(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6737534
(24)【登録日】2020年7月20日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】光学測定デバイスのためのオプティカルフローセル
(51)【国際特許分類】
G01N 21/05 20060101AFI20200730BHJP
【FI】
G01N21/05
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-552905(P2017-552905)
(86)(22)【出願日】2016年4月8日
(65)【公表番号】特表2018-512591(P2018-512591A)
(43)【公表日】2018年5月17日
(86)【国際出願番号】EP2016057851
(87)【国際公開番号】WO2016162541
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2019年2月27日
(31)【優先権主張番号】1506095.7
(32)【優先日】2015年4月10日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(74)【代理人】
【識別番号】100115462
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】スヴァンベルグ,ヘンリック
(72)【発明者】
【氏名】エーリン,ハノ
(72)【発明者】
【氏名】オストルンド,エリック・ニルス
【審査官】
横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−518278(JP,A)
【文献】
特開2001−132511(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0341260(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0154309(US,A1)
【文献】
特開2012−032381(JP,A)
【文献】
特開2008−268107(JP,A)
【文献】
特開平08−304178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/61
G01N 15/00−15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)流路と、
b)前記流路内のフローセル取付部位と
c)前記フローセル取付部位に受け入られるように構成されたオプティカルフローセルと、
を備え、
前記オプティカルフローセルが、
i) 光出射面(41)を含む入力ライトガイド(40)と、
ii) 光入射面(51)を含む出力ライトガイド(50)と、
iii) 前記入力ライトガイド(40)および前記出力ライトガイド(50)を支持するホルダ(30)と、を有し、
前記ホルダ(30)は、第1の軸(A)に沿って延伸し、サンプル流体の流れを受け入れるための貫通孔(31)を有し、前記貫通孔(31)は、前記第1の軸(A)を実質的に横断し、
前記入力ライトガイド(40)および前記出力ライトガイド(50)はさらに、前記光出射面(41)および前記光入射面(51)が前記貫通孔(31)内に延伸し、互いに光学的に整列するように、かつ互いから第1の距離(D)を置いて配置されるように、前記ホルダ(30)内に配置され、
前記オプティカルフローセルは、前記貫通孔(31)が前記流路と一致するように、前記フローセル取付部位に取り外し可能に且つ再挿入可能に受け入れられ、
前記フローセル取付部位は、前記第1の軸(A)に沿った円形のホルダ受け孔である測定デバイス。
【請求項2】
前記ホルダ(30)は、20×10−6m/mK未満の熱膨張率を有する材料を含む、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項3】
前記材料がチタンまたはセラミックを含む、請求項2に記載の測定デバイス。
【請求項4】
前記第1の距離(D)が0.2mm以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の測定デバイス。
【請求項5】
前記入力ライトガイド(40)は第1のライトガイドホルダ(10)内に取り付けられ、前記出力ライトガイド(50)は第2のライトガイドホルダ(20)内に取り付けられ、各ライトガイドは、好ましくは接着剤によってそのそれぞれのホルダ内の適所に保持され、前記第1のライトガイドホルダ(10)および前記第2のライトガイドホルダ(20)は、それぞれのホルダ(30)において、第1の取付孔および第2の取付孔(32,33)内に取り付けられる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の測定デバイス。
【請求項6】
前記取付孔(32、33)はねじを切られており、前記第1のライトガイドホルダ(10)および前記第2のライトガイドホルダ(20)は対応するねじ山を備え、それによって前記距離(D)が可変である、請求項5に記載の測定デバイス。
