(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外部に開口して配管材の内外に連通する連通路を形成するように軸方向に延びる筒部を備え、前記連通路を閉塞するべく、前記筒部の開口部に閉塞装置が装着された配管構造であって、
前記閉塞装置は、
前記筒部に内挿され、前記筒部の内周面に沿うように軸方向に延びる周壁を有する本体部と、
前記連通路を閉塞する閉塞部と、
前記筒部の内周面と所定の距離を隔てて対向するように前記本体部の外面に形成されたビス受け部と、を備え、
前記ビス受け部と、前記ビス受け部に対向する前記筒部の内周面との間に溝部が形成され、前記溝部にビスがねじ込まれて、前記本体部が前記筒部に固定されていることを特徴とする配管構造。
前記閉塞装置は、前記周壁の外周面と前記筒部の内周面との間に介在する止水部材をさらに備え、前記止水部材よりも前記筒部の開口部側に前記ビス受け部が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の配管構造。
外部に開口して配管材の内外に連通する連通路を有するように軸方向に延びる筒部と、前記配管材の内部が常圧及び正圧の際に前記連通路を閉鎖し、前記配管材の内部が負圧の際に前記連通路を開放するように構成された通気弁からなる閉塞装置と、を備える配管構造であって、
前記通気弁の少なくとも一部が前記筒部に内挿され、前記筒部の内周面と、前記筒部の内周面に離隔して対向する前記通気弁の対向面との間の溝部にビスが螺着されており、前記ビスの頭部が前記筒部の外側に位置するとともに、前記ビスの軸部が前記筒部の内周面及び前記通気弁の対向面の両者に食い込んでいることを特徴とする配管構造。
前記配管材は、排水系を構成し、且つ、前記筒部は、2以上の排水管を接続するように複数の接続口を備えた排水管継手の一部であり、前記複数の接続口のうちの1つに前記閉塞装置が装着されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の配管構造。
【背景技術】
【0002】
一般的に、建築物に設置された台所の流し台、浴槽、トイレ等の排水系には、排水を処理するために排水管が配管されている。このような排水系の配管構造は、S字やU字に湾曲したトラップ部を有する排水管を備え、当該トラップ部に排水を溜めるように構成されている。このトラップ部に溜められた残留排水が排水管内部を塞いで排水管下流から漂う悪臭が室内へ漏れ出ないようにするとともに、排水管下流側から這い上がってくる害虫の侵入をも防いでいる。しかしながら、排水管を通って多量の水が流れる等で排水管内の気圧が下がって負圧となると、トラップ部の残留排水が吸引されて下流へと流されてしまう虞がある。このようなトラップ部における封水破壊を防止するために、排水管のトラップ部よりも下流に通気弁を配置することが行われている。そして、排水管内が負圧になったときに該通気弁を介して外気を排水管内に吸引して排水管の負圧状態を解消することにより、トラップ部の封水破壊を防止している。
【0003】
例えば、特許文献1は、配管材内の負圧をより迅速且つ確実に解消することができる通気弁を開示する。以下、当該段落において、()内に特許文献1の符号を示す。通気弁(100)は、排水管(P)に接続される通気弁本体(110)と、該通気弁本体(110)に収容され、第1磁石(M1)が連結された弁体(130)と、該弁体(130)の弁軸(135)に沿って移動可能に第2磁石(M2)を保持する第2磁石保持体(150)と、該弁体(130)を保護するように通気弁本体(110)の一端に取り付けられたカバー体(170)と、を備える。また、弁体(130)によって開放及び閉塞される円形状の通気口(112)が形成されている。該通気口(112)を縁取るように下端側に弁座(113)が設けられている。この弁座(113)に弁体(130)のパッキン(132)が密接することにより、通気口(112)が閉塞される。そして、該通気弁本体(110)の下端には、排水管(P)の接続端(P’)に接続するための接続口(119)が形成されている。接続口(119)の内筒壁(119a)が排水管(P)の接続端(P’)に嵌入することにより、通気弁(100)が排水管(P)に取着される。配管構造(10)において、排水管(P)内の負圧が大きくなると、弁体(130)を介した通気弁本体(110)の内外で圧力差が生じ、該圧力差が第1磁石(M1)及び第2磁石(M2)間の斥力を上回ると、弁体(130)が弁軸(135)の軸方向に沿って開放位置に向けて移動を開始する。弁体(130)が開放位置に移動すると、通気口(112)を介して外気を吸入する。その結果として、排水管(P)内の負圧が解消される。
【0004】
