(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<回路構成の説明>
つぎに、本発明の実施形態に係るリフティングマグネット装置2を図面に基づき説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明において、トランジスタとは、バイポーラ型トランジスタ及び電界効果トランジスタ(FET)の双方を含むものとする。トランジスタがFETである場合、ベースをゲート、コレクタをドレイン、エミッタをソースとそれぞれ読み替えるものとする。
【0011】
図2には、本実施形態に係るリフティングマグネット装置2のブロック構成図を示す。リフティングマグネット10は、建屋内に設置されている天井クレーンの吊り下げ部先端に用いられていたり、野外のクレーン(ジブクレーンや門型クレーン等)や、クローラで移動する油圧ショベルの先端に、アタッチメントとして搭載されたりする。リフティングマグネット装置2の構成は、鉄片を吸着および解放するリフティングマグネット10と、このリフティングマグネット10に電力を供給するマグネット制御部3と、マグネット制御部3の操作と情報を表示するための表示・覚知部4と、マグネット制御部3に三相交流電力を供給する交流電源部(交流商用電源や交流発電機)18とを備えている。
【0012】
マグネット制御部3は、マグネット駆動回路31と、ブリッジドライバ32と、制御装置33と、通信回路34とを有している。マグネット駆動回路31には、交流電源部18から三相交流電圧V
AC1〜V
AC3が供給される。マグネット駆動回路31は、リフティングマグネット10に電力を供給する回路であり、リフティングマグネット10を流れる電流の向きを制御するHブリッジ回路を含んで構成されている。ブリッジドライバ32は、このHブリッジ回路を駆動する回路である。制御装置33は、マグネット10へ供給される電流及び電圧を、ブリッジドライバ32を介して制御する。
【0013】
制御装置33は、例えば、所定のプログラムを格納したメモリと、該所定のプログラムを読み出して実行するCPUまたはロジック回路とを含むディジタル演算処理回路からなり、制御信号の入出力・表示や覚知を、通信回路34を通じて行う。通信回路34は、リフティングマグネット装置2の操作者の操作する表示・覚知部4にある通信回路43と、配線16を介して接続されており、通信回路43との間で通信を行う。なお、本実施形態では、マグネット駆動回路31、ブリッジドライバ32、制御装置33、及び通信回路34は、1つの筐体35内に収容されている。
【0014】
表示・覚知部4は、操作者の動作指令の入出力や異常を画面に表示するための入出力・表示装置40と、異常が発生した時に操作者にこの異常を覚知させる異常報知装置41(音を発生させたり、操作レバーや椅子を振動させたり、警告灯を点灯)と、信号処理部42と、通信回路43とを有している。入出力・表示装置40は、リフティングマグネット10に供給される電流および電圧に関わる設定入力を操作者から受け付ける機能を有する。異常報知装置41は、音を発生させたり、操作レバーや椅子を振動させたり、警告灯を点灯させて操作者に異常を報知する機能を有する。信号処理部42は、通信回路43を介して受け取った信号に基づいて、画像により操作者に制御装置33等の状態を覚知させたり、操作者の入力信号に基づいて通信回路43を介して、マグネット制御部3の制御装置33に指令を与えたり、また、異常報知装置41に異常を報知する信号を発信して、操作者にリフティングマグネット装置2の異常を覚知させたりする。なお、入出力・表示装置40、信号処理部42、及び通信回路43は、1つの筐体45内に収容されている。
【0015】
マグネット操作部5は、リフティングマグネット10の励磁動作および解放動作を操作者が操作するための装置であり、表示・覚知部4と共に配置されている。マグネット操作部5は、2つのスイッチ51、52を有している。スイッチ51、52の一方の端子は互いに接続されると共に、マグネット制御部3と配線53を介して接続され、マグネット制御部3内部で定電位線と接続されている。また、スイッチ51,52の他方の端子はそれぞれ配線54,55を介してマグネット制御部3の制御装置33と接続されている。
