【実施例】
【0034】
実施例及び比較実験
基材Kapton(登録商標)(500HPP−ST)および無被覆FR−4基材はDuPont(登録商標)およびMoog Componentsからそれぞれ得られ、そして2.5インチ×3.5インチのサイズに切断後に受入れたまま使用された。
低損失Itera基材はInsulectro.を通してIsolaから得られた。
【0035】
実施例で使用されるポリイミド樹脂は、TFMB、6F−APおよび6−FDAを33/10/57の比で反応させることによって上に記載されたように調製された。
【0036】
Sn96.5%Ag3.0%Cu0.5%の組成を有するSAC合金をはんだぬれ試験のために使用した。アルファ611またはKester952フラックスのどちらかを使用した。はんだぬれ試験において硬化された試料は典型的に、225〜250
oCに維持されたSAC合金ポット中に3〜10秒間浸漬された。
【0037】
比較実験A
4ミクロンの平均粒度を有する銅フレークを使用してスクリーン印刷可能なPTFCu導体組成物が調製された。有機媒体を調製するため、約135,000の数平均分子量を有するSt.Jeanのポリイミド樹脂を溶剤、ブチルカルビトールアセテート、二塩基性エステル(DBE−3)およびジエチルアジペートの混合物中に溶解した。有機媒体は26wt%の樹脂、31wt%のブチルカルビトールアセテート、11wt%の二塩基性エステル(DBE−3)および31wt%のジエチルアジペートを含有し、wt%は有機媒体の全重量に基づいている。次に、銅粉末を有機媒体中に分散させた。
【0038】
ポリマー厚膜銅導体組成物の成分は、
75wt% 銅粉末
20wt% 有機媒体
2.2wt% トリエタノールアミン
1.2% ブチルカルビトールアセテート
0.4wt% 二塩基性エステル(DBE−3)
1.2wt% ジエチルアジペート
であり、wt%は組成物の全重量に基づいている。
【0039】
成分を配合し、この組成物をシンキー(Thinky)タイプのミキサー内で60秒間混合した。しかしながらペーストはすぐにゲル化し、スクリーン印刷プロセスにおいて使用されるのに適していなかった。
【0040】
また、上述の組成物中のトリエタノールアミンの代わりにジエタノールアミンを使用してポリマー厚膜銅導体ペーストを調製した。ペーストはまた、すぐにゲル化し、スクリーン印刷可能でなかった。
【0041】
比較実験B
4ミクロンの平均粒度を有する銅フレークを使用して、スクリーン印刷可能なポリマー厚膜Cu導体組成物を調製した。有機媒体を調製するため、溶媒、ブチルカルビトールアセテート、二塩基性エステル(DBE−3)およびジエチルアジペートの混合物中に日本合成化学(Nippon Gohsei、日本)製のNichigoTP249ポリエステル樹脂を溶解した。有機媒体は、26wt%の樹脂、31wt%のブチルカルビトールアセテート、11wt%の二塩基性エステル(DBE−3)および31wt%のジエチルアジペートを含有し、wt%は有機媒体の全重量に基づいている。次に、銅粉末を有機媒体中に分散させた。
【0042】
ポリマー厚膜銅導体組成物の成分は、
79.7wt% 銅粉末
19wt% 有機媒体
1.3wt% グリセロール
であり、wt%は組成物の全重量に基づいている。
【0043】
成分を配合し、この組成物をシンキー(Thinky)タイプのミキサー内で60秒間混合した。この組成物を使用して、600の四角形の蛇行パターンをKapton(登録商標)フィルム上にスクリーン印刷した。Kapton(登録商標)基材上に印刷された蛇行パターンが
図1に示される。325メッシュのステンレス鋼スクリーンを使用して、いくつかのパターンを印刷し、銅ペーストを80℃で10分間乾燥させた。試料は測定可能な抵抗を生じなかった。
【0044】
次に、乾燥された蛇行パターンを光焼結に供した。NovaCentrix(Austin,TX)によって製造されたPulseForge 3200焼結装置を使用した。装置は任意のモードで運転された。プロセス設定は以下の通りであった:パルス電圧:230V、5つのマイクロパルス:200、100、1500、1500、および1500μsecで構成し、3.3J/cm
