特許第6737535号(P6737535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エコロボティクス・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特許6737535植物有機体を自動処理するためのロボット車両及びロボットを使用する方法
<>
  • 特許6737535-植物有機体を自動処理するためのロボット車両及びロボットを使用する方法 図000002
  • 特許6737535-植物有機体を自動処理するためのロボット車両及びロボットを使用する方法 図000003
  • 特許6737535-植物有機体を自動処理するためのロボット車両及びロボットを使用する方法 図000004
  • 特許6737535-植物有機体を自動処理するためのロボット車両及びロボットを使用する方法 図000005
  • 特許6737535-植物有機体を自動処理するためのロボット車両及びロボットを使用する方法 図000006
  • 特許6737535-植物有機体を自動処理するためのロボット車両及びロボットを使用する方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6737535
(24)【登録日】2020年7月20日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】植物有機体を自動処理するためのロボット車両及びロボットを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A01M 21/02 20060101AFI20200730BHJP
   A01M 21/04 20060101ALI20200730BHJP
   A01M 7/00 20060101ALI20200730BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20200730BHJP
【FI】
   A01M21/02
   A01M21/04 C
   A01M7/00 E
   G06Q50/02
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-567295(P2017-567295)
(86)(22)【出願日】2016年7月1日
(65)【公表番号】特表2018-525976(P2018-525976A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】IB2016053983
(87)【国際公開番号】WO2017002093
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2019年1月11日
(31)【優先権主張番号】00959/15
(32)【優先日】2015年7月2日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】517447253
【氏名又は名称】エコロボティクス・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】タナー・スティーヴ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥモレ・オレリアン
(72)【発明者】
【氏名】モンダダ・ガブリエーレ
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−137(JP,A)
【文献】 特開平9−81750(JP,A)
【文献】 特開平7−79681(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第3192342(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 21/02
A01B 39/18
G06Q 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雑草を自動処理するためのロボットを使用する方法であって、
前記ロボット上のカメラを用いて雑草の画像を取り込むステップと、
前記画像を用いて前記雑草と栽培植物との間の距離を決定するステップと、
前記雑草を処理するための、物理的処理を行う物理ツールと化学的処理を行う化学ツールとからなる、ロボットの処理ツールの群から、前記距離を処理ツールの作業範囲に基づいた複数の閾値と比較して、処理ツールを選択するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記距離が雑草と栽培植物との間の最小距離である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
雑草の処理が、雑草を取り除いたり、又は枯らすための物理的又は化学的処理を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
化学ツールが、雑草を枯らすのに適している流体製品を施すための噴霧ツールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
処理ツールを選択するステップが、前記距離が第1の閾値よりも小さいときに、選択性除草剤を施すための噴霧ツールを選択することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
