(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モーター制御盤にアレイで構成される単位ユニットごとに含まれてモーターを保護又は制御する複数の保護制御モジュールと、モーターが設置された現場で、少なくとも、モーターに対する操作コマンドの入力を受ける複数のLOPコントローラと、を含むモーター制御盤用システムであって、
前記複数の保護制御モジュールと第1シリアル通信ネットワークを通じて連結されるとともに、前記複数のLOPコントローラと第2シリアル通信ネットワークを通じて連結され、中央制御室のコンピュータ又はPLCと通信する統合モジュールと、前記複数のLOPコントローラと前記統合モジュールとの間でシリアル通信を中継するLOP中継装置と、をさらに包含し、
前記複数のLOPコントローラと前記LOP中継装置は、リングを構成するように連結され、
前記統合モジュールがペアで構成されたマスター統合モジュール及びスレーブ統合モジュールを包含し、前記LOP中継装置がペアで構成されたマスターLOP中継装置及びスレーブLOP中継装置を包含し、
前記マスター統合モジュールは、前記マスターLOP中継装置及び前記スレーブLOP中継装置のそれぞれと連結され、前記スレーブ統合モジュールも前記マスターLOP中継装置及び前記スレーブLOP中継装置のそれぞれと連結され、
i)前記LOPコントローラと前記保護制御モジュールとの間の操作コマンドの伝送と、ii)前記中央制御室若しくはPLCと前記保護制御モジュールとの間の計測データの収集、動作状態レポート又は制御コマンドの伝送は、
前記統合モジュールを共通に介在して行われ、前記第1シリアル通信ネットワークを共通して利用する、モーター制御盤用システム。
モーター制御盤にアレイで構成される単位ユニットごとに含まれてモーターを保護又は制御する複数の保護制御モジュールと、モーターが設置された現場で、少なくとも、モーターに対する操作コマンドの入力を受ける複数のLOPコントローラと、を含むモーター制御盤用システムであって、
前記複数の保護制御モジュールと第1シリアル通信ネットワークを通じて連結されるとともに、前記複数のLOPコントローラと第2シリアル通信ネットワークを通じて連結される統合モジュールと、
前記複数のLOPコントローラの近傍に位置し、入力電源からDC電源を生成する複数の電源供給モジュールと、をさらに包含し、
前記複数の電源供給モジュールは、
前記第2シリアル通信ネットワークを構成する通信ケーブル内の一部のワイヤに対して少なくとも2つ以上の相異なる点で並列に、前記DC電源をそれぞれ印加する、モーター制御盤用システム。
前記LOP中継装置は、少なくとも2つの通信ポートを備え、前記複数のLOPコントローラがシリアル連結されたチェーンの両端は、前記2つの通信ポートにそれぞれ結合し、
前記2つの通信ポートのいずれか一つの通信ポートを通じたシリアル通信について応答がない場合、他の一つの通信ポートを通じてシリアル通信を遂行する、請求項6に記載のモーター制御盤用システム。
前記LOP中継装置は、連結される前記複数のLOPコントローラについてシリアル通信のマスターとして機能し、前記統合モジュールは、連結される前記LOP中継装置に対してシリアル通信のマスターとして機能し、
前記LOP中継装置は、前記複数のLOPコントローラごとに割り当てられた通信ポートに関する情報が格納されるLOP割り当てテーブルを備える、請求項6に記載のモーター制御盤用システム。
前記統合モジュールがペアで構成されたマスター統合モジュール及びスレーブ統合モジュールを包含し、前記LOP中継装置がペアで構成されたマスターLOP中継装置及びスレーブLOP中継装置を包含し、
前記マスター統合モジュールは、前記マスターLOP中継装置及び前記スレーブLOP中継装置のそれぞれと連結され、前記スレーブ統合モジュールも前記マスターLOP中継装置及び前記スレーブLOP中継装置のそれぞれと連結される、請求項6に記載のモーター制御盤用システム。
前記マスターLOP中継装置及び前記スレーブLOP中継装置のいずれか一つのLOP中継装置は、前記複数のLOPコントローラがシリアル連結されたチェーンの一端に連結され、他の一つのLOP中継装置は、前記チェーンの他端に連結される、請求項9に記載のモーター制御盤用システム。
前記マスター統合モジュール又は前記スレーブ統合モジュールの中の一つが選択的に活性化され、前記マスターLOP中継装置又は前記スレーブLOP中継装置の中の一つが選択的に活性化される、請求項9に記載のモーター制御盤用システム。
前記複数のLOPコントローラがシリアル連結されたチェーンの一端は、前記マスターLOP中継装置の第1通信ポートと前記スレーブLOP中継装置の第1通信ポートに共通して連結され、
前記チェーンの他端は、前記マスターLOP中継装置の第2通信ポートと前記スレーブLOP中継装置の第2通信ポートに共通して連結される、請求項13に記載のモーター制御盤用システム。
モーター制御盤にアレイで構成される単位ユニットごとに含まれてモーターを保護又は制御する複数の保護制御モジュールと、モーターが設置された現場で、少なくとも、モーターに対する操作コマンドの入力を受ける複数のLOPコントローラと、を含むモーター制御盤用システムであって、
前記複数の保護制御モジュールと第1シリアル通信ネットワークを通じて連結されるとともに、前記複数のLOPコントローラと第2シリアル通信ネットワークを通じて連結されるマスター統合モジュール及びスレーブ統合モジュールと、
前記複数のLOPコントローラと前記マスター統合モジュール又は前記スレーブ統合モジュールとの間でシリアル通信を中継するマスターLOP中継装置及びスレーブLOP中継装置と、をさらに包含し、
前記マスター統合モジュールは、前記マスターLOP中継装置及び前記スレーブLOP中継装置のそれぞれと連結され、前記スレーブ統合モジュールも前記マスターLOP中継装置及び前記スレーブLOP中継装置のそれぞれと連結され、
前記マスター統合モジュール又はスレーブ統合モジュールの中の一つが選択的に活性化され、前記マスターLOP中継装置又は前記スレーブLOP中継装置の中の一つが選択的に活性化される、モーター制御盤用システム。
前記複数のLOPコントローラがシリアル連結されたチェーンの一端は、前記マスターLOP中継装置の第1通信ポートと前記スレーブLOP中継装置の第1通信ポートに共通して連結され、
前記チェーンの他端は、前記マスターLOP中継装置の第2通信ポートと前記スレーブLOP中継装置の第2通信ポートに共通して連結される、請求項15に記載のモーター制御盤用システム。
【背景技術】
【0002】
