特許第6738482号(P6738482)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6738482
(24)【登録日】2020年7月21日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20200730BHJP
   B62D 25/10 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   E02F9/00 N
   B62D25/10 B
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-508029(P2019-508029)
(86)(22)【出願日】2017年3月30日
(86)【国際出願番号】JP2017013303
(87)【国際公開番号】WO2018179245
(87)【国際公開日】20181004
【審査請求日】2020年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中谷 武史
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−028973(JP,A)
【文献】 特開2014−080828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
B62D 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンを収容する車両本体と、
前記車両本体に配置された取付面と、
前記取付面に取り付けられた複数のルーバー板と、
を備え、
複数の前記ルーバー板のそれぞれは、
前記取付面に対して傾斜した傾斜板部と、
前記取付面と面接触しており、前記取付面に固定される第1固定板部と、
前記傾斜板部の長手方向における一端と前記第1固定板部とを接続する第1接続板部と、
を含み、
複数の前記ルーバー板のそれぞれは、前記傾斜板部と前記第1接続板部との間、及び、前記第1接続板部と前記第1固定板部との間で屈曲した形状を有し、
複数の前記ルーバー板は、前記ルーバー板の長手方向と交差する方向に並んで前記取付面に配置されている、
建設機械。
【請求項2】
複数の前記ルーバー板の複数の前記第1固定板部は、複数の前記ルーバー板の配置方向に並んで、互いに接触して配置されている、
請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記傾斜板部は、複数の前記ルーバー板の配置方向に、前記第1固定板部から突出している、
請求項1に記載の建設機械。
【請求項4】
前記ルーバー板は、前記傾斜板部と前記第1接続板部との間、及び、前記第1接続板部と前記第1固定板部との間で屈曲した板状の形状を有する、
請求項1に記載の建設機械。
【請求項5】
前記第1接続板部は、台形である、
請求項1に記載の建設機械。
【請求項6】
複数の前記ルーバー板は、互いに別体である、
請求項1に記載の建設機械。
【請求項7】
外装カバーと、
前記外装カバーに取り付けられるルーバー枠と、
をさらに備え、
前記ルーバー枠は、前記取付面を含む、
請求項1から6のいずれかに記載の建設機械。
【請求項8】
前記ルーバー枠は、
前記取付面を含み、複数の前記ルーバーの配置方向に延びる第1板部と、
前記第1板部に対して屈曲し、前記配置方向に延び、前記ルーバー板の長手方向から見て前記ルーバー板と重なる第2板部と、
を含み、
前記取付面に対して垂直な方向において、前記第2板部は、前記傾斜板部よりも小さい、
請求項7に記載の建設機械。
【請求項9】
外装カバーをさらに備え、
前記外装カバーは、前記取付面を含む、
請求項1から6のいずれかに記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械では、車両本体の外装カバーに、冷却風の取入口が設けられており、取入口にはルーバーが配置されている。ルーバーは、積層された複数の傾斜板部を含む。複数の傾斜板部は、冷却風の風向きを案内すると共に、枯葉などの物体が車両の内部に入り込まないように、それぞれ傾斜して配置されている。複数の傾斜板部は、溶接によってルーバー枠に固定され、ルーバー枠を介して車両に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−24165号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のように複数の傾斜板部がルーバー枠に溶接される場合、傾斜板部の端部とルーバー枠の取付面とは、線接触となる。その場合、取付強度が不足することがある。
【0005】
