特許第6738009号(P6738009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6738009案件管理サーバ、案件管理サーバの制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6738009
(24)【登録日】2020年7月21日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】案件管理サーバ、案件管理サーバの制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20200730BHJP
【FI】
   G06Q10/10 310
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-257221(P2015-257221)
(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公開番号】特開2017-120566(P2017-120566A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2018年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕之
【審査官】 田中 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−127003(JP,A)
【文献】 特開2009−205489(JP,A)
【文献】 特開2001−005880(JP,A)
【文献】 特開2004−302613(JP,A)
【文献】 特開2006−072884(JP,A)
【文献】 特開2007−233474(JP,A)
【文献】 特開2008−090667(JP,A)
【文献】 特開2011−146076(JP,A)
【文献】 特開2013−228889(JP,A)
【文献】 特開2015−143975(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/147855(WO,A1)
【文献】 特開2003−44483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
申請された案件を表示する案件表示画面の情報を生成する案件管理サーバにおいて、
前記案件表示画面は申請された案件の同一項目を表示する画面であって、該案件表示画面により申請の種類を示す名称を有する案件を一覧表示制御させる表示制御手段と、
前記案件表示画面において、基準となる案件の選択を受け付ける基準案件選択受付手段と、
前記基準案件選択受付手段によって受け付けた準案件と、他の案申請の種類を示す名称を含めた同一項目比較する比較手段と、
記比較手段により比較した結果に従って、前記同一項目において他の案件で値が異なる項目を前記案件表示画面上で識別可能に表示する識別表示手段と、
を備えることを特徴とする案件管理サーバ。
【請求項2】
前記基準案件選択受付手段によって受け付けた案件である基準案件に類似する案件を、前記基準案件ではない前記案件表示画面に表示される案件より特定する類似案件特定手段と、
前記類似案件特定手段によって特定した類似案件と前記基準案件を一度の操作でまとめて処理可能に選択する一選択手段と、
えることを特徴とする請求項1記載の案件管理サーバ。
【請求項3】
前記案件表示画面は、処理待ち案件を表示する画面であって、
前記識別表示手段により識別可能に表示される案件表示画面より、一括承認の有無を選択させる選択受付手段と、
前記一括選択手段および前記選択受付手段により選択された案件を一括承認させる承認手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の案件管理サーバ。
【請求項4】
申請された案件を表示する案件表示画面の情報を生成する案件管理サーバにおける案件管理サーバの制御方法おいて、
前記案件表示画面は申請された案件の同一項目を表示する画面であって、該案件表示画面により申請の種類を示す名称を有する案件を一覧表示制御させる表示制御ステップと、
前記案件表示画面において、基準となる案件の選択を受け付ける基準案件選択受付ステップと、
前記基準案件選択受付ステップによって受け付けた準案件と、他の案申請の種類を示す名称を含めた同一項目比較する比較ステップと、
記比較ステップにより比較した結果に従って、前記同一項目において他の案件で値が異なる項目を前記案件表示画面上で識別可能に表示する識別表示ステップと、
を備えることを特徴とする案件管理サーバの制御方法。
【請求項5】
申請された案件を表示する案件表示画面の情報を生成する案件管理サーバにおいて実行可能なプログラムであって、
前記案件管理サーバを、
前記案件表示画面は申請された案件の同一項目を表示する画面であって、該案件表示画面により申請の種類を示す名称を有する案件を一覧表示制御させる表示制御手段と、
前記案件表示画面において、基準となる案件の選択を受け付ける基準案件選択受付手段と、
前記基準案件選択受付手段によって受け付けた準案件と、他の案申請の種類を示す名称を含めた同一項目比較する比較手段と、
記比較ステップにより比較した結果に従って、前記同一項目において他の案件で値が異なる項目を前記案件表示画面上で識別可能に表示する識別表示手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、申請された案件の内容の比較表示に関する。
【背景技術】
【0002】
「申請者→課長承認→部長承認→経理事務処理→・・・」というように、処理順序が決定されたワークフローに沿って処理が行われる場合があるとする。このようなワークフローが実行される場合には、部長や経理事務処理の処理担当者は大量の案件の処理(承認、否認、差戻し等の処理)を行う必要がある。
【0003】
このような多数案件の処理を効率よく行うワークフローシステムの1つの機能として、処理担当者が案件の申請内容を案件の処理画面において確認しなくても、処理待ち案件表示画面より処理を一括して行うことができる機能を備えるワークフローシステムが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1は、人事DBに対する登録内容の変更を申請し、承認をするようなワークフロー処理を行う場合、人事システムにログインすることなく、人事データに対する変更の申請と承認処理を出来るようにする、人事システムとワークフローシステムとを連携させるワークフローシステムの構築技術について公開している。
