【実施例1】
【0015】
図1は、実施例1の農作業機の給電システムにおける全体構成図である。
図2は、実施例1のワイヤレス給電の説明図である。
【0016】
本発明は、トラクタ1側から作業機2側へ、送電部14と受電部21の間のワイヤレス給電を介して電力(電気)を供給できるシステムである。
【0017】
トラクタ1には、トラクタバッテリー11、電源ハーネス12、スイッチ13、送電部14を有している。また、無線部10はトラクタ1の運転席4近傍に配置可能となっている。
【0018】
作業機2には、受電部21、作業機側無線部22、蓄電部23、制御部24、小電力機器25、リレー26、アクチュエータ27を有している。また、電気的に接続するためのプラスライン30、マイナスライン31、給電ライン32、蓄電ライン33、分岐ライン34を有している。さらに、蓄電制御部41、電流制御部42、検出部43を有しており、これらは電流制御ユニット40としてもよい。さらに、情報的に接続するための通信ライン38を有している。
【0019】
無線部10は、情報を無線で作業機側無線部22に送信可能な装置である。無線部10は、操作スイッチを有する操作部を有することができ、操作部の操作による情報を操作信号として無線送信により作業機側無線部22へ送信できるようにすることができる。操作部には、アクチュエータ27や小電力機器25を作動させる押しボタンスイッチ等のスイッチを有していてもよい。このとき、操作部は、無線部10と一体としてもよいし、配線等を通じ別体とすることも可能である。さらに無線部10には、表示部を有して、必要な情報を表示させてもよい。このとき、表示部は、無線部10と一体としてもよいし、配線等を通じ別体とすることも可能である。また、無線部10は、必要に応じて作業機側無線部22からの情報を無線で受信するようにしてもよい。
【0020】
トラクタバッテリー11は、トラクタ1に設置されている。トラクタバッテリー11は、送電部14へ電気を送る直流の電源となれる。また、トラクタ1からのエンジン動力を利用して充電させる構成を有していてもよい。また、トラクタ1に必要な電気も供給するバッテリーであってもよい。
【0021】
電源ハーネス12は、トラクタバッテリー11と送電部14を接続するハーネス(配線)である。途中にスイッチ13を介している。
【0022】
スイッチ13は、ON(入)のときは、トラクタバッテリー11からの電力が送電部14へ送られOFF(切)のときは、トラクタバッテリー11からの電力が送電部14へ送られない。スイッチ13は、トラクタ1のエンジン始動等のトラクタを始動させるスイッチと共有することもでき、例えば、エンジン始動のためのキーを回転させるときにONとなるキースイッチの構成とすることができる。これにより、トラクタのキースイッチ(トラクタを始動させるスイッチ)がONになっているときに電力を供給することができ、作業者がトラクタを始動させればスイッチ13はONとなる。またこれ以外に、スイッチ13を運転席4近傍に配置するように配線してトラクタ1に乗車した作業者が状況に応じて入切できるスイッチとしてもよい。
【0023】
送電部14は、受電部21とワイヤレス給電を行うための送電側の装置であり、電源ハーネス12を介して送られてきたトラクタバッテリー11からの電力をワイヤレス送電用に変換して送電する。このため、送電部14は、電力を変換してワイヤレスで送電するために必要なデバイスを有している。また、送電部14はトラクタ1側の作業機2に近い位置に配置することでワイヤレス給電を行いやすくできる。
【0024】
受電部21は、送電部14とワイヤレス給電を行うための受電側の装置であり、送電部14から受電して電力へ変換する。変換された電力は、プラスライン30へ送られる。このため、受電部21は、ワイヤレスで受電して電力への変換に必要なデバイスを有している。また、受電部21は、プラスライン30とマイナスライン31と接続されており、マイナスライン31は変換後の回路のマイナス側に接続され、プラスライン30は変換後の回路のプラス側で接続されている。
【0025】
送電部14と受電部21との間で行うワイヤレス給電の方式について説明する。ワイヤレス給電の種類として、例えば、「電磁誘導」、「磁気共鳴」、「マイクロ波・レーザ光」の方式が挙げられる。「電磁誘導」の方式は、電磁誘導により一次側のコイルから二次側のコイルに電力を送る方式である。「磁気共鳴」の方式は、共振を利用して電力を伝送する方式である。「マイクロ波・レーザ光(無線)」の方式は、マイクロ波やレーザ光による送電を行う方式である。
