(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能なLEDパッケージを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって提供されるLEDパッケージは、LED素子と、互いに反対側を向く主面および実装面を有する基板と、前記主面と同一方向を向くとともに前記LED素子を搭載する搭載面を有し、かつ前記主面および前記実装面の双方に形成された導電部と、互いに反対側を向く端面および支持面と、前記端面および前記支持面につながるとともに前記LED素子を囲むように形成された反射面と、を有し、かつ前記支持面が前記主面に向くように配置されたケースと、互いに反対側を向く頂面および裏面を有し、かつ前記裏面が前記端面を向くように前記ケースを覆う透光性がある蓋と、を備え、前記頂面は平たんであり、前記蓋には、前記裏面から前記LED素子に向かって突出した凸型のレンズ部が形成され、前記レンズ部が、前記端面、前記支持面および前記反射面によって前記ケースに形成された貫通領域に収容されていることを特徴としている。
【0008】
本発明の実施において好ましくは、前記蓋は、合成樹脂からなる。
【0009】
本発明の実施において好ましくは、前記蓋は、ガラスからなる。
【0010】
本発明の実施において好ましくは、前記LED素子は、透光性がある封止樹脂によって覆われている。
【0011】
本発明の実施において好ましくは、前記封止樹脂は、蛍光体が含有された合成樹脂からなる。
【0012】
本発明の実施において好ましくは、前記封止樹脂は、シリコーン樹脂を含む。
【0013】
本発明の実施において好ましくは、前記貫通領域の一部が前記封止樹脂により充填されている。
【0014】
本発明の実施において好ましくは、前記封止樹脂の形状は、凸型である。
【0015】
本発明の実施において好ましくは、前記貫通領域の全部が前記封止樹脂により充填されている。
【0016】
本発明の実施において好ましくは、前記基板には、前記主面から前記実装面に至って貫通し、かつ外部の空気が流通する通気孔が形成され、前記通気孔は、前記貫通領域に通じている。
【0017】
本発明の実施において好ましくは、前記反射面は、白色である。
【0018】
本発明の実施において好ましくは、前記ケースには、前記反射面を覆う鏡面めっき層が形成されている。
【0019】
本発明の実施において好ましくは、前記鏡面めっき層は、Auを含む。
【0020】
本発明の実施において好ましくは、前記導電部は、互いに積層されためっき層を含む。
【0021】
本発明の実施において好ましくは、前記めっき層は、Auを含む。
【0022】
本発明の実施において好ましくは、前記基板の内部に形成された連絡導電部をさらに備え、前記連絡導電部が前記主面および前記実装面からともに露出している。
【0023】
本発明の実施において好ましくは、前記連絡導電部の形状は、円柱状である。
【0024】
本発明の実施において好ましくは、前記貫通領域の平面視形状は、円形状である。
【0025】
本発明の実施において好ましくは、前記反射面は、前記支持面に対して傾斜している。
【0026】
本発明の実施において好ましくは、前記反射面は、前記支持面から起立している第1反射面と、前記端面および前記第1反射面につながり、かつ前記支持面に対して傾斜している第2反射面とを含み、前記第1反射面と前記第2反射面とが交差する境界部の平面視形状は、円形状である。
【0027】
本発明の実施において好ましくは、前記LED素子は、発光部が形成された素子主面を有し、前記基板の厚さ方向において、前記素子主面は前記境界部と前記基板の前記主面との間に位置している。
【0028】
本発明の実施において好ましくは、前記主面から窪む開口部が形成され、前記開口部から前記導電部の前記搭載面が露出している。
【0029】
本発明の実施において好ましくは、前記基板の前記開口部は、前記主面から前記実装面に至って貫通し、前記導電部は、一部が前記実装面から前記開口部を塞ぎ、他の部分が前記実装面に接する金属箔を含む。
【0030】
本発明の実施において好ましくは、前記金属箔は、前記めっき層によって覆われている。
【0031】
本発明の実施において好ましくは、前記金属箔は、Cuからなる。
【0032】
本発明の実施において好ましくは、前記LED素子と前記搭載面との間に介在する導電体である接合層を備える。
【0033】
本発明の実施において好ましくは、前記LED素子と前記導電部とを接続するボンディングワイヤを備える。
【0034】
本発明の実施において好ましくは、前記ケースは、前記支持面から前記端面に向かって窪み、かつ一端が前記反射面につながる中間面と、前記中間面および前記支持面を相互につなぐ内側面と、を有し、前記ボンディングワイヤの一部が、前記中間面、前記内側面および前記支持面によって前記ケースに形成された凹部に収容されている。
【0035】
本発明の実施において好ましくは、前記ケースには、前記貫通領域と前記凹部との間に介在し、かつ前記中間面と、前記中間面につながる前記反射面との各々一部ずつが除去された切欠部が形成され、前記ボンディングワイヤが、前記切欠部を通過している。
【0036】
本発明の実施において好ましくは、前記導電部の前記搭載面に搭載され、かつ前記凹部に収容されたツェナーダイオードを備える。
【0037】
本発明の実施において好ましくは、前記蓋には、各々が前記蓋の前記頂面に対して傾斜する第1傾斜面および前記第2傾斜面を有するとともに、平面視において一方向に延出し、かつ前記貫通領域の一部が重なるプリズム部が形成され、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面は、各々の一端が前記頂面につながり、かつ各々の他端が相互につながり、前記頂面と前記第1傾斜面とがなす鋭角は、前記頂面と前記第2傾斜面とがなす鋭角よりも小である。
【0038】
本発明の実施において好ましくは、前記蓋の前記頂面は、前記プリズム部と同方向に延出する中央頂面を含み、前記中央頂面が延出する方向と直角である方向における前記中央頂面の両端に、前記プリズム部の各々が位置し、かつ各々の前記プリズム部の第1傾斜面がつながり、平面視において前記LED素子の一部が前記中央頂面に重なる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、LEDパッケージの基板に配置されたケースは、互いに反対側を向く端面および支持面と、端面および支持面につながるとともにLED素子を囲むように形成された反射面とを有する。また、ケースを覆うように配置された蓋には、裏面からLED素子に向かって突出したレンズ部が形成されている。そして、当該レンズ部が、端面、支持面および反射面によってケースに形成された貫通領域内に収容されている。このような構成をとることによって、当該レンズ部がLED素子から発せられた光を集光させるため、光の取り出し効率を高くすることができる。また、レンズ部が貫通領域内に収容されることから、LEDパッケージの低背化や小型化を図ることができる。したがって、LEDパッケージの低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。
【0040】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について、添付図面に基づいて説明する。
