特許第6737894号(P6737894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6737894
(24)【登録日】2020年7月20日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】ケミカルメカニカルポリッシング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20200730BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20200730BHJP
   C09G 1/04 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   H01L21/304 622D
   C09K3/14 550Z
   C09K3/14 550D
   C09G1/04
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-545607(P2018-545607)
(86)(22)【出願日】2016年3月1日
(65)【公表番号】特表2019-512172(P2019-512172A)
(43)【公表日】2019年5月9日
(86)【国際出願番号】CN2016075070
(87)【国際公開番号】WO2017147767
(87)【国際公開日】20170908
【審査請求日】2019年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】504089426
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ シーエムピー ホウルディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ウェイ−ウェン
(72)【発明者】
【氏名】ホ,リン−チェン
(72)【発明者】
【氏名】リー,チェン−ピン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジユン−ファン
【審査官】 山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/200679(WO,A1)
【文献】 特開2006−049479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C09G 1/04
C09K 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を研磨する方法であって、
タングステン(W)及びチタン(Ti)を含む基板を提供すること;
初期成分として
水、
酸化剤、
キトサン、
正の永久表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒、
ジカルボン酸(ここで、ジカルボン酸は、プロパン二酸及び2−ヒドロキシプロパン二酸からなる群より選択される)、
鉄(III)イオン源、及び
場合によりpH調整剤
を含むケミカルメカニカルポリッシング組成物を提供すること;
研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;
ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面に動的接触を作り出すこと;並びに
ケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面又はその近くにケミカルメカニカルポリッシング組成物を供給すること
を含む方法であって、タングステン(W)の少なくとも一部及びチタン(Ti)の少なくとも一部が、基板から研磨除去され;そして提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物が、≦50Å/分のチタン除去速度を有しており、そしてタングステン(W)とチタン(Ti)との除去速度選択比が、100以上である、方法。
【請求項2】
提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物が、初期成分として
水、
0.01〜10重量%の酸化剤(ここで、酸化剤は、過酸化水素である)、
30〜110質量ppmのキトサン(ここで、キトサンは、50,000〜500,000ダルトンの重量平均分子量分布を有する)、
0.01〜10重量%のコロイダルシリカ砥粒、
100〜1,300質量ppmのジカルボン酸(ここで、ジカルボン酸は、プロパン二酸である)、
100〜1,000質量ppmの鉄(III)イオン源(ここで、鉄(III)イオン源は、硝酸第二鉄九水和物である)、及び
場合によりpH調整剤
を含み、そして
ケミカルメカニカルポリッシング組成物が、pH1〜4を有する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はケミカルメカニカルポリッシングの分野に関する。詳しくは、本発明は、タングステン及びチタンを含有する基板をケミカルメカニカルポリッシングする方法であって:基板を提供すること;初期成分として、水、酸化剤、キトサン、ジカルボン酸(ここで、ジカルボン酸は、プロパン二酸及び2−ヒドロキシプロパン二酸からなる群より選択される)、鉄イオン源、正の表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒、及び場合によりpH調整剤を含有する研磨組成物を提供すること;研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;研磨パッドと基板との界面に動的接触を作り出すこと;並びに研磨表面上の研磨パッドと基板との界面又はその近くに研磨組成物を供給することを含む方法であって、タングステン(W)の一部及びチタンの一部が、チタン(Ti)除去を上回るタングステン(W)除去の選択比で基板から研磨除去される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路及び他の電子デバイスの製造において、導電性材料、半導体材料及び誘電材料の複数の層が半導体ウェーハの表面上に堆積されるか、又はそこから除去される。導電性材料、半導体材料、及び誘電材料の薄層は、幾つかの堆積技術によって堆積させられる。現代の加工において一般的な堆積技術には、スパッタリングとしても知られている物理気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)、プラズマ化学気相成長法(PECVD)、及び電気化学めっき(ECP)が含まれる。