【0026】
これらの方式を適用させる場合、送電部14と受電部21は、これらの方式に合うように構成される。例えば、「電磁誘導」の方式なら、送電部14は交流を発生させるシステムと一次側コイルを有し、受電部21は二次側コイルと整流するシステムを有している構成があげられる。また、「磁気共鳴」の方式であるならば、送電部14は一定の周波数を発生させるためのシステムとコイルを有し、受電部21はコイルと整流するシステムを有する構成があげられる。
【0027】
作業機側無線部22は、無線部10からの無線による信号を受信する。無線部10から信号を受信した場合は、通信ライン38を介して制御部24へ送られる。また、分かり易くするために、電源が入っている場合の表示や、受信状態を示す表示等を追加してもよい。また、作業機側無線部22は、制御部24から得られる情報を無線部10へ送信してもよい。また、作業機側無線部22の電源は、ワイヤレス給電を介して得られた電気を使用でき、作業機側無線部22は、送電部14と受電部21の間のワイヤレス給電で送電される電力の範囲内で作動するものである。作業機側無線部22には、接続部22aを有して、給電ライン32及びマイナスライン31の接続部32aと脱着可能なコネクタ部としてもよい。なお、作業機側無線部22は、無線部10からの無線による信号を受信することが可能な受信可能状態(待ち受け状態)とする場合は一定の電力を必要とする。
【0028】
蓄電部23は、蓄電機能のある装置で構成され、電力が蓄えられる。蓄電部23は、例えば、ニッケル水素電池や鉛蓄電池、リチウムイオン電池、リチウム電池等で構成されるバッテリーや、キャパシタなどが適用できる。バッテリーであれば、充電により蓄電され、供給された電力が蓄えられる。
【0029】
制御部24は、作業機側無線部22で受信した操作信号をもとにアクチュエータ27を制御する。また、必要に応じて小電力機器25の制御や、小電力機器25からの情報を取得して制御に反映する。制御部24と作業機側無線部22との間は、情報のやりとりが可能な通信ライン38のみが接続されており、電力をやりとりする配線はされていない。制御部24は、制御のために必要な電子デバイス等で構成され、コントロールボックスとしてボックス内に格納して独立させることができる。
【0030】
小電力機器25は、小電力で作動する機器であり、例えば、LEDを含むランプ、センサ、ブザー、スイッチ等があげられる。ここで小電力について、少なくとも、送電部14と受電部21のワイヤレス給電を介した電力で直接まかなえる範囲内、もしくは、作業機側無線部22と合わせて直接まかなえる範囲内であれば小電力ということができる。小電力機器25は、制御部24の制御により作動する機器、もしくは制御部24へ情報を提供できる機器があげられる。
【0031】
リレー26は、制御部24の指令によりアクチュエータ27を作動させるためのリレー回路で構成されている。これは必要に応じて設けられ、例えば、アクチュエータ27が消費電力の大きい電動油圧シリンダであれば使用するとよい。また、リレー回路以外でも大きな電流を流せる半導体(例えば、FET、CMOS、トランジスタなど)でもよい。
【0032】
アクチュエータ27は、制御部24の制御により作動する。例えば、電動油圧シリンダやモータなどがあげられる。実施例1では、蓄電部23からの電力を利用して作動させることができる。
【0033】
プラスライン30は、一方が受電部21のプラス側に接続され、他方は分岐点36で給電ライン32と蓄電ライン33に分岐される。また、途中には蓄電制御部41を有している。
【0034】
マイナスライン31は、一端が受電部21のマイナス側に接続され、途中で分岐して、分岐した一方の他端が蓄電部23のマイナス側に、分岐した他方の他端が作業機側無線部22のマイナス側に接続されている導線である。ここで、マイナスライン31は0Vの基準となる導線であり、アースしてもよい。
【0035】
給電ライン32は、一端がプラスライン30の分岐点36で接続され、他端が作業機側無線部22のプラス側に接続されている導線である。
【0036】
蓄電ライン33は、一端がプラスライン30の分岐点36で接続され、他端が蓄電部23のプラス側に接続されている導線である。また、途中には電流制御部42を有している。
【0037】
分岐ライン34は、マイナスライン31の途中と蓄電ライン33の途中から分岐して、制御部24、小電力機器25、リレー26、アクチュエータ27へ電気を送るための導線である。
