特許第6738418号(P6738418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6738418コーティング法及び対応するコーティング設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6738418
(24)【登録日】2020年7月21日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】コーティング法及び対応するコーティング設備
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/02 20060101AFI20200730BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20200730BHJP
   B05D 7/14 20060101ALI20200730BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20200730BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20200730BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   B05D1/02 B
   B05D3/00 D
   B05D7/14 L
   B05D7/14 M
   B05B12/00 A
   B05C11/00
   B05C11/10
【請求項の数】18
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-525711(P2018-525711)
(86)(22)【出願日】2016年11月14日
(65)【公表番号】特表2018-534139(P2018-534139A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】EP2016001899
(87)【国際公開番号】WO2017084748
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2018年11月8日
(31)【優先権主張番号】102015015090.1
(32)【優先日】2015年11月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Durr Systems AG
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ、ハンス−ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェール、ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】クライナー、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ブベック、モーリッツ
【審査官】 團野 克也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−079366(JP,A)
【文献】 米国特許第05175018(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0329013(US,A1)
【文献】 米国特許第04254433(US,A)
【文献】 特表2013−501667(JP,A)
【文献】 特開平06−190341(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0006667(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102004043075(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B05B1/00−17/00
B05C1/00−21/00
B05D1/00−7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品(6)をコーティング剤でコーティングするためのコーティング法であって、
a)コーティング対象の前記部品(6)の部品表面(7)の上方で、塗布装置(8)を、移動させる工程と、
b)特定の切替点を、切替動作を始めるために、コーティング対象の前記部品表面(7)上で、定める工程と、
c)前記切替点のひとつに到達したときに前記切替動作を行う工程と、
を備え、
d)各前記切替点で前記部品表面(7)上に切替マーキング(13)を生成することで、前記部品表面(7)上の前記切替点をマーキングする工程と、
e)前記塗布装置(8)の移動中に、各前記切替点に対応する前記切替マーキング(13)を検出する工程と、
f)前記部品表面(7)上で各前記切替マーキング(13)が検出されたときに前記切替動作を行う工程と、
をさらに備えることを特徴とする、コーティング法。
【請求項2】
a)コーティング対象の前記部品(6)は、自動車車体部品又は航空産業部品であり、
b)前記塗布装置(8)は、前記移動させる工程において、多軸コーティングロボット(10)によってプログラムされた塗装経路(1、35)に沿って、移動させられ、
c)前記切替動作は、コーティング剤ジェット(9)をオン又はオフに切り替えることからなる、
請求項1に記載のコーティング法。
【請求項3】
a)前記切替マーキング(13)は光学的切替マーキング(13)であり、及び/又は、
b)前記部品表面(7)上の前記光学的切替マーキング(13)は、光源(11)により、生成され、及び/又は、
c)前記部品表面(7)上の前記光学的切替マーキング(13)は、光学センサ(14)により検出される、
請求項1又は2に記載のコーティング法。
【請求項4】
a)前記塗布装置(8)は、前記部品表面(7)の上方で、多軸コーティングロボット(10)により移動させられ
b)前記コーティングロボット(10)の移動はロボット制御(16)により制御され、
c)前記切替マーキング(13)の生成、前記切替マーキング(13)の検出、及び/又は、前記塗布装置(8)のオン及びオフへの切替は、切替点制御(17)により制御される、
請求項1から3のいずれか1項に記載のコーティング法。
【請求項5】
a)前記切替点制御(17)は前記ロボット制御(16)に統合されており、及び/又は、
b)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、共通制御ユニット内の独立したソフトウェアモジュールの形態であり、又は、
c)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、共通制御ユニット内の独立したハードウェアモジュールの形態である、
請求項に記載のコーティング法。
【請求項6】
a)前記切替点制御(17)は前記ロボット制御(16)とは独立しており、
b)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、独立したハードウェアモジュールの形態であり、及び/又は、
c)前記切替点に対して可能な限り迅速な応答ができるように、前記切替点制御(17)は、前記ロボット制御(16)よりも、迅速な応答挙動を有する、
請求項に記載のコーティング法。
【請求項7】
a)コーティング対象の前記部品(6)の空間形態を記述する前記部品(6)のCADデータを提供する工程と、
)コーティング対象の前記部品(6)の空間位置を検出する工程と、