処理ツールを選択するステップが、前記距離が第1の閾値よりも大きいときに、物理ツールを選択することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
化学ツールがさらに、非選択性除草剤を施すのに適している第2の噴霧ツールを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
処理ツールを選択するステップが、前記距離が第1の閾値よりも大きいときに、第2の噴霧ツール及び/又は物理ツールを選択することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
物理ツールが、植物を間引く、剪定する、切断する又は抜根する機械ツールと、電磁放射を発する光学ツールと、放電を発する電気ツールと、熱放射ツールとのいずれかである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
機械ツールが、回転軸のまわりに回転するように構成され、かつ、前記回転軸に対して軸方向に地面の表面に貫入するように配置された末端部を有する、ロッドを備え、前記末端部が固有の、前記回転軸に対して径方向に延びるブレードを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
処理ツールを選択するステップがさらに、所定の時間間隔内に処理されるべき雑草の推定数に応じて処理ツールを選択することをさらに含
雑草の推定数が、物理ツールによって施されるよりもさらに異なる物理的処理を必要とする場合には、選択性除草剤を適用する噴霧ツール、又は非選択性除草剤を適用する噴霧ツールのどちらかが、雑草と、最も近い栽培植物との間の距離によって選択される
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ロボットが電動式であり、処理ツールを選択するステップがさらに、ロボットの車両の利用可能電気エネルギーに応じて処理ツールを選択することを含
雑草と、最も近い栽培植物との間の距離が、物理ツールを使用するためと非選択性除草剤を使用するための両方の最小閾値よりも大きいときには、物理ツール及び非選択性除草剤を施す噴霧ツールから、電力消費がより少ないツールを選択して使用し、
雑草と、最も近い栽培植物との間の距離が、物理ツールを使用するための最小閾値よりも大きいが、非選択性除草剤を使用するための最小閾値よりは小さいときには、物理ツール及び選択性除草剤を施す噴霧ツールから、電力消費がより少ないツールを選択して使用する
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法を実行するためのロボット車両であって、
画像を取り込むための画像取得デバイスと、
前記画像から雑草と栽培植物との間の距離を決定するように構成されたコンピュータ視覚システムと、
物理的処理を行う物理ツールと化学的処理を行う化学ツールとからなる処理ツールの群から、処理ツールを選択するように構成された選択システムと、
前記処理ツールを支持するように構成され、かつ前記処理ツールの少なくとも動作端を前記ロボット車両に対して動かすように構成された、ツール支持システムとを備える、ロボット車両。
【請求項14】
前記ツール支持システムが、前記処理ツールの少なくとも一部を支持する関節アームを少なくとも備える、請求項13に記載のロボット車両。
【請求項15】
化学ツールが、選択性除草剤を施すための第1の噴霧ツールと、非選択性除草剤を施すための第2の噴霧ツールとを含む、請求項13に記載のロボット車両。
【請求項16】
化学ツールが少なくとも1つの噴霧ツールを含み、前記噴霧ツールが、関節アームの遠位端に支持されたポンプ及びノズルを備える、請求項13に記載のロボット車両。
【請求項17】
雑草を自動処理するための装置であって、遠隔計算デバイスと、請求項13に記載のロボット車両とを備え、前記ロボット車両がさらに、無線リンクを介して前記デバイスへデータを送出するように構成され、前記データが報告メッセージ及び/又は取得画像を含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物有機体を自動処理するための、特に雑草を除去又は枯らすためのロボット車両を使用する方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、植物有機体を自動処理するためのロボット車両及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、発達した農業は、費用を最小限にすると共に効率を最大限にするために、機械化作業を行う重機に依拠している。
【0004】
雑草除去の問題は特に重大である。現在、耕地内のすべての植物に除草剤を投与することが雑草を枯らすのに時間のかからない方法であることから、重量トラクタが一般に使用されている。すなわち、駆除すべき雑草があるかどうかを識別することなく、耕地面全体が噴霧される。この投与方法にはいくつかの不利な点がある。第1に、この方法は、実際には除草剤のごく一部分しか使用されないので、経済的な損失になる。第2に、これには、必要量よりも多く散布された有毒な除草剤の終着点が地面又は栽培植物になるので、環境及び人の健康に不都合な結果が伴う。最後に、この技法では、栽培植物を無傷のままにしておきながら雑草を駆除する除草剤を慎重に選ぶこと、並びにそのような除草剤に耐性のある農作物を開発することが必要になる。
【0005】
