特許第6738461号(P6738461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6738461すべての位置で等時である機械式計時器振動子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6738461
(24)【登録日】2020年7月21日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】すべての位置で等時である機械式計時器振動子
(51)【国際特許分類】
   G04B 17/04 20060101AFI20200730BHJP
   G04B 17/10 20060101ALI20200730BHJP
   G04B 17/32 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   G04B17/04
   G04B17/10
   G04B17/32
【請求項の数】29
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-91225(P2019-91225)
(22)【出願日】2019年5月14日
(65)【公開番号】特開2019-203890(P2019-203890A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2019年5月14日
(31)【優先権主張番号】18174332.9
(32)【優先日】2018年5月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・ウィンクレ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・クリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−リュック・エルフェ
【審査官】 清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−020906(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/055983(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第03276431(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械式計時器振動子(100)であって、計時器ムーブメント(200)の地板(3)またはブリッジに固定されるように構成される少なくとも1つの底面(2)と、仮想枢軸(D)に垂直な枢動面(P)において、前記少なくとも1つの底面(2)に関する固定位置、または前記振動子(100)が複数の前記底面(2)を有する場合は複数の前記底面(2)に関する固定位置の前記仮想枢軸(D)の周りを振動するように構成される少なくとも1つの慣性要素(4)とを含み、各前記慣性要素(4)は少なくとも1つの前記底面(2)に複数の可撓性接続部(5)によって懸架され、前記複数の可撓性接続部(5)はそれぞれ少なくとも1つの弾性ストリップ(6)を含み、前記可撓性接続部(5)は共に前記仮想枢軸(D)を画成する機械式計時器振動子(100)であって、少なくとも1つの前記可撓性接続部(5)は、少なくとも1つの変形可能なコンパス状の部材(7)を含み、前記コンパス状の部材(7)は第1のアーム(8)を形成する前記弾性ストリップ(6)を備え、前記第1のアーム(8)は第1の端部(82)に配置され、前記底面(2)に固定され、または前記底面(2)と一体化されるように構成され、前記枢動面(P)に突出して、別の前記弾性ストリップ(6)に対して角度をつけて移動可能であり、別の前記弾性ストリップ(6)は前記変形可能なコンパスの部材(7)の第2のアーム(9)を第2の端部(94)に形成し、前記第2のアーム(9)は前記慣性要素(4)に固定され、または前記慣性要素(4)と一体化されるように構成され、前記第1のアーム(8)および前記第2のアーム(9)は、前記変形可能なコンパス状の部材(7)の仮想頂点(10)を画成する逆の先端(11)で結合し、直線は前記仮想枢軸(D)と前記仮想頂点(10)の前記枢動面(P)への前記突出を結合するコンパス軸(D7)を形成することを特徴とし、前記振動子(100)の無応力の休止状態において、前記仮想枢軸(D)および前記コンパス軸(D7)によって画成される前記仮想頂点(10)の平面への前記突出は、前記仮想枢軸(D)の第1の側面であり、前記第1の端部(82)および前記第2の端部(94)が突出する第2の側面とは対向することを特徴とする、機械式計時器振動子(100)。