【請求項7】
前記入力ライトガイド(40)は、前記第1のライトガイドホルダ(10)から前記貫通孔(31)内に突出するように構成され、前記出力ライトガイド(50)は、前記第2のライトガイドホルダ(20)から前記貫通孔(31)内に突出するように構成されている、請求項5または6に記載の測定デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定デバイスのためのオプティカルフローセル、および、オプティカルフローセルを有する測定デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
光学測定デバイスは、溶液中の物質の濃度を決定するのに役立つオプティカルフローセルにわたって溶液が流れることを可能にされる複数の技術分野内で使用される。そのような技術分野の例は、とりわけ、流体クロマトグラフィおよび濾過である。
【0003】
測定デバイスに使用されるフローセルは一般的に、光が放出される出射面を有する第1のライトガイドと、光が受け取られる入射面を有する第2のライトガイドとを有するオプティカルフローセルである。入射面と出射面との間の距離は、より低い濃度の溶液のために比較的長くすることができるが、高濃度の溶液についても信頼できる検出を達成するために、距離はより小さく、典型的には、0.1〜0.2mmの範囲内にあるべきである。満足のいく測定品質を達成するためには、距離は一定に保たれなければならず、設定値から5%を超えてずれることは許されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/341260号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この分野内の共通の問題は、測定デバイスの洗浄またはサービス動作の後などのオプティカルフローセルに対する補正または調整が、そのような偏差を生成し、オプティカルフローセルを信頼できないものにする可能性があり、または通常の動作を再開することが可能になる前に煩雑な較正動作を必要とする可能性があることである。較正は、既知の濃度を有する基準溶液およびオプティカルフローセルのライトガイド間の距離が調整されることを可能にするための一連の測定を使用することによって行われることが多い。しかし、これは時間がかかるプロセスであり、また基準溶液のすべての痕跡を除去するために、その後、測定デバイスを広範囲に洗浄する必要があり得る。代替的に、オプティカルフローセルは較正なしで使用してもよいが、結果データは信頼性が低く、多くの用途において使用できなくなる。
【0006】
したがって、この欠点を克服するために、測定デバイスのためのより信頼性の高いオプティカルフローセルが必要であることは明らかである。
【0007】
本発明の目的は、上述した欠点を排除するか、または少なくとも最小限に抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これは、独立請求項に定義された測定デバイスのためのオプティカルフローセルによって達成される。
【0009】
オプティカルフローセルの1つの利点は、ライトガイドとホルダとを一体化構成要素に一体化することにより、オプティカルフローセル全体の取り外し、洗浄、および再挿入が可能になり、測定デバイスの動作を短い時間内で、かつ、従来使用されていたオプティカルフローセルと同じ品質で継続することが可能であることである。フローセルが損傷している場合は、代替的に交換することができる。別の利点は、経路を変更することなくオプティカルフローセルの洗浄もしくは交換を可能にすることによって、または、許容可能な公差内で良好に画定された経路を有する新しいオプティカルフローセルを挿入することを可能にすることによって、保守またはメンテナンス後であっても測定デバイスにおける測定の正確度を所望のレベルに維持することができることである。
【0010】
本発明の一態様によれば、ホルダは、20×10
−6m/mK未満の熱膨張率を有する材料を含む。これにより、オプティカルフローセルにかなりの温度変化を与えても、第1のライトガイドと第2のライトガイドとの間の第1の距離を一定に保つことができる。好ましくは、ホルダは、適切に低い熱膨張率を有する耐久性のある材料であり、オプティカルフローセル構成要素に使用するのに非常に適したチタンを含む。
【0011】
本発明の別の態様によれば、第1の距離は0.2mm以下、好ましくは0.1mmである。これにより、本発明によるオプティカルフローセルは、高濃度の物質を高い正確度で検出するように構成され、単一のオプティカルフローセル構成要素へ一体化することによって、第1の距離は、製造中に決定される公差内に維持されるように構成される。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、入力ライトガイドは第1のライトガイドホルダ内に取り付けられ、出力ライトガイドは第2のライトガイドホルダ内に取り付けられ、第1のライトガイドホルダおよび第2のライトガイドホルダはそれぞれ第1の孔および第2の孔を通じてホルダ内に取り付けられる。これにより、ライトガイドは安定して取り付けられ、ライトガイドに対する損傷または曲がりを防止し、オプティカルフローセル構成要素への一体化を容易にするために、ライトガイドホルダによって確実に保持されるように構成される。好ましくは、第1の孔および第2の孔はねじ切りされ、第1のライトガイドホルダおよび第2のライトガイドホルダは対応するねじ山を備え、確実な取り付けがもたらされ、ホルダに対して、好ましくはエポキシ樹脂またはメタクリレートのような接着剤によって確実に固定されることが可能になる。