したがって、より効率的で費用対効果の大きい植物有機体の自動処理、特に栽培植物及び雑草の処理が必要とされている。
【0006】
特許文献1には、雑草を検出する手段を備えた、雑草の成長を抑制する選択的噴霧システムが開示されている。
【0007】
特許文献2には、選択性除草剤を施せるようにする雑草識別システムが開示されている。
【0008】
特許文献3には、雑草を検出してから電磁放射ツールによって切断する方法、及びそれを行うように構成された機器が開示されている。電磁放射の放出位置、強度及び方向は、栽培植物の損傷を最小限にするように事例ごとに決定される。
【0009】
特許文献4には、気象条件並びにすでに計画された処理に応じて施される処理を自動的に選択することを含む、栽培植物を処理する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第550711号明細書
【特許文献2】米国特許第5606821号明細書
【特許文献3】米国特許第6795568号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2015027040号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来技術と比べてより効率的で、より環境にやさしく、かつ/又はより費用対効果の大きい植物有機体の自動処理を実現するシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、これらの目的は、請求項1に記載の植物有機体を自動処理するためのロボットを使用する方法、請求項13に記載のロボット車両、及び請求項18に記載の装置によって達成される。
【0013】
このロボット車両及び方法の利点は、周囲の植物有機体を傷つけずに各植物有機体を処理するのに最も適している処理ツールを選択することによって、より効率的で費用対効果が大きい処理を実現することである。
【0014】
この方法は、第1の植物有機体としての栽培植物、又は第1の植物有機体としての雑草を処理することを含む。両実施形態において、処理は、物理的処理又は化学的処理の中から植物ごとに選択される。
【0015】
栽培植物の処理の場合、この方法は、第1の植物有機体としての栽培植物を処理するための物理ツール及び噴霧ツールから選択することを含む。
【0016】
雑草処理の場合、この方法は、第1の植物有機体としての雑草を除去するための物理ツール及び散布ツールから選択することを含む。
【0017】
1つの実施形態では、処理すべき植物と別の種類の第2の植物との間の距離が第1の閾値よりも大きいときに、物理ツールが選択される。したがって、第2の植物を物理ツールで傷つける危険を回避することができる。
【0018】
物理ツールは、機械的な切断ツール若しくは機械的な抜根ツール、電磁放射を発する光学ツール、放電を発する電気ツール、又は熱放射ツールとすることができる。物理ツールはまた、刈込ツールとすることもできる。
【0019】
1つの実施形態では、処理すべき植物と別の種類の第2の植物との間の距離が第1の閾値よりも小さいときに、除草剤、特に選択性除草剤が選択される。
【0020】
非選択性除草剤は、処理すべき植物と別の種類の第2の植物との間の距離が第2の閾値よりも大きいときに使用することができる。
【0021】
ツールの種類の選択はまた、処理すべき植物と別の種類の第2の植物との間の単に距離以外の他のパラメータにも依存し得る。
【0022】
ツールの種類の選択はまた、気温、照度、水分率、時間、日付、又は湿度のセンサなどの、ロボット上にある1つ又は複数の物理センサによって測定されたパラメータにも依存し得る。
【0023】
ツールの種類の選択はまた、遠隔のシステムから受信された気象予報などのパラメータにも依存し得る。
【0024】
好ましい実施形態において、機械ツールが効率的であり、他の栽培植物を傷つけないままにすると予想されるときはいつも、物理ツールが化学ツールの代わりに選択される。これは、化学物質の使用量の低減につながる。
【0025】
ロボット車両は、作物の自動処理を行うことができる。本発明の観念では、自動処理とは、人間の補助を実質的に伴わずに実行されるあらゆる処理のことである。
【0026】
独立した態様によれば、本発明はまた、衛星ナビゲーションシステムによる車両の位置の粗い推定値と、コンピュータ視覚及び連続するフレーム間の画像の特徴の変位検出を用いる、より高精度の推定値とを用いて植物有機体を処理するためのロボット車両の自動ナビゲーションの方法に関する。
【0027】
本発明は、例示され、図示された実施形態についての説明を助けとして、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明によるロボット車両を示す図である。
図2】本発明によるロボット車両の関節アームの詳細図である。
図3】本発明による、1つのツールをツールの群から自動的に選択する方法を示す流れ図である。
図4】耕地内の植物有機体の空間的配置のいくつかの例を示す図である。
図5】耕地内の植物有機体の空間的配置のいくつかの例を示す図である。
図6】ナビゲーション経路の修正を可能にする一連の取得画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、ロボット車両5の一実施形態を示す。ロボット車両は、処理を施すために耕地6の表面61を移動することができる。
【0030】