【請求項2】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、前記振動子(100)の前記無応力の休止状態において、前記突出によって前記枢動面(P)に形成される前記仮想頂点(10)、前記仮想枢軸(D)、および前記第1の端部(82)および/または前記第2の端部(94)の前記仮想枢軸(D)を頂点とする角度は、160°と200°の間であることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項3】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、前記振動子(100)の前記無応力の休止状態において、前記第1の端部(82)および前記第2の端部(94)の前記枢動面(P)への前記突出は一致することを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項4】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、前記第1のアーム(8)および前記第2のアーム(9)は、前記枢動面(P)への突出において前記コンパス軸(D7)に関して対称であることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項5】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、前記割合R/Lは、0.12と0.18の間、または0.47と0.53との間であり、一方では、前記Rは、前記枢動面(P)への突出において、前記仮想枢軸(D)に対する頂点(10)の前記偏心Rであり、他方では、前記Lは、前記枢動面(P)への突出において、前記頂点(10)と、前記第1の端部(82)または前記第2の端部(94)との間の最短の長さLであることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項6】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、同一の可撓性接続部(5)に含まれる、前記変形可能なコンパス状の部材(7)のすべての前記コンパスの頂点(D7)のすべては前記枢動面(P)への突出において一致することを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項7】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、前記可撓性接続部(5)に含まれる、前記変形可能なコンパス状の部材(7)のすべての前記コンパスの頂点(D7)のすべては、前記枢動面(P)への突出において、前記仮想枢軸(D)上で交差することを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項8】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、前記第1の可撓性接続部(5)のすべては同一であることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項9】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、前記可撓性接続部(5)に含まれる、前記変形可能なコンパス状の部材(7)のすべての前記コンパスの頂点(D7)のすべては、前記仮想枢軸(D)の周りに均一に角度をつけて配置されることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項10】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、少なくとも1つの前記変形可能なコンパス状の部材(7)は、前記振動子(100)の前記無応力の休止状態において直線状である前記弾性ストリップ(6)を含むことを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項11】
請求項10に記載の機械式振動子(100)であって、前記第1のストリップ(6)のすべては直線状であることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項12】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、少なくとも1つの前記変形可能なコンパス状の部材(7)は、前記第1のアーム(8)を前記枢動面(P)に平行な第1のレベル(P1)に有し、前記第2のアーム(9)を前記枢動面(P)に平行で、前記第1のレベル(P1)とは異なる第2のレベル(P2)に有することを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項13】
請求項12に記載の機械式振動子(100)であって、各前記変形可能なコンパス状の部材(7)は前記第1のアーム(8)を前記枢動面(P)に平行な第1のレベル(P1)に有し、前記第2のアーム(9)を前記枢動面(P)に平行で、前記第1のレベル(P1)とは異なる第2のレベル(P2)に有することを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項14】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、少なくとも1つの前記変形可能なコンパス状の部材(7)は、前記第1のアーム(8)と前記第2のアーム(9)とを含み、前記第1のアーム(8)と前記第2のアーム(9)の前記枢動面(P)への突出は、前記振動子(100)の前記無応力の休止状態において、互いに重なることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項15】
