(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記UI部は、前記画面のうち第1領域に、前記質問及び前記質問に対応する回答の候補を表示し、前記画面のうち第2領域に、前記第1領域に表示されている該質問より前に回答の選択を受け付けた質問への回答を、回答を受け付けた順に並べて表示する、
請求項1に記載の問診装置。
前記UI部は、前記質問に対して選択された回答と、前記画面に前記質問に対する回答の候補が表示されてから、該質問に対する回答の選択が行われるまでの第1応答時間とを対応づけて履歴情報に格納する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の問診装置。
前記履歴情報を分析することで、前記質問に対応する回答が選択された確率が、前記質問に対応する回答の候補の中で所定の確率以上である回答が存在するか否かを判定し、選択された確率が所定の確率以上である回答が存在すると判定した場合、前記画面において、該回答が回答の候補として上位に表示されるようにするために、前記質問情報に含まれる表示順序を変更する変更部を有する、
請求項4又は5に記載の問診装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
<システム構成>
図1は、実施形態に係る問診装置1の一例を示す図である。実施形態に係る問診装置1は、携帯端末30の不具合に関する問診を行う装置であり、問診サーバ10と、店舗内に設置される受付端末20とを含む。問診サーバ10及び受付端末20は、無線又は有線のネットワークを介して相互に通信することができる。受付端末20及び携帯端末30は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介して相互に通信することができる。
【0011】
店員は、不具合を訴える顧客が来店すると、顧客の携帯端末30を受付端末20に接続し、受付端末20を用いて自動診断を行うと共に、受付端末20が備える画面(例えばタッチパネル)に表示される質問及び回答の候補を参照しながら、回答を顧客と一緒に入力していく。質問への回答の入力が全て完了すると、受付端末20の画面には、自動診断の結果及び入力された回答に基づく改善方法の提案(改善提案)、提案された改善方法を携帯端末30で実行するための操作手順、及び、修理や補償サービス等に関する所定のサービスメニュー等が表示される。本実施形態では、携帯端末30はスマートフォンであることを想定しているが、本実施形態がこれに限定されるものではない。
【0012】
問診サーバ10は、1又は複数のサーバから構成されていてもよいし、クラウドサーバや仮想サーバを用いて構成されていてもよい。問診サーバ10は、受付端末20の画面に表示すべき質問や回答の候補をDB(Database)から取得し、受付端末20に表示させる画面を生成して送信する機能や、受付端末20に入力された質問に対する回答を、DBに履歴情報として記録する機能等を有する。
【0013】
受付端末20は、例えば、タブレット端末やノート型のパーソナルコンピュータである。問診装置1には、複数の受付端末20が接続されていてもよい。また、問診サーバ10には、1つの店舗に設置された受付端末20のみが接続されるのではなく、複数の店舗に設置された複数の受付端末20が接続されていてもよい。
【0014】
<ハードウェア構成>
図2は、問診サーバ10及び受付端末20のハードウェア構成例を示す図である。問診サーバ10及び受付端末20は、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えばタッチパネル又はキーボード等であり、出力デバイス15は、例えばディスプレイ等である。
【0015】
<機能ブロック構成>
図3は、問診サーバ10の機能ブロック構成例を示す図である。問診サーバ10は、通信部101と、表示制御部102と、入力受付部103と、診断部104と、変更部105と、DB106とを有する。通信部101と、表示制御部102と、入力受付部103と、診断部104と、変更部105とは、問診サーバ10のCPU11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、非一時的な記憶媒体であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD−ROM等の記憶媒体であってもよい。また、DB106は、問診サーバ10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。
【0016】