本発明の課題は、ルーバーの取付強度を向上させることができる建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る建設機械は、エンジンと、車両本体と、取付面と、複数のルーバー板とを備える。車両本体は、エンジンを収容する。
【0007】
取付面は、車両本体に配置されている。複数のルーバー板は、取付面に取り付けられる。複数のルーバー板のそれぞれは、傾斜板部と、第1固定板部と、第1接続板部とを含む。傾斜板部は、取付面に対して傾斜している。第1固定板部は、取付面と面接触しており、取付面に固定される。第1接続板部は、傾斜板部の長手方向における一端と前記第1固定板部とを接続する。複数のルーバー板のそれぞれは、傾斜板部と第1接続板部との間、及び、第1接続板部と第1固定板部との間で屈曲した形状を有する。複数のルーバー板は、ルーバー板の長手方向と交差する方向に並んで、取付面に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、建設機械において、ルーバーの取付強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】建設機械の側面図である。
図2】第1実施形態に係るルーバーユニットの斜視図である。
図3】第1実施形態に係るルーバーユニットの分解斜視図である。
図4】第1実施形態に係るルーバーユニットの正面図である。
図5】第1ルーバー枠およびルーバー板の拡大図である。
図6図4におけるVI−VI断面図である。
図7】第2ルーバー枠およびルーバー板の拡大図である。
図8】第2実施形態に係るルーバーユニットを示す斜視図である。
図9】第2実施形態に係るルーバーユニットを示す正面図である。
図10】第2実施形態に係るルーバーユニットの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る建設機械について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る建設機械100の斜視図である。本実施形態において、建設機械100は油圧ショベルである。建設機械100は、車両本体1と、作業機2とを含む。
【0011】
車両本体1は、旋回体3と走行装置5とを有する。旋回体3には運転室4が載置されている。車両本体1は、エンジン室6と、作動油タンク7と、燃料タンク8とを含む。エンジン室6と、作動油タンク7と、燃料タンク8とは、旋回体3に配置されている。エンジン室6は、運転室4の後方に位置する。作動油タンク7と燃料タンク8とは、エンジン室6の前方に配置されている。
【0012】
車両本体1は、エンジン17と油圧ポンプ18とを収容している。エンジン17と油圧ポンプ18とは、エンジン室6内に配置されている。油圧ポンプ18は、エンジン17によって駆動される。エンジン室6の後方には、カウンタウェイト9が配置されている。
【0013】
走行装置5は、左右一対の履帯5aを有している。履帯5aが回転することにより、建設機械100が走行する。なお、図1においては、右側の履帯5aのみが図示されている。
【0014】
作業機2は、車両本体1に支持されている。作業機2は、油圧ポンプ18から吐出される作動油によって駆動される。作業機2は、ブーム11と、アーム12と、バケット13と、を有する。ブーム11の基端部は、車両本体1の前部に動作可能に取り付けられている。アーム12の基端部は、ブーム11の先端部に動作可能に取り付けられている。アーム12の先端部には、バケット13が動作可能に取り付けられている。
【0015】
作業機2は、ブームシリンダ14と、アームシリンダ15と、バケットシリンダ16と、を含む。ブームシリンダ14とアームシリンダ15とバケットシリンダ16とは、それぞれ油圧ポンプ18から吐出される作動油によって駆動される油圧シリンダである。ブームシリンダ14はブーム11を駆動する。アームシリンダ15は、アーム12を駆動する。バケットシリンダ16は、バケット13を駆動する。
【0016】
エンジン室6は、外装カバー19を含む。外装カバー19は、エンジン室6の側面に配置されている。エンジン室6の外装カバー19には、ルーバーユニット21が取り付けられている。図2は、第1実施形態に係るルーバーユニット21の斜視図である。図3は、ルーバーユニット21の分解斜視図である。図4は、ルーバーユニット21の正面図である。
【0017】
なお、以下のルーバーユニット21に関する説明では、車両本体1の内部から外装カバー19を見た方向を前方とし、その逆方向を後方とする。左右の方向は、車両本体1の内部から外装カバー19を見たときの左右の方向を意味するものとする。上下の方向は、車両本体1の内部から外装カバー19を見たときの上下の方向を意味するものとする。
【0018】