【0043】
〔第1実施形態〕
図1〜
図5に基づき、本発明の第1実施形態にかかるLEDパッケージA10について説明する。これらの図に示すLEDパッケージA10は、たとえばリモートセンサの回路基板に表面実装されるものである。本実施形態にかかるLEDパッケージA10は、基板1、導電部21、連絡導電部22、LED素子31、接合層32、ケース4、蓋5およびボンディングワイヤ6を備える。LEDパッケージA10は、平面視矩形状である。
【0044】
図1は、LEDパッケージA10の平面図であり、理解の便宜上、蓋5を省略している。
図2は、LEDパッケージA10の底面図である。
図3は、
図1のIII−III線に沿う断面図である。
図4は、
図1のIV−IV線に沿う断面図である。
図5は、LEDパッケージA10の蓋5の斜視図である。なお、
図3および
図4においては、蓋5を省略せずに図示している。
【0045】
基板1は、LED素子31およびケース4を支持し、かつLEDパッケージA10を回路基板に実装するためのものである。基板1は、電気絶縁体である。たとえばアルミナ(Al
2O
3)などのセラミックス、またはガラスエポキシ樹脂からなる。LEDパッケージA10の使用時に、LED素子31より発生した熱を外部に放出しやすくするため、基板1は熱伝導率が比較的高い材料であることが好ましい。本実施形態においては、基板1は、主面11、実装面12および複数の基板側面13を有する。
【0046】
主面11は、
図3および
図4に示す基板1の上面である。LEDパッケージA10において、主面11が向く方向にLED素子31が位置している。実装面12は、
図3および
図4に示す基板1の下面である。実装面12は、LEDパッケージA10を対象となる回路基板に実装する際に利用される面である。
図3および
図4に示すように、主面11および実装面12は、ともに基板1の厚さ方向に対して直交し、かつ平たんである。また、主面11および実装面12は、基板1の厚さ方向において互いに反対側を向いている。
【0047】
図3および
図4に示すように、複数の基板側面13は、基板1の厚さ方向において主面11と実装面12との間に挟まれ、かつLEDパッケージA10の外側を向く4つの面である。複数の基板側面13は、いずれも主面11および実装面12に直交し、かつ平たんである。
【0048】
図1〜
図3に示すように、基板1には、主面11から実装面12に至って貫通し、かつLEDパッケージA10の外部の空気が流通する通気孔15が形成されている。通気孔15は、後述するケース4に形成された貫通領域46に通じている。通気孔15は、本実施形態のように基板1に設けた貫通孔に替えて、後述するケース4の支持面42から窪み、かつ外部と貫通領域46とを相互に空気が流通する貫通溝であってもよい。
【0049】
導電部21は、LED素子31と対象となる回路基板との導電経路の一部を構成する、主面11および実装面12の双方に形成された部材である。本実施形態においては、主面11に形成された導電部21は、接合層32およびボンディングワイヤ6を介してLED素子31に導通している。本実施形態においては、導電部21は、搭載面211を有し、かつめっき層212を含む。
図1および
図2に示すように、主面11および実装面12の各々において、搭載面211は、互いに離間して形成されている。なお、主面11に形成された導電部21は、ともに基板側面13に接して形成されている。
【0050】
図1、
図3および
図4に示すように、搭載面211は主面11と同一方向を向く、めっき層212の表面の一部である。搭載面211にLED素子31がダイボンディングによって搭載されている。めっき層212は、互いに積層された金属層からなる。本実施形態においては、めっき層212は電解めっきにより形成され、主面11、または実装面12から外側に向かってCu層、Ni層およびAu層の順に積層されている。
【0051】
連絡導電部22は、
図2および
図3に示すように、主面11に形成された導電部21と、実装面12に形成された導電部21とを互いに導通させるための導電経路となる部材である。連絡導電部22は、基板1の内部に埋め込まれた状態となるように形成され、連絡導電部22が主面11および実装面12からともに露出している。主面11および実装面12から露出した連絡導電部22は、ともに導電部21に覆われている。本実施形態においては、連絡導電部22の形状は円柱状である。連絡導電部22は、たとえばCuからなる。
【0052】
なお、
図1〜
図4に示す導電部21および連絡導電部22の配置形態は一例であり、実際のLEDパッケージA10における導電部21および連絡導電部22の配置形態は、これに限定されない。
【0053】
LED素子31は、LEDパッケージA10の光源となる発光素子であるとともに、たとえばpn接合により複数の半導体層が互いに積層された半導体素子である。LEDパッケージA10に電流が流れるとLED素子31が発光する。前記半導体層を構成する物質により、LED素子31は青色光、赤色光または緑色光などを発する。本実施形態においては、
図3および
図4に示すLED素子31の上面である素子主面311にp側電極(アノード)が、
図3および
図4に示すLED素子31の下面である素子裏面312にn側電極(カソード)が形成されている。また、LED素子31の発光部が、当該p側電極とともに素子主面311に形成されている。当該p側電極にボンディングワイヤ6が接続され、当該n側電極は接合層32を介して主面11に形成された導電部21に導通している。
【0054】
接合層32は、
図3および
図4に示すように、LED素子31と搭載面211との間に介在する導電体である。接合層32によって固着されることで、搭載面211にLED素子31が搭載される。また、接合層32は導電体であることから、接合層32は導電部21および連絡導電部22とともに、LED素子31と対象となる回路基板との導電経路の一部を構成する。接合層32は、たとえばAgペーストからなる。
【0055】
ケース4は、LED素子31を囲むように、主面11に配置された部材である。ケース4は、LED素子31から発せられた光を反射するリフレクタとしての機能を果たす。ケース4は、たとえばエポキシ樹脂やPPA(ポリフタルアミド)からなり、かつ電気絶縁体である。本実施形態においては、ケース4は、端面41、支持面42、反射面43、鏡面めっき層44、複数のケース側面45、貫通領域46および接着層47を有する。
【0056】
端面41は、
図3および
図4に示すケース4の上面である。支持面42は、
図3および
図4に示すケース4の下面である。
図3および
図4に示すように、端面41および支持面42は、ともにケース4の厚さ方向に対して直交し、かつ平たんである。また、端面41および支持面42は、ケース4の厚さ方向において互いに反対側を向いている。ケース4は、支持面42が主面11に向くように配置されている。
【0057】
図1、
図3および
図4に示すように、反射面43は、端面41および支持面42につながるとともに、LED素子31を囲むように形成された曲面である。本実施形態においては、反射面43は、支持面42に対して一定の角度で傾斜している。したがって、ケース4において、端面41の面積よりも支持面42の面積の方が大である。
【0058】
