(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変換機構は、前記ペダル部材にリンク機構を介して結合され、かつ前記ヒンジ軸線に平行に延在するガイド部材に沿って摺動可能に支持されたスライダーを有し、前記ピン部材は前記スライダーに設けられたことを特徴とする請求項5に記載のフットレスト装置。
前記フットレスト部材を前記運転者の足によって直接に傾動させるために、前記運転者の足により操作可能な操作部が、前記フットレスト部材に設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のフットレスト装置。
前記フットレスト部材が前記展開位置にあるときに、前記第2カバープレートが前記ベース部材の表面に隣接しかつ平行に配置されるように、前記ベース部材の表面に前記第2カバープレートを受容する凹部が設けられていることを特徴とする請求項9に記載のフットレスト装置。
前記第2カバープレートは、前記カバーヒンジ軸線を有するカバーヒンジ軸部と、前記カバーヒンジ軸部に隣接し、かつ前記カバーヒンジ軸部の軸線に平行な軸線を有する被摺接軸部とを有し、
前記カバーヒンジ軸部は、前記フットレスト部材に設けられた軸受容溝に回転可能に支持され、
前記第1カバープレートが、ばねによって前記被摺接軸部に向けて付勢されていることによって、前記展開位置及び前記収納位置間で、該第1カバープレートに於ける前記第2カバープレート側の側縁部が前記被摺接軸部を摺動するように該第1カバープレートが前記被摺接軸部回りに傾動することを特徴とする請求項2及び8〜10の何れかに記載のフットレスト装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、アクセルペダルの位置は、運転席に座った運転者の最も自然な状態での右足の位置に設定されるため、特許文献1に記載のようにアクセルペダルの右方に右足用のフットレストを設けると、右足をフットレストに置いたときに運転者の姿勢が不自然となる。また、特許文献2に記載の右足用のフットレスト装置では、右足の踵の外側の側面を支持して、右足の裏面を支持しないため、アクセルペダルを誤って操作してしまう可能性があるとともに、右足を十分休めることができなかった。
【0007】
このような問題を鑑み、本発明は、自然な位置で右足を休ませることができ、かつ休ませているときにアクセルペダルを誤って操作することを防止できる右足用のフットレスト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る車両(V)の運転者用のフットレスト装置(1,61,71,81)は、アクセルペダル(3)の踏み込み側の表面の少なくとも一部を覆う展開位置、及び前記アクセルペダルの表面を覆わない収納位置間を変位可能に前記車両に支持されたフットレスト部材(5,63,74,82)を備えることを特徴とする。前記フットレスト部材(5)は、ベース部材(4)を介して前記車両に支持され、ヒンジ軸線回りに傾動可能に前記ベース部材に支持されることによって、前記展開位置及び前記収納位置間を変位し得ることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、展開位置に於けるフットレスト部材が、左右方向に於いて運転者の右足を配置するのに自然な位置に配置されたアクセルペダルと同じ位置に配置されるため、運転者は、右足を自然な位置で休ませることができる。また、展開位置では、フットレスト部材がアクセルペダルを覆っているため、誤ってアクセルペダルを踏み込むことを防止できる。
【0010】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るフットレスト装置は、上記構成に於いて、前記フットレスト部材が、前記ベース部材に対して、前記収納位置に向けて付勢するばね部材(43)を有することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、車両が揺れても、フットレスト部材が収納位置に維持され易い。
【0012】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るフットレスト装置は、上記構成に於いて、前記フットレスト部材が重力により前記展開位置に保持されるように、前記ばね部材が構成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、フットレスト部材は、その重力によって展開位置に維持される。
【0014】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るフットレスト装置は、上記構成の何れかに於いて、前記運転者の足により操作されるペダル部材(8)の変位を、前記フットレスト部材の前記収納位置から前記展開位置に向けて変位に変換するための
カム構造を含む変換機構(9)を有することを特徴とする。この構成に於いて、前記ペダル部材が前後方向にスライド可能に前記車両に支持され