図2から図4に示すように、ルーバーユニット21は、ルーバー枠22と、複数のルーバー板23とを含む。複数のルーバー板23は、ルーバー枠22に取り付けられている。なお、図面においては、複数のルーバー板23の一部のみに符号が付されており、他のルーバー板23の符号は省略されている。
【0019】
複数のルーバー板23は、左右方向に延びている。複数のルーバー板23は、互いに別体であり、上下方向に積層されている。本実施形態では、左右方向は、ルーバー板23の長手方向を意味する。上下方向は、複数のルーバー板23の配置方向、すなわちルーバー板23の積層方向を意味する。
【0020】
ルーバー枠22は、第1ルーバー枠24と第2ルーバー枠25とを含む。第1ルーバー枠24と第2ルーバー枠25とは、左右に離れて配置される。第1ルーバー枠24と第2ルーバー枠25とは、上下方向に延びている。第1ルーバー枠24にはルーバー板23の左端部が固定される。第2ルーバー枠25にはルーバー板23の右端部が固定される。図5は、第1ルーバー枠24およびルーバー板23の拡大図である。
【0021】
図5に示すように、第1ルーバー枠24は、L字状に屈曲した形状を有する。第1ルーバー枠24は、第1板部26と第2板部27とを含む。第1板部26は、左右方向及び上下方向に延びた平坦な形状を有している。第1板部26は、上下方向に細長い形状を有している。第1板部26は、ルーバー板23の左端部が固定される第1取付面260を含む。第1取付面260は、左右方向及び上下方向に延びた平坦な形状を有している。
【0022】
第2板部27は、第1板部26に対して屈曲している。第2板部27は、第1板部26から後方に延びている。第2板部27は、上下方向に延びた細長い形状を有している。第2板部27は、前後方向及び上下方向に延びた平坦な形状を有している。
【0023】
図6は、図4におけるVI−VI断面図である。図6に示すように、第2板部27は、ルーバー板23の長手方向から見てルーバー板23と重なる。
【0024】
図7は、第2ルーバー枠25およびルーバー板23の拡大図である。第2ルーバー枠25は、第1ルーバー枠24と左右対称に配置されている。図7に示すように、第2ルーバー枠25は、L字状に屈曲した形状を有する。第2ルーバー枠25は、第3板部28と第4板部29とを含む。
【0025】
第3板部28は、左右方向及び上下方向に延びた平坦な形状を有している。第3板部28は、上下方向に細長い形状を有している。第3板部28は、ルーバー板23の右端部が固定される第2取付面280を含む。第2取付面280は、左右方向及び上下方向に延びた平坦な形状を有している。
【0026】
第4板部29は、第3板部28に対して屈曲している。第4板部29は、第3板部28から後方に延びている。第4板部29は、上下方向に延びた細長い形状を有している。第4板部29は、前後方向及び上下方向に延びた平坦な形状を有している。図示を省略するが、第2板部27と同様に、第4板部29は、ルーバー板23の長手方向から見てルーバー板23と重なる。
【0027】
複数のルーバー板23は、第1取付面260と第2取付面280とに取り付けられている。ルーバー板23は、左右方向に延びている。ルーバー板23は、傾斜板部31と、第1固定板部32と、第1接続板部33と、第2固定板部34と、第2接続板部35とを含む。
【0028】
傾斜板部31は、左右方向に延びている。傾斜板部31は、左右方向に細長い形状を有している。傾斜板部31は、第1取付面260と第2取付面280とに対して傾斜している。傾斜板部31は、後方且つ下方に向って傾斜している。複数の傾斜板部31は、上下方向に互いに間隔をおいて配置されている。複数の傾斜板部31は、互いに平行に配置されている。
【0029】
第1固定板部32は、傾斜板部31の左方に配置されている。第1固定板部32は、第1取付面260に固定されている。例えば、第1固定板部32は、溶接により、第1取付面260に固定されている。第1固定板部32は、第1取付面260と平行な平坦な形状を有する。第1固定板部32は、第1取付面260と面接触している。
【0030】
図5に示すように、第1固定板部32の上端321と下端322とは、左右方向に延びている。図3に示すように、第1固定板部32の左端323は、上下方向に延びている。すなわち、第1固定板部32の左端323は、第2板部27に沿って延びている。複数の第1固定板部32のそれぞれは、ルーバー板23の積層方向に並んで、互いに接触して配置されている。従って、ある第1固定板部32の下端322は、その下方に位置する第1固定板部32の上端321と接触している。
【0031】
第2固定板部34は、第1固定板部32と左右対称に配置されている。第2固定板部34は、傾斜板部31の右方に配置されている。第2固定板部34は、第2取付面280に固定されている。例えば、第2固定板部34は、溶接により第2取付面280に固定されている。第2固定板部34は、第2取付面280と平行な平坦な形状を有する。第2固定板部34は、第2取付面280と面接触している。