特許文献2は、小さいスペースに設置できる吸気弁装置を開示する。以下、当該段落において、()内に特許文献2の符号を示す。吸気弁装置(1)は、排水器具(3)からの排水が流れる排水管(5)に接続される分岐継手(6)と、該分岐継手(6)の分岐部(15)に形成された吸気弁嵌合口(18)に収容された吸気弁(7)とを備える。吸気弁7は、下部を構成する第1の筒部材(23)及び上部を構成する第2の筒部材(24)を有する吸気弁本体(21)と、該吸気弁本体(21)内で排水管(5)内の圧力と外気圧との圧力差によって移動可能な弁体(22)とを備える。そして、固定パッキン(38)が、第1の筒部材(23)の筒本体(25)の外周面(25a)に装着され、第1の筒部材(23)と第2の筒部材(24)とによって幅方向に押圧される。このため、固定パッキン(38)は径方向の外側へ突出するように変形している。この変形状態の固定パッキン(38)は、吸気弁本体(21)を分岐部(15)に収容する状態で、分岐部(15)と吸気弁本体(21)とを水密に固定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、排水系の配管材の漏水の有無を実施するために満水試験が採用される。この満水試験は、排水系全体に満水になるまで注水し、配管材内部に所定の水圧をかけることによって行われる。そして、配管材がその内外に連通する開口部を有し、通気弁等の閉塞装置で当該開口部が閉塞されている場合、作業効率等の観点から、閉塞装置が取着された状態で満水試験が実施されることが望ましい。しかしながら、満水試験が排水管に閉塞装置を取着した状態で実施された場合、その水圧によって閉塞装置が抜け出て、水がそこから噴き出して、満水試験が失敗する虞があった。特には、特許文献1の通気弁では、接続口の筒壁が排水管の接続端に嵌入されているだけであるので、満水試験時において、その水圧に耐えることができず、通気弁が排水管の接続端から容易に抜け出てしまう。他方、特許文献2では、固定パッキンを介して吸気弁が分岐継手に取着されていることから、両者が摩擦力によって分離し難くなっている。しかしながら、配管材内部の水圧が上昇すると、摩擦による取着だけでは不十分になり、結果的に吸気弁が排水管から抜け出る虞があった。これら従来技術に対し、接着剤で閉塞装置を排水管に接着することも可能であるが、接着剤が硬化するまでに時間がかかる点や、一旦接着すると閉塞装置を取り外すことが困難となる点など、種々の問題点があることから、採用され難い。すなわち、閉塞装置(又は通気弁)が開口部に取着された状態での満水試験に耐えるべく、閉塞装置(又は通気弁)の配管材に対する強固な連結を迅速且つ着脱容易に行えることが望ましい。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、着脱容易な状態で、配管材に対して閉塞装置又は通気弁を強固に固定した配管構造、及び、このような配管構造を構築可能に構成された通気弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の配管構造は、外部に開口して配管材の内外に連通する連通路を形成するように軸方向に延びる筒部を備え、前記連通路を閉塞するべく、前記筒部の開口部に閉塞装置が装着された配管構造であって、
前記閉塞装置は、
前記筒部に内挿され、前記筒部の内周面に沿うように軸方向に延びる周壁を有する本体部と、
(前記本体部に支持又は固定されて)前記連通路を閉塞する閉塞部と、
前記筒部の内周面と所定の距離を隔てて対向するように前記本体部の外面に形成されたビス受け部と、を備え、
前記ビス受け部と、前記ビス受け部に対向する前記筒部の内周面との間に溝部が形成され、前記溝部にビスがねじ込まれて、前記本体部が前記筒部に固定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の配管構造は、請求項1に記載の配管構造において、前記閉塞装置は、前記周壁の外周面と前記筒部の内周面との間に介在する止水部材をさらに備え、前記止水部材よりも前記筒部の開口部側に前記ビス受け部が配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の配管構造は、請求項1又は2に記載の配管構造において、前記閉塞部は、前記配管材内の圧力変動により可動し、前記連通路を選択的に閉塞及び連通させる弁体であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の配管構造は、請求項1から3のいずれかに記載の配管構造において、前記ビス受け部は、前記筒部
の内周面に対向するとともに、前記筒部
の内周面に対して凹面状に湾曲した凹曲面を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の配管構造は、外部に開口して配管材の内外に連通する連通路を有するように軸方向に延びる筒部と、前記配管材の内部が常圧及び正圧の際に前記連通路を閉鎖し、前記配管材の内部が負圧の際に前記連通路を開放するように構成された通気弁とを備える配管構造であって、
