特許第6737907号(P6737907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6737907
(24)【登録日】2020年7月20日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】テンショナ
(51)【国際特許分類】
   F16H 7/08 20060101AFI20200730BHJP
【FI】
   F16H7/08 Z
   F16H7/08 B
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-563881(P2018-563881)
(86)(22)【出願日】2018年12月4日
(65)【公表番号】特表2019-537688(P2019-537688A)
(43)【公表日】2019年12月26日
(86)【国際出願番号】US2018063869
(87)【国際公開番号】WO2019084579
(87)【国際公開日】20190502
【審査請求日】2018年12月11日
(31)【優先権主張番号】16/207,385
(32)【優先日】2018年12月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504005091
【氏名又は名称】ゲイツ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】デック,アンドルゼイ
(72)【発明者】
【氏名】セシャチャラム,ヴェンカタクリシュナン
【審査官】 小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102009057331(DE,A1)
【文献】 特開2005−273896(JP,A)
【文献】 実開平03−110243(JP,U)
【文献】 独国特許出願公開第102009012713(DE,A1)
【文献】 実開昭54−182782(JP,U)
【文献】 特表2014−515466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる円筒状部分を有するベースを備え、前記円筒状部分が径方向外面と前記径方向外面の径方向内側の受容部分とを有し、
前記径方向外面に回動自在に係合する偏心アームと、
前記径方向内側の受容部分内に配設された捻りスプリングとを備え、前記捻りスプリングが付勢力を前記偏心アームに付与し、
前記偏心アームに軸支されたプーリを備え、
前記偏心アームは第1スプリング受け部を有し、前記円筒状部分は開口と第2スプリング受け部とを有し、前記捻りスプリングの第1端部は前記開口を通過して前記第1スプリング受け部に係合し、前記捻りスプリングの第2端部は前記第2スプリング受け部に係合する
テンショナ。
【請求項2】
前記プーリがニードルベアリングに軸支される請求項1に記載のテンショナ。
【請求項3】
前記偏心アームと前記プーリと前記捻りスプリングとが同軸的に配置され、前記偏心アーム、プーリと捻りスプリングのいずれも、軸A−Aに沿って他の要素から軸方向にずれていない請求項1に記載のテンショナ。
【請求項4】
前記偏心アームがブッシュにおいて前記ベースに軸支される請求項1に記載のテンショナ。
【請求項5】
径方向外面と径方向内側の受容部分とを有するベースの円筒状部分と、
前記径方向外面に回動自在に係合する偏心アームと、
前記径方向内側の受容部分内に配置された捻りスプリングとを備え、前記捻りスプリングが付勢力を前記偏心アームに付与し、
前記偏心アームに係合し、前記偏心アームの回転に応動して回動するように配置された細長部材を備え、
前記偏心アームは第1スプリング受け部を有し、前記円筒状部分は開口と第2スプリング受け部とを有し、前記捻りスプリングの第1端部は前記開口を通過して前記第1スプリング受け部に係合し、前記捻りスプリングの第2端部は前記第2スプリング受け部に係合する
テンショナ。
【請求項6】
前記偏心アームと前記捻りスプリングが同軸的に配置され、前記偏心アームと前記捻りスプリングのいずれも、軸A−Aに沿って他の要素から軸方向にずれていない請求項5に記載のテンショナ。
【請求項7】
前記偏心アームがブッシュにおいて前記ベースに軸支される請求項5に記載のテンショナ。
【請求項8】
ーリがニードルベアリングにおいて前記偏心アームに軸支される請求項5に記載のテンショナ。
【請求項9】