MCC(Motor Control Center)は、モータの運転、停止制御及び保護のためにブレーカ、開閉器、保護制御モジュールなどで構成された単位ユニット(要素ユニット)と各単位ユニットの分岐線路に電力を供給するための主線路とブレーカなどで構成された引込ユニットで構成されている(
図1参照)。
【0003】
単位ユニット(要素ユニット)を構成する構成品の一つである保護制御モジュールは、保護装置と制御装置とで別に構成することもでき、シンプルな機能の装置から通信機能を兼ね備える高機能の装置まで、様々な製品が適用されている。
【0004】
工場やビルなどでは、MCCパネルの前で制御するとともに、中央制御室から遠隔で制御する必要性が高まるにつれ、通信機能のあるデジタル方式の保護制御モジュールが普及されている(
図2参照)。
【0005】
一方、モーターが設置された現場でモーターの運転を担う現場操作盤(LOP:Local Operating Panel)との連結は、単位ユニットごとにアナログ信号線を設置する場合が、まだほとんどの実情である(
図3参照)。
【0006】
現場操作盤(LOP)からモータに流れる電流を確認できるようにするために単位ユニット内に設置したCTと現場操作盤の電流計とを連結しなければならず、モーターの運転状態(RUN、STOPなど)を現場操作盤に表示するために単位ユニット内の保護制御モジュールのDO(Digital Output)端子と現場操作盤の表示ランプを連結し、現場操作盤でプッシュボタンによるRUN、STOPなどの操作コマンドが保護制御モジュールのDI(Digital Input)端子を経て保護制御モジュールのマグネチックコンタクタから(M/C)を制御することができるように、現場操作盤のプッシュボタンと保護制御モジュールのDI端子を連結しなければならない。
【0007】
しかし、このようなアナログ信号線は、単位ユニットごとにそれぞれ対応する現場操作盤との間に設置しなければならないので、その設置費用が高く、メンテナンスの困難が多いのは明確な事実である。
図3では、便宜上一つの単位ユニットについてのみ現場操作盤との連結を表示したが、実際には、すべての単位ユニットと現場操作盤との間にこのような連結が必要なので、多くのケーブルが必要になる。
【0008】
モーター制御盤から通常数十メートル乃至数百メートルまで離れたLOPをアナログ信号線で連結しなければならない問題を解決するために、LOPの装置をシリアル通信機能のあるデジタル装置にし、単位ユニットの保護制御モジュールと通信で連結する方法を考えてみることができる。
【0009】
さらに、すべてのLOPとシリアル通信で一度に連結するが、モーター制御盤内にシリアル(直列)通信装置を置いてLOPとの通信を代表して行うするようにし、このシリアル通信装置が、各単位ユニットの保護制御モジュールに分配して収集・取合する方案も考えられる。
【0010】
ところで、前の方案では、前記したモーター制御盤のシリアル通信装置と各単位ユニットの保護制御モジュールとの間にも、信号線や通信線が必要になるはずである。本発明は、このような趣旨に基づいて、モーター制御盤に「統合モジュール」という新しい形態のモジュールを設置し、統合モジュールと各保護制御モジュールとの間にシリアル通信ネットワークを設置し、特に、このようなシリアル通信ネットワークをLOPと各保護制御モジュールとの間の通信のほか、中央制御室のコンピュータ又はPLCとの通信でも共通に利用させることにより、モーターの制御盤を巡る全体的なシステムの構成の効率性を高めようとする。
【0011】
一方、LOPにシリアル通信を行うデジタル装備が含まれるにつれて、従来アナログ形態のLOPとは異なり、デジタルLOPには、電源の供給が必要であるが、現場周辺の電源を使用すると、モーター制御盤の運用のための電源の系統から外れて不適切なので、モーター制御盤からこのような電源線を引いて使用することが望ましい。
【0012】
LOPの制御電源は、LOPが設置された現場からフェッチ(fetch)することができないので、モーター制御盤内の電源と連結しなければならないのに、
図4(a)のようにLOPが並列に単一の電源線を用いて電源の供給を受けられるが、この場合、電源線の一つの区間に断線が発生すると断線が生じた場所の後段にあるLOPには、電源を供給することができなくなる問題がある。
【0013】
そして、このような問題を解決するために、
図4(b)に図示されたように、LOPごと個別の電源線を連結することを考えてみることもできるが、この場合には、LOPの個数に比例する多くの数の電源線が設置される必要があるため、すべてのLOPをシリアル通信で連結する方式の長所がなくなる問題がある。アナログ信号線に比べて信号線の線数は減少したが、各LOPごとに電源線が連結されなければならないので、効率性の長所がほとんどなくなることになる。
【0014】
以上の従来技術の問題点及び課題について説明したが、このような問題点と課題に対する認識は、本発明の技術分野における通常の知識を有する者に自明なものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、モーター制御盤をめぐるシステムの構成において、効率性を高めたモーター制御盤用システムを提供するためのものである。
【0016】
なお、本発明は、デジタル化されたLOPに対する電源供給において効率性がありながらも安定性を有するモーター制御盤用システムを提供するためのものである。
【0017】
なお、本発明は、モーター制御盤をめぐるシステムの構成において、通信又は電源供給における効率性とフォールトトレランス(Fault Tolerance)を有し合わせるモーター制御盤用システムを提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一態様によるモーター制御盤用システムは、モーター制御盤にアレイで構成される単位ユニット(要素ユニット)ごとに含まれてモーターを保護又は制御する複数の保護制御モジュールと、モーターが設置された現場で、少なくとも、モーターに対する操作コマンドの入力を受ける複数のLOPコントローラと、を含むモーター制御盤用システムであって、前記複数の保護制御モジュールと第1シリアル通信ネットワークを通じて連結されるとともに、前記複数のLOPコントローラと第2シリアル通信ネットワークを通じて連結され、中央制御室のコンピュータ又はPLCと通信する統合モジュールと、をさらに包含し、