前記通気弁の少なくとも一部が前記筒部に内挿され、前記筒部
の内周面と、前記筒部
の内周面に離隔して対向する前記通気弁の対向面との間の溝部にビスが螺着されており、前記ビスの頭部が前記筒部の外側に位置するとともに、前記ビスの軸部が前記筒部
の内周面及び前記通気弁の対向面の両者に食い込んでいることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の配管構造は、請求項1から5のいずれかに記載の配管構造において、前記ビスは、前記ビスの軸部先端が前記筒部の径方向内側を向くように軸方向に対して傾斜していることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の配管構造は、請求項1から6のいずれかに記載の配管構造において、前記配管材は、排水系を構成し、且つ、前記筒部は、2以上の排水管を接続するように複数の接続口を備えた排水管継手の一部であり、前記複数の接続口のうちの1つに前記閉塞装置
が装着されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の通気弁は、外部に開口して配管材の内外に連通する連通路を形成するように軸方向に延びる筒部に取り付けられる通気弁であって、
前記筒部に内挿され、前記筒部の内周面に沿うように軸方向に延びる周壁を有する通気弁本体と、
前記通気弁本体の内部に配置され、前記配管材の内部が常圧及び正圧の際に前記連通路を閉鎖し、前記配管材の内部が負圧の際に前記連通路を開放するように動作する弁体と、
前記周壁の外周面と前記筒部の内周面との間に介在するように前記周壁の外周面に設けられた止水部材と、
前記周壁の外周面から径方向内側に後退した位置で前記通気弁本体の外面に形成されたビス受け部と、を備え、
前記ビス受け部は、前記周壁が前記筒部に内挿された際、前記筒部の内周面と協働して溝部を形成するように前記筒部の内周面と所定の距離を隔てて対向し、前記溝部は、ビスをねじ込み可能な幅を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の配管構造によれば、閉塞装置の周壁の外周面には、筒部の内周面と所定の距離を隔てて対向するようにビス受け部が設けられている。そして、ビス受け部と、該ビス受け部に対向する筒部の内周面との間に溝部が形成され、該溝部にビスがねじ込まれることによって、閉塞装置が筒部の開口部に固定されている。すなわち、該配管構造において、ビスが溝部に螺着されていることから、筒部と閉塞装置とが強固に連結されている。また、本発明では、ビスによって閉塞装置を筒部に固定する形式を採用していることから、閉塞装置の筒部への取り付け及び取り外しを迅速且つ容易に行うことができる。したがって、本発明の配管構造は、迅速且つ着脱容易に配管材に対して閉塞装置を強固に固定したものである。
【0017】
請求項2に記載の配管構造によれば、請求項1の発明の効果に加えて、止水部材よりも筒部の開口部側にビス受け部が配置されていることにより、止水部材による密封と、ビスによる強固な固定を両立することができる。
【0018】
請求項3に記載の配管構造によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、閉塞部の弁体が、配管材内の圧力変動により可動し、連通路を選択的に閉塞及び連通させることにより、配管材内部の負圧を解消することができる。
【0019】
請求項4に記載の配管構造によれば、請求項1から3のいずれかの発明の効果に加えて、溝部は、互いに対向するビス受け部の凹曲面と筒部内周壁の凹曲面によって形成されることから、ビスを螺入し易い形状を有している。
【0020】
請求項5に記載の配管構造によれば、通気弁の少なくとも一部が筒部に内挿され、筒部内周面と、該筒部内周面に対向する通気弁の対向面との間の溝部にビスが螺着されている。そして、該ビスの頭部が開口部の外側に位置するとともに、ビスの軸部が筒部内周面及び通気弁の対向面の両者に食い込んでいる。すなわち、該配管構造において、ビスが溝部に螺着されていることから、筒部と通気弁とが強固に連結されている。また、本発明では、ビスによって通気弁を筒部に固定する形式を採用していることから、通気弁の筒部への取り付け及び取り外しを迅速且つ容易に行うことができる。したがって、本発明の配管構造は、迅速且つ着脱容易に配管材に対して閉塞装置を強固に固定したものである。
【0021】
請求項6に記載の配管構造によれば、請求項1から5のいずれかの発明の効果に加えて、ビスは、その先端が筒部の径方向内方を向くように筒部の軸に対して傾斜している。すなわち、ビスは、軸方向成分の固着力に加えて、軸方向に対する垂直成分の固着力を発揮した状態で溝部内に固着される。これにより、閉塞装置又は通気弁に付加される軸方向に沿った力に対してより効果的に抵抗することが可能となる。また、ビス頭部が斜め外側を向いていることから、工具等でビスを簡単に回転させることができ、ビスの螺着及び螺脱操作が容易となる。その結果、閉塞装置又は通気弁の配管材に対する着脱がより一層容易となる。