c)検出したコーティング対象の前記部品(6)の前記空間位置及びコーティング対象の前記部品(6)の前記CADデータに基づき、前記切替マーキング(13)の空間位置を定める工程と、
を備える、
請求項1からのいずれか1項に記載のコーティング法。
【請求項8】
前記切替マーキング(13)が前記部品表面(7)上で検出されたときに、
)塗装経路(1、35)上で、検出された前記切替マーキング(13)に紐付けられた切替点(P2)の手前に位置する上流切替点(P1)を定める工程と、
b)前記塗装経路(1、35)上で、検出された前記切替マーキング(13)に紐付けられた前記切替点(P2)の奥に位置する下流切替点(P3、P4)を定める工程と、
c)前記上流切替点(P1)、前記切替点(P2)、及び前記下流切替点(P3、P4)で異なる切替動作を行う工程と、
を備える、
請求項1からのいずれか1項に記載のコーティング法。
【請求項9】
a)前記上流切替点(P1)での前記切替動作は、
a1)コーティング剤ジェット(9)をオンに切り替えるためにコーティング剤バルブを開くこと、及び、
a2)遮断装置(30)を、前記遮断装置(30)が前記コーティング剤ジェット(9)を集めて前記コーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)に届かないようにする活動遮断位置に移動させること、
であり、
b)前記切替点(P2)での前記切替動作は、
b1)前記コーティング剤バルブを開いたままに維持すること、
b2)前記遮断装置(30)を、前記遮断装置(30)が前記コーティング剤ジェット(9)を集めず前記コーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)に届くようにする休止遮断位置に移動させること、
であり、
c)前記下流切替点(P3、P4)での前記切替動作は、
c1)前記コーティング剤バルブを閉じること、及び/又は、
c2)前記遮断装置(30)を、前記遮断装置(30)が前記コーティング剤ジェット(9)を集めて前記コーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)に届かないようにする遮断位置に移動させること、
である、
請求項に記載のコーティング法。
【請求項10】
a)流体流をオン又はオフに切り替えること、
b)静電コーティング剤帯電をオン又はオフに切り替えること、
c)活動状態でコーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)にぶつかる前に前記コーティング剤ジェット(9)を遮断する遮断装置(30)を活動化又は休止化すること、
といった切替動作の少なくとも1つが前記切替点のそれぞれで行われる、
請求項1からのいずれか1項に記載のコーティング法。
【請求項11】
a)光学的切替マーキング(13)は、
a1)可視光波長範囲内、又は、
a2)赤外線波長範囲内、又は、
a3)紫外線波長範囲内、
の光を前記部品表面(7)に照射することで生成され、及び/又は、
b)光源(11)の光は、
b1)少なくとも100nm、250nm、又は500nmの帯域幅を有する波長スペクトルを持つ広帯域であり、又は、
b2)光学センサ(14)は前記光源(11)の波長スペクトル内に収まる狭帯域波長範囲内で感受性であり、環境光による障害への感受性を減らすために、大きくとも50nm、25nm、10nm、又は1nmの帯域幅を有する狭帯域波長スペクトルを有し、及び/又は、
c)前記光学的切替マーキング(13)を生成するための前記光源(11)は、
c1)固定式であり、又は、
c2)空間的に移動可能に配置されており、及び/又は、
d)前記部品表面(7)上の前記切替マーキング(13)は、
d1)光の区域であり、又は、
d2)光の縞であり、又は、
d3)光の点であり、又は、
d4)光パターンを含み、及び/又は、
e)前記切替マーキング(13)は、
e1)コーティング対象の前記部品表面(7)上の副区域の輪郭を直線状にマーキングし、又は、
e2)コーティング対象の前記部品表面(7)上の副区域の全体をマーキングし、又は、
e3)前記切替点のひとつに点状にマーキングし、及び/又は、
f)前記コーティング剤は、
f1)塗料、
f2)接着剤、
f3)封止剤、又は、
f4)絶縁材
であり、及び/又は、
g)前記塗布装置(8)は、
g1)噴霧器であり、又は、
g2)前記コーティング剤の液滴のジェットを塗布し、又は、
g3)コーティング剤ジェット(9)を連続コーティング剤ジェット(9)として塗布し、及び/又は、
h)コーティング対象の前記部品(6)は、
h1)自動車車体部品、
h2)自動車車体用付属部品、又は、
h3)航空部品、
であり、及び/又は、
i)前記切替点は、それぞれ、無塗装領域(2)と塗装対象の領域(3)との間の境界(4)を示し、及び/又は、
j)前記光学センサ(14)は、
j1)前記塗布装置(8)に機械的に接続されており、且つ、前記塗布装置(8)とともに前記部品表面(7)の上方を移動させられ、又は、
j2)前記塗布装置(8)とは機械的に独立しており、及び/又は、
k)前記光学センサ(14)は、前記塗布装置(8)の移動に先行して移動する検出領域(15)を有する、
請求項1から10のいずれか1項に記載のコーティング法。
【請求項12】
部品(6)をコーティング剤でコーティングするためのコーティング設備であって、
a)コーティング対象の前記部品(6)の部品表面(7)上に、前記コーティング設備が切替動作を行う切替点を示す切替マーキング(13)を生成するためのマーキング装置(11)と、
b)前記部品表面(7)上の前記切替マーキング(13)を検出するためのセンサ(14)と、
を備える、コーティング設備。
【請求項13】
a)前記マーキング装置(11)は、光源(11)を有し、且つ、前記部品表面(7)上に光学的切替マーキング(13)を生成し、及び/又は、
b)前記センサ(14)は、光学センサ(14)である、
請求項12に記載のコーティング設備。
【請求項14】
a)切替動作を制御するための切替点制御(17)を備え、
b)前記切替点制御(17)は、前記切替マーキング(13)を検出するために、入力側が前記センサ(14)に接続されており、
c)前記切替点制御(17)は、前記センサ(14)が前記部品表面(7)上の前記切替マーキング(13)のひとつを検出したときに切替動作を始めるために、出力側が、作動装置に、接続されている、
請求項12又は13に記載のコーティング設備。
【請求項15】
a)前記部品表面(7)にコーティング剤ジェット(9)を送るための塗布装置(8)と、
b)前記部品表面(7)の上方で前記塗布装置(8)をガイドする多軸コーティングロボット(10)と、
c)前記塗布装置(8)が前記部品表面(7)の上方でプログラムされた移動を行うように前記コーティングロボット(10)を制御するロボット制御(16)と、
を備える、
請求項14に記載のコーティング設備。
【請求項16】
a)前記切替点制御(17)は前記ロボット制御(16)に統合されており、及び/又は、
b)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、共通制御ユニット内の独立したソフトウェアモジュールの形態であり、又は、
c)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、共通制御ユニット内の独立したハードウェアモジュールの形態である、
請求項15に記載のコーティング設備。
【請求項17】
a)前記切替点制御(17)は前記ロボット制御(16)とは独立しており、