る。この構成に於いて、前記フットレスト部材が、本体部(13)と、該本体部の前記ヒンジ軸線側に、前記ヒンジ軸線に対して同心的に形成された半円柱部(14a)とを有し、前記
カム構造が、前記半円柱部に設けられた螺旋状溝又は肩面をなすカム部(25a)と、前記ペダル部材に設けられた、前記カム部に摺接するピン部材(
24)とを有することが好ましい。更に好ましくは、前記変換機構は、前記ペダル部材にリンク機構(18)を介して結合され、かつ前記ヒンジ軸線に平行に延在するガイド部材(16)に沿って摺動可能に支持されたスライダー(17)を有し、前記ピン部材は前記スライダーに設けられる。
【0015】
この構成によれば、簡易な動作で、フットレストペダルを収納位置から展開位置に変位させることができる。
【0016】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るフットレスト装置は、上記構成の何れかに於いて、前記フットレスト部材を前記運転者の足によって直接に傾動させるために、前記運転者の足により操作可能な操作部(13a)が、前記フットレスト部材に設けられていることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、簡易な動作で、フットレストペダルを展開位置及び収納位置間で変位させることができる。
【0018】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るフットレスト装置は、上記構成の何れかに於いて、前記フットレスト部材の表面の少なくとも一部を覆う第1カバープレート(6)と、前記ベース部材の少なくとも一部を覆うべく、前記フットレスト部材に対して前記ヒンジ軸線に平行なカバーヒンジ軸線に対して傾動可能に結合された第2カバープレート(7)とを更に備え、前記第1カバープレートが前記フットレスト部材に支持され、前記第2カバープレートが、前記ベース部材上に左右に変位可能であり、前記フットレスト部材が前記展開位置にあるときに、前記第2カバープレートが前記第1カバープレートと略面一となるように構成されていることを特徴とする。ここで「略面一」とは、足を両プレート間を跨いで乗せたときに、足の両プレートに対する姿勢が、両プレートが同一平面を構成している場合と同じになる場合を含むことを意味し、例えば、両プレートの互いの接触部部分に線状の凹凸がある場合や、両プレート間に僅かな段差がある場合を含む。
【0019】
この構成によれば、第1カバープレートと第2カバープレートとが協働して、足を乗せることができる平面を形成するため、運転者による右足の置き場所の選択範囲が広がるとともに、美観に優れる。
【0020】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るフットレスト装置は、上記構成に於いて、前記第1カバープレート及び前記第2カバープレートは、磁石(29,33)によって着脱自在に前記フットレスト部材に取り付けられることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、第1カバープレート及び第2カバープレートを容易に着脱でき、泥等により汚れても、第1カバープレート及び第2カバープレートを取り外して、水洗い等をすることができる。
【0022】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るフットレスト装置は、上記の第1及び第2カバープレートを有する構成の何れかに於いて、前記第2カバープレートが、前記ベース部材に、前記ヒンジ軸線に平行な軸線回りに下端部にて回動可能に支持されたリフトアップアーム(35)の上端に支持され、前記フットレスト部材が前記展開位置にあるときよりも、前記フットレスト部材が前記収納位置にあるときに、前記リフトアップアームの前記上端が高くなるように前記リフトアップアームの角度位置が設定されていることを特徴とする。この構成に於いて、前記フットレスト部材が前記展開位置にあるときに、前記第2カバープレートが前記ベース部材の表面に隣接しかつ平行に配置されるように、前記ベース部材の表面に前記第2カバープレートを受容する凹部(12a)が設けられていることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、第2カバープレートの右方にベース部材の表面等の他の部材が隣接していても、展開位置から収納位置に変位するとき、第2カバープレートが上昇しながら右方に移動するため、他の部材と干渉せず、第2カバープレートが撓むことや、損傷することを防止できる。
