特許第6737668号(P6737668)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6737668
(24)【登録日】2020年7月20日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】キーボックス
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20200730BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20200730BHJP
   E05B 19/00 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   E05B49/00 B
   E05B65/00 D
   E05B19/00 E
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-178276(P2016-178276)
(22)【出願日】2016年9月13日
(65)【公開番号】特開2018-44312(P2018-44312A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2019年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(74)【代理人】
【識別番号】100106921
【弁理士】
【氏名又は名称】高尾 裕之
(72)【発明者】
【氏名】金澤 孝郎
(72)【発明者】
【氏名】羽田野 玲
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−253298(JP,A)
【文献】 特開平04−247178(JP,A)
【文献】 特開2015−153219(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0223170(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
郵便受けの内部における投入口の内側に設置される筐体と、
前記筐体の上端側に設けられた鍵ケース収納口および解除コード操作用のスイッチと、
前記筐体内に前記鍵ケース収納口に連通して設けられた収納空間と、
前記収納空間に収納可能で且つ鍵を保持可能な鍵ケースと、
前記収納空間に収納された前記鍵ケースの昇降手段と、
制御器と、
電源と、を備え、
前記制御器は、前記スイッチが、設定された有効期間内に設定された解除コードに従って操作されると、前記昇降手段に動作指令を与える機能を備えること
を特徴とするキーボックス。
【請求項2】
前記収納空間に収納された前記鍵ケースのロック手段を備える
請求項1記載のキーボックス。
【請求項3】
通信モジュールを備え、
前記制御器は、前記通信モジュールを介した通信により、前記設定された有効期間と前記設定された解除コードの情報を取得する機能を備える
請求項1または2記載のキーボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵の貸し出しを自動で行うキーボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅を一時的に宿泊用に貸す場合は、宿泊者に、対象となる住宅の出入口の錠の鍵(以下、単に、住宅の鍵という)を貸し出す必要がある。また、賃貸や販売などを目的として住宅の内覧を行う場合であって、管理者が立ち会わない場合は、内覧者に住宅の鍵を貸し出す必要がある。
【0003】
また、マンションのような集合住宅は、防犯性の向上を目的として、建物の玄関部分に、外部からの訪問者が立ち入ることが可能な訪問者立ち入り区画と、各住宅につながる共用廊下との間を仕切る壁などの仕切りを備え、該仕切りに設けられた共用の出入口に、オートロック機能付きの自動ドアを備えた構成とされていることがある。
【0004】
この種のオートロック機能付きの自動ドアは、訪問者立ち入り区画側からオートロックを解錠するときには、一般に、各住宅の鍵や、解錠コードが用いられている。
【0005】
ところで、前記した宿泊者や内覧者は、住宅の一時的な利用者に過ぎない。そのため、このような一時的な利用者に対してオートロック機能付きの自動ドアの解錠コードを教えることは、防犯上好ましくない。
【0006】
したがって、共用の出入口にオートロック機能付きの自動ドアを備えた形式の集合住宅では、宿泊や内覧などの一時的な利用者による住宅の利用を図るには、利用者に対し、共用の出入口の外側で住宅の鍵を貸し出す処理が必要とされる。
【0007】
このような鍵の貸し出しのために係員を配したのでは人件費がかかってしまう。そのため、住宅の鍵の貸し出しは、自動で実施することが望まれる。