図3および
図4に示すように、鏡面めっき層44は、反射面43を覆うように形成された金属層である。鏡面めっき層44は、無電解めっきにより形成される。本実施形態においては、鏡面めっき層44は、Au層、Ag層、Zn層およびAuとCoとの合金層のいずれかを選択することができる。なお、ケース4においては、鏡面めっき層44を省略し、白色に着色された反射面43が露出された状態であってもよい。
【0059】
図3および
図4に示すように、複数のケース側面45は、ケース4の厚さ方向において端面41と支持面42との間に挟まれ、かつLEDパッケージA10の外側を向く4つの面である。複数のケース側面45は、いずれも主面11および実装面12に直交し、かつ平たんである。また、複数のケース側面45と複数の基板側面13とは、いずれの面においても面一となっている。
【0060】
図1、
図3および
図4に示すように、貫通領域46は、端面41、支持面42および反射面43によりケース4に形成された中空領域である。
端面41および支持面42の双方に対して平行に沿った貫通領域46の断面積は、端面41と反射面43との境界において最も大となっている。本実施形態においては、貫通領域46の形状は、端面41
に沿った上底の面積が、支持面42に沿った下底の面積よりも大とされる円錐台である。
これにより、貫通領域46の平面視形状は円形状である。また、本実施形態においては、貫通領域46にLED素子31の一部が収容されている。
【0061】
図3および
図4に示すように、接着層47は、支持面42と主面11との間に、または支持面42と導電部21との間に介在する部材である。接着層47によって固着されることで、基板1にケース4が配置される。本実施形態においては、接着層47は、たとえば紫外線硬化性があるアクリル樹脂またはエポキシ樹脂からなる。
【0062】
蓋5は、ケース4を覆う透光性がある部材である。蓋5は、頂面51、裏面52およびレンズ部53を有する。頂面51は、
図3および
図4に示す蓋5の上面である。裏面52は、
図3および
図4に示す蓋5の下面である。
図3〜
図5に示すように、頂面51および裏面52は、ともに蓋5の厚さ方向に対して直交し、かつ平たんである。また、頂面51および裏面52は、蓋5の厚さ方向において互いに反対側を向いている。蓋5は、裏面52が端面41を向くようにケース4を覆っている。蓋5は、合成樹脂、またはガラスからなる。
【0063】
図3〜
図5に示すように、レンズ部53は、裏面52からLED素子31に向かって突出した凸型の部分である。レンズ部53の表面は曲面である。レンズ部53は、LEDパッケージA10において貫通領域46に収容されている。
側面視において、レンズ部53は、ケース4の反射面43のうち支持面42に対して傾斜した領域に重なっている。
【0064】
ボンディングワイヤ6は、LED素子31と、主面11に形成された導電部21のうちLED素子31が搭載されていない導電部21とを接続する金属配線である。
図1に示すように、本実施形態にかかるボンディングワイヤ6は、1箇所形成されている。ボンディングワイヤ6は、たとえばAuからなる。
【0065】
次に、LEDパッケージA10の作用効果について説明する。
【0066】
本実施形態によれば、LEDパッケージA10の基板1に配置されたケース4は、互いに反対側を向く端面41および支持面42と、端面41および支持面42につながるとともにLED素子31を囲むように形成された反射面43とを有する。また、ケース4を覆うように配置された蓋5には、裏面52からLED素子31に向かって突出したレンズ部53が形成され、レンズ部53が端面41、支持面42および反射面43によってケース4に形成された貫通領域46に収容されている。このような構成をとることによって、レンズ部53がLED素子31から発せられた光を集光させるため、光の取り出し効率を高くすることができる。また、レンズ部53が貫通領域46に収容されることから、LEDパッケージA10の低背化や小型化を図ることができる。したがって、LEDパッケージA10の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。
【0067】
本実施形態にかかる貫通領域46の平面視形状は円形状であることから、素子主面311の中央から、反射面43とケース4の厚さ方向に対して直交する面との交線までの距離は、当該交線の全周にわたって一定である。したがって、LED素子31から発せられた光が反射面43に到達するまでの経路の長さが貫通領域46において一様となるため、光束の偏りを抑制することができる。
【0068】
反射面43が支持面42に対して傾斜していることから、LED素子31から発せられた光が反射面43に反射したとき、反射光をレンズ部53に効率よく誘導することができる。また、反射面43を金属層からなる鏡面めっき層44で覆うことや、反射面43を白色とすることは、LED素子31から発せられた光の反射率を高くすることができる。したがって、これらの作用効果は、光の取り出し効率の向上を図る上で好適である。
【0069】
基板1には、主面11から実装面12に至って貫通し、かつLEDパッケージA10の外部の空気が流通する通気孔15が形成されている。通気孔15は、貫通領域46に通じているため、通気孔15を介して外部と貫通領域46とを空気が相互に流通する。LEDパッケージA10の使用時に、LED素子31から発せられる熱により貫通領域46内の空気が熱膨張して圧力が上昇する場合がある。当該圧力は、蓋5などのLEDパッケージA10の部材を損傷させるおそれがある。したがって、このような通気孔15を設けることによって、貫通領域46内の空気の圧力上昇を抑制し、LEDパッケージA10の部材の損傷を防ぐことができる。
【0070】
図6〜
図39は、本発明の第1実施形態の変形例と、他の実施形態やその変形例とを示している。なお、これらの図において、先述したLEDパッケージA10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0071】
〔第1実施形態の第1変形例〕
図6に基づき、本発明の第1実施形態の第1変形例にかかるLEDパッケージA11について説明する。
図6は、LEDパッケージA11の断面図であり、その断面位置は
図3と同一である。
【0072】
本変形例のLEDパッケージA11は、先述したLEDパッケージA10に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7は、LED素子31を覆う透光性がある合成樹脂で、本変形例においてはシリコーン樹脂からなる。封止樹脂7は、蛍光体が含有された透光性がある合成樹脂であってもよく、より具体的には蛍光体が含有されたシリコーン樹脂であってもよい。たとえば、LED素子31が青色光を発する場合、黄色蛍光体が含有された封止樹脂7を用いることで、LEDパッケージA11から白色光が出射される。また、LED素子31が紫色の近紫外線を発する場合、赤色、青色および緑色の3色の蛍光体が含有された封止樹脂7を用いることで、LEDパッケージA11から演色性がより確保された白色光が出射される。本変形例においては、貫通領域46の一部が封止樹脂7により充填され、封止樹脂7の形状は凸型である。なお、LEDパッケージA11の基板1には、LEDパッケージA10と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0073】