軸方向に延びる円筒状部分を有するベースを備え、前記円筒状部分が径方向外面と径方向内側の受容部分とを有し、
前記径方向外面に回動自在に係合する偏心アームと、
前記偏心アームの外周面に嵌合されたベアリングと、
前記径方向内側の受容部分内に配置された捻りスプリングとを備え、前記捻りスプリングが付勢力を前記偏心アームに付与し、
前記偏心アームに軸支されたプーリを備え、
前記偏心アームは第1スプリング受け部を有し、前記円筒状部分は開口と第2スプリング受け部とを有し、前記捻りスプリングの第1端部は前記開口を通過して前記第1スプリング受け部に係合し、前記捻りスプリングの第2端部は前記第2スプリング受け部に係合し、
前記偏心アームと前記プーリと前記捻りスプリングとが同軸的に配置され、前記偏心アームとプーリと捻りスプリングのいずれかは、前記偏心アームとプーリと捻りスプリングのいずれかから、軸A−Aに沿って軸方向にずれていない
テンショナ。
【請求項10】
前記ベースがさらに流体導管を備え、流体が前記ベアリングに導かれる請求項9に記載のテンショナ。
【請求項11】
前記プーリがベアリングに軸支される請求項9に記載のテンショナ。
【請求項12】
前記ベアリングがニードルベアリングである請求項11に記載のテンショナ。
【請求項13】
軸方向に延びる円筒状部分を有するベースを備え、前記円筒状部分が径方向外面と径方向内側の受容部分とを有し、リテーナが前記ベースに係合することにより前記ベースが前記リテーナにより回転可能であり、
前記ベースの受容部分に係合する偏心ピボットを備え、前記偏心ピボットが固定部の周りに回転自在であり、
前記径方向外面に回動自在に係合する偏心アームと、
前記径方向内側の受容部分内に配設された捻りスプリングとを備え、前記捻りスプリングが付勢力を前記偏心アームに付与し、
前記偏心アームに軸支されたベアリングとを備え、
前記偏心アームは第1スプリング受け部を有し、前記円筒状部分は開口と第2スプリング受け部とを有し、前記捻りスプリングの第1端部は前記開口を通過して前記第1スプリング受け部に係合し、前記捻りスプリングの第2端部は前記第2スプリング受け部に係合する
テンショナ。
【請求項14】
ーリがベアリングに軸支される請求項13に記載のテンショナ。
【請求項15】
前記リテーナと偏心アームがそれぞれ、組立ての間、使用するための協働的整列マークを有する請求項13に記載のテンショナ。
【請求項16】
前記偏心ピボットと前記ベースがそれぞれ、取付けの間、使用するための協働的整列マークを有する請求項15に記載のテンショナ。
【請求項17】
前記偏心アームが第1の軸の周りに回動し、
前記偏心ピボットが第2の軸の周りに回動し、
前記第1の軸が前記第2の軸に対して同軸的ではなく、
前記第1の軸が前記第2の軸に平行である
請求項13に記載のテンショナ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテンショナに関し、特に、ベースの円筒状部分の径方向内側に配設された捻りスプリングを有するテンショナに関する。
【背景技術】
【0002】
カムシャフトとクランクシャフトのようなバランスシャフトのような回転部材を同期的に駆動する、2つの最も周知の方法は、タンミングチェーンとタイミングベルトである。タイミングチェーンは作動するためにエンジンオイルを必要とする。これに対して、ほとんどのタイミングベルトのアプリケーションは、オイルの存在がベルトを損傷し、意図された目的を禁じるので、ベルト駆動部にオイルが存在しないことを要求する。ベルトにおける最近の改良はもはや、ベルトがエンジンオイルの環境から遮断されることを要求しない。
【0003】
しかし、オイル内において作用するためのベルトの最近の改良は、解決すべき他の問題を生じている。ひとつの特定の問題はベルト駆動部に適切に張力を付与して、クランクシャフトとの同期を維持することである。カムシャフト、あるいは他の同期被駆動クランクシャフト要素がクランクシャフトとの同期を失うと、悲惨なエンジン損傷が起きる可能性がある。
【0004】
回転するクランクシャフトからベルトを介して動力を伝達することは、ベルトの一側部がクランクシャフトの周りに引っ張られ、これは当業者によりベルト引張り側と呼ばれる。逆に、他の側は、ベルトがクランクシャフトから離れる方向へ押されるので、ベルト緩み側と呼ばれる。重要なことは、ベルトの緩み側に張力を与えて、ベルトが極端に緩んで、クランクシャフトとクランクシャフトにより回転駆動される要素との間の同期を失うことを防止することである。この同期の損失は通常、当業者により、「歯飛び」あるいは「ラチェッティング」と呼ばれる。