i)前記LOPコントローラと前記保護制御モジュールとの間の操作コマンドの伝送と、ii)前記中央制御室又はPLCと前記保護制御モジュールとの間の計測データの収集、動作状態レポート又は制御コマンドの伝送は、前記統合モジュールを共通に介在して行われ、前記第1シリアル通信ネットワークを共通に利用することを特徴とする。
【0019】
本発明の一態様によるモーター制御盤用システムは、モーター制御盤にアレイで
構成される単位ユニッごとに含まれてモーターを保護又は制御する複数の保護制御モジュールと、モーターが設置された現場で、少なくとも、モーターに対する操作コマンドの入力を受ける複数のLOPコントローラと、を含むモーター制御盤用システムであって、前記複数の保護制御モジュールと第1シリアル通信ネットワークを通じて連結されるとともに、前記複数のLOPコントローラと第2シリアル通信ネットワークを通じて連結される統合モジュールと、前記複数のLOPコントローラの近傍に位置し、入力電源からDC電源を生成する複数の電源供給モジュールと、をさらに包含し、前記複数の電源供給モジュールは、前記第2シリアル通信ネットワークを構成する通信ケーブル内の一部のワイヤーに対して少なくとも2つ以上の相異なる点で並列に、前記DC電源をそれぞれ印加することを特徴とする。
【0020】
前記したモーター制御盤用システムにおいて、前記複数のLOPコントローラと前記
統合モジュールとの間でシリアル通信を中継するLOP中継装置と、をさらに包含し、前記複数のLOPコントローラと前記LOP中継装置は、リングを構成するように連結される。
【0021】
前記したモーター制御盤用システムにおいて、前記統合モジュールがペアで構成されたマスター統合モジュールとスレーブ統合モジュールを包含し、前記LOP中継装置がペアで構成されたマスターLOP中継装置及びスレーブLOP中継装置を包含し、前記マスター統合モジュールは、前記マスターLOP中継装置及び前記スレーブLOP中継装置のそれぞれと連結され、前記スレーブ統合モジュールも前記マスターLOP中継装置及び前記スレーブLOP中継装置のそれぞれと連結される。
【0022】
本発明の一態様によるモーター制御盤用システムは、モーター制御盤にアレイで
構成される単位ユニットごとに含まれてモーターを保護又は制御する複数の保護制御モジュールと、モーターが設置された現場で、少なくとも、モーターに対する操作コマンドの入力を受ける複数のLOPコントローラと、を含むモーター制御盤用システムであって、前記複数の保護制御モジュールと第1シリアル通信ネットワーク通じて連結されるとともに、前記複数のLOPコントローラと第2シリアル通信ネットワークを通じて連結されるマスター統合モジュール及びスレーブ統合モジュールと、前記複数のLOPコントローラと前記マスター統合モジュール又は前記スレーブ統合モジュールとの間でシリアル通信を中継するマスタLOP中継装置及びスレーブLOP中継装置と、をさらに包含し、前記マスター統合モジュールは、前記マスターLOP中継装置及び前記スレーブLOP中継装置のそれぞれと連結され、前記スレーブ統合モジュールも前記マスターLOP中継装置及び前記スレーブLOP中継装置のそれぞれと連結され、前記マスター統合モジュール又はスレーブ統合モジュールの中の一つが選択的に活性化され、前記マスターLOP中継装置又は前記スレーブLOP中継装置の中の一つが選択的に活性化されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様によれば、モーターの制御盤をめぐるシステムの構成において、多様な方向の通信のために必要な構成を共通に利用するので、効率性を向上させることができ、モーター制御盤の諸般の構成に対する統合的な管理が容易であり、メンテナンスの利便性が増加し、LOP電源に対する二重化ととフォールトトレランス(Fault Tolerance)の確保、通信に対する二重化とフォールトトレランスの確保を可能にする基盤を提供する効果がある。
【0024】
なお、本発明の一態様によると、いくつかの電源供給モジュールが故障したり、モーター制御盤からのいくつかの電源線に断線があったりしても、すべてのLOPコントローラに対し正常的に電源を供給できる効果があり、シリアル通信のための通信ケーブルの途中に断線があったり、プラグが抜けたりしても全体のLOPについて電源供給が可能な長所がある。
【0025】
なお、本発明の一態様によると、長い電源線の長さによる電源電圧の減少やLOPコントローラの台数が多くて電源供給モジュールの容量を高める必要があるとき、電源供給モジュールを設置するLOPコントローラの台数を増加させればよいので、電源電圧の減少や容量の増加に容易に対応できる効果がある。
【0026】
なお、本発明の一態様によれば、シリアル通信ネットワークを構成する通信ケーブル内の一部のワイヤに対して少なくとも2つ以上の相異なる点で並列にDC電源をそれぞれ印加するようになり、電源供給モジュール及び電源線の数を大幅に低減しながらも、一部の電源供給モジュールが故障したり、一部の電源線に断線が生じたりしても、正常的な電源供給が可能になる効果がある。
【0027】
なお、本発明の一態様によると、統合モジュール又はLOP中継装置の故障に対処することができ、任意の通信線路と通信ポートにおいて生じる断絶についても対処することができ、システムのフォールトトレランスが大幅に向上される効果がある。そして、このような効果を達成しながらも、すべてのLOPに電源供給モジュールを構成してすべてのLOPまで電源線を設置する必要なく、一部のLOP又はLOP中継装置のみ
電源供給モジュールを構成して電源線を設置すればよいので、より効率的な構成が
可能になる。
【0028】
なお、本発明の一態様によれば、モーターの制御盤の全体を司って、LOP、保護制御モジュール及び中央制御室(PLC)との3方向通信を司る新しい装置である「統合モジュール」を構成することにより、LOPとの通信及び電源供給においても安定性が高いシステムを構成することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
添付した図面を参考にして、本発明の実施例について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相異なる形態で具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。そして図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通して類似した部分については、類似の名称及び符号を使用する。特に、前の部分の実施例で説明した事項は、それ以後の実施例に関する説明で省略することができる。
【0031】