【0024】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るフットレスト装置は、上記の第1及び第2カバープレートを有する構成の何れかに於いて、前記第2カバープレートは、前記カバーヒンジ軸線を有するカバーヒンジ軸部(30)と、前記カバーヒンジ軸部に隣接し、かつ前記カバーヒンジ軸部の軸線に平行な軸線を有する被摺接軸(31)とを有し、前記カバーヒンジ軸部は、前記フットレスト部材に設けられた軸受容溝(34)に回転可能に支持され、前記第1カバープレートが、ばねによって前記被摺接軸部に向けて付勢されていることによって、前記展開位置及び前記収納位置間で、該第1カバープレートに於ける前記第2カバープレート側の側縁部が前記被摺接軸部を摺動するように該第1カバープレートが前記被摺接軸部回りに傾動することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、展開位置及び収納位置間で、第1及び第2カバープレートが、常に隙間なく摺接し、かつフットレスト部材とベース部材間のヒンジ結合部を覆っているため、泥等がヒンジ結合部に侵入してフットレスト部材の傾動が阻害されることを防止できる。
【0026】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るフットレスト装置(61,71)は、上記の最初の構成に於いて、前記フットレスト部材(63,74)は、ベース部材(62,72)を介して前記車両に支持され、前記フットレスト部材は、前記ベース部材に対して、スライド移動可能に支持されることによって、前記展開位置及び前記収納位置間を変位し得ることを特徴とする。この構成に於いて、前記フットレスト部材を前記展開位置に向けて付勢するばね部材と、前記フットレスト部材を前記収納位置でロックするラッチ機構とを更に備えることが好ましい。また、前記フットレスト部材は、サイドレールを介して前記ベース部材にスライド移動可能に支持され、所定値以下のスライド移動方向への力では、前記フットレスト部材が前記展開位置及び/又は前記収納位置から変位しないようにするべく、前記フットレスト部材及び前記サイドレール間には係合構造が設けられていてもよい。
【0027】
これらの構成によれば、展開位置に於けるフットレスト部材が、左右方向に於いて運転者の右足を配置するのに自然な位置に配置されたアクセルペダルと同じ位置に配置されるため、運転者は、右足を自然な位置で休ませることができる。また、展開位置では、フットレスト部材がアクセルペダルを覆っているため、誤ってアクセルペダルを踏み込むことを防止できる。また、ラッチ機構又は係合構造を設けた場合には、車両が揺れても、フットレスト部材が展開位置及び/又は収納位置に維持され易い。
【0028】
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るヒンジ装置(51)は、第1部材(113)がヒンジ(52)を介してベース部材(112)に変位可能に連結したヒンジ装置であって、第1部材の表面の少なくとも一部を覆う第1カバープレート(106)と、前記ベース部材の少なくとも一部を覆うべく前記第1部材に対して前記ヒンジの軸線に平行なカバーヒンジ軸線回りに傾動可能に前記第1カバープレートに支持された第2カバープレート(107)とを備え、前記第1カバープレートが前記第1部材に支持され、前記第2カバープレートが、前記ベース部材上を左右(カバーヒンジ軸に直交し、かつ前記ベース部材の表面に概ね平行な方向)に変位可能であり、前記第1部材が展開位置にあるときに、前記第2カバープレートが前記第1カバープレートと略面一となるように構成されていることを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、ヒンジの開閉時に、第1カバープレート及び第2カバープレートが互いに協働して、常にヒンジを覆うため、指が第1部材とベース部材との間に挟まれることを防止できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、自然な位置で右足を休ませることができ、かつ休ませているときにアクセルペダルを誤って操作することを防止できるフットレスト装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】実施形態に係るフットレスト装置を備える車両の車室内の斜視図
【
図3】実施形態に係るフットレスト装置のベース部材を示す斜視図
【
図4】実施形態に係るフットレスト装置の主要部を示す斜視図(展開位置、スライドペダルを踏み込んだ状態)
【
図5】実施形態に係るフットレスト装置の主要部を示す斜視図(収納位置)
【
図6】実施形態に係るフットレスト装置の変換機構を示す斜視図
【
図7】実施形態に係るフットレスト装置のフットレスト部材を示す斜視図
【
図8】実施形態に係るフットレスト装置の第1カバープレートを示す斜視図(a:表面、b:裏面)
【
図9】実施形態に係るフットレスト装置の第2カバープレートを示す斜視図(a:裏面、b:表面)
【
図10】実施形態に係るフットレスト装置の展開位置及び収納位置間の変位を示す断面図(a:展開位置、b:変位中、c:収納位置)
【
図11】実施形態に係るフットレスト装置の展開位置及び収納位置間の変位を示す拡大断面図(a:展開位置、b:変位中、c:収納位置)
【
図12】応用例の第1位置及び第2位置間の変位を示す模式的断面図(a:第1位置、b:変位中、c:第2位置)
【
図13】実施形態に係るフットレスト装置の第1変形例を示す斜視図
【