【0003】
材料の層が順次堆積され除去されるにつれ、ウェーハの最上面は平坦でなくなる。後続の半導体加工(例えば、メタライゼーション)はウェーハが平らな表面を有することを要求するため、ウェーハを平坦化する必要がある。平坦化は、粗い表面、凝集した材料、結晶格子損傷、スクラッチ、及び汚染された層又は材料のような、望ましくない表面トポグラフィー及び表面欠陥を除去するのに有用である。
【0004】
ケミカルメカニカルプラナリゼーション、又はケミカルメカニカルポリッシング(CMP)は、半導体ウェーハなどの基板を平坦化するために使用される一般的な技術である。従来のCMPでは、ウェーハがキャリアアセンブリに取り付けられ、CMP装置内の研磨パッドと接触して配置される。キャリアアセンブリは、ウェーハに調節可能な圧力を提供し、ウェーハを研磨パッドに押し付ける。パッドは、外部駆動力によってウェーハに対して移動(例えば、回転)させる。それと同時に、研磨組成物(「スラリー」)又は他の研磨溶液がウェーハと研磨パッドとの間に提供される。よって、パッド表面及びスラリーの化学的及び機械的作用によって、ウェーハ表面が研磨されて、平坦化される。
【0005】
ケミカルメカニカルポリッシングは、集積回路設計におけるタングステン相互接続及びコンタクトプラグの形成中にタングステンを研磨するための好ましい方法となっている。タングステンは、集積回路設計においてコンタクト/ビアプラグのために頻繁に使用されている。典型的には、コンタクト又はビアホールは、下層のコンポーネント(例えば、第1レベルのメタライゼーション又は相互接続)の領域を露出させるために、基板上の誘電層を貫通して形成される。チタン(Ti)は、しばしば、タングステンの堆積の前にコンタクト又はビアホールの側面及び底面上の接着層として適用される。続いてタングステンのオーバーバーデン(overburden)及びチタンの接着層が研磨されて、誘電体と同一平面上の表面を提供する。
【0006】
集積回路設計におけるタングステンの別の用途は、同じデバイスレベル上のフィーチャ間の導電線を形成するローカル相互接続としてである。ローカル相互接続を形成する1つのアプローチは、ダマシン処理に依存する。第1の金属は、最低の絶縁層(ILDO)に埋め込まれる。これは、最初にILDOを堆積させ、次に絶縁体中に凹型トレンチをパターニング及びエッチングすることを含む。典型的には、次にトレンチ内及び絶縁体表面上に堆積されたチタン及びタングステンからなる凹型トレンチ内に、タングステンと絶縁体との間にチタンが挟まれた層状構造が形成される。次に、ケミカルメカニカルポリッシングを用いてチタン及びタングステンを誘電体表面まで除去し、トレンチ内にタングステン線を残してローカル相互接続として機能させる。この用途のためにケミカルメカニカルポリッシングが働くには、デバイスの短絡を防ぐために、タングステン及びチタンの全ての導電性残留物を誘電体の表面から除去する必要がある。ケミカルメカニカルポリッシングに続く次のプロセス工程は、次のレベルの誘電体の堆積である。よって、低レベルの誘電層からタングステン及びチタンを除去できないと、製造されたデバイスには埋め込まれた短絡が残ってしまう。
【0007】
従来の全てのケミカルメカニカルポリッシングの手法は、望ましいタングステンのフィーチャ形成にとって理想的とは言えなかった。種々の欠陥の問題に、全てのケミカルメカニカルポリッシングのアプローチは悩まされていた。例えば、必要とされる種々の材料に対する理想的な研磨速度プロフィールは錯覚であった。
【0008】
その結果、半導体基板内のレベル内及びレベル間の両方のタングステン相互接続の形成に使用するための種々の代替手法が考案されている。例えば、米国特許第6,211,087号においてGabrielらは、2つの部分からなる手法を提供する。詳しくは、Gabrielらは、タングステン層が、基板に形成されたホール又はトレンチ内のチタン接着層の上に堆積されている基板を平坦化するプロセスを教示している。最初に、チタン接着層と比べてタングステンを選択的に除去する研磨スラリーを使用して、ケミカルメカニカルポリッシング工程を実行して、タングステンのオーバーバーデンを除去する。次に、誘電体へのエッチバックを容易にするためにチタン接着層を選択的に標的とする湿式化学エッチング液を用いて、化学エッチング工程を実行する。
【0009】
それにもかかわらず、米国特許第6,211,087号に教示されているような代替の加工手法で使用するための、半導体基板内のレベル内及びレベル間の両方のタングステン相互接続の形成に使用するための新しいケミカルメカニカルポリッシング組成物であって、チタンと比べてタングステンの選択的除去を提供するケミカルメカニカルポリッシング組成物が引き続き必要とされている。
【0010】
本発明は、基板を研磨する方法であって、タングステン(W)及びチタン(Ti)を含む基板を提供すること;初期成分として、水、酸化剤、キトサン、正の永久表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒、ジカルボン酸(ここで、ジカルボン酸は、プロパン二酸及び2−ヒドロキシプロパン二酸からなる群より選択される)、鉄(III)イオン源、及び場合によりpH調整剤を含むケミカルメカニカルポリッシング組成物を提供すること;研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面に動的接触を作り出すこと;並びにケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面又はその近くにケミカルメカニカルポリッシング組成物を供給することを含む方法であって、タングステン(W)の一部及びチタン(Ti)の一部が、基板から研磨除去され;そして提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物が、≧100のタングステン(W)とチタン(Ti)との除去速度選択比を有する方法を提供する。