【0022】
請求項7に記載の配管構造によれば、請求項1から6のいずれかの発明の効果に加えて、排水系において、閉塞装置又は通気弁を排水管継手に対して強固に装着することが可能である。
【0023】
請求項8に記載の通気弁によれば、筒部に内挿される周壁の外周面にビス受け部が形成され、該ビス受け部は、周壁が筒部に内挿された際、筒部の内周面と協働して溝部を形成するように筒部の内周面と所定の距離を隔てて対向する。そして、溝部はビスをねじ込み可能な幅を有している。すなわち、ビスが溝部に螺着可能であることから、ビスによって通気弁は筒部に強固に連結可能である。また、本発明では、ビスによって通気弁を筒部に固定する形式を採用していることから、通気弁の筒部への取り付け及び取り外しを迅速且つ容易に行うことができる。したがって、本発明の通気弁は、迅速且つ着脱容易に配管材に対して強固に固定可能としたものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。また、本発明における上下左右の方向は、相対的な位置を示す概念にすぎず、これらを入れ替えて適用可能であることは言うまでもない。
【0026】
本実施形態の一実施形態の配管構造10は、排水管(配管材)が配設された排水系の配管構造である。そして、配管構造10には、外部に開口して配管材11の内外に連通する連通路を形成する中空の筒部13が設けられ、連通路を閉塞するべく該筒部13の開口部に閉塞装置100が装着される(
図9参照)。本実施形態では、この閉塞装置として、該排水系の負圧を解消するために通気弁100が用いられた。しかしながら、本実施形態は、本発明の一例にすぎず、その用途、構成を限定するものではないことは言うまでもない。以下、図面に沿って、本発明の閉塞装置としての本実施形態の通気弁100の構成を説明する。
【0027】
図1(a),(b)は、本発明の一実施形態の通気弁100の斜視図である。
図2(a)〜(d)は、該通気弁100の平面図、正面図、側面図及び底面図である。
図3(a)〜(d)は、説明の便宜上、カバー体140を省略した該通気弁100の平面図、正面図、側面図及び底面図である。
図4は、該通気弁100のA−A横断面図である。
図5,
図6は、該通気弁100の径方向に沿って切断したB−B断面図及びC−C断面図である。
【0028】
通気弁100は、配管材の円筒状の筒部の開口部に固定され、配管材内の圧力変動に応じて連通路を選択的に閉塞及び連通させるように構成されている。
図1,
図2に示すとおり、通気弁100は、配管材の開口部に取り付けられる通気弁本体110と、該通気弁本体110に軸方向に対して可動式に支持された弁体120と、該弁体120を保護するように通気弁本体110の通気孔110a側の端部に取り付けられたカバー体140と、を備える。
【0029】
通気弁本体110は、その両端が開放されたとともに、軸方向に沿って延びる円筒形状を有する。つまり、通気弁本体110は、上端(配管材の外部側)に外気を配管材内部に取り入れるための通気口110aを有し、下端(配管材の内部側)に配管材に接続される接続口110bを有している。通気口110a及び接続口110bは、軸方向に対して垂直な平面上に延在している。そして、通気弁本体110の通気口110aと接続口110bとの間の空間に、弁体120を可動式に収容するための弁体収容空間110cが設けられている。
【0030】
また、通気弁本体110は、弁体収容空間110cを包囲する周壁111と、該周壁111の上端に連結され、通気口110aの開口周縁面を形成する上壁111と、該上壁111から立設した立壁113とを備えてなる。
【0031】
周壁111は、配管材の筒部に内挿され、筒部の内周面に沿うように軸方向に延びる外周面を有する。また、該周壁111の下方側の開口端面によって、下方を向いた接続口110bが形成されている。そして、
図5及び
図6に示すように、周壁111の接続口110b近傍には、周方向に延びる凹溝111aが形成されている。この凹溝111aには、環状のゴムからなる止水部材118が収容されている。該止水部材118は、周壁111外周面から僅かに突出しており、通気弁100の装着時に配管材筒部の内周面に潰れて密着し、通気弁本体110と配管材との間を止水するように機能する。
【0032】
上壁112は、所定の径で開口する通気口110aの周囲で上方を向くように環帯状に延在している。また、上壁112の通気弁本体110内側の通気口110a周縁には、本体側挟持面115が設けられている。すなわち、
図5及び
図6に示すように、通気弁本体110内側の上壁112の開口周縁面には、弁体120に対向するように、環帯状の本体側挟持面115が定められている。本体側挟持面115は、断面視において、軸方向に対して外周側が下がるように傾斜して直状に延在し、斜め下方向(径方向内側且つ軸方向下側)を向いている。
