(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
燃料電池車の情報を無線通信により制御装置(20B)に送信する機能を有する無線送信部(10B)を水素充填ノズル(50)に設け、前記無線送信部(10B)は駆動用バッテリー(15)及び情報処理装置(13A)を内蔵し駆動用バッテリー(15)により常時駆動されており、
制御装置(20B)は無線受信部(30A)を有し、燃料電池車の情報を受信した後に処理を開始する機能を有しており、
前記情報処理装置(13A)は燃料電池車の情報をチェックする機能と、前記駆動用バッテリー残量を送信する機能を有しており、
無線送信部(10B)は水素充填ノズル(50)の先端部に脱着可能に設けられており、無線送信部(10B)は無線送信部作動ブロック(16)を有し、
水素充填ノズル(50)には自動スイッチ(51)が設けられ、自動スイッチ(51)と無線送信部作動ブロック(16)とは信号伝達ライン(SL)により接続され、
自動スイッチ(51)は、水素充填ノズル(50)が燃料電池車の水素充填口に装着されると信号伝達ライン(SL)を介して無線送信部作動ブロック(16)に作動信号を送信する機能を有しており、水素充填ノズル(50)が燃料電池車の水素充填口から外されると信号伝達ライン(SL)を介して無線送信部作動ブロック(16)に作動停止信号を送信する機能を有し、
無線送信部作動ブロック(16)は、自動スイッチ(51)から作動信号を受信すると無線送信部(10B)を作動し、自動スイッチ51から作動停止信号を受信すると無線送信部(10B)の作動を停止し以てノイズが制御装置(20B)側に送信されることを防止する機能を有していることを特徴とする水素充填装置。
燃料電池車の情報を無線通信により制御装置(20C)に送信する機能を有する無線送信部(10C)を水素充填ノズル(50)に設け、前記無線送信部(10B)は駆動用バッテリー(15)及び情報処理装置(13A)を内蔵し駆動用バッテリー(15)により常時駆動されており、
制御装置(20C)は無線受信部(30C)とCPUボード(40C)を有し、CPUボード(40C)は燃料電池車の情報を受信した後に処理を開始する機能を有しており、
前記情報処理装置(13A)は燃料電池車の情報をチェックする機能と、前記駆動用バッテリー残量を送信する機能を有しており、
無線受信部(30C)は情報処理装置(32C)により構成され、情報処理装置(32C)は、ノズル信号ブロック(35)、計時ブロック(36)、判断ブロック(37)、制御ブロック(38C)を有し、
ノズル信号ブロック(35)は、水素充填ノズルをノズル掛けから外した際に発生する信号を受信した場合に計時ブロック(36)に対して計時開始信号を送信する機能を有し、
計時ブロック(36)は、ノズル信号ブロック(35)から計時開始信号を受信すると、計時開始信号受信から経過した時間を計時し、計時開始信号受信から所定時間が経過した時に当該所定時間が経過したことを示す所定時間経過信号を判断ブロック(37)に送信する機能を有し、
判断ブロック(37)は、水素充填ノズルをノズル掛けから外した際に発生する信号及び計時ブロック(36)からの所定時間経過信号を受信した場合に、制御ブロック(38C)に対して作動信号を発信する機能を有し、
制御ブロック(38C)は、判断ブロック(37)からの作動信号を受信すると無線送信部(10C)から送信された信号を処理し、判断ブロック(37)からの作動信号を受信しない場合は作動せず以て無線送信部(10C)から送信された信号をCPUボード(40)に送信しない機能を有していることを特徴とする水素充填装置。
燃料電池車の情報を無線通信により制御装置(20D)に送信する機能を有する無線送信部(10D)を水素充填ノズル(50)に設け、前記無線送信部(10D)は駆動用バッテリー(15)及び情報処理装置(13A)を内蔵し駆動用バッテリー(15)により常時駆動されており、
制御装置(20D)は無線受信部(30D)とCPUボード(40D)を有し、CPUボード(40D)は燃料電池車の情報を受信した後に処理を開始する機能を有しており、
前記情報処理装置(13A)は燃料電池車の情報をチェックする機能と、前記駆動用バッテリー残量を送信する機能を有しており、
水素充填ノズルには充填開始ボタン及び充填停止ボタンが設けられ、充填開始ボタンが押された場合には充填開始ボタン信号が発信され、充填停止ボタンが押された場合には充填終了信号が送信され、
無線受信部(30D)は情報処理装置(32D)により構成され、情報処理装置(32D)は充填開始ボタン信号ブロック(39)、制御ブロック(38D)を有し、
充填開始ボタン信号ブロック(39)は、充填開始ボタン信号と充填終了信号を受信し、充填開始ボタン信号を受信した場合は制御ブロック(38D)に作動信号を送信し、前記充填終了信号を受信した場合は制御ブロック(38D)に非作動信号を送信する機能を有し、
制御ブロック(38D)は、充填開始ボタン信号ブロック(39)からの作動信号と非作動信号を受信し、無線送信部(10D)から送信された信号を受信し、充填開始ボタン信号ブロック(39)からの作動信号を受信すると作動し、充填開始ボタン信号ブロック(39)から非作動信号が送信された場合には作動せず以て無線送信部(10D)から送信された信号をCPUボード(40D)に送信しない機能を有することを特徴とする水素充填装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、受光器と受信装置を接続する専用ケーブルの断線による不都合を解消し、専用ケーブルを介して伝達される電気信号が水素充填装置等の充填設備からの電気的なノイズの影響を受ける不都合を解消することが出来る充填装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の