【0008】
住宅の鍵を出入口の外側の郵便受けに入れて保管するものとして、郵便受け内にダイヤル錠付きキー保管箱を備える構成のものが従来提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−170155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、特許文献1に示されたものは、キー保管箱を開けるためには、郵便受けにおける郵便物の取出口の扉を開ける必要がある。
【0011】
しかし、共用の出入口にオートロック機能付きの自動ドアを備えた形式の集合住宅では、郵便受けの集合体が前記仕切りに設けられ、郵便物の投入口は訪問者立ち入り区画側に配置され、取出口は共用廊下側に配置されていることがある。この場合は、郵便受けにキー保管箱が設けられているとしても、オートロック機能付きの自動ドアを通過できない者は郵便受けの取出口を開くことができないので、キー保管箱から鍵を取り出すことはできない。
【0012】
また、特許文献1に示されたものでは、キー保管箱のダイヤル錠の解錠ナンバーを知っている者は、いつでもキー保管箱を開けることができるようになるため、前記した宿泊者や内覧者のような一時的な利用者に解錠ナンバーを教えることは、防犯上好ましくない。
【0013】
そこで、本発明は、住宅の郵便受けに設置して、住宅の一時的な利用者に対する住宅の鍵の貸し出しを自動で行うことができ、その際、郵便受けの取出口を開ける必要をなくすことができるキーボックスを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記課題を解決するために、郵便受けの内部における投入口の内側に設置される筐体と、前記筐体の上端側に設けられた鍵ケース収納口および解除コード操作用のスイッチと、前記筐体内に前記鍵ケース収納口に連通して設けられた収納空間と、前記収納空間に収納可能で且つ鍵を保持可能な鍵ケースと、前記収納空間に収納された前記鍵ケースの昇降手段と、制御器と、電源と、を備え、前記制御器は、前記スイッチが、設定された有効期間内に設定された解除コードに従って操作されると、前記昇降手段に動作指令を与える機能を備える構成を有するキーボックスとする。
【0015】
前記収納空間に収納された前記鍵ケースのロック手段を備える構成としてある。
【0016】
通信モジュールを備え、前記制御器は、前記通信モジュールを介した通信により、前記設定された有効期間と前記設定された解除コードの情報を取得する機能を備える構成としてある。
【発明の効果】
【0017】
本発明のキーボックスによれば、住宅の郵便受けに設置して、住宅の一時利用者に対する住宅の鍵の貸し出しを自動で行うことができ、その際、郵便受けの取出口を開ける必要はなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】キーボックスの第1実施形態を示す概要図である。
図2図1のキーボックスの切断正面図である。
図3図1のキーボックスで使用する鍵ケースの例を示す図である。
図4】第1実施形態のキーボックスの別の使用例を示す図である。
図5】キーボックスの第2実施形態を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、キーボックスの第1実施形態について、郵便受けに設置された状態を示す概略側面図である。図2は、図1のA−A位置での概略切断正面図である。図3(a)(b)は、本実施形態のキーボックスに備える鍵ケースの例をそれぞれ示す斜視図である。
【0021】
本実施形態のキーボックスは、図1に示す符号1で示すものであり、郵便受け100の内部に設置された状態で使用される。
【0022】
本実施形態では、郵便受け100は、箱形の容器101を備え、容器101の1つの側面の上端側位置に郵便物の投入口102を備え、投入口102とは反対側の側面が、開閉可能な扉104を備えた郵便物の取出口103とされている。
【0023】
また、郵便受け100は、図示しないが、たとえば、上下方向に複数段、横方向に複数列で集積された集合体として、共用の出入口にオートロック機能付きの自動ドアを備えた形式の集合住宅にて、訪問者立ち入り区画と共用廊下との間を仕切る仕切り部分に設けられている。投入口102は訪問者立ち入り区画側に配置され、取出口103は共用廊下側に配置されている。
【0024】
なお説明の便宜上、郵便受け100および本実施形態のキーボックス1については、郵便受け100における投入口102が配置されている側(図1では左側)を前、その逆側(図1では右側)を後といい、郵便受け100を前側から見たときの左側(図2では左側)を左、右側(図2では右側)を右という。
【0025】
