(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の箱詰め装置は、一度に二つの食品(胡瓜)しか保持できない。このため、この箱詰め装置で、おにぎりおよびサンドイッチなどの食品をコンテナに詰め込むことを想定した場合、生産性が低下してしまうおそれがある。
【0006】
また、特許文献2の箱詰め装置及び特許文献3のロボットハンドは、一度に二つ以上(6個)の食品を保持することができるが、食品を横に並べた状態で保持するため、食品の詰め込み作業を行うために広い作業スペースが必要になるという問題がある。
【0007】
また、食品本体が袋体に収容されている場合は、食品を容器に詰め込む際に食品の袋体が確実に保持されている必要がある。
【0008】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、限られた作業スペースにおいて、食品を確実に保持し、食品の詰め込み作業の効率化を図る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある形態に係る食品の保持装置は、食品本体が袋体に収容された食品の保持装置であって、所定位置において所定方向に重ねられた複数の前記食品の袋体の各々の頂部を、前記所定方向に沿って挟み込んで保持するように構成された複数対の保持部材を備え、前記所定方向において互いに隣接する二対の保持部材が、前記所定方向と直交する方向において異なる位置にある。
【0010】
上記構成によれば、複数対の保持部材により、所定位置において所定方向に重ねられた複数の食品の袋体の各々の頂部が、所定方向に沿って挟み込んで保持される。ここで所定方向において互いに隣接する二対の保持部材が、所定方向と直交する方向において異なる位置にあるので、食品の保持動作の際に互いに干渉することはない。これにより、袋体に収容された食品を確実に保持することができる。
【0011】
前記複数対の保持部材の各々は、基部と、前記基部に対して前記所定方向に駆動可能に取り付けられた一対の保持アームと、一対の保持アームの各々の先端に設けられた一対の先端部と、を備えるようにしてもよい。
【0012】
上記構成によれば、食品の保持動作の際に一対の保持アームが互いに干渉することはない。
【0013】
前記複数対の保持部材は、各前記食品の袋体の頂部の二点以上を保持するために、食品毎に前記所定方向に直交する方向に少なくとも二対設けられ、前記複数対の保持部材は、前記所定方向に沿って平面視で千鳥状に配置されていてもよい。
【0014】
上記構成によれば、複数対の保持部材が、各前記食品の袋体の頂部の二点以上を保持するために所定方向に直交する方向に少なくとも二対設けられ、所定方向に沿って平面視で千鳥状に配置されるので、食品の保持動作の際に互いに干渉することなく、確実に保持することができる。
【0015】
上記食品の保持装置は、前記食品本体の所定の第1の面を水平にした第1姿勢で前記食品を保持し、且つ、前記第1姿勢から前記食品本体の前記第1の面とは異なる第2の面を水平にした第2姿勢に前記食品の姿勢を変更可能に構成された第1保持部と、前記第1保持部により前記第2姿勢で保持された前記食品を、前記所定位置に順次供給するように構成された食品供給部と、を更に備え、前記複数対の保持部材が、前記所定位置に第2姿勢で供給された前記複数の食品の袋体の各々を前記所定方向に重ねて保持するようにしてもよい。
【0016】
上記構成によれば、まず、食品本体の第1の面(例えば丸型おにぎりの平面)を水平にした第1姿勢(例えば伏姿勢)で食品が保持される。次に、第1姿勢から食品本体の第2の面(例えば丸型おにぎりの側面)を水平にした第2姿勢(起立姿勢)に食品の姿勢が変更される。そして、第2姿勢で保持された食品が所定の位置に順次供給される。所定位置に第2姿勢で供給された複数の食品の袋体の各々が所定方向に重ねて保持される。これにより、袋体に収容された食品を第2姿勢(起立姿勢)で確実に保持し、所定の容器に効率的に収容することができる。
【0017】
前記第1保持部は、基部と、水平な回転軸線を有する回転関節と、前記回転関節により前記基部に対して回動可能に連結された先端部と、前記先端部に設けられ前記食品を吸着保持する1又は複数の吸着ヘッドと、を有するようにしてもよい。
【0018】
上記構成によれば、第1保持部の先端部に設けられた吸着ヘッドにより第1姿勢の食品を収容する袋体が吸着保持されるとともに、回転関節により、例えば基部に対して先端部を90度回動させることにより、食品の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に変更することができる。