水素充填装置(100B)は、(水素充填ノズル50が装着された)燃料電池車の情報を無線通信により制御装置(20B)に送信する機能を有する無線送信部(10B)を水素充填ノズル(50)に設け、前記無線送信部(10B)は駆動用バッテリー(15)及び情報処理装置(13A)を内蔵し
駆動用バッテリー(15)により常時駆動されており、
制御装置(20B)は無線受信部(30A)を有し、燃料電池車の情報を受信した後に処理を開始する機能を有しており、
前記情報処理装置(13A)は燃料電池車の情報をチェックする機能と、前記駆動用バッテリー残量を送信する機能を有しており、
無線送信部(10B)は水素充填ノズル(50)の先端部に脱着可能に設けられており、無線送信部(10B)は無線送信部作動ブロック(16)を有し、
水素充填ノズル(50)には自動スイッチ(51)が設けられ、自動スイッチ(51)と無線送信部作動ブロック(16)とは信号伝達ライン(SL)により接続され、
自動スイッチ(51)は、水素充填ノズル(50)が燃料電池車の水素充填口に装着されると信号伝達ライン(SL)を介して無線送信部作動ブロック(16)に作動信号を送信する機能を有しており、水素充填ノズル(50)が燃料電池車の水素充填口から外されると信号伝達ライン(SL)を介して無線送信部作動ブロック(16)に作動停止信号を送信する機能を有し、
無線送信部作動ブロック(16)は、自動スイッチ(51)から作動信号を受信すると無線送信部(10B)を作動し、自動スイッチ51から作動停止信号を受信すると無線送信部(10B)の作動を停止し以てノイズが制御装置(20B)側に送信されることを防止する機能を有していることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の水素充填装置(100C)は、燃料電池車の情報を無線通信により制御装置(20C)に送信する機能を有する無線送信部(10C)を水素充填ノズル(50)に設け、前記無線送信部(10B)は駆動用バッテリー(15)及び情報処理装置(13A)を内蔵し
駆動用バッテリー(15)により常時駆動されており、
制御装置(20C)は無線受信部(30C)とCPUボード(40C)を有し、CPUボード(40C)は燃料電池車の情報を受信した後に処理を開始する機能を有しており、
前記情報処理装置(13A)は燃料電池車の情報をチェックする機能と、前記駆動用バッテリー残量を送信する機能を有しており、
無線受信部(30C)は情報処理装置(32C)により構成され、情報処理装置(32C)は、ノズル信号ブロック(35)、計時ブロック(36)、判断ブロック(37)、制御ブロック(38C)を有し、
ノズル信号ブロック(35)は、水素充填ノズルをノズル掛けから外した際に発生する信号を受信した場合に計時ブロック(36)に対して計時開始信号を送信する機能を有し、
計時ブロック(36)は、ノズル信号ブロック(35)から計時開始信号を受信すると、計時開始信号受信から経過した時間を計時し、計時開始信号受信から所定時間が経過した時に当該所定時間が経過したことを示す所定時間経過信号を判断ブロック(37)に送信する機能を有し、
判断ブロック(37)は、水素充填ノズルをノズル掛けから外した際に発生する信号及び計時ブロック(36)からの所定時間経過信号を受信した場合に、制御ブロック(38C)に対して作動信号を発信する機能を有し、
制御ブロック(38C)は、判断ブロック(37)からの作動信号を受信すると無線送信部(10C)から送信された信号を処理し、判断ブロック(37)からの作動信号を受信しない場合は作動せず以て無線送信部(10C)から送信された信号をCPUボード(40)に送信しない機能を有していることを特徴としている。
【0009】
さらに本発明の水素充填装置(100D)は、燃料電池車の情報を無線通信により制御装置(20D)に送信する機能を有する無線送信部(10D)を水素充填ノズル(50)に設け、前記無線送信部(10D)は駆動用バッテリー(15)及び情報処理装置(13A)を内蔵し
駆動用バッテリー(15)により常時駆動されており、
制御装置(20D)は無線受信部(30D)とCPUボード(40D)を有し、CPUボード(40D)は燃料電池車の情報を受信した後に処理を開始する機能を有しており、
前記情報処理装置(13A)は燃料電池車の情報をチェックする機能と、前記駆動用バッテリー残量を送信する機能を有しており、
水素充填ノズルには充填開始ボタン及び充填停止ボタンが設けられ、充填開始ボタンが押された場合には充填開始ボタン信号が発信され、充填停止ボタンが押された場合には充填終了信号が送信され、
無線受信部(30D)は情報処理装置(32D)により構成され、情報処理装置(32D)は充填開始ボタン信号ブロック(39)、制御ブロック(38D)を有し、
充填開始ボタン信号ブロック(39)は、充填開始ボタン信号と充填終了信号を受信し、充填開始ボタン信号を受信した場合は制御ブロック(38D)に作動信号を送信し、前記充填終了信号を受信した場合は制御ブロック(38D)に非作動信号を送信する機能を有し、