b)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、独立したハードウェアモジュールの形態であり、及び/又は、
c)前記切替点に対して可能な限り迅速な応答ができるように、前記切替点制御(17)は、前記ロボット制御(16)よりも、迅速な応答挙動を有する、
請求項15に記載のコーティング設備。
【請求項18】
)コーティング剤ジェット(9)を遮断するために、遮断装置(30)が設けられており、
b)前記遮断装置(30)は、活動遮断位置と休止遮断位置との間で移動可能であり、
c)前記遮断位置にある前記遮断装置(30)は、前記コーティング剤ジェット(9)を集め、これにより、前記コーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)に届くことを防ぎ、
d)前記休止遮断位置にある前記遮断装置(30)は、前記コーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)に届くように、前記コーティング剤ジェット(9)を集めない、
請求項12から17のいずれか1項に記載のコーティング設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品をコーティング剤でコーティングするためのコーティング法、特に、自動車車体部品又は航空産業部品を塗装設備内で塗装するためのコーティング法に関する。さらに、本発明は、対応するコーティング設備も包含する。
【背景技術】
【0002】
自動車車体又は航空産業部品の塗装では、ときとして、自動車車体の異なる部品を異なる色で塗装する必要がある。例えば、自動車車体の屋根を自動車車体の他の部分とは異なる色で塗装することが望ましいこともある。
【0003】
こうした対照的な塗装の際に、塗布装置として回転噴霧器を用いる場合、自動車車体を、各回所望の色を用いて、連続して2回、塗装せねばならない。そこで、2回目の塗装運転では、新しい色で塗装しない自動車車体の表面領域をマスクせねばならない。こうした自動車車体のマスキングは複雑である。
【0004】
先行技術(例えば、特許文献1−4)では、局限されたコーティング剤ジェットを送り、これにより、シャープな輪郭のコーティング又は塗装を可能とする塗布装置及び塗布方法を採用することが知られている。
【0005】
上で触れた先行技術に記載のこのシャープな輪郭のコーティングは、マスクを要することなく塗布され、オーバースプレーによる塗料又はコーティング剤の損失が生じない。こうした資源効率的な方法は、多数の用途に、例えば、コーティングプロセスなどに、有利である。
【0006】
こうした塗布器により生成される、塗布経路の、所望且つ有利なシャープな縁は、噴霧塗布器に比べ、相当に高い精度のオン及びオフへの切替を必要とする。
【0007】
こうした塗布装置を自動車車体を対照的な色で塗装するために用いる場合、特定の切替点でコーティング剤ジェットをオンに切り替えたりオフに切り替えたりする必要がある。塗装しない領域から塗装する領域への移行の際、両領域の間の境界で、コーティング剤ジェットをオンに切り替えねばならない。反対に、塗装する領域から塗装しない領域への移行の際、両領域の間の境界で、コーティング剤ジェットをオフに切り替えねばならない。そこで、先行技術では、塗装対象の自動車車体のの部品表面上に特定の切替点をプログラムし、この切替点でコーティング剤ジェットをオン又はオフに切り替えることが知られていた。こうした切替点は、従来、問題の自動車車体の所定のCADデータ(CAD:omputer ided esign)に基づいてプログラムされていた。
【0008】
このとき、実際に望まれる切替点と現実に得られる切替点との間に現実的には空間的逸脱が生じ得るという問題がある。
【0009】
所望の切替点と現実に得られる切替点との間のこうした逸脱の原因のひとつとして、自動車車体の実際の外形が所定のCADデータから逸脱していることが考えられる。
【0010】
こうした逸脱の別の原因として、ロボット制御から、コーティング剤ジェットを放出又は閉塞するコーティング剤バルブへの、信号遷移時間が考えられる。例えば、ロボット制御は、4msの制御サイクルのサイクル時間を有し得るが、移動速度を例えば1000mm/sとした場合、これは例えば4mmの距離を移動することに相当し、さらに、この移動距離は、ロボット制御の多数の制御サイクルにわたって加算されていく可能性もある。ロボット制御からコーティング剤バルブへのこの信号遷移時間は、切替運転の遅延、ひいては、所望の切替点に対する実際の切替点の変位をまねく。
【0011】
また、所望の切替点と現実に得られる切替点との間の逸脱の原因として、塗装ラインに沿った自動車車体の位置取りも考えられる。なぜなら、位置取りは完全に正確に行われるわけではないからである。塗装対象の自動車車体は、運搬装置により、塗装ラインに沿って、塗装設備内を通り、運搬されるが、この運搬装置は、ある程度の位置取りの不正確さを有する。適当な補正をしなければ、この位置取りの不正確さは、所望の切替点と現実に得られる切替点との間の応分の空間的逸脱をまねく。
【0012】
所望の切替点と現実に得られる切替点との間の空間的逸脱はさまざまな欠点につながる。
【0013】
欠点のないコーティング結果を得るためには、切替点のありうる変位を勘案しても十分なコーティングが現実に得られるようにプログラムされた切替点を繰り上げねばならないが、プログラムされた切替点のこうした繰り上げは、塗料消費量の増大をまねき、プログラミングについての出費につながる。
【0014】
また、ロボット制御の信号が常に同じ制御サイクル内で切り替わるわけではないので、現実的には、オンに切り替える時間及びオフに切り替える時間は、常に正確に再現性があるとはいえない。
【0015】
さらに、例えば、オフへの切替点が障害のため時期尚早にすぎる場合などに、コーティングが足りない(unterbeschichtung)おそれがある。
【0016】
特許文献5は、塗布装置に対するコーティング対象の部品の正確な相対位置を求めるためにコーティング対象の部品をカメラによりキャリブレートするコーティング法を開示する。しかし、この文献は、切替点を定めることを開示していない。そのため、この文献では、部品表面上の参照マーキングは、塗布装置に対するコーティング対象の部品の相対位置を測定するために働くに過ぎない。
【0017】
最後に、一般的な技術背景について、特許文献6も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】独国特許出願公開第102013002433号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102013002413号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102013002412号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102013002411号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2012/0219699号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2001/0036512号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、以上を鑑み、応分に改善されたコーティング法及び応分に改善されたコーティング設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この目的は、独立請求項に記載のコーティング法及びコーティング設備により達成される。
