【文献】
SA2,[draft] Reply LS to LS on state of SA3 discussions on NG security architecture[online],3GPP TSG SA WG2 #120,3GPP,2017年 3月21日,S2-172214,検索日[2020.06.24],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_120_Busan/Docs/S2-172214.zip>
【文献】
ZTE,Network Slice Selection Procedure[online],3GPP TSG-RAN WG3#92,3GPP,2016年 5月27日,R3-161107,検索日[2020.06.24],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_92/Docs/R3-161107.zip>
【文献】
Huawei, Hisilicon,TS 23.501: Update to Network Slice Selection Parameters[online],3GPP TSG SA WG2 #120,3GPP,2017年 3月21日,S2-172064,検索日[2020.06.24],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_120_Busan/Docs/S2-172064.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
図1に本実施形態に係る情報通知方法を実施する移動通信システムの構成を示す。移動通信システムは、ネットワークインフラ上に生成される仮想ネットワークを用いるサービスに、当該仮想ネットワークであるスライスを割り当てるシステムである。スライスとは、ネットワーク装置のリンクとノードの資源を仮想的に切り分けて、切り分けた資源を結合し、ネットワークインフラ上に論理的に生成される仮想ネットワーク又はサービス網であり、スライス同士は資源を分離しており、互いに干渉しない。サービスとは、通信サービス(専用線サービス等)やアプリケーションサービス(動画配信、エンベデッド装置等のセンサ装置を利用したサービス)等のネットワーク資源を用いたサービスをいう。
【0013】
図1に示すように移動通信システムは、SO(Service Operator)20と、OSS/BSS(Operations Support System/Business Support System)30と、スライス管理装置10と、NFVO40と、VNFM50と、VIM(Virtualized Infrastructure Management:仮想化基盤管理)60と、UDM(Unified Data Management)70と、DNS(Domain Name System)サーバ80と、AUSF(Authentication Server Function)90と、AMF(Core Access and Mobility management Function)100と、RAN110と、SMF(Session Management Function)120と、UPF(User Plane Function)130と、UE(User Equipment)140とを含んで構成されている。このうち、NFVO40とVNFM50とVIM60とは、MANO(Management & Orchestration)architectureである。
【0014】
これらの構成要素は、移動通信システムのコアネットワークを構成するものである。なお、互いに情報の送受信が必要な構成要素間は、有線等で接続されており情報の送受信が可能となっている。
【0015】
本実施形態に係る移動通信システムは、物理サーバ上に実現される仮想マシンにおいて動作する仮想サーバによって移動通信端末に対して通信機能を提供する。即ち、移動通信システムは、仮想化された移動体通信ネットワークである。通信機能は、仮想マシンによって当該通信機能に応じた通信処理を実行することで移動通信端末に対して提供される。
【0016】
スライス管理装置10は、移動通信システムにおけるサービス管理(スライスとサービスとの対応付け)を行い、移動通信システムでの通信機能に係る指示を行うノードである。また、スライス管理装置10は、移動通信システムに係る通信事業者によって操作され得る。
【0017】
SO(Service Operator)20は、サービス要求する装置であり、例えば、仮想ネットワークを用いて各種ユーザへサービス提供をする事業者の端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ等)である。
【0018】
OSS/BSS30は、SO20からのサービス要求を受け付けて、スライス管理装置10へその要求に基づく情報を送信する装置である。このOSS/BSS30は、当該サービス要求の対象となるサービスを識別(特定)するサービスパラメータ(サービス特定情報であるサービスタイプ)と、当該サービスパラメータの示すサービスの割当先のスライスを特定するスライス特定情報(スライスID)とを対応付けて、当該対応付けた情報をスライス管理装置10へ送信する。なお、SO20から対応情報を受信して、当該対応情報をスライス管理装置10へ送信するようにしてもよい。