ロボット車両は、光電池58を支持する水平プラットフォームを持つ構造体と、光電池によって給電される電源59としての電池と、電池から電力供給される少なくとも1つの駆動モータ500と、モータによって回転駆動されるいくつかの車輪とを備え得る。たとえばロボット・アーム又はデルタ・ロボット・アームである関節アーム52が、プラットフォーム下の構造体に取り付けられる。ロボットの前又はロボットの下の地面の画像を取り込むためのカメラ51が、処理されるべき植物を他の植物から見分けるために、またナビゲートするために、構造体に取り付けられる。カメラは、異なる波長(可視、赤外)で動作する、スペクトル・フィルタ付き又は無しの(ハイパースペクトル・カメラ)、また3D機能付き又は無しの(ステレオ・ビジョン、時間飛行型など)、任意の撮像機器の組合せとすることができる。ツールの種類の選択はまた、気温、水分率、照度、時間、日付又は湿度のセンサなどの、ロボット上にある1つ又は複数の物理センサによって測定されたパラメータにも依存し得る。後で見られるように、流体処理剤を噴霧ノズルから投薬するための1つ又は複数のタンクが、プラットフォームの下に取り付けられる。ロボット車両は、プラットフォーム上の処理システムによって制御される。処理システムは、遠隔の制御システムとの通信用の無線インターフェースと、ロボット車両5の位置の粗い推定値を与える、たとえばGPS、ガリレオ又はグロナス衛星測位システムである、ナビゲーションシステム55とを備える。
【0031】
耕地6は、複数の植物有機体1、2、3、特に第1の植物有機体1及び第2の植物有機体2を含む。
【0032】
第1の植物有機体は、たとえば栽培植物、具体的にはサトウダイコン、ジャガイモ、ヒマワリ、スイートコーン(若しくはトウモロコシ)、又は、園芸農業作物(market gardener)(若しくは市場向け農業作物(truck farmer))とすることができる。この場合、第1の植物に施される処理には、たとえば、肥料の投与、収穫、又は栽培植物の成長に有効な任意の機械的若しくは化学的処理が含まれ得る。
【0033】
あるいは、第1の植物有機体は雑草でもよい。この場合、その処理には雑草を取り除く、又は枯らすための任意の物理的(たとえば機械的)又は化学的処理が含まれ得る。
【0034】
雑草とは、たとえば栽培有機体に挑戦する植物有機体であるか、又は非栽培植物有機体であり、かつ取り除く必要がある不要な植物有機体のことである。
【0035】
本発明は、耕地領域に自由に配置することもできる植物にも適合されるが、特に整列して栽培される植物に適合される。
【0036】
ロボット車両5は、処理ツール53の群54を支持及び駆動するツール支持システムを備える。ツール支持システムは、ツール53、又は少なくともその動作先端を連続する動作位置まで第1の植物有機体1を処理するために動かす、たとえばロボット・アーム又はデルタ・ロボット・アームである、関節アーム52を備える。
【0037】
好ましい実施形態では、ロボット車両5が第1の植物有機体1に対して相対的に動いているときさえも、ツール支持システムは、選択されたツール53の、とりわけ選択されたツール53の動作部分の、固定された相対的な位置決めを第1の植物有機体1に対して、処理中に維持するように処理手段によって制御される。
【0038】
一実施形態では、ツール支持システムは、植物有機体1を処理するために、少なくとも処理ツール53、又は少なくともその動作先端、を連続する動作位置まで動かすように定められた、少なくとも1つの第2の関節アーム(たとえばロボット・アーム又はデルタ・ロボット・アーム)を備える。
【0039】
第2の関節アームによって支持されるツールは、利用可能なツールの多様性を増大させるために、また相補的処理を行うために、第1の関節アーム52のツール53とは異なり得る。ツール支持システムは、第1及び第2のアームの処理ツールのそれぞれで第1の植物有機体1を処理できるように、第1及び第2のアームを平行な空間領域内で動かすように構成される。たとえば、第1のアームはロボット車両の前で動作するように設置及び構成することができ、第2のアームはロボット車両の後ろで動作するように設置及び構成することができる。
【0040】
第2の関節アームによって支持される処理ツールの群は、第1のアームの処理ツール53の群54の複製とすることができる。ツール支持システムは、自動処理を並列化するために、すなわち複数の植物有機体を実質的に同時に処理して密集耕地の処理の速度向上を可能にするために、第1及び追加のアームを平行な、かつ、ずれた空間領域内で動かすように構成される。
【0041】
一実施形態では、ツール支持システムは、ロボットのタイプ又は処理ツール53のタイプを別々のニーズ又は処理に適合させるために、ロボット車両5から完全に、又は少なくとも部分的に、取り外し可能なように構成される。ロボットは、複数の異なる交換可能なツール支持システムと共に、キットとして販売することができる。
【0042】
一実施形態では、ツール支持システムは、完全なツール支持システムを取り替えずに各処理ツール53、又は各処理ツール53の一部分を簡単に取り外すことが可能である。
【0043】
ロボット車両5は、ロボット車両5の前又は下の地面6の表面61の一部分の画像を取得するように配置されたカメラ51を備える。処理システムの一部としてのコンピュータ視覚システム56が、カメラで取り込まれた連続画像を処理し、各第1の植物有機体1と、最も近い第2の植物有機体2との間の間隔4を決定する。コンピュータ視覚システム56は、表面の植物有機体の種類を特定して、その耕地内の位置をマッピングすることができ、植物有機体を正確に処理することを可能にする。
【0044】