請求項14に記載の機械式振動子(100)であって、各変形可能なコンパス状の部材(7)の前記第1のアーム(8)および前記第2のアーム(9)の前記枢動面(P)への前記突出は、前記振動子(100)の前記無応力の休止状態において、互いに同一であることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項16】
請求項14に記載の機械式振動子(100)であって、各前記変形可能なコンパス状の部材(7)は、前記第1のアーム(8)と前記第2のアーム(9)とを含み、前記第1のアーム(8)と前記第2のアーム(9)の前記枢動面(P)への突出は、前記振動子(100)の前記無応力の休止状態において、互いに重なることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項17】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、少なくとも1つの前記変形可能なコンパス状の部材(7)は前記第1のアーム(8)を有し、前記第1のアーム(8)は前記第2のアーム(9)より硬く、前記コンパス状の部材(7)の前記第2の端部(74)に固定される前記慣性要素(4)より硬くないことを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項18】
請求項17に記載の機械式振動子(100)であって、各前記変形可能なコンパス状の部材(7)は前記第1のアーム(8)を有し、前記第1のアーム(8)は前記第2のアーム(9)より硬く、前記コンパス状の部材(7)の前記第2の端部(74)に固定される前記慣性要素(4)より硬くないことを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項19】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、少なくとも1つの前記変形可能なコンパス状の部材(7)は前記第1のアーム(8)を有し、前記第1のアーム(8)前記第2のアーム(9)と同じくらい硬く、同一の弾性特性を有し、前記コンパス状の部材(7)の前記第2の端部(74)に固定される前記慣性要素(4)より硬くないことを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項20】
請求項19に記載の機械式振動子(100)であって、各前記変形可能なコンパス状の部材(7)は前記第1のアーム(8)を有し、前記第1のアーム(8)前記第2のアーム(9)と同じくらい硬く、同一の弾性特性を有し、前記コンパス状の部材(7)の前記第2の端部(74)に固定される前記慣性要素(4)より硬くないことを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項21】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、少なくとも1つの前記慣性要素(4)は、前記仮想枢軸(D)の方向に、前記可撓性接続部(5)のセットの両面に延在し、前記可撓性接続部(5)によって、前記底面(2)または複数の前記底面(2)に懸架されることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項22】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、各前記慣性要素(4)は、前記仮想枢軸(D)の方向に、前記可撓性接続部(5)のセットの両面に延在し、前記可撓性接続部(5)によって、前記底面(2)または複数の前記底面(2)に懸架されることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項23】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、少なくとも1つの前記慣性要素(4)は、前記可撓性接続部(5)以外には前記仮想枢軸(D)に対して軸方向軸受に欠け、放射状の軸受に欠け、前記可撓性接続部(5)によって、前記底面(2)または複数の前記底面(2)に懸架されることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項24】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、各前記慣性要素(4)は、前記可撓性接続部(5)以外には前記仮想枢軸(D)に対して軸方向軸受に欠け、放射状の軸受に欠け、前記可撓性接続部(5)によって、前記底面(2)または複数の前記底面(2)に懸架されることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項25】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、少なくとも1つの前記変形可能なコンパス状の部材(7)は、少なくとも1つの中間慣性ブロックを、前記第1のアーム(8)および/または前記第2のアーム(9)上で、および/または前記逆の先端(11)上に含み、前記少なくとも1つの中間慣性ブロックは前記第1のアーム(8)および前記第2のアーム(9)より硬いことを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項26】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、前記振動子(100)は、3つの平行なレベルを前記仮想枢軸(D)の方向に含み、前記枢動面(P)への突出において、3つの同一の前記可撓性接続部(5)は互いに120°離間し、このように重なった前記3つの可撓性接続部(5)は、連続して、第1の上部アーム(8A)と第2の上部アーム(9A)とを有する上部コンパス状の部材(7A)と、第1の中間アーム(8B)と第2の中間アーム(9B)とを有する中間コンパス状の部材(7B)と、第1の底部アーム(8C)と第2の底部アーム(9C)とを有する下部コンパス状の部材(7C)とを備えることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項27】
請求項1に記載の機械式振動子(100)であって、各前記可撓性接続部(5)はケイ素および/または二酸化ケイ素、または少なくとも部分的な非晶質物、またはDLC、または水晶からなることを特徴とする、機械式振動子(100)。
【請求項28】
請求項1に記載の少なくとも1つの機械式振動子(100)を備え、各前記振動子(100)に含まれる各前記底面(2)を固定するための地板(3)またはブリッジを備える、計時器ムーブメント(200)。
【請求項29】
請求項28に記載の少なくとも1つの計時器ムーブメント(200)を含み、および/または請求項1に記載の少なくとも1つの機械式振動子(100)を含む、腕時計(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械式計時器振動子に関する。本機械式計時器振動子は、計時器ムーブメントの地板またはブリッジに固定されるように構成される少なくとも1つの底面と、少なくとも1つの慣性要素とを備える。少なくとも1つの慣性要素は、少なくとも1つの底面に対する固定位置の仮想枢軸の周り、または振動子が複数の底面を有する場合は複数の底面に対する固定位置の仮想枢軸の周りを、仮想枢軸に垂直な枢動面において振動するように構成される。各慣性要素は、それぞれ少なくとも1つの弾性ストリップを含む複数の可撓性接続部によって、少なくとも1つの底面に懸架される。可撓性接続部は共に、仮想枢軸を画成する。
【0002】
本発明はまた、少なくとも1つの前述の機械式振動子を含み、各振動子に含まれる各底面を固定するための地板またはブリッジを含む計時器ムーブメントに関する。
【0003】
本発明はまた、少なくとも1つの前述の計時器ムーブメントを含み、および/または少なくとも1つの前述の機械式振動子を含む腕時計に関する。
【0004】
本発明は、外部の物理的パラメータにほとんど影響されず、弾性ストリップを有する振動子を備える高精度な計時器の分野に関する。本振動子は、高品質係数を有し、すべての装着位置において高い等時値品質を維持する。
【背景技術】
【0005】
計時器振動子の最新の研究によって、テンプの枢動および戻りのために、様々な種類の可撓性接続部が提供されてきた。
【0006】
詳細には述べないが、これらの振動子を腕時計で用いるためには、以下の2つの条件が必ず満たさなければならないことに留意されたい。
−損失の補償は脱進機で可能であるが、歩度はできる限り振動振幅から独立していなければならない。
−歩度は、重力場において腕時計の配向から独立していなくてはならない。
【0007】
様々な開示ではこれらの2つの必須の特性を確保することを考慮しているが、実際に行われたシミュレーションおよび試験では、特に装着時の特定の位置において、期待した結果を得ることがでないという欠点が示されている。
【0008】
現在の開示は一般に、その適用が工業規模に制限され、一般にわずか10°または15°までという非常に低い振動振幅値を有するという欠点を有する。この制限は以下のいずれかの理由によって説明される。可撓性接続部を形成するストリップの応力によって、それ以上高くすることが不可能であるか、または前述の2つの条件(振幅から独立した歩度および重力場における腕時計の配向から独立した歩度)のうちの少なくとも1つがもはや満たされていないかである。
【0009】
CSEM社による特許文献1は、一般に30°の高振幅が実現可能な解決法を提案し、かなりの進歩を示している。ただし、歩度は依然として、重力場において腕時計の配向から独立していない。具体的には、位置X+、X−、Y+、Y−において、振幅の関数としての歩度の特性は互いに類似しているが、非常に優れている重力場に垂直な水平位に対応する振幅の関数としての歩度の特性とは非常にかけ離れている。