【0005】
公知のテンショナは各要素の配置により、サイズが制限される。典型的には、捻りスプリングはプーリのベアリングに対して軸方向に積重ねられる。これは装置の最小高さを制限し、これは、延いてはエンジンおよびベルトシステムの設計に影響する。
【0006】
この技術の代表は米国特許第9,618,098号明細書であり、この明細書は、ベースと、ベースに連結されたシャフトと、シャフトに同軸的に係合する偏心アジャスタと、シャフトに回動自在に係合するアームと、アームに軸支されるプーリと、アームおよびベースの間に係合する捻りスプリングとを備え、アームが第1受容部分と第1受容部分の軸方向の反対側に配置された第2受容部分とを有し、アームとベースの間に配設された第1減衰部材を備え、第1減衰部材がベースに摩擦係合するとともに第1受容部分に係合し、アームと第2受容部分に係合する部材を有する偏心アジャスタとの間に配設された第2減衰部材と、第1減衰部材と第2減衰部材に垂直力を付与するために、第1減衰部材とアームの間に配設された付勢部材とを備える。
【0007】
必要なものは、ベースの円筒状部分の受容部分の径方向の内側に配設された捻りスプリングを有するテンショナである。本発明はこの必要性に合致する。
【発明の概要】
【0008】
本発明の主な特徴は、ベースの円筒状部分の受容部分の径方向の内側に配設された捻りスプリングを有するテンショナを提供することである。
【0009】
本発明の他の特徴は、本発明の次の記載と添付した図面により示され、明らかになる。
【0010】
本発明は、軸方向に延びる円筒状部分を有するベースを備え、円筒状部分が径方向外面と径方向外面の径方向内側にある受容部分とを有し、径方向外面に回動自在に係合する偏心アームと、径方向内側の受容部分内に配設された捻りスプリングとを備え、捻りスプリングが付勢力を偏心アームに付与し、偏心アームに軸支されたプーリとを備えるテンショナである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
この明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、説明とともに本発明の原理を説明するために用いられる。
図1】テンショナの分解図である。
図2】上方から見た分解図である。
図3】ベースの斜視図である。
図4】偏心アームの斜視図である。
図5】捻りスプリングの斜視図である。
図6】テンショナの断面図である。
図7】他の実施形態の分解図である。
図8】他の実施形態の平面図である。
図9】他の実施形態の断面図である。
図10】他の実施形態の側面図である。
図11図10における他の実施形態の斜視図である。
図12】他の実施形態の分解図である。
図13】他の実施形態の平面図である。
図14】他の実施形態の断面図である。
図15】他の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1はテンショナの分解図である。テンショナ100はベース10を備える。ベース0は、外面14を有し、軸方向に延びる円筒状部分12を備える。円筒状部分12はさらに、開口11と受容部分18を備える。
【0013】
偏心アーム20は円筒状部分12の周りに回動する。ブッシュ60は内面22と外面14の間に配設される。ブッシュ60は、円筒状部分12の開口11に実質的に整列したスロット61を備える。プーリ40は、ニードルベアリング50において面21に軸支される。ニードルベアリングはオイルバス環境で使用される。公知の他のベアリングも同様に適している。
【0014】
捻りスプリング30は、ベルト負荷を与えるため、偏心アーム20に係合してベルト(図示せず)に向かって付勢する。端部31はスロット61と開口11を通過して突出し、偏心アーム20の受容部分24に係合する。端部32はベース10において受容部分15に係合する。捻りスプリング30は全体的に、受容部分18内に配設される。受容部分18は円筒状部分12の中央空洞部分である。捻りスプリング30はベアリング50、プーリ40、および偏心アーム20と同一平面にある。捻りスプリング30はプーリ40、ベアリング50、ブッシュ60、および円筒状部分12の径方向内側に配設される。すなわち、捻りスプリング30、ベアリング50、プーリ40、および偏心アーム20は全て同軸的に配置され、これらの要素のいずれも、軸A−Aに沿って、他の要素から軸方向にずれていない。
