかを、前記特別遊技の内容として決定し、
遊技者に最も有利な前記選択内容は、前記第1ケースに決定され得る前記特別遊技の内容よりも遊技者に有利であり、
遊技者に最も不利な前記選択内容は、前記第1ケースに決定され得る前記特別遊技の内容よりも遊技者に不利であり、
前記第2ケースに前記選択手段により選択され得る前記開始演出時間の平均的な長さは、前記第1ケースに前記選択手段により選択され得る前記開始演出時間の平均的な長さよりも長いこと、
を特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特別遊技の開始前に遊技球が通過したゲートに基づき、特別遊技の内容を決定する弾球遊技機が知られている。特許文献1のパチンコ機では、センター役物の左側に特図ゲートAが配置され、右側に特図ゲートBが配置される。つまり、遊技者は、特別遊技の開始前に、特図ゲートA,Bのうちの一方を狙い打ちし、遊技球が特図ゲートA,Bのどちらを通過するかを選択できる。
【0003】
そして、遊技球が特図ゲートAを通過した場合には、特別遊技の総ラウンド数が5Rに決定され、遊技球が特図ゲートBを通過した場合には、特別遊技の総ラウンド数は、抽選により2R又は16Rに決定される。つまり、遊技者は、特別遊技にて安定した賞球を得るか、より多くの賞球を得るための賭けをするかを選択できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−152161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたパチンコ機では、遊技球が特図ゲートA,Bのどちらを通過した場合であっても、特別遊技の開始前に行われる演出の継続時間は同一となっている。このため、遊技者の選択等に応じた内容の演出を行うことができなかった。
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、特別遊技の内容を決定するための遊技者の選択に応じた興趣の高い演出を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に係る発明は、当否判定で当りになると特別遊技を行うと共に、遊技領域に第1領域と第2領域とが設けられており、第1領域及び第2領域のうちのいずれの領域に遊技球を進入させるかを遊技者が選択可能に構成された弾球遊技機に関する。弾球遊技機は、始動口への入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、当否判定で当った後に、遊技球が第1領域と第2領域とのうちのいずれに進入したかを判定する判定手段と、判定手段による判定結果と、抽選の結果とに基づき、特別遊技の内容を決定する決定手段と、判定手段による判定結果に基づき、特別遊技の開始に伴い行われる開始演出の継続時間である開始演出時間を選択する選択手段と、選択手段により選択された開始演出時間にわたって、開始演出を行う演出手段と、決定手段により決定された内容の特別遊技を行う特別遊技手段と、を備える。
また、判定手段により遊技球が第1領域に進入したと判定された場合を第1ケースとすると共に、遊技球が第2領域に進入したと判定された場合を第2ケースとしても良い。そして、決定手段は、第2ケースには、抽選により、遊技者の有利さの異なる複数の選択内容のうちのいずれかを、特別遊技の内容として決定し、遊技者に最も有利な選択内容は、第1ケースに決定され得る特別遊技の内容よりも遊技者に有利であり、遊技者に最も不利な選択内容は、第1ケースに決定され得る特別遊技の内容よりも遊技者に不利であっても良い。さらに、第2ケースに選択手段により選択され得る開始演出時間の平均的な長さは、第1ケースに選択手段により選択され得る開始演出時間の平均的な長さよりも長くても良い。
【0007】
このような構成によれば、遊技者は、当否判定で当った後、第1及び第2領域のうちの一方を選択し、選択した領域に遊技球を進入させることができ、該選択により特別遊技の内容が定められる。そして、特別遊技の開始演出時間は、第1及び第2領域のうちのどちらに遊技球が進入したかにより選択される。つまり、遊技者は、特別遊技の内容を決定するための選択を行うことができ、該選択に基づき開始演出時間が選択される。これにより、該選択に応じた内容の開始演出を行うことが可能となる。
【0008】
このため、特別遊技の内容を決定するための選択に際して、遊技者が、例えばハイリス
クな選択を行った場合等に開始演出時間を長くし、より充実した内容の開始演出を行うことが可能となる。つまり、該選択を行った遊技者の心理状態等に応じて、様々な開始演出を行うことが可能となる。したがって、特別遊技の内容を決定するための遊技者の選択に応じた興趣の高い演出を行うことができる。
【0010】
このような構成によれば、遊技者が第2ケースを選択した場合には、第1ケースよりも得をする可能性があるが損をする可能性もあり、遊技者が第1ケースを選択した場合には、安定した利益が得られる。つまり、第1ケースは、ローリスク、ローリターンな選択となり、第2ケースは、ハイリスク、ハイリターンな選択となる。このため、第1及び第2ケースのうちのどちらであるかに応じて開始演出時間を定めることで、遊技者が背負ったリスクや、遊技者が抱いている期待感等に応じた様々な開始演出を行うことが可能となる。したがって、特別遊技の内容を決定するための遊技者の選択に応じた興趣の高い演出を行うことができる。
【0011】
さらに、このような構成によれば、ハイリスク、ハイリターンな第2ケースが選択された場合の開始演出時間を長くすることができる。このため、該場合の開始演出の内容を充実させ、遊技者がリスクを背負ったことに対する特典を付与できる。
【0012】
また、選択手段は、判定手段による判定結果と、抽選の結果とに基づき、開始演出時間を選択しても良い。
このような構成によれば、開始演出の内容により変化を持たせることができる。したがって、より一層、興趣の高い演出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】パチンコ機の遊技盤の正面図である。
図2】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図3】振分装置の説明図である。
図4】第1及び第2ケースにおける総ラウンド数及び開始演出時間を示す表である。
図5】ラウンド決定ゲームにおける演出画面の説明図である。
図6】ラウンド決定ゲームにおける演出画面の説明図である。
図7】メインルーチンについてのフローチャートである。
図8】始動入賞処理についてのフローチャートである。
図9】当否判定処理についてのフローチャートである。
図10】特別図柄確定処理についてのフローチャートである。
図11】大当り遊技決定処理についてのフローチャートである。
図12】特別遊技処理についてのフローチャートである。
図13】特別遊技処理についてのフローチャートである。
図14】特別遊技処理についてのフローチャートである。
図15】特別遊技処理についてのフローチャートである。