【0019】
上記食品の保持装置は、前記第1保持部を先端に有する第1アームと、前記第2保持部を先端に有する第2アームと、を備えたロボットにより構成されていてもよい。
【0020】
上記構成によれば、双腕ロボットにより食品の詰め込み作業を実現できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、以上に説明した構成を有し、限られた作業スペースにおいて、食品を確実に保持し、食品の詰め込み作業の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したものである。さらに、一対のアームを広げた方向を左右方向と称し、基軸の軸心に平行な方向を上下方向と称し、左右方向および上下方向に直交する方向を前後方向と称する。
【0024】
(実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る食品40の保持装置10の全体の構成を概略的に示す平面図である。
図1に示すように、食品40の保持装置10は、複数の食品40のトレイ41への詰め込み作業に使用される。本実施形態ではロボット11により本発明に係る食品40の保持装置10を構成した場合について説明する。ロボット11は、ベース12に支持された一対のロボットアーム13,13を備えた双腕ロボットである。ただし、食品40の保持装置10はロボット11により構成される場合に限定されない。なお、このロボット11について、水平多関節型の双腕ロボットを説明するが、水平多関節型・垂直多関節型などのロボットを採用することができる。ロボット11は、人一人分に相当する限られたスペース(例えば610mm×620mm)に設置することができる。
【0025】
ロボット11の正面左側にはロボット11の作業台50が配置されている。作業台50は、平面視で略正方形であり、ベース12の前面に取り付けられている。作業台50の上の所定の位置には平面視で矩形状のシート50aが配置されている。ロボット11の正面には第1ベルトコンベア51が配置され、ロボット11の左側方には第2ベルトコンベア52が配置されている。本実施形態では、一対のロボットアーム13,13の「作業領域」は、平面視で、作業台50、第1ベルトコンベア51のロボット11側の一部の領域、第2ベルトコンベア52を覆う領域である。第1ベルトコンベア51は食品40をロボット11の正面前方から手前まで移送するための装置であり、前後方向に延びている。第2ベルトコンベア52はトレイ41をロボット11の左側方から左後方まで移送するための装置であり、前後方向に延びている。また、本例においてトレイ41は40個(8×5)の食品40を収納可能な容器であるが、トレイ41の収納容積はこれに限られない。また、上方が開口した容器であれば、その他の容器であってもよい。
【0026】
また、食品40は、食品本体が袋体に収容された食料品である。
図2は、
図1の食品40を概略的に示す斜視図である。
図2に示すように、食品本体は、第1面部40aと当該第1面部40aに垂直な第2面部40bとを有する。本実施形態の食品40は、食品本体が袋体に収容された円柱状の丸型おにぎりである。食品本体の第1面部40aは、互いに平行な2つの円状平面で構成される。食品本体の第2面部40bは、2つの第1面部40aの外周を囲む曲面で構成される。尚、第1面部40aと第2面部40bが垂直である、又は、第1面部40aが互いに平行であるとは、厳密な垂直又は平行に限定されず、僅かな傾きを許容するものである。
【0027】
この実施形態では、食品40は、第1ベルトコンベア51によって、第1面部40aを水平にした第1姿勢で搬送される。第1姿勢は食品本体の円形の第1面部40aを下にした伏姿勢である。一般に食品40出荷前には安全性確保のため、異物検査が行われる。例えばX線検査では食品40の上方からX線を照射するので、食品40の姿勢は伏姿勢が適している。本実施形態では第1ベルトコンベア51により、食品40を伏姿勢で搬送しながら検査装置(図示せず)の下を通過させる。その後、食品40の姿勢は、後述するように食品40の保持装置10により、第1姿勢から第2面部40bを水平にした第2姿勢に変更される。第2姿勢は本体の第2面部40bを下にした起立姿勢である。
【0028】
図3は、ロボット11の一例の全体的な構成を概略的に示す正面図である。