【0005】
そのワークフローシステムにおける処理の機能として、一括承認が出来るようにしているが、この一括承認は、案件を処理画面で確認しなくても処理出来るようにする機能であるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−084929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記、先行技術において一括承認を行う場合、まとめて案件の承認処理が行えるものの、申請された案件の申請内容を画面上において個別に確認することなく、複数の申請内容を一度の操作で一括して承認が行えてしまうため、申請内容が適切かを確認せずに承認が行われてしまうことになる。
【0008】
そのため、承認者が、処理待ち案件表示画面で案件を一度の操作で一括承認する場合であっても、案件の申請内容を確認した上で一括承認出来るようにする機能を提供することが望まれる。また、各案件における申請内容を把握しやすくする必要がある。
【0009】
そこで、本発明はこのような問題点を鑑み、複数の申請の種類の案件の容を件表示画面において容易に比較可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、申請された案件を表示する案件表示画面の情報を生成する案件管理サーバにおいて、前記案件表示画面は申請された案件の同一項目を表示する画面であって、該案件表示画面により申請の種類を示す名称を有する案件を一覧表示制御させる表示制御手段と、前記案件表示画面において、基準となる案件の選択を受け付ける基準案件選択受付手段と、前記基準案件選択受付手段によって受け付けた準案件と、他の案申請の種類を示す名称を含めた同一項目比較する比較手段と、記比較手段により比較した結果に従って、前記同一項目において他の案件で値が異なる項目を前記案件表示画面上で識別可能に表示する識別表示手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の申請の種類の案件の容を件表示画面において容易に比較可となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態における、ワークフローシステムのシステム構成図の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態における、ワークフローサーバ、ワークフロークライアント端末、及びワークフロー管理端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態における、ワークフローサーバ及びワークフロークライアント端末の機能構成の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態における、処理担当者の処理待ち状態となった案件を処理待ち案件表示画面において表示する処理、の一例を示す処理図である。
図5】本発明の実施形態における、処理待ち案件表示画面における基準案件と類似する案件を選択状態にする処理、の一例を示す処理図である。
図6】本発明を適応前の処理待ち案件表示画面の一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態における、処理待ち案件表示画面の一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態における、処理待ち案件表示画面における識別表示の一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態における、処理待ち案件表示画面における基準案件とその他の案件の項目の値を比較した結果を登録するテーブルの一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態における、基準案件に類似する案件を一括承認可能にするべく処理待ち案件表示画面において選択状態にした一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施形態を示すワークフローシステムの全体構成を示すシステム構成図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態のワークフローシステムは、ワークフローサーバ101、複数のワークフロークライアント端末102、ワークフロー管理端末103、システムデータベース104、がネットワーク100を通じて接続されている。
【0015】
ワークフローシステムの申請者または処理担当者は、例えばウェブブラウザやクライアントソフトウェアなどを利用して、ワークフロークライアント端末102において案件の起案を行う、或いは、案件の承認を行うことによって、ワークフローサーバ101に対して、案件に対してワークフローの処理が次の処理担当者においてなされるようにするため、ワークフローの進行の要求などを行う。
【0016】
ワークフローサーバ101は、ワークフロークライアント端末102からのワークフローを進行させるために必要となる要求を受け付け、受け付けた処理(例えば、起案、承認などの処理)に応じて、案件がしかるべき次の処理担当者によって処理が行われるようにする。
【0017】
ワークフローサーバ101によって、次の処理担当者に処理が行われるように処理がされた案件は、次の処理担当者によってワークフロークライアント端末102において作業が可能になる。
【0018】
ワークフロー管理端末103からは、案件をしかるべき処理担当者へ処理依頼が行えるようにするための、案件の処理担当者のルールを設定したプロセス定義を登録、管理することを可能とする。ワークフロー管理端末103はまた、ワークフローシステムを運用するために必要となる、処理担当者(ユーザ)、処理担当者(ユーザ)が所属する組織の情報を登録、管理すること、処理担当者(ユーザ)に紐付く役割(ロール)の情報、を登録、管理すること、処理担当者(ユーザ)の組織への紐付けを管理すること、を可能とする。
【0019】
システムデータベース104は、ワークフローシステムを運用するために必要となる、処理担当者(ユーザ)、処理担当者(ユーザ)が所属する組織、あるいは、処理担当者(ユーザ)に紐付く役割(ロール)の情報、或いは、ワークフロークライアント端末102において案件を申請し、処理していくために必要となるアプリケーションの設計情報、を保持する。また、ワークフロークライアント端末102によって申請された案件を管理するテーブル、配送を管理するテーブルの情報も保持する。
【0020】