【0013】
本発明のさらなる態様によれば、入力ライトガイドは、第1のライトガイドホルダから貫通孔内に突出するように構成され、出力ライトガイドは、第2のライトガイドホルダから貫通孔内に突出するように構成される。これにより、光出射面と光入射面との間の流れが改善される。
【0014】
本発明のさらなる利点および利益は、以下の詳細な説明に照らし、当業者にとって容易に明らかになるであろう。
【0015】
本発明は、添付の図面を参照して、以下でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の好ましい実施形態によるオプティカルフローセルの斜視図である。
【
図2】
図1のオプティカルフローセルの断面図である。
【
図3a】
図1〜
図2のオプティカルフローセルのライトガイドホルダの断面図である。
【
図3b】
図3aのライトガイドホルダの平面図である。
【
図4a】
図1〜
図2のオプティカルフローセルを有する測定デバイスを示す図である。
【
図4b】
図4aの測定デバイスの断面斜視図である。
【
図6】
図4aの測定デバイスの上から見た平面図である。
【
図7】本発明による2つのオプティカルフローセルを有する測定デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、軸Aに沿って延在し、サンプル流体の貫流を可能にするように構成された実質的に横断方向の貫通孔31を有するホルダ30を有する、本発明の好ましい実施形態によるオプティカルフローセル1を開示する。オプティカルフローセル1は、上記軸Aに沿って配置された第1のライトガイドホルダ10および第2のライトガイドホルダ20をさらに備える。オプティカルフローセル1は、以下にさらに詳細に説明するように、測定デバイスに挿入することができ、貫通孔31を介して流体流中の物質を検出することができる。
【0018】
図2は、
図1のオプティカルフローセル1を断面図で示しており、ホルダ30の軸Aに沿って、第1のライトガイドホルダ10が第1の孔32内に取り付けられ、第2のライトガイドホルダ20が第2の孔33内に取り付けられている貫通孔31内に突出していることを示している。第1のライトガイドホルダ10の内部には、それを通じて光を放出することができる光出射面41を有する、例えば光ファイバの形の入力ライトガイド40がある。同様に、第2のライトガイドホルダ20は、光入射面51を有する出力ライトガイド50を備え、それを通じて光を受け取り、出力ライトガイド50に沿って伝達することができる。入力ライトガイド40と出力ライトガイド50とは光学的に整列して配置され、それによって、光出射面41から放出される光を光入射面51で受け取ることができる。光出射面41と光入射面51とは、互いに第1の距離Dを置いて配置され、第1の距離Dは、2mm以下であることが好ましい。しかしながら、第1の距離Dが非常に小さく、すなわち0.2mm以下、好ましくは0.1mmであることが特に有利である。これは、第1の距離Dが小さく保垂れる場合、ホルダ30の貫通孔31を通じて流れるより高濃度の物質を正確に検出することができるという点で有利である。オプティカルフローセル1の第1の距離Dは、オプティカルフローセルの経路としても一般に知られており、これらの用語は以下では互換的に使用される。
【0019】
ホルダ30は、熱膨張率が低い、すなわち熱膨張率が20×10
−6m/mK以下の材料を含む。好ましくは、ホルダ30はチタンを含むが、代替的にセラミックなどの別の材料、例えばガラスを含んでもよい。
【0020】
第1のライトガイドホルダ10および第2のライトガイドホルダ20は、各孔32,33のホルダねじ山34,35がそれぞれライトガイドホルダねじ山17,27と相互作用するように、ねじ込みによってそれぞれ第1の孔32および第2の孔33に取り付けられ、以下にさらに詳細に説明するように、ライトガイドホルダ10,20はホルダ30内に固定される。また、貫通孔31からの漏れを防止するためのシールリング36が設けられている。
【0021】
図3aは、第1のライトガイドホルダ10を示しているが、第2のライトガイドホルダ20は、第1のライトガイドホルダ10と同様であり、一方に関して述べられるすべてが他方にも等しく適用されることに留意されたい。
【0022】
したがって、第1のライトガイドホルダ10は細長く、第1の端部15および第2の端部16と、第1の端部15にある狭い部分12および第2の端部16にある広い部分13を有する長手方向貫通孔11とを有する。広い部分13は、狭い部分12に接続されたテーパ部14で終端しており、それによって、長手方向貫通孔11の直径が、広い部分13の第2の直径d
2から狭い部分12の第1径d
1へと円滑に縮小される。第1のライトガイドホルダ10の外面に沿って、ホルダ30の対応するねじ山と相互作用するように適合されているねじ部17が設けられている。