【0011】
本発明は、基板を研磨する方法であって、タングステン(W)及びチタン(Ti)を含む基板を提供すること;初期成分として、水、酸化剤、キトサン、正の永久表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒、ジカルボン酸(ここで、ジカルボン酸は、プロパン二酸及び2−ヒドロキシプロパン二酸からなる群より選択される)、鉄(III)イオン源、及び場合によりpH調整剤を含むケミカルメカニカルポリッシング組成物を提供すること;研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面に動的接触を作り出すこと;並びにケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面又はその近くにケミカルメカニカルポリッシング組成物を供給することを含む方法であって、タングステン(W)の一部及びチタン(Ti)の一部が、基板から研磨除去され;提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物が、≧100のタングステン(W)とチタン(Ti)との除去速度選択比を有しており;提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物が、200mm研磨機でプラテン速度80回転/分、キャリア速度81回転/分、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量125mL/分、公称ダウンフォース21.4kPaで、≧1,000Å/分のタングステン除去速度を有しており;そしてケミカルメカニカルポリッシングパッドが、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む方法を提供する。
【0012】
本発明は、基板を研磨する方法であって、タングステン(W)及びチタン(Ti)を含む基板を提供すること;初期成分として、水、酸化剤、キトサン、正の永久表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒、ジカルボン酸(ここで、ジカルボン酸は、プロパン二酸及び2−ヒドロキシプロパン二酸からなる群より選択される)、鉄(III)イオン源、及び場合によりpH調整剤を含むケミカルメカニカルポリッシング組成物を提供すること;研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面に動的接触を作り出すこと;並びにケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面又はその近くにケミカルメカニカルポリッシング組成物を供給することを含む方法であって、タングステン(W)の一部及びチタン(Ti)の一部が、基板から研磨除去され;提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物が、≧100のタングステン(W)とチタン(Ti)との除去速度選択比を有しており;提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物が、200mm研磨機でプラテン速度80回転/分、キャリア速度81回転/分、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量125mL/分、公称ダウンフォース21.4kPaで、≧1,000Å/分のタングステン除去速度を有しており;ケミカルメカニカルポリッシングパッドが、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含み;そして提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物が、≦50Å/分のチタン除去速度を有しており、かつタングステン(W)とチタン(Ti)との除去速度選択比が≧100である方法を提供する。
【0013】
本発明は、基板を研磨する方法であって、タングステン(W)及びチタン(Ti)を含む基板を提供すること;初期成分として、水、0.01〜10重量%の酸化剤(ここで、酸化剤は、過酸化水素である)、30〜110質量ppmのキトサン(ここで、キトサンは、50,000〜500,000ダルトンの重量平均分子量分布を有する)、0.01〜10重量%の正の永久表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒、100〜1,300質量ppmのジカルボン酸(ここで、ジカルボン酸は、プロパン二酸である)、100〜1,000質量ppmの鉄(III)イオン源(ここで、鉄(III)イオン源は、硝酸第二鉄九水和物である)、及び場合によりpH調整剤(ここで、ケミカルメカニカルポリッシング組成物は、pH1〜4を有する)を含むケミカルメカニカルポリッシング組成物を提供すること;研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面に動的接触を作り出すこと;並びにケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面又はその近くにケミカルメカニカルポリッシング組成物を供給することを含む方法であって、タングステン(W)の一部及びチタン(Ti)の一部が、基板から研磨除去され;そして提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物が、≧100のタングステン(W)とチタン(Ti)との除去速度選択比を有する方法を提供する。
【0014】
