(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
流路面積を狭くした絞り部を有し、第1流体が前記絞り部を通過する際に流速が増加することによって生じる低圧領域に第2流体が流入する複数の流入口を形成したベンチュリー管と、
前記ベンチュリー管内に配置され、前記ベンチュリー管を通過する前記第1流体の圧力によって開弁して前記ベンチュリー管の流路面積を変化させると共に、複数の前記流入口のうちの一部を閉弁時に閉鎖し、開弁時に開放する弁体と、
この弁体の閉弁方向に付勢力を付与する付勢部と、
を備えており、
前記弁体は、前記流入口に挿入される突起部を有しており、
前記突起部の断面積は、前記流入口の開口面積よりも小さくされていることを特徴とする流体混合装置。
流路面積を狭くした絞り部を有し、第1流体が前記絞り部を通過する際に流速が増加することによって生じる低圧領域に第2流体が流入する複数の流入口を形成したベンチュリー管と、
前記ベンチュリー管内に配置され、前記ベンチュリー管を通過する前記第1流体の圧力によって開弁して前記ベンチュリー管の流路面積を変化させると共に、複数の前記流入口のうちの一部を閉弁時に閉鎖し、開弁時に開放する弁体と、
この弁体の閉弁方向に付勢力を付与する付勢部と、
を備えており、
前記付勢部は、前記閉弁方向に磁力を作用させる磁石を有していることを特徴とする流体混合装置。
前記弁体によって開閉される前記流入口は、前記絞り部の最も流路面積が小さい部分よりも下流であり、かつ閉弁時の前記弁体の先端位置よりも上流側に形成されていることを特徴とする請求項1、2、又は5乃至7のいずれか一項に記載の流体混合装置。
流路面積を狭くした絞り部を有し、第1流体が前記絞り部を通過する際に流速が増加することによって生じる低圧領域に第2流体が流入する複数の流入口を形成したベンチュリー管と、
前記ベンチュリー管内に配置され、前記ベンチュリー管を通過する前記第1流体の圧力によって開弁して前記ベンチュリー管の流路面積を変化させると共に、複数の前記流入口のうちの一部を閉弁時に閉鎖し、開弁時に開放する弁体と、
この弁体の閉弁方向に付勢力を付与する付勢部と、
を備えており、
前記弁体は分割されて形成されており、分割された各弁体が開弁する際の前記ベンチュリー管を通過する前記第1流体の圧力が異なると共に、分割された弁体ごとに前記流入口を閉弁時に閉鎖し、開弁時に開放することを特徴とする流体混合装置。
流路面積を狭くした絞り部を有し、第1流体が前記絞り部を通過する際に流速が増加することによって生じる低圧領域に第2流体が流入する複数の流入口を形成したベンチュリー管と、
前記ベンチュリー管内に配置され、前記ベンチュリー管を通過する前記第1流体の圧力によって開弁して前記ベンチュリー管の流路面積を変化させると共に、複数の前記流入口のうちの一部を閉弁時に閉鎖し、開弁時に開放する弁体と、
この弁体の閉弁方向に付勢力を付与する付勢部と、
前記弁体が開弁する際の前記ベンチュリー管を通過する前記第1流体の圧力が異なるように調整する調整部と、
を備えていることを特徴とする流体混合装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
【0014】
本発明の流体混合装置において、前記付勢部は、前記閉弁方向に弾性力を作用させる弾性体を有し得る。この場合、適切な弾性力を生じる弾性体を備えることによって、絞り部を通過する第1流体の流量に応じた開度で弁体を開弁させることができるので、第1流体の流量に応じた流量の第2流体を流入させることができる。
【0017】
本発明の流体混合装置において、前記ベンチュリー管は、前記流入口に連通し、前記第2流体が流通する流通路が形成され得る。流体混合装置は、前記ベンチュリー管に設けられ、前記流通路を流通する前記第2流体の流量を調整する流量調整部を備え得る。そして、前記流量調整部は前記ベンチュリー管の外部から前記第2流体の流量を調整する操作部を有し得る。この場合、第2流体の流量を容易に調整することができる。
【0018】
本発明の流体混合装置において、前記ベンチュリー管は、前記絞り部を形成する内筒と、この内筒を内部に挿入される外筒と、を有し得る。そして、前記内筒を前記外筒に挿入することによって、前記内筒の外周面と前記外筒の内周面との間に前記流通路が形成され得る。この場合、ベンチュリー管に流通路を容易に形成することができる。
【0019】
本発明の流体混合装置において、複数の前記流入口は、前記弁体によって開閉される第1流入口と、この第1流入口以外の第2流入口と、であり得る。前記流通路は、前記第1流入口に連通する第1流通路と、前記第2流入口に連通する第2流通路と、を有し得る。そして、前記流量調整部は、前記第1流通路を流通する第2流体の流量を調整する第1流量調整部と、前記第2流通路を流通する第2流体の流量を調整する第2流量調整部と、を有し得る。この場合、弁体によって開閉される流入口及びそれ以外の流入口のそれぞれから流入する第2流体の流量を個別に調整することができる。また、開弁時、閉弁時に関わらず所望の混合比の混合流体を得ることができる。
【0020】
本発明の流体混合装置において、前記弁体によって開閉される前記流入口は、前記絞り部の最も流路面積が小さい部分よりも下流であり、かつ閉弁時の前記弁体の先端位置よりも上流側に形成され得る。この場合、この流体混合装置は流入口から第2流体を良好に吸引することができる。
【0023】
次に、本発明の流体混合装置を具体化した実施例1〜3について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
<実施例1>
実施例1の流体混合装置は、
図1に示すように、ベンチュリー管1、弁体3、及び磁石5(本発明に係る付勢部として例示する)を備えている。ベンチュリー管1は外筒10と内筒30とから構成されている。外筒10は、上流側から下流側に向けて、上流管部11、中間管部13、及び下流管部15をこの順に有している。上流管部11、中間管部13、及び下流管部15は略円筒状である。上流管部11の内径は中間管部13の内径よりも小さい。中間管部13の内径は下流管部15の内径よりも小さい。また、中間管部13と下流管部15の肉厚は略等しく、上流管部11の肉厚は中間管部13及び下流管部15の肉厚よりも薄い。
【0025】
上流管部11は中間管部13側の端部の内径がそれよりも上流側の内径よりも僅かに小さい。中間管部13は側面の一箇所に第2流体を供給する供給管17が形成されている。また、中間管部13は上流管部11側の端部の内径がそれよりも下流側の内径よりも僅かに小さい。下流管部15は下流端に外側に広がる鍔部19を有している。鍔部19は厚み方向に貫通する複数の貫通孔19Aが形成されている。この貫通孔19Aは、この流体混合装置を下流側の配管(図示せず)に連結する際に連結用ボルト(図示せず)が挿通される。
【0026】
内筒30は、
図1〜
図3に示すように、外筒10の下流管部15側から外筒10内に挿入されている。内筒30は、外筒10に対して中心軸周りに任意に回転させた状態で外筒10内に挿入し、固定されている。内筒30の内径は上流端部が最も小さく形成されている。内筒30は上流端の内側角部がR面取りされている。また、内筒30は上流端部から下流側に向けて徐々に拡径している。つまり、内筒30は内周面が下流に向けて徐々に外側へ広がるように傾斜している。内筒30は上流端部の内径が外筒10の上流管部11の内径よりも小さい。このように、内筒30は流路面積を狭くした絞り部を形成している。つまり、この流体混合装置は、外筒10と、外筒10の下流管部15側から外筒10内に挿入して固定された内筒30とによってベンチュリー管1を構成している。