投入口102の上辺部には、フラップ105が前後に揺動可能に設けられている。このフラップ105は、通常は、自重によりまたはばね等の付勢手段により垂下する姿勢となることで投入口102を塞いでいる。また、フラップ105は、投入口102から図示しない郵便物が投入されるときには、郵便物により押されて後方へ、すなわち、容器101の内側へ傾動するようになっている。
【0026】
図1における符号106は、扉104の取っ手を兼ねたダイヤル錠である。
【0027】
本実施形態のキーボックス1は、箱形の筐体2を備えている。
【0028】
筐体2の左右方向寸法は、郵便受け100の容器101の左右方向の内法寸法よりも小さく設定されている。筐体2の上下方向寸法は、容器101の内底面から投入口102の下辺までの上下方向寸法とほぼ同様か、または、それよりも小さく設定されている。筐体2の前後方向寸法は、投入口102の上下方向の開口幅よりも大となるように設定されている。
【0029】
更に、筐体2は、全体のサイズが、郵便受け100の取出口103を通過可能となるように設定されている。本実施形態では、筐体2は、上下方向寸法および左右方向寸法に比して前後方向寸法が小さく設定された扁平な箱形とされている。
【0030】
これにより、筐体2は、取出口103から、郵便受け100の容器101内へ入れて、図1に示すように、筐体2の上端側としての上面2aを、投入口102の下辺より後側位置に配置することができる。この位置に配置された筐体2は、容器101の前側壁や内底面に対し、直接、あるいは、スペーサ3を適宜介在させた状態で固定される。
【0031】
筐体2の容器101内への固定手法は、図示しないが、たとえば、取り外しを容易にするという観点から考えると、磁力による吸着や、両面テープのような粘着部材を介した貼り付けを採用することが好ましい。しかし、筐体2の固定手法は、接着剤を用いた接着や、ブラケットを用いたねじ止めなど、その他、任意の固定手法を採用してもよいことは勿論である。
【0032】
また、筐体2は、たとえ容器101内での固定が解除されたとしても、筐体2が投入口102を通して外部に取り出される虞は防止することができる。
【0033】
筐体2の上面2aには、鍵ケース収納口4と、解除コード操作用のスイッチ5a,5b,5c,5dが設けられている。
【0034】
鍵ケース収納口4は、筐体2の上面2aに内外方向に貫通して設けられた開口であり、本実施形態では、図2に示すように、上面2aにおける左端側位置に、後述する鍵ケース7(図3(a)(b)参照)の平面形状に応じた形状で設けられている。
【0035】
解除コード操作用のスイッチ5a,5b,5c,5dは、たとえば、モーメンタリ方式の4つのボタンスイッチであり、筐体2の上面2aにおける鍵ケース収納口4と干渉しない位置に配置されている。本実施形態では、筐体2の上面2aにおける鍵ケース収納口4よりも右側の位置に、スイッチ5a,5b,5c,5dが左から順に並ぶように配置されている。
【0036】
これにより、住宅の一時的な利用者は、その住宅に対応する郵便受け100の投入口102から手を差し込んで、投入口102の下辺より後側位置に配置されているスイッチ5a,5b,5c,5dを操作することができ、また、鍵ケース収納口4にも触れることができる。
【0037】
なお、図示しないが、各スイッチ5a,5b,5c,5dのボタン部分は、平面と凸部や凹部、半球形状、円錐形状、角錐形状、円柱形状、角柱形状や、その他、触覚によって識別可能な個別の形状を備えることが好ましい。これは、各スイッチ5a,5b,5c,5dの操作は、郵便受け100の投入口102から手を差し込んだ状態で行うため、各スイッチ5a,5b,5c,5dを触覚により識別できるようにするためである。
【0038】
筐体2の内側には、鍵ケース収納口4に連通する収納空間6と、収納空間6に収納された鍵ケース7と、鍵ケース7の昇降手段8と、鍵ケース7のロック手段9と、制御器10と、電源11と、通信モジュール12とを備えた構成とされている。
【0039】
鍵ケース7は、図3(a)(b)に示すように、鍵13を収納可能な直方体形状の容器である。また、鍵ケース7は、紛失を防ぐために、鍵13の使用時にも鍵13から取り外す必要のない形式のものとすることが好ましい。
【0040】
図3(a)の鍵ケース7は、鍵ケース7の長手方向に平行な1つの側面に形成したスリット14を備え、このスリット14内に配置した鍵13が、軸15を中心に旋回可能に保持された構成を備えている。なお軸15を中心とする鍵13の旋回は、鍵13の自重のみでは行われずに、人が手動操作することによって旋回できるように、鍵13の旋回に力が必要とされている。
【0041】
この構成の鍵ケース7によれば、鍵13を使用するときには、図3(a)に二点鎖線で示すように、軸15を中心に鍵13を旋回させて、鍵13が鍵ケース7からを突出する配置とすればよい。
【0042】