制御ブロック(38D)は、充填開始ボタン信号ブロック(39)からの作動信号と非作動信号を受信し、無線送信部(10D)から送信された信号を受信し、充填開始ボタン信号ブロック(39)からの作動信号を受信すると作動し、充填開始ボタン信号ブロック(39)から非作動信号が送信された場合には作動せず以て無線送信部(10D)から送信された信号をCPUボード(40D)に送信しない機能を有することを特徴としている。
本発明の水素充填装置(100B、100C、100D)において、前記無線送信部(10B、10C、10D)は防爆構造であるのが好ましい。
【0010】
それに加えて前記情報処理装置(13A)は、無線送信部(10A:受光器)に発生したノイズを送信しない機能を有しているのが好ましい。
或いは前記充填ノズル(50)には無線送信部(10B)を作動し停止するスイッチ(51:自動スイッチ)が設けられており、当該スイッチ(51)は充填ノズル(50)が車両に装着されると無線送信部(10B)を作動する信号を発信する機能を有しているのが好ましい。
【0011】
さらに本発明の充填装置(100C)は、制御装置(20C:CPUボード)を有し、当該制御装置(20C)は、(充填ノズル50をノズル掛けから外すと作動する)ノズルスイッチからの信号(ノズルスイッチON信号)を受信し且つ当該信号を受信してから所定時間が経過した場合にのみ、無線送信部(10C)から送信された信号を処理する機能を有しているのが好ましい。
或いは本発明の充填装置(100D)は、制御装置(20D:CPUボード)を有し、充填ノズル(50)には充填開始ボタンが設けられており、制御装置(20D)は充填開始ボタンが押された旨の信号を受信した場合にのみ、無線送信部(10D)から送信された信号を処理する機能を有しているのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
上述の構成を具備する本発明によれば、車両の情報を無線通信により送信する機能を有する無線送信部(10、受光器)を充填ノズル(50)に設けているので、専用の通信ケーブルが不要となり、通信ケーブル断線による不都合が生じることはない。
また、近距離無線通信による車両データを送信しているので、ノイズ(例えば電気ノイズ)により情報信号が悪影響を受ける恐れがない。
さらに、専用ケーブルが不要となるため、充填装置が故障、破損した場合に、修復作業が容易に行われる。
【0013】
本発明において、前記無線送信部(10)が充填ノズル(50)の先端部に脱着可能に構成されていれば、故障等の際に充填ノズル(50)から取り外して容易且つ確実に修繕することが可能である。
また、前記無線送信部(10)は防爆構造であれば、可燃物を取り扱う燃料充填装置の安全性が向上する。
そして本発明において、前記無線送信部(10)が駆動用バッテリー(15)を内蔵していれば、電力供給用の専用ケーブルが存在しなくても、無線送信部(10)の作動を確保することが出来る。
【0014】
ここで前記無線送信部(10)がバッテリー(15)で常時駆動されている場合には、例えば太陽光が照射することによりバイアス信号の様なノイズが生じ、当該ノイズが無線送信部(10)からの信号として、燃料充填装置(100)の制御装置側に送信されてしまう恐れが存在する。
これに対して本発明において、前記無線送信部(10A)は情報処理装置(13A)を内蔵しており、当該情報処理装置(13A)は無線送信部(10A:受光器)に発生したノイズ(例えば、前記バイアス信号)を送信しない機能を有していれば、前記バイアス信号の様なノイズが燃料充填装置(100A)の制御装置側に送信されてしまうことが防止され、燃料充填装置(100A)の制御装置(20A)が当該ノイズを処理する必要が無くなり、当該制御装置(20A)の負担を減少することが出来る。
【0015】
或いは前記充填ノズル(50)には無線送信部(10B)を作動し停止するスイッチ(51:自動スイッチ)が設けられており、当該スイッチ(51)は充填ノズル(50)が車両に装着されると無線送信部(10B)を作動する信号を発信する機能を有していれば、例えば太陽光が無線送信部(10B)に照射したとしても、各種燃料が充填されていない場合(非充填時)には無線送信部(10B)は作動しないので、前記バイアス信号の様なノイズが燃料充填装置(100B)の制御装置(20B)に送信されてしまうことはなく、当該制御装置(20B)の負担を減少することが出来る。
【0016】
さらに本発明の充填装置(100C)は、制御装置(20C:CPUボード)を有し、当該制御装置(20C)は、(充填ノズル50をノズル掛けから外すと作動する)ノズルスイッチからの信号(ノズルスイッチON信号)を受信し且つ当該信号を受信した後に所定時間が経過した場合にのみ無線送信部(10C)から送信された信号を処理する機能を有していれば、ノズルスイッチからの信号を受信し且つ所定時間が経過したという条件を充足しない限り、燃料充填装置(100C)の制御装置(20C)は各種燃料が充填されていない(非充填時である)と判断して、無線送信部(10C)から送信された信号を処理しない。
そのため、非充填時に発生したノイズ等を燃料充填装置(100C)の制御装置(20C)が処理してしまうことは無く、当該制御装置(20C)の負担を軽減することが出来る。
【0017】