【0010】
CARTIER INT社による特許文献2は、枢軸を持たないテンプを含む機械式振動子を開示する。同機械式振動子は、第1の平面に位置する縁と、計時器ムーブメントの非振動部分に固定可能な固定部材と、それぞれテンプを固定部材に接続する少なくとも2つのばねとを備える。固定部材はテンプと同軸である。少なくとも各ばねの主要部分は、非弾性的変形位置において、第1の平面または第1の平面に平行な平面から外に延在する。各ばねは第1の端部によって固定部材に固定され、第2の端部によってテンプに固定される。ばねの第1の端部を固定部材に取り付ける点は第1の平面外部に位置する。
【0011】
HOLT社による特許文献3は、温度補償式電気機械共振器を開示する。同電気機械共振器は、温度効果を補償する素材からなる可撓性要素によって、共通の構造に対して懸架される2つの同軸で平行なリングを含み、2つのリングを同時に、かつ反対の方向で共振させるための手段を含む。可撓性要素とリングとの間の取り付け点、可撓性要素と構造との間の取り付け点は、リングの振動軸から同一の半径方向距離にある。
【0012】
ROBERT FAVRE (MOVADO)社による特許文献4も同様に、2つの同軸で平行な慣性質量を有し、複数の要素に懸架される捩り振動子を開示する。複数の要素はそれぞれ、慣性質量の振動軸を貫通する平面にジグザグな可撓性ストリップを有する。
【0013】
CSEM社による特許文献5は、計時器用の回転振動子を開示する。同回転振動子は、振動子を計時器に組み立てることを可能にする支持要素と、テンプと、支持要素をテンプに接続し、テン輪に戻しトルクを行使可能な複数の可撓性ストリップと、テンプと一体化して取り付けられる縁とを備える。複数の可撓性ストリップは、少なくとも2つの可撓性ストリップを備える。少なくとも2つの可撓性ストリップは、振動子の平面に垂直な第1の平面に配置される第1のストリップと、振動子の平面に垂直である第2の平面に配置され、第1の平面の割線である第2のストリップとを含む。振動子の幾何学的振動軸は、第1の平面と第2の平面との交差によって画成される。この幾何学的振動軸は、それぞれの長さの8分の7の位置で第1および第2のストリップと交差する。
【0014】
ULYSSE NARDIN社による特許文献6は、振動軸の周りを振動する枢軸を有さない機械式振動子を開示する。この振動子は、振動軸の中心に位置し、振動軸上に位置する第1の取り付け部分に取り付けられた縁と、計時器ムーブメントの枠に固定されることを目的とする取り付け部分と、縁と取り付け部分とを接続する複数の弾性システムとを含む。弾性システムの少なくとも一部は懸架され、枠とは離れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】欧州特許出願第3299905号
【特許文献2】欧州特許出願第3276431A1号
【特許文献3】米国特許出願第3277394A号
【特許文献4】米国特許出願第3318087A号
【特許文献5】欧州特許出願第2911012A1号
【特許文献6】欧州特許出願第2273323A2号
【発明の概要】
【0016】
本発明は、一般に少なくとも25°までの高振幅に適切な可撓性接続部を備え、垂直装着位置における振幅の関数としての歩度特性が、水平位置で計測した歩度特性と同等である、機械式振動子の開発を提案する。
【0017】
そのために、本発明は、請求項1に記載の機械式計時器振動子に関する。
【0018】
本発明はまた、請求項28に記載の計時器ムーブメントに関する。
【0019】
本発明はまた、請求項29に記載の腕時計に関する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の他の特徴および有利点は、添付図を参照して以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【0021】
図1】本発明による、特定かつ非限定的実施形態における振動子の概略透視上面図を表す。単一の慣性要素は底面に懸架される。底面は、類似の特性を有する3つの可撓性接続部によってムーブメントの構造に固定される。3つの可撓性接続部は共に慣性要素の仮想枢軸を画成し、慣性要素の枢動面に平行かつ仮想枢軸に垂直な異なるレベルで重なる。
図2図1の振動子の概略上面図を表す。
図3図1または2の振動子の平面AAに沿った、枢軸を貫通する断面図である。断面は2つの弾性ストリップを通り、2つの弾性ストリップは共に、この振動子の可撓性接続部に含まれる変形可能なコンパス状の部材を形成する。特定の変形において、コンパスのアームはこれらの2つの弾性ストリップによって形成され、枢動面に平行な2つの重なったレベルにあり、取り付け点と逆の位置のコンパスの仮想頂点との間に、使用可能な等しい長さを有する。本変形では、慣性要素は弾性ストリップのセットの両側に延在する。
図4図3と同様の方法で別の変形を例示する。使用可能な長さは異なり、ストリップの枢動面への突出は、コンパス頂部を含む1つの部分でのみ同一であり、可撓性接続部が画成する仮想枢軸の両側に延在する。