【0032】
図7に示すように、第2固定板部34の上端341と下端342とは、左右方向に延びている。図3に示すように、第2固定板部34の右端343は、上下方向に延びている。すなわち、第2固定板部34の右端343は、第4板部29に沿って延びている。複数の第2固定板部34のそれぞれは、ルーバー板23の積層方向に並んで、互いに接触して配置されている。従って、ある第2固定板部34の下端342は、その下方に位置する第2固定板部34の上端341と接触している。
【0033】
図6に示すように、傾斜板部31の上端310は、第1固定板部32の上端321よりも上方に位置している。すなわち、傾斜板部31は、ルーバー板23の積層方向に、第1固定板部32から突出している。同様に、傾斜板部31の上端310は、第2固定板部34の上端341よりも上方に位置している。すなわち、傾斜板部31は、ルーバー板23の積層方向に、第2固定板部34から突出している。
【0034】
そのため、前後方向から見て、複数の傾斜板部31は、互いに部分的に重なっている。詳細には、図6に示すように、ある傾斜板部31の上端310は、前後方向から見て、その上方に位置する傾斜板部31と重なっている。
【0035】
また、第1取付面260に対して垂直な方向において、第2板部27は、傾斜板部31よりも小さい。従って、傾斜板部31は、第1取付面260に対して垂直な方向に、第2板部27から突出している。同様に、第2取付面280に対して垂直な方向において、第4板部29は、傾斜板部31よりも小さい。従って、傾斜板部31は、第2取付面280に対して垂直な方向に、第4板部29から突出している。
【0036】
第1接続板部33は、傾斜板部31と第1固定板部32とを接続している。第1接続板部33は、前後方向に延びている。第1接続板部33は、台形の形状を有する。ルーバー板23は、傾斜板部31と第1接続板部33との間、及び、第1接続板部33と第1固定板部32との間で屈曲した形状を有している。
【0037】
詳細には、第1接続板部33は、上底部331と、下底部332と、第1側辺部333と、第2側辺部334とを含む。上底部331は、傾斜板部31の上端310と第1固定板部32の上端321とを接続している。上底部331は、前後方向に延びている。下底部332は、傾斜板部31の下端311と第1固定板部32の下端322とを接続している。下底部332は、前後方向、且つ、左右方向に傾斜した方向に延びている。第1側辺部333は、第1固定板部32に接続されている。第1側辺部333は、上下方向に対して傾斜した方向に延びている。詳細には、第1側辺部333は、上方且つ右方に向かって延びている。第2側辺部334は、傾斜板部31に接続されている。第2側辺部334は、上下方向に対して傾斜した方向に延びている。詳細には、第2側辺部334は、上方且つ左方に向かって延びている。
【0038】
第2接続板部35は、傾斜板部31と第2固定板部34とを接続している。第2接続板部35は、前後方向に延びている。第2接続板部35は、台形の形状を有する。ルーバー板23は、傾斜板部31と第2接続板部35との間、及び、第2接続板部35と第2固定板部34との間で屈曲した形状を有している。第2接続板部35は、第1接続板部33と左右対称であり、詳細な説明を省略する。
【0039】
ルーバー板23において、傾斜板部31と、第1固定板部32と、第1接続板部33と、第2固定板部34と、第2接続板部35とは、一体的に形成されている。すなわち、ルーバー板23は、屈曲した一体の板状の部材で形成されている。
【0040】
以上説明した本実施形態に係る建設機械100では、複数のルーバー板23は、第1固定板部32において、第1取付面260に固定される。第1固定板部32は第1取付面260と面接触しているため、傾斜板部31の端部が第1取付面260に固定される場合と比べて、第1固定板部32と第1取付面260との接触面積を容易に大きくすることができる。
【0041】
また、複数のルーバー板23は、第2固定板部34において、第2取付面280に固定される。第2固定板部34は第2取付面280と面接触しているため、傾斜板部31の端部が第2取付面280に固定される場合と比べて、第2固定板部34と取付面との接触面積を容易に大きくすることができる。そのため、ルーバー枠22の大型化を抑えながら、ルーバー枠22とルーバー板23との強度を向上させることができる。
【0042】
第1固定板部32は、第1取付面260と平行な平坦な形状を有している。また、第2固定板部34は、第2取付面280と平行な平坦な形状を有している。それにより、第1固定板部32を第1取付面260に容易且つ強固に固定することができる。また、第2固定板部34を第2取付面280に容易且つ強固に固定することができる。