或いは本発明の充填装置(100D)が、制御装置(20D:CPUボード)を有し、充填ノズル(40)には充填開始ボタンが設けられており、制御装置(20D)は充填開始ボタンが押された旨の信号を受信した場合にのみ、無線送信部(10D)から送信された信号を処理する機能を有していれば、充填開始ボタンが押されない限り、燃料充填装置(100D)の制御装置(20D)は無線送信部(10D)から送信された信号を処理しない。
そのため、充填開始ボタンが押されていない非充填時に発生したノイズ等を制御装置(20D)が処理してしまうことは無く、当該制御装置(20D)の負担は軽減する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
最初に
図1〜
図4を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。なお、図示の実施形態では、本発明を水素ガス充填装置(水素ディスペンサー)に適用している。
図1において、第1実施形態に係る水素充填装置は全体が符号100Aで示されており、無線送信部10A(受光器)と制御装置20Aを有している。
無線送信部10Aは、
図2で示す様に、水素充填ホース60(
図1)の先端部に取り付けられた充填ノズル50の先端部50Aに脱着可能に設けられており、充填ノズル50が挿入された車両(図示せず)の情報(例えば、タンク内圧力、タンク温度、タンク容量等の車両データ)を車両側から受信して、近距離無線通信により制御装置20Aに送信する機能を有している。無線送信部10Aは密閉構造であり、且つ防爆構造となっている。なお、無線通信システムとして、赤外線通信を採用している。
【0020】
防爆構造の制御装置20Aは水素充填装置100A内に設置されており、無線受信部30A(変換器)とCPUボード40Aを有している。
無線送信部10Aから送信された車両通信データは、無線受信部30A(変換器)で受信、変換され、例えばシリアル通信によりCPUボード40Aに送信される。水素充填の際は、CPUボード40Aは無線送信部10Aから送信された信号(データ)を処理して、水素充填装置100Aの図示しない各機器を制御している。
【0021】
図3において、無線送信部10Aは、赤外線受光ブロック11、信号変換ブロック12、情報処理装置13A(例えばマイコン)、無線信号変換ブロック14、内蔵バッテリー15を有している。
充填ノズル50(
図1、
図2)が図示しない車両の水素充填口に装着された際、当該車両内の図示しない車両情報伝達システム(図示せず)を介して、当該車両の情報(例えば、タンク内圧力、タンク温度、タンク容量等の車両データ)が発信され、赤外線受光ブロック11で受信される。受信された情報(車両通信データ)は、信号変換ブロック12を経由して、情報処理装置13Aに送信される。車両通信データは、情報処理装置13Aで処理され、無線信号変換ブロック14を介して、近距離無線通信により制御装置20A側に送信される。
無線送信部10Aは内蔵バッテリー15により駆動される。
【0022】
図3において、制御装置20Aは水素充填装置100A内に設けられており、制御装置20Aの無線受信部30A(変換器)は、無線信号変換ブロック31、情報処理装置32、信号送信ブロック33、電源部34を有している。
無線送信部10Aから送信された車両の情報は、無線受信部30A(変換器)の無線信号変換ブロック31で受信され、情報処理装置32で処理されて、信号送信ブロック33を介して、例えばシリアル通信により、CPUボード40Aに送信される。
無線受信部30Aの電源部34は、CPUボード40AからDC電源の供給を受けている。
【0023】
図1〜
図3に示す様に、図示の実施形態では、従来技術(
図10)における専用ケーブルを使用しておらず、近距離無線通信を採用している。そのため、ケーブル断線や、専用ケーブルで送信される信号に電気的なノイズが干渉する問題は存在しない。
ここで、
図1〜
図3で示す構成については、第1実施形態のおける構成として説明したが、
図1〜
図3に示す構成の一部は、第1実施形態〜第4実施形態で共通している。
図4以降を参照して後述する様に、第1実施形態〜第4実施形態においては、無線送信部10の情報処理装置13、無線受信部30(変換器)の情報処理装置32、充填ノズル50の構成がそれぞれ相違しており、第1実施形態の構成には符号「A」、第2実施形態の構成には符号「B」、第3実施形態の構成には符号「C」、第4実施形態の構成には符号「D」を付している。
【0024】
無線送信部10Aがバッテリー15で常時駆動されていると、例えば太陽光が無線送信部10Aに照射してバイアス信号の様なノイズが生じ、当該ノイズが水素充填装置100(燃料充填装置)の制御装置20側に送信されてしまう恐れが存在する。
これに対して第1実施形態では、無線送信部10Aに設けられた情報処理装置13Aにより、バイアス信号の様なノイズを除去している。
【0025】
図4において、無線送信部10Aの情報処理装置13Aは、車両情報チェックブロック16とバッテリー残量信号発生ブロック19を有しており、車両情報チェックブロック16は判定ブロック17とノイズ除去ブロック18を有している。なお、各機能ブロック間を接続する矢印線は、信号伝達ラインを示している。
車両情報チェックブロック16の判定ブロック17は、信号変換ブロック12から送信される信号が車両内の通信システムを介して伝達された車両情報に関する信号であるか、或いは、例えば日照に起因するバイアス信号その他のノイズであるのかを、公知技術により判別する機能を有している。