【0019】
NFVO40は、物理資源であるNFVI160上に構築された仮想ネットワーク(スライス)全体の管理を行う全体管理ノード(機能エンティティ)である。NFVO40は、スライス生成を指示する装置からの指示を受信し、当該指示に応じた処理を行う。NFVO40は、インフラと通信サービスの移動体通信網の物理資源において構築された仮想化ネットワーク全体にわたる管理を行う。NFVO40は、仮想ネットワークにより提供される通信サービスをVNFM50及びVIM60を経由して適切な場所に実現する。例えば、サービスのライフサイクル管理(具体的には例えば、生成、更新、スケール制御、イベント収集)、移動体通信網内全体にわたる資源の分散・予約・割当管理、サービス・インスタンス管理、及びポリシー管理(具体的には例えば、リソースの予約・割当、地理・法令等に基づく最適配置)を行う。
【0020】
VNFM50は、物理資源(ノード)となるNFVI160に対して、サービスに係る機能を追加する仮想通信機能管理ノード(機能エンティティ)である。VNFM50は、システムに複数、設けられていてもよい。
【0021】
VIM60は、物理資源(ノード)各々を管理する物理資源管理ノード(機能エンティティ)である。具体的には、資源の割当・更新・回収の管理、物理資源と仮想化ネットワークとの関連付け、ハードウェア資源とSW資源(ハイパーバイザー)一覧の管理を行う。通常、VIM60は、データセンタ(局舎)毎に管理を行う。物理資源の管理は、データセンタに応じた方式で行われる。データセンタの管理方式(管理資源の実装方式)は、OPENSTACKやvCenter等の種類がある。通常、VIM60は、データセンタの管理方式毎に設けられる。即ち、互いに異なる方式で、NFVI160における物理資源各々を管理する複数のVIM60が含まれる。なお、異なる管理方式で管理される物理資源の単位は、必ずしもデータセンタ単位でなくてもよい。
【0022】
なお、NFVO40、VNFM50及びVIM60は、物理的なサーバ装置上でプログラムが実行されることにより実現される(但し仮想化上で実現されることを制限するものでは無く、管理系統を分離した上で、仮想化上で実現してもよい)。NFVO40、VNFM50及びVIM60は、それぞれ別々の物理的なサーバ装置で実現されていてもよいし、同じサーバ装置で実現されていてもよい。NFVO40、VNFM50及びVIM60(を実現するためのプログラム)は、別々のベンダから提供されていてもよい。
【0023】
NFVO40は、スライス生成要求を受信すると、VIM60に対してスライス(スライスSL1、SL2等)のためのリソース確保要求を行う。VIM60が、物理資源を構成するサーバ装置やスイッチにおけるリソースを確保すると、NFVO40は、当該これら物理資源に対してスライスを定義する。
【0024】
また、NFVO40は、VIM60に、物理資源においてリソース確保させると、当該物理資源に対してスライスを定義した情報をNFVO40が記憶しているテーブルに記憶する。そして、NFVO40は、当該サービスに必要となる機能を実現するためのソフトウェアのインストール要求をVNFM50に対して行う。VNFM50は、当該インストール要求に応じて、VIM60によって確保された物理資源(サーバ装置、スイッチ装置またはルータ装置などのノード)に対して上記ソフトウェアをインストールする。
【0025】
NFVO40は、VNFM50によりソフトウェアがインストールされると、NFVO40が記憶しているテーブルへスライスとサービスとの対応付けをする。スライスSL1〜スライスSL3は、サービスを割り当てる単位となるスライスである。
【0026】
上述の物理資源であるNFVI160は、仮想化環境を構成する物理資源(ノード群)から形成されたネットワークを示す。この物理資源は、概念的には計算資源、記憶資源、伝送資源を含む。具体的には、この物理資源は、システムにおいて通信処理を行う物理的なサーバ装置である物理サーバ、スイッチ等のノードを含んで構成されている。物理サーバは、CPU(コア、プロセッサ)、メモリ、及びハードディスク等の記憶手段を備えて構成される。通常、NFVI160を構成する物理サーバ等のノードは、複数まとめてデータセンタ(DC)等の拠点に配置される。データセンタでは、配置された物理サーバがデータセンタ内部のネットワークによって接続されており、互いに情報の送受信を行うことができるようになっている。また、システムには、複数のデータセンタが設けられている。データセンタ間はネットワークで接続されており、異なるデータセンタに設けられた物理サーバはそのネットワークを介して互いに情報の送受信を行うことができる。また、システムには物理的に独立した複数のNFVI160が設けられていてもよい。
【0027】
上述のように、VNFM50が、物理資源(ノード)となるNFVI160に対して、各種機能を追加することにより、NFVI160は、UDM70、DNSサーバ80、AUSF90、AMF100、SMF120、及びUPF130の機能を実現する。なお、NFVI160には、複数のSMF120および複数のUPF130が設けられている。
【0028】