【0016】
例えば、スイッチ51を操作者が押すと配線54を介して所定電位が制御装置33へ伝わり、制御装置33は、リフティングマグネット10へ正方向電流(励磁電流)が供給されるようにブリッジドライバ32を制御する。また、スイッチ52を操作者が押すと配線55を介して所定電位が制御装置33へ伝わり、制御装置33は、リフティングマグネット10へ逆方向電流(解放電流)が供給されるようにブリッジドライバ32を制御する。或いは、制御装置33が配線54の電位のみ認識し、スイッチ51が一度押されるとリフティングマグネット10へ励磁電流が供給され、スイッチ51が再度押されるとリフティングマグネット10へ解放電流が供給されるようにしてもよい。
【0017】
図1には、本発明の第1実施形態に係るリフティングマグネット装置2を構成するマグネット制御部3の回路構成図を示す。
図1に示すように、マグネット制御部3は、制御装置33やブリッジドライバ32の他、マグネット駆動回路31を構成する直流電源部36、Hブリッジ回路部37を有し、さらにコンデンサ38、回生抵抗23、状態検出手段24、回生抵抗用スイッチ25を有する。
【0018】
直流電源部36は、交流電源部18から供給された三相交流電圧V
AC1〜V
AC3を直流電源電圧V
DCへ変換するための回路部分である。本実施形態の直流電源部36は、6個のダイオード36a〜36fを含むブリッジ回路によって構成されており、三相全波整流を行う。なお、直流電源部36は、これ以外にも例えばサイリスタを用いた純ブリッジ回路や、ダイオード及びサイリスタを用いた混合ブリッジ回路によって構成されてもよい。直流電源部36が純ブリッジ回路や混合ブリッジ回路によって構成される場合、サイリスタは、図示しない位相制御回路によって所定の制御角で位相制御される。
【0019】
Hブリッジ回路部37は、リフティングマグネット10へ供給される電流の向きを制御するための回路部分である。Hブリッジ回路部37は、4つのnpn型のトランジスタ37a〜37dと、該4つのトランジスタ37a〜37dのそれぞれの電流端子間(コレクタ−エミッタ間またはソース−ドレイン間)に電気的に接続された4つのダイオード(フライホイール)37e〜37hと、リフティングマグネット10へ電流を供給するための動力ケーブルが接続される端子37i及び37jとを含むHブリッジ回路によって構成されている。
【0020】
具体的には、トランジスタ37aの一方の電流端子は直流電源部36の正側出力端36gに電気的に接続されており、トランジスタ37aの他方の電流端子は端子37iに電気的に接続されている。直流電源部36の正側出力端36gに接続されるケーブルは、正側ライン39aと称する。トランジスタ37bの一方の電流端子は端子37iに電気的に接続されており、トランジスタ37bの他方の電流端子は直流電源部36の負側出力端36hに電気的に接続されている。直流電源部36の負側出力端に接続されるケーブルは負側ライン39bと称する。トランジスタ37cの一方の電流端子は直流電源部36の正側出力端36gに電気的に接続されており、トランジスタ37cの他方の電流端子は端子37jに電気的に接続されている。トランジスタ37dの一方の電流端子は端子37jに電気的に接続されており、トランジスタ37dの他方の電流端子は直流電源部36の負側出力端36hに電気的に接続されている。また、ダイオード37e〜37hのアノードは、それぞれトランジスタ37a〜37dの他方の電流端子に電気的に接続されており、ダイオード37e〜37hのカソードは、それぞれトランジスタ37a〜37dの一方の電流端子に電気的に接続されている。
【0021】
各トランジスタ37a〜37dの制御端子(ベースまたはゲート)はブリッジドライバ32と電気的に接続されており、各トランジスタ37a〜37dにおける電流端子間の導通状態は、ブリッジドライバ32から提供される制御電流(または制御電圧)によって制御される。例えば、トランジスタ37a及び37dの制御端子に制御電流が提供されると、ある一方向の励磁電流が、トランジスタ37a、端子37i、リフティングマグネット10、端子37j、及びトランジスタ37dの順に流れる。また、トランジスタ37b及び37cの制御端子に制御電流が提供されると、ある一方向と逆方向の消磁電流が、トランジスタ37c、端子37j、リフティングマグネット10、端子37i、及びトランジスタ37bの順に流れる。