ノイズ除去ブロック18は、判定ブロック17でノイズであると認定された信号を、公知技術により除去する機能を有している。
【0026】
無線送信部10Aから車両の情報を制御装置20A(
図1、
図3)に送信する際に、判定ブロック17によりノイズではないと判断された信号のみが、無線信号変換ブロック14を介して制御装置20Aに送信される。そして、判定ブロック17によりノイズであると判断された信号は、ノイズ除去ブロック18により除去され制御装置20Aには送信されない。その結果、例えば日照に起因するバイアス信号その他のノイズが、水素ガス充填装置100Aの制御装置20A側に送信されてしまうことが防止される。
図4において、バッテリー残量信号発生ブロック19は、内蔵バッテリー15の残量を公知技術により決定する機能と、決定されたバッテリー残量を示す信号を生成して、無線信号変換ブロック14を介して制御装置20Aに送信する機能を有している。
【0027】
図1〜
図4の第1実施形態によれば、車両の情報を無線通信により送信する機能を有する無線送信部10Aを充填ノズル50に設けているので、通信用ケーブルが不要となり、ケーブル断線を回避することが出来る。そして専用ケーブルを備えていないので、充填装置100Aが故障、破損した場合における各種修復作業が容易になる。
また、近距離無線通信による車両データを送信しているので、ノイズ(例えば電気ノイズ)により車両情報信号が悪影響を受ける恐れがない。
【0028】
第1実施形態において、無線送信部10Aは充填ノズル50の先端部に脱着可能に構成しているので、故障等の際に充填ノズル50から取り外して容易且つ確実に修繕することが可能である。
また、前記無線送信部10Aは防爆構造であるので、可燃物を取り扱う燃料充填装置としての安全性が維持される。
さらに図示の実施形態では、前記無線送信部10Aは駆動用バッテリー15を内蔵しているので、専用ケーブルが無くても無線送信部10Aの作動を確保することが出来る。
【0029】
第1実施形態において、無線送信部10Aは情報処理装置13Aを備え、情報処理装置13Aは、車両情報チェックブロック16(判定ブロック17、ノイズ除去ブロック18)により、無線送信部10Aに発生したノイズ(例えば、太陽光が照射することにより発生するバイアス信号等)を除去するので、当該ノイズが燃料充填装置100Aの制御装置20Aに送信されてしまうことが防止される。そのため、燃料充填装置100Aの制御装置20Aが当該ノイズを処理する必要が無くなり、燃料充填装置100Aの制御装置20Aの負担を減少することが出来る。
また、無線送信部10Aを駆動する内蔵バッテリー15の残量は制御装置20Aで管理されているので、残量低下の際には必要な処置を迅速に行うことが出来る。
【0030】
次に
図5を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
図5の第2実施形態では、無線送信部10におけるノイズ(例えば、太陽光が照射することにより発生するバイアス信号等)を処理する態様が、第1実施形態(
図4)とは異なっている。
図5において、無線送信部10B(受光部)は充填ノズル50の先端部に脱着可能に設けられており、無線送信部10Bは無線送信部作動ブロック16を有している。後述する様に、無線送信部作動ブロック16は、
図3において、無線送信部10Bの作動、停止を行う機能を有している。
充填ノズル50には自動スイッチ51が設けられ、自動スイッチ51と無線送信部10Bの無線送信部作動ブロック16とは信号伝達ラインSLにより接続されている。
【0031】
自動スイッチ51は、充填ノズル50が車両の充填口に装着されると、信号伝達ラインSLを介して無線送信部作動ブロック16に作動信号を送信する機能を有しており、充填ノズル50の車両の充填口から外されると、信号伝達ラインSLを介して無線送信部作動ブロック16に作動停止信号を送信する機能を有している。
無線送信部10Bの無線送信部作動ブロック16は、自動スイッチ51からの作動信号を受信すると無線送信部10Bを作動し、自動スイッチ51からの作動停止信号を受信すると無線送信部10Bの作動を停止する機能を有している。
図5の第2実施形態では、いわゆる「待機状態(充填していない状態、充填ノズル50が車両の充填口に装着されていない状態)」で自動スイッチ51がONされていなければ、無線送信部作動ブロック16は無線送信部10Bを作動しない。そのため、例えば太陽光が無線送信部10Bに照射してバイアス信号の様なノイズが発生しても、無線送信部10Bは作動していないので、当該ノイズが燃料充填装置100Bの制御装置20B側に送信されてしまうことはない。
【0032】
上述では、充填ノズル50を車両(図示せず)へ装着するのと連動して自動スイッチ51から作動信号等が発信される態様を説明しているが、充填開始時等に充填作業を行う作業者が自動スイッチ51を押すことにより、無線送信部10Bを作動する様に構成することも出来る。
作業者が自動スイッチ51を押す場合、例えば水素充填作業を開始するために作業者が自動スイッチ51を押すと、「自動スイッチ51が押された」旨の信号が作動信号として、信号伝達ラインSLを介して無線送信部10Bに内蔵された無線送信部作動ブロック16へ送信され、無線送信部作動ブロック16は無線送信部10Bを作動する。