【0027】
また、内筒30は内周面の一部分を外方向に凹ませて中心軸方向に延びる溝部31が形成されている。この溝部31は後述する弁体3が閉弁した際に弁体3の先端部55が嵌まり込む。また、この溝部31は、弁体3が閉弁状態から開弁する際、及び開弁状態から閉弁する際に、弁体3の先端部55が移動可能に形成されている。溝部31は外周面の中間に閉弁状態の弁体3の先端部55が重なる弁座面33が形成されている。弁座面33は中央部に第2流体が流入する第1流入口35が形成されている。このように、第1流入口35は、絞り部の最も流路面積が小さい部分(内筒30の上流端部)よりも下流に形成されている。また、第1流入口35は、閉弁時の弁体3の先端位置よりも上流側に形成されている。つまり、第1流入口35は内筒30内(絞り部)を第1流体が通過する際に流速が増加することによって生じる低圧領域に形成されている。
【0028】
溝部31は弁座面33の後端に連続して内筒30の中心軸方向に延びた凹部31Aを形成している。この凹部31Aはボルト70の軸部71の一部が収納される。ボルト70は凹部31Aの後方であって内筒30の後端部に形成されたねじ穴37にねじ込まれている。つまり、内筒30の後端部に形成されたねじ穴37にねじ込まれたボルト70は、軸部71が内筒30の中心軸方向に延びて凹部31Aに収納され、先端面が前方を向いて配置されている。ボルト70は頭部73に形成された十字溝が内筒30の後方に露出している。このため、内筒30が外筒10内に挿入されて固定された状態で、外筒10の上流管部11の上流側開口からプラスドライバーを挿入してボルト70を回転させることができる。ボルト70は鉄製である。また、内筒30は溝部31に対向する内周面に第2流体が流入する第2流入口39が形成されている。第2流入口39は内筒30内(絞り部)を第1流体が通過する際に流速が増加することによって生じる低圧領域に形成されている。
【0029】
また、内筒30は上流端部の外径が外筒10の上流管部11の中間部側の端部の内径よりも僅かに小さい。このため、内筒30を外筒10の下流管部15側から外筒10内に挿入すると、内筒30の上流端部が外筒10の上流管部11の中間部側の端部に挿入される。また、内筒30は上流端部の下流側の外周面から外側に伸びた第1鍔部32が形成されている。第1鍔部32は外径が外筒10の中間管部13の上流端部側の端部の内径よりも僅かに小さい。第1鍔部32は外周面に周方向に一周する第1凹部32Aが形成されている。この第1凹部32AはパッキンPが嵌め込まれている。このため、内筒30を外筒10の下流管部15側から外筒10内に挿入すると、第1鍔部32が外筒10の中間管部13の上流端部側の端部に挿入され、第1鍔部32と外筒10の中間管部13との間における流体漏れを防止した状態になる。また、内筒30は下流端部の外周面から外側に伸びた第2鍔部34が形成されている。第2鍔部34は外径が外筒10の下流管部15の内径よりも僅かに小さい。第2鍔部34は外周面に周方向に一周する第2凹部34Aが形成されている。この第2凹部34AはパッキンPが嵌め込まれている。このため、内筒30を外筒10の下流管部15側から外筒10内に挿入すると、第2鍔部34が外筒10の下流管部15に挿入され、第2鍔部34と外筒10の下流管部15との間における流体漏れを防止した状態になる。
【0030】
内筒30は第1鍔部32と第2鍔部34との間の外径が外筒10の中間管部13及び下流管部15の内径よりも小さい。このため、内筒30を外筒10の下流管部15側から外筒10内に挿入させると、内筒30の第1鍔部32と第2鍔部34との間において、内筒30と外筒10との間に隙間Sが形成される。外筒10に形成された供給管17から供給された第2流体は、このように形成された内筒30と外筒10との間の隙間Sを介して内筒30に形成された第1流入口35及び第2流入口39から内筒30内に流入することができる。
【0031】
隙間Sは、第1流入口35及び第2流入口39に連通している。この隙間Sは、供給管17から供給された第2流体が流通する流通路である。この隙間Sにはオリフィス板21,22が設けられている。オリフィス板21,22は、第1流入口35及び第2流入口39からベンチュリー管1内に流入する第2流体の流量を調整する。オリフィス板21,22は、
図1〜
図3に示すように、各々第1流入口35及び第2流入口39を隙間S側から覆う形態で内筒30の外周面に着脱自在に取り付けられている。オリフィス板21,22には、対応する流入口である第1流入口35及び第2流入口39の各開口面積よりも小さい開口面積の孔21A,22Aがそれぞれ形成されている。オリフィス板21,22は、孔21A,22Aの大きさの異なるものを交換して取り付けることにより、隙間Sを流通して各流入口35,39からベンチュリー管1内に流入する第2流体の流量を調整可能とされている。なお、オリフィス板21,22を交換する際には、外筒10から内筒30を抜き出して交換する。
【0032】
また、内筒30は後述する弁体3が開弁状態になった際に当接する当り止め部36が内周面から内側に突出して形成されている。この当り止め部36は、内筒30内を通過する第1流体の圧力によって開弁する弁体3が、第1流体の流れ方向に平行な位置に回動する手前の第1流体の流れ方向に対してわずかに傾斜した位置で当接するように形成されている。このように、この流体混合装置は、開弁状態の弁体3を当り止め部36に当接させることによって、開弁状態の弁体3が内筒30内を通過する第1流体によってばたつかないようにしている。
【0033】
弁体3は、内筒30の上流端部において、流路の中心を通り両端が内筒30の内周面に回動自在に支持された回動軸51に後端縁が連続している。弁体3は、回動軸51が後端縁に連続した本体部53と、本体部53の先端縁に連続した先端部55とを有している。本体部53は、弁体3が閉弁状態において、内筒30の流路の略半分を閉鎖する。先端部55は、弁体3が閉弁状態において、内筒30の溝部31に嵌り込み第1流入口35を閉鎖する。また、弁体3は先端部55の本体部53側に形成された磁石5を収納する有底の筒部57を有している。筒部57は、弁体3が閉弁状態において、底部の外面が内筒30の後端部に形成されたねじ穴37にねじ込まれたボルト70の先端面に対向するように形成されている。磁石5は円柱状の永久磁石である。磁石5は弁体3に形成された筒部57に収納されている。
【0034】
この流体混合装置は、弁体3が閉弁状態において、弁体3の収納部に収納された磁石5とボルト70とが磁力によって引きつけ合う。つまり、磁石5は弁体3の閉弁方向に磁力を作用させている。また、ボルト70のねじ込み具合によって、閉弁状態の弁体3の筒部57に収納された磁石5とボルト70の先端面との距離を近づけたり、遠ざけたりすることができる。このように、磁石5とボルト70の先端面との距離を変化させると、弁体3が開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力を変更することができる。つまり、この流体混合装置は、磁石5とボルト70の先端面との距離を近づけると、弁体3を閉弁方向に作用させる磁力が強くなるため、弁体3が開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力が高くなる(ベンチュリー管1を通過する第1流体の流量が多くなる)。一方、この流体混合装置は、磁石5とボルト70の先端面との距離を遠ざけると、弁体3を閉弁方向に作用させる磁力が弱くなるため、弁体3が開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力が小さくなる(ベンチュリー管1を通過する第1流体の流量が少なくなる)。このように、この流体混合装置はボルト70が、弁体3が開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力が異なるように調整する調整部に相当する。