好ましい実施形態では、第2の植物有機体2は、処理されるべき植物有機体(すなわち、第1の植物有機体1)に対して画像内で最も近い植物有機体である。
【0045】
ロボット車両5の処理システムは、コンピュータ視覚システム56によって決定された距離4との相関関係において、また場合によって他のパラメータとの相関関係において、処理ツール53の1つを選択する選択モジュールを備える。
【0046】
ロボット上に取り付けられたツールの群は、少なくとも1つの物理ツール、及び少なくとも1つの化学ツールを含む。物理ツールは、たとえば、雑草を取り除くための機械ツールを含み得る。化学ツールは、たとえば、植物衛生製品、肥料、又は除草剤を第1の植物有機体1に施すための第1の噴霧ツールを含み得る。
【0047】
ツールの群は、第2の物理ツール及び/又は第2の噴霧ツールなどの追加ツールを含み得る。
【0048】
一実施形態では、ロボット車両は、不要な第1の植物有機体、すなわち雑草の処理を行うように構成される。この実施形態では、処理は、物理ツール又は噴霧ツールを使用して雑草を除去することを含む。物理ツールは、機械的な切断若しくは抜根ツール、電磁放射を発する光学ツール、放電を発する電気ツール、又は熱放射ツールとすることができる。噴霧ツールは、不要な植物を枯らすのに適している流体製品、たとえば、駆除薬、除草剤、又は雑草駆除剤を施すことができる。
【0049】
別の実施形態では、ロボット車両は、栽培植物の処理を行うように構成される。この実施形態では、処理には、植物、又は植物の望ましい部分の成長を助けるためのあらゆる処理が含まれる。物理ツールは、植物の一部分を間引く、又は剪定するための機械ツールとすることができる。噴霧ツールは、たとえば植物衛生製品又は肥料を施すことができる。ロボット車両は、1つの通路でロボット車両が実行できる処理(たとえば植物衛生処理、施肥など)の範囲を広げるために、異なる流体製品を散布する追加の噴霧ツールを備えることができる。
【0050】
図2の実施形態では、ロボット車両は、機械ツール531、第1の噴霧ツール532、及び第2の噴霧ツール533を備える。2つの噴霧ツールのそれぞれが、別個の流体製品を施すために別々のタンクに結合される。有利には、関節アーム52はデルタ・ロボット・アームである。
【0051】
図2の関節アーム52の遠位端521は、機械ツール531を支持する。機械部分は、たとえばモータ(図示せず)と、回転軸5312のまわりに回転するように構成されかつブレード5114を装着した末端部5313を有する、ロッド5311とを備える。機械ツールは、雑草の根を切断するように地面6の表面61にほぼ垂直に貫入することによって、雑草を除去する。
【0052】
したがって、ロボット車両は、関節アーム52の遠位端を、地面に対するロッド5311の水平相対速度が第1の植物有機体1の除去中は実質的にゼロになるように動かす構成とする。
【0053】
好ましい実施形態では、末端部5313は、固有の、前記回転軸5312に対して径方向に延びるブレード5314を備える。本出願人の経験によれば、固有の、径方向に延びるブレード5314は、雑草がツールのまわりに絡みつくことを防止する。有利には、ブレードは、回転軸の中心から数センチメートルにわたって、具体的には1〜7cmの範囲内で延びるように構成される。
【0054】
関節アームの遠位端521はさらに、第1の噴霧ツール532の少なくともいくつかの動作部分を支持する。
【0055】
図示の実施形態では、施すべき製品のタンク5324が、関節アーム52の近位端に、たとえばロボット車両の太陽電池パネルの下に、取り付けられる。第1の噴霧ツールはさらに、第1の噴霧ツール532の噴霧ノズル5321及び噴霧ポンプ5322を備え、これらは両方とも関節アーム52の遠位端521に取り付けられる。ノズル5321とポンプ5322が近接しているので、タンク5324を結合する管5323の動き及びねじれによる摂動や乱れを減少させることによって、散布をより正確に制御することが可能になる。
【0056】
別の実施形態では(図示せず)、ポンプが関節アーム52の近位端に取り付けられ、それによって、この可動端上の質量が低減する。これにより、関節アームの遠位端の変位速度が増大する。別の利点は、可動部に影響を及ぼす負荷が、タンク5324、5334内の流体の量と無関係になることである。これにより、ロボット車両をより精密に駆動することだけでなく、エネルギー消費及び残っているロボットの自律性をより正確に推定することも可能になる。
【0057】
関節アーム52の遠位端はさらに、第2の噴霧ツール533の噴霧ノズル5331など、第2の噴霧ツール533の少なくとも一部分を支持することができる。噴霧ポンプ5332、及び第2の噴霧ツール533の製品のタンク5334は、関節アームの近位部分522に、すなわちロボットの下部構造に対して固定された部分に、取り付けることができる。ポンプは、管5333によって噴霧ノズル5331に結合される。
【0058】
第2の噴霧ツール533によって施される流体製品は、第1の植物有機体にも第2の植物有機体にも作用する非専用の除草剤(たとえば広範効果製品)とすることができる。
【0059】
図3は、植物有機体を処理するためのロボット車両で使用される方法の一実施形態を示し、図4及び図5は、栽培植物2、31、及び雑草1、32を含む植物有機体の耕地内の空間的配置のいくつかの例を示す。
【0060】