なお、ワークフローサーバ101、ワークフロークライアント端末102、ワークフロー管理端末103、システムデータベース104間の通信は、通常のHTTPのリクエストでもよいし、SOAP等を利用したウェブサービスのリクエストでもよいこととする。
【0021】
図2は、図1に示した、ワークフローサーバ101、ワークフロークライアント端末102、ワークフロー管理端末103のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0022】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0023】
また、ROM202あるいは外部メモリ(HD、FD)211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0024】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0025】
また、入力コントローラ205は、入力部209からの入力を制御する。この入力部209としては、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、または、タッチパネル等が挙げられる。
【0026】
出力コントローラ206は、CRTディスプレイ(CRT)等の出力部210の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。本発明には直接関係があるものではない。
【0027】
メモリコントローラ207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ(HD、FD)211へのアクセスを制御する。
【0028】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0029】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、出力部210上での表示を可能としている。また、CPU201は、出力部210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0030】
本発明を実現するためのプログラムは外部メモリ(HD、FD)211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0031】
次に、図3において、本発明の実施形態における機能構成図の一例について説明をする。
【0032】
ワークフローサーバ101は、処理履歴記憶部301、案件抽出部302、表示処理部303、比較部304、変更部305、類似度算出部306、処理部307、一括処理部308からなる。
【0033】
処理履歴記憶部301は、ワークフローシステムにおいて申請された案件の、各処理単位における処理済や処理待ちの状況を配送履歴として記憶する。
【0034】
案件抽出部302は、案件の処理担当者の、前記異なる処理それぞれにおける処理待ちの案件を処理履歴記憶部301より抽出する。
【0035】
表示処理部303は、案件抽出部302によって抽出した案件を、ワークフロークライアント端末102の表示部311において表示を行う処理待ち案件表示画面の表示に関わる処理を行う。なお、同一の申請項目を保持する同一の業務の案件を表示することとし、それぞれの案件において申請された項目の値を表示処理部303において比較して確認することを可能とするように、案件が保持する項目を表示することとする。
【0036】
比較部304は、表示処理部303により、処理待ち案件表示画面において表示を行った、案件抽出部302によって抽出した案件において、処理担当者により選択を受け付けた表示案件の項目が保持する値と、処理担当者により選択を受け付けた案件以外の、表示処理部303により、処理待ち案件表示画面において表示を行った、案件抽出部302によって抽出した案件に係る案件の保持する値とを比較し、案件の項目が保持する値が異なる部分を特定する。
【0037】
変更部305は、比較部304による比較結果に基づいて、表示指示に係る案件の表示内容のうち、処理担当者により選択を受け付けた案件以外の案件と、処理担当者により選択を受け付けた表示案件において、保持する値が異なる項目の部分を、案件の処理担当者が識別可能になるように変更する。
【0038】
類似度算出部306は、処理待ち案件表示画面において表示を行った、案件抽出部302によって抽出した案件において、処理担当者により選択を受け付けた表示案件に関する情報と、処理担当者により選択を受け付けた案件以外の案件とを比較し、両者の類似度を算出する。
【0039】
処理部307は、表示処理部303により、ワークフロークライアント端末102の表示部311である、処理待ち案件表示画面において表示した案件を承認することを、ワークフロークライアント端末102の処理部312より受け付け、処理を行う。
【0040】
一括処理部308は、ワークフロークライアント端末102の表示部311である、処理待ち案件表示画面において表示した案件を、案件の処理画面を案件ごとに開かずに、一度の操作でまとめて一括して承認する要求をワークフロークライアント端末102の処理部312より受け付け、処理を行う。
【0041】
なお、一括して承認を行う案件は、類似度算出部306によって算出をし、案件抽出部302によって抽出し処理待ち案件表示画面において表示を行った案件において、処理担当者により選択を受け付けた案件と、処理担当者により選択を受け付けた案件以外の案件との類似度がある閾値以上のものであると判定した案件、であっても良いこととする。すなわち、類似度がある閾値以上の案件については一括して承認が出来ることとし、類似度がある閾値を越えない案件については一括して承認ができないとしても良いこととする。
【0042】
ワークフロークライアント端末102は、表示部311と処理部312からなる。
【0043】
表示部311は、ワークフローサーバ101の表示処理部303によって表示処理が行われた処理担当者の処理待ち案件表示画面を表示する。
【0044】
処理部312は、表示部311で表示がされている処理待ち案件表示画面の案件に対する処理を受け付け、ワークフローサーバ101に処理依頼を行う。
【0045】
なお、本実施形態においては、ワークフロークライアント端末102の、表示部311、処理部312の機能は、他の機能構成の例として、ワークフローサーバ101が有してもよいこととする。
【0046】
次に図6において、ワークフローシステムにおける処理待ち案件表示画面を表示する方法について説明を行う。
【0047】