本変形例によっても、LEDパッケージA11の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。本変形例では、LED素子31を覆い、かつ透光性がある封止樹脂7をさらに備えている。封止樹脂7の絶対屈折率は空気よりも大であるため、スネルの法則より、LED素子31から発せられた光が封止樹脂7中を伝播するときは、光の出射方向(ケース4の厚さ方向)となす角が空気中を伝播するときよりも小となる。したがって、LEDパッケージA11は、LEDパッケージA10よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0074】
〔第1実施形態の第2変形例〕
図7に基づき、本発明の第1実施形態の第2変形例にかかるLEDパッケージA12について説明する。
図7は、LEDパッケージA12の断面図であり、その断面位置は
図3と同一である。
【0075】
本変形例のLEDパッケージA12は、先述したLEDパッケージA10に対し、封止樹脂7を備える。本変形例においては、封止樹脂7の材料は、LEDパッケージA11と同一である。ゆえに、封止樹脂7は、LEDパッケージA11と同じく蛍光体が含有された透光性がある合成樹脂であってもよい。本変形例においては、貫通領域46の全部が封止樹脂7により充填されている。なお、LEDパッケージA12の基板1には、LEDパッケージA10と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0076】
本変形例によっても、LEDパッケージA12の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能である。本変形例では、LED素子31を覆う封止樹脂7が、貫通領域46の全部に充填されている。この場合、LED素子31から発せられた光は封止樹脂7を伝播してレンズ部53に直接入射されることとなるため、LEDパッケージA11の場合と異なり、封止樹脂7と空気との境界において光が屈折する現象は生じない。したがって、LEDパッケージA12は、LEDパッケージA11よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0077】
〔第2実施形態〕
図8〜
図10に基づき、本発明の第2実施形態にかかるLEDパッケージA20について説明する。
図8は、LEDパッケージA20の平面図であり、理解の便宜上、蓋5を省略している。
図9は、
図8のIX−IX線に沿う断面図である。
図10は、
図8のX−X線に沿う断面図である。なお、
図9および
図10においては、蓋5を省略せずに図示している。本実施形態においては、LEDパッケージA20は、平面視矩形状である。
【0078】
本実施形態にかかるLEDパッケージA20は、先述したLEDパッケージA10に対し、基板1の平面視寸法およびケース4の構成が異なる。
図8に示すように、基板1の平面視寸法は、LEDパッケージA10の基板1の平面視寸法よりも小とされている。また、
図8〜
図10に示すように、本実施形態にかかる反射面43は、支持面42から起立している第1反射面431と、端面41および第1反射面431につながり、かつ支持面42に対して傾斜している第2反射面432とを含む。また、第1反射面431と第2反射面432とが交差する境界部433の平面視形状は、円形状である。よって、ケース4の厚さ方向に対する第1反射面431の断面形状は、境界部433の平面視形状と同一で、かつ一様である。したがって、本実施形態にかかる貫通領域46は、支持面42、第1反射面431および境界部433により形成された形状が円柱状の部分と、端面41、第2反射面432および境界部433により形成された形状が円錐台の部分とによって形成される。
【0079】
本実施形態においては、搭載面211に沿った方向において、素子主面311の中央から第1反射面431までの距離は、LEDパッケージA10における素子主面311の中央から支持面42と反射面43との境界までの距離に等しい。また、本実施形態においては、基板1の厚さ方向において、素子主面311は境界部433と基板1の主面11との間に位置している。
【0080】
本実施形態によっても、LEDパッケージA20の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、本実施形態にかかる反射面43は、支持面42から起立している第1反射面431と、端面41および第1反射面431につながり、かつ支持面42に対して傾斜している第2反射面432とを含む。このような構成をとることによって、基板1およびケース4の平面視寸法を、LEDパッケージA10の当該寸法よりも小とすることができる。したがって、LEDパッケージA20は、LEDパッケージA10よりもさらに小型化とすることができる。
【0081】
〔第2実施形態の第1変形例〕
図11に基づき、本発明の第2実施形態の第1変形例にかかるLEDパッケージA21について説明する。
図11は、LEDパッケージA21の断面図であり、その断面位置は
図9と同一である。
【0082】
本変形例のLEDパッケージA21は、先述したLEDパッケージA20に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料および形状などは、先述したLEDパッケージA11と同様である。なお、LEDパッケージA21の基板1には、LEDパッケージA20と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0083】
本変形例によっても、LEDパッケージA21の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA21は、貫通領域46の一部を充填する封止樹脂7を備えることによって、LEDパッケージA11と同様の作用効果が得られ、LEDパッケージA20よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0084】
〔第2実施形態の第2変形例〕
図12に基づき、本発明の第2実施形態の第2変形例にかかるLEDパッケージA22について説明する。
図12は、LEDパッケージA22の断面図であり、その断面位置は
図9と同一である。
【0085】
本変形例のLEDパッケージA22は、先述したLEDパッケージA20に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料および形状などは、先述したLEDパッケージA12と同様である。なお、LEDパッケージA22の基板1には、LEDパッケージA20と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0086】
本変形例によっても、LEDパッケージA22の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA22は、貫通領域46の全部を充填する封止樹脂7を備えることによって、LEDパッケージA12と同様の作用効果が得られ、先述したLEDパッケージA21よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0087】