図16】特別遊技処理についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1は、本実施形態におけるパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に沿っているので図示及び説明は割愛する。遊技盤1には公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられ、図示しない多数の遊技釘が植設されている。遊技領域3の略中央には、窓部を有する液晶枠飾り5が設けられており、演出図柄表示装置6(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
【0015】
液晶枠飾り5の下には、第1始動口11(本発明の始動口に相当)とその下に開閉可能な羽根部材を備えた可変入賞装置である普通電動役物で構成された第2始動口12(本発明の始動口に相当)とが配置され、液晶枠飾り5の左方には、普通図柄作動用ゲート17が配置され、液晶枠飾り5の右方には、振分装置16が配置されている。なお、第2始動口12は、普通電動役物の羽根部材が開放しないと遊技球が第2始動口12に入球できない構成となっているが、これに限るわけではない。
【0016】
ここで、図3(a)、(b)により振分装置16の構成について説明する。なお、図3は、便宜上、内部の振分構造等が判り易いように筐体前面部を省略した概略説明図となっている。振分装置16は、所謂右打ちによって発射されて液晶枠飾り5の右側流下経路を流下する遊技球を内部に取込可能なように上方に向かって開口する取込口16aを備えている。また、振分装置16は、取込口16aに連通しており、略逆Y字状の振分誘導路を備え、該逆Y字状の振分誘導路に向かって左下部には第1ゲート91(Aゲート)を備え、同じく右下部には第2ゲート92(Bゲート)を備えている。つまり、取込口16aから延びる振分誘導路は、第1ゲート91と第2ゲート92とに繋がるように分岐している。
【0017】
振分誘導路の分岐点には、回動可能に枢設され、起立状態から左右に傾倒可能な羽根状の部材である振分部材90を備える。該振分部材90は、後述する振分ソレノイド90aを駆動手段として、電源投入時から左右に傾倒する間欠動作を繰り返し実行するよう構成されている。振分ソレノイド90aの駆動制御は、主制御装置80が直接実行する構成となっている。但し、振分ソレノイド90aの駆動制御手段として、専用の制御基板を備え、主制御装置80は、該制御基板を介して間接的に振分部材90を制御するように構成しても良い。更に、第1ゲート91及び第2ゲート92に連通すると共に、図示左方向に下り傾斜して形成される排出誘導路を備え、該排出誘導路の左端部には、第1ゲート91或いは第2ゲート92を通過した遊技球を遊技領域3に排出する排出口16bが開設されている。
【0018】
このように構成される振分装置16の作用について説明する。先ず、振分装置16の振分部材90は、パチンコ機に電源が投入された時点から、枢軸を中心として、図3に向かって左右方向に傾倒する(換言すれば、第1ゲート91側と第2ゲート92とに傾倒する)間欠動作を反復継続して行う。この間欠動作では、一例として、5秒周期で傾倒する方向が変化する。
【0019】
間欠動作の実行中、振分装置16は、取込口16aから遊技球を取り込むと、該遊技球を直下の振分部材90に向けて誘導する。誘導された遊技球は、振分部材90の傾倒動作によって実現される振分態様に基づいて、第1ゲート91或いは第2ゲート92の何れかに振り分けられる。遊技球が各ゲートを通過すると、各ゲートに設けられた第1ゲートスイッチ91a又は第2ゲートスイッチ92aは、検知信号を生成する。その後、ゲートを通過した遊技球は、排出誘導路を下り傾斜に従って流下し、排出口16bから遊技領域3に向けて排出される。
【0020】
図3(a)は、振分部材90が左方向に傾倒動作して左側の振分誘導路を遮蔽することで、遊技球を右下方に誘導する右振分態様を示し、図3(b)は、振分部材90が右方向に傾倒動作して右側の振分誘導路を遮蔽することで、遊技球を左下方に誘導する左振分態様を示している。図3(a)の右振分態様の場合、遊技球は第2ゲート92を通過するように振り分けられ、図3(b)の左振分態様の場合、遊技球は第1ゲート91を通過するように振り分けられる。なお、本実施形態では、遊技者の意向(発射操作)に応じて、第1ゲート91及び第2ゲート92の何れかの任意のゲートに遊技球を通過させることが可能となっている。つまり、振分部材90が右振分態様又は左振分態様に維持されているタイミングを見計らって、遊技球を発射することで、遊技者は容易に任意のゲートに遊技球を通過させることが出来るように構成されている。
【0021】
液晶枠飾り5の下方(第1始動口11の下方)には、大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、4個の一般入賞口31〜34が配置されている。なお、これらの一般入賞口31〜34は、入球率が変化しない普通入賞口である。
遊技領域3の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
【0022】
上記のように遊技盤1を構成することによって、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図2参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、普通電動役物の羽根部材が駆動して、第2始動口12への入球が可能となるように構成されている。
【0023】
普通電動役物の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時においては、0.2秒の開放を1回(ショート開放)、時短状態で作動する開放延長機能では1回の普通図柄の当りで1秒の開放を3回実施する。
第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口12である普通電動役物に遊技球が入球(第2始動口スイッチ12a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
【0024】
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6において、各々の特別図柄の変動に連動した演出図柄の変動表示(換言すれば、図柄演出)が行われる。これにより、遊技者は、遊技領域3の中央に配置された演出図柄表示装置6上の演出図柄によって当りハズレを認識することになる。また、第1特別図柄の変動よりも、第2特別図柄の変動(換言すれば、第2特別図柄の当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となった時に、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。第1特別図柄及び第
2特別図柄が大当り表示態様となると、大当り遊技(換言すれば、特別遊技)が行われ、所定数のラウンドにわたって大入賞口14が開放される。
【0025】
(2)電気的構成について
次に、図2を用いて、本実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図を説明する。図2では、電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。
【0026】