まず、ワークフローシステムにおいて処理担当者は、申請されてきた案件の処理を行うために、表示部311に表示がされるワークフローシステムへのログイン画面(不図示)において処理担当者のユーザIDとパスワードを入力することにより、ワークフローシステムの利用を開始する。
【0048】
続いて、処理担当者は、申請されてきた案件で、自分に処理依頼が来ている案件を、処理待ち案件表示画面において表示するため、表示部311に表示がされる「処理待ち案件表示画面表示」のボタン(不図示)を押下する。以上の操作により、処理待ち案件表示画面がワークフロークライアント端末102の表示部311に表示される。
【0049】
次に図6の処理待ち案件表示画面の各項目、機能の一例について説明を行う。なお、図6で図示する処理待ち案件表示画面は、本発明を適応前の内容であるとし、本発明はこの内容が前提にあるもとする。
【0050】
図6の操作611において表示される「開く」の機能は、図6の601から609として表示される各案件のうち、処理を行う案件の処理画面(不図示)を表示可能にする機能である。処理担当者が、この機能を押下すると、処理画面が表示される。その処理画面において案件において申請された内容(案件の各項目において入力された値)の確認を行った後、処理画面において承認ボタン等を押下することにより、案件に対する処理が行えるようになる。
【0051】
図6の状態612は、案件の現在の状態を表示する項目である。1例として、処理担当者の承認待ちということであれば、「承認」という文字が表示される。
【0052】
図6の伝票名613は、案件に紐づく伝票名を表示する項目である。
【0053】
図6の案件ID614は、案件を一意に識別するために案件に付与されたIDを表示する項目である。
【0054】
図6の申請者615は、案件を申請した申請者の名前を表示する項目である。
【0055】
図6の申請区分616、利用者氏名617、利用者所属618は、システム名619、アクセス権620は、申請された案件が保持する項目であり、これらの項目は、申請者がワークフローシステムの案件の申請画面(不図示)において、入力を行った値が表示される項目であることとする。
【0056】
すなわち、図6で表示がされている処理待ち案件は、「アカウント申請」という申請において、「申請区分」、「利用者氏名」、「利用者所属」、「システム名」、「アクセス権」の各項目における申請がなされた案件、ということである。
【0057】
選択610は、案件を処理対象として選択状態にする、或いは、案件を処理対象からはずすために選択状態を解除する、ことを可能とする機能である。なお、選択状態とは、図6においては、四角い枠が塗りつぶされている場合のことを言うこととする。また、この選択状態については、行全体において選択状態が識別可能にする方法をとっても良いこととする。そのため、選択状態の表示方法については、限定されない。
【0058】
選択610において、選択状態にされた案件は、図6の開く611の機能を押下し案件の処理画面を表示することなく、図6の630の一括承認という機能を押下することにより、一括して承認処理を行うことを可能とする。
【0059】
次に、図7、8、10の処理待ち案件表示画面における各項目、機能について説明を行う。図7、8、10で図示する処理待ち案件表示画面は、本発明の実施形態における処理待ち案件表示画面であることとする。
【0060】
なお、処理待ちとなる案件において、申請された内容を表示可能にするべく、案件が保持する項目を処理待ち案件表示画面において表示することとする。
【0061】
図7の選択710、図8の選択810、図10の選択1010は、図6の選択610の機能の説明と同様であることとする。
【0062】
図7の開く711、図8の開く811、図10の開く1011は、図6の操作611の「開く」機能の説明と同様であることとする。
【0063】
図7の基準にする712、図8の基準にする812、図10の基準にする1012は、
処理待ち案件表示画面において表示される案件において、基準となる案件を選択するための機能である。
【0064】
図7の類似案件を選択する713、図8の類似案件を選択する813、図10の基類似案件を選択する1013は、処理待ち案件表示画面において、基準にする812の機能により選択を受け付けた基準となる案件と類似する案件を、同じ処理待ち案件表示画面に表示されている案件の中より選択状態にする機能である。
【0065】
図7の状態714、図8の状態814、図10の状態1014は、図6の状態612の機能の説明と同様であることとする。
【0066】
図7の伝票名715、図8の伝票名815、図10の伝票名1015は、図6の伝票名613の機能の説明と同様であることとする。
【0067】
図7の案件ID716、図8の案件ID816、図10の案件ID1016は、図6の案件ID614の機能の説明と同様であることとする。
【0068】
図7の申請者717、図8の申請者817、図10の申請者1017は、図6の申請者615の機能の説明と同様であることとする。
【0069】
図7の申請区分718、図8の申請区分818、図10の申請区分1018は、図6の申請区分616の機能の説明と同様であることとする。
【0070】
図7の利用者氏名719、図8の利用者氏名819、図10の利用者氏名1019は、図6の利用者氏名617の機能の説明と同様であることとする。
【0071】
図7の利用者所属720、図8の利用者所属820、図10の利用者所属1020は、図6の利用者所属618の機能の説明と同様であることとする。
【0072】
図7のシステム名721、図8のシステム名821、図10のシステム名1021は、図6のシステム名619の機能の説明と同様であることとする。
【0073】
図7のアクセス権722、図8のアクセス権822、図10のアクセス権1022は、図6のアクセス権620の機能の説明と同様であることとする。
【0074】
次に、図4において、本発明の実施形態における、処理担当者の処理待ち状態となった案件を処理待ち案件表示画面において表示する処理について説明を行う。
【0075】
図4の各ステップの処理において、ステップS401、ステップS407の処理は、ワークフロークライアント端末102のCPU201が行う処理であることとし、ステップS402からステップS406の処理は、ワークフローサーバ101のCPU201が行う処理であることとする。
【0076】
なお、図4において実現する、処理待ち案件表示画面とは、処理待ち案件表示画面に表示される処理担当者の処理待ちとなっている案件において、基準となる案(基準案件)件と、それ以外の案件(比較案件)が保持する項目を比較し、比較案件が保持する項目の値が、基準となる案件が保持する同一項目が保持する値と異なる場合、その項目を識別可能にする、処理待ち案件表示画面であることとする。