【0035】
このような構成を有する流体混合装置は、
図4に示すように、ガス給湯器やガスボイラー等の燃焼装置7のバーナー(図示せず)に燃焼用空気を供給する送風機7Aの上流側に連結して使用される。この場合、第1流体は空気であり、第2流体は燃焼ガスである。流体混合装置は、ベンチュリー管1の外筒10の中間管部13に形成された供給管17がガス供給路9に連結され、燃焼ガスが供給される。ガス供給路9は流量調整弁V等が途中に連結されている。
【0036】
この流体混合装置が組み込まれた燃焼装置7は、低い燃焼量で燃焼させる場合、送風機7Aを低い設定回転数(
図5に示す回転数R1よりも低い回転数)で回転させる。この場合、流体混合装置は、
図2に示すように、流体混合装置のベンチュリー管1の内筒30内を通過する空気の圧力が低く、弁体3に設けられた磁石5が内筒30に設けられたボルト70を引きつける磁力に打ち勝つことができず、弁体3が開弁しない。このように、燃焼装置7を低い燃焼量で燃焼させる場合、この流体混合装置は、弁体3が閉弁してベンチュリー管1の流路の約半分を閉鎖し、燃焼に適した空燃比で少ない流量の混合気体(空気と燃焼ガス)を供給することができる。
【0037】
また、この流体混合装置が組み込まれた燃焼装置7は、高い燃焼量で燃焼させる場合、送風機7Aを高い設定回転数(
図5に示す回転数R1よりも高い回転数)で回転させる。この場合、流体混合装置は、送風機7Aの回転数が高くなるにしたがって、流体混合装置のベンチュリー管1の内筒30内を通過する空気の圧力も上昇し、弁体3に設けられた磁石5が内筒30に設けられたボルト70を引きつける磁力に打ち勝つ空気の圧力になると、
図3に示すように、弁体3が開弁する。弁体3が開弁する圧力以上の空気がベンチュリー管1の内筒30内を通過する状態では、開弁した弁体3が当り止め部36に当接し、弁体3は内筒30内を通過する空気によってばたつかない。このように、燃焼装置7を高い燃焼量で燃焼させる場合、この流体混合装置は、弁体3が開弁してベンチュリー管1の流路の全体が開放し、燃焼に適した空燃比で多い流量の混合気体(空気と燃焼ガス)を安定して供給することができる。
【0038】
また、この流体混合装置は、外筒10と内筒30とからベンチュリー管1を構成し、内筒30を外筒10に対して中心軸周りに任意に回転させた状態で外筒10に挿入し、固定することができる。このため、この流体混合装置は、ガス供給路9に連結される外筒10の供給管17の向きにかかわらず弁体3を特定の向きに配置することができる。よって、この流体混合装置は、供給管17の向きによって弁体3が開閉する際の弁体3の自重による影響が変化しないため、供給管17の向きに制約されずにガス供給路9に連結することができる。
【0039】
<実施例2>
実施例2の流体混合装置は、
図6に示すように、弁体が2個に分割されて形成されている点が実施例1と相違する。実施例1と同様な構成は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0040】
この流体混合装置は、2個に分割された第1弁体3A及び3Bは、左右対称形状である。第1弁体3A及び第2弁体3Bは、内筒130の上流端部において、流路の中心を通り両端が内筒130の内周面に回動自在に支持された回動軸に後端縁が連続している。内筒130の流路は、第1弁体3A及び第2弁体3Bによって、約半分が閉鎖される。第1弁体3A及び第2弁体3Bの夫々に磁力が異なる磁石5A,5Bが固定されている。
【0041】
この流体混合装置の内筒130は、内周面から内側に突出して第1流入口135が形成された凸部131を有している。第1流入口135は内筒130内(絞り部)を第1流体が通過する際に流速が増加することによって生じる低圧領域に形成されている。第1弁体3A及び第2弁体3Bは第1流入口135を半分ずつ開閉するように配置されている。
【0042】
凸部131は上端部の左右両端縁から左右方向に延びた鉄片133を有している。各弁体3A,3Bに固定された磁石5A,5Bは、第1弁体3A及び第2弁体3Bが閉弁状態で、鉄片133の夫々に対して、磁力が作用して引きつけ合う。つまり、第1弁体3A及び第2弁体3Bの夫々に固定された磁石5A,5Bは各弁体3A,3Bの閉弁方向に磁力を作用させている。
【0043】
この流体混合装置は、第1弁体3A及び第2弁体3Bの夫々に固定された磁石5A,5Bの磁力が異なっているため、第1弁体3Aが開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力と、第2弁体3Bが開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力とが異なる。第1弁体3Aに固定された磁石5Aの磁力よりも第2弁体3Bに固定された磁石5Bの磁力の方が大きいと、
図7に示すように、ベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力が高くなる(ベンチュリー管1を通過する第1流体の流量が多くなる)に従い、第1弁体3A及び第2弁体3Bが閉弁した状態、第1弁体3Aが開弁して第2弁体3Bが閉弁した状態、第1弁体3A及び第2弁体3Bが開弁した状態の順に変化すると共に、燃焼に適した空燃比の混合気体(空気と燃焼ガス)の流量が段階的に増加する。
このように、この流体混合装置は、ベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力が高くなるに従い、段階的に流路面積が大きくなる。つまり、この流体混合装置は混合流体の流量を細かに制御することができる。
【0044】
<実施例3>
実施例3の流体混合装置は、
図8及び
図9に示すように、弁体4が内筒230の流路全体を塞ぐ大きさであり、中央に貫通孔4Aが形成されている点が実施例1と相違する。実施例1と同様な構成は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0045】
この流体混合装置の外筒210は、上流側から下流側に向けて、上流管部211と主管部213とから構成されている。上流管部211及び主管部213は略円筒状である。上流管部211の内径は主管部213の内径よりも小さい。主管部213は、上流端部が内側に折れ曲がり、上流管部211の内径よりも小さい径の上流側開口213Aを形成している。主管部213の上流側開口213Aの上流側角部はR面取りされている。主管部213は内周面の上流管部211側の端部の内径がそれよりも下流側の内周面の内径よりも僅かに小さい。
【0046】
内筒230は、外筒210の下流側から外筒210内に挿入されている。内筒230は、外筒210に対して中心軸周りに任意に回転させた状態で外筒210内に挿入し、固定されている。内筒230の内径は上流端部が最も小さく形成されている。また、内筒230は上流端部から下流側に向けて徐々に拡径している。つまり、内筒230は内周面が下流に向けて徐々に外側へ広がるように傾斜している。内筒230は上流端部の内径が外筒210の主管部213の上流側開口213Aの内径より僅かに小さい。このように、内筒230は流路面積を狭くした絞り部を形成している。つまり、この流体混合装置は、外筒210と、外筒210の下流側から外筒210内に挿入して固定された内筒230とによってベンチュリー管1を構成している。