主制御装置80の入力端には、遊技盤中継端子板74を介して、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11aと、第2始動口12である普通電動役物に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12aと、普通図柄作動ゲート17に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17aと、大入賞口14に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ14aと、第1ゲート91に進入した遊技球を検出する第1ゲートスイッチ91aと、第2ゲート92に進入した遊技球を検出する第2ゲートスイッチ92aと、一般入賞口31〜34に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ31aと、が接続されている。
【0027】
また、主制御装置80には、裏配線中継端子板75を介してガラス枠が開放していることを検出するガラス枠開放スイッチ35と、内枠が開放していることを検出する内枠開放スイッチ36と、が接続されている。なお、主制御装置80の入力端に接続された各種入賞検出スイッチ(第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、普通図柄作動スイッチ17a、カウントスイッチ14a、第1ゲートスイッチ91a、第2ゲートスイッチ92a、一般入賞口スイッチ31a)は、電波(電磁波)ゴトに有効(遊技球検出状態時のみ電波の影響を受ける)なスイッチであるノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の近接スイッチ(遊技球通過孔を備えた形状)を用いている。
【0028】
主制御装置80の出力端には、遊技盤中継端子板74を介して、大入賞口14の扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド14bと、振分装置16内の振分部材90を駆動する振分ソレノイド90aと、第2始動口12となる普通電動役物の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド12bとが接続されており、図柄表示装置中継端子板95を介して、第1特別図柄を表示する第1特図表示装置9と、第1特別図柄の保留記憶数を表示する第1特図保留数表示装置18と、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置10と、第2特別図柄の保留記憶数を表示する第2特図保留数表示装置19と、普通図柄を表示する普通図柄表示装置7と、普通図柄の保留記憶数を表示する普図保留数表示装置8とが接続されており、裏配線中継端子板75及び外部接続端子板78を介して、図示しないホールコンピュータ87が接続されている。
【0029】
主制御装置80はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。ここで、主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信回路として構成され、主制御装置80とサブ統合制御装置83とは主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成されている。
【0030】
払出制御装置81の入力端には、裏配線中継端子板75を介して球タンク又はタンクレール内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ23と、裏配線中継端子板75及び払出中継端子板76を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ21と、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ22とが接続されている。払出制御装置81の出力端には、裏配線中継端子板75及び
払出中継端子板76を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ20が接続されている。
【0031】
払出制御装置81はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置80から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置80及び発射制御装置84に出力する。ここで、払出制御装置81と主制御装置80とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置81と発射制御装置84とは払出制御装置81から発射制御装置84への一方向通信回路として構成されている。
【0032】
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止スイッチ信号が入力される。
【0033】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64に触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0034】
サブ統合制御装置83の入力端には、遊技者により操作可能な演出ボタン67が接続されている。サブ統合制御装置83の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤1に備えられる各種LED・ランプ26と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ66と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは、主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
【0035】
サブ統合制御装置83はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される演出ボタン67の入力ならびに主制御装置80から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄制御装置82に出力する。
また、サブ統合制御装置83には、音量を調節する音量調節スイッチ83aが備えられ、音量調節スイッチ83aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ66へ送信する内容とを判断し、スピーカ66から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
【0036】
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して演出図柄等の演出画像を表示する。
なお、本パチンコ機は、機外に賞球を払出す構成となっているが、所定数の遊技球を機内に封入し、発射した遊技球を遊技機内で回収して循環的に使用することで遊技を行う封入式遊技機としても、何ら問題なく本発明の効果を発揮する。
【0037】
[動作の説明]
(1)概要について