【0021】
まず、本発明に係るコーティング法では、先行技術と同様に、塗布装置が、コーティング対象の部品(例えば、自動車車体部品)の部品表面の上方で、特に、直列機構を有する多軸コーティングロボットにより、移動させられ、好ましくは、塗布装置は、プログラムされた塗装経路に沿って部品表面の上方を移動させられる。しかし、塗布器は、異なる一軸又は多軸移動装置により部品の上方をガイドされてもよい。
【0022】
さらに、本発明に係るコーティング法では、先行技術と同様に、塗布装置は、部品表面の上方を移動させられながら、コーティング剤(例えば、塗料)からなる少なくとも1つのコーティング剤ジェットをコーティング対象の部品表面上に送る。
【0023】
また、本発明に係るコーティング法では、ここで、切替動作(例えば、少なくとも1つのコーティング剤ジェットのオン又はオフへの切り替えなど)を始める特定の切替点が、コーティング対象の部品表面上に定められる。
【0024】
塗布装置が部品表面の上方を移動する際、切替点に到達すると、所望の切替動作(例えば、少なくとも1つのコーティング剤ジェットのオン又はオフへの切り替えなど)が、行われる。
【0025】
背景技術に記載した既知のコーティング法では、切替点はあくまで部品表面上にプログラムされるだけであり、部品表面自体の上で目に見えるわけではない。このことは、実際の切替点がプログラムされた切替点と空間的にずれているせいで、上述の問題をまねく。
【0026】
本発明は、この問題を、切替点にそれぞれが対応する切替マーキングによりプログラムされた切替点を部品表面上にマーキングすることにより解消する。
【0027】
塗布装置が部品表面の上方を移動する際、切替マーキングに到達したか否かが常に確認される。切替マーキングが検出されると、所望のプログラムされた(期待される)切替動作(例えば、コーティング剤ジェットのオン又はオフへの切り替えなど)が行われる。
【0028】
本発明のある好ましい実施形態では、切替マーキングは、光源により、特に、レーザー又はレーザーダイオードにより、生成される光学的切替マーキングである。このため、光源は、切替点を対応する切替マーキングでマーキングするために、適切な光マーキング(例えば、光の点、光の線)を部品表面上に発する。
【0029】
部品表面上の光学的切替マーキングは、光学センサ(例えば、カメラ、CCDセンサなど)により、検出される。
【0030】
本発明のこの好ましい実施形態では、塗布装置は、直列ロボット機構を有する多軸コーティングロボットにより、部品表面の上方で、移動させられる。こうしたロボット自体は先行技術から既知なので、その詳細についての説明は省略する。
【0031】
コーティングロボットの移動は、ロボット制御により制御される。こうしたロボット制御自体も同様に先行技術から既知である。
【0032】
一方、切替マーキングの生成、切替マーキングの検出、及び/又は、塗布装置のオン又はオフへの切り替えは、ロボット制御ではなく切替点制御により制御される。
【0033】
ロボット制御と切替点制御との間でのこうしたタスクの分割は、切替点制御の動的応答挙動、ひいては、切替マーキングへの応答速度が、ロボット制御の制御サイクルの期間に制限されない点で有利である。ロボット制御は、例えば4msの制御サイクルで動作してもよい。なぜなら、この制御サイクルは塗布装置の移動に対して十分に短いからである。一方、切替点制御は、検出された切替マーキングに対して可能な限り迅速に応答できるように、これよりも短い制御サイクルで動作してもよい。これにより、各切替マーキングの検出の際に、切替マーキングの検出と切替動作(例えば、コーティング剤ジェットのオン又はオフへの切り替えなど)の実行との間で望ましくない切替の遅延が生じることが防がれる。
【0034】
本発明のある変形例では、切替点制御はロボット制御に統合されている。例えば、切替点制御及びロボット制御は、共通制御ユニット内で、独立したソフトウェアモジュール又は独立したハードウェアモジュールの形態であってもよい。
【0035】
一方、本発明の別の変形例では、切替点制御はロボット制御から独立しており、即ち、両制御は共通制御ユニット内に配置されていない。ここも同様に、切替点制御及びロボット制御は、独立したハードウェアモジュール又は独立したソフトウェアモジュールの形態であってもよい。
【0036】
既に上で触れたように、所望の切替点が、切替マーキングにより、例えば、レーザーから部品表面上に発せられた光学的切替マーキングにより、部品表面上にマーキングされている。部品表面上へのこうした切替マーキングの生成は、コーティング対象の部品の空間形態を記述する当該部品のCADデータを考慮に入れて行われることが好ましい。また、コーティング対象の部品の空間位置が、例えば、塗装ラインの運搬装置上の運搬装置エンコーダを読み取ることなどにより、求められることが好ましい。その後、部品表面上の切替マーキングの空間位置は、CADデータ及びコーティング対象の部品の空間位置に基づき、定められる。
【0037】
さらに、本発明の文脈内で、経路移動に沿って上流又は下流に位置するさらなる切替点を、切替マーキングによりマーキングされた所定の切替点から導くことも可能である。例えば、塗装経路上で切替点の手前に位置する上流切替点を、実際の切替点から導くことができる。さらに、塗装経路上で切替点の奥に位置する下流切替点を、切替マーキングによりマーキングされた切替点から導くこともできる。そして、上流切替点、切替点、及び下流切替点で、異なる切替動作を行ってもよい。
【0038】
例えば、コーティング剤ジェットを放出するコーティング剤バルブを上流切替点で開いてもよい。この時点では、遮断装置(送られたコーティング剤ジェットが最初は部品表面に届かないようにコーティング剤ジェットを遮断する)が最初は活動状態にある。
【0039】
実際の切替点で、遮断装置は休止状態に切り替えられ、コーティング剤ジェットが切替時間直後に部品表面にぶつかるようになる。
【0040】
第1の下流切替点で、コーティング剤ジェットが切替時間直後に部品表面にぶつからなくなるように、遮断装置が再び活動状態に切り替えられてもよい。
【0041】
最後に、第2の下流切替点で、コーティング剤ジェットがオフに切り替えられるようにコーティング剤バルブが閉ざされてもよい。
【0042】
こうした遮断装置の使用により、コーティング剤ジェットを、短期の過渡的な状態を生じることなく、比較的急にオン又はオフに切り替えることができるようになる。
【0043】
上述の遮断装置は、その構造及び動作について、本出願と同時に出願された、本出願人の関連する独国特許出願(タイトルは『コーティング装置及び対応する運転方法』)にも詳細に記載されている。そこで、遮断装置の構造と運転についてこの関連独国特許出願の内容全体を参照により本出願で援用する。
【0044】
さらに、本発明の文脈において用いられる『切替動作』という表現は、広義に解釈されるべきであり、コーティング剤ジェットのオン及びオフへの切り替えのみに限定されるべきではないことも触れねばなるまい。むしろ、一般的な流体流(例えば、噴霧器の空気流又はガイド空気流)がオン及びオフに切り替えられてもよい。また、切替動作は、静電コーティング剤帯電のオン又はオフへの切り替えであってもよい。さらに、切替動作は、上述の遮断装置又は一般的な作動装置の活動化又は休止化であってもよい。また、これに関連して、切替操作が、必ずしも、2つの状態(オン/オフ)の間の質的な変化であるわけではないことも触れねばなるまい。むしろ、本発明の文脈において、切替動作が運転パラメータの連続的変化であることも可能である。