図14】実施形態に係るフットレスト装置の第2変形例を示す斜視図
【
図15】実施形態に係るフットレスト装置の第3変形例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。説明に当たって、上下、左右及び前後の方向は、車両Vの上下、左右及び前後の方向を指す。
【0033】
図1は、車両V内に於ける、実施形態に係るフットレスト装置1の位置を示す。車両のVの運転席の床の前方には、ブレーキペダル2及びアクセルペダル3が設けられ、アクセルペダル3は、ブレーキペダル2の右方に配置される。運転者が最も自然な状態で右足を踏み込める位置に、アクセルペダル3は配置される。右足用のフットレスト装置1は、ベース部材4と、展開位置及び収納位置間で変位可能にベース部材4にヒンジ結合したフットレスト部材5とを備える。
図1は、フットレスト部材5が収納位置にある状態を示しており、このとき、フットレスト装置1は、アクセルペダル3の右側に位置する。
【0034】
図2は、フットレスト部材5が展開位置にあるときのフットレスト装置1の背面図である。展開位置に於いては、運転者がアクセルペダル3を踏み込めないように、フットレスト部材5は、アクセルペダル3の踏み込み面の少なくとも一部を覆っている。フットレスト装置1は、フットレスト部材5の表面、すなわち、展開位置に於いて足を載せるべく運転者側を向いた面の一部を覆う第1カバープレート6と、フットレスト部材5の表面の他の一部及びベース部材4の運転者側を向いた面の一部を覆う第2カバープレート7と、フットレスト部材5を収納位置から展開位置に傾動させるためスライドペダル8と、スライドペダルの変位をフットレスト部材5の展開位置及び収納位置間の変位に変換する変換機構9とを備える。
【0035】
図3及び
図4に示すように、ベース部材4は、車両Vの床に固定されるベース下部10と、ベース下部10の右側に固定されたサイドベース11と、サイドベース11の上部の左側に固定されて、フットレスト部材5を支持する支持部12とを有する。
【0036】
図4及び
図5は、フットレスト装置1を、第2カバープレート7、スライドペダル8、ベース下部10、及びサイドベース11を除いた状態を示す。
図4は、フットレスト部材5が展開位置にあり、かつスライドペダル8を踏み込んだ状態を示し、
図5は、フットレスト部材5が収納位置にある状態を示す。
【0037】
フットレスト部材5は、本体部13と、本体部13のヒンジ軸線(フットレスト部材5のベース部材4に対する傾動の軸線)側に固定されたヒンジ軸部14を備える。ヒンジ軸部14は、展開位置に於いてヒンジ軸線の右方に配置される半円柱部14aを有する。半円柱部14aは、ヒンジ軸線に対して同心的に形成される。ヒンジ軸線は、前上がりに傾斜した前後方向に延在し、その傾斜角度は、展開位置における第1カバープレート6の表面の床に対する角度となり、運転者が第1カバープレート6に右足を置いたときに足首部分が楽な姿勢になるように、例えば約30°に、設定される。なお、ヒンジ軸線の方向は水平な前後方向としてもよく、左右方向としてもよい。フットレスト部材5の傾動範囲は、展開位置と収納位置との間の範囲であって、展開位置は、第1カバープレート6の表面が左右方向に平行となるように設定され、収納位置は、展開位置から右上方に向かって約90°回転した位置に設定される。フットレスト部材5は、収納位置で安定するように、収納位置及び展開位置間の変位角度は、収納位置に於いてフットレスト部材5がアクセルペダル3を覆わない範囲で変更できる。
【0038】
図6は、スライドペダル8と、スライドペダル8の前後方向の変位をフットレスト部材5の収納位置及び展開位置間の変位に変換するための変換機構9の主要部を示す斜視図である。
図4及び
図6を参照して、スライドペダル8及び変換機構9について説明する。
【0039】
スライドペダル8は、前後方向に摺動可能にベース下部10に支持され、前進位置及び後退位置間で変位可能である。スライドペダル8は、運転者の足によって前方に押し出され、後退位置から前進位置に変位する。圧縮コイルばね15が、スライドペダル8とベース下部10の前部との間に設けられているため、運転者の足が離れると、スライドペダル8は、前進位置から後退位置に変位する。なお、スライドペダル8の変位は、上下又は左右へのスライドに変更してもよく、傾動による変位に変更してもよい。
【0040】
サイドベース11(
図3参照)の左面に固定されたガイド部材であるレール16は、ヒンジ軸線に平行に延在し、かつ、左右方向において半円柱部14aに対向している。レール16は、スライダー17を摺動可能に支持しており、スライダー17は、スライドペダル8に連動して変位する。スライダー17は、スライドペダル8が前進すると、レール16の延在方向に沿った斜め前後方向を前進し、スライドペダル8が後退すると、その斜め前後方向を後退するように変位する。スライドペダル8が後退位置に位置するとき、スライダー17は通常位置に配置され、スライドペダル8が前進位置に位置するとき、スライダー17は進行位置に配置される。スライドペダル8の前後方向の変位をスライダー17の斜め前後方向の変位に変換するため、リンク機構18が設けられている。