本実施形態におけるパチンコ機では、第1始動口11及び第2始動口12への入球により大当り抽選(換言すれば、当否判定)が行われ、大当り抽選では、大当り又は小当りに当選する。大当りに当選した場合には、大入賞口14を所定のラウンド数にわたって開放する大当り遊技が行われる。一方、小当りに当選した場合には、大入賞口14が、一例として1.6秒間開放される。
【0038】
また、パチンコ機は、確変機能が設けられており、遊技状態として、高確率状態(換言すれば、確変状態)と、低確率状態とが設けられている。高確率状態では、低確率状態に比べ、大当り抽選で大当りとなる確率が高くなる。なお、小当りに当選する確率は、遊技状態に関わらず常に一定となっている。
また、パチンコ機では、遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過すると、普通図柄による当否判定(以後、普通図柄抽選)が行なわれる。そして、普通図柄抽選に当選すると、所定期間にわたって第2始動口12である普通電動役物を開放する普図遊技が行われる。
【0039】
また、パチンコ機には、普通図柄抽選の当選確率と、普通図柄抽選の当選時における普通電動役物の開放時間を変化させる開放延長機能が設けられている。開放延長機能が作動していない場合、普図遊技では、0.2秒にわたって普通電動役物を開放させる開放動作が1回行われる。一方、開放延長機能が作動している場合、普図遊技では、1.0秒にわたって普通電動役物を開放させる開放動作が3回行われる。また、この場合、第1及び第2特別図柄の平均的な変動パターン(換言すれば、変動時間)は、開放延長機能が作動していない場合に比べ短くなる。これにより、開放延長機能の作動中は、開放延長機能の非作動中に比べ、単位時間あたりの特別図柄の変動回数が増加する。以後、開放延長機能が作動している遊技状態を、時短状態と記載する。なお、開放延長機能作動時には、普通図柄抽選の当選確率が増加すると共に、普通図柄の変動時間も短縮する。これにより、単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加する。
【0040】
(2)ラウンド決定ゲームについて
本実施形態のパチンコ機は、大当り抽選で大当りとなると、そのまま大当り遊技には移行せず、ラウンド決定ゲームが行われる。ラウンド決定ゲームでは、遊技者は、第1又は第2ゲート91、92のうちの任意に選択したゲートに、遊技球を進入させることができる。ラウンド決定ゲームにて遊技球が第1又は第2ゲート91、92を通過すると、ラウンド決定ゲームが終了し、大当り遊技の第1ラウンドが開始される。そして、大当り遊技の内容は、ラウンド決定ゲームにて遊技球が通過したゲートと、遊技抽選の結果とに基づき決定される。以後、ラウンド決定ゲームにて遊技球が第1ゲート91を通過した場合を第1ケースと記載し、遊技球が第2ゲート92を通過した場合を第2ケースと記載する。
【0041】
ここで、第1及び第2ケースの各々において決定され得る大当り遊技の内容は、以下の(ア)及び(イ)の条件を充足する。
(ア)第2ケースに決定され得る遊技者に最も有利な大当り遊技の内容は、第1ケースに決定され得るいずれの大当り遊技の内容よりも、遊技者に有利である。
(イ)第2ケースに決定され得る遊技者に最も不利な大当り遊技の内容は、第1ケースに決定され得るいずれの大当り遊技の内容よりも、遊技者に不利である。
【0042】
なお、大当り遊技の有利さとは、例えば、大当り遊技にて付与され得る賞球数の期待値や、平均的な賞球数であっても良い。また、(ア)の条件とは、第2ケースに決定され得る遊技者に最も有利な大当り遊技の内容は、第1ケースに決定され得る平均的な大当り遊技の内容よりも、遊技者に有利であるという条件であっても良い。また、(イ)の条件とは、第2ケースに決定され得る遊技者に最も不利な大当り遊技の内容は、第1ケースに決定され得る平均的な大当り遊技の内容よりも、遊技者に不利であるという条件であっても
良い。
【0043】
このため、ラウンド決定ゲームにおいて、大当り遊技でより多くの賞球を獲得することにチャレンジしたい遊技者は、遊技球が第2ゲート92を通過するように遊技球を発射し、一定数の賞球を確実に獲得したい遊技者は、遊技球が第1ゲート91を通過するように遊技球を発射する。
本実施形態では、一例として、大当り遊技の総ラウンド数により、大当り遊技の有利さが定められる。具体的には、図4(a),(b)に記載されているように、第1ケースでは大当り遊技の総ラウンド数は、常に10ラウンドとなり、第2ケースでは、大当り遊技の総ラウンド数は、遊技抽選により、4ラウンド又は16ラウンドのいずれかとなる。つまり、これらの総ラウンド数が、第2ケースにおいて選択され得る大当り遊技の内容(以後、選択内容とも記載)となる。
【0044】
なお、ラウンド決定ゲームにて選択され得る選択内容は、3つ以上設けられていても良い。また、第1ケースにおいても、(ア)及び(イ)の条件を充足する範囲で、遊技抽選により、予め定められた複数の総ラウンド数の中から総ラウンド数が決定されても良い。具体的には、例えば、第1ケースにおいて、総ラウンド数が、遊技抽選により8ラウンド又は12ラウンドに決定されても良い。
【0045】
また、第1ケースが選択された場合の平均的な有利さ(換言すれば、平均的な賞球数)と、第2ケースが選択された場合の平均的な有利さ(換言すれば、平均的な賞球数)が同一又は略同一となるよう、遊技抽選の確率が調整される。
また、本実施形態では、総ラウンド数により大当り遊技の有利さが定められるが、他の方法で大当り遊技の有利さが定められても良い。すなわち、大入賞口14に継続口を設け、継続口への入球が生じた場合に次のラウンドに移行する条件付ラウンドと、継続口への入球の有無に関わらず次のラウンドに移行する無条件ラウンドとを設けても良い。このような構成によれば、例えば、条件付ラウンドが到来する順番や、大当り遊技に含まれる条件付ラウンドと無条件ラウンドとの比率を調整することで、大当り遊技の有利さを定めることができる。そして、上述した(ア)及び(イ)の条件を充足させた状態で、条件付ラウンドの比率、順番、総ラウンド数のうちの少なくとも1つが異なる大当り遊技の内容が、第1及び第2ケースに選択されるようにしても良い。
【0046】
なお、図5(a)には、ラウンド決定ゲーム中に演出図柄表示装置6に表示される演出画面の一例が記載されている。演出画面100では、ラウンド決定ゲームの内容が説明される。具体的には、遊技球が第1ゲート91に相当するAゲートを通過した場合には、大当り遊技の総ラウンド数が10ラウンドとなり、遊技球が第2ゲート92に相当するBゲートを通過した場合には、大当り遊技の総ラウンド数が4ラウンド又は16ラウンドとなることが表示される。
【0047】
(3)大当り遊技の開始演出について
サブ統合制御装置83は、主制御装置80からのコマンドに応じて各種演出を行う。具体的には、サブ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82を制御して演出図柄表示装置6の演出画面に画像を表示したり、スピーカ66やLED・ランプ26を制御したりすることで、演出を行う。
【0048】
また、本実施形態のパチンコ機では、大当り遊技の開始に伴い開始演出が行われる。より詳しくは、一例として、ラウンド決定ゲームの終了後、大当り遊技における第1ラウンドの開始前に開始演出が行われる。なお、開始演出の実行時期は、これに限らず、例えば、第1ラウンドの開始後も継続して行われても良い。開始演出では、例えば、大当り遊技の内容(例えば、総ラウンド数等)の報知等がなされる。そして、本実施形態では、ラウ