【0033】
また、上壁112上面には、
図3及び
図4に示すように、等間隔で径方向中心に向かって延びる3本の梁状部112aが形成されている。これら梁状部112aによって、通気口110aの中心に本体側磁石保持部117が支持されている。また、
図5及び
図6に示すように、該本体側磁石保持部117には、上下に貫通し、弁体120の弁軸123を挿通する軸孔117aが設けられている。そして、該本体側磁石保持部117において、環状の本体側磁石117bが軸孔117aの周囲の溝に嵌着されて保持されている。該本体側磁石117bは、ネオジム磁石等の永久磁石からなり、後述する弁体側磁石124aに斥力を作用するように機能する。
【0034】
立壁113は、互いに対向するように一対で該上壁111の径方向略中央から立設している。この一対の立壁113は、平面視において、径方向内側に凹曲面を向けるように円弧形状を有する。つまり、周壁111の外周面、上壁112の内周縁及び立壁113の外側面が(異なる径の)同心円上に位置している。立壁113の外側面は、周壁111の外周面から径方向内側に後退した位置にある。各立壁113の外側面には、ビス150を受けるためビス受け部114が形成されている。各ビス受け部114は止水部材118よりも軸方向上側(配管材の外部側)に配置されている。また、ビス受け部114は、径方向外方を向くとともに凹状に湾曲した凹曲面を備える。このビス受け部114の凹曲面と周壁111外周面との(平面視上の)距離は、ビス150径以下に定められている。そして、ビス受け部114の凹曲面の曲率半径は、ビス150の(谷部の)軸径に対応していることが好ましい。さらに、立壁113の上端には、カバー体140を嵌合式に固定するための連結片113aが上方に突出するように設けられている。
【0035】
そして、通気弁本体110内部には、該本体側挟持面115を覆うようにパッキン130が取り付けられている。パッキン130は、中央に開口を有する弾性変形可能なゴム又は軟質の合成樹脂からなる環状体である。
図7(a)〜(e)は、通気弁100のパッキン130の斜視図、平面図、側面図、底面図及びD−D断面図である。
図7に示すように、パッキン130は、内周側に位置する封止部131と、その外周側に位置し、通気弁本体110に固定される固定部138とからなる。封止部131は、固定部138に隣接する基端131aから先端131b(開口の内周端)にかけて延在している。封止部131は、径方向に沿って切断した断面視において、軸方向に対して外周側が下がるように傾斜して略直線状に延在し、斜め上方を向いた直状の第1面132(上面)及び斜め下方を向いた直状の第2面133(下面)を有している。これら第1面132及び第2面は互いに平行である。そして、
図5及び
図6に示すように、パッキン130の封止部131が、通気弁本体110の内壁面から径方向内側に延び出て、本体側挟持面115を覆っている。他方、パッキン130の固定部138が、通気弁本体110の内壁面(周壁111,上壁112)の内部に埋め込まれて固定されている。すなわち、パッキン130の封止部131の基端131a及び先端131bがそれぞれ固定端及び自由端となる。該封止部131は、本体側挟持面115に対して近接又は離隔するように弾性変形可能である。
【0036】
弁体120は、通気弁本体110の弁体収容空間110cに収容され、軸方向に沿って移動するように通気弁本体110に支持されている。弁体120は、平面視円形のカップ状に形成された弁体本体121と、該弁体本体121の中心から上方に延びる弁軸123と、該弁軸123の上端に形成された弁体側磁石保持部124とを備える。
【0037】
そして、弁体本体121の外周側の上面には、弁体側挟持面122が形成されている。
図5及び
図6に示すように、弁体側挟持面122は、径方向に沿って切断した断面視において、軸方向に対して外周側が下がるように傾斜して直状に延在し、斜め上方向(径方向外側且つ軸方向上側)を向いている。すなわち、弁体側挟持面122は、パッキン130を挟んで通気弁本体110の本体側挟持面115に対向している。そして、弁体側挟持面122及び本体側挟持面115が互いに略平行となるように通気口110aが延在する平面に対して傾斜している。
【0038】
弁軸123は、
図4から