【0041】
リンク機構18は、サイドベース11に連結され、スライドペダル8から変位するための力を受ける第1リンク19と、第1リンク19及びスライダー17に連結された第2リンク20とを有する。第1リンク19は、側面視で略L字状をなし、L字状の上側の端部19aに於いて、左右方向を向いた軸線回りに回転可能にサイドベース11に連結される。また、スライドペダル8の裏面側に立設された左右1対の側壁21には、上方が前方を向くように傾いた上下方向に延在する左右1対のガイド孔22が設けられており、第1リンク19のL字の屈曲部19bは、上側の端部19aよりも下方かつ後方に位置し、その側面から左右1対の突起23が突出している。左右1対のガイド孔22が、左右1対の突起23を摺動可能に支持する。第1リンク19のL字状の下側の端部19cは、屈曲部19bよりも前方に位置し、左右方向を向いた軸線回りに回転可能に、第2リンク20の後端側と連結している。第2リンク20の前端側は、左右方向を向いた軸線回りに回転可能に、スライダー17に連結している。
【0042】
スライドペダル8が前方又は後方へ変位すると、左右1対のガイド孔22が突起23を摺動させながら前方または後方へ押し出すことにより、第1リンク19は、上側の端部19aを中心に回動する。回動に伴う左右1対の突起23の上下方向の変位は、ガイド孔22が上下方向成分を含む長孔であることによって許容される。第1リンク19の回動は、第2リンク20によって、スライダー17の直線運動に変換される。なお、ガイド孔22は、貫通孔でも非貫通孔でもよく、その延在方向の傾きは、左右1対の突起23の上下方向への変位を許容できる範囲で変更してもよい。
【0043】
スライダー17からは、左方に向かってピン24が突出している。半円柱部14aの側面には、ピン24を摺動可能に受容するピン受容溝25が設けられている。ピン受容溝25は、右方から見てヒンジ軸線方向に沿って前方に向かうにつれて周方向の下方に向かうように湾曲した螺旋状溝25aと、螺旋状溝25aの前端から軸線方向の後方に向かって設けられた軸線方向溝25bと、軸線方向溝25bの後端と螺旋状溝25aの後端とを繋ぐようにヒンジ軸部14の周方向に沿って設けられた周方向溝25cとを有する。ピン受容溝25を、溝ではなく肩形状としてもよい。
【0044】
運転者が、スライドペダル8を後退位置から前進位置に向けて踏み込み、リンク機構18を介してスライダー17を通常位置から進行位置に変位させると、ピン24が螺旋状溝25a内を摺動することにより、ヒンジ軸部14が回転し、フットレスト部材5が収納位置から展開位置に変位する。その後、運転者が、スライドペダル8から足を離すと、圧縮コイルばね15の付勢力が、スライドペダル8を前進位置から後退位置に戻すとともにリンク機構18を介してスライダー17を進行位置から通常位置に変位させ、ピン24が、軸線方向溝25b内を前端から後端に向かって摺動する。このとき、ヒンジ軸部14は回転しないため、フットレスト部材5は、展開位置に配置された状態に維持される。この変位後の状態では、ピン24が周方向溝25cの軸線方向溝25b側に位置するため、ピン受容溝25はフットレスト部材5の展開位置から収納位置への変位を阻害しない。そのため、運転者が、直接、右足等により、フットレスト部材5を展開位置から収納位置に動かすことができる。フットレスト部材5を展開位置から収納位置に動かすために、運転者の右足でフットレスト部材5の左端側を操作し易いように、フットレスト部材5の本体部13後端側には、前端側に比べて左方に膨出した操作部13aが形成されている。
【0045】
なお、フットレスト部材5が収納位置に配置されたとき、ピン24が周方向溝25c内の螺旋状溝25a側に位置して、ピン24がフットレスト部材5の展開位置側への傾動を阻止しないため、運転者が、右足等を使って、直接、フットレスト部材5を収納位置から展開位置に倒すこともできる。また、車両Vの揺れ等によって、フットレスト部材5が収納位置から展開位置に倒れることを防止するため、収納位置に配置されたフットレスト部材5が動かないようにロック機構を設けてもよい。例えば、ピン24を左右方向に伸縮可能とし、螺旋状溝25aの後端と、その右方の周方向溝25cとの間に、螺旋状溝25aの後端が周方向溝25cよりも深くなるように段差を設けて、ピン24が螺旋状溝25aの後端から周方向溝25cに侵入できないようにするロック機構を設けてもよい。
【0046】
図7は、フットレスト部材5を示す。
図8は第1カバープレート6(a:表面(足を載せる面)、b:裏面(フットレスト部材5に支持される面))を示し、
図9は第2カバープレート7(a:裏面(ベース部材4の支持部12に当接可能な面)、b:表面(運転者側を向いた面))を示す。
図10及び
図11は、ヒンジ軸線に直交する断面に於いて、フットレスト部材5が展開位置及び収納位置間を変位するときの第1カバープレート6及び第2カバープレート7の変位の様子を示す。
【0047】