ンド決定ゲームにて遊技球が第1、第2ゲート91、92のいずれを通過したかに応じて(換言すれば、第1ケースであるか第2ケースであるかに応じて)、開始演出の継続時間(以後、開始演出時間)が選択される。開始演出は、その開始演出時間に応じた態様で行われる。また、一例として、第2ケースに選択され得る開始演出時間の平均的な長さは、第1ケースに選択され得る開始演出時間の平均的な長さよりも長い。なお、これに限らず、第1及び第2ケースの各々に選択され得る開始演出時間は、随時設定され得る。
【0049】
具体的には、例えば、図4(a)に記載されているように、第1ケースでは、開始演出時間を常に5秒としても良い。一方、第2ケースでは、大当り遊技の内容、より詳しくは、総ラウンド数(換言すれば、遊技抽選の結果)に基づき、開始演出時間が3秒又は8秒に選択されても良い。なお、第2ケースにおける開始演出時間は、抽選により決定されても良い。また、第2ケースにおける開始演出時間は、常に一定であっても良い。
【0050】
図5(b)の演出画面110は、第1ケースにおける開始演出の一例を示しており、図5(c)、図6(a)の演出画面120、130は、第2ケースにおける開始演出の一例を示している。演出画面110では、遊技球がAゲートを通過したことや、総ラウンド数が報知される。一方、演出画面120、130では、遊技球がBゲートを通過したことや、遊技抽選により決定された総ラウンド数が報知される。
【0051】
また、例えば、第2ケースにおける開始演出において、遊技抽選の結果を報知するための抽選演出を行った後、総ラウンド数等を報知するようにしても良い。抽選演出では、例えば、特定のキャラクタを出現させたり、図柄変動をさせたりして遊技抽選が行われた旨を示した後に、遊技抽選の結果を報知しても良い。なお、図6(b)の演出画面140は、抽選演出の一例を示している。演出画面140では、遊技球がBゲートを通過したことや、遊技抽選により決定され得る総ラウンド数等が報知される。以後、抽選演出の継続時間を抽選演出時間とし、総ラウンド数等が報知される時間を、総ラウンド数報知時間とする。第1ケースでは、遊技抽選が行われないため、開始演出では抽選演出は行われず、総ラウンド数等の報知が行われる。なお、総ラウンド数等を報知する前に、演出が行われても良い。これに対し、第2ケースの開始演出では、抽選演出と、総ラウンド数等の報知とが行われる。
【0052】
そして、図4(b)に記載されているように、開始演出時間を選択しても良い。すなわち、第1ケースでは、開始演出時間を常に2秒としても良い。一方、第2ケースでは、総ラウンド数と抽選の結果とに基づき、開始演出時間が選択されても良い。具体的には、総ラウンド数に基づき、総ラウンド数報知時間が3秒又は5秒に選択され、抽選により、抽選演出時間が、5秒、8秒、又は15秒のいずれかに選択されても良い。
【0053】
これにより、第2ケースでは、抽選演出時間により遊技抽選の結果(換言すれば、総ラウンド数)を判別できなくなり、遊技の興趣を高めることができる。なお、総ラウンド数報知時間もまた、抽選により決定されても良いし、総ラウンド数報知時間は常に一定であっても良い。また、第1ケースにおいて遊技抽選により大当り遊技の内容が決定される場合には、第1ケースにおいても、第2ケースと同様にして、開始演出時間が選択されても良い。
【0054】
(4)メインルーチンについて
次に、図7のフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する「メインルーチン」を説明する。「メインルーチン」はマイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断する
ためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0055】
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば、前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(初期乱数更新処理(S80))に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
【0056】
続く入賞確認処理(S60)では、第1始動口11、第2始動口12、普通図柄作動ゲート17、大入賞口14、第1ゲート91、第2ゲート92、及び、一般入賞口31〜34への入球又は通過、並びに、主制御装置80に接続された各スイッチ類への入力を検出する処理が実行される。続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
【0057】
(5)始動入賞処理について
次に図8のフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、メインルーチンにて実行される入賞確認処理の1つである。始動入賞処理は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)する処理となる。また本処理では、記憶した乱数が予め設定された値か否かを、後述する当否判定処理を実施する以前に判定する先読判定処理を行う。また、始動入賞処理では、第1始動口11及び第2始動口12への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行う。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
【0058】
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入賞したとき、又は普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
【0059】
S100では、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する。否定判定なら(S100:no)S130に進み、肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S105)。否定判定なら(S105:no)S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110
)。
【0060】
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、S110で記憶した大当り判定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、保留記憶した乱数が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を確認する。なお、抽出した乱数を保留記憶する前に、先読判定を行うようにしても良い。
【0061】