【0077】
また、処理待ち案件表示画面においては、処理待ちの状態となっている案件において申請された内容(項目が保持する値)を確認するべく、案件が保持する項目の値が表示されるような構成になっていることを前提とする。
【0078】
ステップS401において、ワークフロークライアント端末102は、既にワークフロークライアント端末102で表示される処理待ち案件表示画面において表示されている案件の中より、基準となる案件の選択を受け付ける。そして、それ以外の案件(比較案件)が保持する項目の値が、基準となる案件が保持する同一項目が保持する値と異なる場合、その項目を識別可能にする処理待ち案件表示画面、を表示する指示をワークフローサーバ101へ送信する。
【0079】
例えば、基準となる案件の選択は、図7の処理待ち案件表示画面において表示される案件において、基準にする712の機能の押下を受け付けることによって行うこととする。
【0080】
ステップS402において、ワークフローサーバ101は、基準案件選択後の処理待ち案件表示画面における、基準案件と、基準案件と比較した案件(比較案件)における、差異の表示指示を、ワークフロークライアント端末102より受け付ける。
【0081】
ステップS403からステップS405の処理は、ワークフローサーバ101が、処理待ち案件表示画面において表示される案件において、基準案件として選択状態となった案件と、それ以外の案件(比較案件)を1件ずつ、案件が保持する同一の項目において比較をし、比較案件の項目の値が、基準案件の同一項目における値と異なる箇所について(ステップS404においてNOの場合)、識別可能に表示処理を行う(ステップS405)。
【0082】
また、ステップS403からステップS405の処理は、比較案件が存在する分、同一項目において繰り返し行われることとする(内側のループ処理)。更に、比較案件が保持する項目分、ステップS403からステップS405の処理が繰り返し行われることとする(外側のループ処理)。
【0083】
ステップS403において、ワークフローサーバ101は、処理する案件が基準行であるか否かを判定する。ステップS403において、ワークフローサーバ101が、処理する案件が基準行であると判定した場合(ステップS403でYESの場合)、何も処理を行わず、次の案件の処理のため再度ステップS403へ処理を進める。ステップS403において、ワークフローサーバ101が、処理する案件が基準行でないと判定した場合(ステップS403でNOの場合)、ステップS404へ処理を進める。
【0084】
ステップS404において、ワークフローサーバ101は、基準案件と処理中の案件(基準案件と比較する比較案件)の双方が保持する同一の項目において、保持する値が同一であるか否かを判定する。
【0085】
ステップS404において、基準案件と処理中の案件(基準案件と比較する比較案件)の双方が保持する同一の項目において、保持する値が同一であると判定した場合は、ワークフローサーバ101は、何も処理を行わず、更に次に処理する案件の処理のために、ステップS403へ処理を進める。
【0086】
ステップS404において、基準案件と処理中の案件(基準案件と比較する比較案件)の双方が保持する同一の項目において、保持する値が同一でないと判定した場合は、ワークフローサーバ101は、ステップS405へ処理を進める。
【0087】
ステップS405において、ワークフローサーバ101は、処理中の案件(基準案件と比較する比較案件)の、比較処理を行った項目に対し、識別表示処理を行う。
具体的な保持する値の判定処理と、識別表示処理については以下詳細に記す。
【0088】
例えば、ステップS401において、基準案件として選択された案件が、図7の処理待ち案件表示画面の701の案件である場合について説明を行う。
【0089】
図7に表示される案件のうち、基準案件が701の案件だとすると、702から709の案件が比較案件となる。
【0090】
そして、最初に、状態714において、基準案件と比較案件それぞれにおいて比較を行い、その項目の比較処理と識別表示処理が終了したら、残りの、状態714以外の伝票名715からアクセス権722のそれぞれの項目においても、同様に、基準案件と比較案件について比較処理と識別表示処理を行うこととする。
【0091】
まず、はじめに、識別表示を行わなかった箇所の一例について説明を行う。
【0092】
案件が保持する項目である、状態714の項目において、基準案件である701の案件と比較案件である702の案件において、比較処理を行ったとする。この場合、基準案件である701の案件は、状態714の項目において「承認」の値を保持していて、比較案件である702の案件の状態714の項目の値も同じく、「承認」の値を保持している(ステップS404でYES)。この場合、図8、802の案件の状態814の箇所に図示するように、項目の色等の変更を行わず、基準項目と同じ表示形態とする。同じく、他の703から709の比較案件についても、状態714においては「承認」の値を保持するため、項目の色等の変更を行わず、基準項目と同じ表示形態とする(図8に図示する、803から809の案件における状態814の表示形態)。
【0093】
次に、識別表示を行った箇所の一例について説明を行う。
【0094】
案件が保持する項目である、申請区分718の項目において、基準案件である701の案件と比較案件である702の案件において、比較処理を行ったとする。この場合、基準案件である701の案件は、申請区分718の項目において「登録」の値を保持していて、比較案件である702の案件の申請区分718の項目の値も同じく、「登録」の値を保持している(ステップS404でYES)。このため、図7、702の案件の申請区分718の箇所は、項目の色等の変更を行わず、基準項目と同じ表示形態とする(図8、802の案件の申請区分718の表示形態)。同じく、他の803から805の比較案件についても、申請区分818においては「登録」の値を保持するため、項目の色等の変更を行わず、基準項目と同じ表示形態とする(図8、803から805における案件の申請区分718の表示形態)。
【0095】
しかしながら、図7の706から709の比較案件については、申請区分818においては「削除」の値を保持するため、図8の806から809の申請区分818の表示形態に図示するように、項目の色等の変更を行い、基準項目とは異なるような識別表示を行う。
【0096】