展開位置に配置されたときの方向に於いて、第1カバープレート6の前縁、後縁及び左縁は、フットレスト部材5の本体部13の前縁、後縁及び左縁と略同様の輪郭を有し、第1カバープレート6の右縁は、第2カバープレート7に接する摺接縁26となり、ヒンジ軸線と平行に延在する。第1カバープレート6の裏面には、鉄等の磁性体を含む金属プレート27が取り付けられている。フットレスト部材5の本体部13の表面には、凹部28が設けられており、凹部28内に磁石片29が配置されている。磁石片29は、本体部13に取り付けられた圧縮コイルばね(図示せず)により、展開位置に於ける右方に付勢されている。金属プレート27が磁石片29に吸着することにより、第1カバープレート6は、着脱自在に、かつ所定の範囲で展開位置に於ける左右方向に摺動可能にフットレスト部材5の表面に取り付けられ、右方に付勢される。
【0048】
第2カバープレート7は、その表面に直交する方向から見て矩形を呈する。フットレスト部材5が展開位置に配置されたときの方向において、第2カバープレート7の左縁には、それぞれ、ヒンジ軸線方向に延在する、カバーヒンジ軸部30と、カバーヒンジ軸部30の右上から膨出するように配置された被摺接軸部31と、被摺接軸部31の右方の表面に設けられた溝32とが形成されている。フットレスト部材5が展開位置に配置されたとき、第2カバープレート7は、支持部12の凹部12a(
図4参照)に受容され、カバーヒンジ軸部30、被摺接軸部31、及び被摺接軸部31を除いて、第1カバープレート6と面一となるとともに、支持部12の表面に対して、隣接し、かつ面一又は僅かな段差をもって平行に配置される。
【0049】
カバーヒンジ軸部30には、磁石33が取り付けられている。また、フットレスト部材5の本体部13の表面の右縁近傍、すなわち、ヒンジ軸部14の近傍の左上側には、カバーヒンジ軸部30を嵌合してその軸線回りに回転可能に支持する軸受容溝34が設けられており、軸受容溝34を形成する素材は、鉄等の磁性体を含む。第2カバープレート7のカバーヒンジ軸部30は磁力によって着脱自在にフットレスト部材5の軸受容溝34に取り付けられ、軸受容溝34がカバーヒンジ軸部30を回転可能に支持することによって、第2カバープレート7がフットレスト部材5に対して傾動可能となる。
【0050】
第1カバープレート6の摺接縁26は、展開位置に於いて、下側がカバーヒンジ軸部30に当接するように切り欠かれ、上側の右面が被摺接軸部31に当接するように形成されている。フットレスト部材5が支持部12に対して傾動して展開位置及び収納位置間を変位するとき、第2カバープレート7は、カバーヒンジ軸部30の軸線回りにフットレスト部材5及び第1カバープレート6に対して傾動する。このとき、第1カバープレート6は、磁石片29からのばね力によって、展開位置に於ける右方、すなわち、被摺接軸部31に向かって付勢されているため、摺接縁26が被摺接軸部31に摺接し、第1カバープレート6及び第2カバープレート7間に隙間が生じない。収納位置に於いては、摺接縁26は、溝32に受容される。
【0051】
また、
図3に示すように、フットレスト部材5が展開位置から収納位置に変位するときに、第2カバープレート7を持ち上げるためのリフトアップアーム35が設けられている。リフトアップアーム35のアーム部36は、下端側において、ヒンジ軸線に平行な軸線回りに回転可能にサイドベース11に支持されている。リフトアップアーム35の上端側には、ヒンジ軸線に平行な軸線回りに回転可能にアーム部36に支持された上端プレート37と、上端プレート37の表面に形成された円柱形状の凸部38とを有する頭部39が形成されている。上端プレート37及び/又は凸部38の素材は、鉄等の磁性体を含む。
図9に示すように、第2カバープレート7の裏面には、磁石を含み、かつ凸部38を受容するリング40が固定されており、リング40の内周面によって、凸部38の側面を係止する凹部41が形成される。凹部41は凸部38を緩く受容することが好ましい。
【0052】
リフトアップアーム35の上端プレート37は、磁力により第2カバープレート7の裏面に固定されたリング40に当接している。展開位置から収納位置に変位するとき、頭部39が上昇するように、展開位置に於けるアーム部36の上端は、サイドベース11に回転可能に支持された下端よりも左方かつ上方に位置する。展開位置から収納位置に変位するとき、第2カバープレート7のカバーヒンジ軸部30がフットレスト部材5とともに変位するため、第2カバープレート7の凹部41によって、凸部38が右方に押し出される。この力によってリフトアップアーム35が、下端を中心に回動するため、頭部39は、下端側の軸線回りに右上方に向かって円弧状の軌跡で移動する。上端プレート37が、リング40に吸着され、かつ変位に合わせてアーム部36に対して回動するため、上端プレート37と第2カバープレート7との互いの結合が維持される。このため、第2カバープレート7は、右方に移動しながら上昇する。収納位置から展開位置へ変位する場合は、凸部38が凹部41に左方に押し出されるため、第2カバープレート7及びリフトアップアーム35は、それぞれ展開位置から収納位置に向かうときとは逆向きに変位する。なお、リフトアップアーム35の配置スペースを確保するため、ヒンジ軸部14のリフトアップアーム35に面する位置に凹部42(