【0022】
ブリッジドライバ32は、制御装置33の出力信号に応じてトランジスタ37a〜37dの何れかを導通させる。制御装置33は、
図2に示したマグネット操作部5から提供される信号に基づいて、トランジスタ37a〜37dの何れを導通させるかを決定する。また、ブリッジドライバ32は、トランジスタ37a〜37dを必要に応じて断続的に導通させ、リフティングマグネット10へ供給される電圧をパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)により調整する。このPWMのパルス幅は、制御装置33によって制御される。
【0023】
コンデンサ38は、リフティングマグネット10への励磁電流のリップル軽減のために設けられている。コンデンサ38は、直流電源部36の正側出力端36gと負側出力端36hとの間に電気的に接続されている。
【0024】
第1電流測定手段21は、リフティングマグネット10に供給される電流の大きさを測定する測定器で、Hブリッジ回路部37にあるHブリッジ回路とリフティングマグネット10との間に設けられている。また、第2電流測定手段22は、正側ライン39aか負側ライン39bの少なくとも一方に設けられた電流測定手段である。
【0025】
回生抵抗23は、リフティングマグネット10からの回生電力を消費する抵抗であり、予想される回生電力を消費するのに十分な容量を有する。回生抵抗23は、1つの抵抗器から構成される必要はなく、複数の抵抗器を並列に並べて構成することも可能である。回生抵抗23は、直流電源部36の正側出力端36gと負側出力端36hに電気的に接続されている。
【0026】
状態検出手段24は、回生抵抗23の状態を検出するための装置である。本実施形態において、状態検出手段24は、回生抵抗23の両端の電圧を検出し、あらかじめ与えられている電圧値よりも高い電圧値を検出した時に、信号を発信する比較器である。発信された信号は、制御装置33により受信される。
【0027】
回生抵抗用スイッチ25は、制御装置33の指令により、リフティングマグネット10に供給された電力の回生が可能となるように、規定されたタイミングで入り切りされる。
【0028】
ブレーカ26は、交流電源部18と直流電源部36との接続を遮断する装置で、交流電源部18と直流電源部36との間に設けられている。
【0029】
<通常時のマグネット駆動回路31の動作>
ここで、通常運転時のマグネット駆動回路31の動作について説明する。
図3(A)は、リフティングマグネット10の両端に印加される電圧の時間波形を示すグラフを表わし、
図3(B)はリフティングマグネット10に供給される電流の時間波形を示すグラフである。
図3(B)は第1電流検出器21で測定した結果である。なお、上述したようにリフティングマグネット10への印加電圧はPWMによって調整されるが、
図3(A)においては、PWMにおける電圧変化を時間的に平均化して得られる実効電圧の値を示している。また、
図3(A),(B)における電圧及び電流の符号については、
図2での励磁電流の向き(端子37iからリフティングマグネット10へ電流が流れる向き)を正としている。
【0030】
まず、ある時刻t0において、交流電源部18から直流電源部36に三相交流電圧V
AC1〜V
AC3が提供される。三相交流電圧V
AC1〜V
AC3は、直流電源部36によって直流電源電圧V
DCに変換される。続いて、マグネット操作部5のスイッチ51(または52)を操作者が押すと(時刻t1)、制御装置33はリフティングマグネット10の励磁を開始する。すなわち、制御装置33の指示を受けたブリッジドライバ32は、Hブリッジ回路部37のトランジスタ37a及び37dを導通させる。これにより、リフティングマグネット10に励磁電流が流れる。