図5】計時器ムーブメントを備える腕時計を表すブロック図である。計時器ムーブメントは、機械式振動子と、この振動子に含まれる底面とそれぞれ接続するための地板またはブリッジとを含む。
図6図3と同様の方法で別の変形を例示する。同一の可撓性接続部は6つの弾性ストリップの重層を含み、本事例では3つの変形可能なコンパス状の部材を形成する。
図7図2と同様の方法で別の変形の詳細を例示する。可撓性接続部を形成する弾性ストリップは直線状ではなく、枢動面に突出するコンパス状の部材の頂点を通るコンパス軸および仮想枢軸に対してのみ対称である。
図8図1または2の振動子の枢軸を通る平面AAの断面図であり、それぞれが2つの平行なレベルに延在する可撓性ストリップの3つのレベルの重層を示す。
図9】歩度図であり、歩度を一日当たりの秒単位で縦座標に表し、振幅の関数として度単位で横座標に表す。上の曲線は水平面の歩度に対応し、上の曲線に非常に近い下の曲線は、重力下で4つの異なる配向X+、X−、Y+、Y−における垂直面での歩度曲線の重層から得られる。
図10図3と同様の方法で、上部可撓性接続部の平面で、別の変形を例示する断面である。慣性要素は弾性ストリップのセットの両側には延在せず、上部弾性ストリップの側にのみ延在する。
図11図10の変形の同一の平面の断面図であり、3つの可撓性接続部が可視である。
図12図10の変形の中間可撓性接続部の平面での断面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
上記で提示された問題の困難さは、以下の2つの条件を満たす解決法を提供する振動子の可撓性ストリップの形状を決定することである。すなわち、工業的利用が可能な振幅を有しながら、歩度が振幅から独立していること、および歩度が重力場において腕時計の配向から独立していることである。工業的利用が可能な振幅は一般には25°より大きく、好ましくは約30°から40°まで、またはさらに大きい。
【0023】
本発明は、機械式計時器振動子100に関する。本振動子100は、計時器ムーブメント200の地板3またはブリッジに取り付けられるように構成される少なくとも1つの底面2を含む。本振動子100は、少なくとも1つの慣性要素4を含む。慣性要素4は、仮想枢軸Dに垂直な枢動面Pにおいて、底面が1つの場合はその底面2に対する固定位置の仮想枢軸Dの周りを振動するように構成され、振動子100が複数の底面を有する場合はそれらの底面2に対する固定位置の仮想枢軸Dの周りを振動するように構成される。
【0024】
各慣性要素4は、少なくとも1つのこのような底面2に、複数の可撓性接続部5によって懸架される。各可撓性接続部5は少なくとも1つの弾性ストリップ6を含む。これらの可撓性接続部5は共に、特定の幾何学的構成において、慣性要素4の枢動面Pに突出する仮想枢軸Dを画成する。
【0025】
まず、本発明は、振動子の慣性質量である一般にはテンプが、縁から、可撓性接続部5を形成する弾性ストリップ6の内部支持要素まで延在する硬いアームを含むような構成を避けることを試みる。そのために、本発明では、以下の構成が好ましい。弾性ストリップ6が一方で慣性要素4の縁に固定され、他方で固定底面2において枠(ムーブメントの地板またはブリッジ)に固定され、定面2の端部は外径上、つまり、可撓性接続部5が画成する仮想枢軸Dから最も遠いところに位置する。
【0026】
次に、本発明では、これらの弾性ストリップ6は枢軸Dにおいて異なる平行なレベルに配置されるため、ストリップが枢動面Pに明らかに突出して交差することが好ましい。当然のことながら、本発明の本構成は、従来技術よりも多くのレベルで重層が必要となるが、小さい寸法のストリップを収容できるようになる。そのため全体の容積に悪影響を与えずに、好ましくは慣性要素4自体の体積内で内接される。
【0027】
本発明によれば、少なくとも1つのこのような可撓性接続部5は、少なくとも1つの変形可能なコンパス状の部材7を含む。
【0028】
「コンパス」という用語は、好ましくは一部品型であり、コンパス頂部のいずれかの側に変形可能なアームを含む構成部品を簡潔な様式で記載するために選択される。アームは振動子の異なる構成部品に取り付けられる。本変形可能なコンパスは蝶番式ではなく、実際には占い棒に類似している。簡略化のために、本発明は、コンパス頂部の各側に単一のアームを備えるように例示するが、各側のアームの数は異なっていてもよいため、変形可能なコンパスの頂部の少なくとも片側に複数のアームを装備することを考案することも完全に可能である。
【0029】
より具体的には、本変形可能なコンパス7は、第1のアーム8を形成する前述の弾性ストリップ6を含む。第1のアーム8は、第1の外端部82で、前述の底面2に固定されるように配置され、または特に一部品型の実施形態では、底面2と一体化して配置される。本第1のアーム8は、別の弾性ストリップ6に対して枢動面Pに突出して、角度を付けて移動可能である。別の弾性ストリップ6は変形可能なコンパス7の第2のアーム9を形成する。第2の外端部94において、本第2のアーム9は、慣性要素4に固定されるように構成され、または慣性要素4と一体化される。各変形可能なコンパス7の第1のアーム8および第2のアーム9は、逆の先端11で結合する。逆の先端11は、変形可能なコンパス7の仮想頂点10を画成する。