図3に示すように、ロボット11は、台車に固定されたベース12と、ベース12に支持された一対のロボットアーム(以下、単に「アーム」と記載する場合がある)13、13と、ベース12内に収納された制御装置14と、真空発生装置60とを備えている。真空発生装置60は、たとえば、真空ポンプやCONVUM(登録商標)など、後述する吸着ヘッド22に負圧を発生させる装置である。各アーム13は、ベース12に対して移動可能に構成された水平多関節型ロボットアームであって、アーム部15とリスト部17とハンド部18、19とを備えている。なお、右のアーム13および左のアーム13は、実質的に同じ構造であってもよい。また、右のアーム13および左のアーム13は、独立して動作したり、互いに関連して動作したりすることができる。
【0029】
アーム部15は、本例では、第1リンク15aおよび第2リンク15bとで構成されている。第1リンク15aは、ベース12の上面に固定された基軸16と回転関節J1により連結され、基軸16の軸心を通る回転軸線L1まわりに回動可能である。第2リンク15bは、第1リンク15aの先端と回転関節J2により連結され、第1リンク15aの先端に規定された回転軸線L2まわりに回動可能である。
【0030】
リスト部17は、昇降部17aおよび回動部17bにより構成されている。昇降部17aは、第2リンク15bの先端と直動関節J3により連結され、第2リンク15bに対し昇降移動可能である。回動部17bは、昇降部17aの下端と回転関節J4により連結され、昇降部17aの下端に規定された回転軸線L3まわりに回動可能である。
【0031】
右ハンド部18および左ハンド部19は、リスト部17の回動部17bにそれぞれ連結されている。右ハンド部18は右のアーム13の先端に設けられ、左ハンド部19は左のアーム13の先端に設けられている。尚、右ハンド部18が本発明の「第1保持部」に相当し、左ハンド部19が本発明の「第2保持部」に相当する。また、右のアーム13が、本発明の「食品供給部」に相当し、左のアーム13が、本発明の「食品収容部」に相当する。
【0032】
上記構成の各アーム13は、各関節J1〜J4を有する。そして、アーム13には、各関節J1〜J4に対応付けられるように、駆動用のサーボモータ(図示せず)、および、そのサーボモータの回転角を検出するエンコーダ(図示せず)等が設けられている。また、2本のアーム13、13の第1リンク15a、15aの回転軸線L1は同一直線上にあり、一方のアーム13の第1リンク15aと他方のアーム13の第1リンク15aとは上下に高低差を設けて配置されている。
【0033】
図4(A)及び
図4(B)は、
図3の右ハンド部18(第1保持部)の構成を示した正面図及び側面図である。右ハンド部18は、第1面部40aを水平にした第1姿勢で食品40を保持し、且つ、第1姿勢から第2面部40bを水平にした第2姿勢に食品40の姿勢を変更可能に構成される。右ハンド部18は、リスト部17の回動部17bを含む基部20と、水平な回転軸線L4を有する回転関節J5と、基部20に対して回動可能に連結された先端部21と、先端部21に設けられ食品40(第1面部40a)を吸着する吸着ヘッド22を有する。
【0034】
基部20は、回転関節J4を介してリスト部17の昇降部17aに連結されるとともに、回転関節J5を介して先端部21に連結される。基部20は、側面視で略L字形に屈曲している(
図4(B)参照)。基部20は、L字形部材の内側に回転関節J5の駆動部25を備えている。
【0035】
先端部21は、回転関節J5を介して基部20に連結されるとともに、吸着ヘッド22が取り付けられる。先端部21は、側面視で略L字形に屈曲している(
図4(B)参照)。本実施形態では、吸着ヘッド22は
先端面の裏側に同じ長さで3箇所設けられるが、1若しくは2又は4以上設けられてもよい。吸着ヘッド22の3点の当接面は食品40の第1面部40a上の直線上にない3点に接するように構成される。図に示すように、この吸着ヘッド22の当接面が下方を向いた位置を吸着ヘッド22の基準位置と称する。吸着ヘッド22は配管(図示せず)を介して真空発生装置60(図
3参照)に接続されている。配管には、たとえば、開閉弁(図示せず)が設けられている。開閉弁により配管を開放および閉塞することによって、吸着ヘッド22による吸着およびその解除が行われる。
【0036】
これにより、右ハンド部18の先端部21に設けられた吸着ヘッド22により第1姿勢の食品40を吸着保持するとともに、回転関節J5により、基部20に対して先端部21を90度回動させることにより、食品40の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に変更することができる。
【0037】
図5(A)は、
図3の左ハンド部19(第2保持部)の構成を示した正面図である。