【0031】
制御装置33は、最初の期間T
1において、PWMのデューティ比を最大の100%として励磁電圧(実効値)を最大値V
OSとする。この期間T
1をオーバーシュート期間(OS期間)と称し、リフティングマグネット10への励磁電流I1を短時間で立ち上げるための期間である。また、制御装置33は、期間T
1の次の期間T
2において、PWMのデューティ比を最大より低下させて(例えば90%)、励磁電圧(実効値)をV
OE(<V
OS)とする。この期間T
2をオーバーエキサイト期間(OE期間)と称し、吊荷を容易に捕捉できるようにリフティングマグネット10の磁力を一時的に高める期間である。また、制御装置33は、期間T
2の次の期間T
3において、PWMのデューティ比を更に低下させて、励磁電圧(実効値)をV
RA(<V
OE)とする。この期間T
3を定格励磁期間と称し、リフティングマグネット10の定格電力付近の電力を供給しつつ励磁状態を維持する期間である。なお、定格励磁期間T
3は、次の解放動作へ移行するまで継続される。
【0032】
このような励磁電力をリフティングマグネット10へ供給することにより、リフティングマグネット10が励磁され、鉄片等の吊荷を吸着して持ち上げることが可能となる。
【0033】
続いて、リフティングマグネット10から鉄片等を解放するための動作に移る。マグネット操作部5の他方のスイッチ52(または51)を操作者が押すと(時刻t2)、制御装置33はリフティングマグネット10の消磁を開始する。すなわち、まず制御装置33は、Hブリッジ回路部37を構成するすべてのトランジスタ37a〜37dを非導通とするとともに、回生抵抗用スイッチ25を導通させ、リフティングマグネット10に残存する電力を、回生抵抗23で消費する。この回生抵抗23で消費される電力は
図3の消費電力K1で表されている部分である。そして、次に制御装置33の指示を受けたブリッジドライバ32は、Hブリッジ回路部37のトランジスタ37a、37dおよび回生抵抗用スイッチ25を非導通とし、トランジスタ37b及び37cを導通させる。これにより、リフティングマグネット10に流れる電流の向きが反転し、解放電流が流れる(期間T
4)。この解放電流は、リフティングマグネット10のインダクタンスの影響からある時定数でもって所定値に近づく。これにより、リフティングマグネット10および吊荷が消磁され、吊荷が開放される。
【0034】
制御装置33は、解放電流の大きさが設定値I
LMに達すると、Hブリッジ回路部37の全てのトランジスタ37a〜37dを非導通とし、回生抵抗用スイッチ25を一定時間だけ導通させ、リフティングマグネット10に残存する電力を、回生抵抗23で消費する。この回生抵抗23で消費される電力は、
図3の消費電力K2で表されている部分である。そして、回生電力を消費した後(期間T
5)、回生抵抗用スイッチ25を、Hブリッジ回路部37を構成するトランジスタ37a〜37dと同様、非導通として電力供給を停止する。
【0035】
<異常時のマグネット駆動回路31の動作>
次に、異常時のマグネット駆動回路31の動作について説明する。ここでいう「異常時」とは、回生抵抗用スイッチ25が破損し、回生抵抗が含まれている回生抵抗回路に、常時電圧が付加されている異常状態が発生しているときをいう。
【0036】
比較器である状態検出手段24は、回生抵抗に付加されている電圧が、あらかじめ定められた電圧値を越えている場合に、制御装置33に信号を送信する。制御装置33は、状態検出手段24からの信号が、あらかじめ定められた時間を経過したとき、回生抵抗回路に常時電圧が付加されている異常状態であると判断する。通常時の運転においても、回生抵抗23には電圧が付加されるが、通常時は、回生電力を消費するための電圧の付加であるので、その消費のための時間は比較的短い。そのため、制御装置33は、通常時に回生電力を消費するための時間よりも長い時間を、あらかじめ入力しておき、この入力値に基づいて制御装置33は、回生抵抗回路に常時電圧が付加されている異常状態であるか否かを判断する。
【0037】