図3(b)の鍵ケース7は、鍵ケース7に長手方向の一端面から他端面に貫通して延びるスロット16を備え、このスロット16内に配置した鍵13が、スロット16の長手方向に移動可能なスライダ17に保持された構成を備えている。なお、スライダ17は、鍵ケース7の側面にスロット16と平行に設けられている長孔17aに、スライド可能に係合されている。また、スライダ17は、鍵13の自重のみではスライドが生じないように、長孔17aの両端側でスライダ17の位置の保持と解除ができる機構を備えた構成とされている。このスライダ17の位置の保持は、たとえば、スライダ17に備えた係止片をノッチに係止させる機構などで実現すればよい。
【0043】
この構成の鍵ケース7によれば、鍵13を使用するときには、図3(b)に二点鎖線で示すように、スライダ17と共に鍵13をスライドさせて、鍵13を鍵ケース7から突出する配置とすればよい。
【0044】
更に、鍵ケース7には、図2に示すように、たとえば、長手方向の一端側に、係止用の切欠き18が設けられている。この切欠き18は、後述するロック手段9を係止させるためのものである。
【0045】
収納空間6は、上端側が鍵ケース収納口4に連通し、且つ鍵ケース7を収納可能な容積を備えた空間である。
【0046】
収納空間6には、鍵ケース収納口4から、下方に延びるガイド19が設けられている。このガイド19は、鍵ケース7の平面形状の周方向の全体を覆う角筒状であってもよいし、鍵ケース7の平面形状の長手方向両端側を覆うように対向配置された一対のトラフ状のガイドであってもよい。更には、鍵ケース7の平面形状の4角部に沿って配置された4つのアングル形状のガイド19であってもよい。
【0047】
これにより、収納空間6では、鍵ケース収納口4に上方から挿入される鍵ケース7を、ガイド19に沿わせて受け入れて収納することができる。
【0048】
収納空間6の下端側には、収納時の鍵ケース7の下端部を受けるためのストッパ20を備える構成とすることが好ましい。
【0049】
収納空間6の下方には、昇降手段8が設けられている。本実施形態では、昇降手段8は、サーボモータ21と、サーボモータ21の出力軸21aに長手方向の一端側が取り付けられたアーム部材22とを備えた構成とされている。
【0050】
サーボモータ21には、制御器10が接続されている。
【0051】
昇降手段8は、初期状態では、サーボモータ21により、図2に実線で示すように、アーム部材22の先端側が、収納空間6に収納された鍵ケース7の下端面に接するかあるいは、接近した状態に配置されている。
【0052】
この状態で、制御器10から動作指令がサーボモータ21へ与えられると、サーボモータ21は、アーム部材22を図1における時計回り方向に旋回させる。これにより、昇降手段8では、図2に二点鎖線で示すように、アーム部材22の先端側で鍵ケース7を上方へ押し上げることができる。この状態では、鍵ケース7は、鍵ケース収納口4を通して筐体2の上方へ突出して露出されるため、人が鍵ケース7を把持して筐体2から取り出すことが可能な状態となる。
【0053】
昇降手段8は、制御器10から復帰指令がサーボモータ21へ与えられると、サーボモータ21は、収納空間6における鍵ケース7の有無にかかわらず、アーム部材22を初期状態の姿勢へ復帰させる。したがって、この状態では、収納空間6が、鍵ケース7を収納可能な状態になる。
【0054】
ロック手段9は、本実施形態では、ソレノイドアクチュエータ23を備えている。ソレノイドアクチュエータ23は、プランジャー24が、収納空間6に収納された状態の鍵ケース7の切欠き18に臨む姿勢で設けられている。
【0055】
ソレノイドアクチュエータ23には、制御器10が接続されている。
【0056】
更に、ロック手段9の制御に関連して、制御器10には、収納空間6に収納された状態の鍵ケース7を検出する近接センサ25が接続されている。制御器10は、近接センサ25により収納空間6に鍵ケース7が収納された状態が確認された条件の下でのみ、ソレノイドアクチュエータ23へロック指令を与える機能を備えている。
【0057】
ロック手段9では、制御器10からソレノイドアクチュエータ23へロック指令が与えられると、ソレノイドアクチュエータ23はプランジャー24を突出位置に移動させる。これにより、プランジャー24の突出端部が、収納空間6に収納された状態の鍵ケース7の切欠き18に係止される。したがって、この状態では、鍵ケース7の上下方向の移動がロックされるので、正規の取り出し方法以外の方法による鍵ケース7の筐体2からの無理な取り出しを防止することができる。
【0058】
一方、制御器10からソレノイドアクチュエータ23へロック解除指令が与えられると、ソレノイドアクチュエータ23は、プランジャー24を格納位置へ退避させる。これにより、プランジャー24の突出端部による鍵ケース7の切欠き18に対する係止が解除される。この状態では、鍵ケース7は、上下方向の移動に関するロックが解除されるため、収納空間6からの取り出しが可能となる。
【0059】