図5は、本発明の一実施例によるモーター制御盤用システムの全体構成を図示した図面であり、
図6は、本発明の一実施例によるモーター制御盤用システムで統合モジュールは、保護制御モジュール及びLOPの内部構成を示した図面である。
【0032】
モーター制御盤用システムは、通常の保護制御モジュールとLOPを包含するが、本発明の一実施例による保護制御モジュール200も、モーター制御盤にアレイで構成される単位ユニット(要素ユニット)20ごとに含まれてモーターを保護又は制御する機能を遂行し、LOP300に構成されるLOPコントローラ310は、モーターが設置された現場でモーターに対する操作コマンドの入力を受けるなどの機能を遂行する。
【0033】
統合モジュール100、保護制御モジュール200及びLOPコントローラ310には、RS-485ドライバなどのシリアル通信用ドライバとEthernet MAC&PHYのようなイーサネット(登録商標)通信用の通信モジュールが含まれ、センシングされた電圧信号及び/又は電流信号に対する信号入力、信号処理のためにアナログ入力回路及びDSPが含まれており、統合モジュール100、保護制御モジュール200又はLOPコントローラ310の諸般の機能を制御し、必要な演算を遂行するCPUをそれぞれ包含できる。
【0034】
ところで、本発明の一実施例によるモーター制御盤用システムでは、モーター制御盤内に単位ユニット20の保護制御モジュール200と通信を行うと同時に、LOPコントローラ310とも通信を行う新規の装置として「統合モジュール」100を備える。そして統合モジュール100を設置するのに最良の位置がモータ制御盤の引込ユニット10なので、統合モジュール100は、単位ユニット20の分岐線路に電力を供給する主線路とメーンブレーカを含む引込ユニットに設置される。
【0035】
統合モジュール100は、中央制御室のコンピュータ又はPLCとの通信(イーサネット通信又はRS-485シリアル通信など)、単位ユニット20の保護制御モジュール200との内部通信、LOPコントローラ310との通信など、3つの通信機能をともに遂行して、モーター制御盤に連結されたモーターのすべての事項を管理する。
【0036】
統合モジュール100は、RS-485などのシリアル通信ポート及びイーサネット通信ポートを有しており、中央制御室のコンピュータ又はPLCと多様な方法で通信が可能である。そして統合モジュール100は、これとは別にPT、CT、アナログ入力回路及びDSPを利用して引込段の主線路の電圧と電流の入力を受け、各種の計測値と電力品質を分析して中央監視室のコンピュータに提供する。従来のモーター制御盤では、別の電力メーターを設置してから可能な機能である。
【0037】
さらに、統合モジュールは、単位ユニット20の保護制御モジュール200とRS-485などのシリアル通信を通じて、モーターユニット20の計測データとモーターの動作状態を収集し、中央監視室からの制御コマンドを伝達する機能を遂行するとともに、引込ユニット10からPTとアナログ入力回路などを利用してサンプリングした電圧データを各単位ユニット20の保護制御モジュール200に伝送する。統合モジュール100は、主線路からサンプリングした電圧データをモータ制御盤内の複数の保護制御モジュール200に提供して、例えば、保護制御モジュール200は、独自の獲得した電流データと演算して電力に関する情報を演算する際に利用するようにする。このような方法は、個別の単位ユニット20が分岐線路にコンタクトして電圧信号を得なくても、電力を計測できる方法を提供する。そして、モーター制御盤の前面には、引込ユニット10と単位ユニット20をサポートするHMIディスプレイがそれぞれ設置され、ソケットボード50は、対応するピンが共通に連結された3つのソケットを包含すると、
図22に図示されたような構造を有し得る。
【0038】
そして引込ユニット10の統合モジュール100とLOPコントローラ310を、単一の線路でシリアル連結することで、設置時間とコストを最小化する。統合モジュール100は、
単位ユニット20の保護制御モジュール200とLOPコントローラ310の両方と通信連結されているので、保護制御モジュール200で収集したモーターの運転状態をLOPコントローラ310に伝送して、現場で見られるようにして、LOPコントローラ310は、前面に設置されたボタンなどに対する操作により、モーターの運転に関する操作コマンドの入力を受け、これを保護制御モジュール200に伝送して、モーターの起動と停止などの制御機能を遂行させる。
【0039】
統合モジュール100は、保護制御モジュール200との間に第1シリアル通信ネットワークを構成し、シリアル通信ネットワークにおいてシリアル通信のマスターとして機能し、各保護制御モジュール200は、スレーブとして機能する。そして統合モジュール100は、LOPコントローラ310との間で第2シリアル通信ネットワークを構成し、第2シリアル通信ネットワークでは、シリアル通信のマスターとして機能し、各LOPコントローラ310は、スレーブとして機能する。
【0040】
図7に簡単に図式化したように、統合モジュール100は、各単位ユニットに存在する複数の保護制御モジュール200と、第1シリアル通信ネットワークを通じて連結されるとともに、現場にあるLOP300のLOPコントローラ310と第2シリアル通信ネットワークを通じて連結され、中央制御室のコンピュータ又はPLCと通信する。本発明の一特徴は、i)LOPコントローラ310と保護制御モジュール200との間の操作コマンド伝送など及び、ii)中央制御室又はPLCと保護制御モジュール200との間の計測データ収集、動作状態レポート又は制御コマンドの伝送が、新規の統合モジュール100を共通に介在して行われ、統合モジュール100を共通に利用し、また、第1シリアル通信ネットワークを共通に利用する点にある。
【0041】
本発明の斯かる特徴によると、モーターの制御盤をめぐるシステムの構成における多様な方向の通信のために必要な構成を共通に利用するので、効率性を高めることができ、モーター制御盤の諸般の構成に対する統合的な管理が容易であり、メンテナンスの利便性が増加し、後述するLOP電源に対する二重化ととフォールトトレランス(Fault Tolerance)の確保、通信に対する二重化とフォールトトレランスの確保を可能にする基盤を提供する効果がある。
【0042】
本発明の一特徴によると、引込ユニット10の統合モジュール100と現場のLOPコントローラ310を通信で連結することにより、配線の効率性とメンテナンスの利便性が