【0045】
既に上で触れたように、切替マーキングは光学的切替マーキングであることが好ましく、この光学的切替マーキングは部品表面に光を照射することにより生成されることが好ましい。これに関連して、切替マーキングを生成するための光は、可視光波長範囲内、赤外線波長範囲内、又は紫外線波長範囲内にあるものであってもよいことに触れねばなるまい。
【0046】
本発明のある変形例では、光源の光は、少なくとも100nm、250nm、又は500nmの帯域幅を有する波長スペクトルを持つ広帯域である。
【0047】
または、この代わりに、光源の光は、環境光による障害への感受性を減らすために、大きくとも50nm、25nm、10nm、又は1nmの帯域幅を有する狭帯域波長スペクトルを有し、そして、光学センサは、光源の波長スペクトル内に収まる狭帯域波長範囲内で感受性であることも可能である。
【0048】
また、光源について、光源は、固定式に配置されても、空間的に移動可能に配置されてもよいことに触れねばなるまい。また、いずれの場合も、部品表面上の所望の点に光学的切替マーキングを生成するために、光源は光線を空間的に移動させることができるように設けられている。
【0049】
部品表面上の切替マーキングについて、切替マーキングは、光の区域、光の縞、又は光の点であってもよく、また、光パターンを含んでもよいことに触れねばなるまい。
【0050】
例えば、切替マーキングは、コーティング対象の部品表面上の副区域の輪郭を直線状にマーキングしてもよい。この場合、コーティング対象の副区域は、光の縞により囲われる。この代わりに、切替マーキングは、コーティング対象の部品表面上の副区域の全体をマーキングしてもよい。さらに、切替点が点状にマーキングされてもよい。
【0051】
コーティング剤について、本発明は、塗料に限られるわけではなく、他のコーティング剤、例えば、数例を挙げれば、接着剤、封止材、又は絶縁材など、を用いて本発明を実施することもできる。
【0052】
用いる塗布装置についても同様に、本発明は、特定の種類の塗布装置に限られるわけではない。例えば、塗布装置は、噴霧器(例えば、回転噴霧器など)であってもよい。この代わりに、塗布装置は、コーティング剤ジェットの液滴のジェット又は連続コーティング剤ジェットを塗布するものを用いてもよい。こうした塗布装置は、背景技術で触れた特許文献1−4から既知である。そこで、塗布装置の構造と機能についてこれらの特許文献の内容全体を参照により本出願で援用する。
【0053】
さらに、本発明は、自動車車体部品又は自動車車体用付属部品のコーティングのみに適するわけではないことも触れねばなるまい。むしろ、本発明の文脈において、他の種類の部品もコーティングすることができる。
【0054】
切替点について、切替点は無塗装領域と塗装対象の領域との間の境界を示すことが好ましいことも触れねばなるまい。
【0055】
さらに、光学センサが、塗布装置に機械的に接続されており、且つ、塗布装置とともに部品表面の上方を移動させられることが好ましいことも触れねばなるまい。
【0056】
光学センサは、塗布装置の移動に先行して移動する検出領域を有することが好ましい。光学センサは、部品表面上の切替マーキングを余裕を持って検出できるように、プログラムされた塗装経路の先を見ることが好ましい。
【0057】
また、この代わりに、光学センサが、塗布装置から独立して、例えば、固定式に配置されることも可能である。
【0058】
最後に、本発明は、上述のコーティング法を実行する本発明に係るコーティング設備の権利保護も請求するものであることに触れねばなるまい。こうした本発明に係る塗装設備の構造及び機能は、上述の記載から明らかなので、コーティング設備の個別の説明は省略する。
【0059】
本発明の他のさらなる有利な発展例は、従属請求項に記載されており、また、図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施形態の記載とともに、以下でより詳細に記述されている。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】実際の切替点がプログラムされた切替点と正確に一致する場合の、従来の経路塗装システムの模式図。
図2】実際の切替点がプログラムされた切替点の手前に位置する場合の、図1の変形例。
図3】実際の切替点がプログラムされた切替点の奥に位置する場合の、図1の変形例。
図4】部品表面上の切替マーキングを検出する、本発明に係るコーティング設備の模式図。
図5】追加の切替点制御及びロボット制御を備えた、図4に示すコーティング設備の別の模式図。
図6図5に記載のロボット制御と切替点制御との間の分割を示す制御図。
図7図5の変形例。
図8】本発明を示す模式図。
図9】切替マーキングを検出するためのセンサの出力信号の信号図。
図10】部品表面上での切替マーキングの生成を示す流れ図。
図11】部品表面上での切替マーキングの検出を示す流れ図。
図12A】休止状態の、コーティング剤ジェットを遮断するための遮断装置の模式図。
図12B】活動状態の、図12Aに示す遮断装置。
図13】プログラムされたロボット経路上にある、上流切替点、切替点、及び2つの下流切替点を示す略図。
【発明を実施するための形態】
【0061】
まず、図1から3は、経路指向の塗装法を示す様々な略図である。塗布装置は、塗布経路1に沿って部品表面の上方をガイドされる。塗布装置は、まず、所定の(プログラムされた)無塗装領域2内を通過し、その後、塗装対象である所定の(プログラムされた)塗装領域3に到達する。塗装領域3は、境界4により、無塗装領域2と隔てられる。無塗装領域と塗装領域3との間の境界4に、プログラムされたオンへの切替点4.2が存在し、この切替点で塗布装置はオンに切り替えられ、その後、塗布装置が塗布経路1上の塗布領域3を塗装することとなる。
【0062】
ここで、現実的には、実際のオンへの切替点5は、プログラムされたオンへの切替点4.2とは異なっており、このため、以下に記載するように、コーティングの欠陥をまねくことに注意されたい。
【0063】
図1の略図では、実際のオンへの切替点5は、プログラムされたオンへの切替点4.2と一致しており、且つ、境界4に正確に位置しているので、プログラムされた所望のオンへの切替点4.2と実際のオンへの切替点5との間での逸脱は生じない。
【0064】
一方、図2に示す略図では、実際のオンへの切替点5は、塗布経路1上で、プログラムされた無塗装領域2とプログラムされた塗装領域3との間の境界4の手前に位置している。そのため、この場合、オンへの切替点5と境界4との間の無塗装領域2での望ましくないコーティングが、本来であれば無塗装であるべき領域3.2に存在する。
【0065】
また、図3は、実際のオンへの切替点5が、塗布経路1上で、プログラムされた無塗装領域2とプログラムされた塗装領域3との間の境界4の奥に位置している変形例を示す。これは、プログラムされた塗装領域3内の塗装経路1上で境界4とオンへの切替点5との間にある領域3.3でコーティングが足りなくなるという結果をもたらす。
【0066】
即ち、図2及び3は、実際の切替点5とプログラムされた切替点4.2との間でのさまざまな望ましくない逸脱を示している。これらの望ましくない逸脱は、本発明により、防止され、又は、少なくとも抑制される。
【0067】
次に、図4から6に示す実施形態について参照する。これらの図は、コーティング対象の部品6(例えば、自動車車体部品)を示している。部品6は、部品表面7を有しており、部品表面7は、塗布装置8によりコーティング剤ジェット9を塗布される。部品6自体は先行技術から既知なので、その詳細についての説明は省略する。