図6に示すとおり、通気口110aの中心軸上に配置され、通気弁本体110の本体側磁石保持部117の軸孔117aを貫通している。そして、弁軸123の上端には、本体側磁石保持部117の上方に位置し、軸孔117aの径よりも大きく拡径した弁体側磁石保持部124が設けられている。弁体側磁石保持部124は、内部に弁体側磁石124aを保持している。該弁体側磁石124aは、ネオジム磁石等の永久磁石からなる。該弁体側磁石124aは、本体側磁石117bに対して互いに反発するように配置されている。つまり、本体側磁石117b及び弁体側磁石124aの対向する磁極が同じである。そして、本体側磁石117b及び弁体側磁石124aの間に磁気的斥力(反発力)が生じ、磁力によって弁体120が上方に浮き上がるように付勢されている。その結果、弁体本体121の弁体側挟持面122が、パッキン130に圧接して、通気口110aを閉塞している。これに対し、(一般に、配管材内部が負圧になった際)磁力を超える下方向の力が弁体120に対して付加されると、軸方向に沿って弁体120が下方に移動し、弁体側挟持面122がパッキン130から離隔して通気口110aが開放される。このとき、弁軸123が軸孔117aを移動することから、弁体120の軸方向の移動が本体側磁石保持部117によって安定的にガイドされる。
【0039】
カバー体140は、通気弁本体110内部及び弁体120を保護又は防塵するために、通気口110aを上方から覆うように構成されている。該カバー体140は平面視円形状を有している。該カバー体140の外周側には、2つのスリット状の連結孔141が穿設されている。また、カバー体140の外周縁における該2つの連結孔141の径方向外側には、2つの切り欠き部142が平面略視矩形状にそれぞれ切り欠き形成されている。そして、該連結孔141に通気弁本体110の連結片113aが嵌合することにより、カバー体140が通気弁本体110に着脱可能に嵌着されている。また、各切り欠き部142内には、C字状のビス保持部143が形成されている。そして、
図1及び
図2に示すように、2本のビス150が2つのビス保持部143にそれぞれ保持されている。後述するとおり、2本のビス150は、通気弁100を配管材筒部に固定する際、ビス保持部143から取り外される。
【0040】
図8は、本実施形態の通気弁100の分解斜視図である。
図8に示すとおり、通気弁本体100は、上部分割体110−1と下部分割体110−2とを組み合わせてなる。上部分割体110−1は、下端に雌ねじ部を有し、下部分割体110−2は上端に雄ネジ部を有し、上部分割体110−1及び下部分割体110−2が互いに螺合可能である。そして、パッキン130を上部分割体110−1及び下部分割体110−2の間に挟み込むようにして、上部分割体110−1及び下部分割体110−2を螺合することにより、パッキン130の固定部138が壁内に埋め込まれるように固定されて、通気弁本体110が構築される。さらに、弁体120の弁軸123を下方から通気弁本体110の軸孔117aに挿入し、該弁軸123の上端に弁体側磁石保持部124を螺着又は接着することにより、弁体120が通気弁本体110によって脱落防止に支持される。そして、カバー体140の連結孔141に対して、通気弁本体110の立壁113先端から上方に延び出る連結片113aを挿入することにより、カバー体140が通気弁本体110に着脱自在に嵌着される。こうして、通気弁100が構築される。なお、本実施形態の上部分割体110−1、下部分割体110−2、弁体120及びカバー体140は、硬質の合成樹脂材料を成形してなるが、本発明はこれに限定されず、当業者であれば、その材質は任意に選択可能である。
【0041】
続いて、
図9及び
図10を参照して、本実施形態の通気弁100を配管材の筒部に固定して、配管構造を構築する方法を説明する。
図9に示すように、本実施形態では、2本の排水管11が三方に分岐した排水管継手12を介して接続されている。排水管継手12は、3つの接続口を有し、そのうちの2つの接続口に2本の排水管11が接続され、1つの接続口が上方に開口している。すなわち、(排水管の一種である)排水管継手12には、外部に開口し、配管材(排水管11又は排水系)の内外に連通する連通路を形成するように軸方向に延びる筒部13が設けられている。この中空の筒部13には、連通路を選択的に閉塞するべく、閉塞装置(通気弁100)が装着される。
【0042】
まず、ビス150をカバー体140のビス保持部143から取り外すとともに、通気弁100の接続口110bを筒部13の開口部に連通させるように、通気弁本体110を筒部13内に挿入する。このとき、通気弁100の中心軸と筒部13の中心軸とを合致させる。そして、ビス受け部114が筒部13内部に完全に進入するまで通気弁本体110が筒部13内に押し込まれることが好ましい。
図10に示すように、通気弁100が筒部13に十分に挿入された状態では、ビス受け部114は止水部材118よりも筒部13の開口部側に配置されている。また、ビス受け部114の凹曲面と、該ビス受け部114に対向する筒部13の内周面との間に溝部が形成されている。該溝部は、上方(筒部13の外部側)に開口又は露出し、ビス150をねじ込み(螺入)可能な幅(径)を有している。つまり、溝部の幅は、ビス150のネジ山の径よりも小さく、且つ、ビス150の軸部が螺進可能な大きさを有している。換言すれば、溝部は仮想のビス孔として機能する。
【0043】
次いで、