【0047】
また、内筒230は内周面の一部分を外方向に凹ませて中心軸方向に延びる溝部231が形成されている。この溝部231は後述する弁体4の回動軸251が中心軸方向に直交する方向に延びて回動自在に支持されている。また、この溝部231は、弁体4が開閉する際、弁体4の一部が移動可能に形成されている。溝部231は外周面に第2流体が流入する第2流入口239が形成されている。第2流入口239は内筒230内(絞り部)を第1流体が通過する際に流速が増加することによって生じる低圧領域に形成されている。
【0048】
また、内筒230は、閉弁状態の弁体4の先端側が重なる弁座面233を有する凸部236が溝部231に対向する内周面に設けられている。弁座面233は中央部に第2流体が流入する第1流入口235が形成されている。このように、第1流入口235は、絞り部の最も流路面積が小さい部分(内筒230の上流端部)よりも下流に形成されている。また、第1流入口235は、閉弁時の弁体4の先端位置よりも上流側に形成されている。つまり、第1流入口235は内筒230内(絞り部)を第1流体が通過する際に流速が増加することによって生じる低圧領域に形成されている。
【0049】
凸部236は内筒230の中心軸側の端部にボルト70がねじ込まれるねじ穴237が形成されている。ボルト70は上流側からねじ穴237にねじ込まれている。つまり、内筒230の凸部236に形成されたねじ穴237にねじ込まれたボルト70は、軸部71が内筒230本体部の中心軸方向に延び、先端面が前方を向いて配置されている。ボルト70は頭部73に形成された十字溝が内筒230の後方に露出している。このため、内筒230が外筒210内に挿入されて固定された状態で、外筒210の上流管部211の上流側開口からプラスドライバーを挿入してボルト70を回転させることができる。ボルト70は鉄製である。
【0050】
また、内筒230は上流端部の外周面から外側に伸びた第1鍔部232が形成されている。第1鍔部232は外径が外筒210の主管部213の内周面の上流管部211側の端部の内径よりも僅かに小さい。第1鍔部232は外周面に周方向に一周する第1凹部232Aが形成されている。この第1凹部232AはパッキンPが嵌め込まれている。このため、内筒230を外筒210の下流側から外筒210内に挿入すると、第1鍔部232が外筒210の主管部213の内周面の上流管部211側の端部に挿入され、第1鍔部232と外筒210の主管部213との間における流体漏れを防止した状態になる。また、内筒230は下流端部の外周面から外側に伸びた第2鍔部234が形成されている。第2鍔部234は外径が外筒210の主管部213の内径よりも僅かに小さい。第2鍔部234は外周面に周方向に一周する第2凹部234Aが形成されている。この第2凹部234AはパッキンPが嵌め込まれている。このため、内筒230を外筒210の下流側から外筒210内に挿入すると、第2鍔部234が外筒210の主管部213の下流端部に挿入され、第2鍔部234と外筒210の下流管部15との間における流体漏れを防止した状態になる。
【0051】
内筒230は第1鍔部232と第2鍔部234との間の外径が外筒210の主管部213の内径よりも小さい。このため、内筒230を外筒210の下流側から外筒210内に挿入すると、内筒230の第1鍔部232と第2鍔部234との間において、内筒230と外筒210との間に隙間Sが形成される。外筒210に形成された供給管217から供給された第2流体は、このように形成された内筒230と外筒210との間の隙間Sを介して内筒230に形成された第1流入口235及び第2流入口239から内筒230内に流入することができる。
【0052】
弁体4は、内筒230の溝部231に回動自在に支持された回動軸251に後端縁が連続している。弁体4は、閉弁時において内筒230の流路の全体を閉鎖すると共に、先端側が第1流入口235を閉鎖する。また、弁体4は先端側に形成された磁石5を収納する有底の筒部257を有している。筒部257は、弁体4が閉弁状態において、底部の外面が内筒230の凸部236に形成されたねじ穴237にねじ込まれたボルト70の先端面に対向するように形成されている。磁石5は円柱状の永久磁石である。磁石5は弁体4に形成された筒部257に収納されている。また、弁体4は中央に貫通孔4Aが形成されている。
【0053】
この流体混合装置は、弁体4が閉弁状態において、弁体4の筒部257に収納された磁石5とボルト70とが磁力によって引きつけ合う。つまり、磁石5は弁体4の閉弁方向に磁力を作用させている。また、ボルト70のねじ込み具合によって、閉弁状態の弁体4の筒部257に収納された磁石5とボルト70の先端面との距離を近づけたり、遠ざけたりすることができる。このように、磁石5とボルト70の先端面との距離を変化させると、弁体4が開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力を変更することができる。つまり、この流体混合装置は、磁石5とボルト70の先端面との距離を近づけると、弁体4を閉弁方向に作用させる磁力が強くなるため、弁体4が開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力が高くなる(ベンチュリー管1を通過する第1流体の流量が多くなる)。一方、この流体混合装置は、磁石5とボルト70の先端面との距離を遠ざけると、弁体4を閉弁方向に作用させる磁力が弱くなるため、弁体4が開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力が小さくなる(ベンチュリー管1を通過する第1流体の流量が少なくなる)。このように、この流体混合装置はボルト70が、弁体4が開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力が異なるように調整する調整部に相当する。
【0054】
この流体混合装置が組み込まれた燃焼装置7は、低い燃焼量で燃焼させる場合、送風機7Aを低い設定回転数で回転させる。この場合、流体混合装置は、
図8に示すように、流体混合装置のベンチュリー管1の内筒230内を通過する空気の圧力が低く、弁体4に設けられた磁石5が内筒230に設けられたボルト70を引きつける磁力に打ち勝つことができず、弁体4が開弁しない。このように、燃焼装置7を低い燃焼量で燃焼させる場合、この流体混合装置は、弁体4が閉弁して、弁体4の貫通孔4Aを通じて空気が弁体4よりも下流側に流れ、燃焼に適した空燃比で少ない流量の空気と燃焼ガスを供給することができる。
【0055】
また、この流体混合装置が組み込まれた燃焼装置7は、高い燃焼量で燃焼させる場合、送風機7Aを高い設定回転数で回転させる。この場合、流体混合装置は、送風機7Aの回転数が高くなるにしたがって、流体混合装置のベンチュリー管1の内筒230内を通過する空気の圧力も上昇し、弁体4に設けられた磁石5が内筒230に設けられたボルト70を引きつける磁力に打ち勝つ空気の圧力になると、
図9に示すように、弁体4が開弁する。弁体4が開弁する圧力以上の空気がベンチュリー管1の内筒230内を通過する状態では、開弁した弁体4は内筒230内を通過する空気によってばたつかない。このように、燃焼装置7を高い燃焼量で燃焼させる場合、この流体混合装置は、弁体4が開弁してベンチュリー管1の流路の全体が開放し、燃焼に適した空燃比で多い流量の空気と燃焼ガスを安定して供給することができる。