一方、水素充填が終了した際には、作業者が自動スイッチ51を再度押すことにより、「水素充填が完了した」旨の信号が作動停止信号として、信号伝達ラインSLを介して無線送信部作動ブロック16へ送信される。そして無線送信部作動ブロック16は、無線送信部10Bを停止する。
【0033】
図5の第2実施形態によれば、無線送信部10Bを作動し停止する自動スイッチ51が設けられており、自動スイッチ51は充填ノズル50が車両に装着された場合に無線送信部10Bを作動する信号を発信し、充填ノズル50が車両から外された場合に無線送信部10Bの作動を停止する機能を有している。そのため、例えば太陽光が無線送信部10Bに照射してバイアス信号の様なノイズが発生したとしても、水素等の燃料が充填されていない場合(非充填時)には無線送信部10Bは作動していないので、当該ノイズは制御装置20B側に送信されてしまうことはなく、制御装置20Bの負担を減少することが出来る。なお、
図5では図示されていないが、第2実施形態における制御装置は符号「20B」で表記する。
図5の第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果は
図1〜
図4の第1実施形態と同様である。
【0034】
次に、
図6、
図7を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。なお、
図6、
図7では図示されていないが、以下において、第3実施形態の充填装置、CPUボード、制御装置、無線送信部(受光器)は、それぞれ符号「100C」、「40C」、「20C」、「10C」で表記している。そして第3実施形態は、ノイズ処理の態様が第1実施形態及び第2実施形態とは異なっている。
図6において、充填装置100Cは、無線送信部10C(受光器)、制御装置20Cを有している。
図1、
図3で説明したのと同様に、制御装置20Cは無線受信部30C、CPUボード40Cを備えている。
図6において、無線受信部30C(変換器)を構成する情報処理装置32Cは、ノズル信号ブロック35、計時ブロック36、判断ブロック37、制御ブロック38Cを有している。なお、各機能ブロック間を接続する矢印線は、信号伝達ラインを示している。
【0035】
図6では明示されていないが、充填ノズル(
図6では図示せず)をノズル掛けから外した際に作動するノズルスイッチ(
図6には図示しない)から「ノズルスイッチON信号」が発生し、充填ノズルをノズル掛けに係止した際には、「充填が完了した」として「ノズルスイッチOFF信号」が発生する。
図6におけるノズル信号ブロック35は、無線信号変換ブロック31Cを介してノズルスイッチON信号或いはノズルスイッチOFF信号を受信する機能と、当該信号を判断ブロック37に送信する機能を有している。
またノズル信号ブロック35は、ノズルスイッチON信号を受信した場合、計時ブロック36に対して計時開始信号(計時開始指令)を送信する機能を有している。
【0036】
計時ブロック36は、ノズル信号ブロック35から計時開始信号(計時開始指令)を受信すると、計時開始信号受信から経過した時間を計時する。そして計時ブロック36は、計時開始信号受信から所定時間が経過した時に、当該所定時間が経過したことを示す「所定時間経過信号」を判断ブロック37に送信する機能を有している。ここで、「所定時間」は、図示しない充填ノズルがノズル掛けから外されてから実際に充填開始するまでの時間であり、充填条件、環境(例えば燃料の種類)に応じてケース・バイ・ケースで決定される。
判断ブロック37は、ノズル信号ブロック35からのノズルスイッチON信号と、計時ブロック36からの所定時間経過信号(ノズルスイッチON信号受信から所定時間が経過した旨の信号)の双方を受信した場合に、「充填時」であると判断し、制御ブロック38Cに対して作動信号(制御ブロックを作動する作動信号)を発信する機能を有している。
制御ブロック38Cは、判断ブロック37からの作動信号を受信すると、無線送信部10Cから送信された各種信号(車両の情報信号等)を、無線信号変換ブロック31Cを介して受信する。
【0037】
そして制御ブロック38Cは、判断ブロック37からの作動信号を受信すると作動(或いは制御)を開始し、無線送信部10Cから送信された各種信号は制御ブロック38Cで処理されて、信号送信ブロック33Cを介してCPUボード40Cに送信される。CPUボード40Cは当該各種信号を処理して、充填装置100Cの各機器に所定の制御信号を発信する。
一方、制御ブロック38Cは、判断ブロック37からの作動信号を受信しない場合は作動しない。換言すれば制御ブロック38Cは、「ノズルスイッチがONしてから、所定時間が経過した」という条件を充足しない限り作動しない。
ノズル信号ブロック35からのノズルスイッチOFF信号が判断ブロック37に送信された場合、判断ブロック37は「非充填時である」と判断して制御ブロック38Cに対する作動信号の送信を停止する。その結果、制御ブロック38Cは作動しなくなる。
【0038】
制御ブロック38Cが作動しなければ、無線送信部10Cから送信された各種信号はCPUボード40Cに送信されず、CPUボード40Cで処理されることはない。
「ノズルSWがONしてから、所定時間が経過した」という条件を充足しない限り、制御ブロック38は作動せず、CPUボード40Cは無線送信部10Cからの信号を処理しない。そのため、例えば太陽光が無線送信部10Bに照射してバイアス信号の様なノイズが発生したとしても、制御ブロック38Cは作動せず、CPUボード40Cにはノイズが送信されない。そのため、CPUボード40C或いは制御装置20Cの負担は軽減される。