〔第3実施形態〕
図13〜
図16に基づき、本発明の第3実施形態にかかるLEDパッケージA30について説明する。
図13は、LEDパッケージA30の平面図であり、理解の便宜上、蓋5を省略している。
図14は、LEDパッケージA30の底面図である。
図15は、
図13のXV−XV線に沿う断面図である。
図16は、
図13のXVI−XVI線に沿う断面図である。なお、
図15および
図16においては、蓋5を省略せずに図示している。本実施形態においては、LEDパッケージA30は、平面視矩形状である。
【0088】
本実施形態にかかるLEDパッケージA30は、先述したLEDパッケージA10に対し、基板1、導電部21およびケース4の構成が異なる。本実施形態にかかる基板1は、
図13、
図15および
図16に示すように、主面11、実装面12および複数の基板側面13に加えて、開口部14を有する。開口部14は、主面11から窪む部分であり、本実施形態においては、主面11から実装面12に至って貫通している。開口部14から導電部21の搭載面211が露出し、搭載面211にLED素子31が搭載される。したがって、本実施形態においては、LED素子31の一部が開口部14に収容されている。
【0089】
本実施形態にかかる導電部21は、
図14〜
図16に示すように、めっき層212に加えて金属箔213を含む。金属箔213は、一部が基板1の実装面12から開口部14を塞ぎ、他の部分が実装面12に接する部分である。このため、開口部14は、金属箔213により実装面12から閉塞されている。金属箔213は、全体がめっき層212に覆われている。本実施形態においては、金属箔213はCuからなる。金属箔213は、実装面12に接着剤などで固定されている。この場合において、主面11に形成された導電部21は、
図13の右側に示すボンディングワイヤ6が接続された部分のみとなり、当該部分と実装面12に形成された金属箔213とを互いに導通させるための連絡導電部22が基板1内に形成されている。
図15に示す連絡導電部22の上端がめっき層212に接し、
図15に示す連絡導電部22の下端が金属箔213に接している。
【0090】
なお、本実施形態にかかるケース4の構成は、先述したLEDパッケージA20と同一である。
【0091】
本実施形態によっても、LEDパッケージA30の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、本実施形態によれば、基板1には開口部14が形成され、一部が開口部14に収容されるようにLED素子31が搭載面211に搭載されている。このような構成をとることによって、素子主面311の中央からレンズ部53までの鉛直距離が、LEDパッケージA10およびLEDパッケージA20よりも長く確保される。すなわち、LED素子31の発光部からレンズ部53までの焦点距離が長く確保されるため、LEDパッケージA30は、LEDパッケージA10およびLEDパッケージA20よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0092】
LEDパッケージA30のケース4の構成は、LEDパッケージA20のケース4の構成と同一であるため、LEDパッケージA30の寸法について、LEDパッケージA20の寸法と同程度とすることができる。
【0093】
〔第3実施形態の第1変形例〕
図17に基づき、本発明の第3実施形態の第1変形例にかかるLEDパッケージA31について説明する。
図17は、LEDパッケージA31の断面図であり、その断面位置は
図15と同一である。
【0094】
本変形例のLEDパッケージA31は、先述したLEDパッケージA30に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料および形状は、先述したLEDパッケージA11と同様である。この場合において、開口部14の全部が封止樹脂7により充填されている。なお、LEDパッケージA31の基板1には、LEDパッケージA30と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0095】
本変形例によっても、LEDパッケージA31の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA31は、貫通領域46の一部を充填する封止樹脂7を備えることによって、LEDパッケージA11と同様の作用効果が得られ、LEDパッケージA30よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0096】
〔第3実施形態の第2変形例〕
図18に基づき、本発明の第3実施形態の第2変形例にかかるLEDパッケージA32について説明する。
図18は、LEDパッケージA32の断面図であり、その断面位置は
図15と同一である。
【0097】
本変形例のLEDパッケージA32は、先述したLEDパッケージA30に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料は、先述したLEDパッケージA12と同様である。この場合において、貫通領域46および開口部14の全部が封止樹脂7により充填されている。なお、LEDパッケージA32の基板1には、LEDパッケージA30と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0098】
本変形例によっても、LEDパッケージA32の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA32は、貫通領域46および開口部14の全部を充填する封止樹脂7を備える。これによりLEDパッケージA32には、LEDパッケージA12と同様の作用効果が得られ、先述したLEDパッケージA31よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0099】
〔第4実施形態〕
図19〜
図22に基づき、本発明の第4実施形態にかかるLEDパッケージA40について説明する。
図19は、LEDパッケージA40の平面図であり、理解の便宜上、蓋5を省略している。
図20は、LEDパッケージA40の底面図である。
図21は、
図19のXXI−XXI線(
図19に示す一点鎖線)に沿う断面図である。
図22は、
図19のXXII−XXII線に沿う断面図である。なお、
図21および
図22においては、蓋5を省略せずに図示している。本実施形態においては、LEDパッケージA40は、平面視矩形状である。
【0100】
本実施形態にかかるLEDパッケージA40は、先述したLEDパッケージA10に対し、基板1の平面視寸法およびケース4の構成が異なるとともに、ツェナーダイオード33を備える。基板1の平面視寸法は、LEDパッケージA10および先述したLEDパッケージA20の基板1の平面視寸法よりも、さらに小とされている。
【0101】
図21および
図22に示すように、本実施形態にかかるケース4は、LEDパッケージA20のケース4を基としたものである。このため、ケース4の反射面43は、第1反射面431および第2反射面432を含む構成となっている。また、本実施形態にかかるケース4は、中間面481および内側面482を有する。中間面481は、支持面42から端面41に向かって窪み、かつ一端が反射面43(本実施形態においては第2反射面432)につながる平たん面である。中間面481は、基板1の主面11に対向している。内側面482は、支持面42から起立し、かつ中間面481および支持面42を相互につなぐ面である。