図7参照)を設けてもよい。
【0053】
また、リフトアップアーム35の下端の軸線に巻回されて、第2カバープレート7を右上方に付勢するねじりコイルばね43を設けてもよい。ねじりコイルばね43は、第2カバープレート7を介して、フットレスト部材5を展開位置から収納位置へ向かう方向に付勢する。ねじりコイルばね43による付勢力は、展開位置に配置されたフットレスト部材5に対しては、略右方向に作用するため、フットレスト部材5は、その重力によって展開位置に維持される。なお、フットレスト部材5がその重力によって展開位置に維持されるようにばね力を設定すれば、ねじりコイルばね43をヒンジ軸部14のヒンジ軸線を巻回する位置に設けてもよい。
【0054】
フットレスト部材5及び第1カバープレート6は、展開位置に於いて、アクセルペダル3の表面を覆うことによって、運転者にとって左右方向に於いて最も自然でかつ快適な位置に配置される。また、展開位置に於ける、フットレスト部材5及び第1カバープレート6の床に対する角度は、自由に設定することができるため、運転者が右足の足首の角度を緩めて楽な姿勢をとることができるように設定できる。
【0055】
また、フットレスト使用中に、ブレーキ操作が必要となっても、右足の位置は、左右方向に於いては、アクセル操作をしているときの位置と略同じであり、前後方向及び上下方向に於いてはアクセル操作をしているときの位置よりも僅かに後方かつ上方に位置するだけである。そのため、運転者は、アクセルペダル3を踏み込んでいる状態からブレーキペダル2を踏み込むときと略同じ動作で、フットレスト使用時に、ブレーキペダル2を踏み込むことができる。
【0056】
スライドペダル8を押し出すことによって、フットレストと使用される展開位置にフットレスト部材5を倒すことができるため、展開位置にするための動作が直感的に分かりやすく、フットレスト部材5を容易に展開位置に配置することができる。
【0057】
展開位置及び収納位置間をフットレスト部材5が変位するとき、ヒンジ軸部14を覆っている第1カバープレート6及び第2カバープレート7間に隙間が生じないため、泥等がヒンジ結合部分や、ピン受容溝25に入り込み動作不良を起こすことを防止できる。
【0058】
また、仮に、第2カバープレート7がベース部材4の表面の右端まで覆うように設定すると、収納位置において、第2カバープレート7の右端がベース部材4の右端よりも右方に配置されることになり、フットレスト装置1を設置するために必要なスペースが大きくなってしまう。そこで、第2カバープレート7は、ベース部材4の表面の右端側は覆わないように設定することが好ましく、この場合、美観上、ベース部材4の表面と第2カバープレート7の表面とを略同じ高さにすることが好ましい。従って、展開位置に於いては、第2カバープレート7の表面は、支持部12の表面と面一又は僅かな段差をもって平行に配置し、第2カバープレート7の右縁を、支持部12の表面の左縁に隣接させる。展開位置から収納位置に変位する際、第2カバープレート7は、リフトアップアーム35により、上昇しながら右方に移動するため、第2カバープレート7と支持部12の表面とが干渉せず、変位時に、第2カバープレート7及び支持部12の表面が撓んだり、傷ついたりすることを防止できる。また、展開位置から収納位置に変位する際、第2カバープレート7の全体が上昇するため、リフトアップアーム35を設けない場合に比べて、収納位置における第2カバープレート7の床に対する左右方向への傾きが小さくなる。そのため、第2カバープレート上に載った泥等が床に落ちることを抑制でき、掃除が容易となる。
【0059】
本発明の上記実施形態に於けるヒンジ軸線を覆うための構造は、ヒンジ結合された扉を有する家具や、車両のシートバック等に設けられるヒンジを有する折り畳みテーブル、ヒンジを有する折り畳みドア等に応用することができる。従来の構造では、ヒンジ結合された扉を開閉する際に、ヒンジで結合された2つの部材間に指を挟んでしまうおそれがあった。上記実施形態に於ける2枚のカバーがヒンジ軸線を覆う構造によって、この問題を解決できる。以下、この応用例について説明する。なお、上記実施形態と同様の機能を発揮する部材については、下2桁が上記実施形態と同じ符号を付することによって対応関係を示し、その共通する説明を省略する。
【0060】
図12に示すように、棚等の家具51は、第2パネル112と、第2パネル112に対してヒンジ52で結合された扉等の第1パネル113とを備える。第2パネル112は、壁等の固定部材であっても、扉等の可動部材であってもよい。第1パネル113は、第2パネルに対して、ヒンジ52が180°開いた第1位置(上記実施形態の展開位置に相当する位置)と、ヒンジ52が90°開いた第2位置(上記実施形態の収納位置に相当する位置)間を傾動する。傾動角度は適宜変更できる。
【0061】