なお、第3実施形態において、計時ブロック36は計時開始からの経過時間のみを判断ブロック37に送信し、「所定時間を経過したか否か」の判断を判断ブロック37で行う様に構成することも可能である。
【0039】
第3実施形態の制御については、主として
図7を参照して説明する。
図7において、ステップS1では、ノズルスイッチON信号(充填ノズルをノズル掛けから外した際に生じる信号)を受信したか否かを、情報処理装置32C(
図6)のノズル信号ブロック35で判断する。
ノズルスイッチON信号を受信した場合(ステップS1が「Yes」)、ステップS2に進む。一方、ステップS1で、ノズルスイッチON信号を受信していないと判断された場合(ステップS1が「No」)には、ステップS3に進む。
【0040】
ステップS2(ノズルスイッチON信号を受信)では、当該ノズルスイッチON信号受信からの経過時間を計時ブロック36により計測する。そしてステップS4に進む。
ステップS3(ノズルスイッチON信号を受信せず)では、ノズルスイッチON信号が受信されないことを受け、判断ブロック37はノズル信号ブロック35からノズルスイッチON信号を受信せず、制御ブロック38Cは作動しない。
ステップS3が終了した後、ステップS1に戻る(ステップS1が「No」のループ)。
【0041】
ステップS4では、ステップS2の計時開始から所定時間が経過したか否かを判断する。
計時開始から所定時間が経過した場合(ステップS4が「Yes」)、ステップS5に進む。
一方、計時開始から所定時間が経過していない場合(ステップS4が「No」)、ステップS4に戻る(ステップS4が「No」のループ)。
【0042】
ステップS5では、充填制御を実行する。当該制御は、CPUボード40C(制御装置)が各種信号を処理して、充填装置100Cの各機器に所定の制御信号を発信することにより実行される。ステップS5は、ステップS1が「Yes」(ノズルスイッチON信号を受信)であり、且つ、ステップS4が「Yes」(計時開始から所定時間が経過した)の場合に行われるステップであり、情報処理装置32Cの制御ブロック38Cが作動し、各種信号(車両の情報信号等)がCPUボード40C(制御装置)に送信される状態で実行される。
次のステップS6では、判断ブロック37により、ノズルスイッチOFF信号を受信したか否かを判断する。
ノズルスイッチOFF信号を受信した場合(ステップS6が「Yes」)、ステップS7に進む。
一方、ノズルスイッチOFF信号を受信していない場合(ステップS6が「No」)、ステップS5に戻り、充填装置100Cの制御を継続する(ステップS6が「No」のループ)。
【0043】
ステップS7(ノズルスイッチOFF信号を受信:ノズルがノズル掛けに戻された状態)では、充填完了の制御を実行する。充填完了の制御は、所定のプロトコルに基づき実行される。
充填完了の制御を実行することにより、情報処理装置32Cの制御ブロック38Cは非作動となり、CPUボード40Cは、無線送信部10Cから送信された各種信号(車両の情報信号等のみならず、ノイズを含む)を処理しない。
【0044】
図6、
図7の第3実施形態によれば、水素充填ノズルがノズル掛けから外された際に出力されるノズルスイッチON信号を受信し且つ当該信号を受信してから所定時間が経過した場合を充填時と判断して、制御ブロック38Cが作動して、制御装置20C(CPUボード40C)は無線送信部10Cから送信された各種信号(車両の情報信号等)を処理して充填装置の各機器の制御を実行する。
そして、ノズルスイッチON信号を受信し且つ当該信号を受信してから所定時間が経過した場合以外は非充填時と判断して、制御ブロック38Cは作動せず、制御装置20C(CPUボード40C)は無線送信部10Cから送信された各種信号を処理しない。そのため、制御装置20C或いはCPUボード40Cは、非充填時に発生したノイズを処理することが無く、その負担は軽減する。
なお第3実施形態において、
図7のフローチャートにおけるステップS4(計時開始から所定時間が経過したかを判断する)を省略して、ステップS1(ノズルスイッチON信号を受信したかを判断するステップ)のみに基づいて充填制御を実行することも可能である。
図6、
図7の第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果は
図1〜
図5の実施形態と同様である。
【0045】
次に
図8、
図9を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。なお、
図8、
図9では図示されていないが、以下において、第4実施形態の充填装置、CPUボード、制御装置、無線送信部(受光器)は、それぞれ符号「100D」、「40D」、「20D」、「10D」で表記している。
第4実施形態は、ノイズ処理の態様が第1実施形態〜第3実施形態とは異なっている。
図3で説明したのと同様に、第4実施形態の充填装置100Dは、無線送信部10D(受光器)、制御装置20D(無線受信部30D、CPUボード40Dを含む)を有している。
図8で、無線受信部30D(変換器)を構成する情報処理装置32Dは、充填開始ボタン信号ブロック39、制御ブロック38Dを有している。なお、各機能ブロック間を接続する矢印線は、信号伝達ラインを示している。
【0046】
第4実施形態において、