2に等しいエネルギーを生じるパルス、オーバーラップ係数:2.2、ウェブ速度:25FPM。処理後に、測定された配線抵抗は50Ωであった。600の四角形パターンについての平均の導体厚さは、プロフィルメータを使用して測定すると11.4μmであった。したがって抵抗率を計算すると38mΩ/□/milであった。
【0045】
試料を使用して上述の方法ではんだ湿潤性および耐はんだ浸出性が試験された。例として、35Ωの抵抗を有する試料は、3秒間SACポット内に浸漬された後に格子線がほとんど完全に消えたことを示した。
【0046】
比較実験C
4ミクロンの平均粒度を有する銅フレークを使用して、スクリーン印刷可能なポリマー厚膜Cu導体組成物を調製した。有機媒体を調製するため、溶媒、ブチルカルビトールアセテート、二塩基性エステル(DBE−3)およびジエチルアジペートの混合物中に日本合成化学(Nippon Gohsei、日本)製のNichigoTP249ポリエステル樹脂を溶解した。有機媒体は40wt%の樹脂、30wt%のブチルカルビトールアセテート、および30wt%のジエチルアジペートを含有し、wt%は有機媒体の全重量に基づいている。次に、銅粉末を有機媒体中に分散させた。
【0047】
ポリマー厚膜銅導体組成物の成分は、
73.6wt% 銅粉末
24.6wt% 有機媒体
1.8wt% グリセロール
であり、wt%は組成物の全重量に基づいている。
【0048】
成分を配合し、この組成物をシンキー(Thinky)タイプのミキサー内で60秒間混合した。この組成物を使用して、600の四角形の蛇行パターンをKapton(登録商標)フィルム上にスクリーン印刷した。Kapton(登録商標)基材上に印刷された蛇行パターンが
図1に示される。325メッシュのステンレス鋼スクリーンを使用して、いくつかのパターンを印刷し、銅ペーストを80℃で10分間乾燥させた。試料は測定可能な抵抗を生じなかった。
【0049】
次に、乾燥された蛇行パターンを光焼結に供した。NovaCentrix(Austin,TX)によって製造されたPulseForge 3200焼結装置を使用した。装置は任意のモードで運転された。プロセス設定は以下の通りであった:パルス電圧:215V、5つのマイクロパルス:200、100、1500、1500、および1500μsecで構成し、2.8J/cm
2に等しいエネルギーを生じるパルス、オーバーラップ係数:2.2、ウェブ速度:25FPM。処理後に、測定された配線抵抗は47Ωであった。600の四角形パターンについての平均の導体厚さは、プロフィルメータを使用して測定すると10.4μmであった。したがって抵抗率を計算すると19.6mΩ/□/milであった。
【0050】
試料を使用して上述の方法ではんだ湿潤性および耐はんだ浸出性が試験された。例として、38.4Ωを有する試料は、3秒間SACポット内に浸漬された後に格子線がほとんど完全に消えたことを示した。
【0051】
比較実験D
4μmの平均粒度を有する銅フレーク(CI−4000F,Ames Goldsmith Corp,South Glen Falls,NY)を使用してポリマー厚膜銅導体組成物を調製した。有機媒体を調製するため、溶媒、Dowanol(登録商標)DPMジプロピレングリコールメチルエーテル(Dow Chemical Co.,Midland,MI)中に約20,000の数平均分子量を有するフェノキシ樹脂(InChem Corp製のPKHH(登録商標)樹脂)を溶解した。有機媒体は20wt%の樹脂および80wt%溶媒を含有し、wt%は有機媒体の全重量に基づいている。次に、銅粉末を有機媒体中に分散させた。
【0052】
ポリマー厚膜銅導体組成物の成分は、
73.5wt% 銅粉末
17.5wt% 有機媒体
1.7wt% グリセロール
7.3wt% Dowanol(登録商標)DPM
であり、wt%は組成物の全重量に基づいている。
【0053】