増加するようになる。しかし、LOPコントローラ310の電源を供給する効率的な方案が要求され、シリアル通信ネットワークの特性上、通信線の断線が発生した場合、一部の領域の通信が全てできない短所が有り得るので、これに対する対策を講じる。
【0043】
図8は、本発明の一実施例によるLOPコントローラ310と電源供給モジュール400が結合されたことを示した図面であり、
図9は、本発明の一実施例に基づいて、各LOPコントローラ310に電源を供給する例を図示した図面である。
【0044】
LOPコントローラ310は、全般的な制御のためのCPU311と、RS-485のようなシリアル通信のためのドライバ312と、入力された直流の電圧を変換して出力するDC/DCコンバータ313と、通信ケーブルのプラグが脱着されるRJ45ソケットのような2つのソケット(314A、314B)を含んで構成される。電源供給モジュール400は、入力されるAC又はDCの電源からLOPコントローラ300が要求するDC電圧のDC電源に変換して生成される電源変換部410を含んでいる。そして電源供給モジュール400は、LOPコントローラ310の外部に脱着又は装着されることができるもので、これらの間で電源供給の経路を確保するためのコネクタ(315,420)を備える。
【0045】
例えば、LOPコントローラ310の入力定格はDC24Vであり、外部から入力されるDC24Vの電源は、DC/DCコンバータ313を通じてコントローラ内部に使用される適切な電圧に変換され、CPU311などの内部回路に供給される。併せて、これとともにDC24Vなどの直流電源は、DC/DCコンバータ313を経由せずに、2つのソケット(314A、314B)の一部の端子に出力され、シリアル通信のための通信ケーブルの一部のワイヤー(線路)にのせられる。
【0046】
ソケット(314A、314B)は、シリアル通信のための通信ポートに機能するために、各LOPコントローラ300に2個ずつ設置されて、モーター制御盤の統合モジュール100と現場にあるLOPコントローラ300との間の連結において、使いやすさを追求する。
【0047】
本発明の一実施例では、AC電源ケーブルの配線を簡素化するためにLOPコントローラ310の背面に脱着又は装着される電源供給モジュール400を開発して適用する。電源供給モジュール400の入力は、モーター制御盤から連結されるAC又はDC電圧であり、(例えば、韓国で主に多く使用されるAC110Vであり得る)、入力電圧をDC24VのようなDC電圧に変換してLOPコントローラ310に供給する。
【0048】
LOPコントローラ310では、電源供給モジュール400から供給された、例えばDC24Vの直流がDC/DCコンバータ313及びソケット(314A、314B)に供給される。DC/DCコンバータ313を経て、LOPコントローラ310の内部電源で使用されるだけでなく、通信に使用される通信ケーブルを通じて隣接する他のLOPコントローラ310に供給される。通信ケーブルとソケット(314A、314B)を通じてDC電源を供給されたLOPコントローラ310では、DC/DCコンバータ313が電圧を変換して使用する。
【0049】
電源供給モジュール400が取り付けられたLOPコントローラ310は、ソケットのピンのうち、シリアル通信に使用されていないピンと通信ケーブルのワイヤーを介してDC電源を提供して通信連結された他のLOPコントローラ310に電源を供給する。このような方式を適用する場合LOPコントローラ310の中での一部に対してのみモーター制御盤から電源を供給すればよい。例えば、
図9(a)に例示されたように、モーター制御盤から最も近いLOPコントローラ310のみ電源を供給してやればよい。
【0050】
一方、一台のLOPコントローラ310のみ電源供給モジュール400を装着して電源を供給すると、電源線の断線や電源供給モジュール400の故障により、全体のLOPコントローラ410が動作しない危険性がある。
【0051】
図9(b)でのように、2つ以上のLOPコントローラ310に電源供給モジュール400を装着すると、電源の二重化とフォールトトレランスが可能になる。
【0052】
複数の電源供給モジュール400は、複数のLOPコントローラ310の近傍に位置して入力電源からDC電源を生成するが、複数の電源供給モジュール400は、統合モジュール100とLOPコントローラ310との間のシリアル通信ネットワークを構成する通信ケーブル内の一部のワイヤに対して少なくとも2つ以上の相異なる点で並列にDC電源をそれぞれ印加する。そして電源供給モジュール400の全部又は一部は、LOPコントローラ310にそれぞれ脱着可能である(後述するように電源供給モジュールの一部は、LOP中継装置内に含まれて構成されることもできる)。
【0053】
LOPコントローラ310の2つ以上に電源供給モジュール400を設置すると、電源の二重化になるので、一部の電源供給モジュール400が故障したり、モータ制御盤から一部の電源線に断線があったりしても、すべてのLOPコントローラ310に対して、正常的に電源を供給できる効果があり、シリアル通信のための通信ケーブルの途中に断線があったり、プラグが抜けたりしても全体のLOPコントローラ310に対して電源供給が可能な長所がある。
【0054】
仮定して前述した
図4(a)に示すように、電源を供給すると、中間に電源線の断線があったら、その後段のLOPに電源を供給することができない問題点があり、
図5(b)に示すように各LOPに電源を供給すると、このような問題はないが、電源線の数が非常に多くなりながらも、二重化にならない問題がある。本発明の一態様によると、このような負担を顕著に軽減しながらも、電源のフォールトトレランスを高める長所まで存在するようになる。
【0055】
長い電源線の長さによる電源電圧の減少やLOPコントローラ310の台数が多くて電源供給モジュールの容量を高める必要があるとき、電源供給モジュール400を設置するLOPコントローラ310の台数を増加させればよいので、電源電圧の減少や容量の増加に簡単に対応できる効果がある。
【0056】
図10は、本発明の一実施例によるモータ制御盤用システムで統合モジュール100とLOPコントローラ310を中心に図示した図面である。
【0057】
統合モジュール100には、LOPコントローラー310とシリアル通信を行うことができる通信ポートが2つ備えられている。そして最後のLOPコントローラー310のRJ45ソケットと、統合モジュール100の残りの通信ポートを連結して、シリアル通信線路をリングで構成することができる。
【0058】