【0030】
本コンパスのアームは振動中に変形することを理解されたい。一般に、振動子の休止位置で直線状である特定のアームは、振動中に可変となる半径の実質的に弓型の形状を取り、その間、変形可能なコンパス7の頂点10は、仮想枢軸Dに対して移動可能であり、振動子100の休止位置において仮想枢軸Dから最も遠くなる。
【0031】
本発明によれば、仮想頂点10の枢動面Pへの突出は、仮想枢軸Dの第1の側面上にあり、第1の端部82および第2の端部94が突出する第2の側面に対向する。つまり、振動中に弾性ストリップ6が覆う幾何学的領域は、仮想枢軸Dと交差する。直線は、仮想枢軸Dと仮想頂点10の枢動面Pへの突出とを結合するコンパス軸D7を形成する。振動子100が無応力の休止状態にあるとき、仮想枢軸Dおよびコンパス軸D7によって画成される平面への仮想頂点10の突出は、仮想枢軸Dの第1の側面にあり、第1の端部82および第2の端部94が突出する第2の側面に対向する。
【0032】
より具体的には、枢動面Pへの突出によって形成される、仮想頂点10、仮想枢軸Dおよび第1の端部82および/または第2の端部94の角度は、160°と200°との間である。
【0033】
より具体的には、図1から3の実施形態から分かるように、第1の端部82および第2の端部94の枢動面Pへの突出は一致する。
【0034】
さらにより具体的には、振動子100の無応力の休止状態において、第1のアーム8と第2のアーム9は、枢動面Pへの突出において、コンパス軸D7を形成する直線に対して対称である。コンパス軸D7は仮想枢軸Dと仮想頂点10の突出を結合する。この仮想頂点10の突出は仮想枢軸Dの第1の側面に位置し、第1の端部82および第2の端部94が突出する第2の側面に対向する。振動子100の動作中、各変形可能なコンパス7は、したがってV字型を形成する。そのアームは外側で底面および慣性要素に取り付けられ、その先端(頂点)は自由である。好ましくは、振動子の休止位置において、V字型は閉鎖し、第1のアーム8および第2のアーム9は重なる。
【0035】
好ましくは、割合R/Lは0.12と0.18の間、または0.47と0.53との間である。一方では、割合R/LのRは、枢動面Pへの突出において、仮想枢軸Dに対する頂点10の偏心Rであり、他方では、Lは、枢動面Pへの突出において、頂点10と、第1の端部82または第2の端部94との間の最短の長さLである。より具体的には、頂点10と、一方の第1の端部82と、他方の第2の端部94との間の長さLは、枢動面Pへの突出において、図3から分かるように等しい。
【0036】
具体的には、同一の可撓性接続部5に含まれるすべての変形可能なコンパス7のすべてのコンパスの頂点D7は、枢動面Pへの突出において一致する。
【0037】
具体的には、可撓性接続部5に含まれるすべての変形可能なコンパス7のすべてのコンパスの頂点D7は、枢動面Pへの突出において、仮想枢軸Dで交差する。
【0038】
さらにより具体的には、すべての可撓性接続部5は同一である。
【0039】
具体的には、可撓性接続部5に含まれるすべての変形可能なコンパス7のすべてのコンパスの頂点D7は、均一に角度を付けて仮想枢軸Dの周りに配置される。
【0040】
具体的な実施形態では、少なくとも1つの変形可能なコンパス7は直線状の弾性ストリップ6を有する。より具体的には、すべての弾性ストリップ6は直線状である。
【0041】
好ましくは、しかし限定的ではなく、少なくとも1つの変形可能なコンパス7は第1のアーム8を枢動面Pに平行な第1のレベルP1に有し、第2のアーム9を枢動面Pに平行で第1のレベルP1とは異なる第2のレベルP2に有する。本振動子を屈曲したストリップを用いて構成することも可能である。ただし、これによって、複雑さと大きさが増加し、明らかな有利点はない。より具体的には、各変形可能なコンパス7は第1のアーム8を枢動面Pに平行な第1のレベルP1に有し、第2のアーム9を枢動面Pに平行で第1のレベルP1とは異なる第2のレベルP2に有する。
【0042】
有利には、少なくとも1つの変形可能なコンパス7は、第1のアーム8と第2のアーム9を有する。第1のアーム8と第2のアーム9の枢動面Pへの突出は、振動子100の無応力の休止状態において、互いに重なる。より具体的には、第1のアーム8および第2のアーム9の枢動面Pの突出は、振動子100の無応力の休止状態において、互いに同一である。
【0043】
具体的には、図3および8から分かるように、少なくとも1つの慣性要素4は仮想枢軸Dの方向に、可撓性接続部5のセットの両側に延在する。可撓性接続部5のセットによって、慣性要素4は、上面PSと下面PIとの間で底面2または複数の底面2に懸架される。より具体的には、各慣性要素4は、仮想枢軸Dの方向に、可撓性接続部5のセットの両側に延在する。可撓性接続部5のセットによって、慣性要素4は、底面2または複数の底面2に懸架される。
【0044】