DB106には、質問情報106aと、改善提案情報106bと、履歴情報106cとが格納される。質問情報106aには、携帯端末30の不具合を切り分けるために確認すべき複数の質問及び各質問に対する回答の選択肢(候補)が格納されている。改善提案情報106bには、携帯端末30の不具合に対する想定原因及び改善提案を示すメッセージが格納される。当該複数の改善提案の各々は、少なくとも1以上の“質問に対する回答の組み合わせパターン”に対応づけられている。質問に対する回答の組み合わせパターンとは、不具合の切り分けに用意されている全ての質問と各質問について選択可能な回答についての全ての組み合わせパターンを意味している。
【0017】
履歴情報106cには、受付端末20の画面に入力された質問に対する回答と、受付端末20の画面に操作手順を表示した改善提案と、操作手順に従って各改善提案を実行した際に不具合が改善したか否か等の結果とが格納される。また、履歴情報106cには、更に、受付端末20の画面において、質問に対する回答が選択されるまでに要した時間(第1応答時間)が格納される。また、履歴情報106cには、操作手順に従って操作した場合に不具合が改善したか否か等の入力が行われるまでの時間(第2応答時間)が格納される。
【0018】
通信部101は、受付端末20からデータを受信して入力受付部103又は診断部104に渡す。また、通信部101は、受付端末20に送信すべきデータを受付端末20に送信する。
【0019】
表示制御部102は、受付端末20に表示させる各種情報及び画像等の表示の制御を行う。例えば、表示制御部102は、質問情報106aから質問及び質問に対する回答の選択肢を質問情報106aから取得して受付端末20の画面に表示させる。また、表示制御部102は、改善提案情報106bから、選択された質問に対する回答の組み合わせパターンに対応する1以上の改善提案を取得して受付端末20の画面に表示させる。
【0020】
入力受付部103は、受付端末20の画面に表示された質問に対する回答の選択肢の中から質問に対する回答の選択を受け付ける。また、受付端末20の画面において、質問に対する回答が選択されるまでに要した時間(第1応答時間)と、改善提案に従って操作した場合に不具合が改善したか否か等の入力が行われるまでの時間(第2応答時間)とを測定して履歴情報106cに格納する。
【0021】
診断部104は、携帯端末30のハードウェアに関する異常の有無、及び携帯端末30にインストールされたソフトウェアに関する異常の有無を、例えば、携帯端末30のオペレーティングシステムが備えるAPI等を用いて診断する。
【0022】
変更部105は、履歴情報106cを分析することで、質問に対する回答の選択肢の中で高い確率で選択される回答の選択肢の存在や、高い確率かつ短時間で選択される回答の選択肢の存在有無を確認する。このような回答の選択肢が存在する場合、変更部105は、質問情報106aを書き換えることで、当該回答の選択肢を受付端末20の画面の中で上位(上段)に表示するように変更する処理や、質問自体を選択肢ごと削除する処理等を行う。なお、変更部105は、これらの処理をリアルタイムで行うのではなく、履歴情報106cにある程度の履歴が蓄積されてきた時点でバッチ処理としてこれらの処理を行う。
【0023】
図4は、質問情報106aの一例を示す図である。質問情報106aには、質問と当該質問に対する回答の選択肢が、ツリー構造(木構造)により関連づけられて格納されている。
図4の例では、質問情報106aは3階層のツリー構造を用いて構成されているが、あくまで一例であり、階層に制限は無い。
【0024】
質問情報106aは、携帯端末30の機種ごとに定義されるようにしてもよい。携帯端末30に生じる不具合の内容は機種ごとに偏りがあることが多いため、質問情報106aを携帯端末30の機種ごとに用意することで、機種に応じた質問及び回答の選択肢を用意することが可能になる。また、特定の機種では殆ど発生しないような不具合に関する質問については質問情報106aに含めないようにすることで、問診時の質問項目が多すぎることによる顧客への負担を減らすことができる。
図4の例は、機種Xに関する質問情報106aの例を示している。
【0025】
図4の例では、1階層目の質問「Q1:お困りの内容を選択してください」に対する回答の選択肢として「A1:電源に関わること」、「A2:電池に関わること」、「A3:画面に関わること」、「A4:通信に関わること」の4択が示される。また、これらの選択肢のうち「1:電源に関わること」が選択された場合、2階層目の質問「Q2:お困りの内容を選択してください」に対する回答の選択肢として「A1−1:電源が入らない」、「A1−2:電源を落とせない」の2択が示される。このように、質問情報106aは、徐々に質問内容を詳細化していくことで、不具合の詳細を顧客から聞き出せるように構成されている。
【0026】
なお、表示制御部102は、受付端末20の画面に複数の回答の選択肢を表示する際、表示順序を示す情報に示される順序に従って回答の選択肢を表示する。表示順序を示す情報とは、選択肢に付与される番号(A−1、A1−2等)である。例えば