【0056】
以上説明したように、実施例1及び3の流体混合装置は、ベンチュリー管1の流路面積を変化させる弁体3,4が一つであり、この弁体3,4は閉弁方向に磁石5の磁力が作用している。また、実施例2の流体混合装置は、ベンチュリー管1の流路面積を変化せせる弁体を2個に分割し、各弁体3A,3Bは閉弁方向に磁石5A,5Bの磁力が作用している。このため、この流体混合装置は、ベンチュリー管1を通過する空気の圧力が磁石5,5A,5Bの磁力に打ち勝つことによって弁体3,3A,3B,4が開弁する。よって、この流体混合装置は、適切な磁力を生じる磁石5を備えることによって、ベンチュリー管1を通過する空気の圧力が小さく弁体3,3A,3B,4の開弁状態が不安定になる状況では弁体3,3A,3B,4を開弁させず、弁体3,3A,3B,4が開弁した状況ではベンチュリー管1を通過する空気の圧力によって開弁状態を安定させることができる。このように、この流体混合装置は、弁体3,3A,3B,4が安定して開弁状態を保つため、燃焼ガスの第1流入口35,135,235からの吸引が安定し、所望する空燃比(混合比)の混合流体を安定して供給することができる。また、実施例1及び3の流体混合装置は弁体3,4が一つであり、実施例2の流体混合装置は弁体を2個に分割した第1弁体3A,第2弁体3Bであるため、流路方向の長さを短くすることができる。
【0057】
したがって、実施例1〜3の流体混合装置は所望する混合比の混合流体を安定して供給することができると共に、小型化を図ることができる。
【0058】
また、実施例1〜3の流体混合装置は、弁体3,3A,3B,4によって開閉される第1流入口35,135,235が絞り部の最も流路面積が小さい部分よりも下流であり、かつ閉弁時の弁体3,3A,3B,4の先端位置よりも上流側に形成されているため、第1流入口35,135,235から燃料ガスを良好に吸引することができる。
【0059】
また、実施例1〜3の流体混合装置は、磁石5,5A,5Bの磁力を異ならせることによって、弁体3,3A,3B,4が開弁する際のベンチュリー管1を通過する空気の圧力を異ならせることができる。つまり、この流体混合装置は、磁石5,5A,5Bの磁力を異ならせることによって、弁体の開弁する圧力を容易に変更することができる。
【0060】
また、実施例2の流体混合装置は、弁体が2個に分割されて形成されており、分割された第1弁体3A及び第2弁体3Bが開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力が異なると共に、第1弁体3A及び第2弁体3Bは第1流入口135を半分ずつ開閉する。このため、この流体混合装置は混合流体の流量を細かに制御することができ、ターンダウンレシオを容易に大きくすることができる。
【0061】
また、実施例1及び3の流体混合装置は、ボルト70のねじ込み具合によって、弁体3,4が開弁する際のベンチュリー管1を通過する空気の圧力が異なるように調整することによって、混合流体の流量を容易に変更することができる。
【0062】
次に、本発明の流体混合装置を具体化した実施例4及び5について、図面を参照しつつ説明する。
【0063】
<実施例4>
実施例4の流体混合装置は、
図14〜
図16に示すように、付勢部としての弾性体を有する点、弁体が突起部を有する点、流量調整部を備える点等において実施例1と相違する。実施例1と同様な構成は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0064】
図14〜
図16に示すように、実施例4の流体混合装置は、付勢部としての弾性体25を備えている。本実施例における弁体3は、この弾性体25によって付勢力としての弾性力を閉弁方向に付与されている。具体的には、弾性体25は、
図17に示すようなねじりばねとして構成されている。弾性体25は、コイル部25Aにおいて回動軸51の軸部材51Aに挿通されているとともに、一方の端部25Bが弁体3の係合部3Cに係合しており、他方の端部25Cが当り止め部36に形成された孔36Aに挿通されている。これにより、弾性体25は、その弾性力を弁体3が閉弁する方向に作用させている。本実施例において、弾性体25は、回動軸51の両端部にそれぞれ設けられている。
【0065】
また、
図18及び
図19に示すように、実施例4において、弁体3には突起部59が形成されている。突起部59は、弁体3の弁座面33との当接面となる一面から所定長さで突出して形成されている。突起部59は第1流入口35に挿入される。具体的には、突起部59は、
図18に示すように、弁体3が弁座面33に当接した閉弁状態において第1流入口35を貫通して隙間S側に突出する形態とされる。また、
図19に示すように、突起部59は、弁体3が弁座面33から僅かに離間した状態においても、第1流入口35に挿入された状態が維持される。また、
図18及び
図19に示すように、突起部59の断面積は第1流入口35の開口面積よりも小さくされているとともに、先端に向かうに連れてより小さくなる形態とされている。
【0066】
また、
図14〜
図16に示すように、実施例4の流体混合装置は流量調整部40を備えている。流量調整部40は、ベンチュリー管1に設けられており、流通路としての隙間Sを流通する第2流体の流量を調整する。本実施例の場合、隙間Sは、第1流入口35と連通する隙間S1と、第2流入口39と連通する隙間S2とを有しており、流量調整部40は、隙間S1を流通する第2流体の流量と、隙間S2を流通する第2流体の流量と、をそれぞれ別々に調整することができる。
【0067】
図14〜
図16に示すように、流量調整部40は、外筒10の中間管部13の外周側に設けられている。流量調整部40は、ハウジング41と、オリフィス板42と、2つの調整ねじ43,44と、供給管部45とを有して構成されている。ハウジング41は、一面が開口した箱状に形成されている。また、ハウジング41は、開口側の面とは反対側の面にめねじ部41A,41Bを形成しており、このめねじ部41A,41Bに調整ねじ43,44が螺合されている。ハウジング41は、外筒10の中間管部13の外周面との間にオリフィス板42を挟む形態で、中間管部13の外周面に着脱自在に取り付けられる。供給管部45は、一端がハウジング41に連結されてハウジング41内の空間に連通する管状に形成されている。供給管部45は、その他端が、第2流体の供給路(例えば、
図4に示すガス供給路9)に接続されることにより、ハウジング41内の空間に第2流体を供給する。すなわち、流量調整部40は、供給管部45からハウジング41内の空間に第2流体が供給される。そして、ハウジング41内を通過した第2流体はオリフィス板42を通過し、流通路としての隙間S1及びS2を流通する。
【0068】
オリフィス板42は中間管部13の外周面に当接している。この中間管部13のオリフィス板42が当接する部位には、ベンチュリー管1の隙間S1,S2にそれぞれ連通する2つの貫通孔13A,13Bが形成されている。オリフィス板42は、この貫通孔13A,13Bを覆う形態で取り付けられている。また、オリフィス板42は、2つの貫通孔13A,13Bに対応して貫通して形成された2つの孔42A,42Bを形成している。孔42A,42Bは、対応する貫通孔13A,13Bの開口面積よりも小さい開口面積でそれぞれ形成されている。オリフィス板42は、孔42A,42Bの大きさの異なるものを交換して取り付けることができる。