【0023】
第1のライトガイドホルダ10の内部には、長手方向貫通孔11の全長に沿って入力ライトガイド40が配置されており、それによって、光出射面41が第1の端部15から突出している。これは、それぞれ第1のライトガイドホルダ10および第2のライトガイドホルダ20の第1の端部と共に入力ライトガイド40および出力ライトガイド50の直径と比較して入力ライトガイド40および出力ライトガイド50のより小さい直径が、ライトガイド40,50間の流れを改善することを可能にするため、有利である。
【0024】
第1の直径d
1は、入力ライトガイド40の直径よりわずかにだけ大きく、好ましくは10%未満だけ大きく、それによって入力ライトガイド40が確実に保持され、入力ライトガイド40の動きが防止される。入力ライトガイド40は、チューブ43、好ましくは入力ライトガイド40を取り囲むチューブによって保持される。チューブ43の目的は、第1のライトガイドホルダ10内への取り付け中に入力ライトガイド40を誘導することであり、以下でより詳細に説明するように、該取り付けが容易になるようにチューブ43が剛性で弾力性があることが有利である。
【0025】
入力ライトガイド40を第1のライトガイドホルダ10内に固定するために、長手方向貫通孔11の少なくとも一部に入力ライトガイド40を取り囲む物質が充填され、第1のライトガイドホルダ10に対する動きが防止される。この物質は、接着剤、例えば低粘度、好ましくは400cPs以下の粘度を有する不活性接着剤であってもよい。適切な接着剤の一例はエポキシ接着剤、例えばEpoxy Technology,Inc.によって販売されているEpotek(登録商標)接着剤である。
【0026】
図3bは、第1のライトガイドホルダ10を平面図で示しており、第1の端部15およびねじ部17から延伸する入力ライトガイド40が明瞭に示されている。第1のライトガイドホルダ10の外側に沿ってフランジ18を設けて、ねじ部17をハンドル19から分離して、それによって取り付けの間に第1のライトガイドホルダ10を保持することができるようにすることもできる。
【0027】
図4aおよび
図4bは、測定デバイス60を開示しており、オプティカルフローセル1が、測定デバイス60を通じて延伸する流路61を通じて流れる物質の測定を行うために取り付けられている。測定デバイス60は、本発明によるオプティカルフローセル1を受け入れることが可能であるオプティカルフローセル取付部位62を有し、それによって、ホルダ30の横断貫通孔31が流路61と一致し、流体がホルダ30を通じて流れ、出力ライトガイド50および入力ライトガイド40を通過して、流体中の物質の検出を可能にすることができる。
図5では、オプティカルフローセル1が測定デバイス60内に取り付けられて示されており、横断貫通孔31が流路61と整列されて、オプティカルフローセル1を通る流れを可能にし、それによって、出力ライトガイド50と入力ライトガイド40との間の第1の距離Dを通過する流れの部分の測定を可能にしている。シールリング36もまた示されており、取付部位62および第1の孔32および第2の孔33に沿った漏れを防止する役割を果たす。オプティカルフローセル1は、測定デバイス60内に取り付けられると、当該技術分野において知られているように、光を入力ライトガイド40に伝達し、出力ライトガイド50によって捕捉される光を受け取り、上記受け取られる光を分析し、オプティカルフローセル1からのデータを提示および/または格納するための適切な機器を有するシステム(図示せず)に接続される。
図6は、測定デバイス60を流路61の一端から示し、ホルダ30の貫通孔31を流路61自体と整列させるためにオプティカルフローセル1がどのように取り付けられるかを示している。
【0028】
図7には、本発明による2つのオプティカルフローセル1,1’を有する異なる測定デバイス60’が示されている。オプティカルフローセル1,1’は、第1のオプティカルフローセル1の各構成要素が第2のオプティカルフローセル1’の構成要素に対応するように、設計および構成が同様である。しかしながら、オプティカルフローセル1,1’は、経路Dにおいて異なっていてもよく、それによって、二重経路測定デバイス60’が作成される。
【0029】
ここで、ライトガイド40,50のライトガイドホルダ10,20への取り付けについて、図面を参照してより詳細に説明するが、ここでも、第1のライトガイドホルダ10および入力ライトガイド40を参照して述べたことを、第2のライトガイドホルダ20および出力ライトガイド50にも適用することができることに留意されたい。
【0030】
したがって、入力ライトガイド40は、第1の端部15を通じて挿入されることによって第1のライトガイドホルダ10に設けられ、取り付けられ、テーパ部14によって狭い部分12に誘導される。入力ライトガイド40は、第1の端部15から突出することを可能にされる。次に、前述したように、長手方向貫通孔11に物質、好ましくは不活性接着剤が充填される。物質が施与された後、チューブ43が、第1の端部15から入力ライトガイド40の周りに取り付けられ、物質が狭い部分12および入力ライトガイド40とチューブ43との間およびチューブ43と第1のライトガイドホルダ10との間に強制的に貫入される。物質が硬化され、余分な物質が除去された後、次回の測定にできるだけ干渉しないように、光出射面41および第1の端部15における入力ライトガイド40の反対側の端部が研磨される。物質の不活性性によって、物質は、流れと反応することなく測定デバイス60内に存在することができる。チューブ43の容易な挿入を可能にするために、物質が低粘度、好ましくは400cPs未満であることも有利である。