このような方法で、基準案件と比較案件との比較処理を他の全ての項目において行った結果に応じて識別表示処理を行った結果が、図8の処理待ち案件表示画面で図示する画面となる。
【0097】
ステップS406において、ワークフローサーバ101は、ワークフロークライアント端末102に対し、基準案件と、基準案件と比較した案件(比較案件)において、項目が保持する値が異なる部分、を識別可能に表示処理した処理待ち案件表示画面の送信を行う。
【0098】
ステップS407において、ワークフロークライアント端末102は、ワークフローサーバ101より、ステップS406において送信された、基準案件と、基準案件と比較した案件(比較案件)において、項目が保持する値が異なる部分、を識別可能に表示処理した処理待ち案件表示画面、を受信し、ワークフロークライアント端末102の表示画面において表示を行う。
【0099】
以上、図4の処理により、案件を処理画面を開かずに、処理待ち案件表示画面から承認する場合、全ての案件の項目が保持する値を全て処理待ち案件表示画面に表示し、かつ、基準となる案件とそれ以外の他の比較案件において、保持する値が異なる項目を比較案件の項目において識別表示可能に表示するため、処理待ち案件表示画面から承認処理を行う場合に案件の申請内容を確認し易くなる、という効果を発生させることが出来る。
【0100】
そして、例えば、各案件の図7の選択710が選択状態をした場合には、全ての案件の申請された内容を処理待ち案件表示画面の項目において確認することによって、案件を1件ずつ処理画面を開かずに、一度の処理(操作)でまとめて一括承認することが可能となる。
【0101】
なお、図7の選択710が選択状態とは、四角い枠が塗りつぶされている場合のことを言うこととする。なお、この選択状態については、行全体において選択状態が識別可能にする方法をとっても良いこととする。そのため、選択状態の表示方法については、本発明の実施形態に記載の方法に限定されないことにする。
【0102】
次に、図5において、本発明の実施形態における、基準案件に類似する案件を特定する処理を行った場合に、基準案件と類似する案件を一度の操作でまとめて一括して処理を行うことを可能にするべく、処理待ち案件表示画面において選択状態にする処理、について説明を行う。なお、ここにおける「一括して処理を行う」とは、複数の案件を処理する際に、1件ずつ案件の処理画面を開かずに、処理待ち案件表示画面から一度の操作でまとめて処理を行うことを可能とする処理であることとする。
【0103】
なお、図5の各ステップの処理において、ステップS501、ステップS508の処理は、ワークフロークライアント端末102のCPU201が行う処理であることとし、ステップS502からステップS507の処理は、ワークフローサーバ101のCPU201が行う処理であることとする。
【0104】
ステップS501において、ワークフロークライアント端末102は、処理待ち案件表示画面における類似案件選択の指示を、ワークフローサーバ101へ送信する。
【0105】
なお、ワークフロークライアント端末102が、図8の処理待ち案件表示画面において表示される案件において、基準にする812の機能の押下を受け付け、基準案件として選択状態となっている案件が存在することを前提とする。
【0106】
そして、基準案件として選択状態となっている案件が存在する状態において、類似案件を選択する813の機能の押下を受け付けることによって、類似案件選択の指示を、ワークフローサーバ101へ送信する。
【0107】
ステップS502において、ワークフローサーバ101は、ワークフロークライアント端末102より、処理待ち案件表示画面における類似案件選択の指示を受け付ける。
【0108】
ステップS503からステップS506の処理は、ワークフローサーバ101が、処理待ち案件表示画面において基準案件と類似する案件を選択状態にする処理であるが、これらの処理は、処理待ち案件表示画面において表示されている基準案件と比較を行う案件の件数分処理を行うこととする。
【0109】
ステップS503において、ワークフローサーバ101は、処理待ち案件表示画面において基準にする812の機能の押下を受け付けた案件(基準案件)と、それ以外の処理待ち案件表示画面における案件との類似度の算出を行う。一例として、図8の処理待ち案件表示画面の801の案件が、基準にする812により選択され、基準案件とした場合について説明を行う。
【0110】
基準案件との類似度の算出方法は、処理待ち案件表示画面である図8の802から809の各処理待ち案件の814から822までの案件が保持する各項目の値が、図8の801の基準案件の814から822までの案件が保持する同じ項目の値と、どれだけ類似するかを項目ごとに類似度の値を算出し、更に各項目の合計値を案件ごとに算出することによって、行う。
【0111】
また、類似度を算出するための項目同士の比較を行うために、一例として、レーベンシュタイン距離という既存の文字列の類似度算出方法の技術を使用することとする。この方法は、比較元の項目が値として保持する文字列から比較先の項目が値として保持する文字列になるために、新たに挿入が必要となる文字、或いは、比較元の文字列において削除や変更が必要となる文字数、を算出する技術である。すなわち、比較元の文字列が比較先の文字列になるために文字列の変更、削除、或いは、新規挿入があまり発生しない場合は、比較先の比較元との案件の類似度は高くなり、比較先の文字列になるために沢山の文字列の変更、削除、或いは、新規挿入が発生する場合は、比較先の比較元との案件の類似度は低くなる、ということである。なお、この方法は、あくまで、類似度の算出方法の一例として使用しているのであって、類似度算出の方法はこれに限定されないこととする。
【0112】
算出した類似度の値については、一例として、図9の類似度管理テーブルへ登録するものとする。図9の901から908のレコードは、図8の処理待ち案件画面の基準案件である801の案件と、802から809までの案件を比較した結果である。
【0113】
図9の案件ID910で保持する値は、図8の案件ID816で管理される案件IDの値を保持することとする。
【0114】
また、図9の状態911は図8の状態814、図9の伝票名912は図8の伝票名815の項目、図9の案件ID913は図8の案件ID816の項目、図9の申請者914は図8の申請者817の項目、図9の申請区分915は図8の申請区分818の項目、図9の利用者氏名916は図8の利用者氏名819の項目、図9の利用者所属917は図8の利用者所属820の項目、図9のシステム名918は図8のシステム名821の項目、図9のアクセス権919は図8のアクセス権822の項目、において、算出した値を保持することとする。