イーサネット通信とは異なり、マスター/スレーブ方式のシリアル通信においてマスター装置は2つの通信ポートで同時に通信を行うことはできない。初期設定の段階では、シリアル通信のマスター装置である統合モジュール100は、スレーブ装置のIDを登録する。そして統合モジュール100は、いずれか1つのポートを通じてシリアル通信を行いながら、登録されたIDのLOPコントローラ310から応答がないとき、時間差を置いて、他の通信ポートを通じて、該当するIDのLOPコントローラとの通信を試みる。
【0059】
統合モジュール100は、該当するLOPコントローラ310に異常が発生したのかを、それとも通信線が抜けたり切れたりしたのかを判断する。一点から通信線が抜けたり、切断されたりした場合には、他の通信ポートを介した通信の試みに応答があるはずであるが、LOPコントローラ300の故障である場合には応答がないはずなので、両者の区分が可能である。
【0060】
通信線が抜けたり切断されたりした場合、切断された点を境にして、統合モジュール100は、2つの通信ポートをすべて使用するが、複数のLOPコントローラ310の中の一部は、第1通信ポートを介して通信を行い、残りのLOPコントローラ310は、第2通信ポートを介して通信を行う。そして統合モジュール100は、通信線が抜けたり切断されたりした場合とLOPコントローラ310が故障した場合を区別して中央制御室のコンピュータ等に報告することで、即刻的な整備が可能になるようにすることもできる。
【0061】
複数のLOPコントローラ310と統合モジュール100は、リングを構成するようにシリアル通信ケーブルが連結され、統合モジュール100は、少なくとも2つの通信ポートをペアで備え、複数のLOPコントローラ310が直列連結されたチェーンの両端は、ペアになった2つの通信ポートにそれぞれ結合する。
【0062】
従来の技術によると、シリアル通信線の断絶があれば、その後段のLOPコントローラ310とは通信を行うことができなかったが、本発明の一実施例によると、統合モジュール100に2つのシリアル通信ポートをペアで具備してリングを構成することにより、装置の異常や通信線の断絶をすぐに確認することができ、通信線の一箇所が断絶されてもLOPコントローラ全体の通信機能を維持できるようにする。
【0063】
モーター制御盤を通じて制御するモーターは、多数の場所に分散して設置されることもでき、これにより、設置されるLOPも広く分散されるだろう。この場合、LOP間の距離が遠くて通信線が長すぎたり、通信線が通過する経路が複雑になったりすることができる。斯かる問題に対応するために方向ごとに分離された別の通信線路を設置できる手段が必要である。
【0064】
例えば、モーター制御盤を基準にして両方向にモーターが分散されている場合、通信線路をリング構造にするためには、一方の方向の最後のLOPから再び他方の方向のLOPに連結する通信線が、さらに必要であり、特にこのような場合、通信線の構成が非常に非効率的になる。
【0065】
このような問題を解決できる一つの方法は、統合モジュール100にLOPコントローラ310用に多数の通信ポートのペアを備えることであるが、保護制御モジュール200及び中央制御室などとの通信のために、すでに多くの通信ポートを具備しなければならない状況から困難が有り得る。
【0066】
図11は、本発明の一実施例によるLOP中継装置を図示したブロック図であり、図
12は、本発明の一実施例によるLOP中継装置を適用したモーター制御盤用システムの構成を図示した図面である。
【0067】
LOP中継装置500は、複数のLOPコントローラ310と統合モジュール100との間でシリアル通信を中継する機能を遂行する。LOP中継装置500は、RS-485のようなシリアル通信ドライバのペアを複数個備え、内部の制御及びデータの貯蔵などのためにCPUを具備する。例えば、LOP中継装置500は、統合モジュール100との通信のための二つのシリアル通信ポートと、LOPコントローラ310と通信できる4つのシリアル通信ポートを有する装置として、LOPコントローラ310とは二重化された二つのシリアル通信経路を作ることができる。
【0068】
図12に図示したように、LOP中継装置500を利用して、二つの方向に分けて配置されたLOPコントローラのグループに対してリング構造にしながら、シリアル通信ネットワークを構成することができる。
【0069】
LOP中継装置500は、少なくとも2つのシリアル通信ポートでできたペアを少なくとも一つ以上備え、複数のLOPコントローラ310が直列連結されたチェーンの両端は、このような2つの通信ポートにそれぞれ結合される。そしてペアになった2つの通信ポートのいずれか一つの通信ポートを通じたシリアル通信について応答がない場合は、もう一つの通信ポートを通じてシリアル通信を行う。
【0070】
統合モジュール100は、連結されるLOP中継装置500に対してシリアル通信のマスターとして機能し、LOP中継装置500はスレーブとして機能する。そしてLOP中継装置500は、連結される複数のLOPコントローラ310に対してシリアル通信のマスターとして機能し、該当するLOPコントローラ310はスレーブとして機能する。
【0071】
LOP中継装置500は、LOPコントローラ310ごとに割り当てられた通信ポートに関する情報が格納されるLOP割り当てテーブルを備え、斯かるLOP割り当てテーブルはCPUの不揮発性メモリに格納することができる。LOP中継装置500は、設定初期に各LOPコントローラ310のIDに対応して割り当てられた通信ポートのIDをLOP割り当てテーブルに格納することができる。斯かるLOPの割り当てテーブルの情報は更新されることができ、特に通信線が切断された場合における断絶地点の後段に連結されたLOPコントローラ310のIDに対応して格納されていた通信ポートが変更されることができる。
【0072】
例えば、LOP中継装置500が統合モジュール100から特定のIDのLOPコントローラ310に入るデータを受信すると、LOP割り当てテーブルから割り当てられた通信ポートを決定し、決定された通信ポートを介して該当するLOPコントローラ310にデータを伝送することができる。
【0073】
LOP中継装置500を使用すれば、LOP300の数量が非常に多かったり、多数の方向に分散配置しなければならなかったりするときに、LOP通信中継装置500の数を増やせばよいので、拡張が非常に容易である。
【0074】
図13は、LOP中継装置を使用する他の実施例のモーター制御盤用システムを図示した図面であり、
図14は、LOP中継装置を使用する、もう一つの実施例のモーター制御盤用システムを図示した図面である。
【0075】
前述した
図12及び