そして、制御装置33は、回生抵抗回路が異常状態にある場合、この異常状態であることを操作者に覚知させる。覚知させる手段は様々なものがあるが、本実施形態では、表示・覚知部4に設けられている異常報知装置41から、例えば、警報を発したり、入出力・表示装置40に異常のメッセージを表示したりすることで、操作者に覚知させている。加えて、本実施形態では、制御装置33が、回生抵抗回路が異常状態にある場合、交流電源部18と直流電源部36との間に設けられているブレーカ26により、交流電源部18からの電力を遮断する。なおこの遮断動作は、制御装置33が、回生抵抗回路が異常状態にあると判断した後、リフティングマグネット10が被搬送物を吊り上げているか否かなど、リフティングマグネット10周辺の安全を考慮して行われる。
【0038】
回生電力を消費する回生抵抗23を備えたリフティングマグネット装置2において、回生抵抗23の状態を検出する状態検出手段24が備えられ、制御装置33が状態検出手段24からの信号により、回生抵抗23が含まれている回生抵抗回路に常時電圧が付加されている異常状態にあるかどうかを判断し、操作者に覚知させることにより、回生抵抗23への電流の入り切りを行う回路部品が壊れたことを操作者が知ることができる。これにより、操作者が壊れた部品を取り除き、回生抵抗23の発熱による他の回路部品の破損を防止できる。
【0039】
状態検出手段24が、回生抵抗23に対応して設けられている比較器であることにより、回生抵抗23のみにかかる電圧値等を検出して異常を判断できるので、異常状態を確実に検知することができる。
【0040】
制御装置33が、回生抵抗23に付加されている電圧が、所定の電圧値を越え、かつ、その超えている時間が、所定の時間を経過した時異常状態と判断することにより、温度など、異常検知までに時間を要するパラメータと比較して、短時間で異常を検出することができる。
【0041】
制御装置33は、状態検出手段24からの信号により異常状態と判断すると、マグネット制御部3への電力の供給を停止することにより、マグネット制御部3周辺の構成を大きく変更することなく、変更のコストを抑えながら回生抵抗23への電流の供給を停止することができる。
【0042】
なお、本実施形態では、状態検出手段24として電圧を測定する比較器を採用したがこれに限定されない。例えば、回生抵抗23に付加する電圧値を検出する電圧計や、回生抵抗23に流れる電流を測定する電流計、または回生抵抗23の温度を測定する温度計を用いることもできる。また状態検出手段24が、このような物理量を検出し、それに対応した信号を送信するだけの機器の場合、制御装置33が、物理量の閾値を超えたか否かを判断するとともに、その超えたときの時間が所定の時間を超えているか否かで、回生抵抗回路が異常状態であるか否かを判断する。
【0043】
状態検出手段24からの信号を受ける専用制御装置を設けることもできる。この場合、この専用制御装置は制御装置33の一部を構成することとなる。
【0044】
状態検出手段24は、従来からマグネット制御部3に設けられている、例えば第2電流検出器22を用いることも可能である。この場合、回生抵抗23に常時電圧が付加される異常状態となると、通常の運転時の電流よりも大きな電流が第2電流検出器22により検出されることとなる。この通常の運転時の電流よりも大きな電流が流れた時間が、所定の時間を超えると、制御装置33は回生抵抗回路が異常状態にあると判断する。または、吸引電圧を付加する信号を出していない場合に、第2電流検出器22にあらかじめ定められた電流値以上の電流が流れていることで回生抵抗回路が異常状態にあると判断することも可能である。
【0045】
本実施形態では、回生抵抗回路が異常状態となると、交流電源部18と直流電源部36との間に設けられているブレーカ26により、交流電源部18からの電力を遮断するようにしたが、マグネット制御部への電力の供給を停止する方法はこれに限定されない。たとえば、直流電源部36がサイリスタである場合は、この部分の動作を停止させることで遮断することも可能である。また、直流電源部36から回生抵抗回路までに設けられた直流を切り離すデバイス素子の動作を停止させることで遮断することも可能である。