図1では制御部24とリレー26の間をつなぐ配線に接続されている。
【0038】
通信ライン38は、作業機側無線部22と制御部24を接続されており、ここでは、情報のみやりとりをするための通信線であり、電力のやりとりは行わない。
【0039】
制御部24と、小電力機器25と、リレー26と、アクチュエータ27は配線で接続されており、必要に応じて電気的なやりとりや情報的のやりとりが可能な配線とする。
【0040】
蓄電制御部41は、蓄電部23の蓄電量が一定以上になったら、これを検知し受電部21からの電力を蓄電部23へ送らないようにするものである。また、蓄電部23の蓄電量が一定以下となったら、これを検知し受電部21からの電力を蓄電部23へ送るようにするものである。蓄電制御部41は、例えば、IC等で構成される半導体等
によるスイッチとして、蓄電部23の蓄電量が一定以上になったことを判別した場合は、蓄電ライン33への回路を切って送電を止めるようにする。また、蓄電部23の蓄電量が一定以下になったことを判別した場合は、蓄電ライン33への回路を入れて蓄電部23へ送電を行うようにする。これらにより例えば蓄電部23の寿命が短くなることを防止できる。
【0041】
ここで、蓄電部23がバッテリーである場合、蓄電制御部41は充電を制御する。充電を止めるための条件である一定以上充電したことの判別は、蓄電部23のプラス(蓄電ライン33)とマイナス(マイナスライン31)の電圧が一定以上となる場合、もしくは、蓄電部23への電流が一定以下となる場合、もしくは、これらを組み合わせて蓄電部23のプラスとマイナスの電圧が一定以上で、かつ、蓄電部23への電流が一定以下となる場合に蓄電部23が一定以上充電したことを判別することができる。電圧が一定以上となる場合としては、標準の電圧よりも予め定めた高い値となった場合である。また、電流が一定以下となる場合としては、通常充電時に流れる電流よりも相当量少ない電流となる場合である。また、一定以上充電した状態は、例えば、ほぼ満充電の状態とすることができる。また、充電を止めていた場合に、充電を開始させるための条件として、蓄電部23のプラスとマイナスの電圧が予め定めた一定以下の電圧となる場合とすることができる。ここでの一定以下の電圧の値は、充電時の標準の電圧より高いが、上記充電を止めるための条件である一定以上の電圧の値よりも低い値を採用する。
【0042】
蓄電制御部41は、
図2では分岐点36よりも受電部21側のプラスライン30の途中に設けられているが、この場合は蓄電制御部41に整流のための機能を有していてもよい。一方、蓄電制御部41を分岐点36よりも蓄電部23側である蓄電ライン33の途中に設けることもできる。ただし、分岐ライン34の分岐点よりも受電部21側でないと、蓄電量が一定以上の場合に蓄電部23から、アクチュエータ27等に分岐ライン34を介して電力が供給できなくなる。
【0043】
電流制御部42は、ワイヤレス給電がされていない(適切にワイヤレス給電がされていないときも含むことが可)と判断したときは、蓄電部23からの電力を作業機側無線部22へ送らないようにするものである。例えば、リレー等によるスイッチとして、分岐点36よりも蓄電部23
側である蓄電ライン33の途中に設けられる。この場合、送電部14と受電部21がワイヤレス給電中は、この電流を検出部43で感知して、電流制御部42内のスイッチをONとする。このときは、受電部21で受電したワイヤレス給電による電流が作業機側無線部22へ流れている。また、ワイヤレス給電をしていないときはワイヤレス給電による電流を検出部43で感知せずに電流制御部42内のスイッチをOFFとして、蓄電部23の電流が作業機側無線部22へ流れないように遮断する。
【0044】
さらに、電流制御部42は、ワイヤレス給電中の電流が十分でない場合は、スイッチをONとしないようにしてもよい。すなわち検出部43で感知する受電部21からの電流が一定以上のみの場合に電流制御部42内のスイッチをONとし、それ以外はOFFとする。これにより、送電部14と受電部21の対向が不十分で作業機側無線部22へ電力が適切に供給されない場合も電流制御部42内のスイッチをOFFとすることができる。この場合、電流制御部42は送電部14と受電部21の対向検出部としての機能を果たす。
【0045】