図13の例において、LOPコントローラ310の電源と通信の二重化を考慮したのであり、
図14は、LOP中継装置500と統合モジュール100まで二重化したのである。
【0076】
統合モジュール100は、ペアで構成されてマスター統合モジュール及びスレーブ統合モジュールを包含し、平常時の通信のためには、マスター統合モジュールが動作し、障害が発生した場合、スレーブ統合モジュールが動作するようにすることができる。マスター統合モジュールは、2つのLOP中継装置のそれぞれと連結され、スレーブ統合モジュールも2つのLOP中継装置のそれぞれと連結される。各統合モジュール100は、LOP割り当てテーブルを備えるところ、各LOPコントローラ310のIDごとに使用する通信ポート又は連結されるLOP中継装置500に関する情報を格納し、このようなLOPの割り当てテーブルの情報は、更新されることができる。
【0077】
図14の実施例において、一つのLOP中継装置500から開始されたリングは、他のLOP
中継装置500で終わる。一つのリングに含まれる複数のLOP中継装置500を含んでいるチェーンの両端は、それぞれ相異なるLOP中継装置500に連結される。したがって、一方のLOP中継装置500に障害があっても、他のLOP中継装置500を通じて通信することが可能である。
【0078】
統合モジュール100の2台とLOP中継装置500の2台は、互いに交差連結されることにより、それぞれの装置のうち1台が機能を遂行できなくても、他の装置によって機能を遂行することができる。また、LOPコントローラ310との通信連結を2台のLOP中継装置500でそれぞれ通信できるので、LOP中継装置500の1台が機能を遂行できなくても、全体のLOPコントローラ310のいずれかのものとも通信できる。
【0079】
図15(a)は、本発明の一実施例に基づいてLOP300の内部にLOPコントローラ310とともにLOP中継装置501が構成される状況を模式的に図示した図面であり、
図15(b)は、本発明の他の実施例によるLOP中継装置510の構成を図示したブロック図である。
【0080】
図16は、本発明の一実施例によるLOP中継装置510を適用したモーター制御盤用システムの構成図であり、
図17は、類似した構成について斜視図に図示した図面である(モーター制御盤からの電力線は図示せず)。
【0081】
本発明の他の実施例によるLOP中継装置510は、電源供給モジュール511とDC/DCコンバータ512を含む。
【0082】
LOP中継装置510をモーター制御盤内に設置せずに、特定のLOP300にLOPコントローラ310とともに設置すると、より効果的な構成が可能になる。LOP中継装置510では、内部に供給する容量よりも大きな容量を有するように電源供給モジュール511の供給容量を設計する。LOP中継装置をモーター制御盤の内部に設置する場合には、装置自体で消費するほどの電源容量に設計したら、
図15のようにLOP300にLOP中継装置510を設置する場合、LOP中継装置自体の電源供給機能とともに、該当するLOP300のLOPコントローラー310と隣接した他のLOPコントローラ310に対する電源供給機能を有するようにする。
【0083】
電源供給モジュール511は、LOPコントローラ310の近傍に位置して入力電源からDC電源を生成するが、LOP中継装置510の内部に含まれて構成される。
【0084】
電源供給モジュール511が出力する電力は、DC/DCコンバータ512を介在してLOP中継装置510自体の電源として利用されることも有りながら、LOP中継装置510の各通信ポートを介して通信ケーブルの一部ワイヤー(線路)、すなわち通信に利用されない一部のワイヤーに印加される。したがって、LOPコントローラ310のための電源供給モジュールがLOP中継装置510に内蔵されるものと同じ効果を有するようになる。そしてモーター制御盤から供給される電源線は、LOP中継装置510に連結すればよい。
【0085】
LOP中継装置がモーター制御盤(MCC)の内部にあるときは、MCCからLOPまでの距離が遠い場合、制御電源(24VDC)の電圧減衰で中継装置からLOPコントローラに制御電源を供給することができない。ところで、中継装置をLOPに設置することにより、LOPコントローラに近く位置するようになって中継装置から制御電源の供給が可能になる。
【0086】
LOP中継装置510に内蔵された電源供給モジュール511のみで供給される容量が不足している場合には、LOP中継装置510に内蔵された電源供給モジュール511とともに追加の電源供給モジュール400がLOPコントローラ310の背面に装着する方式でLOPコントローラ310に装着されることができる。複数の電源供給モジュールのうちの一部は、LOP中継装置510の内部に構成され、残りはLOPコントローラ310の外部に装着される。
【0087】
本発明の一実施例によると、シリアル通信ネットワークを構成する通信ケーブル
内の一部のワイヤーに対して少なくとも2つ以上の相異なる点で並列にDC電源をそれぞれ印加するようになり、電源供給モジュール及び電源線の数を大幅に低減しながらも、一部の電源供給モジュールが故障したり、一部の電源線に断線が生じたりしても、正常的な電源供給が可能になる効果がある。
【0088】
図18は、本発明の一実施例によるLOP中継装置510を利用して、また別の方法で構成したモーター制御盤用システムを図示した構成図である。
【0089】
図18は、モーター制御盤を基準にして両側にLOPが配置された場合、通信及び電源が連結される例である。物理的には、LOP中継装置510が、特定のLOP300にLOPコントローラ310とともに設置されるものの、電源線及び通信線の連結の理解のためにLOP300は描かずに、装置との連結線のみが図示された。
【0090】
LOP中継装置510が、通信ケーブルを介してLOPコントローラ310の制御電源を供給するから、LOPコントローラ310には、電源供給モジュールを設置する必要がない。LOP300の数が多くて1台のLOP中継装置510に含まれている電源供給モジュール511では、容量が不足する場合や、電源の二重化が要求される場合に、追加にLOPコントローラ310の背面に電源供給モジュール400を取り付ければよい。
【0091】
LOP中継装置510からLOPコントローラ310の電源を供給しても、多様な通信連結と通信二重化が可能になる。
【0092】
図19は、本発明の一実施例によるLOP中継装置510を利用して、また別の方法で構成したモーター制御盤用システムを図示した構成図である。
【0093】