【0015】
保持リング6はベース10の周方向スロット16に係合する。保持リング5は偏心アーム20の周方向スロット23に係合する。保持リング5は偏心アーム20においてベアリング50を保持する。保持リング6はベース10において偏心アーム20を保持する。オイルが存在するとき、保持リング5、6はそれぞれ軸方向力を伝達するスラストワッシャとして作用することが可能である。
【0016】
プーリ40はベアリング50に圧入される。固定具4はベース10において、捻りスプリング30および穴17を通って突出し、テンショナ100をエンジン(図示せず)等の取付け面に固定する。
【0017】
ブッシュ60は約0.05から約0.20の範囲の動摩擦係数(COF)を有する。静摩擦係数は、好ましくは動摩擦係数COFよりも小さい。
【0018】
図2は上方から見た分解図である。偏心アーム20は軸A−Aの周りに回動し、この軸は円筒状部分12と同軸的であり、固定具4を貫通して延びる。偏心アーム20は軸A−Aの周りに回動する。プーリ40は偏心アーム20の幾何学中心であるBの周りに回転する。Bは軸A−Aから偏心し、偏心アーム20の偏心的揺動運動を許容し、これにより、テンショナ100がベルト(図示せず)に可変負荷を付与することを許容する。
【0019】
図3はベースの斜視図である。端部の受容部分15はベース10の受容部分18一端に配設される。端部32は受容部分15に係合し、これにより端部32を固定し、捻りスプリングの反作用点として作用する。
【0020】
図4は偏心アームの斜視図である。Bはプーリ20の幾何学的中心であり、プーリ40がその周りに回転する点である。偏心アーム20は軸A−AにおいてAの周りに回動する。受容部分24はスプリング30の端部31に係合する。
【0021】
図5は捻りスプリングの斜視図である。端部31は偏心アーム20の受容部分24内に突出する。端部32は受容部分15に係合する。
【0022】
図6はテンショナの断面図である。捻りスプリング30、ブッシュ60、円筒状部分12、偏心アーム20、ベアリング50、およびプーリ40は全て同心的に配置され、これらの要素のいずれも、軸A−Aに沿って、他の要素から軸方向にずれていない。この完全な同軸的かつ入れ子状の配置はテンショナの高さを最小化し、非常に狭い空間においてテンショナが使用されることを可能にする。
【0023】
図7は他の実施形態の分解図である。各要素は、ベアリング51がすべり軸受けであり、ブッシュ60が省略されていることを除いて、ここに説明されたものと同じである。この他の実施形態は、オイルの中で動作するように構成され、および/またはオイルがはねかかる潤滑において使用される。偏心アーム20は軸A−Aの周りに回動する。プーリ40は軸B−Bの周りに回転する。図4参照。軸A−Aは軸B−Bから離れて配置され、したがって軸A−Aに対して同軸的ではなく、これにより偏心アーム20の偏心した揺動運動が可能になる。
【0024】
図8は他の実施形態の平面図である。
【0025】
図9は他の実施形態の断面図である。捻りスプリング30、偏心アーム20、およびベアリング51は同軸的に配置され、これらの要素のいずれも、軸A−Aに沿って、他の要素から軸方向にずれていない。ベース10内の流体導管71は、オイル等の流体がエンジンオイルシステム(図示せず)からベアリング51へ流体導管73を介して流れる経路であり、これによりベアリングを潤滑する。Oリング72はエンジンオイルシステムへの接続部をシールする手段である。
【0026】
図10は他の実施形態の側面図である。偏心アーム20とプーリ40に代えて、この実施形態はカム45を備える。カム45は偏心アーム20と同じ原理で作用し、本装置において同じ位置を占める。プーリ40はない。カム45は細長部材80に係合する。細長部材80は従来公知の適当な低摩擦材料であってもよい。細長部材80はまた、スライドガイドと呼ばれてもよい。チェーンCはスライドガイド80の表面に摺動自在に係合する。ピボット81はスライドガイドの一端に配設される。スライドガイド80はカム45の回転に応動してピボット81の周りに回動する。表面46の偏心形状により、カム45の回転はスライドガイド80をピボット81の周りに回動させ、これによりチェーンCにおける負荷を維持する。この実施形態は、一例として、内燃機関のタイミングシステムにおいて有用である。
【0027】
図11図10における他の実施形態の斜視図である。カム45の表面46はスライドガイド80に係合する。