本発明は、基板を研磨する方法であって、タングステン(W)及びチタン(Ti)を含む基板を提供すること;初期成分として、水、1.75〜3重量%の酸化剤(ここで、酸化剤は、過酸化水素である)、50〜80質量ppmのキトサン(ここで、キトサンは、150,000〜350,000ダルトンの重量平均分子量分布を有する)、0.2〜2重量%の正の永久表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒、900〜1,100質量ppmのジカルボン酸(ここで、ジカルボン酸は、プロパン二酸である)、250〜400質量ppmの鉄(III)イオン源(ここで、鉄(III)イオン源は、硝酸第二鉄九水和物である)、及び場合によりpH調整剤(ここで、ケミカルメカニカルポリッシング組成物は、pH2〜2.5を有する)を含むケミカルメカニカルポリッシング組成物を提供すること;研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面に動的接触を作り出すこと;並びにケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面又はその近くにケミカルメカニカルポリッシング組成物を供給することを含む方法であって、タングステン(W)の一部及びチタンの一部が、基板から研磨除去され;そして提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物が、≧100のタングステン(W)とチタン(Ti)との除去速度選択比を有する方法を提供する。
【0015】
詳細な説明
本発明の基板を研磨する方法は、酸化剤、キトサン、プロパン二酸及び2−ヒドロキシプロパン二酸からなる群より選択されるジカルボン酸、並びに鉄(III)イオン源の相乗的な組合せを含有するケミカルメカニカルポリッシング組成物を利用する。驚くべきことに、上述の相乗的な組合せは、研磨中の基板表面からのチタン(Ti)の除去を著しく遅らせながら、タングステン(W)の迅速な除去を提供することが見い出された。
【0016】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法は、タングステン(W)及びチタン(Ti)を含む基板を提供すること;初期成分として、水、(好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは1〜3重量%の)酸化剤、(好ましくは30〜110質量ppm、更に好ましくは40〜100質量ppm、更になお好ましくは45〜90質量ppm、最も好ましくは50〜80質量ppmの)キトサン(好ましくはここで、キトサンは、50,000〜500,000ダルトン、更に好ましくは100,000〜400,000ダルトン、最も好ましくは150,000〜350,000ダルトンの分子量を有する)、(好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜7.5重量%、更になお好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは0.2〜2重量%の)正の永久表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒、(好ましくは100〜1,300質量ppm、更に好ましくは500〜1,250質量ppm、更になお好ましくは750〜1,200質量ppm、最も好ましくは900〜1,100質量ppmの)ジカルボン酸(ここで、ジカルボン酸は、プロパン二酸及び2−ヒドロキシプロパン二酸からなる群より選択され、好ましくはプロパン二酸である)、(好ましくは100〜1,000質量ppm、更に好ましくは150〜750質量ppm、更になお好ましくは200〜500質量ppm、最も好ましくは250〜400質量ppmの)鉄(III)イオン源(好ましくはここで、鉄(III)イオン源は、硝酸第二鉄九水和物である)、及び場合によりpH調整剤(好ましくはここで、ケミカルメカニカルポリッシング組成物は、pH1〜6、更に好ましくは1〜4、更になお好ましくは1.5〜3.5、最も好ましくは2〜2.5を有する)を含む(好ましくは、これらからなる)ケミカルメカニカルポリッシング組成物を提供すること;研磨表面を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面に動的接触を作り出すこと;並びにケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面又はその近くにケミカルメカニカルポリッシング組成物を供給することを含み;ここで、タングステン(W)の少なくとも一部及びチタン(Ti)の少なくとも一部は、基板から研磨除去され;そして提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、≧100のタングステン(W)とチタン(Ti)との除去速度選択比を有する。
【0017】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、基板は、タングステン及びチタンを含む。更に好ましくは、提供される基板は、タングステン及びチタンを含む半導体基板である。最も好ましくは、提供される基板は、誘電体(例えば、TEOS)中に形成されたホール及びトレンチの少なくとも一方内に堆積されたタングステンを含む半導体基板であって、チタンが、タングステンと誘電体との間に挟まれた半導体基板である。
【0018】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物に、初期成分として含有される水は、偶発的な不純物を制限するために脱イオン水及び蒸留水の少なくとも一方である。
【0019】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、酸化剤であって、過酸化水素(H)、一過硫酸塩、ヨウ素酸塩、過フタル酸マグネシウム、過酢酸及び他の過酸類、過硫酸塩、臭素酸塩、過臭素酸塩、過硫酸塩、過酢酸、過ヨウ素酸塩、硝酸塩、鉄塩、セリウム塩、Mn(III)、Mn(IV)及びMn(VI)塩、銀塩、銅塩、クロム塩、コバルト塩、ハロゲン類、次亜塩素酸塩及びこれらの混合物からなる群より選択される酸化剤を含有する。更に好ましくは、酸化剤は、過酸化水素、過塩素酸塩、過臭素酸塩、過ヨウ素酸塩、過硫酸塩及び過酢酸からなる群より選択される。最も好ましくは、酸化剤は過酸化水素である。