UDM70は、UE140等の通信端末の契約情報、認証情報、通信サービス情報、端末タイプ情報及び在圏情報を含む加入者情報をデータベースで管理する機能である。ここで、通信サービス情報とは、各UE140が利用する通信サービスのタイプを定義した情報である。通信サービス情報には、UE140を識別する情報(例えば、IMSI(International Mobile Subscriber Identity))と、当該UE140が利用する通信サービスの要件を示すサービスパラメータとが含まれる。
【0029】
DNSサーバ80は、ネットワーク上でドメイン名やホスト名とIPアドレスの対応関係を管理する機能である。さらにDNSサーバ80は、スライスを識別する情報(例えば、スライスID)とSMF120のアドレスとを対応付けた情報を記憶している。DNSサーバ80は、AMF100からアドレスの送信要求を受け付けると、要求に応じたSMF120のアドレスをAMF100へ送信する。
【0030】
AUSF90及びAMF100は、LTE(Long Term Evolution)ネットワークに在圏するユーザ端末(UE140)と通信接続する通信装置である。AUSF90は、UE140の認証管理を行う機能である。AMF100は、UE140の位置管理、及びUPF130とUE140との間のユーザデータの通信経路の設定処理を行う機能である。
【0031】
また、AMF100は、UE140からサービスパラメータを含むスライスへの接続要求(Registration Request)を受信した際に、そのサービスバラメータによって識別されるサービスに割り当てられたスライス上においてUE140とUPF130との間の通信セッションであるベアラを確立する(詳細は後述する)。
【0032】
RAN110は、AMF100に接続された無線基地局であるとともに、無線アクセス制御機能を有した装置である。
【0033】
SMF120は、UE140とUPF130との間に設定されているベアラの管理を行うセッション管理機能である。UPF130は、LTEを収容する在圏パケット交換機の機能で、RAN110との間で通信サービス提供に利用されるユーザデータの送受信を行う。このUPF130は、複数の通信サービスの要件に対応して複数設けられている。また、SMF120も複数設けられ、それぞれのSMF120がその制御下にある複数のUPF130におけるベアラの接続を制御および管理する。また、UPF130は、PDN(Packet data network)との接合点であり、RAN110とPDNとの間でユーザデータの転送などを行うゲートウェイである。
【0034】
UE140は、ユーザにより用いられ、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)等の通信機能を有する装置として実現される。UE140は、特定のサービスを利用する際に、そのサービスに割り当てられたスライスに接続するための接続要求(Registration Request)をRAN110に送信する。この接続要求にはUE140が利用するサービスを識別するサービスタイプ等のサービス特定情報が含まれていてもよい。また、UE140には、利用するサービスごとのサービスタイプ等のサービス特定情報が予め記憶されており、このサービス特定情報を参照することにより利用するサービスに割り当てられた所望のスライスに接続可能とされている。
【0035】
なお、
図2に示すように、物理資源であるNFVI160は、物理的に独立した複数のネットワークを含むことができ、例えば、AMF100、SMF120A,120B及びUPF130A,130Bを有するNFVI160Aと、AMF100x、SMF120x及びUPF130xを有するNFVI160xとが組み合わされていてもよい。例えば、NFVI160Aは、複数のユーザによって共有されるスライス(shared slices)を提供するネットワークであり、NFVI160xは、特定のユーザ専用のスライス(isolated slices)を提供するネットワークである。このような2つのネットワークNFVI160A,160xに含まれる2つのAMF100,100xは、共通のRAN110に接続可能とされ、AMF100は、NFVI160A内で割り当てられたスライスSL1,SL2におけるベアラの設定処理を行い、AMF100xは、NFVI160x内で割り当てられたスライスSLxにおけるベアラの設定処理を行う。ここで、RAN110は、UE140からの接続要求に応じてUE140の利用するサービスに適切なAMF100,100xを選択して、選択したAMFに接続要求を転送する機能を有する。
【0036】
以下、AMF100の構成について詳細に説明する。なお、AMF100は、以下で説明する機能以外にも、後述の
図6及び
図8のシーケンス図を用いて説明する機能も有するものとする。
【0037】
図3には、AMF100のハードウェア構成を示し、
図4には、AMF100の機能構成を示す。
図4に示すように、AMF100は、機能的な構成要素として、接続・モビリティ管理機能部11、要求受付部12、選択情報取得部13、及び選択情報送信部14を含んで構成されている。
【0038】
図4に示すブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0039】
例えば、本発明の一実施の形態におけるAMF100は、本実施形態のAMF100の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図3には、本実施形態に係るAMF100のハードウェア構成の一例を示している。AMF100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0040】