なお、オリフィス板42を交換する際には、実施例1のオリフィス板21,22の交換時のように外筒10から内筒30を抜き出す必要はなく、外筒10の外面側に露出しているハウジング41を取り外すことにより簡単に行うことができる。
【0069】
図14〜
図16に示すように、2つの調整ねじ43,44は、一方の調整ねじ43がめねじ部41Aに螺合し、他方の調整ねじ44がめねじ部41Bに螺合する。この状態で、調整ねじ43,44は、オリフィス板42の孔42A,42Bにそれぞれ挿入可能とされている。調整ねじ43,44は、孔42A,42Bへの挿入量を調整することで孔42A,42Bを流通する第2流体の流路面積の大きさを調整可能である。そして、このようにして流路面積の大きさを調整することで、各隙間S1,S2を流通する第2流体の流量をそれぞれ調整することができる。
【0070】
2つの調整ねじ43,44は略同様の構成である。調整ねじ43,44は、先端部43A,44A、ねじ部43B,44B、及び操作部43C,44Cをそれぞれ有している。調整ねじ43,44は、先端部43A,44A側の端部をハウジング41内に挿入し、操作部43C,44C側の端部をハウジング41の外側に向けた形態で、ハウジング41の各めねじ部41A,41Bにそれぞれ螺合している。各調整ねじ43,44は、めねじ部41A,41Bに螺合した状態において、先端部43A,44Aがオリフィス板42の孔42A,42Bに挿入されるようにされている。調整ねじ43,44の操作部43C,44Cにはすり割りが形成されており、このすり割りに工具を係合して回転することで先端部43A,44Aの孔42A,42Bへの挿入量を調整可能とされている。また、調整ねじ43,44の各先端部43A,44Aは先細り状に形成されている。
【0071】
本実施例の流量調整部40は、先端部43A,44Aの孔42A,42Bへの挿入量を調整することでオリフィス板42の孔42A,42Bを通過する第2流体の流量を調整可能である。これにより、流量調整部40は、隙間S1,S2を流通する第2流体の流量をそれぞれ別個に調整可能である。すなわち、流量調整部40は、ベンチュリー管1の外部から第2流体の流量を調整する操作部43C,44Cを有する2つの調整ねじ43,44と2つの孔42A,42Bが形成されたオリフィス板42とにより、本発明に係る第1流量調整部及び第2流量調整部をそれぞれ構成しているといえる。
【0072】
なお、本発明に係る流量調整部は、例えば、調整ねじを最も締め込んだ状態と最も緩めた状態の2通りの状態において、特定の2種類の第2流体(例えば、都市ガスとプロパンガス等)に適した流量となるように、調整ねじの先端部の形状(径方向の大きさ)及びオリフィス板の孔の大きさを設定しておくとよい。この場合、特定の2種類の第2流体について、調整ねじの先端部をオリフィス板の孔に挿入する量(調整ねじのねじ込み量)を調整する場合と比較して、極めて容易に流量調整を行うことができる。
また、本発明に係る流量調整部は、例えば、先端部の形状(径方向の大きさ)の異なる複数種類の調整ねじを用意して交換して用いてもよい。この場合、特定種類の第2流体に対応させた大きさの先端部を有する調整ねじに交換することで、流量を容易に調整することができる。
【0073】
更に、流量調整部としては、例えば、調整ねじ(操作部)を有さない構成としてもよい。換言すると、流量調整部は、外筒の外周面に着脱自在に取り付けられ、外筒の内周面側に形成された第2流体が流通する流通路に連通する孔が形成されたオリフィス板を備えた構成としてもよい。この場合、孔の径の異なるオリフィス板を複数種類用意して交換して用いることで、第2流体の流量を容易に調整することができる。またこの場合、オリフィス板は外筒の外周面に取り付けられるので、内筒を外筒から抜き出す場合と比較して、オリフィス板の交換を容易に行うことができる。
【0074】
また、上述のように、実施例4の流体混合装置において、外筒10と内筒30との間の隙間Sは、第1流入口35に連通する隙間S1と、第2流入口39に連通する隙間S2とを有している。これら隙間S1,S2は、実施例1における隙間Sと同様に、内筒30を外筒10に挿入することによって、内筒30の外周面と外筒10の内周面との間に形成されている。隙間S1と隙間S2とは、仕切部38によって仕切られている。仕切部38は、内筒30の外周面から径方向に拡径して形成され、パッキンPを介して外筒10の内壁に当接して設けられている。隙間S1,S2は、このような形態の仕切部38によって、ベンチュリー管1の軸方向に仕切られている。隙間S1,S2は、隙間S1がベンチュリー管1における第1流体の流れ方向の下流側に形成され、隙間S2が上流側に形成されている。
【0075】
また、ベンチュリー管1は、絞り部の最も流路面積が小さい部分にリブ46を形成している。リブ46は、内筒30の内周面から中心方向に向かって延出して形成されている。リブ46は、絞り部の最も流路面積が小さい部分において、更に流路面積を小さくする目的で設けられている。すなわち、ベンチュリー管1は、外形寸法はそのままに、延出量の異なるリブ46を設けた内筒30を交換して使用することで、絞り部を流通する第1流体の流速や流量を自在に調整することができる。
【0076】
更に、弁体3は、本体部53の外周縁に切欠き部53Aを形成している。切欠き部53Aは、閉弁状態においても第1流体を流通可能である。このため、所望の大きさの切欠き部53Aを形成した本体部53を有する弁体3を用いることで、閉弁時における第1流体の流量を、容易に所望の流量とすることができる。
【0077】
このような構成の実施例4の流体混合装置は、弁体3に弾性体25の弾性力が作用している。すなわち、ねじりばねである弾性体25は弁体3の閉弁方向に弾性力を作用させている。流体混合装置は、
図15に示すように、ベンチュリー管1の内筒30内を流通する第1流体の流量が少なく、弁体3に作用する弾性体25の弾性力に打ち勝つことができず弁体3が開弁しない場合には、第2流入口39から流入する第2流体のみが第1流体と混合される。この時、第2流入口39からの第2流体の流量は、流量調整部40の調整ねじ44を調整することにより調整可能である。すなわち、調整ねじ44は、隙間S2を流通する第2流体の流量のみを調整可能であり、この隙間S2を流通する第2流体は第2流入口39に連通している。したがって、第2流入口39からは、閉弁時において絞り部を流通する第1流体の流量に応じた流量の第2流体を流入させるように容易に調整可能である。
【0078】
また、流体混合装置は、弁体3に作用する弾性体25の弾性力に僅かに打ち勝つ程度の動圧が弁体3に作用すると、
図16に示すように、弁体3が僅かに開弁する。これにより、第2流入口39から流入する第2流体に加えて、第1流入口35から流入する第2流体が第1流体と混合される。この時、絞り部を流通する第1流体の流量は、弁体3の閉弁時の流量よりは多いが、弁体3が全開時の流量よりは少ない。そしてこの時、第1流入口35には突起部59が挿入されているので、第1流入口35の流路面積は、弁体3が全開の場合と比較して小さい。したがって、弁体3が僅かに開弁した状態においては、弁体3の開度に応じた流量の第2流体が第1流入口35から流入する。このように、弁体3の開弁と閉弁との切り替わり時のような弁体3の開度が小さい場合においては、第1流入口35から流入する第2流体の流量の急激な変化が抑制される。
【0079】
また、この時、第1流入口35から絞り部に流入する第2流体の流量は、流量調整部40の調整ねじ43を調整することにより調整可能である。第1流入口35からの第2流体の流量は、第2流入口39からの流入する第2流体の流量を変更することなく調整可能である。したがって、弁体3の閉弁時における第1流体と第2流体の混合比に影響を与えることなく、弁体3の開弁時において適した混合比となるように、第1流入口35から流入する第2流体の流量のみを調整可能である。