この方法は、ロボット5上のカメラ51を用いて地面の画像を取り込むステップ(ステップS1)と、これらの画像を用いて画像内の第1の植物有機体1と第2の植物有機体2との間の距離4を決定するステップ(ステップS2)と、第1の植物有機体1を処理するための処理ツール53を、距離4との相関関係において処理ツールの群54から選択するステップ(ステップS3)とを含む。
【0061】
カメラ51を用いて取り込まれる画像は、RGB画像、赤外線画像又はハイパースペクトル画像などの、1つ又は複数の波長帯のそれぞれで撮影された1つ又は複数の画像の組合せとすることができる。カメラ51を用いて取り込まれる画像はさらに、たとえばステレオカメラ又は時間飛行型カメラによって得られる3D画像(たとえば、深度マップ、距離画像)の組合せとすることができる。
【0062】
取得画像は、カメラセンサによって直接得られた生画像であることも、取得システムによってさらに処理された画像であることもある。
【0063】
距離4は、第1の植物有機体1の部分と第2の植物有機体2の部分との間で測定することができる。
【0064】
距離4を決定するステップS2は、
画像内の第1の植物有機体1の部分の位置を決定するステップ(ステップS21)と、
画像内の第2の植物有機体2の部分の位置を決定するステップ(ステップS22)とを含み得る。
【0065】
1つの実施形態では、距離4は、第1の植物有機体1の葉11の部分と第2の植物有機体2の葉21の部分との間の距離になる。一変形形態では、距離4は、第1の植物有機体1の葉11と第2の植物有機体2の葉21との間の、縁部から縁部までの距離になる。別の変形形態では、距離4は、第1の植物有機体1の葉11と第2の植物有機体2の葉21との間の、中心から中心までの距離になる。葉の中心は、葉の画像の重心とすることができる。
【0066】
距離4を決定するステップS2は、第1の植物有機体に対して、植物有機体の群のうちの最も近い植物有機体を決定するステップを含み得る(ステップS27)。たとえば、第1の植物が雑草である場合、ステップS27は、最も適切な雑草除去ツールを選択するために、最も近い栽培植物の決定を示唆することができる。
【0067】
すなわち、距離4を決定するステップS2は、画像上の様々な各植物有機体を決定するステップ、具体的には、植物有機体が雑草であると決定するステップ、あるいは別法として、又は相補的に、植物有機体が栽培植物であると決定するステップを含み得る。別法として、ロボットは、各植物有機体を少なくとも2つの部類、たとえば栽培植物有機体の部類31及び雑草の部類32に分類することができる(ステップS28)。
【0068】
分類器はソフトウェアモジュールとすることができる。これは、たとえばニューラルネットワークに基づくことができる。
【0069】
ステップS3の間、ロボットの処理システムは、第1の植物を処理するのに最も費用対効果が大きい、かつ/又はより効率的である処理ツール53を選択する。雑草の場合、処理システムは、栽培植物を実質的に無傷及び未処理のままとしながらこの第1の植物を取り除くのに効率的なツールを選択する。この選択には、その距離を所定の閾値42と比較すること(ステップS31)が含まれる。最も費用対効果が大きい、かつ/又は廃棄時に環境にやさしい処理ツール53が、このツールを使用すると周辺の求められている植物有機体を無傷のままにできるときにいつも選択される。
【0070】
好ましい実施形態では、この閾値42は、処理ツールの作業範囲との相関関係において決定される。
【0071】
第1の処理ツールは、距離が閾値42よりも大きいときに選択される。第2の処理ツールは、距離が閾値42よりも小さいときに選択される(ステップS32)。
【0072】
複数の所定の閾値が事前に規定され、2つよりも多い処理ツールからの選択を決定することができる。
【0073】
閾値は、事前に規定されても、ロボット上に取り付けられる処理ツールに依存してもよい。この方法は、ツールの作業範囲を収集し閾値を修正するステップを含み得る。
【0074】
ツールの作業範囲を第1の植物有機体と第2の植物有機体との間の距離に応じて修正することもまた可能である(ステップS36)。たとえば噴霧ツールの場合では、噴霧ツールのノズルと処理される植物有機体1との間の垂直距離を変えること、又は圧力若しくは噴霧円錐の角度を制御することが可能である。
【0075】
1つの実施形態では、カメラ51は、地面の輪郭及び植物の高さを決定できる3Dカメラである。この輪郭は、地面及び植物の上方の噴霧ツールの最適な高さを決定するために、また機械ツールの貫入の深さを制御するために用いることができる。
【0076】
適切な処理ツールの選択はさらに、ロボット上のセンサによって測定された、及び/又は遠隔計算デバイス9から受信された、物理的パラメータにも依存し得る。
【0077】
ロボット上のセンサ、又は遠隔通信デバイス9に接続されたセンサは、それだけに限らないが、気温、水分率、気湿、太陽照度、土壌構成、土壌湿度、及び気湿などの可能な環境パラメータを測定することができる。
【0078】
遠隔計算デバイス9は、風速、気温、大気圧及び気象予報を含む現地及び/又は地域の気象情報などのパラメータを外部情報提供者92から受け取り、ロボットの処理システムへ送信することができる。別の提供者93は、現地及び/又は地域の農業アドバイス及び情報、たとえば、製品の推奨適用量、何らかの耕作に処理製品を施すことについての助言、処理製品を施すことの一時的な禁止、並びに月齢及び天体暦、特に日の出時刻、日の入り時刻、を提供することができる。
【0079】
これらのパラメータは、ロボットの処理システムへ送信して、各植物有機体に最も適切な処理ツールを決定する際に使用することができる。
【0080】