家具51は、第1パネル113の少なくとも一部を覆う第1カバープレート106と、第1パネル114にヒンジ52の軸線に平行な軸線回りに傾動可能に支持されて、ヒンジ52及び第2パネル112の少なくとも一部を覆う第2カバープレート107とを更に備える。第1位置に於いて、第2カバープレート107の表面は、第1カバープレート106に接している縁部の近傍を除いて、第1カバープレート106の主面と面一となる。
【0062】
第1カバープレート106及び前記第2カバープレート107は、上記実施形態と同様に、磁石によって着脱自在に第1パネル113に取り付けられてもよいが、他の手段により、着脱不能に第1パネル113に取り付けられてもよい。
【0063】
第2カバープレート107は、第1カバープレート106に隣接する側の縁部に、第2カバープレート107の傾動の軸となるカバーヒンジ軸部130と、カバーヒンジ軸部130に隣接し、かつカバーヒンジ軸部130の軸線に平行な軸線を有する被摺接軸部131とを有し、カバーヒンジ軸部130は、第1パネル114に設けられた軸受容溝134に、回転可能に受容される。カバーヒンジ軸部130は、軸受容溝134に磁力によって吸着されてもよい。第1カバープレート106が、ばねによって被摺接軸部131に向けて付勢されていることによって、第1位置及び第2位置間で、第1カバープレート106の側縁部が被摺接軸部131を摺動するように第1カバープレート106が被摺接軸部131回りに傾動する。
【0064】
第1カバープレート106及び第2カバープレート107によってヒンジ52が覆われ、かつ、第1カバープレート106の摺接縁126が常に被摺接軸部131に摺接しているため、第1パネル113を傾動させたときに第1パネル113と第2パネル112との間に指が挟まれることを防止できるとともに、ごみ等が挟まって第1パネル113の傾動が阻害されることを防止できる。
【0065】
家具51は、第2パネル112にヒンジ52の軸線と平行な軸線回りに回動可能に支持されたアーム部136と、アーム部136の遊端側にヒンジ52の軸線と平行な軸線回りに回動可能に取り付けられた頭部139とを有するリフトアップアーム135を更に備える。リフトアップアーム135の頭部139及び第2カバープレート107の裏面は、上記実施形態のように係合していてもよく、また、第2カバープレートを取り外す必要がない場合は、頭部139が第2カバープレート107の裏面に固定されていてもよい。前記アーム部136の遊端は、第1位置に於いて、アーム部136の基端よりも第1パネル113側かつ第2カバープレート107側(
図12の紙面の左方かつ上方)に配置される。
【0066】
第1位置から第2位置に変位するとき、第2カバープレート107がリフトアップアーム135によって第2パネル112から離間する方向に変位するため、第2パネル112が第2カバープレート107の変位に干渉することによって生じる第2カバープレート107の撓みや損傷を防止できる。
【0067】
また、上記実施形態は、
図13〜
図15に示すように変形することもできる。
図13に示す第1変形例に係るフットレスト装置61は、アクセルペダル3の右側に配置された箱状のベース部材62と、左右方向にスライド移動可能にベース部材62に支持されたフットレスト部材63とを備える。この場合、フットレスト部材63がベース部材62に収納された収納位置では、ラッチ機構64によって、フットレスト部材63はスライド移動がロックされており、フットレスト部材63を右方に押し込み又はボタンを押すことにより、ロックが解除され、展開位置に向けて圧縮コイルばね65等の付勢手段により付勢されたフットレスト部材63が展開位置にスライド移動し、展開位置にあるフットレスト部材63を右方に押し込むことにより、フットレスト部材63は収納位置にスライド移動してロックされる。
【0068】
また、
図14に示す第2変形例に係るフットレスト装置71は、アクセルペダル3の右側に配置されたベース部材72と、ベース部材72の上面に取り付けられて左右方向に延在する前後1対のサイドレール73と、左右方向にスライド移動可能に1対のサイドレール73に支持されたフットレスト部材74とを備える。運転者は足を使ってフットレスト部材74を収納位置と展開位置との間でスライド移動させることができる。所定値以下のスライド移動方向への力では、フットレスト部材74が展開位置及び収納位置から変位しないようにするべく、フットレスト部材74とサイドレール73又はベース部材72の上面と間にはローラー又は凸部75と凹部76とによって構成される係合構造等が設けられていることが好ましい。
【0069】
また、
図15に示す第3変形例に係るフットレスト装置81は、フットレスト部材82が、車両Vの壁面にヒンジ結合している。運転者は足を使ってフットレスト部材82を収納位置と展開位置との間で傾動変位させることができる。
【0070】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。互いに磁力によって吸着される2つの部材間の関係では、磁石を含む部材に鉄等の磁性体を含ませ、鉄等の磁性体を含む部材に磁石を含ませるように変更してもよく、両方の部材に互いに吸着するように磁石を含ませてもよい。車室内の壁や床凹部を設けて、ベース部材をその凹部に収容してもよい。