図19に図示されたモーター制御盤用のシステムでは、LOP中継装置510のフォールトトレランスも提供する。
【0094】
各LOP中継装置510が電源供給モジュール511を含んでいるので、シリアル通信ネットワークを構成する通信ケーブル内の一部のワイヤーに対して、少なくとも2つ以上の相異なる点で並列にDC電源をそれぞれ印加することになり、各LOPコントローラ310は、通信ポートを通じて並列にDC電源を供給される。
【0095】
統合モジュール100は、ペアで構成されたマスター統合モジュール及びスレーブ統合モジュールを包含し、例えば図示された2つの統合モジュール100のいずれか一つは、マスター統合モジュールになり、他の一つはスレーブ統合モジュールになる。LOP中継装置510は、ペアで構成されたマスターLOP中継装置及びスレーブLOP中継装置を包含し、図示された2つの中で、一つはマスターLOP中継装置になり、他の一つはスレーブLOP中継装置になる。マスター統合モジュールは、マスターLOP中継装置及びスレーブLOP中継装置のそれぞれと連結され、スレーブ統合モジュールもマスターLOP中継装置及びスレーブLOP中継装置のそれぞれと連結される。
【0096】
そして、マスターLOP中継装置及びスレーブLOP中継装置のいずれか一つのLOP中継装置は、複数のLOPコントローラがシリアル連結されたチェーンの一端に連結され、他の一つのLOP中継装置は、前記チェーンの他端に連結される。
【0097】
例えば、マスターLOP中継装置を介してシリアル通信を行っているうちに、マスターLOP中継装置に障害が発生すれば、スレーブLOP中継装置を通じてすべてのLOPコントローラ310と通信できる。そしてマスターLOP中継装置を通じてシリアル通信を行っているうちに、通信線の一箇所で切断が生じると、その後段に連結されたLOPコントローラに対しては、スレーブLOPコントローラを通じて通信を行うことができる。そして、このように通信線の切断が発生した場合には、1つのリングを構成する一部のLOPコントローラに対しては、マスターLOP中継装置を通じて通信を遂行し、残りのLOPコントローラに対しては、スレーブLOP中継装置を介して通信を行わなければならない。統合モジュール100にとっては、通信線の切断が存在すれば2つのLOP中継装置からのデータを集めなければならない不便が有り得るが、このような不便は、次のようなモーター制御盤用システムの構成で解決可能である。
【0098】
図20は、本発明の一実施例によるLOP中継装置510を適用したモーター制御盤用システムの他の構成図であり、
図21は、類似の構成について斜視図に図示した図面であり、(モーター制御盤からの電力線は図示せず)、
図22は、ソケットボード600の内部の構成図である。
【0099】
図22に図示されたように、ソケットボード600は、少なくとも3つのソケットを備え、3つのソケットに対して、各ピンごとに互いに共通して連結される。
【0100】
統合モジュール100は、2つがペアで構成されて、一つはマスター統合モジュールになり、他の一つはスレーブ統合モジュールになる。統合モジュール100は、図示していなかったが、モーター制御盤内の保護制御モジュールと、第1シリアル通信ネットワークを介して連結されているとともに、LOPコントローラ310と、第2シリアル通信ネットワークを介して連結される。
【0101】
LOP中継装置510も2つがペアで構成されて、一つはマスターLOP中継装置になり、他の一つはスレーブLOP中継装置になる。LOP中継装置は、複数のLOPコントローラとマスター統合モジュールま又はスレーブ統合モジュールとの間でシリアル通信を中継する。LOP中継装置510の内部には、前述したように、電源供給モジュールが構成されている。そうだとすると、シリアル通信ネットワークを構成する通信ケーブル内の一部のワイヤーに対して2つの相異なる点で並列にDC電源をそれぞれ印加するようになる。例えば、図面の右側に図示されたリングからみると、ソケットボード600と通信ケーブルを通じて、各LOPコントローラ310は、2つのLOP中継装置510から並列にDC電源を供給される。
【0102】
マスター統合モジュールは、マスターLOP中継装置及びスレーブLOP中継装置のそれぞれと連結され、スレーブ統合モジュールもマスターLOP中継装置及びスレーブLOP中継装置のそれぞれと連結される。
【0103】
そしてソケットボード600を利用して、複数のLOPコントローラ310がシリアル連結されたチェーンの一端は、マスターLOP中継装置510の第1通信ポートとスレーブLOP中継装置の第1通信ポートに共通して連結され、チェーンの他端は、マスターLOP中継装置の第2通信ポートとスレーブLOP中継装置の第2通信ポートに共通して連結される。
【0104】
図20に図示されたモーター制御盤用システムで、マスター統合モジュール又はスレーブ統合モジュールの中の一つが選択的に活性化され、特にマスターLOP中継装置又はスレーブLOP中継装置の中の一つが選択的に活性化されて両者間の衝突が回避されることができる。
【0105】
例えば、マスターLOP中継装置を利用して通信を行う途中に、マスターLOP中継装置に故障が発生した場合、スレーブLOP中継装置を利用してすべての通信を行うことができる。
【0106】
なお、通信ケーブルの一点で断絶が発生する場合、
図19に図示されたモーター制御盤用のシステムでは、マスターLOP中継装置とスレーブLOP中継装置の両方を利用して収集したデータを集めなければならなかったが、
図20及び
図21に図示されたモーター制御盤用システムでは、活性化されていたLOP中継装置をそのまま利用して通信を行うことができる。
【0107】
本発明の一実施例によるモータ制御盤用システムによれば、統合モジュール又はLOP中継装置の故障に対処することができ、任意の通信線路と通信ポートにおいて生じる断絶についても対処することができ、併せて、モーター制御盤からの電源線や電源供給モジュールの異常についても対処することができ、システムのフォールトトレランスが大幅に向上される効果がある。そして、このような効果を達成しながらも、すべてのLOPに電源供給モジュールを構成してすべてのLOPまで電源線を設置する必要なく、一部のLOP又はLOP中継装置にのみ電源供給モジュールを構成して電源線を設置すればよいので、より効率的な構成が可能になる。
【0108】
そして、本発明では、モータ制御盤全体を司り、LOP、保護制御モジュール及び中央制御室(PLC)との3方向の通信を司る新しい装置である「統合モジュール」を構成することにより、LOPとの通信及び電源供給においても安定性が高いシステムを構成することが可能になった。