図8では図示しない充填ノズルには充填開始ボタン(図示せず)及び充填停止ボタン(図示せず)が設けられている。
充填開始ボタン信号ブロック39は、充填開始ボタンが押された場合に発信される充填開始ボタン信号と、充填停止ボタンが押された場合に送信される充填終了信号を、無線信号変換ブロック31Dを介して受信する。
そして充填開始ボタン信号ブロック39は、前記充填開始ボタン信号を受信した場合は制御ブロック38Dに作動信号を送信し、前記充填終了信号を受信した場合は制御ブロック38Dに非作動信号を送信する機能を有している。
制御ブロック38Dは、充填開始ボタン信号ブロック39からの作動信号/非作動信号を受信すると共に、無線送信部10Dから送信された各種信号(車両の情報信号等)を、無線信号変換ブロック31Dを介して受信する。
【0047】
制御ブロック38Dは、充填開始ボタン信号ブロック39からの作動信号を受信すると作動する。制御ブロック38Dが作動すると、無線送信部10Dから送信された各種信号は、信号送信ブロック33Dを介してCPUボード40Dに送信される。CPUボード40Dは当該各種信号を処理して、充填装置100Dの各機器に所定の制御信号を発信する。
一方、制御ブロック38Dは、充填開始ボタン信号ブロック39から作動信号を受信しておらず、水素充填が開始されていなければ、作動しない。また、制御ブロック38Dは、充填開始ボタン信号ブロック39から非作動信号が送信された場合には、作動を停止する(作動しない)。
制御ブロック38Dが作動しない状態では、無線送信部10Dから送信された各種信号はCPUボード40Dに送信されず、CPUボード40Dは非充填時と判断して各種信号を処理しない。
無線送信部10Dからの信号を無線受信部30Dが受信しても、CPUボード40Dが処理しなければ、制御装置であるCPUボード40Dの負担は軽減される。
【0048】
第4実施形態の制御については、主として
図9を参照して説明する。
図9において、ステップS11では、充填開始ボタン信号ブロック39により、充填開始ボタン信号(充填開始ボタンが押された場合に送信される信号)を受信したか否かを判断する。
充填開始ボタン信号を受信した場合(ステップS11が「Yes」)、ステップS12に進む。一方、充填開始ボタン信号を受信していない場合(ステップS11が「No」)、ステップS13に進む。
【0049】
ステップS12では、充填開始ボタン信号が受信されているので、情報処理装置32Dの制御ブロック38Dが作動し、各種信号(車両の情報信号等)がCPUボード40Dに送信される。そのため(ステップS12では)充填制御が実行される。充填制御が実行される際には、CPUボード40Dが各種信号(車両の情報信号等)を処理して、充填装置100Dの各機器に所定の制御信号を発信する。
ステップS12を実行したならば、ステップS14に進む。
ステップS13では、充填開始ボタン信号が受信されていないので制御ブロック38Dを非作動であり、無線送信部10D(受光器)から送信された各種信号(車両の情報信号等)はCPUボード40Dでは処理されない。ステップS13が終了した後、ステップS11に戻る(ステップS11が「No」のループ)。
【0050】
ステップS14では、充填開始ボタン信号ブロック39により、充填終了信号を受信したか否かを判断する。上述した様に、充填終了時に、例えば充填開始ボタンを再度押し下げることにより、充填終了信号が無線送信部10Dを介して無線受信部30Dへ送信される。
充填終了信号を受信した場合(ステップS14が「Yes」)、ステップS15に進む。一方、充填終了信号を受信していない場合(ステップS14が「No」)、ステップS12に戻り、充填制御を継続する(ステップS14が「No」のループ)。
【0051】
ステップS15では、充填終了信号を受信したことにより、充填完了の制御を実行する。当該制御は、所定のプロトコルに基づき実行される。
充填完了の制御を実行すると、制御ブロック38Dが非作動となり、CPUボード40D(制御装置)は、無線送信部10Dから送信された各種信号(車両の情報信号等)を処理しなくなる。
そしてステップS11に戻る。
【0052】
図8、
図9の第4実施形態によれば、充填開始ボタンが押し下げられ、充填開始ボタン信号が送信された場合を充填時と判断して、制御ブロック38Dが作動し、CPUボード40D(或いは制御装置20D)は無線送信部10Dから送信された各種信号(車両の情報信号等)を処理して燃料充填装置100Dの各機器の制御を実行する。
そして、充填開始ボタンが押し下げられない限り、非充填時と判断して、制御ブロック38Dは作動せず、CPUボード40Dは無線送信部10Dから送信された各種信号を処理しない。そのため、非充填時にバイアス信号その他のノイズが発生しても、当該ノイズはCPUボード40Dで処理されることは無く、制御装置20Dの負担は軽減する。
図8、
図9の第4実施形態におけるその他の構成及び作用効果は
図1〜
図7の実施形態と同様である。
【0053】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば、図示の実施形態では本発明を水素ガス充填装置に適用しているが、水素のみならず、ガソリンや液化天然ガスその他の全ての燃料を充填する充填装置(ガスステーションにおけるガソリン充填装置、軽油充填装置、LNGステーションにおける液化天然ガス充填装置等)として適用可能することも出来る。