有利には、少なくとも1つの慣性要素4は、可撓性接続部5以外には仮想枢軸Dに対して軸方向軸受に欠け、放射状の軸受に欠けている。可撓性接続部5によって、慣性要素4は底面2または複数の底面2に懸架される。より具体的には、各慣性要素4は、可撓性接続部5以外には仮想枢軸Dに対して軸方向軸受に欠け、放射状の軸受に欠けている。可撓性接続部5によって、慣性要素4は底面2または複数の底面2に懸架される。
【0045】
具体的な実施形態において、少なくとも1つの変形可能なコンパス7は、第1のアーム8および第2のアーム9より硬い少なくとも1つの中間慣性ブロックを、第1のアーム8および/または第2のアーム9上に、および/または逆の先端11上に含む。ただし、逆の先端11における慣性ブロックは過剰に思われる。図が例示する変形は、第1のアーム8と第2のアーム9との間の機械式結合部を提供することに限定される。
【0046】
図1、2および9の有利な実施形態では、振動子100は、仮想枢軸Dの方向に同一のレベルで、3つの同一の可撓性接続部5を含む。3つの可撓性接続部5は互いに120°離間する。本構成において、割合R/Lは0.12と0.18の間、または0.47と0.53との間である。一方では、割合R/LのRは、枢動面Pへの突出において、仮想枢軸Dに対する頂点10の偏心Rであり、他方では、Lは、枢動面Pへの突出において、頂点10と、第1の端部82または第2の端部94との間の最短の長さLである。弾性ストリップ6はケイ素および/または二酸化ケイ素からなり、それぞれ長さ1.00mm、高さ0.15mm、厚さ25.8マイクロメートルを有し、値λ=R/Lは−0.496である。
【0047】
図は、前述の様式で重なる3つの可撓性接続部を備える様々な変形を例示する。3つの可撓性接続部は平面Pへの突出において120°離間して配置される。上部コンパス7Aは第1の上部アーム8Aと第2の上部アーム9Aとを有し、中間コンパス7Bは第1の中間アーム8Bと第2の中間アーム9Bとを有し、底部コンパス7Cは第1の底部アーム8Cと第2の底部アーム9Cとを有する。
【0048】
具体的には、振動子100は、仮想枢軸Dの方向の同一のレベルに、奇数の可撓性接続部5を含む。奇数の可撓性接続部5は、振動子の自動作動を促進するために、好ましくは同一である。
【0049】
一般に、腕時計振動子の弾性ストリップ6に適切な寸法は、長さ0.50から4.00mm、高さ0.10から0.50mm、厚さ10から40マイクロメートルであり、R/Lは0.10と0.20の間、または0.45と0.55の間であり、より具体的には0.12と0.18の間、または0.47と0.53との間である。
【0050】
図4は、具体的な事例を例示する。弾性ストリップ6の使用可能な長さは異なり、枢動面Pへのストリップの突出は、1つの部分でのみ同一である。この1つの部分はコンパスの頂点10を含み、可撓性接続部5が画成する仮想枢軸Dの両側に延在する。たとえば異なる厚さ、異なる形状などを有する非対称のアームも考案可能である。
【0051】
図9は、別の変形を例示する。可撓性接続部を形成する弾性ストリップは直線状ではなく、枢動面への突出において、コンパス頂部を貫通するコンパス軸および仮想枢軸に対してのみ対称である。形状には制限はなく、ストリップはト音記号または、らせんなどのストリップの全長が延在できるような任意の形状でよい。
【0052】
各可撓性接続部5はケイ素および/または二酸化ケイ素、または少なくとも部分的な非晶質物、またはダイヤモンドライクカーボン(DLC)、または水晶または類似物質からなっていてもよい。
【0053】
本発明はまた、少なくとも1つの前述の機械式振動子100を備え、各振動子100に含まれる各底面2を固定するための地板3またはブリッジを備える計時器ムーブメント200に関する。
【0054】
本発明はまた、少なくとも1つの前述の計時器ムーブメント200を含み、および/または少なくとも1つの前述の機械式振動子100を含む腕時計300に関する。
【0055】
もちろん、
−可撓性接続部の数
−可撓性接続部ごとの弾性ストリップ対の数
−可撓性接続部の弾性ストリップ間の角度
−割合R/L
−少なくとも1つの硬い部分を弾性ストリップに追加することによって慣性ブロック
を変動することも可能である。
【符号の説明】
【0056】
2 :底面
3 :地板
4 :慣性要素
5 :可撓性接続部
6 :弾性ストリップ
7 :コンパス
7A :上部コンパス
7B :中間コンパス
7C :下部コンパス
8 :第1のアーム
8A :第1の上部アーム
8B :第1の中間アーム
8C :第1の下部アーム
9 :第2のアーム
9A :第2の上部アーム
9B :第2の中間アーム
9C :第2の下部アーム
10 :仮想頂点
11 :先端
82 :第1の端部
94 :第2の端部
100 :機械式計時器振動子
200 :計時器ムーブメント
300 :腕時計
D :仮想枢軸
D7 :コンパス軸
P :枢動面
P1 :第1のレベル
P2 :第2のレベル
PI :下面
PS :上面
R :偏心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12