図19に示すように、本実施形態にかかる内側面482は、第1反射面431に滑らかにつながっている。また、中間面481および内側面482には、ともに鏡面めっき層44により覆われている。
【0102】
図19、
図21および
図22に示すように、本実施形態にかかるケース4は、中間面481、内側面482および支持面42によって形成された中空領域である凹部48を有する。凹部48は、貫通領域46に通じている。この場合において、LED素子31と導電部21とを接続するボンディングワイヤ6の一部が、凹部48に収容されている。また、本実施形態においては、導電部21の搭載面211に搭載され、かつ凹部48に収容されたツェナーダイオード33を備える。
【0103】
ツェナーダイオード33は、
図19および
図21に示すように、LED素子31が搭載されている導電部21の搭載面211に搭載されている。あわせて、ツェナーダイオード33と、LED素子31およびツェナーダイオード33が搭載されていない導電部21とを接続するボンディングワイヤ6を備える。ボンディングワイヤ6は、ツェナーダイオード33とともにその全部が凹部48に収容されている。本実施形態においては、
図21および
図22に示すツェナーダイオード33の上面にn側電極(カソード)が、
図21および
図22に示すツェナーダイオード33の下面にp側電極(アノード)が形成されている。当該n側電極は、ボンディングワイヤ6を介してツェナーダイオード33が搭載されていない導電部21に導通している。また、当該p側電極は、接合層32を介してツェナーダイオード33が搭載されている導電部21に導通している。このため、ツェナーダイオード33は、LED素子31と並列接続されている。接合層32は、LED素子31と同様に、ツェナーダイオード33を導電部21の搭載面211に固着するために適用される。
【0104】
なお、
図20に示すように、基板1の実装面12に形成された導電部21の形状は、
図2に示すLEDパッケージA10における導電部21の形状に近似している。
【0105】
また、本実施形態にかかるケース4は、LEDパッケージA20のケース4を基にしたものであるが、LEDパッケージA10のケース4を基にしたものでもよい。また、先述したLEDパッケージA30で適用されているケース4を、本実施形態にかかるケース4に替えて適用してもよい。
【0106】
本実施形態によっても、LEDパッケージA40の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、本実施形態にかかるケース4は、中間面481および内側面482を有する。この場合において、LED素子31と導電部21とを接続するボンディングワイヤ6の一部が、中間面481、内側面482および支持面42によってケース4に形成された凹部48に収容されている。このような構成をとることによって、基板1およびケース4の平面視寸法を、LEDパッケージA20の当該寸法よりもさらに小とすることができる。したがって、LEDパッケージA40は、LEDパッケージA20よりもさらに小型化とすることができる。
【0107】
また、本実施形態においては、導電部21の搭載面211に搭載され、かつ凹部48に収容されたツェナーダイオード33を備える。ツェナーダイオード33は、LED素子31と並列接続されている。LEDパッケージA40においてこのような回路を構成することによって、たとえばLEDパッケージA40に対して逆方向の静電気が放電した場合、当該静電気はツェナーダイオード33を流れ、LED素子31には流れない。また、LEDパッケージA40に対して順方向の静電気が放電した場合、LED素子31に印加される電圧は常に一定の値以下となる。したがって、LEDパッケージA40に対して順方向および逆方向の静電気が放電しても、当該静電気によりLED素子31が破壊されることを防ぐことができる。あわせて、LED素子31に順方向の過電圧が印加されることを防ぐことができる。また、ツェナーダイオード33は凹部48に収容されるため、凹部48の空間を有効に活用することができる。
【0108】
〔第4実施形態の第1変形例〕
図23に基づき、本発明の第4実施形態の第1変形例にかかるLEDパッケージA41について説明する。
図23は、LEDパッケージA41の断面図であり、その断面位置は
図21と同一である。
【0109】
本変形例のLEDパッケージA41は、先述したLEDパッケージA40に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料および形状などは、先述したLEDパッケージA11と同様である。この場合において、凹部48の一部が封止樹脂7により充填されている。なお、凹部48の全部が封止樹脂7により充填されていてもよい。なお、LEDパッケージA41の基板1には、LEDパッケージA40と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0110】
本変形例によっても、LEDパッケージA41の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA41は、貫通領域46の一部を充填する封止樹脂7を備えることによって、LEDパッケージA11と同様の作用効果が得られ、LEDパッケージA40よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0111】
〔第4実施形態の第2変形例〕
図24に基づき、本発明の第4実施形態の第2変形例にかかるLEDパッケージA42について説明する。
図24は、LEDパッケージA42の断面図であり、その断面位置は
図21と同一である。
【0112】
本変形例のLEDパッケージA42は、先述したLEDパッケージA40に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料および形状などは、先述したLEDパッケージA12と同様である。この場合において、凹部48の全部が封止樹脂7により充填されている。なお、LEDパッケージA42の基板1には、LEDパッケージA40と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0113】
本変形例によっても、LEDパッケージA42の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA42は、貫通領域46の全部を充填する封止樹脂7を備えることによって、LEDパッケージA12と同様の作用効果が得られ、先述したLEDパッケージA41よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0114】
〔第5実施形態〕
図25および
図26に基づき、本発明の第5実施形態にかかるLEDパッケージA50について説明する。
図25は、LEDパッケージA50の平面図であり、理解の便宜上、蓋5を省略している。
図26は、
図25のXXVI−XXVI線(
図25に示す一点鎖線)に沿う断面図である。なお、