【0020】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、0.01〜10重量%(更に好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは1〜3重量%)の酸化剤を含有する。
【0021】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、鉄(III)イオン源を含有する。更に好ましくは、本発明の方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、鉄(III)イオン源であって、鉄(III)塩からなる群より選択される鉄(III)イオン源を含有する。最も好ましくは、本発明の方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、鉄(III)イオン源であって、硝酸第二鉄九水和物(Fe(NO・9HO)である鉄(III)イオン源を含有する。
【0022】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、ケミカルメカニカルポリッシング組成物に1〜200質量ppm(好ましくは5〜150質量ppm、更に好ましくは7.5〜125質量ppm、最も好ましくは10〜100質量ppm)の鉄(III)イオンを導入するのに充分な鉄(III)イオン源を含有する。
【0023】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、鉄(III)イオン源を含有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、100〜1,000質量ppm(好ましくは150〜750質量ppm、更に好ましくは200〜500質量ppm、最も好ましくは250〜400質量ppm)の鉄(III)イオン源を含有する。最も好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、100〜1,000質量ppm(好ましくは150〜750質量ppm、更に好ましくは200〜500質量ppm、最も好ましくは250〜400質量ppm)の鉄(III)イオン源であって、硝酸第二鉄九水和物(Fe(NO・9HO)である鉄(III)イオン源を含有する。
【0024】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、キトサンを含有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、50,000〜500,000ダルトン(更に好ましくは100,000〜400,000ダルトン、最も好ましくは150,000〜350,000ダルトン)の重量平均分子量を有するキトサンを含有する。
【0025】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、5〜300質量ppm(好ましくは30〜110質量ppm、更に好ましくは40〜100質量ppm、更になお好ましくは45〜90質量ppm、最も好ましくは50〜80質量ppm)のキトサンを含有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、5〜300質量ppm(好ましくは30〜110質量ppm、更に好ましくは40〜100質量ppm、更になお好ましくは45〜90質量ppm、最も好ましくは50〜80質量ppm)のキトサンであって、50,000〜500,000ダルトン(更に好ましくは100,000〜400,000ダルトン、最も好ましくは150,000〜350,000ダルトン)の重量平均分子量を有するキトサンを含有する。最も好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、50〜80質量ppmのキトサンであって、150,000〜350,000ダルトンの重量平均分子量を有するキトサンを含有する。
【0026】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、正の永久表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒を含有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、正の永久表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒を含有し、そしてここで、ケミカルメカニカルポリッシング組成物は、1〜6の(好ましくは1〜4の、更に好ましくは1.5〜3.5の、更になお好ましくは1.75〜3の、最も好ましくは2〜2.5の)pHを有する。更になお好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、正の表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒を含有し、そしてここで、ケミカルメカニカルポリッシング組成物は、>1mVのゼータ電位により示されるとき1〜6の(好ましくは1〜4の、更に好ましくは1.5〜3.5の、更になお好ましくは1.75〜3の、最も好ましくは2〜2.5の)pHを有する。
【0027】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、正の永久表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒であって、動的光散乱法により測定されるとき平均粒径≦100nm(好ましくは5〜100nm、更に好ましくは10〜60nm、最も好ましくは20〜60nm)を有するコロイダルシリカ砥粒を含有する。
【0028】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、0.01〜10重量%(好ましくは0.05〜7.5重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは0.2〜2重量%)の正の永久表面電荷を有するコロイダルシリカ砥粒を含有する。
【0029】