図10に示すように、通気弁本体110の軸方向に対してビス150を傾斜させ、2本のビス150を軸部先端が径方向内側に傾いた姿勢で進行させて、各溝部にねじ込む。このとき、カバー体140の外周縁が部分的に後退した切り欠き部142を介して、ドライバー等の工具でビス150の頭部を回転操作してビス150を溝部の奥に螺進させることができる。そして、各ビス150の頭部が筒部13の開口部周縁に当接するまでビス150を溝部内で十分に螺進させる。その結果として、
図11に示すように、通気弁100が筒部13に強固に固定された配管構造10が構築される。
【0044】
図11は、通気弁100を筒部13に固定した配管構造10の断面図である。
図11に示すとおり、閉塞状態の配管構造10では、筒部13内周面と、該筒部13内周面に離隔して対向する通気弁100の対向面(ビス受け部114の凹曲面)との間の溝部にビス150が螺着されている。具体的には、ビス150の頭部が筒部13の外側に位置し、筒部13の開口部端縁に当接するとともに、ビス150の軸部(ネジ山)が筒部13内周面及び通気弁100の対向面の両者に食い込んでいる。このビス150の肉部への食い込みにより、ビス150が溝部から簡単に抜け出ることはない。また、ビス150は、その軸部先端が筒部13の径方向内側を向くように傾斜している。すなわち、ビス150が軸方向から僅かに傾斜した方向で溝部内に固着されていることから、ビス150による軸方向成分の固着力に加えて、該軸方向に対する垂直成分の固着力も発揮される。これにより、通気弁100への筒部13の軸方向の力に対して、より効果的に抵抗することができる。したがって、本実施形態の配管構造10では、満水試験における水圧に耐えうるように、通気弁100が筒部13に強固に固定されている。なお、本実施形態の配管構造10において、水圧がかかる満水試験時のみにビス150で通気弁100が筒部13に固定され、満水試験後にビス150が取り除かれてもよい。あるいは、常時、ビス150で通気弁100が筒部13に固定されてもよい。
【0045】
また、
図11では、配管構造10の排水管11の内部が常圧又は正圧であり、通気弁100の弁体120が通気口110aを密閉し、通気弁100によって排水管11の内外に連通する連通路が閉塞されている。また、止水部材118が筒部13内周面に圧接して潰れ、通気弁本体110の周壁111外周面と筒部13内周面とが止水されている。このように排水管11が負圧でない閉塞状態では、磁力による付勢力が、弁体120に作用する開放方向の力を上回り、弁体120が通気口110aを定常的に閉塞している。そして、該配管構造10では、排水管11の下流から漂う悪臭が室内へ漏れ出ないようにするとともに、排水管11下流側から這い上がってくる害虫の侵入をも防いでいる。
【0046】
そして、定常的な閉塞状態から排水管11内の負圧が大きくなると、該排水管11に連通する通気弁本体110内の弁体収容空間110cも同様に負圧になる。これにより、弁体120(及び通気口110a)を介した通気弁本体110の内外で圧力差が生じ、この圧力差が弁体120を開放方向に移動させるように作用する。そして、弁体120に作用する開放方向の力が、磁石117b、124a間の斥力を上回ると、弁体120が軸方向に沿って開放位置に向けて移動を開始する。この弁体120の移動に伴って弁体側磁石保持部124が軸方向に沿って本体側磁石保持部117に近接移動する。そして、
図12に示すように、弁体120が十分に開放した開放位置に到達して、通気口110aを介して外気を吸入する。該弁体120が開放位置にあるとき、パッキン130が通気弁本体110の内部に取着されていることから、パッキン130の表面が外部にほとんど露出していない。つまり、弁体本体の上面にパッキンが取着されている場合と比べて、パッキンが外部に露出される割合が非常に少ないことから、パッキン130への汚水等の付着が効果的に軽減される。また、開放状態において、本体側磁石保持部117及び弁体側挟持面122が軸方向から斜めに傾斜していることから、傾斜した通気路が形成され、空気の流通が効率的となる。さらに、パッキン130が弁体120でなく、通気弁本体110に取り付けられていることにより、弁体120が相対的に軽量となる。これにより、弁体120の初動が早くなったり、弁体120の微小な動作が可能になるなど、弁体120の動作が軽快となる。その結果として、排水管11内の負圧がより確実且つ迅速に解消される。
【0047】
排水管11内の負圧が解消されると、負圧に起因する弁体120に作用する力がなくなり、本体側磁石保持部117及び弁体側磁石保持部124の斥力によって、弁体120が
図11で示した閉塞位置に復帰する。
【0048】
以下、本発明に係る一実施形態の配管構造10(通気弁100)における作用効果について説明する。
【0049】