たとえば、一部の植物衛生製品は、限定された気温範囲内でしか有効でないことが知られている。この情報を用いて、気温がその範囲内にない場合に、又は気温がまもなくその範囲外になることを気象予報が知らせている場合に、この製品を使用しないようにすることができる。
【0081】
噴霧ツールの使用もまた、雨の間、湿度が所定の範囲内にない場合、又は雨の前には避けることができる。
【0082】
噴霧される製品の量もまた、環境パラメータに、及び/又は処理するそれぞれの第1の植物有機体のサイズに適合させることができる。たとえば、より多量の製品を、大きい植物有機体、及び/又は種類の異なる有機体から遠い有機体を処理するために、かつ/又は気温が高い、若しくはこれから高くなる場合に蒸発を補償するために、使用することができる。
【0083】
別々の製品のうち噴霧するために選択されるものは、識別された有機体の種類、上述の距離、及び環境パラメータによって決まり得る。
【0084】
遠隔通信デバイス9は、双方向無線リンクを介してロボット車両5と通信して、これらのパラメータをロボット車両に提供し、またロボット車両によって実行される処理に関する動作情報をロボット車両から受け取ることができる。動作パラメータには、たとえば、ロボット又はロボット機材の状態、ロボット車両位置、すでに実行された動作及び/又は計画されている動作、ツール状態、タンクの製品液面、施される製品の量、動力源のエネルギーレベル、太陽電池パネルのエネルギー生産量、化学製品の散布の推定削減が含まれ得る。遠隔計算デバイス9はさらに、ロボット車両5に、耕作領域内の栽培及び植物有機体についての情報を、たとえば、それだけではないが、雑草の数及び/又は位置、栽培有機体の数及び/又は位置、植物有機体の成長、取得画像内で検出された障害物の数及び位置、除去が不成功であった雑草についての情報などを含めて、無線リンク経由で提供するように要求することができる。情報は、カメラ51によって取得されコンピュータ視覚システム56によって最終的に処理される、栽培部分の画像を含み得る。
【0085】
遠隔計算デバイス9はまた、ロボット車両5を遠隔制御するために使用することもできる。
【0086】
適切な処理ツールの選択はさらに、第1の植物有機体1に対するロボット車両の相対的な位置付け、及び/又はロボット車両の速度にも依存し得る。
【0087】
適切な処理ツールの選択はさらに、所定の時間間隔内で処理されるべき植物有機体の推定数にも依存し得る。処理されるべき植物有機体の数が著しく、密集耕地の処理を一時的に減速させ得る場合には、ロボット車両の処理速度/率を一時的に維持又は高めるための様々なシナリオが次のように考えられる。たとえば、
雑草と、最も近い栽培植物との間の距離が、物理ツールを使用するための最小閾値、及び非選択性除草剤を使用するための最小閾値よりも大きいときは、機械ツールではなく、非選択性除草剤を施す噴霧ツールを選択し使用することができ、
雑草と、最も近い栽培植物との間の距離が、物理ツールを使用するための最小閾値よりも大きいが非選択性除草剤を使用するための最小閾値よりは小さいときは、機械ツールではなく、選択性除草剤を施す噴霧ツールを選択し使用することができる。
雑草のサイズが、物理ツールによって施されるよりもさらに異なる物理的処理を必要とする場合には、選択性除草剤を施す噴霧ツール、又は非選択性除草剤を施す噴霧ツールが(雑草と、最も近い栽培植物との間の距離によって決まる)、ロボット車両の処理速度/処理率を一時的に維持したり、又は高めるために、選択され得る。
【0088】
適切な処理ツールの選択はさらに、ロボット車両の利用可能な電気エネルギーにも依存し得る。たとえば、ロボットの残留電力が所定の閾値まで低下すると、電力消費がより少ないツールを、雑草を除去又は枯らすのに適切なツールの下位群から選択することができる。たとえば、
雑草と、最も近い栽培植物との間の距離が、物理ツールを使用するためと非選択性除草剤を使用するための両方の最小閾値よりも大きいときには、雑草を除去又は枯らすために、物理ツール及び非選択性除草剤を施す噴霧ツールから、電力消費がより少ないツールを選択して使用することができ、
雑草と、最も近い栽培植物との間の距離が、物理ツールを使用するための最小閾値よりも大きいが、非選択性除草剤を使用するための最小閾値よりは小さいときには、第1の植物有機体を除去又は枯らすために、物理ツール及び選択性除草剤を施す噴霧ツールから、電力消費がより少ないツールを選択して使用することができる。
【0089】
有利には、ロボット車両は、ある時間間隔内の関節アームの動作数を最大限にするために、処理される植物有機体間の最小距離を計算するように構成される。ロボット車両の変位速度は、処理の実行を最適化するように適合させることができる。たとえば、処理されるべき植生植物の数が多いとき、ロボットは、より多くの時間を関節アームに与えて個々の動作を実行するために、減速することができる。ロボット車両の変位速度は、たとえば好ましくない照度条件の場合に、ロボット車両の電気消費量を減らすように適合させることができる。さらに、処理すべき植物有機体の密度が高い場合、又は利用可能なエネルギーが少ない場合には、速い処理ができる、かつ/又は電気消費量を減らせる処理ツールを選択することができる。処理ツールが(特に物理ツール又は機械ツールが)植物有機体に効率的に達するのが困難である場合には、植物有機体に効率的に達することを可能にする処理ツールを選択することができる。
【0090】
図6は、植物有機体の処理のためのロボット車両のナビゲーション方法を概略的に示す。この方法は、後で説明するように、前述のロボット車両及び方法と共に、又は別のロボット車両若しくは方法と共に使用することができる。