続いて、S115の判定結果に基づいて第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)、S160に進み、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)、S160に進み、肯定判定であれば(S135:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S140)、S110と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S145)。なお、抽出した乱数を保留記憶する前に、先読判定を行うようにしても良い。
【0062】
続いて、S145の判定結果に基づいて第2先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S150)、S140で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)、S160に進む。
S160では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S160)。否定判定なら(S160:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S160:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S165:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S170)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S175)、リターンする。
【0063】
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する保留図柄の数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施形態では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第2始動口12)の開放を期待させる先読予告演出の実施が可能となる。
【0064】
(6)当否判定処理について
次に、図9を用いて主制御装置80が実行する特図当否判定処理を説明する。本処理は
、メインルーチンにて実行される。
S200では、特図の始動条件が成立しているか否か判定する。具体的には、大当り遊技中でなく、且つ、第1特別図柄及び第2特別図柄が変動中又は確定表示中でないことを確認する。S200が否定判定なら(S200:no)リターンし、肯定判定であれば(S200:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S205)。肯定判定なら(S205:yes)、S215に進み、否定判定なら(S205:no)第1保留記憶が有るか否か判定する(S210)。S210が否定判定なら(S210:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S210:yes)、S215に進む。S205とS210の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。なお、本実施形態では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であっても良い。また、第2保留記憶の当否判定を優先して実行せず、先に生じた保留記憶から順に当否判定を行う構成であっても良い。
【0065】
S205又はS210が肯定判定なら(S205:yes、S210:yes)、時短フラグが0か否か判定する(S215)。否定判定なら(S215:no)、時短状態中の処理に進む。時短状態中の処理では、後述するS220〜S275と同様にして当否判定や特別図柄の変動パターンの設定等が行われるが、選択される変動パターンの時間が、時短状態でない場合に比べ短くなっている。このため、詳細な説明は省略する。
【0066】
時短フラグは、主制御装置80にて記憶される値であり、時短フラグの値が「0」のときは、時短状態ではないことを、時短フラグの値が「1」のときは、時短状態であることを主制御装置80が判断する。時短状態では、普通図柄、第1及び第2特別図柄の変動時間が短縮されるとともに、開放延長機能が作動し普通電動役物の作動回数が増加するとともに作動時間が通常状態よりも延長される。
【0067】
S215が肯定判定なら(S215:yes)、当否判定の対象となる保留記憶のシフト処理を行うと共に保留記憶カウンタから1を減算し(S220)、当否判定の対象となる保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された特図当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S225)。特図当否判定テーブルは、高確率状態用と低確率状態用の2種類のテーブルがあり、当否判定時の遊技状態が低確率状態であれば低確率状態用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率状態用であれば高確率状態用の当否判定テーブルを用いて比較する。
【0068】
続いてS225の比較結果が大当りか否かを判定し(S230)、肯定判定なら(S230:yes)、図柄モード設定処理を行う(S235)。図柄モード設定処理では、判定対象となる第1又は第2保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。
続いて、設定した図柄モードの種類と大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S240)。これは、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する大当り図柄を決定する処理となる。
【0069】
次にS235で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S245)。モードバッファは当否判定時に確定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、具体的な遊技内容に対応した値を記憶する構成となっている。
【0070】
次に、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表
示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S250)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S255)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、第1又は第2特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいて、第1又は第2特図に対応した演出図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0071】