本明細書に利用されるとき正の永久表面電荷という用語は、シリカ粒子上の正電荷が、容易に可逆的ではないことを意味する。即ち、シリカ粒子上の正電荷は、洗浄、希釈又は濾過によって逆転されない。正の永久電荷は、例えば、コロイダルシリカ粒子にカチオン種を共有結合させる結果であり得る。正の永久電荷を有するコロイダルシリカは、容易に可逆的な正の電荷を有するコロイダルシリカとは対照的であり、後者は、カチオン種とコロイダルシリカとの静電相互作用の結果であり得る。
【0030】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、ジカルボン酸であって、プロパン二酸(別名、マロン酸)及び2−ヒドロキシプロパン二酸(別名、タルトロン酸)からなる群より選択されるジカルボン酸を含有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、ジカルボン酸であって、プロパン二酸であるジカルボン酸を含有する。
【0031】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、1〜2,600質量ppm(好ましくは100〜1,300質量ppm、更に好ましくは500〜1,250質量ppm、更になお好ましくは750〜1,200質量ppm、最も好ましくは900〜1,100質量ppm)のジカルボン酸であって、プロパン二酸及び2−ヒドロキシプロパン二酸からなる群より選択されるジカルボン酸を含有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、1〜2,600質量ppm(好ましくは100〜1,300質量ppm、更に好ましくは500〜1,250質量ppm、更になお好ましくは750〜1,200質量ppm、最も好ましくは900〜1,100質量ppm)のジカルボン酸であって、プロパン二酸であるジカルボン酸を含有する。
【0032】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、pH1〜6を有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、pH1〜4を有する。更になお好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、pH1.5〜3.5を有する。最も好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、pH2.0〜2.5を有する。
【0033】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、場合によりpH調整剤を含有する。好ましくは、pH調整剤は、無機及び有機pH調整剤からなる群より選択される。好ましくは、pH調整剤は、無機酸及び無機塩基からなる群より選択される。更に好ましくは、pH調整剤は、硝酸及び水酸化カリウムからなる群より選択される。最も好ましくは、pH調整剤は水酸化カリウムである。
【0034】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、当該分野において公知の任意の適切な研磨パッドであってよい。当業者であれば、本発明の方法に使用するための適切なケミカルメカニカルポリッシングパッドを選択できよう。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、織物及び不織の研磨パッドから選択される。更になお好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、ポリウレタン研磨層を含む。最も好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む。好ましくは、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、研磨表面上に少なくとも1つの溝を有する。
【0035】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨表面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面又はその近くに供給される。
【0036】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との界面に、研磨される基板の表面に垂直な0.69〜34.5kPaのダウンフォースで動的接触が作り出される。
【0037】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、≧500Å/分(更に好ましくは≧1,000Å/分、更になお好ましくは≧1,500Å/分、最も好ましくは≧2,000Å/分)のタングステン(W)除去速度を有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、≧1,000Å/分(更に好ましくは≧1,500Å/分、最も好ましくは≧2,000Å/分)のタングステン(W)除去速度を有する。更になお好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、タングステン(W)は、≧1,000Å/分(更に好ましくは≧1,500Å/分、最も好ましくは≧2,000Å/分)の除去速度で基板から除去される。最も好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、タングステン(W)は、≧1,000Å/分(更に好ましくは≧1,500Å/分、最も好ましくは≧2,000Å/分)の除去速度で基板から除去され;そして提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、200mm研磨機でプラテン速度80回転/分、キャリア速度81回転/分、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量125mL/分、公称ダウンフォース21.4kPaで、≧1,000Å/分(更に好ましくは≧1,500Å/分、最も好ましくは≧2,000Å/分)のタングステン(W)除去速度を有しており;そしてケミカルメカニカルポリッシングパッドは、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む。