成分を配合し、この組成物をシンキー(Thinky)タイプのミキサー内で60秒間混合した。この組成物を使用して、600の四角形の蛇行パターンをKapton(登録商標)フィルム上にスクリーン印刷した。Kapton(登録商標)基材上に印刷された蛇行パターンが
図1に示される。325メッシュのステンレス鋼スクリーンを使用して、いくつかのパターンを印刷し、銅ペーストを80℃で10分間乾燥させた。試料は測定可能な抵抗を生じなかった。
【0054】
次に、乾燥された蛇行パターンを光焼結に供した。NovaCentrix(Austin,TX)によって製造されたPulseForge 3200焼結装置を使用した。装置は任意のモードで運転された。プロセス設定は以下の通りであった:パルス電圧:230V、5つのマイクロパルス:200、100、1500、1500、および1500μsecで構成し、3.3J/cm
2に等しいエネルギーを生じるパルス、オーバーラップ係数:2.2、ウェブ速度:25FPM。処理後に、測定された配線抵抗は68Ωであった。600の四角形パターンについての平均の導体厚さは、プロフィルメータを使用して測定すると9.4μmであった。したがって抵抗率を計算すると42.6mΩ/□/milであった。
【0055】
これらの試料を使用して上述の方法ではんだ湿潤性が試験された。試料は不十分な耐はんだ浸出性を示した。実施例のために、3秒間SAC合金ポット内に浸漬された試料は約25%剥離(線の破断)を示した。
【0056】
実施例1
4ミクロンの平均粒度を有する銅フレークを使用して、スクリーン印刷可能なポリマー厚膜Cu導体組成物を調製した。有機媒体を調製するため、溶媒、ブチルカルビトールアセテート、二塩基性エステル(DBE−3)およびジエチルアジペートの混合物中に約135,000の数平均分子量を有するSt.Jean製のポリイミド樹脂を溶解した。有機媒体は26wt%の樹脂、31wt%のブチルカルビトールアセテート、11wt%の二塩基性エステル(DBE−3)および31wt%のジエチルアジペートを含有し、wt%は有機媒体の全重量に基づいている。次に、銅粉末を有機媒体中に分散させた。
【0057】
ポリマー厚膜銅導体組成物の成分は、
73.5wt% 銅粉末
17.3wt% 有機媒体
1.7wt% グリセロール
3% ブチルカルビトールアセテート
1.5wt% 二塩基性エステル(DBE−3)
3wt% ジエチルアジペート
であり、wt%は組成物の全重量に基づいている。
【0058】
成分を配合し、この組成物をシンキー(Thinky)タイプのミキサー内で60秒間混合した。この組成物を使用して、600の四角形の蛇行パターンをKapton(登録商標)フィルム上にスクリーン印刷した。Kapton(登録商標)基材上に印刷された蛇行パターンが
図1に示される。325メッシュのステンレス鋼スクリーンを使用して、いくつかのパターンを印刷し、銅ペーストを80℃で10分間乾燥させた。試料は測定可能な抵抗を生じなかった。
【0059】
次に、乾燥された蛇行パターンを光焼結に供した。NovaCentrix(Austin,TX)によって製造されたPulseForge 3200焼結装置を使用した。装置は任意のモードで運転された。プロセス設定は以下の通りであった:パルス電圧:230V、5つのマイクロパルス:200、100、1500、1500、および1500μsecで構成し、3.3J/cm
2に等しいエネルギーを生じるパルス、オーバーラップ係数:2.2、ウェブ速度:25FPM。処理後に、測定された配線抵抗は32.6Ωであった。600の四角形パターンについての平均の導体厚さは、プロフィルメータを使用して測定すると9.8μmであった。したがって抵抗率を計算すると21.2mΩ/□/milであった。
【0060】
はんだ湿潤性および耐はんだ浸出性が試料を使用して上述の方法で試験された。例として、10秒間はんだポット内に浸漬された33Ωの抵抗を有する試料は10秒間SACポット内に浸漬された後にはんだぬれを示さず、30.2Ωの抵抗を示した。対照的に、3秒間はんだポット内に浸漬された試料から約40%のはんだぬれが観察されたが、しかしながら、5秒間浸漬された試料ははんだぬれを示さなかった。ボイドまたは線剥離などの欠陥は試料のいずれからも検出されなかった。