なお、本明細書における説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。AMF100のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0041】
AMF100における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0042】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、接続・モビリティ管理機能部11、要求受付部12、選択情報取得部13、及び選択情報送信部14などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0043】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、接続・モビリティ管理機能部11は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0044】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る移動体通信の各種処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0045】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0046】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、接続・モビリティ管理機能部11、要求受付部12、選択情報取得部13、及び選択情報送信部14などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0047】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイスであり、出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイスである。入力装置1005及び出力装置1006は、両者が一体となったタッチパネルディスプレイで実現されてもよい。
【0048】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0049】
また、AMF100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0050】
次に、AMF100の各機能部の機能について述べる。
【0051】
接続・モビリティ管理機能部11は、移動通信システムに在圏するUE140の位置管理、及びUPF130とUE140との間の制御データ又はユーザデータの通信経路(ベアラ)の設定処理を行う部分である。詳細には、接続・モビリティ管理機能部11は、要求受付部12によってUE140から受け付けられた接続要求に応じて、UE140が利用するサービスに割り当てられたスライス上においてUPF130とUE140との間のベアラを設定する。このとき、ベアラが設定されるスライスは、接続要求に含まれるサービスタイプによって指定されうる。
【0052】
要求受付部12は、UE140から、RAN110を経由して、UE140が利用するサービスに割り当てられたスライスに接続を要求する接続要求を受信(受付)する。このとき、要求受付部12は、接続要求に、US140が利用するサービスを特定するサービスタイプ(例えば、NSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)等の識別情報)を含んで受信する場合がある。接続要求に含まれるNSSAIとしては、共有スライス(shared slices)によって提供されるサービスを識別するS−NSSAI(Single NSSAI)、又は、専用スライス(isolated slices)によって提供されるサービスを識別するISO−S−NSSAI(Isolated Single NSSAI)等が挙げられる。
【0053】
選択情報取得部13は、要求受付部12によって接続要求が受け付けられた際に、接続・モビリティ管理機能部11においてUE140のスライスへの接続が制御されるとともに、接続要求に応じてAMF100の属するNFVI160Aとは別のNFVI160x内のスライスに関する選択情報を取得する。すなわち、選択情報取得部13は、AMF100とは異なる他のAMF100xの接続制御の対象のスライスSLxに関する選択情報を、通信サービス情報を管理するUDM70から取得する。
【0054】
図5には、NFVI160A内のUDM70において管理されている通信サービス情報のデータ構成の一例を示している。
図5に示すように、通信サービス情報においては、UE140を識別する識別情報(IMSI)毎に、NFVI160A内に設定された共有スライスを利用するサービスを特定する情報(S−NSSAI)と、外部のNFVI160x内に設定された専用スライスを利用するサービスを特定する情報(ISO−S−NSSAI)とが対応付けられている。S−NSSAIによって特定されるサービスと、このS−NSSAIに対応付けされたISO−S−NSSAIによって特定されるサービスとは、同一のサービスであることを意味している。このような構成の通信サービス情報を参照することにより、選択情報取得部13は、接続・モビリティ管理機能部11によって接続が制御されたNFVI160A内のスライスと同一のサービスに割り当てられたNFVI160x内のスライスに関する特定情報(ISO−S−NSSAI)を、スライスを選択する際に用いる選択情報として取得する。例えば、