【0031】
オプティカルフローセル1の取り付けについて、ここでより詳細に説明する。入力ライトガイド40が第1のライトガイドホルダ10内に取り付けられ、出力ライトガイド50が第2のライトガイドホルダ20内に取り付けられた後、上述のようにホルダ30が設けられる。第1のライトガイドホルダ10は、第1のライトガイドホルダねじ山17がホルダねじ山34と相互作用するように、ねじ止めによって第1の孔32を通じて挿入される。同様に、第2のライトガイドホルダ20は、第2のライトガイドホルダねじ山27がホルダねじ山35と相互作用するように、ねじ込みによって第2の孔33を通じて挿入される。挿入中、ホルダの貫通孔31が近密に観察され、光出射面41と光入射面51との第1の距離Dが0.1mmのような所望の値になるまで、各ライトガイドホルダ10,20のねじ込みが行われる。例えば顕微鏡等による近接観察によって、第1の距離Dは小さい公差内で決定することができ、所望の値に達すると、第1のライトガイドホルダ10および第2のライトガイドホルダ20は、さらなる動きが防止されるように、例えば、エポキシ樹脂またはメタクリレートのような接着剤をねじ山17,34,27,35に施与することによって、ホルダ30に対して固定される。シールリング36は、取り付け前に、第1のライトガイドホルダ10および第2のライトガイドホルダ20ならびにホルダ30に施与することができる。ホルダ30はさらに、第2のライトガイドホルダ20が保持される場所よりも、第1のライトガイドホルダ10が保持される場所により大きな外径を有する。これはオプティカルフローセル取付部位62における取り付けを容易にするためである。
【0032】
したがって、オプティカルフローセル1の測定デバイス60内への取り付けは、測定デバイス60が使用されていないときにオプティカルフローセル1をオプティカルフローセル取付部位62に挿入し、オプティカルフローセル1の経路Dを、流路61を通る流体の流れに曝すことができるように、横断貫通孔31が流路61と整列するまでオプティカルフローセル1を調整することによって行われる。その後、出力ライトガイド50および入力ライトガイド40は、上述したような、また、当技術分野で周知のようなシステムに接続され、測定デバイス60は、当技術分野で一般的に知られているように使用することができる。
【0033】
オプティカルフローセル1が流路61内の流体によって破損、汚染または単純な目詰まりになると、動作を中断し、流路61を空にすることができ、それによって、オプティカルフローセル1をシステムから切り離し、測定デバイス60から取り外すことができる。その後、オプティカルフローセル1を洗浄して再挿入することができる。オプティカルフローセル1が損傷している場合には、代替的にこれを破棄して新たなオプティカルフローセルをオプティカルフローセル取付部位62に挿入することができ、それによって、損傷または目詰まりが発生する前と同じ精度および正確度で動作を再開することができる。無論、異なる経路Dが望ましい場合、オプティカルフローセル1は、本明細書に記載されているように単純に除去し、異なる経路Dを有する同様のオプティカルフローセルに置き換えることができる。それにより、流体中の様々な濃度の物質の測定を、容易かつ便利な方法で、かつ較正を必要とせずに同じ測定デバイス60によって実行することができる。メンテナンスまたは修理のために、フローセル1全体を交換することができ、デバイスを再較正する必要はない。
【0034】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものと考えられるべきではなく、当業者であれば容易に理解できるとおり、添付の特許請求項の範囲において変更が可能である。例えば、同じタイプのホルダを異なる経路に使用することができ、複数のフローセルを同じ測定デバイスに挿入することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 オプティカルフローセル
1’ オプティカルフローセル
10 第1のライトガイドホルダ
11 長手方向貫通孔
12 狭い部分
13 広い部分
14 テーパ部
15 第1の端部
16 第2の端部
17 ライトガイドホルダねじ山
18 フランジ
19 ハンドル
20 第2のライトガイドホルダ
27 ライトガイドホルダねじ山
30 ホルダ
31 貫通孔
32 第1の孔
33 第2の孔
34 ホルダねじ山
35 ホルダねじ山
36 シールリング
40 入力ライトガイド
41 光出射面
43 チューブ
50 出力ライトガイド
51 光入射面
60 測定デバイス
60’ 測定デバイス
61 流路
62 オプティカルフローセル取付部位
A 軸
D 第1の距離
d
1 第1の直径
d
2 第2の直径