本実施形態の配管構造10(通気弁100)によれば、通気弁100の少なくとも一部が排水管11の筒部13に内挿され、筒部13内周面と、該筒部13内周面に対向する通気弁100の対向面(ビス受け部114凹曲面)との間の溝部にビス150が螺着されている。そして、該ビス150の頭部が筒部13の開口部の端縁に当接するとともに、ビス150の軸部が筒部13内周面及び通気弁100の対向面の両者に食い込んでいる。また、ビス150は、その先端が筒部13の径方向内方を向くように筒部13の軸に対して傾斜している。すなわち、ビス150は、軸方向成分の固着力に加えて、軸方向に対する垂直成分の固着力を発揮した状態で溝部内に固着される。これにより、通気弁100に付加される軸方向に沿った力に対してより効果的に抵抗することが可能となる。すなわち、該配管構造10において、ビス150が溝部に螺着されていることから、筒部13と通気弁100とが強固に連結されている。また、ビス150を溝部に螺着又は螺脱させることにより、筒部13と通気弁100とを連結又は分離可能であることから、配管構造10を迅速且つ容易に構築又は分解することができる。特には、ビス150頭部が斜め外側を向いていることから、工具等でビス150を簡単に回転させることができ、ビス150の螺着及び螺脱操作が容易となる。その結果、通気弁100の配管材11に対する着脱がより一層容易となる。したがって、本実施形態の配管構造10は、迅速且つ着脱容易に配管材11に対して通気弁100を強固に固定したものである。
【0050】
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形例を取り得る。以下、本発明の変形例を説明する。なお、各変形例において、三桁で示される構成要素において下二桁が共通する構成要素は、説明がない限り、同一又は類似の特徴を有し、その説明を一部省略する。
【0051】
(1)本発明の配管構造を構成する閉塞装置は、上記実施形態の通気弁の構成に限定されない。例えば、
図13は、別実施例として配管構造20を示している。配管構造20は、外部に開口して配管材21の内外に連通する連通路を形成するように軸方向に延びる筒部23を備え、連通路を閉塞するべく、筒部23の開口部に閉塞装置200が装着されている。閉塞装置200は、筒部23に内挿され、筒部23の内周面に沿うように軸方向に延びる周壁211を有する本体部210と、周壁211の内側に配置されて連通路を閉塞する閉塞部220と、筒部23の内周面と所定の距離を隔てて対向するように本体部210の外面(立壁213)に形成されたビス受け部214と、を備える。本変形例の配管構造20では、本体部210及び閉塞部220が一体的に形成されており、閉塞装置200は筒部23開口部を常時閉塞するように取着されている。ビス受け部214と、該ビス受け部214に対向する筒部23の内周面との間に溝部が形成され、該溝部にビス240がねじ込まれて、本体部210が筒部13に固定されている。したがって、本実施形態の配管構造20は、迅速且つ着脱容易に配管材21に対して閉塞装置200を強固に固定したものである。
【0052】
(2)上記実施形態の配管構造では、ビスがその軸部先端が筒部の径方向内側を向くように軸方向に対して傾斜して固着されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明において、ビスが斜めでなく軸方向に沿って固着されてもよい。この場合であっても、ビスの螺着によって、簡単且つ迅速に、通気弁(閉塞装置)を筒部に対して強固に固定可能である。
【0053】
(3)本発明の通気弁又は閉塞装置のビス受け部は、上記実施形態の構成に限定されることはない。すなわち、ビス受け部は、凹曲面を有していなくてもよく、筒部内周面と協働して溝部を構成可能ある限り、任意の形状をとり得る。例えば、ビス受け部は、ビスをねじ込み可能な幅の溝を形成可能であれば、平面や凸曲面であってもよい。
【0054】
(4)本実施形態では、封止手段として通気弁本体にパッキンが取着されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、パッキンの上面全体が通気弁本体の本体側挟持面に接着されてもよい。あるいは、パッキンは、本体側挟持面でなく、弁体側挟持面に形成されてもよい。また、パッキンを省略して、弁体本体を軟質な材料としてもよい。すなわち、本発明の技術的範囲の下で、当業者であれば、任意の封止手段(パッキン)を採用可能である。
【0055】
(5)本実施形態では、通気弁の弁体は、磁石の斥力によって閉塞方向に付勢されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、弁体の付勢は、本発明の技術的範囲の下で、バネ等の他の機構によって行われてもよい。
【0056】
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。すなわち、本発明の技術的範囲の下で、本実施形態の一部の構成が省略又は修正されてもよく、あるいは、他の構成が追加されてもよい。