【0068】
塗布装置8は、直列ロボット機構を有する多軸コーティングロボット10により塗装経路1に沿って部品表面7の上方をガイドされる。多軸コーティングロボット10自体についても同様に先行技術から既知である。
【0069】
さらに、これらの図は、レーザー11を示している。レーザー11は、部品表面7にレーザー光12を向け、これにより、部品表面7上に光学的に視認可能な切替マーキング13を生成する。レーザー光12は、切替マーキング13が部品表面7上の所望の位置に生成されるように、適切な反射装置により反射されてもよい。切替マーキング13の位置決めは、部品6の所定のCADデータ及び部品6の測定位置に基づき行われる。
【0070】
また、これらの図は、塗布装置8上に取り付けられている光学センサ14を示す。光学センサ14は、塗布装置8とともに、コーティングロボット10により、部品表面7の上方をガイドされる。
【0071】
光学センサ14(例えば、カメラ)は、塗装経路1に沿ってコーティング剤ジェット9に先行して移動する検出領域15を有する。このため、光学センサ14は、塗装経路に沿って移動する際、切替マーキング13のひとつが部品表面7上で検出可能となったか否かを先んじて検出できる。このように光学センサ14が先を見ているため、コーティング剤ジェト9をオン又はオフに切り替えるのに十分な時間があるので、コーティング剤ジェット9は、切替マーキング13を通過する際に、可能な限り正確に、オン又はオフに切り替えられる。
【0072】
さらに、図5から、コーティングロボット10が従来のロボット制御16により制御されていることも読み取ることができる。
【0073】
また、独立した切替点制御17も設けられている。切替点制御17は、部品表面7上の切替マーキング13のひとつを検出するために、入力側が信号経路18を介して光学センサ14に接続されている。一方、出力側では、コーティング剤ジェット9をオン又はオフに切り替えることができるように、切替点制御17は、信号経路19を介して塗布装置8内のコーティング剤バルブ20に接続されている。
【0074】
また、ロボット制御16は、信号経路21を介して切替点制御17に接続されているので、ロボット制御16は、図6及び以下に示すように、切替信号の設定制御を切替点制御17に譲り渡すことができる。
【0075】
動作フェーズ22では、ロボット制御16のみがコーティングロボット10を制御する。
【0076】
次の動作フェーズ23では、ロボット制御16は、プログラムされた切替点が近づいていることを検出するため、制御を切替点制御17に譲り渡す。
【0077】
動作フェーズ24では、切替点制御17は、光学センサ14に問い合わせることで、切替マーキング13のひとつが検出されたか否かを確認する。
【0078】
動作フェーズ25では、切替マーキングのひとつが切替点制御17により検出される。そして、切替点制御17はプロセスの制御を始める。ここで、『プロセス』という用語は、広義に解釈されるべきであり、例えば、コーティング剤バルブ20を制御することであってもよい。また、極めて広義には、『プロセス』は、数例を挙げるのみだが、空気流、塗料流の制御、又は、電力又は光の切替(オン又はオフへの切替)であってもよい。
【0079】
動作フェーズ27の間、塗布装置8内のコーティング剤バルブ20は開かれ、これにより、コーティング剤ジェット9が放出される。
【0080】
併行して、ロボット制御16は、動作フェーズ28の間、コーティングロボット10の制御を続ける。
【0081】
上述したロボット制御16と切替点制御17との間でのタスクの分割は、以下に示すように、有利である。ロボット制御16は、従来、コーティングロボット10を、特定の(例えば4msの)制御サイクルで制御していた。この制御サイクル中、ある(例えば1000mm/sの)移動速度であれば、一定の(例えば、4mmの)距離を移動するので、ロボット制御16は切替点13を応分の位置精度でしか位置決めすることができなかった。
【0082】
一方、切替点制御17は、実質的により迅速に動作し、これにより、切替マーキング13に対して実質的により迅速に応答することができる。
【0083】
図7は、図4から6に示す例示的実施形態の変形例を示す。そこで、繰り返しを避けるため、対応する部分については同じ符号を付す。
【0084】
この例示的実施形態の特徴は、切替点制御17がロボット制御16に統合されている点である。
【0085】
図8は、プログラムされた塗装経路に沿った、塗布装置8の、異なる位置A、B、及びCを示す。ここで、位置Aは実線で、位置Bは破線で、位置Cは点線で示す。
【0086】
位置Aでは、光学センサ14はまだ部品表面7上の切替マーキング13を検出できていない。一方、位置Bでは、部品表面7上の切替マーキング13は光学センサ14の検出領域15内に存在するので、切替動作(例えば、コーティング剤ジェット19のオン又はオフへの切替)が開始される。
【0087】
図9は、光学センサ14の関連する出力信号を示す。ピーク29は位置Bでみられ、これは切替マーキング13の検出を示す。
【0088】
図10は、コーティング対象の部品6の部品表面7上での切替マーキング13の生成を示す流れ図である。
【0089】
最初のステップS1では、まず、塗装ラインに沿った部品6の位置が検出される。これは、例えば、塗装ラインの運搬装置の運搬装置エンコーダを読み取ることにより、行うことができる。このこと自体は先行技術から既知である。
【0090】
次に、ステップS2では、部品6上での所望の切替点の位置が算出される。また、ここで、部品6の空間形態を記述する部品6のCADデータが考慮される。また、さらに、塗装ラインに沿った部品6の測定位置も考慮される。最後に、部品6上での所定の切替点のプログラムされた相対位置も、考慮される、即ち、部品座標系で検出される。
【0091】
さらなるステップS3では、切替マーキング13が、部品表面7にレーザー光12を向けるレーザー11により、部品表面7上に生成される。
【0092】
図11は、切替マーキングの検出の際の切替点制御17の動作を示す流れ図である。
【0093】
ステップS1では、塗布装置8は、コーティングロボット10により、塗装経路に沿って、部品表面7の上方を移動させられる。
【0094】
ステップS2では、切替点を示す切替マーキング13が来るべき塗装経路上で視認できるか否かを継続的に確認する。
【0095】
こうした切替マーキング13が検出された場合、ステップS3からステップS4への移行が行われる。ステップS4では、所望の切替動作、例えば、コーティング剤ジェット9のオン又はオフへの切替が、行われる。
【0096】
図12A及び12Bは、コーティング剤ジェット9を遮断するための、本発明に係る遮断装置30を示す。
【0097】
遮断装置30は、コーティング剤ジェット9を遮断(図12B参照)又は開放(図12A参照)するために作動装置32により二重矢印の方向に直線的に変位可能である直線変位可能カッター31から実質的に構成されている。作動装置32は、以下で説明するように、部品表面7上の切替点により制御されてもよい。
【0098】
また、これらの図は、吸い込みライン33及び流体供給ライン34も示している。吸い込みライン33は、遮断装置30が図12Bに示すように活動状態にあるとき、吸引により、遮断されたコーティング剤を除去する役割を果す。一方、流体供給ライン34は、遮断装置30内でコーティング剤が堆積しないようにフラッシング剤を供給する役割を果す。
【0099】
図13は、複数の点P1、P2、P3、及びP4を連続して通過する、塗装経路35に沿った塗布装置の移動を示す。
【0100】