図5の例によれば、IMSI“XXXX”で識別されるUE140の接続先のスライスに対応するサービスがS−NSSAI“MBB”で識別されるサービスである場合は、このS−NSSAI“MBB”に対応付けされたISO−S−NSSAI“ISO−MBB”が選択情報として取得される。
【0055】
選択情報送信部14は、要求受付部12によって接続要求が受け付けられた際に接続・モビリティ管理機能部11においてベアラの設定が完了した後に、UE140に向けて接続受理(Registration Accept)を送信する。その際、選択情報送信部14は、接続受理に選択情報取得部13によって取得された選択情報を含めてUE140に送信する。
【0056】
次に、上述した移動通信システムのベアラの設定処理の手順について説明するとともに、本実施形態にかかる情報通知方法について詳述する。
図6は、移動通信システムによる共有スライス上のベアラの設定処理の手順を示すシーケンス図であり、
図7は、UE140に保持される選択情報のデータ構成を示す図であり、
図8は、移動通信システムによる専用スライス上のベアラの設定処理の手順を示すシーケンス図である。
【0057】
まず、
図6を参照して、共有スライス上のベアラの設定処理について説明する。最初に、ユーザによる操作、UE140の通信圏内への移動等を契機に、UE140からRAN110に対して接続要求(Registration Request)が送信される(ステップS01)。この接続要求にはUE140が利用するサービスに関するサービスタイプ(例えば、NSSAI)が含まれていてもよい。これに対して、RAN110において、UE140が利用するサービスに応じて適切なAMFが選択されて(ステップS02)、選択されたAMF100に向けて接続要求が転送される(ステップS03)。
【0058】
次に、AMF100の接続・モビリティ管理機能部11によって、接続要求に応じてUE140〜UDM70間のユーザ認証処理(Authentication and Authorization)が実行される(ステップS04)。その後、AMF100の選択情報取得部13によって、UE140の接続先の共有スライスに対応付けされた専用スライスに関するサービスタイプ(ISO−S−NSSAI)のリスト(NSSAI list)がUDM70に要求される(ステップS05)。これに応じて、選択情報取得部13によってUDM70から選択情報としてのリストが取得される(ステップS06)。
【0059】
次に、AMF100の接続・モビリティ管理機能部11から、UE140の接続先のスライスが割り当てられたSMF120A及びUPF130Aに対して、ベアラの確立依頼(PDU session establishment Request)が送信され、これに対して、SMF120A及びUPF130Aにおいてベアラの接続処理が行われた後にAMF100に対してベアラの確立応答(PDU session establishment Response)が返信される(ステップS07)。その後、AMF100の選択情報送信部14からUE140に対して、選択情報取得部13によって取得された選択情報を含む接続受理(Registration Accept)が返信される(ステップS08)。最後に、UE140において、取得された選択情報は、スライスに将来接続する際に利用される情報として保持される(ステップS09)。
【0060】
図7には、UE140において保持される選択情報のデータ構成の一例を示す。
図7に示すように、UE140が利用するサービスを特定するサービスID“streaming”に対応付けて、サービスに割り当てられたスライスの管理状態を示す情報であるコンテキスト“isolated”と、移動通信システム内でサービスを特定するための情報であるNSSAI“ISO-MBB”とが記憶される。なお、
図7に示す例においては、同一のサービス“streaming”に割り当てられたスライスに関する選択情報として、共有スライスに関するNSSAI“MBB”と、専用スライスに関するNSSAI“ISO-MBB”とが保持されている。このような選択情報によって、UE140においては、同一のサービスを利用する際に、端末の状況に応じて複数のスライスの中から適切なスライスが選択可能とされる。
【0061】
次に、
図8を参照して、いったん共有スライスに接続した後における専用スライス上のベアラの設定処理について説明する。
【0062】
UE140がNFVI160A内に設定された共有スライスに接続された状態で、ユーザによる操作、UE140内での状況変化の検出等を契機に、NFVI160x内に設定された専用スライスへの接続処理が開始される(ステップS101)。最初に、UE140とNFVI160A内のUPF130Aとの間のベアラの切断処理が実行される(ステップS102)。その後、UE140からRAN110に対して専用スライスに対する接続要求(Registration Request)が送信される(ステップS103)。この接続要求には専用スライスに関する選択情報(ISO−S−NSSAI)が含められる。この選択情報は、UE140の内部に保持された情報(