【0061】
また、組成物を使用して、厚さ0.028インチのFR−4および厚さ0.030インチのItera基材上に600の四角形蛇行パターンをスクリーン印刷した。325メッシュのステンレス鋼スクリーンを使用して、いくつかのパターンを印刷し、銅ペーストを80
oCで10分間乾燥させた。試料は測定可能な抵抗を生じなかった。
【0062】
次に、Kapton(登録商標)基材上に作製された試料を硬化するために使用されたのと同じプロフィルを使用して、乾燥された蛇行パターンを光焼結に供した。処理後に、測定された配線抵抗はFR−4上で41.5Ω、Itera上で59.6Ωであった。600の四角形パターンについての平均の導体厚さは、プロフィルメータを使用して測定するとFR−4上で11.2μmおよびItera上で11.4μmであり、それらはそれぞれ31および45mΩ/□/milの抵抗率の計算値をもたらした。
【0063】
実施例2
4ミクロンの平均粒度を有する銅フレークを使用して、スクリーン印刷可能なPTFCu導体組成物を調製した。有機媒体を調製するため、約135,000の数平均分子量を有するSt.Jeanのポリイミド樹脂を溶剤、ブチルカルビトールアセテート、二塩基性エステル(DBE−3)およびジエチルアジペートの混合物中に溶解した。有機媒体は26wt%の樹脂、31wt%のブチルカルビトールアセテート、11wt%の二塩基性エステル(DBE−3)および31wt%のジエチルアジペートを含有し、wt%は有機媒体の全重量に基づいている。次に、銅粉末を有機媒体中に分散させた。
【0064】
ポリマー厚膜銅導体組成物の成分は、
73.5wt% 銅粉末
17.3wt% 有機媒体
0.7wt% グリセロール
1wt% ジエチレングリコール
3% ブチルカルビトールアセテート
1.5wt% 二塩基性エステル(DBE−3)
3wt% ジエチルアジペート
であり、wt%は組成物の全重量に基づいている。
【0065】
成分を配合し、この組成物をシンキー(Thinky)タイプのミキサー内で60秒間混合した。この組成物を使用して、600の四角形の蛇行パターンをKapton(登録商標)フィルム上にスクリーン印刷した。Kapton(登録商標)基材上に印刷された蛇行パターンが
図1に示される。325メッシュステンレス鋼スクリーンを使用して、いくつかのパターンを印刷し、銅ペーストを80
oCで10分間乾燥させた。試料は測定可能な抵抗を生じなかった。
【0066】
次に、乾燥された蛇行パターンを光焼結に供した。NovaCentrix(Austin,TX)によって製造されたPulseForge 3200焼結装置を使用した。装置は任意のモードで運転された。プロセス設定は以下の通りであった:パルス電圧:230V、5つのマイクロパルス:200、100、1500、1500、および1500μsecで構成し、3.3J/cm2に等しいエネルギーを生じるパルス、オーバーラップ係数:2.2、ウェブ速度:25FPM。処理後に、測定された配線抵抗は33.6Ωであった。600の四角形パターンについての平均の導体厚さは、プロフィルメータを使用して測定すると9.6μmであった。したがって抵抗率を計算すると21.5mΩ/□/milであった。
【0067】
試料を使用して上述の方法ではんだ湿潤性および耐はんだ浸出性が試験された。例として、29.2Ωを有する試料は10秒間SACポット内に浸漬された後にはんだぬれを示さず、22.5Ωの抵抗を示した。対照的に3秒間または5秒間はんだポット内に浸漬された試料からそれぞれ約50%および20%のはんだぬれが観察された。はんだに浸漬した試料から剥離またはボイドなどの欠陥は観察されなかった。
【0068】
実施例3
4ミクロンの平均粒度を有する銅フレークを使用して、スクリーン印刷可能なポリマー厚膜Cu導体組成物を調製した。ポリイミド有機媒体を調製するため、溶媒、ブチルカルビトールアセテート(31wt%)、二塩基性エステル(DBE−3、11wt%)およびジエチルアジペート(31wt%)の混合物中に約135,000の数平均分子量を有するSt.Jean製のポリイミド樹脂(27wt%)を溶解した。フェノキシ有機媒体を調製するため、フェノキシ樹脂(InChemCorp製のPKHH(登録商標)樹脂、20wt%)をDowanol(登録商標)DPM(80%)に溶解したが、そこでwt%は有機媒体の全重量に基づいている。次に、銅粉末を有機媒体中に分散させた。