【0091】
所望のナビゲーション経路7に沿ったナビゲーションは、車両の位置を連続して決定することに基づく。参照符号71は、地面の表面における、車両の第1の位置71を示し、参照符号72は次に続く第2の位置72を示し、参照符号73は次に続く第3の位置73を示す。
【0092】
車両の位置の粗い推定は、GPS、グロナスシステム、又はガリレオシステムなどの衛星ナビゲーションシステムによって決定される。この衛星ベースのナビゲーションシステムは、ロボットの絶対位置決めのために、また、たとえばロボットのオペレータによってあらかじめ規定されたロボットの所望の軌道を制御するために、使用される。1つの実施形態では、オペレータは、遠隔計算デバイス9を用いて、耕地のサイズ、形状及び位置、並びに列間の距離を規定し、ロボット車両の処理システムは、おおよその最適軌道をあらかじめ決定する。
【0093】
次に、ロボット車両の変位のより精細な決定値が、処理システムによって、カメラ51又は追加の専用カメラで取り込まれた一連のフレーム511、512、513を解析するコンピュータ視覚を使用して、計算される。このコンピュータ視覚システムは、これらのフレーム間のロボット車両の変位711、721、731を決定するために、連続する時間間隔T、Ti+1、Ti+2に取り込まれた連続する画像内の参照特徴8の位置を比較する。様々な特徴、たとえば、植物有機体、葉の縁、茎、並びに無機有機体及び地面のひび割れ、石などの土壌特徴、を連続する画像511、512、513内で追跡することができる。
【0094】
加えて、加速度計又はジャイロスコープなどの慣性システムを使用して、ロボット車両の変位を検出すること、並びに衛星測位システム及びコンピュータ視覚システムによって決定された位置を補正することができる。
【0095】
ロボット車両のこのより精細な変位の推定値を用いて、衛星測位システムによって決定された位置を補正又は精密にすることができる。また、この推定値を用いて、たとえば、列の上方の中心にあるロボット車両の軌道71を規定し処理ツールの変位を最小限にするために、ロボット車両の変位を栽培植物の列と位置合わせすることもできる。
【0096】
カメラ51によって取り込まれた画像は、ロボット車両の前の地面部分を含み得る。この部分の植物有機体は、ロボット車両がこの部分に向かって移動した後の後段階において、車両上のロボットからアクセス可能なだけである。この変位の方向及び大きさは、コンピュータ視覚システムによって、また任意選択で慣性センサによって、決定される。
【符号の説明】
【0097】
1 第1の植物有機体
11 第1の植物有機体の葉
12 第1の植物有機体の根
13 第1の植物有機体の幹
2 第2の植物有機体
21 第2の植物有機体の葉
22 第2の植物有機体の根
23 第2の植物有機体の幹
3 植物有機体
31 栽培植物
32 雑草
4 第1と第2の植物有機体間の距離
41 第1の植物有機体まわりの作業領域
42 閾値
5 ロボット車両
51 カメラ
511〜3 画像
52 関節アーム
521 遠位端
522 近位端
53 処理ツール
531 物理処理ツール
5311 ロッド
5312 回転軸
5313 端部
5314 ブレード
532 第1の噴霧処理ツール
5321 ノズル
5322 ポンプ
5323 管
533 第2の噴霧処理ツール
5331 ノズル
5332 ポンプ
5333 管
54 処理ツールの群
55 グローバル・ナビゲーション・衛星システム
56 コンピュータ視覚システム
57 無線通信ユニット
58 太陽電池パネル
59 電源
500 駆動モータ
6 地面
61 地面の表面
7 規定ナビゲーション経路
71 時間TとTi+1間の実際のナビゲーション経路
711 時間Ti+1におけるロボットの位置
72 時間Ti+1とTi+2間の実際のナビゲーション経路
721 時間Ti+2におけるロボットの位置
73 時間Ti+2とTi+3間の実際のナビゲーション経路
731 時間Ti+3におけるロボットの位置
74 出発位置
75 行先位置
8 外観特徴
81 石
82 地面のひび割れ
83 茎
9 遠隔計算デバイス
91 センサ
92 気象台
時間間隔T
i+1 時間間隔Ti+1
i+2 時間間隔Ti+2
S1 第1の植物有機体の少なくとも一つの画像を取り込むステップ
S2 第1の植物有機体1と第2の植物有機体2との間の距離を決定するステップ
S3 処理ツールを選択するステップ
S21 第1の植物有機体1の部分の位置を決定するステップ
S22 第2の植物有機体2の部分の位置を決定するステップ
S27 第1の植物有機体に対して、植物有機体の群のうちの最も近い植物有機体を決定するステップ
S28 様々な第1の植物有機体を決定するステップ
S29 第1の植物有機体に近い様々な植物有機体を決定するステップ
S31 第1の所定の処理ツールを選択する、又はツールの第1の下位群に含まれるツールを選択するステップ
S32 第2の所定の処理ツールを選択する、又はツールの第2の下位群に含まれるツールを選択するステップ
S33 処理ツールの作業範囲の表示を収集するステップ
S34 処理ツールの群54の処理ツールの下位群を決定するステップ
S35 処理ツールの下位群から処理ツールを選択するステップ
S36 第1の植物有機体に対して選択された処理ツールの相対的位置決めを決定するステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6