図7)の中から取得される。これに対して、RAN110において、選択情報を基に専用スライスへの接続を制御するAMF100xが選択されて(ステップS104)、そのAMF100xに向けて接続要求が転送される(ステップS105)。
【0063】
次に、AMF100xによって、接続要求に応じてUE140〜UDM70x間のユーザ認証処理(Authentication and Authorization)が実行される(ステップS106)。その後、AMF100xから、接続先の専用スライスが割り当てられたSMF120x及びUPF130xに対して、ベアラの確立依頼(PDU session establishment Request)が送信され、これに対して、SMF120x及びUPF130xにおいて、ベアラの接続処理が行われた後にAMF100xに対してベアラの確立応答(PDU session establishment Response)が返信される(ステップS107)。その後、AMF100xからUE140に対して、接続完了を通知する接続受理(Registration Accept)が返信される(ステップS108)。
【0064】
次に、本実施形態の移動通信システムおよび情報通知方法の作用効果について説明する。上述した移動通信システムによれば、UE140からAMF100に対してAMF100の制御下のスライスへの接続の要求が受け付けられると、そのスライスへの接続が制御されるとともに、そのAMF100と異なる他のAMF100x装置の制御下のスライスを選択するための選択情報がUE140に送信される。これにより、UE140に対して、サービスに割り当てられたスライスを選択するための情報を効率的に通知することができる。その結果、互いに独立した複数のAMFの制御下の複数のスライスによるサービスの提供を円滑化できる。
【0065】
また、上記実施形態では、AMF100の制御対象のスライスと同一のサービスに割り当てられたスライスを選択する選択情報を取得および送信する。こうすることにより、UE140に対して、同一のサービスに割り当てられたスライスを選択するための情報を効率的に通知することができる。
【0066】
さらに、上記実施形態では、選択情報としてスライスに割り当てられたサービスを識別するサービス識別情報(NSSAI)を取得および送信する。こうすることにより、所望のサービスに割り当てられたスライスを選択するための情報を効率的に通知することができる。
【0067】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0068】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC ConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0069】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0070】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0071】
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0072】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0073】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0074】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0075】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0076】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0077】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0078】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0079】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0080】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。
【0081】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0082】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0083】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0084】
「含む(include)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0085】
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
【0086】
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。