図5(A)に示すように、左ハンド部19は、作業台50上の所定位置に第2姿勢で供給された各食品40の第1面部40aを第1方向に向けた状態で5つの食品40を重ねて保持するように構成される。第1方向は、
図5(A)では左右方向である。左ハンド部19は、十対の保持部材32と、十対の保持部材32の各々を独立して駆動可能な十の駆動部材33を有している。リスト部17の回動部17bは、正面視で回転軸線L3と垂直な水平方向に伸延している。各対の保持部材32は、駆動部材33を介してリスト部17の回動部17bに接続されている。本実施形態では、十対の保持部材32が、第1方向に重ねられた
5つ
の食品40の袋体の各々の頂部を、第1方向に沿って挟み込んで保持するように構成される。
【0038】
各対の保持部材32は、駆動部材33に対して第1方向に駆動可能に取り付けられた一対の保持アーム32aと、一対の保持アーム32aの各々の先端に設けられた一対の先端部32bとを備える。一対の先端部32bの内側で食品40の袋体の頂部が挟み込まれる。一対の先端部32bの材料には例えば樹脂板又は金属板が使用される。
【0039】
駆動部材33は、各対の保持部材32の一対の保持アーム32aを第1方向に駆動する。駆動部材33は、アクチュエータ(図示せず)等に接続されており、一対の保持アーム32aの先端部32bの互いの間隔が変化するように、各保持アーム32aの上端に接続されている。この駆動部材33により、一対の保持部材32は互いの間隔を縮めて一つの食品40を挟んで保持する。
【0040】
図5(B)は、
図5(A)において十対の保持部材32の配置のみを示した平面図である。第1方向は、
図5(B)では左右方向である。
図5(B)に示すように、第1方向において互いに隣接する二対の保持部材32が、第1方向と直交する方向において異なる位置にある。本実施形態では、十対の保持部材32は、各食品40の袋体の頂部の二点を保持するために第1方向に直交する方向に食品40毎に二つ設けられ、第1方向に沿って千鳥状に四列に配置される。
図5(B)に示すように、十対の保持部材32(保持アーム32a)は、駆動時に互いに干渉することはない。
【0041】
図6は、
図3のロボット11の制御装置14の構成を概略的に示す機能ブロック図である。図
6に示すように、制御装置14は、CPU等の演算部14aと、ROM、RAM等の記憶部14bと、サーボ制御部14cと、を備える。制御装置14は、例えばマイクロコントローラ等のコンピュータを備えたロボットコントローラである。なお、制御装置14は、集中制御する単独の制御装置14によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置14によって構成されていてもよい。
【0042】
記憶部14bには、ロボットコントローラとしての基本プログラム、各種固定データ等の情報が記憶されている。演算部14aは、記憶部14bに記憶された基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、ロボット11の各種動作を制御する。すなわち、演算部14aは、ロボット11の制御指令を生成し、これをサーボ制御部14cに出力する。サーボ制御部14cは、演算部14aにより生成された制御指令に基づいて、ロボット11の各アーム13の関節J1〜J5等に対応するサーボモータの駆動を制御するように構成されている。
【0043】
また、制御装置14は、真空発生装置60(図
3参照)の動作および開閉弁の開閉を制
御する。開閉弁の開閉により配管が開放および閉塞することによって、吸着ヘッド22に
よる吸着およびその解除が行われる。
【0044】
次に、本実施形態の食品40の保持動作について
図7を参照して説明する。
図7は、食品の保持動作を説明するための模式図である。
【0045】
まず、
図7(A)に示すように、食品40が、第1ベルトコンベア51によって、第1面部40aを水平にした第1姿勢で搬送される。制御装置14は、右のアーム13の動作を制御して、
右ハンド部18の吸着ヘッド22を基準位置に合わせた状態で
右ハンド部18を下降させ、吸着ヘッド22の当接面を第1ベルトコンベア51上の食品40の第1面部40aに当接させる。吸着ヘッド22により第1姿勢の食品40が吸着保持される。
【0046】
次に、制御装置14は、右のアーム13の動作を制御して、
右ハンド部18の先端部21を、回転関節J5により、基部20に対して回転軸線L4回りに、90度回動させる(
図4参照)。これにより、吸着ヘッド22が基準位置から90度回転する。吸着ヘッド22により第1姿勢で吸着保持された食品40の姿勢が第1姿勢から第2姿勢に変更される。そして、