【0080】
次に、このような構成を有する実施例4の流体混合装置を実施例1の燃焼装置7(
図4参照)と同様の燃焼装置に組み込んだ場合について説明する。すなわち、実施例4の流体混合装置を、燃焼装置のバーナーに燃焼用空気を供給する送風機の上流側に連結して使用する場合について説明する。この場合、実施例1と同様に、第1流体は空気であり、第2流体は燃焼ガスである。流体混合装置は、供給管部45から燃焼ガスが供給され、流量調整部40により流量の調整された燃焼ガスがベンチュリー管1内に供給される。
【0081】
燃焼装置を低い燃焼量で燃焼させる場合には、送風機を低い設定回転数(
図20に示す回転数R1よりも低い回転数)で回転させる。この場合、ベンチュリー管1の内筒30内を通過する空気の圧力が低いため、この圧力が弁体3を閉弁方向に付勢する付勢部としての弾性体25の弾性力に打ち勝つことができず、弁体3は閉弁された状態となる(
図15参照)。このため、第1流体としての空気は、弁体3を開弁しない状態で約半分の流路面積となっているベンチュリー管1を流通する。また、第2流体としての燃焼ガスは、弁体3が閉弁しているため第1流入口35からはベンチュリー管1内に流入せず、第2流入口39からのみ流入する。したがって、実施例1と同様に、約半分の流路面積のベンチュリー管1を通過する少ない流量の空気と、第2流入口39からのみ流入する少ない流量の燃焼ガスと、が混合された燃焼に適した空燃比の混合気体を供給することができる。
【0082】
一方、燃焼装置を高い燃焼量で燃焼させる場合には、送風機を高い設定回転数(
図20に示す回転数R1よりも高い回転数)で回転させる。この場合、ベンチュリー管1の内筒30内を通過する空気の圧力が高いため、この圧力が弾性体25の弾性力に打ち勝って弁体3が開弁する(
図16参照)。このため、第1流体としての空気は、弁体3の開度に応じた流路面積となったベンチュリー管1を流通する。また、第2流体としての燃焼ガスは、弁体3が開弁されたことにより第1流入口35が開放され、第1流入口35及び第2流入口39の両方の流入口から流入する。したがって、弁体3が開弁して流路面積の大きくなったベンチュリー管1を通過する空気と、第2流入口39からの燃焼ガス及び開放された第1流入口35から流入する燃焼ガスを合わせたより多くの燃焼ガスと、が混合された燃焼に適した空燃比の混合気体を供給することができる。
【0083】
また、弁体3の閉弁時における回転数よりも僅かに高い回転数(
図20に示す回転数R1よりも僅かに高い回転数)で送風機を回転させた場合、開度が小さい状態で弁体3が開弁し、突起部59が第1流入口35に挿入された状態となる(
図19参照)。この時、弁体3の開度が小さい状態における閉弁時よりも僅かに多い流量の空気がベンチュリー管1を流通する。そしてこの時、第1流入口35から流入する燃焼ガスは、第1流入口35に突起部59が挿入された状態であるため、小さな流路面積に応じた流量で流入する。したがって、弁体3の開度が小さい場合においても、弁体3の開度に応じた流路面積のベンチュリー管1を通過する空気と、第2流入口39からの燃焼ガス及び僅かに開放された第1流入口35から流入する燃焼ガスを合わせた燃焼ガスと、が混合された燃焼に適した空燃比の混合気体を供給することができる。
【0084】
以上より、実施例4の流体混合装置は、ベンチュリー管1の流路面積を変化させる弁体3が一つであり、この弁体3は閉弁方向に弾性体25の弾性力が作用している。このため、この流体混合装置は、ベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力が弾性体25の弾性力に打ち勝つことによって弁体3が開弁する。よって、この流体混合装置は、適切な弾性力を生じる弾性体25を備えることによって、ベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力に応じた開度で弁体3を安定して開弁させることができ、第1流体の流量に応じた流量の第2流体を流入させることができる。したがって、実施例4の流体混合装置は、所望する混合比の混合流体を安定して供給することができる。また、実施例4の流体混合装置は弁体3が一つであるため、流路方向の長さを短くすることができる。
【0085】
また、実施例4の流体混合装置は、弁体3が、第1流入口35に挿入される突起部59を有している。このため、弁体3の開弁と閉弁との切り替わり時において流入口から流入する第2流体の流量の急激な変化を抑制することができる。
【0086】
また、実施例4の流体混合装置において、ベンチュリー管1は、流入口(第1流入口35、第2流入口39)に連通し、第2流体が流通する流通路としての隙間S(S1、S2)が形成されている。また、流体混合装置は、ベンチュリー管1に設けられ、流通路としての隙間S(S1,S2)を流通する第2流体の流量を調整する流量調整部40を備えている。そして、流量調整部40はベンチュリー管1の外部から第2流体の流量を調整する操作部43C(調整ねじ43)を有している。このため、第2流体の流量を容易に調整することができる。
【0087】
また、実施例4の流体混合装置において、ベンチュリー管1は、絞り部を形成する内筒30と、この内筒30を内部に挿入される外筒10と、を有している。そして、内筒30を外筒10に挿入することによって、内筒30の外周面と外筒10の内周面との間に流通路としての隙間S(S1,S2)が形成されている。このため、ベンチュリー管1に流通路を容易に形成することができる。
【0088】
また、実施例4の流体混合装置において、複数の流入口は、弁体3によって開閉される第1流入口35と、この第1流入口35以外の流入口である第2流入口39と、である。また、流通路としての隙間Sは、第1流入口35に連通する第1流通路としての隙間S1と、第2流入口39に連通する第2流通路としての隙間S2と、を有している。そして、流量調整部40は、第1流通路としての隙間S1を流通する第2流体の流量を調整する第1流量調整部としての孔42Aが形成されたオリフィス板42及び調整ねじ43と、第2流通路としての隙間S2を流通する第2流体の流量を調整する第2流量調整部としての孔42Bが形成されたオリフィス板42及び調整ねじ44と、を有している。このため、弁体3によって開閉される第1流入口35及びそれ以外の流入口である第2流入口39のそれぞれから流入する第2流体の流量を個別に調整することができる。また、開弁時、閉弁時に関わらず所望の混合比の混合流体を得ることができる。
【0089】
<実施例5>
実施例5の流体混合装置は、
図21及び
図22に示すように、実施例4の流体混合装置の構成に加えて、弁体が開弁する際のベンチュリー管1を通過する第1流体の圧力が異なるように調整する調整部としての弾性力調整部を備えている。その他、上述の各実施例と同様な構成は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0090】
図21及び
図22に示すように、実施例5の流体混合装置は弾性力調整部60を備えている。弾性力調整部60は、ねじりばねである弾性体25が弁体3に対して閉弁方向に作用させる弾性力の大きさを調整する。弾性力調整部60は、板ばね61及び押しボルト62を有している。
【0091】
板ばね61は、一端が自由端とされ、他端が固定端とされている。詳細には、板ばね61は、
図21及び