点P2は、実際の切替点であり、部品表面上で切替マーキング13により示される。切替点P2では、遮断装置30が、図12Aに示すように、休止状態に切り替えられるので、コーティング剤ジェット9は部品表面7にぶつかることができる。
【0101】
コーティング剤バルブ20は点P1で既に予め開かれている。
【0102】
次のステップP3では、遮断装置30は、図12Bに示すように、活動状態に切り替えられるので、コーティング剤ジェット9はもはや部品表面にぶつからない。
【0103】
最後に、コーティング剤バルブ20は点P4で閉ざされるので、コーティング剤ジェット9はもはや送り出されない。
【0104】
上で既に簡単に触れたように、点P2が、実際の切替点であり、切替点マーキング13により示される。
【0105】
一方、点P1は、切替点P2から導かれる上流切替点である。
【0106】
また、点P3及びP4も、実際の切替点P2から導かれ、塗装経路35上で実際の切替点P2の奥に位置する。
【0107】
本発明は、上述の好ましい例示的実施形態に限られるわけではない。むしろ、本発明概念を同様に用いた権利保護範囲に含まれる種々の変形例及び修正例が可能である。特に、本発明は、従属請求項が引用する各請求項とは独立して、特に、独立請求項の特徴部を含まない形で、従属請求項の主題及び特徴の権利保護も請求する。
【0108】
[付記]
[付記1]
部品(6)をコーティング剤でコーティングするためのコーティング法、特に、自動車車体部品又は航空産業部品を塗装設備内で塗装するためのコーティング法であって、
a)コーティング対象の前記部品(6)の部品表面(7)の上方で、塗布装置(8)を、特に、多軸コーティングロボット(10)によって、特に、プログラムされた塗装経路(1、35)に沿って、移動させる工程と、
b)特定の切替点を、切替動作を始めるために、特に、コーティング剤ジェット(9)を前記切替点でオン又はオフに切り替えるために、コーティング対象の前記部品表面(7)上で、定める工程と、
c)前記切替点のひとつに到達したときに前記切替動作を行う工程と、
を備え、
d)各前記切替点で前記部品表面(7)上に切替マーキング(13)を生成することで、前記部品表面(7)上の前記切替点をマーキングする工程と、
e)前記塗布装置(8)の移動中に、各前記切替点に対応する前記切替マーキング(13)を検出する工程と、
f)前記部品表面(7)上で各前記切替マーキング(13)が検出されたときに前記切替動作を行う工程と、
をさらに備えることを特徴とする、コーティング法。
【0109】
[付記2]
a)前記切替マーキング(13)は光学的切替マーキング(13)であり、及び/又は、
b)前記部品表面(7)上の前記光学的切替マーキング(13)は、光源(11)により、特に、レーザー(11)又はレーザーダイオードにより、生成され、及び/又は、
c)前記部品表面(7)上の前記光学的切替マーキング(13)は、光学センサ(14)により検出される、
付記1に記載のコーティング法。
【0110】
[付記3]
a)前記塗布装置(8)は、前記部品表面(7)の上方で、多軸コーティングロボット(10)により移動させられ、前記コーティングロボットは、好ましくは、多関節ロボット又は直線機械であり、
b)前記コーティングロボット(10)の移動はロボット制御(16)により制御され、
c)前記切替マーキング(13)の生成、前記切替マーキング(13)の検出、及び/又は、前記塗布装置(8)のオン及びオフへの切替は、切替点制御(17)により制御される、
付記1又は2に記載のコーティング法。
【0111】
[付記4]
a)前記切替点制御(17)は前記ロボット制御(16)に統合されており、及び/又は、
b)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、共通制御ユニット内の独立したソフトウェアモジュールの形態であり、又は、
c)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、共通制御ユニット内の独立したハードウェアモジュールの形態である、
付記3に記載のコーティング法。
【0112】
[付記5]
a)前記切替点制御(17)は前記ロボット制御(16)とは独立しており、
b)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、独立したハードウェアモジュールの形態であり、及び/又は、
c)前記切替点に対して可能な限り迅速な応答ができるように、前記切替点制御(17)は、前記ロボット制御(16)よりも、迅速な応答挙動を有する、
付記3に記載のコーティング法。
【0113】
[付記6]
a)コーティング対象の前記部品(6)の空間形態を記述する前記部品(6)のCADデータを提供する工程と、
b)特に、塗装ラインに沿った、コーティング対象の前記部品(6)の空間位置を検出する工程と、
c)検出したコーティング対象の前記部品(6)の前記空間位置及びコーティング対象の前記部品(6)の前記CADデータに基づき、前記切替マーキング(13)の空間位置を定める工程と、
を備える、
付記1から5のいずれか1つに記載のコーティング法。
【0114】
[付記7]
前記切替マーキング(13)が前記部品表面(7)上で検出されたときに、
a)前記塗装経路(1、35)上で、検出された前記切替マーキング(13)に紐付けられた切替点(P2)の手前に位置する上流切替点(P1)を定める工程と、
b)前記塗装経路(1、35)上で、検出された前記切替マーキング(13)に紐付けられた前記切替点(P2)の奥に位置する下流切替点(P3、P4)を定める工程と、
c)前記上流切替点(P1)、前記切替点(P2)、及び前記下流切替点(P3、P4)で異なる切替動作を行う工程と、
を備える、
付記1から6のいずれか1つに記載のコーティング法。
【0115】
[付記8]
a)前記上流切替点(P1)での前記切替動作は、
a1)前記コーティング剤ジェット(9)をオンに切り替えるためにコーティング剤バルブを開くこと、及び、
a2)遮断装置(30)を、前記遮断装置(30)が前記コーティング剤ジェット(9)を集めて前記コーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)に届かないようにする活動遮断位置に移動させること、
であり、
b)前記切替点(P2)での前記切替動作は、
b1)前記コーティング剤バルブを開いたままに維持すること、
b2)前記遮断装置(30)を、前記遮断装置(30)が前記コーティング剤ジェット(9)を集めず前記コーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)に届くようにする休止遮断位置に移動させること、
であり、
c)前記下流切替点(P3、P4)での前記切替動作は、
c1)前記コーティング剤バルブを閉じること、及び/又は、
c2)前記遮断装置(30)を、前記遮断装置(30)が前記コーティング剤ジェット(9)を集めて前記コーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)に届かないようにする遮断位置に移動させること、
である、
付記7に記載のコーティング法。
【0116】
[付記9]
a)流体流(特に、前記コーティング剤ジェット(9)、又は、空気ジェット(特に、前記コーティング剤ジェット(9)を成形するためのガイド空気ジェット))をオン又はオフに切り替えること、
b)静電コーティング剤帯電をオン又はオフに切り替えること、
c)活動状態で前記コーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)にぶつかる前に前記コーティング剤ジェット(9)を遮断する遮断装置(30)を活動化又は休止化すること、