さらに、電流制御部42は、受電部21から蓄電部23の方向へ電流が流れている場合のみに電流制御部42内のスイッチをONとするようにしてもよい。これは、回路中にダイオードを設ける等として受電部21から蓄電部23の方向へ電流を感知したときに電流制御部42内のスイッチをONとすることで実現可能である。すなわち、蓄電部23から受電部21へ電流が流れても電流制御部42内のスイッチはONとならない。この場合、電流制御部42は、蓄電部23のプラスマイナスを逆に取り付けてしまった場合の他の機器の故障を防止する逆接検出部としての機能を果たす。
【0046】
また、電流制御部42は、給電ライン32の途中に設けてもよい。ただし、この場合は、逆接検出部としての機能は十分に発揮しないが、ワイヤレス給電検出部や対向検出部の機能を果たしている。
【0047】
ここで、上述した蓄電制御部41、電流制御部42、検出部43は、電流制御ユニット40として、受電部21に一体として設けることも可能である。また
図2のように別体として設けることも可能である。また、これらの一部を受電部21と一体として設けることも可能である。
【0048】
次に電気の流れについて説明する。
【0049】
トラクタ1に作業機2が取り付けられ送電部14と受電部21が対向されている状態で、トラクタ1側のスイッチ13がONのときは、トラクタバッテリー11からの電力は、送電部14へ送られ受電部21へワイヤレスで給電され、受電部21で電力へ変換される。このとき、受電部21へ送られた電気を検出部43で感知して電流制御部42のスイッチはONとなり、蓄電ライン33は接続されている。受電部21で変換された電力は、プラスライン30、給電ライン32を通って作業機側無線部22の電源とすることができる。すなわち、スイッチ13がONのときは、作業機側無線部22に電力が供給され受信可能状態とでき、無線部10からの無線による信号を受信することが可能となる。さらに、受電部21からの電力はプラスライン30、蓄電ライン33を通って蓄電部23にも送られて電気が蓄電される。また、蓄電部23の蓄電量が一定以上になった場合は、上述した蓄電制御部41の作用によりそれ以上充電されなくなる。このとき、蓄電制御部41内のスイッチでプラスライン30が切断されるため、作業機側無線部22へは蓄電部23から電力が供給される。また、蓄電部23に蓄えられた電気は、蓄電ライン33、分岐ライン34等を通って、制御部24、小電力機器25、リレー26、アクチュエータ27へ送電可能で有り、これらの電源とすることができる。また、ワイヤレスで給電された供給される電力が足りれば、受電部21からプラスライン30、蓄電ライン33、分岐ライン34を通って制御部24や小電力機器25へ電気を直接供給することもでき、また、アクチュエータ27の電力の一部をまかなってもよい。
【0050】
なお、分岐点36を蓄電制御部41と受電部21の間に設けて、蓄電制御部41が分岐点36よりも蓄電部23側である蓄電ライン33中に設けられている場合は、蓄電部23の蓄電量が一定以上になった場合でも作業機側無線部22へは受電部21からプラスライン30、給電ライン32を通って電力が供給されることが可能となる。
【0051】
スイッチ13がOFFのときは、トラクタバッテリー11からの電力は、送電部14へ送られない。このため、受電部21から電気は送られず、作業機側無線部22にも電気が送られない。一方、蓄電部23に蓄えられた電力は、(電流制御部42が分岐ライン34との分岐よりも受電部21側であれば)蓄電ライン33、分岐ライン34を通って、制御部24、小電力機器25、リレー26、アクチュエータ27へ送電可能であるが、作業機側無線部22へは上述した電流制御部42の作用により送られない。このため、作業機側無線部22に電気は流れず無線部10からの信号受信はできなくなるが、トラクタ1のスイッチ13がOFFのときは、蓄電部23からの電力が作業機側無線部22により消費されることはないため蓄電部23の無駄な電力消費を防止できる。なお、作業機2をトラクタ1から取り外した際もワイヤレス給電ができないため作業機2側ではスイッチ13がOFFの状態と同様となる。また、送電部14と受電部21の対向が不十分で作業機側無線部22へ電力が十分供給されない場合も同様の制御が可能である。
【0052】
図3は、本発明の農作業機の給電システムが適用される作業機の一例を示す側面図である。
図4は、本発明の農作業機の給電システムが適用される作業機の一例を示す平面図である。
図5は、本発明の農作業機の給電システムが適用される作業機の一例を示す正面図である。