【0069】
ポリマー厚膜銅導体組成物の成分は、
73.5wt% 銅粉末
13.8wt% ポリイミド有機媒体
3.5wt% フェノキシ有機媒体
1.7wt% グリセロール
2.4% ブチルカルビトールアセテート
1.2wt% 二塩基性エステル(DBE−3)
2.4wt% ジエチルアジペート
1.5wt% Dowanol(登録商標)DPM
であり、wt%は組成物の全重量に基づいている。
【0070】
成分を配合し、この組成物をシンキー(Thinky)タイプのミキサー内で60秒間混合した。この組成物を使用して、600の四角形の蛇行パターンをKapton(登録商標)フィルム上にスクリーン印刷した。Kapton(登録商標)基材上に印刷された蛇行(serpertine)パターンが
図1に示される。325メッシュのステンレス鋼スクリーンを使用して、いくつかのパターンを印刷し、銅ペーストを80℃で10分間乾燥させた。試料は測定可能な抵抗を生じなかった。
【0071】
次に、乾燥された蛇行パターンを光焼結に供した。NovaCentrix(Austin,TX)によって製造されたPulseForge 3200焼結装置を使用した。装置は任意のモードで運転された。プロセス設定は以下の通りであった:パルス電圧:230V、5つのマイクロパルス:200、100、1500、1500、および1500μsecで構成し、3.3J/cm2に等しいエネルギーを生じるパルス、オーバーラップ係数:2.2、ウェブ速度:25FPM。処理後に、測定された配線抵抗は44Ωであった。600の四角形パターンについての平均の導体厚さは、プロフィルメータを使用して測定すると10μmであった。したがって抵抗率を計算すると26.3mΩ/□/milであった。
【0072】
試料を使用して上述の方法ではんだ湿潤性および耐はんだ浸出性が試験された。例として、46.9Ωを有する試料は3秒間SACポット内に浸漬された後に90%超のはんだぬれを示し、25.8Ωの抵抗を示したが欠陥は形成されず、5秒間または10秒間浸漬された試料は60〜80%のはんだぬれを示したが、剥離またはボイドなどの軽欠陥があった。
【0073】
実施例4
4ミクロンの平均粒度を有する銅フレークを使用して、スクリーン印刷可能なPTFCu導体組成物を調製した。有機媒体を調製するため、約135,000の数平均分子量を有するSt.Jeanのポリイミド樹脂を溶剤、ブチルカルビトールアセテート、二塩基性エステル(DBE−3)およびジエチルアジペートの混合物中に溶解した。有機媒体は26wt%の樹脂、31wt%のブチルカルビトールアセテート、11wt%の二塩基性エステル(DBE−3)および31wt%のジエチルアジペートを含有し、wt%は有機媒体の全重量に基づいている。次に、銅粉末を有機媒体中に分散させた。
【0074】
ポリマー厚膜銅導体組成物の成分は、
71.3wt% 銅粉末
16.4wt% 有機媒体
0.5wt% グリセロール
5.7wt% ブチルカルビトールアセテート
5.6wt% 二塩基性エステル(DBE−3)
0.5wt% オレイン酸
であり、wt%は組成物の全重量に基づいている。
【0075】
成分を配合し、この組成物をシンキー(Thinky)タイプのミキサー内で60秒間混合した。この組成物を使用して、600の四角形の蛇行パターンをKapton(登録商標)フィルム上にスクリーン印刷した。Kapton(登録商標)上に印刷された蛇行パターンは
図1に示される。325メッシュステンレス鋼スクリーンを使用して、いくつかのパターンを印刷し、銅ペーストを80
oCで10分間乾燥させた。試料は測定可能な抵抗を生じなかった。
【0076】