S250が否定判定、即ちハズレなら(S230:no)、S225の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し(S260)、肯定判定なら(S260:yes)、小当り図柄を選択し(S265)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S270)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S250)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S255)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0072】
S260が否定判定なら(S260:no)、ハズレ図柄を選択し(S275)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S250)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S255)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0073】
(7)特別図柄確定処理について
次に、図10のフローチャートを用いて主制御装置80が実行する特別図柄確定処理を説明する。本処理は、当否判定処理に続いて実行される。
S300では、特別図柄の変動中か否か判定し、否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定なら(S300:yes)、S250で選択した第1又は第2特別図柄の変動パターンが示す変動時間が経過したか否か判定する(S305)。否定判定なら(S305:no)リターンし、肯定判定なら(S305:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83へ送信するとともに、図9のS240,S265,又はS275で選択された特別図柄を第1特図表示装置9又は第2特図表示装置10に確定表示する(S310)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は、演出図柄表示装置6に演出図柄を確定表示する。
【0074】
続いて、第1特図表示装置9又は第2特図表示装置10に確定表示した図柄が大当り図柄か否か判定する(S315)。肯定判定なら(S315:yes)、条件装置作動開始処理を行い(S320)、ゲート有効フラグに1をセットし(S325)、サブ統合制御装置83にラウンド決定遊技開始コマンドを送信し(S330)リターンする。
ゲート有効フラグは、主制御装置80が記憶する値である。ゲート有効フラグが1である場合は、大当り図柄が確定表示されたことに応じて、第1及び第2ゲート91、92の遊技球の通過が有効となったことを示す。一方、ゲート有効フラグが0である場合は、第1及び第2ゲート91、92の遊技球の通過が無効であることを示す。
【0075】
S315が否定判定なら(S315)、確定した図柄が小当り図柄か否か判定し(S335)、否定判定なら(S335:no)リターンし、肯定判定なら(S335:yes)、小当りフラグに1をセットし(S340)、小当り開始コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S345)リターンする。
(8)大当り遊技決定処理について
次に、図11のフローチャートを用いて主制御装置80が実行する大当り遊技決定処理を説明する。本処理は、特別図柄確定処理に続いて実行される。
【0076】
S400では、ゲート有効フラグが1か否か判定し、否定判定なら(S400:no)リターンし、肯定判定なら(S400:yes)、第1ゲートスイッチ91aが遊技球を検出したか否か判定し(S405)、否定判定なら(S405:no)、第2ゲートスイッチ92aが遊技球を検出したか否か判定する(S420)。
S405が肯定判定、即ち、遊技球が第1ゲート91を通過した場合、図4(a)、(b)等に示したようにして、大当り遊技の内容を決定すると共に(S410)、大当り遊技の開始演出の継続時間である開始演出時間を選択し、設定する(S415)。一方、S420が肯定判定、即ち、遊技球が第2ゲート92を通過した場合、抽選乱数を抽出し(S425)、図4(a)、(b)等に示したようにして、遊技抽選を行って大当り遊技の内容を決定すると共に(S430)、開始演出時間を選択し、設定する(S435)。なお、S410、S415、S430、S435では、大当り図柄をさらに加味して、大当り遊技の内容や、開始演出時間が決定されても良い。
【0077】
そして、S410又はS430での決定に従い大入賞口14の開放パターン等を設定し(S440)、役物連続作動装置作動開始処理(S445)を行うことで大当り遊技を開始し、大当りフラグに1をセットし(S450)、ゲート有効フラグに0をセットし(S455)、大当り遊技の内容の情報を含む大当り遊技開始コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S460)リターンする。
【0078】
(9)特別遊技処理について
次に、図12〜16のフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する特別遊技処理を実行する。本処理は、大当り遊技決定処理に続いて実行される。
S500では、大当りフラグに基づいて条件装置が未作動か否かを判定する。S500が肯定判定、即ち、大当り中でなければ(S500:yes)、小当り遊技として大入賞口14が作動中か否かを判定する(S505)。S505が否定判定なら(S505:no)リターンし、肯定判定なら(S505:yes)、小当り開始インターバル中であるか否かを判定し(S510)、肯定判定なら(S510:yes)、小当り開始インターバル時間が経過したか否かを判定し(S520)、否定判定なら(S520:no)、リターンし、肯定判定なら(S520:yes)、小当り遊技として大入賞口14を開放するとともに、サブ統合制御装置83に大入賞口小当り演出指示コマンドを送信し(S525)リターンする。なお、一例として、小当り遊技は、大入賞口14が1.6秒の開放を1回行う構成となっている。
【0079】
S510が否定判定なら(S510:no)、小当り動作中か否か(大入賞口14が1.6秒の開放を行っているか否か)を判定し(S535)、肯定判定なら(S535:yes)、カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S540)、肯定判定なら(S540:yes)、当該小当り遊技時の大入賞口14への遊技球の入球数が9個未満か否か判定する(S545)。S540が否定判定(S540:no)、又はS545が肯定判定(S545:yes)なら、大入賞口14の小当り遊技の開放時間が経過したか否か判定し(S550)、否定判定なら(S550:no)リターンする。
【0080】
S545が否定判定(S545:no)、又はS550が肯定判定(S550:yes)なら、小当り遊技を行う大入賞口14の閉鎖処理を行い(S555)、続いて小当り終了演出処理を行い(S560)リターンする。
S535が否定判定で小当り遊技中ではないなら(S535:no)、小当り終了演出の時間が経過したか否かを判定し(S565)、否定判定なら(S565:no)リターンし、肯定判定なら(S565:yes)、小当り遊技終了処理を行ない(S570)リターンに抜ける。
【0081】