【0115】
図9の算出結果920は、図9の911から919において算出した値を合計した値を保持することとする。この結果は、比較先の案件が基準案件、すなわち、比較元の案件の案件と類似度が高いかの判定に用いる値であることとする。
【0116】
次に、実際の案件のデータを用いて、類似度の算出した結果について説明をする。
【0117】
まず、図9の類似度管理テーブルの911から919の各項目が保持する値を、一例として、図8の801の案件(基準案件、すなわち、比較元の案件)と、図8の802の案件(比較案件、すなわち、比較先の案件)を比較した結果(図9の901のレコード)を用いて説明をする。
【0118】
状態814の項目における算出結果は、次の通りになる。図8の801の案件を基準案件とすると801の案件においては、状態814において「承認」という値を保持している。また、比較先の案件を図8の802の案件とすると802の案件においては、状態814において、801と同様に「承認」という値を保持する。これらを前述した方法で比較すると、比較元から比較先の文字列となるために、文字列の変更は行われないため、算出結果は「0」ということになる(図9の921)。なお、伝票名815、申請区分818においても、同じ値を比較元の案件(801)と、比較先の案件(802)において、保持しているため、状態814と同じく、算出結果は「0」ということになる(図9の922、図9の925)。
【0119】
案件ID816の項目における算出結果は、次の通りになる。図8の801の案件を基準案件とすると801の案件においては、案件ID816において「A0001」という値を保持している。また、比較先の案件を図8の802の案件とすると802の案件においては、案件ID816において、「A0002」という値を保持する。これらを前述した方法で比較すると、「A0001」から「A0002」にするには、「A0001」の「1」を「2」へ文字を変更することで可能になるため、算出結果は「1」ということになる(図9の923)。
【0120】
申請者817の項目における算出結果は、次の通りになる。図8の801の案件を基準案件とすると801の案件においては、申請者817において「経理太郎」という値を保持している。また、比較先の案件を図8の802の案件とすると802の案件においては、申請者817において、「営業花子」という値を保持する。これらを前述した方法で比較すると、「経理太郎」から「営業花子」にするには、「経理太郎」の4文字全ての文字を、「営業花子」へ変更しなくてはならないため、算出結果は「4」ということになる(図9の924)。
【0121】
利用者氏名819の項目における算出結果は、次の通りになる。図8の801の案件を基準案件とすると801の案件においては、利用者氏名819において「東京花子」という値を保持している。また、比較先の案件を図8の802の案件とすると802の案件においては、利用者氏名819において、「神奈川太郎」という値を保持する。これらを前述した方法で比較すると、「東京花子」から「神奈川太郎」にするには、「東京花子」の4文字全ての文字を、まず「神奈川太」へ変更した後、更に一文字、「郎」の文字を追加しなくては、「神奈川太郎」にならないため、算出結果は「5」ということになる(図9の926)。
【0122】
利用者所属820の項目における算出結果は、次の通りになる。図8の801の案件を基準案件とすると801の案件においては、利用者所属820において「経理部経理1課」という値を保持している。また、比較先の案件を図8の802の案件とすると802の案件においては、利用者所属820において、「営業部営業1課」という値を保持する。これらを前述した方法で比較すると、「経理部経理1課」から「営業部営業1課」にするには、「経理部経理1課」の左から5文字を、「営業部営業」へ変更しなくてはならないため、算出結果は「5」ということになる(図9の927)。
【0123】
システム名821の項目における算出結果は、次の通りになる。図8の801の案件を基準案件とすると801の案件においては、システム名821において「経理システム」という値を保持している。また、比較先の案件を図8の802の案件とすると802の案件においては、システム名821において、「見積システム」という値を保持する。これらを前述した方法で比較すると、「経理システム」から「見積システム」にするには、「経理システム」の左から2文字を、「見積」へ変更しなくてはならないため、算出結果は「2」ということになる(図9の928)。
【0124】
アクセス権822の項目における算出結果は、次の通りになる。図8の801の案件を基準案件とすると801の案件においては、アクセス権822において「閲覧編集」という値を保持している。また、比較先の案件を図8の802の案件とすると802の案件においては、アクセス権822において、「閲覧」という値を保持する。これらを前述した方法で比較すると、「閲覧編集」から「閲覧」にするには、「編集」の2文字を削除することで可能になるため、算出結果は「2」ということになる(図9の929)。
【0125】
最後に、図9の算出結果920は、図の911から919の各値を合計した値が登録されるため、図8の801と802の案件を比較した結果、19という値が登録されることになる(図9の930)。
【0126】
ステップS504において、ワークフローサーバ101は、ステップS503で類似度の算出を行った処理待ち案件表示画面における案件が、処理待ち案件表示画面において基準にする812の機能の押下を受け付けた案件(基準案件)と、類似するか否かを判定する。すなわち、基準案件に類似する案件を、案件表示画面に表示される基準案件ではない案件から特定する。
【0127】
なお、類似するか否かの判定は、予めシステム管理者等によって、閾値を決定しておいて、その基準を基に判定することとする。
【0128】
例えば、本実施形態の説明において、類似度の閾値を10とし、算出結果の値が10以下の値を保持する案件は類似度が高い案件とし、算出結果の値が10よりも上の値を保持する案件は類似度が低い案件という基準を設けることとする。
【0129】
この基準によって、ステップS503において、図8の802の案件(比較先の案件)の類似度を判定すると、算出した結果は「19」という結果であるため、算出結果の値が10よりも上の値を保持する案件ということになり、類似度が低い案件ということになる。
【0130】