図7(B)に示すように、制御装置14は、右のアーム13の動作を制御して、右ハンド部18により第2姿勢で保持された食品40を、作業台50のシート50aの位置に供給する。以上の動作を繰り返すことにより、4個の食品40が作業台50のシート50aの位置に順次供給される。尚、作業台50上に配置されたシート50aは、第1方向に設けられた6つの凸部を有する。凸部は、第2姿勢で第1方向に並べられた5つの食品40の各々を支えるように第1方向に設けられる。本実施形態では、6つの凸部の間に5つの食品40が収まる。5つの食品40のうち先頭の食品40は第1方向に荷重が加わり易い。このため、先頭の食品40を支えるための凸部は他の凸部よりも背が高い。これにより、シート50a上の各食品40の姿勢(第2姿勢)を安定させることができる。よって、左ハンド部
19により、5つの食品40を第1方向に重ねて保持し易くなる。
【0047】
次に、
図7(C)に示すように、5つの食品40が、シート50a上に第2姿勢で第1方向に重ねて並べられた状態で、制御装置14は、左のアーム13の動作を制御して、
左ハンド部19の十対の保持部材32をシート50a上の5つの食品40の袋体の頂部の位置に合わせるように
左ハンド部
19を下降させる。
【0048】
そして、
図7(D)に示すように、制御装置14は、左のアーム13の動作を制御して、左ハンド部19により、シート50a上に第2姿勢で供給された5つの食品40の各々を第1方向に重ねて保持する。本実施形態では、十対の保持部材32が、第1方向に重ねられた
5つ
の食品40の袋体の各々の頂部を、第1方向に沿って挟み込んで保持する。ここで第1方向において互いに隣接する二対の保持部材32が、第1方向と直交する方向において異なる位置にあるので、食品40の保持動作の際に一対の保持アーム32aが互いに干渉することはない(
図5参照)。これにより、袋体に収容された食品40を第2姿勢(起立姿勢)で確実に保持することができる。最後に、制御装置14は、左のアーム13の動作を制御して、保持された5つの食品40をトレイ41に収容する。これにより、限られた作業スペースであっても、食品40の詰め込み作業の効率化を図ることができる。
【0049】
(変形例)
図8(A)および
図8(B)は、第1の変形例及び第2の変形例に係る左ハンド部19A及び19Bの構成を示した平面図である。
図8では保持部材32の配置のみを示している。
図8に示すように、本変形例の左ハンド部19A及び左ハンド部19Bは、五対の保持部材32を備え、五対の保持部材32の各々が、第1方向に重ねられた5つの食品40の袋体の各々の頂部を、第1方向に沿って挟み込んで保持するように構成される。
【0050】
第1方向において互いに隣接する二対の保持部材32が、第1方向と直交する方向において異なる位置にある点は
図5(B)と同様であるが、本変形例では、各対の保持部材32が、各食品40の袋体の頂部の1点を保持するために第1方向(同図では左右方向)に直交する方向(同図では前後方向)に食品40毎に設けられる点が
図5(B)と異なる。このような構成であっても、5対の保持部材32(保持アーム32a)は、駆動時に互いに干渉することはなく、5つの食品40の袋体の頂部を確実に保持することができる。
【0051】
(その他の実施形態)
尚、本実施形態では、左ハンド部19は5つの食品40を保持するような構成であったが、保持部材32の対の数を変更することにより、2個乃至4個の食品40を保持してもよいし、6個以上の食品40を保持するような構成にしてもよい。
【0052】
尚、本実施形態では、各食品40の袋体の頂部の二点を保持するために、食品毎に第1方向に直交する方向に、二対の保持部材32が設けられたが、食品毎に
一又は三対以上設けられてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、右ハンド部18は吸着ヘッド22により食品40を吸着保持する構成であったが、第1姿勢で食品40を保持できれば、その他の構成でもよい。例えばチャック装置によって食品40を保持するような構成でもよい。
【0054】
尚、上記実施形態では、食品40は、袋体に収容された円柱状体の丸型おにぎりであったが、袋体に収容された食品であればこれに限らず、三角の柱状体(三角おにぎり)でもよいし、扁平な形状でもよい。
【0055】
尚、上記実施形態では、食品40の保持装置10は、複数の食品40のトレイ41への詰め込み作業で使用されたが、複数の食品40を保持することが必要な作業であればその他の作業であってもよい。
【0056】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。