といった切替動作の少なくとも1つが前記切替点のそれぞれで行われる、
付記1から8のいずれか1つに記載のコーティング法。
【0117】
[付記10]
a)光学的切替マーキング(13)は、
a1)可視光波長範囲内、又は、
a2)赤外線波長範囲内、又は、
a3)紫外線波長範囲内、
の光を前記部品表面(7)に照射することで生成され、及び/又は、
b)光源(11)の光は、
b1)少なくとも100nm、250nm、又は500nmの帯域幅を有する波長スペクトルを持つ広帯域であり、又は、
b2)光学センサ(14)は前記光源(11)の波長スペクトル内に収まる狭帯域波長範囲内で感受性であり、環境光による障害への感受性を減らすために、大きくとも50nm、25nm、10nm、又は1nmの帯域幅を有する狭帯域波長スペクトルを有し、及び/又は、
c)前記光学的切替マーキング(13)を生成するための前記光源(11)は、
c1)固定式であり、又は、
c2)空間的に移動可能に配置されており、及び/又は、
d)前記部品表面(7)上の前記切替マーキング(13)は、
d1)光の区域であり、又は、
d2)光の縞であり、又は、
d3)光の点であり、又は、
d4)光パターンを含み、及び/又は、
e)前記切替マーキング(13)は、
e1)コーティング対象の前記部品表面(7)上の副区域の輪郭を直線状にマーキングし、又は、
e2)コーティング対象の前記部品表面(7)上の副区域の全体をマーキングし、又は、
e3)前記切替点のひとつに点状にマーキングし、及び/又は、
f)前記コーティング剤は、
f1)塗料、
f2)接着剤、
f3)封止剤、又は、
f4)絶縁材
であり、及び/又は、
g)前記塗布装置(8)は、
g1)噴霧器、特に、回転噴霧器であり、又は、
g2)前記コーティング剤の液滴のジェットを塗布し、又は、
g3)前記コーティング剤ジェット(9)を連続コーティング剤ジェット(9)として塗布し、及び/又は、
h)コーティング対象の前記部品(6)は、
h1)自動車車体部品、
h2)自動車車体用付属部品、又は、
h3)航空部品、
であり、及び/又は、
i)前記切替点は、それぞれ、無塗装領域(2)と塗装対象の領域(3)との間の境界(4)を示し、及び/又は、
j)前記光学センサ(14)は、
j1)前記塗布装置(8)に機械的に接続されており、且つ、前記塗布装置(8)とともに前記部品表面(7)の上方を移動させられ、又は、
j2)前記塗布装置(8)とは機械的に独立しており、及び/又は、
k)前記光学センサ(14)は、前記塗布装置(8)の移動に先行して移動する検出領域(15)を有する、
付記1から9のいずれか1つに記載のコーティング法。
【0118】
[付記11]
部品(6)をコーティング剤でコーティングするためのコーティング設備、特に、付記1から10のいずれか1つに記載のコーティング法を行うためのコーティング設備であって、
a)コーティング対象の前記部品(6)の部品表面(7)上に、前記コーティング設備が切替動作を行う切替点を示す切替マーキング(13)を生成するためのマーキング装置(11)と、
b)前記部品表面(7)上の前記切替マーキング(13)を検出するためのセンサ(14)と、
を備える、コーティング設備。
【0119】
[付記12]
a)前記マーキング装置(11)は、光源(11)、特に、レーザー(11)又はレーザーダイオードを有し、且つ、前記部品表面(7)上に光学的切替マーキング(13)を生成し、及び/又は、
b)前記センサ(14)は、光学センサ(14)、特に、カメラである、
付記11に記載のコーティング設備。
【0120】
[付記13]
a)切替動作を制御するための切替点制御(17)を備え、
b)前記切替点制御(17)は、前記切替マーキング(13)を検出するために、入力側が前記センサ(14)に接続されており、
c)前記切替点制御(17)は、前記センサ(14)が前記部品表面(7)上の前記切替マーキング(13)のひとつを検出したときに切替動作を始めるために、出力側が、作動装置に、特に、コーティング剤バルブに、接続されている、
付記11又は12に記載のコーティング設備。
【0121】
[付記14]
a)前記部品表面(7)にコーティング剤ジェット(9)を送るための塗布装置(8)と、
b)前記部品表面(7)の上方で前記塗布装置(8)をガイドする、好ましくは、多関節ロボット又は直線機械である多軸コーティングロボット(10)と、
c)前記塗布装置(8)が前記部品表面(7)の上方でプログラムされた移動を行うように前記コーティングロボット(10)を制御するロボット制御(16)と、
を備える、
付記13に記載のコーティング設備。
【0122】
[付記15]
a)前記切替点制御(17)は前記ロボット制御(16)に統合されており、及び/又は、
b)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、共通制御ユニット内の独立したソフトウェアモジュールの形態であり、又は、
c)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、共通制御ユニット内の独立したハードウェアモジュールの形態である、
付記14に記載のコーティング設備。
【0123】
[付記16]
a)前記切替点制御(17)は前記ロボット制御(16)とは独立しており、
b)前記切替点制御(17)及び前記ロボット制御(16)は、それぞれ、独立したハードウェアモジュールの形態であり、及び/又は、
c)前記切替点に対して可能な限り迅速な応答ができるように、前記切替点制御(17)は、前記ロボット制御(16)よりも、迅速な応答挙動を有する、
付記14に記載のコーティング設備。
【0124】
[付記17]
a)前記コーティング剤ジェット(9)を遮断するために、遮断装置(30)が設けられており、
b)前記遮断装置(30)は、活動遮断位置と休止遮断位置との間で移動可能であり、
c)前記遮断位置にある前記遮断装置(30)は、前記コーティング剤ジェット(9)を集め、これにより、前記コーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)に届くことを防ぎ、
d)前記休止遮断位置にある前記遮断装置(30)は、前記コーティング剤ジェット(9)が前記部品表面(7)に届くように、前記コーティング剤ジェット(9)を集めない、
付記11から16のいずれか1つに記載のコーティング設備。
【符号の説明】
【0125】
1 塗装経路
2 無塗装領域
3 塗装領域
3.2 誤ってコーティングされた無塗装領域の領域
3.3 誤ってコーティングされなかった塗装領域の領域
4 無塗装領域と塗装領域との境界
4.2 プログラムされたオンへの切替点
5 実際のオンへの切替点
6 部品
7 部品表面
8 塗布装置
9 コーティング剤ジェット
10 コーティングロボット
11 レーザー
12 レーザー光
13 切替マーキング
14 光学センサ
15 光学センサの検出領域
16 ロボット制御
17 切替点制御
18 センサから切替点制御への信号経路
19 切替点制御からコーティング剤バルブへの信号経路
20 コーティング剤バルブ
21 ロボット制御から切替点制御への信号経路
22−28 動作フェーズ
29 切替マーキングでのセンサ信号のピーク
30 遮断装置
31 コーティング剤ジェットを遮断するためのカッター
32 カッターを変位させるための作動装置
33 吸い込みライン
34 流体供給ライン
35 塗装経路
P1−P4 切替点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13