逆に、図8の804の案件(比較先の案件)の類似度を、図8の802の案件と同様に判定すると、算出した結果は、図9の903のレコードに示すように案件ID910がA0004の算出結果920は「5」という結果であるため、算出結果の値が10以下の値を保持する案件ということになり、類似度が高い案件ということになる。
【0131】
ステップS504において、ワークフローサーバ101が、ステップS503で類似度の算出を行った処理待ち案件表示画面における案件が、処理待ち案件表示画面において基準にする812の機能の押下を受け付けた案件(基準案件)と、類似すると判定した場合、ステップS505に処理を進め、ワークフローサーバ101が、ステップS503で類似度の算出を行った処理待ち案件表示画面における案件が、処理待ち案件表示画面において基準にする812の機能の押下を受け付けた案件(基準案件)と、類似しないと判定した場合、ステップS506へ処理を進める。
【0132】
ステップS505において、ワークフローサーバ101は、ステップS504において類似すると判定した案件を選択状態にする。例えば、図8の804に関しては、類似度が高いと判定されているため、図10の1030に示すように示すように、選択1010が選択状態になる。
【0133】
なお、図10の一例においては、選択1010の四角い枠が塗りつぶされているものに関しては、選択状態であるとし、選択1010の四角い枠が塗りつぶされていないものに関しては、選択状態でない、とすることとする。なお、この選択状態の表示方法については、行全体において選択状態が識別可能にする方法をとっても良いこととする。そのため、選択状態の表示方法については、本発明の実施形態に記載の方法に限定されないことにする。
【0134】
ステップS506において、ワークフローサーバ101は、ステップS504において類似しないと判定した案件の選択状態を解除する。例えば、図8の801に関しては、類似度が低いと判定されているため、図10の1031に示すように示すように、選択1010の選択状態が解除された状態になる。なお、類似しないと判定した案件がステップS504の時点において選択状態で無い場合は、本処理を行わなくても良いこととする。
【0135】
なお、以上の方法と同じように、図8の803から809の案件についても、ステップS503からステップS506の処理を行うこととする。
【0136】
なお、図9の902から908のレコードは、その結果として登録されたレコードである。
【0137】
なお、図8の処理待ち案件表示画面において801の案件が、基準にする812が押下を受け付、更に、類似案件を選択する813の押下を受け付けた場合の、処理待待ち案件表示画面の状態は、図10の処理待ち案件表示画面になる。すなわち、図8の804は図10の1004、図8の806は図10の1006、図8の808は図10の1008で図示するように選択状態になる。
【0138】
ステップS507において、ワークフローサーバ101は、ワークフロークライアント端末102に対し、基準案件に類似する案件が選択状態となった処理待ち案件表示画面の送信を行う。
【0139】
ステップS508において、ワークフロークライアント端末102は、ワークフローサーバ101より、基準案件に類似する案件が選択状態となった処理待ち案件表示画面を受信し、ワークフロークライアント端末102においての表示画面において表示を行う。
【0140】
なお、図5の処理により、選択状態になった案件は、「基準にする」の機能の押下を受け付けた基準案件とともに、例えば、図10の一括承認1030の機能を押下することによって、処理待ち案件表示画面より一括して処理を行うことが出来ることとする。これにより、案件を、基準案件として受け付けた案件と、その案件に類似する案件に、限定して案件を一度の処理で一括して承認することが可能になる。
【0141】
この機能により、基準案件として受け付けた案件とは類似しない、選択状態にならなかった案件については、個別に処理を行うようにすることとする。すなわち、処理待ち案件表示画面において、案件に対し、承認ボタン(不図示)を用意することによって1件ずつ承認させる、或いは、処理画面より案件の申請内容を確認した上で承認させる、という方法をとる。
【0142】
逆に、この機能により選択されなかった案件であっても、処理担当者から選択を追加で受け付けた案件については、基準案件と類似案件と一括で処理を行えるようにする、という方法をとっても良いこととする。
【0143】
以上、1実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0144】
また、本発明におけるプログラムは、図4図5に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図4図5の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図4図5の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0145】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0146】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0147】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0148】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0149】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0150】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0151】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0152】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0153】
101 ワークフローサーバ
102 ワークフロークライアント端末
103 ワークフロー管理端末
104 システムデータベース
100 ネットワーク
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 システムバス
205 入力コントローラ
206 出力コントローラ
207 メモリコントローラ
208 通信I/Fコントローラ
209 入力部
210 出力部
211 外部メモリ(HD、FD)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10