図4の例では、2階層目の選択肢として「A1−1:電源が入らない」、「A1−2:電源を落とせない」が存在する。この場合、受付端末20の画面には、「A1−1:電源が入らない」、「A1−2:電源を落とせない」の順に選択肢が表示される。
【0027】
図5は、改善提案情報106bの一例を示す図である。改善提案情報106bには、携帯端末30の不具合の想定原因及び改善提案が、いずれかの各質問に対する回答の組み合わせパターンに対応づけられている。改善提案情報106bも、質問情報106aと同様に携帯端末30の機種ごとに定義されるようにしてもよい。携帯端末30に生じる不具合の内容は機種ごとに偏りがあることが多いため、改善提案情報106bを携帯端末30の機種ごとに用意することで、機種ごとに適切な改善提案を表示することが可能になる。
図5の例は、機種Xに関する改善提案情報106bの例を示している。
【0028】
「改善提案番号」は、受付端末20に改善提案を表示する際における、改善提案の表示順序を示す情報である。「想定原因」には、不具合が生じた原因として想定される原因を示すメッセージが格納される。「改善提案の内容」には、改善提案の具体的内容、改善提案を実行する際の携帯端末30の操作手順を受付端末20の画面に表示するためのメッセージ、及び操作を説明するための画像データ等が格納される。「回答の組み合わせパターン」には、改善提案に対応する回答の組み合わせパターンが格納される。
【0029】
例えば
図5の例では、改善提案番号「P5」の「回答の組み合わせパターン」に「機種X−(A4)−(A4−1)−(A4−1−1)」が格納されている。これは、問診において、携帯端末30が機種Xであり、1階層目の質問に対してA4の回答(通信に関わること)が選択され、2階層目の質問に対してA4−1の回答(LTE通信ができない)が選択され、3階層目の質問に対してA4−1−1の回答(通信が全くできない)が選択された場合、改善提案番号「P5」の改善提案が受付端末20の画面に表示されることを意味している。なお、改善提案番号「P4」の「回答の組み合わせパターン」にも「機種X−(A4)−(A4−1)−(A4−1−1)」が格納されている。つまり、問診において「機種X−(A4)−(A4−1)−(A4−1−1)」のパターンで回答が選択された場合、改善提案として、改善提案番号「P4」が最初に表示され、その次に改善提案番号「P5」が表示されることになる。
【0030】
図6は、履歴情報106cの一例を示す図である。「診断番号」は、受付端末20にて問診が行われる度に一意に払い出される番号である。「質問番号/改善提案番号」には、顧客が回答した質問の番号(
図4のQ1、Q2、Q3等)及び受付端末20に表示された改善提案の番号(
図5のP1〜P6等)が格納される。なお、「Q0(OS(Operating System)、メーカ名、機種名)は問診の最初に顧客に質問する項目であり、「Q99(スタッフ満足度)」は問診完了時に顧客に質問する項目である。
【0031】
「回答内容/対応結果」には、質問に対する回答として選択された選択肢及び各改善提案に対する対応結果を示す情報が格納される。改善提案に対する対応結果としては、具体的には、操作手順に従って操作した場合に不具合が改善したこと、操作手順に従って操作しても不具合が改善しなかったこと、画面に表示された改善提案を実施しないこと(つまり、表示された改善提案の操作手順を行わずに他の改善提案の操作手順を行いたいこと)、又は、改善提案の表示を中止して所定のサービスメニューに遷移させることのいずれかであってもよい。「応答時間」には、質問が受付端末20に表示されてから当該質問に対する回答が入力されるまでの時間(第1応答時間)、及び、受付端末20の画面に改善提案が表示されてから、当該改善提案に対する対応結果が入力されるまでの時間(第2応答時間)が入力受付部103にて測定されて格納される。
【0032】
図7は、受付端末20の機能ブロック構成例を示す図である。受付端末20は、通信部201と、表示部202と、入力部203とを有する。通信部201と、表示部202と、入力部203とは、受付端末20のCPU11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、非一時的な記憶媒体であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD−ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0033】
通信部201は、問診サーバ10からデータを受信して表示部202に渡す。また、通信部201は、入力部203に入力されたデータを問診サーバ10に送信する。
【0034】
表示部202は、受付端末20の出力デバイス15(ディスプレイ)に表示させる各種情報及び画像等の表示の制御を行う。入力部203は、受付端末20の入力デバイス14(例えばタッチパネル)への入力を受け付ける。
【0035】