図22に示すように、自由端となる端部61A側が長く、固定端となる端部61B側が短い断面略J字状に形成されている。板ばね61は、端部61B側において当り止め部36に係止されて固定されている。これにより、板ばね61の端部61Aは端部61B側を軸に弾性変形自在とされている。また、端部61Aには長孔61Cが形成されている。この長孔61Cには弾性体25の端部25Cが挿通されている。
【0092】
押しボルト62は、リブ46の当り止め部36の近傍に前後方向に貫通して形成されたねじ穴537に螺合している。押しボルト62は、その先端62Aを下流側に向けてねじ穴537に挿通されている。また、押しボルト62の先端62Aは、板ばね61の端部61A側に当接している。
【0093】
弾性力調整部60により弾性体25の弾性力を調整する場合、押しボルト62を回転させてねじ穴537へのねじ込み量を変化させる。例えば、
図21に示す状態の押しボルト62を更にねじ込む方向に回転させると、押しボルト62の先端62Aが下流方向に移動する。すると、押しボルト62の先端62Aに当接する板ばね61の端部61Aが下流方向に押圧される。この時、板ばね61は、端部61B側において固定されているため、端部61B側を軸に回動して下流側に倒れる。すると、弾性体25の端部25Cが長孔61Cに挿通されていることにより、板ばね61とともに下流側に倒れ、元の状態よりも弾性体25の端部25Bに近接した状態となる。これにより、弾性体25としてのねじりばねの予圧がより高められ、弁体3に対して閉弁方向への弾性力をより強く作用させるように調整される。これにより、弁体3の開弁時における第1流体の圧力がより大きくなる。
【0094】
一方、弁体3の開弁時における第1流体の圧力をより小さくするには、押しボルト62を緩め方向に回転させ、先端62Aを上流側に移動させる。すると、板ばね61の端部61Aが起き上がる。これに伴って、弾性体25の端部25Cは、端部25Bから離間する方向に移動する。このため、弾性体25としてのねじりばねの予圧が弱められ、弁体3はより低い圧力で開弁するようになる。
なお、弾性力調整部は上記構成に限定されるものではない。流体混合装置が本発明に係る調整部としての弾性力調整部を備える場合、弾性力調整部は、弁体が開弁する際のベンチュリー管を通過する第1流体の圧力が異なるようにする限りその構成は特に限定されない。
【0095】
以上より、実施例5の流体混合装置は、実施例4と同様の効果を奏する。
【0096】
また、実施例5の流体混合装置は、調整部としての弾性力調整部60を備えている。このため、押しボルト62のねじ込み具合によって、弁体3が開弁する際のベンチュリー管1を通過する空気の圧力が異なるように調整することによって、混合流体の流量を容易に変更することができる。
【0097】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1〜5に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1〜3では、弁体に設けられた永久磁石の磁力を弁体の閉弁方向に作用させたが、
図10に示すように、閉弁状態の弁体303から上流側に延びるように平板状の鉄片370を取付け、鉄片370に対向する位置に電磁石305の端面が配置するように内筒330に取付けて、電磁石305の磁力を弁体303の閉弁方向に作用させてもよい。この場合、電磁石305に供給する電力の大きさを変更すれば、混合流体の流量を細かに制御したり、容易に変更したりすることができる。
また、電磁石305への電力供給を送風機7Aの回転数が所定の回転数になったことを検知して遮断するようにしてもよい。この場合も、弁体303が安定して開弁状態を保つことができ、所望する混合比の混合流体を安定して供給することができる。
なお、
図10において、実施例1と同様な構成は同一の符号を付している。
【0098】
(2)実施例1及び3では、ボルトのねじ込み具合によって、磁石とボルトの先端面との距離を近づけたり、遠ざけたりして、弁体を閉弁方向に作用させる磁力を調整したが、
図11に示すように、ボルトの代わりに磁石5の磁力が作用する鉄製の棒部材470を移動しないように内筒30に固定し、ねじりバネ401の弾性力が弁体3を閉弁方向に作用するようにねじりバネ401を取付けてもよい。この場合、弾性力が異なるねじりバネ401を複数種類用意して、弁体3が開弁する際のベンチュリー管1を通過する空気の圧力が異なるように調整してもよい。
なお、
図11において、実施例1と同様な構成は同一の符号を付している。
【0099】
(3)
図12に示すように、実施例1の弁体と同様に流路の略半分を閉鎖することができる弁体3と、この弁体3よりも下流側に実施例3の弁体と同様に流路の略全体を閉鎖することができる弁体4とを備えてもよい。
【0100】
(4)実施例2では弁体を左右対称形状に2分割したが、
図13に示すように、弁体を流路の略全体を閉鎖する大きさに形成された第1弁体6Aと、この第1弁体6Aの中央部を開閉する第2弁体6Bとに分割してもよい。第1弁体6Aと第2弁体6Bは上端縁に連続した同一の回転軸8を中心に回動する。第1弁体6Aは閉弁方向に磁力を作用させる磁石305Aが取り付けられている。第2弁体6Bは閉弁方向に磁力を作用させる磁石305Bが取り付けられている。また、第2弁体6Bは中央に貫通孔6Cが形成されている。第2弁体6Bは先端部が流入口335の中央部を開閉し、第1弁体6Aは流入口335の第2弁体6Bが開閉する領域以外を開閉する。
【0101】
(5)実施例1〜5では、流体混合装置を燃焼機器に組み付け、第1流体が空気であり、第2流体が燃焼ガスというように第1流体及び第2流体が気体であることを想定したが、第1流体又は第2流体の少なくとも一方が液体であってもよい。
(6)実施例1〜5では、流体混合装置を燃焼機器に組み付けたが、他の機器に組み付けてもよい。
(7)実施例1〜5では、ベンチュリー管を外筒と内筒で構成したが、ベンチュリー管を一つの管部材で形成してもよい。
(8)実施例2では、弁体を2個に分割したが、弁体を3個以上に分割してもよい。
(9)実施例1及び3では、ボルトのねじ込み具合によって、磁石との距離を近づけたり、遠ざけたりしたが、磁石との距離が変化しないように磁石の磁力が作用する鉄製などの部材を内筒に固定してもよい。
(10)実施例1〜5では、流体混合装置を送風機の上流側に連結したが、送風機の下流側に流体混合装置を連結してもよい。
【0102】
(11)実施例4及び5では、付勢部としての弾性体としてねじりばねを例示したが、弾性体としてはねじりばねに限定されず、例えば、圧縮コイルばね、引張コイルばね、板バネ等の種々の形態を採用することができる。また、弾性体の材質は、金属や、樹脂、ゴム等のエラストマー等であることができる。また、本発明に係る付勢部としては、本実施例のような弾性体のみによる構成や実施例1〜3のような磁石のみによる構成の他に、磁石と弾性体との組み合わせ等の複数の異なる形態の付勢部の組み合わせによる構成であってもよい。
(12)実施例4及び5では、弁体が突起部を有する形態を例示したが、これは必須ではない。なお、弁体が突起部を有する場合、その形状や大きさ等は、第1流入口に挿入され得る限り特に限定されない。
(13)実施例4及び5では、第1流通路及び第2流通路のそれぞれに対応して流量を調整するための2つの孔が形成された1つのオリフィス板を例示したが、これに替えて、1つの孔が形成された2つのオリフィス板を採用した形態としてもよい。
(14)実施例5では、調整部として弾性力調整部を備える形態を例示したが、これは必須の構成ではない。