【0038】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、≦100Å/分(更に好ましくは≦50Å/分、最も好ましくは≦25Å/分)のチタン(Ti)除去速度を有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、チタン(Ti)は、≦100Å/分(更に好ましくは≦50Å/分、最も好ましくは≦25Å/分)の除去速度で基板から除去される。最も好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、チタン(Ti)は、≦100Å/分(更に好ましくは≦50Å/分、最も好ましくは≦25Å/分)の除去速度で基板から除去され;そして提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、200mm研磨機でプラテン速度80回転/分、キャリア速度81回転/分、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量125mL/分、公称ダウンフォース21.4kPaで、≦100Å/分(更に好ましくは≦50Å/分、最も好ましくは≦25Å/分)のチタン(Ti)除去速度を有しており;そしてケミカルメカニカルポリッシングパッドは、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む。
【0039】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、≧500Å/分(更に好ましくは≧1,000Å/分、更になお好ましくは≧1,500Å/分、最も好ましくは≧2,000Å/分)のタングステン(W)除去速度及び≦100Å/分のチタン(Ti)除去速度を有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供される基板は、タングステン(W)及びチタン(Ti)であって、タングステン(W)が、≧1,500Å/分の除去速度で基板から除去され、そしてチタン(Ti)が、≦100Å/分(更に好ましくは≦50Å/分、最も好ましくは≦25Å/分)の除去速度で基板から除去される、タングステン及びチタンを含有する。最も好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供される基板は、タングステン(W)及びチタン(Ti)であって、タングステン(W)が、≧1,000Å/分(更に好ましくは≧1,500Å/分、最も好ましくは≧2,000Å/分))の除去速度で基板から除去され、そしてチタン(Ti)が、≦100Å/分(更に好ましくは≦50Å/分、最も好ましくは≦25Å/分)の除去速度で基板から除去される、タングステン及びチタンを含有しており;そして提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、200mm研磨機でプラテン速度80回転/分、キャリア速度81回転/分、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量125mL/分、公称ダウンフォース21.4kPaで、≧100(好ましくは≧150、更に好ましくは≧200、最も好ましくは≧300)のタングステン(W)対チタン(Ti)の除去速度選択比(W/Ti選択比)を有しており;そしてケミカルメカニカルポリッシングパッドは、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む。
【0040】
本発明の幾つかの実施態様は、以下の実施例において今から詳細に記載される。
【0041】
比較例C1〜C5及び実施例1〜8
ケミカルメカニカルポリッシング組成物調製
比較例C1〜C5及び実施例1〜8のケミカルメカニカルポリッシング組成物は、表1に記載の量の成分を残りの脱イオン水と合わせ、水酸化カリウム又は硝酸で組成物のpHを表1に記載の最終pHに調整することにより調製された。
【表1】
【0042】
比較例PC1〜PC5及び実施例P1〜P8
ケミカルメカニカルポリッシング除去速度実験
それぞれ比較例C1〜C5及び実施例1〜8により調製されたケミカルメカニカルポリッシング組成物を用いて、比較例PC1〜PC5及び実施例P1〜P8において除去速度研磨試験を行った。研磨除去速度実験は、Applied Materials 200mm Mirra(登録商標)研磨機に取り付けられた200mmのブランケットウェーハ上で実施された。研磨除去速度実験は、SEMATECH SVTCから入手可能な200mmタングステン(W)ブランケットウェーハ及びSEMATECH SVTCから入手可能なチタン(Ti)ブランケットウェーハ上で行われた。全ての研磨実験は、ダウンフォース21.4kPa(3.1psi)、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量125mL/分、テーブル回転速度80rpm及びキャリア回転速度81rpmで研磨時間60秒間、SP2310サブパッド(Rohm and Haas Electronic Materials CMP Inc.から市販されている)と対になったIC1010(商標)ポリウレタン研磨パッドを用いて行われた。ダイヤモンドパッドコンディショナーPDA33A-D(Kinik Companyから市販されている)を用いて研磨パッドをコンディショニングした。コンディショニングダウンフォース9lb(4.1kg)を15分間、続いてコンディショニングダウンフォース7lb(3.18kg)を更に15分間用いて、研磨パッドをコンディショナーで慣らし運転した。研磨実験の間に24秒間、ダウンフォース7lb(3.18kg)を用いて、研磨の前に研磨パッドをエクスサイツ(ex situ)で更にコンディショニングした。タングステン(W)及びチタン(Ti)の除去速度は、Jordan Valley JVX-5200T 計測ツールを用いて測定された。除去速度実験の結果は表2に提供される。
【表2】