なお、本実施形態では、問診装置1は、受付端末20のみから構成されることとしてもよい。例えば、問診サーバ10が備える各種の機能部を全て受付端末20に実装することで、受付端末20を本実施形態における問診装置1として動作させることができる。
【0036】
また、本実施形態では、表示制御部102、入力受付部103、表示部202及び入力部203をまとめて「UI(User Interface)部」と称してもよい。
【0037】
<動作例>
(問診に関する動作例)
図8は、問診装置1が行う動作例を示すフローチャートである。また、
図9〜
図11は、受付端末20に表示される画面の具体例を示す図である。
図8〜
図11を参照しながら、問診装置1が行う動作例を説明する。なお、質問情報106aには、
図4に示すデータが格納されている前提で説明する。
【0038】
ステップS11で、受付端末20の画面にて、問診を行う携帯端末30の機種の入力を受け付ける。携帯端末30には膨大な機種が存在することから、機種の入力は、携帯端末30に使用されているOSの選択、メーカ名の選択及び機種番号の選択の3つのステップで行われるようにしてもよい。
図9(a)に、OSの選択を受け付ける画面の一例を示す。
図9(a)に示す画面には、問診の進捗を表示する表示エリアA101と、OSの選択を受け付ける表示エリアA102とが含まれている。
【0039】
ステップS12で、受付端末20の画面にて、不具合の症状の入力を受け付ける。
図9(b)に、不具合の症状の入力を受け付ける画面の一例を示す。不具合の症状の入力を受け付ける画面は、不具合の症状を確認するための質問及び当該質問に対する回答の選択肢を表示する表示エリアA103を含む。問診サーバ10の表示制御部102は、表示エリアA103に表示すべき質問及び選択肢を質問情報106aから取得して受付端末20に送信する。また、表示制御部102は、受付端末20の画面にて入力された選択肢に従って、次に受付端末20に表示すべき質問及び選択肢を質問情報106aから取得して受付端末20に送信する。また、入力受付部103は、受付端末20の画面にて質問及び選択肢が表示されてから、受付端末20にて回答の選択が行われるまでの応答時間(第1応答時間)を測定し、選択された回答と測定した応答時間とを対応づけて履歴情報106cに格納していく。
【0040】
また、表示エリアA103は、現在の質問及び当該質問に対する回答の選択肢を表示する選択肢表示エリアA103a(第1領域)と、選択肢表示エリアA103aに表示されている質問より前に表示された質問への回答を、回答を受け付けた順に並べて表示する回答履歴表示エリアA103b(第2領域)とを含む。
図9(b)の例では、選択肢表示エリアA103aに3階層目の質問が表示されており、回答履歴表示エリアA103bには、1階層目の質問に対する回答として「A1:電源に関わること」が選択されたことと、2階層目の質問に対する回答として「A1−1:電源が入らない」が選択されたことが表示されている。回答履歴表示エリアA103bを設けることで、顧客が回答した内容を過去に遡って把握することが可能になり、顧客と店員との間の認識誤りや勘違い等が生じることを抑制することができる。
【0041】
全ての質問について回答が選択されると、
図10(a)に示すように、不具合の症状の入力が完了したことの確認を促す表示エリアA104を含む画面に遷移する。表示エリアA104にも、回答履歴表示エリアA103b(第2領域)が含まれている。顧客は、回答の内容に誤りがある場合、回答履歴表示エリアA103bに表示される項目をタップすることで、再度回答を選択し直すことができる。「選択」ボタンB101が押下されると、ステップS13の処理手順に進む。
【0042】
ステップS13で、診断部104は、携帯端末30のハードウェアに関する異常の有無、及び携帯端末30にインストールされたソフトウェアに関する異常の有無を診断する。異常が発見されない場合、ステップS14の処理手順に進む。異常が発見された場合、ステップS15の処理手順に進む。
【0043】
ステップS14で、表示制御部102は、改善提案情報106bを検索することで、ステップS12の処理手順で選択された回答の組み合わせパターンに対応する1以上の改善提案を取得し、取得した改善提案を、改善提案番号が若い順に受付端末20の出力デバイス15に表示させる。
図10(b)に、改善提案を表示する画面の例を示す。当該画面は、不具合の想定原因及び改善提案の内容を表示する表示エリアA105を含む。また、当該画面には、改善提案に従って操作した場合に不具合が改善したことの入力を受け付けるボタンB102(第1オブジェクト)、改善提案に従って操作しても不具合が改善しないことの入力を受け付けるボタンB103(第2オブジェクト)、表示エリアA105に表示された改善提案の操作手順を実施しないことの入力を受け付けるスキップボタンB104(第3オブジェクト)、及び、改善提案の表示を中止して所定のサービスメニューの表示に遷移させることの入力を受け付ける中止ボタンB105(第4オブジェクト)が表示されている。なお、本実施形態では、改善提案の表示を中止して所定のサービスメニューの表示に遷移させることを、「提案を見る」と表現している。