制御器10には、サーボモータ21、ソレノイドアクチュエータ23および近接センサ25に加えて、各スイッチ5a,5b,5c,5dと電源11と通信モジュール12が接続されている。
【0060】
電源11は、制御器10に加えて、制御器10を介してサーボモータ21、ソレノイドアクチュエータ23、通信モジュール12に電力を供給する。
【0061】
また、本実施形態のキーボックス1は、使用時には郵便受け100の容器101内に設置するものである。また、入手容易性を考慮すると、電源11は、一次電池を用いることが好ましい。なお、電源11は、二次電池や燃料電池を採用してもよいことは勿論である。更に、郵便受けに電源コードを引き込むことができれば、商用電源を用いるようにしてもよい。
【0062】
電源11として一次電池や二次電池を用いる場合は、図示しないが、筐体2には、開閉可能な蓋を備えた開口部を備えた構成とし、この開口部の内側に、図示しない電池ボックスなどを介して一次電池や二次電池による電源11を保持させた構成とすることが好ましい。この構成によれば、開口部の蓋を開けることで電池交換を容易に行うことができる。なお、本実施形態のキーボックス1は、筐体2を分解して電池交換を行うものとしてもよいことは勿論である。
【0063】
次に、制御器10の機能について説明する。
【0064】
制御器10は、通信モジュール12を介して図示しない管理サーバと無線通信を行い、各スイッチ5a,5b,5c,5dの押す順序による解除コードと、該解除コードの有効期間に関する情報とを取得して記憶する機能を備えている。解除コードの有効期間は、開始時刻と終了時刻との設定で行うようにすればよい。たとえば、住宅の宿泊利用であれば、解除コードの有効期間は、日を跨いで設定すればよい。また、住宅の内覧の場合は、解除コードの有効期間を数時間あるいは数十分というような単位で設定するようにすればよい。なお、解除コードは、管理サーバ側で自在にパターンを変更して設定することができるが、異なる解除コードの有効期間同士は重複しないように設定される。
【0065】
更に、制御器10は、現在の日時の情報を得る時計機能を内蔵しており、ある解除コードに関連付けて設定された有効期間内に、各スイッチ5a,5b,5c,5dが該解除コードに一致した順序で押された場合にのみ、ロック手段9のソレノイドアクチュエータ23へロック解除指令を発した後、昇降手段8のサーボモータ21へ動作指令を与える機能を備えている。
【0066】
これにより、ソレノイドアクチュエータ23のプランジャー24による鍵ケース7の切欠き18に対する係止が解除され、その後、サーボモータ21により旋回されるアーム部材22により鍵ケース7が押し上げられて、鍵ケース7が鍵ケース収納口4から上方に突出するようになる。よって、この状態では、鍵ケース7を、筐体2から取り出すと共に、投入口102を通して郵便受け100の外部に取り出すことが可能になる。
【0067】
なお、制御器10は、各スイッチ5a,5b,5c,5dを用いた解除コードの操作に関して、リセット機能を備えることが好ましい。このリセット機能は、たとえば、各スイッチ5aのうちのいずれかを設定された秒数以上長押しするとか、特定の複数のスイッチを同時に長押しするというような、通常の解除コードの操作とは明確に異なる操作により実施する設定とすればよい。
【0068】
このようなリセット機能を備えた構成によれば、住宅の一時的な利用者は、先ず、リセット機能の操作をしてから各スイッチ5a,5b,5c,5dを用いた解除コードの操作を行うことで、たとえば、以前に各スイッチ5a,5b,5c,5dが押された状態であったとしても、それを一旦リセットした後、正しい解除コードの操作を開始することができる。また、解除コードの操作途中でスイッチ5a,5b,5c,5dの押し間違えをした場合は、その操作は一旦リセットした後、再度解除コードの操作を開始することができる。
【0069】
制御器10は、前記したように昇降手段8のサーボモータ21へ動作指令を与えた後は、設定された時間が経過すると、サーボモータ21へ復帰指令を与える機能を備えている。これにより、アーム部材22の配置が初期状態に戻るため、鍵ケース7が取り出された状態であれば、収納空間6を、鍵ケース7を受け入れ可能な状態、すなわち、利用者による鍵13および鍵ケース7の返却を待機した状態とすることができる。
【0070】
更に、制御器10は、近接センサ25による収納空間6における鍵ケース7の有無の検出結果を監視して、その情報を通信モジュール12を介して前記管理サーバへ送る機能を備えるようにしてもよい。このようにすれば、管理サーバ側で、鍵ケース7および鍵13の貸し出しと返却の状態を監視することや、貸し出しと返却に関するログをとることが可能になる。
【0071】