図3〜5の作業機2は折りたたみ機構を備えた代掻き作業機50であり、入力軸51側をトラクタ1に装着し、カバー52や均平板53の内で代掻き爪が回転することにより代掻き作業を行う。なお、
図3では、代掻き作業機50をトラクタ1に装着した図となっており、トラクタ1の図は簡略して主な図示をタイヤ3としている。
【0053】
電動油圧シリンダ56は、シリンダが伸び縮みすることにより、回動機構57を作用させサイド作業部55を折りたたみ、代掻き作業機50の全幅を短くすることができる。延長レーキ開閉装置60は、内部のモータが回転することにより、制御バー62やワイヤ63を介して延長レーキ61を左右に回動させ、延長レーキ61を使用するか否かを選択することができる。これら、電動油圧シリンダ56や、延長レーキ開閉装置60(のモータ)をアクチュエータ27として、無線部10の操作部により操作することができ、効率のよい農作業を行うことができる。特に電動油圧シリンダ56は消費電力が大きく、送電部14から受電部21へ送電される電力を上回ることが想定される。
【0054】
トラクタ1に連結装置80を取り付けて
図3に示すように代掻き作業機50(作業機2)を装着する。連結装置80のトラクタ1への取付は、トラクタ1のトップリンク5の先端を連結装置80の上部中央で前側(トラクタ1側)に設置された取付孔82に取り付け、トラクタ1の左右のロワリンク6の先端を連結装置80の下部両側の取付ピン89にそれぞれ取り付ければ、トラクタ1に連結装置80が取り付けられる。
【0055】
代掻き作業機50側では、連結装置80に装着させるための連結器具(マスト71、ヒッチ73)を備える。マスト71は、入力軸51が備えられているミッションケース75の上部に取り付けられ、左右のヒッチ73は、それぞれミッションケース75の両端にあるフレームパイプ76に接合された取付板77に取り付けられる。マスト71の先端には、トップピン72が備えられ、ヒッチ73先端には、ロワピン74が備えられている。
【0056】
作業者は、連結装置80をトラクタ1に取り付けた状態で、ハンドル91を引き、トラクタ1の運転席でロワリンク6を操作し連結装置80を上昇させて、下側から、連結装置80の上部中央で後ろ側(代掻き作業機50側)に設置されたトップフック81をマスト71のトップピン72に引っかける。すると、ヒッチ73のロワピン74が連結装置80の下部両側に接合される側板85の後ろ側に形成された溝88に入り、ジョイント7の先端も入力軸51に挿入される。これにより作業機2が三点で支持される。そして、ハンドル91を戻して(押して)、ハンドル91に連動するフック84をロックすれば装着が完了する。
【0057】
このとき、送電部14を連結装置80側に取り付け、受電部21を代掻き作業機50(作業機2)側に取り付けして、連結装置80に代掻き作業機50を取り付けた場合に、送電部14と受電部21が対向してワイヤレスで給電できる位置になるようにしておけば、作業者は、トラクタ1に作業機2を脱着する際に、トラクタ1から降りて、給電のための接続をする必要がない。具体例として、送電部14は、連結装置80のトップフック81及び取付孔82を有する上部部材90(
図3)側と側板85側を接続するメインパイプ83に送電側取付部材101を取り付け、そこに設置される。送電部14の設置は送電側取付部材101の後ろ側に送電部14が配置されるようにする。受電部21は、ヒッチ73のプレートに受電側取付部材102を取り付け、そこに設置される。このとき、受電側取付部材102は受電部21の取り付け高さを合わせるためヒッチ73よりも上部に延びて形成され、受電部21が受電側取付部材102の上部前側に配置されるようにする。連結装置80に代掻き作業機50を取り付けた場合に、送電部14と受電部21が同じ高さと同じ横方向の位置で対向して接近する。この接近する距離は例えば、0mmから20mm、好ましくは5mmから10mmなどとすることができる。
【0058】
また、
図3〜5の例では、作業機側無線部22と、蓄電部23は、カバー52上に、制御部24は、ミッションケース75上部に取り付けられている。
【0059】
例えば、作業者が電動油圧シリンダ56を動かしたい場合は、トラクタ1のキースイッチをONとするなどして、スイッチ13をONとする。そして、無線部10の操作部の操作により、操作信号を作業機側無線部22へ送る。そうすることで、制御部24の制御により、蓄電部23から供給される電力で電動油圧シリンダ56を作動させることができる。