図26においては、蓋5を省略せずに図示している。本実施形態においては、LEDパッケージA50は、平面視矩形状である。
【0115】
本実施形態にかかるLEDパッケージA50は、先述したLEDパッケージA40に対し、ケース4の構成が異なる。なお、基板1の平面視寸法は、LEDパッケージA40と同一とされている。
【0116】
図25および
図26に示すように、本実施形態にかかるケース4は、LEDパッケージA40を基としたものである。また、本実施形態にかかるケース4には、切欠部49が形成されている。切欠部49は、貫通領域46と凹部48との間に介在し、かつ中間面481および中間面481につながる反射面43(本実施形態では第2反射面432)との各々一部ずつが除去されることによって現れる空間である。LED素子31と導電部21とを接続するボンディングワイヤ6が、切欠部49を通過している。
【0117】
本実施形態によっても、LEDパッケージA50の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、本実施形態にかかるケース4には、切欠部49が形成され、LED素子31と導電部21とを接続するボンディングワイヤ6が、切欠部49を通過している。LEDパッケージA40のような凹部48が形成されたケース4を基板1に配置するとき、LED素子31と導電部21とを接続するボンディングワイヤ6の形状によっては、このボンディングワイヤ6が中間面481に接触して損傷する可能性がある。そこで、ケース4に切欠部49を形成することによって、LED素子31と導電部21とを接続するボンディングワイヤ6が、中間面481に接触して損傷することを防ぐことができる。
【0118】
〔第5実施形態の第1変形例〕
図27に基づき、本発明の第5実施形態の第1変形例にかかるLEDパッケージA51について説明する。
図27は、LEDパッケージA51の断面図であり、その断面位置は
図26と同一である。
【0119】
本変形例のLEDパッケージA51は、先述したLEDパッケージA50に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料および形状などは、先述したLEDパッケージA11と同様である。この場合において、凹部48および切欠部49の各々一部ずつが封止樹脂7により充填されている。なお、凹部48の全部が封止樹脂7により充填されていてもよい。なお、LEDパッケージA51の基板1には、LEDパッケージA50と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0120】
本変形例によっても、LEDパッケージA51の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA51は、貫通領域46の一部を充填する封止樹脂7を備えることによって、LEDパッケージA11と同様の作用効果が得られ、LEDパッケージA50よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0121】
〔第5実施形態の第2変形例〕
図28に基づき、本発明の第5実施形態の第2変形例にかかるLEDパッケージA52について説明する。
図28は、LEDパッケージA52の断面図であり、その断面位置は
図26と同一である。
【0122】
本変形例のLEDパッケージA52は、先述したLEDパッケージA50に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料および形状などは、先述したLEDパッケージA12と同様である。この場合において、凹部48および切欠部49の全部が封止樹脂7により充填されている。なお、LEDパッケージA52の基板1には、LEDパッケージA50と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0123】
本変形例によっても、LEDパッケージA52の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA52は、貫通領域46の全部を充填する封止樹脂7を備えることによって、LEDパッケージA12と同様の作用効果が得られ、先述したLEDパッケージA51よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0124】
〔第6実施形態〕
図29〜
図31に基づき、本発明の第6実施形態にかかるLEDパッケージA60について説明する。
図29は、LEDパッケージA60の平面図である。
図30は、
図29のXXX−XXX線に沿う断面図である。
図31は、
図30の部分拡大図である。本実施形態においては、LEDパッケージA60は、平面視矩形状である。
【0125】
本実施形態にかかるLEDパッケージA60は、先述したLEDパッケージA10に対し、蓋5の構成が異なる。
【0126】
図29および
図30に示すように、本実施形態にかかる蓋5には、プリズム部54が形成されている。プリズム部54は、各々が蓋5の頂面51に対して傾斜する第1傾斜面541および第2傾斜面542を有する。
図31に示すように、第1傾斜面541および第2傾斜面542は、各々の一端が頂面51につながり、かつ各々の他端が相互につながっている。また、頂面51と第1傾斜面541とがなす鋭角αは、頂面51と第2傾斜面542とがなす鋭角βよりも小である。
【0127】
図29に示すように、プリズム部54は、平面視において一方向に延出している。また、ケース4の貫通領域46の一部がプリズム部54に重なる。本実施形態にかかるプリズム部54は、互いに離間した状態で蓋5に複数形成されている。各々のプリズム部54は、いずれも蓋5の頂面51に囲まれている。このため、本実施形態にかかる頂面51の形状は、プリズム部54が占める領域がなすスリットを複数有する枠状である。
【0128】
本実施形態にかかるLEDパッケージA60は、LEDパッケージA10の蓋5の構成を変更したものである。本実施形態にかかる蓋5は、LEDパッケージA20、A30、A40およびA50のいずれにも適用することが可能である。
【0129】
本実施形態によっても、LEDパッケージA60の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、本実施形態にかかる蓋5には、各々の一端が頂面51につながる第1傾斜面541および第2傾斜面542を有するプリズム部54が形成されている。この場合において、頂面51と第1傾斜面541とのなす鋭角αは、頂面51と第2傾斜面542とのなす鋭角βよりも小である。このような構成をとることによって、LED素子31から発せられ蓋5を透過する光が第1傾斜面541において、ある一定の方向に屈折する。したがって、LEDパッケージA60から出射される光を所定の方向に偏光させることができる。
【0130】
〔第6実施形態の第1変形例〕
図32に基づき、本発明の第6実施形態の第1変形例にかかるLEDパッケージA61について説明する。
図32は、LEDパッケージA61の断面図であり、その断面位置は
図30と同一である。
【0131】