【0043】
複数の第1固定板部32は、ルーバー板23の積層方向に並んで、互いに接触して配置されている。また、複数の第2固定板部34は、ルーバー板23の積層方向に並んで、互いに接触して配置されている。それにより、複数のルーバー板23を容易に位置決めすることができる。これにより、複数のルーバー板23の取り付けを容易に行うことができる。
【0044】
傾斜板部31は、ルーバー板23の積層方向に、第1固定板部32及び第2固定板部34から突出していている。そのため、傾斜板部31の一部が互いに重なるように、複数のルーバー板23を容易に配置することができる。これにより、枯葉等の物体が、複数のルーバー板23の隙間から車両内に入ることを容易に抑えることができる。
【0045】
ルーバー板23は、傾斜板部31と第1接続板部33との間、及び、第1接続板部33と第1固定板部32との間で屈曲した形状を有している。また、ルーバー板23は、傾斜板部31と第2接続板部35との間、及び、第2接続板部35と第2固定板部34との間で屈曲した形状を有している。そのため、板状の部材を折り曲げることで、ルーバー板23を容易に形成することができる。
【0046】
取付面に垂直な方向において、第1ルーバー枠24の第2板部27と第2ルーバー枠25の第4板部29は、ルーバー板23よりも小さい。そのため、ルーバー枠22を小型化することができる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0048】
建設機械100は、油圧ショベルに限らず、ブルドーザ、ホイールローダ、或いはモータグレーダなどの他の車両であってもよい。
【0049】
ルーバーユニット21は、エンジン室6の側面に限らず、他の位置に配置されてもよい。例えば、図1に示すように、エンジン室6の上方を覆うエンジンルーフ61に、ルーバーユニット21が配置されてもよい。或いは、ルーバーユニット21は、車両本体1においてエンジン室6以外の部分に配置されてもよい。例えば、エアクリーナ室の外装カバーにルーバーユニット21が取り付けられてもよい。
【0050】
ルーバー板23の形状が変更されてもよい。例えば、傾斜板部31の形状が変更されてもよい。第1固定板部32と第2固定板部34との形状が変更されてもよい。ルーバー板23の配置が変更されてもよい。例えば、ルーバー板23の積層方向は上下方向に限らず、左右方向、或いは前後方向であってもよい。或いは、ルーバー板23の積層方向は、上下方向又は水平方向に対して傾斜した方向であってもよい。
【0051】
ルーバー枠22の形状、或いは配置が変更されてもよい。例えば、ルーバー枠22は左右方向に延びていてもよい。或いは、ルーバー枠22が省略されてもよい。
【0052】
図8及び図9は、第2実施形態に係るルーバーユニット41を示す図である。図8及び図9に示すように、第2実施形態に係るルーバーユニット41では、複数のルーバー板23は、ルーバー枠を介さずに直接的に、外装カバー20に固定されている。外装カバー20は、例えば、エアクリーナ室の外装カバーである。或いは、外装カバー20は、車両本体1の他の部分であってもよい。
【0053】
図10は、第2実施形態に係るルーバーユニット41の分解斜視図である。図9に示すように、外装カバー20の内側面200は、開口201と、第1取付面202と、第2取付面203とを含む。第1取付面202と第2取付面203とは、開口201の縁に配置されている。複数のルーバー板23の第1固定板部32は、例えば溶接により第1取付面202に固定される。複数のルーバー板23の第2固定板部34は、例えば溶接により第2取付面203に固定される。
【0054】
第1実施形態に係るルーバーユニット21と第2実施形態に係るルーバーユニット21とが、同じ建設機械100に適用されてもよい。その場合、例えば、エンジン室6の外装カバー19に第1実施形態に係るルーバーユニット21が配置され、車両本体1の他の部分の外装カバー20に第2実施形態に係るルーバーユニット41が適用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明によれば、建設機械において、ルーバーの取付強度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0056】
17 エンジン
18 油圧ポンプ
2 作業機
1 車両本体
260,280,202,203 取付面
23 ルーバー板
31 傾斜板部
32 第1固定板部
33 第1接続板部
34 第2固定板部
35 第2接続板部
22 ルーバー枠
26 第1板部
27 第2板部
19 外装カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10