次に、乾燥された蛇行パターンを光焼結に供した。NovaCentrix(Austin,TX)によって製造されたPulseForge 3200焼結装置を使用した。装置は任意のモードで運転された。プロセス設定は以下の通りであった:パルス電圧:230V、5つのマイクロパルス:200、100、1500、1500、および1500μsecで構成し、3.3J/cm2に等しいエネルギーを生じるパルス、オーバーラップ係数:2.2、ウェブ速度:25FPM。処理後に、測定された配線抵抗は39.8Ωであった。600の四角形パターンについての平均の導体厚さは、プロフィルメータを使用して測定すると8.3μmであった。したがって抵抗率を計算すると22mΩ/□/milであった。
【0077】
試料を使用して上述の方法ではんだ湿潤性および耐はんだ浸出性が試験された。例として、40.2Ωを有する試料は3秒間SACポット内に浸漬された後に約40%のはんだぬれならびに26.6Ωの抵抗を示し、10秒間浸漬された38.8Ωを有する試料は、約70%のはんだぬれおよび24.5Ωの抵抗を示した。はんだに浸漬した試料から剥離またはボイドなどの欠陥は観察されなかった。
本発明は以下の実施の態様を含むものである。
[1]ポリマー厚膜銅導体組成物であって、
(a)0.2〜10μmの平均粒度および0.2〜3.0m2/gの範囲の表面積/質量比を有する粒子を有する銅粉末60〜95wt%と、それが分散された
(b)4〜35wt%の有機媒体であって、
(1)重量でその少なくとも半分がポリイミド樹脂である樹脂2〜7wt%と、それが溶解された
(2)有機溶媒と、を含む有機媒体と、
(c)塩基特性を有さないアルコールを含む還元剤0.25〜2wt%と、
(d)カルボン酸含有化合物を含む粘度安定剤0.0〜2wt%とを含み、
前記wt%がポリマー厚膜銅導体組成物の全重量に基いている、ポリマー厚膜銅導体組成物。
[2]前記還元剤が、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される、[1]に記載のポリマー厚膜銅導体組成物。
[3]前記還元剤がグリセロールである、[2]に記載のポリマー厚膜銅導体組成物。
[4]前記粘度安定剤が、オレイン酸、ステアリン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される、[1]に記載のポリマー厚膜銅導体組成物。
[5]前記粘度安定剤がオレイン酸である、[4]に記載のポリマー厚膜銅導体組成物。
[6]電気回路に電気導体を形成するための方法であって、
a)基材を提供する工程と、
b)ポリマー厚膜銅導体組成物を提供する工程であって、前記ポリマー厚膜銅導体組成物が、
(i)0.2〜10μmの平均粒度および0.2〜3.0m2/gの範囲の表面積/質量比を有する粒子を有する銅粉末60〜95wt%と、それが分散された
(ii)4〜35wt%の有機媒体であって、
(1)重量でその少なくとも半分がポリイミド樹脂である樹脂2〜7wt%と、それが溶解された
(2)有機溶媒と、を含む有機媒体と、
(iii)塩基特性を有さないアルコールを含む還元剤0.25〜2wt%と、
(iv)カルボン酸含有化合物を含む粘度安定剤0.0〜2wt%とを含み、前記wt%がポリマー厚膜銅導体組成物の全重量に基づいている、工程と、
c)前記ポリマー厚膜銅導体組成物を前記基材上に適用する工程と、
d)前記ポリマー厚膜銅導体組成物を光焼結に供して前記電気導体を形成する工程とを含む、方法。
[7]前記ポリマー厚膜導体組成物を乾燥させる工程をさらに含み、乾燥させる前記工程が工程(c)の後で工程(d)の前に行われる、[6]に記載の方法。
[8]前記還元剤が、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびそれらの混合物からなる群から選択され、前記粘度安定剤が、オレイン酸、ステアリン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される、[6]に記載の方法。
[9][1]に記載のポリマー厚膜銅導体組成物から形成される電気導体を含む電気デバイス。
[10][6」に記載の方法によって形成される電気導体を含む電気デバイス。