【0028】
図12は他の実施形態の分解図である。この実施形態におけるテンショナ1000は、捻りスプリング1030、リテーナ1200、偏心アーム1020、ベアリング1051、プーリ1040、ブッシュ1210、ベース1010、および偏心ピボット1220を備える。プーリ1040は、ベルト受け面(ベルトは不図示)と称されてもよいベアリング1051のアウタレースを備える。
【0029】
プーリ1040は、ベアリング1051において偏心アーム1020の周りに回転する。ベアリング1051はシールされており、乾いた環境におけるテンショナの作用を許容する。ベアリング1051はまた、使用目的に応じて、シールされなくてもよい。偏心アーム1020はブッシュ1210に対して回動する。ベース1010の円筒状部分1015は軸方向に延びる。捻りスプリング1030はベース1010の受容部分1012内に収容される。
【0030】
リテーナ1200はベース1010の端部に係合し、固定される。平坦部1201はノッチ1011に係合し、これらを回転方向にロックする。スプリング1030の端部1031は偏心アーム1020のノッチ1021に係合する。
【0031】
偏心ピボット1220はベース1010の受容部分1012に係合するシャフト1222を有し、これによりピボット1220は、組立て作業においてベース1010内に回転自在に配置され得る。いったん配置されると、ピボット1220はベース1010内に圧入される。ピボット1220の整列マーク1223は、ピボット1220とベース1010の組立て作業の間、ベース1010の整列マーク1013に対して位置合わせされる。この部分組立品は、異なる力を要求する異なるアプリケーションに、同じテンショナ要素が使用されることを可能にする。
【0032】
図13は他の実施形態の平面図である。リテーナ1200の穴1202は工具(図示せず)、例えばTorx(登録商標)のビットを受容する。工具はリテーナ1200を回し、これにより、ノッチ1011が係合しているベース1010を回転させるために使用される。テンショナのシステムへの取付けの間、ベース1010の回転は偏心アーム1020をベルト(図示せず)へ押圧させ、ベルト負荷を付与する。ベルト負荷は、端部1031においてベース1010に係合するスプリング1030によって発生する。テンショナの取付けの間も、ピボット1220は固定具1270の周りに回転し、ベース1010を、取付け面(図示せず)上の所定位置に定める。一例として、取付け面はエンジンブロックでもよい。
【0033】
リテーナ1200の回転による取付けの間、指示マーク1203は偏心アーム1020のマーク1022に整列される。スプリング1030の端部1032はピボット1220の受容部分1224に係合する。ピボット1220の回転はスプリング1030に負荷を与える効果を有し、また適当なハブ負荷角αを確立する。
【0034】
図14は他の実施形態の断面図である。偏心ピボット1220とベース1010を有する部分組立品は、穴1221に整列した軸C−Cの周りに回動する。偏心アーム1020は軸D−Dの周りに回動する。軸A−Aと軸D−Dは同一線上にはないが、平行である。穴1221は固定具1270を受容する。図15参照。偏心アーム1020はベース1010の肩部1014とリテーナ1200の間に保持される。
【0035】
図15は他の実施形態の斜視図である。ピボット1220とリテーナ1200の回転は、テンショナの取付けの間、付加的な適応性を与える。これは、与えられたベルトシステム用の偏心アームの適切な位置と適切な予負荷をセットするための調節機能を含む。
【0036】
本発明の形態が説明されたが、当業者がここに記載された発明の精神と範囲から逸脱することなく、構成と部分の関係と方法において変形を施すことは自明である。特段の断りがない限り、図面に示された要素は大きさを示さない。さらに、「〜のための手段」または「〜のためのステップ」という語句が特定の請求項において明確に使用されない限り、添付された請求項または請求項の要素のいずれも米国特許法112条(f)を発動させることを意図しない。本件の開示は、図面に示され、またここに記載された、例示の実施形態または数値の大きさに、全く限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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