本変形例のLEDパッケージA61は、先述したLEDパッケージA60に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料および形状などは、先述したLEDパッケージA11と同様である。なお、LEDパッケージA61の基板1には、LEDパッケージA60と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0132】
本変形例によっても、LEDパッケージA61の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA61は、貫通領域46の一部を充填する封止樹脂7を備えることによって、LEDパッケージA11と同様の作用効果が得られ、LEDパッケージA60よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0133】
〔第6実施形態の第2変形例〕
図33に基づき、本発明の第6実施形態の第2変形例にかかるLEDパッケージA62について説明する。
図33は、LEDパッケージA62の断面図であり、その断面位置は
図30と同一である。
【0134】
本変形例のLEDパッケージA62は、先述したLEDパッケージA60に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料および形状などは、先述したLEDパッケージA12と同様である。なお、LEDパッケージA62の基板1には、LEDパッケージA60と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0135】
本変形例によっても、LEDパッケージA62の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA62は、貫通領域46の全部を充填する封止樹脂7を備えることによって、LEDパッケージA12と同様の作用効果が得られ、先述したLEDパッケージA61よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0136】
〔第7実施形態〕
図34〜
図36に基づき、本発明の第7実施形態にかかるLEDパッケージA70について説明する。
図34は、LEDパッケージA70の平面図である。
図35は、
図34のXXXV−XXXV線に沿う断面図である。
図36は、
図35の部分拡大図である。本実施形態においては、LEDパッケージA70は、平面視矩形状である。
【0137】
本実施形態にかかるLEDパッケージA70は、先述したLEDパッケージA60に対し、蓋5のプリズム部54の構成が異なる。
【0138】
図34〜
図36に示すように、蓋5の頂面51は、プリズム部54と同方向に延出する中央頂面511を含む。平面視においてLED素子31の一部が中央頂面511に重なる。中央頂面511が延出する方向と直角である方向における中央頂面511の両端に、プリズム部54の各々が位置し、かつ各々のプリズム部54の第1傾斜面541がつながっている。本実施形態にかかる蓋5には、中央頂面511の両側にプリズム部54が3つずつ形成され、各々のプリズム部の第1傾斜面541は、いずれも中央頂面511を挟んでLEDパッケージA70の外側を向いている。
【0139】
本実施形態にかかるLEDパッケージA70は、LEDパッケージA60と同様に、LEDパッケージA10の蓋5の構成を変更したものである。本実施形態にかかる蓋5は、LEDパッケージA20、A30、A40およびA50のいずれにも適用することが可能である。
【0140】
本実施形態によっても、LEDパッケージA70の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、本実施形態にかかる蓋5の頂面51は、プリズム部54と同方向に延出する中央頂面511を含み、中央頂面511の両端に、プリズム部54の各々が位置し、かつ各々のプリズム部54の第1傾斜面541がつながっている。このような構成をとることによって、LED素子31から発せられ蓋5を透過する光が、中央頂面511から透過する光の方向へ集約されるように屈折する。したがって、LEDパッケージA70から出射される光の相対強度を向上させることができる。この場合において、平面視においてLED素子31の一部が中央頂面511に重なる構成にすることによって、当該相対強度をより向上させることができる。
【0141】
〔第7実施形態の第1変形例〕
図37に基づき、本発明の第7実施形態の第1変形例にかかるLEDパッケージA71について説明する。
図37は、LEDパッケージA71の断面図であり、その断面位置は
図35と同一である。
【0142】
本変形例のLEDパッケージA71は、先述したLEDパッケージA70に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料および形状などは、先述したLEDパッケージA11と同様である。なお、LEDパッケージA71の基板1には、LEDパッケージA70と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0143】
本変形例によっても、LEDパッケージA71の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA71は、貫通領域46の一部を充填する封止樹脂7を備えることによって、LEDパッケージA11と同様の作用効果が得られ、LEDパッケージA70よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0144】
〔第7実施形態の第2変形例〕
図38に基づき、本発明の第7実施形態の第2変形例にかかるLEDパッケージA72について説明する。
図38は、LEDパッケージA72の断面図であり、その断面位置は
図35と同一である。
【0145】
本変形例のLEDパッケージA72は、先述したLEDパッケージA70に対し、封止樹脂7を備える。封止樹脂7の材料および形状などは、先述したLEDパッケージA12と同様である。なお、LEDパッケージA72の基板1には、LEDパッケージA70と異なり、通気孔15が形成されていない。
【0146】
本変形例によっても、LEDパッケージA72の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。また、LEDパッケージA72は、貫通領域46の全部を充填する封止樹脂7を備えることによって、LEDパッケージA12と同様の作用効果が得られ、先述したLEDパッケージA71よりも光の取り出し効率をさらに高くすることが可能となる。
【0147】
〔第7実施形態の第3変形例〕
図39に基づき、本発明の第7実施形態の第3変形例にかかるLEDパッケージA73について説明する。
図39は、LEDパッケージA73の平面図である。
【0148】
本変形例のLEDパッケージA73は、先述したLEDパッケージA70に対し、蓋5のプリズム部54の構成が異なる。各々のプリズム部54が延出する方向における両端の平面視形状は、貫通領域46の平面視形状に沿った円弧状である。
【0149】
本変形例によっても、LEDパッケージA73の低背化や小型化を図りつつ、光の取り出し効率を高くすることが可能となる。
【0150】
本発明は、先述した実施形態やその変形例に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。