以上の構成としてある本実施形態のキーボックス1を使用して、住宅の一時的な利用者に対して住宅の鍵13の貸し出し処理を行う場合は、本実施形態のキーボックス1を、対象となる住宅に対応する郵便受け100の中に設置する。また、対象となる住宅の鍵13は、収納空間6に収納した鍵ケース7に保持させた状態としておく。
【0072】
更に、制御器10は、予め通信モジュール12を介した図示しない管理サーバとの通信により、解除コードと、該解除コードの有効期間に関する情報とを取得して記憶する。
【0073】
一方、住宅の一時的な利用者(図示せず)は、住宅の管理者や管理会社との連絡により、利用対象となる住宅と、該住宅に対応する郵便受け100と、本実施形態のキーボックス1に関する情報、および、前記管理サーバで設定された解除コードと、その解除コードの有効期間についての情報、更には、制御器10のリセット機能の操作方法についての情報も取得しておく。なお、解除コードは、電子メールなどにより携帯端末に表示可能なデータとして取得してもよいし、プリントアウトされた紙な媒体で取得してもよい。
【0074】
その後、利用者は、利用対象となる住宅がある集合住宅の訪問者立ち入り区画まで移動し、予め取得した解除コードの有効期間内に、利用対象の住宅に対応する郵便受け100の投入口102から手を差し込んで、本実施形態のキーボックス1におけるスイッチ5a,5b,5c,5dを操作する。この際、最初に、リセット機能のための操作を行ってから、取得している解除コードに従った順序で各スイッチ5a,5b,5c,5dを操作する。
【0075】
これにより、本実施形態のキーボックス1では、制御器10にて、各スイッチ5a,5b,5c,5dの操作が、記憶している解除コードに従った操作であり、且つ該解除コードの有効期間内であることが確認されると、制御器10からロック手段9のソレノイドアクチュエータ23へロック解除指令が与えられると共に、制御器10から昇降手段8のサーボモータ21へ動作指令が与えられる。
【0076】
これにより、鍵ケース7は、上下方向の移動に関するロックが解除された後、サーボモータ21により旋回するアーム部材22により押し上げられるため、鍵ケース7は、鍵ケース収納口4を通して筐体2の上方へ突出して露出された状態になる。
【0077】
この状態で、利用者は、鍵ケース7を把持して筐体2から取り出すと共に、取出口103を通して郵便受け100の外部に取り出すことができる。
【0078】
したがって、利用者は、鍵ケース7に保持されている鍵13を使用することができるため、集合住宅の共用の出入口に備えられたオートロック機能付きの自動ドアを通過することができて、共用廊下を通って利用対象の住宅まで移動することができる。利用対象の住宅では、鍵13を使用して出入口の錠を解錠して中に入ることができる。
【0079】
利用者は、住宅の利用が終了した後は、鍵13を用いて住宅の出入口を施錠し、その後、鍵13は初期状態のように鍵ケース7に収納した状態としてから、利用対象の住宅に対応する郵便受け100の投入口102から手を入れて、鍵ケース7を筐体2の鍵ケース収納口4から収納空間6へ挿入するようにすればよい。
【0080】
このように鍵ケース7が収納空間6に挿入されて、近接センサ25によって検出されると、制御器10は、ロック手段9のソレノイドアクチュエータ23へロック指令を与えて、プランジャー24の突出端部を鍵ケース7の切欠き18に係止させる。これにより、本実施形態のキーボックス1は、初期状態に復帰する。
【0081】
このように、本実施形態のキーボックス1によれば、利用対象となる住宅の郵便受け100を利用して、住宅の利用者に対して、住宅の鍵13の貸し出しを、管理者や貸出人が不在の下で、自動で行うことができる。この際、本実施形態のキーボックス1に対する利用者の操作や、鍵13を収納した鍵ケース7の取り出しおよび返却は、郵便受け100の投入口102を通して行うことができるため、郵便受け100の取出口103を開く必要はない。したがって、取出口103の扉104がダイヤル錠106により施錠されているとしても、鍵ケース7および鍵13の取り出しと返却に何ら支障が生じることはない。
【0082】
このため、共用の出入口にオートロック機能付きの自動ドアを備えた形式の集合住宅であっても、郵便受け100の投入口102が訪問者立ち入り区画側に配置されていれば、本実施形態のキーボックス1を用いて鍵13の貸し出しを行うことができる。
【0083】
また、本実施形態のキーボックス1は、郵便受け100の内部に設置するようにしてあるので、その設置手段以外の点では、郵便受け100はもとより住宅側に何ら改変を必要としない。よって、本実施形態のキーボックス1は、鍵13の貸し出し処理に低コストで導入することができる。
【0084】
更に、本実施形態のキーボックス1は、郵便受け100に設置した状態であっても、郵便受け100が投入口102にフラップ105を備えた形式であれば、郵便受け100の外観からでは本実施形態のキーボックス1の存在を判断することが難しい。このため、本実施形態のキーボックス1は、ドアノブや住宅の出入口付近の固定部に取り付ける形式のキーボックスに比して、防犯上有利なものとすることができる。