図12のS500が否定判定、即ち大当りフラグが立っていれば(S500:no)、図13のフローチャートに進み、大入賞口14が閉鎖中か否か判定し(S600)、肯定判定なら(S600:yes)、大当り遊技の開始演出中か否か判定する(S605)。S605が肯定判定なら(S605:yes)、大当り遊技の開始演出時間が経過したか否かを判定し(S610)、否定判定なら(S610:no)リターンし、肯定判定なら(S610:yes)、大入賞口14の開放処理を行うとともに、サブ統合制御装置83に大入賞口開放演出を指示するコマンドを送信し(S615)リターンする。
【0082】
S605が否定判定なら(S605:no)、即ち、大当り遊技の開始演出中ではないなら、インターバル中か否か判定し(S620)、否定判定なら(S620:no)、大当り遊技の終了演出中か否か判定し(S630)、否定判定なら(S630:no)、大当り開始演出処理を行いサブ統合制御装置83に大当り遊技の開始演出を指示するコマンドを送信し(S635)、リターンする。該コマンドにより、大当り遊技決定処理にて決定された開始演出時間(換言すれば、開始演出の継続時間)がサブ統合制御装置83に通知される。また、該コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、後述する開始演出を実行する。
【0083】
S620が肯定判定、即ち、インターバル中なら(S620:yes)、インターバル時間が経過したか否か判定し(S625)、否定判定なら(S625:no)リターンし、肯定判定なら(S625:yes)上述したS615に進む。
S600が否定判定、即ち、大入賞口14が開放中なら(S600:no)、図14のフローチャートに進み、大入賞口14が開放中か否か、即ち、大当り遊技の実行中か否か判定し(S700)、肯定判定なら(S700:yes)、カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S705)、肯定判定なら(S705:yes)、当該開放中のカウントスイッチ14aの検出数が9個未満か否か判定する(S710)。S705が否定判定、又はS710が肯定判定(S710:yes)なら、大入賞口14の開放時間が経過したか否か判定し(S715)、否定判定なら(S715:no)リターンし、S710が否定判定(S710:no)、又はS715が肯定判定なら(S715:yes)、大入賞口14の閉鎖処理を行う(S720)。
【0084】
S700が否定判定であれば、図15のフローチャートに進み、終了した大入賞口14の動作が最終ラウンドか否か判定する(S750)。S750にて肯定判定であれば(S750:yes)、大当り終了演出処理を行い、サブ統合制御装置83に大当り終了演出を指示するコマンドを送信し(S755)、リターンする。S750が否定判定なら(S750:no)、大当りインターバル処理を行い、サブ統合制御装置83にインターバル演出を開始する指示信号を送信し(S760)リターンする。
【0085】
図13に戻り、S630が肯定判定、即ち、大当り終了演出中なら(S630:yes)、図16のフローチャートに進み、大当り終了演出時間が経過したか否か判定し(S800)否定判定なら(S800:no)、リターンに抜ける。S800が肯定判定なら(S800:yes)、役物連続作動装置の停止処理(S805)と条件装置の作動停止処理(S810)を行って大当り遊技を終了し、図9のS245(特図当否判定処理)で設
定したモードバッファを参照して(S815)、確変フラグ(S820)、確変カウンタ(S825)、時短フラグ(S830)、時短カウンタ(S835)を設定し、モードバッファをクリアし(S840)、サブ統合制御装置83に終了コマンドと(S845)、設定した確変フラグと時短フラグに基づく状態指定コマンドを送信し(S850)、大当りフラグに0をセットして(S855)リターンする。
【0086】
[効果]
上記実施形態によれば、遊技者は、大当り抽選で大当りとなった後、第1及び第2ゲート91、92のうちの一方を選択し、選択したゲートに遊技球を通過させることができ、該選択により大当り遊技の総ラウンド数が定められる。そして、大当り遊技の開始演出時間は、第1及び第2ゲート91、92のどちらを遊技球が通過したかにより選択される。つまり、遊技者は、大当り遊技の内容を決定するための選択を行うことができ、該選択に基づき開始演出時間が選択される。これにより、該選択に応じた内容の開始演出を行うことが可能となる。
【0087】
このため、大当り遊技の内容を決定するための選択に際して、遊技者が、例えばハイリスクな選択を行った場合等に開始演出時間を長くし、より充実した内容の開始演出を行うことが可能となる。つまり、該選択を行った遊技者の心理状態等に応じて、様々な開始演出を行うことが可能となる。したがって、大当り遊技の内容を決定するための遊技者の選択に応じた興趣の高い演出を行うことができる。
【0088】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、振分装置16に第1及び第2ゲート91、92が設けられている。しかしながら、第1及び第2ゲート91、92の一方を、遊技領域3における液晶枠飾り5の右方に設け、他方を左方に設けても良い。このような場合であっても、ラウンド決定ゲームにて、遊技者は、遊技球を発射させる強度を調整する、より詳しくは、右打ちをするか左打ちをするかを選択することで、遊技球が第1及び第2ゲート91、92のどちらを通過するかを任意に選択できる。
【0089】
(2)上記実施形態における第1及び第2ゲート91、92は、例えば、入球口として構成されていても良いし、役物等に設けられた遊技球が通過可能な領域として構成されていても良い。このような場合であっても、同様の効果が得られる。
(3)上記実施形態のパチンコ機は、1つの大入賞口14を有する。しかしながら、該パチンコ機に2つの大入賞口を設け、上記実施形態と同様にしてラウンド決定ゲームや開始演出を行うようにしても良い。このような場合であっても、同様の効果が得られる。
【0090】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
上記実施形態のパチンコ機が弾球遊技機の一例に、演出図柄表示装置6、演出図柄制御装置82、及び、サブ統合制御装置83が、演出手段の一例に、第1ゲート91が第1領域の一例に、第2ゲート92が第2領域の一例に相当する。また、当否判定処理のS225が当否判定手段の一例に、大当り遊技決定処理のS405、S420が判定手段の一例に、S410、S430が決定手段の一例に、S415、S435が選択手段の一例に、特別遊技処理が特別遊技手段の一例に相当する。
【符号の説明】
【0091】
1…遊技盤、3…遊技領域、6…演出図柄表示装置、9…第1特別図柄表示装置、10…第2特別図柄表示装置、11…第1始動口、12…第2始動口、14…大入賞口、16…振分装置、18…第1特別図柄保留数表示装置、19…第2特別図柄保留数表示装置、
80…主制御装置、82…演出図柄制御装置、83…サブ統合制御装置、90…振分部材、91…第1ゲート、92…第2ゲート。
図1
図2
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図4
図5
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