【0085】
更に、本実施形態のキーボックス1は、解除コードと該解除コードの有効期間を、管理サーバとの通信により遠隔操作で設定することができるようにしてあるため、住宅の利用者の急な利用の申し込みや、予定変更にも、容易に対応することが可能となる
【0086】
[第1実施形態の応用例]
図4は、キーボックス1の第1実施形態の応用例を示すものである。なお、図4において、図1に示したものと同一のものには同一符号を付してその説明を省略する。
【0087】
本応用例は、第1実施形態と同様の構成において、キーボックス1を、郵便受け100内に、鍵ケース収納口4が上向きとなる姿勢で設置する構成に代えて、図4に示すように、鍵ケース収納口4が投入口102の方向に斜めに向くように、郵便受け100内に、キーボックス1を斜め前方に傾斜させた姿勢で設置する構成としたものである。
【0088】
なお、図4に示したキーボックス1の傾斜角度は一例であり、図示した以外の傾斜角度を採用してもよいことは勿論である。
【0089】
この姿勢は、スペーサ3の形状変更や、図示しないブラケットに対する筐体2の取り付け角度を変更することで実現することができる。
【0090】
本応用例のキーボックス1では、鍵ケース収納口4を通して鍵ケース7が筐体2に出し入れされる方向と、筐体2から取り出された鍵ケース7を投入口102を通すときの移動方向との角度のずれを、より小さくすることができる。
【0091】
このため、本応用例のキーボックス1によれば、鍵ケース7の取り出し時や返却時の取り扱いをより容易なものとすることができる。
【0092】
[第2実施形態]
図5は、キーボックス1の第2実施形態を示すものである。なお、図5において、第1実施形態と同一のものには、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0093】
本実施形態では、郵便受け100aは、箱形の容器101の前面の上端側位置に、フラップ105を備えた投入口102を有し、且つ前面における投入口102の下側が、開閉可能な扉104を備えた郵便物の取出口103とされた構成を備えている。
【0094】
郵便受け100aは、図示しないが、たとえば、上下方向に複数段、横方向に複数列で集積された集合体として、集合住宅におけるエントランスの壁面のような固定部に設置されている。この種の郵便受け100aの集合体は、オートロック機能付きの自動ドアを備えない形式の集合住宅に広く採用されている。
【0095】
本実施形態のキーボックス1は、筐体2に設けられた鍵ケース収納口4、各スイッチ5a,5b,5c,5d、および、筐体2の内部の構成は、第1実施形態のキーボックス1と同様の構成とされている。
【0096】
更に、本実施形態のキーボックス1は、筐体2の上面2aが、投入口102の下辺より後側位置に配置された状態で、扉104の内側面に、直接、あるいは、スペーサ3を適宜介在させた状態で固定される。
【0097】
筐体2の扉104の内側面への固定手法は、図示しないが、たとえば、取り外しを容易にするという観点から考えると、磁力による吸着や、両面テープのような粘着部材を介した貼り付けを採用することが好ましい。しかし、筐体2の固定手法は、接着剤を用いた接着や、ブラケットを用いたねじ止めなど、その他、任意の固定手法を採用してもよいことは勿論である。
【0098】
以上の構成としてある本実施形態のキーボックス1は、第1実施形態のキーボックス1と同様に使用して、同様の効果を得ることができる。
【0099】
また、本発明は、前記各実施形態にのみ限定されるものではなく、筐体2の上下、左右、前後方向の寸法や寸法比は、図示するための便宜上のものであり、実際の寸法や寸法比を反映させたものではない。
【0100】
筐体2の形状は、取出口103を通して郵便受け100,100aの内部に入れて設置することができ、且つ投入口102を通過することが不可能となるようにしてあれば、直方体以外の形状を採用してもよい。
【0101】
昇降手段8は、制御器10からの動作指令に応じて、収納空間6に収納されている鍵ケース7を、鍵ケース収納口4を通して筐体2の上方に突出させて把持可能となる位置まで上昇させることができれば、シリンダやジャッキ、ボールねじ機構、ラックアンドピニオンなど、サーボモータ21と旋回するアーム部材22とからなる構成以外の構成を採用してもよい。
【0102】
ロック手段9は、制御器10からのロック指令とロック解除指令に応じて、収納空間6に収納された鍵ケース7の上下方向の移動に関するロックとロック解除とを切り替えることができれば、図示した以外の構成を備えるものであってもよい。たとえば、ロック手段9は、サーボモータやシリンダなどの駆動装置により変位可能な係止部材を、鍵ケース7の切欠き18に係止させる形式の構成であってもよい。
【0103】
キーボックス1は、ロック手段9を備える構成に代えて、筐体2の鍵ケース収納口4に開閉可能な蓋を備える構成としてもよい。この蓋は、制御器10からの指令により、昇降手段8により収納空間6に収納された鍵ケース7を上昇させるとき、および、鍵ケース7を鍵ケース収納口4から収納空間6へ収納するときに開くようにすればよい。
【0104】
鍵ケース7は、鍵13を収納することができるようにしてあれば、直方体形状以外の外形を備えるものであってもよい。その場合、筐体2に備える鍵ケース収納口4と収納空間6の形状を、鍵ケース7の外形に応じて適宜変更すればよい。
【0105】
鍵ケース7は、鍵13を収納でき、また鍵13を使用するときに少なくとも鍵穴に差し込む部分を突出させることができるようにしてあれば、図3(a)(b)に示した以外の構成を備えていてもよい。また、鍵ケース7は、鍵13を取り出し可能に収納する容器であってもよい。この場合、鍵ケース7は、鍵13と分離された状態となると紛失の虞が高まるので、索状物を介して鍵13と連結された構成を備えることが好ましい。
【0106】
鍵ケース7は、郵便受け100,100aの投入口102から差し込む手による保持を容易にするために、上端側につまみを備える構成としてもよい。
【0107】
スイッチ5a,5b,5c,5dは、モーメンタリ方式のボタンスイッチとして説明したが、モーメンタリ方式のトグルスイッチであってもよい。更に、スイッチ5a,5b,5c,5dは、設定される解除コードに従った操作を行うことができるようにしてあれば、オルタネイト方式のスイッチを採用してもよい。
【0108】
キーボックス1に解除コード操作用のスイッチを複数備える場合、すべて同じ方式、同じ形式のスイッチである必要はない。
【0109】
キーボックス1に備える解除コード操作用のスイッチの数は、1、2、3、または、5以上であってもよい。スイッチの数が1つの場合は、解除コードは、モールス符号のように、短点と長点との組み合わせで設定するようにすればよい。なお、このような短点と長点の組み合わせによる解除コードは、スイッチが複数の場合に採用してもよいことは勿論である。
【0110】
前記各実施形態のキーボックス1は、制御器10に遠隔操作によって解除コードと、該解除コードの有効期間を記憶させるという手法を採用するために、制御器10に通信モジュール12を接続した構成を備えているものとして説明した。
【0111】
これに対し、本発明のキーボックス1は、筐体2に、解除コードと該解除コードの有効期間を入力する入力機器を有線接続するコネクタを備える構成としてもよい。また、筐体2に、解除コードと該解除コードの有効期間を入力する入力手段を備える構成としてもよい。これらの構成を採用する場合は、宿泊や内覧に供する住宅の管理者が、その住宅について、たとえば、翌日や一週間分というような、ある一定期間の利用予定に対応する解除コードとその有効期間を入力して、制御器10に記憶させるようにすればよい。
【0112】
この構成とする場合は、通信モジュール12と管理サーバ、および両者間の通信に要するコストを不要にすることができる。
【0113】
本発明のキーボックス1を適用する郵便受け100,100aは、取出口103からキーボックス1を挿入して、筐体2の上面2aを投入口102の下辺より後側位置に配置することができるような形状の容器101を備えていれば、図示した以外の形状や構成を有する郵便受け100,100aであってもよい。
【0114】
また、郵便受け100,100aは、上下方向にのみ配列された複数の郵便受け100,100a同士が集合体となる形式、または、左右方向にのみ配列された複数の郵便受け100,100a同士が集合体となる形式であってもよく、更には、集合体ではなく単独で使用される形式の郵便受け100,100aであってもよい。これらの構成に応じて、郵便受け100,100aにおける取出口103は、容器101の前面と後面以外の配置で設けられていてもよい。
【0115】
郵便受け100,100aは、投入口102にフラップ105を備えない形式であってもよい。取出口103の扉104は、ダイヤル錠106以外の施錠手段を備える構成であってもよい。
【0116】
本発明のキーボックス1を用いて貸し出し処理を行う鍵13は、対応する郵便受けを備えていれば、ビル内の部屋の鍵13など、住宅以外の部屋の鍵13であってもよいことは勿論である。
【0117】
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0118】
2 筐体
4 鍵ケース収納口
5a,5b,5c,5d スイッチ
6 収納空間
7 鍵ケース
8 昇降手段
9 ロック手段
10 制御器
11 電源
12 通信モジュール
13 鍵
100,100a 郵便受け
102 投入口
図1
図2
図3
図4
図5