【0044】
店員は、顧客と共に、表示エリアA105に表示される操作手順に従って携帯端末30を操作することで、不具合が改善するか否かを確認する。不具合が改善した場合は、ボタンB102を押下し、不具合が改善しない場合はボタンB103を押下する。ボタンB103が押下された場合、表示制御部102は、次の改善提案を表示エリアA105に表示させる。また、ボタンB102が押下された場合、次の改善提案を表示せずに、ステップS15の処理手順に進む。
【0045】
なお、表示制御部102は、改善提案を表示させてからボタン102、ボタン103及びスキップボタン104のいずれかが押下されるまでの間、中止ボタンB105を押下できない状態としてもよい。この場合、表示制御部102は、ボタン102、ボタン103又はスキップボタン104のいずれかが押下されてから所定の期間経過後に、次の画面(次の改善提案や、所定のサービスメニュー等)を表示するようにしてもよい。
【0046】
また、スキルが高い店員の中には、表示された改善提案を実行しても不具合が改善しないことを経験的に把握していることも想定される。この場合、店員は、スキップボタンB104を押下することで次の改善提案を表示させることができる。スキップボタンB104が押下された場合、表示制御部102は、次の改善提案を表示エリアA105に表示させる。
【0047】
また、改善提案の実施には時間を要することから、顧客によっては、改善提案を試さずに、故障修理等のサービス対応を望む場合も想定される。このような状況に対応可能とするため、表示エリアA105には、改善提案の表示を中止して所定のサービスメニュー(サービス案内)を表示するための中止ボタンB105が設けられている。中止ボタンB105が押下された場合、表示制御部102は、ステップS15の処理手順に進む。
【0048】
また、入力受付部103は、受付端末20の画面にて改善提案が表示されてから、受付端末20にてボタンB102、ボタンB103、ボタンB104及びボタンB105のいずれかが押下されるまでの応答時間(第2応答時間)を測定し、押下されたボタンに応じた対応結果と測定した応答時間とを対応づけて履歴情報106cに格納していく。例えば、ボタンB102が押下された場合、
図6に示すように、「回答内容/対応結果」カラムに“Yes(改善した)”を記録する。ボタンB103が押下された場合、“No(改善しない)”を記録する。ボタンB104が押下された場合、“SKIP(スキップ)”を記録する。ボタンB105が押下された場合、“STOP(中止)”を記録する。
【0049】
ステップS15で、表示制御部102は、サービス案内の内容を表示する画面を受付端末20に表示させる。
図11に、所定のサービスメニュー(サービス案内)を表示する画面の一例を示す。表示エリアA106には、有償による修理の受付や、補償サービスを利用して携帯端末30の交換を行うといった、修理に関するサービスメニューが表示される。ボタンB106が押下されると一連の処理が終了する。ボタンB107が押下されると、ステップS11の処理手順に戻り、問診を最初からやり直すことができる。なお、ボタンB106又はボタンB107が押下された場合、対応を行った店員(スタッフ)の満足度を顧客に入力させる画面を表示するようにしてもよい。入力された満足度は、例えば
図6に示す履歴情報106cにおいて「Q99(スタッフ満足度)」として記録される。
【0050】
図12は、改善提案を表示する画面の変形例を示す図である。
図12に示す画面は、問診の進捗を表示する表示エリアA201と、想定される不具合の原因を一覧表示する表示エリア(改善提案の選択を受け付ける選択エリアと称してもよい)A202と、表示エリアA202で選択された不具合の原因に対する改善提案の内容を表示する表示エリアA203とを含む。
図12(a)に示す表示エリアA202にて任意の不具合の原因が押下されると、
図12(b)に示すように、押下された不具合の原因に対応する改善提案の内容が表示エリアA203に表示される。表示エリア202には、想定される不具合の原因が、改善提案情報106bの「改善提案番号」が若い順に、上から並べて表示される。
【0051】
また、
図12に示す画面には、改善提案に従って操作した場合に不具合が改善したことの入力を受け付けるボタンB202(第1オブジェクト)、改善提案に従って操作しても不具合が改善しないことの入力を受け付けるボタンB203(第2オブジェクト)、表示された改善提案の操作手順を実施しないことを受け付けるスキップボタンB204(第3オブジェクト)、及び、改善提案の表示を中止して所定のサービスメニューの表示に遷移させることを受け付ける中止ボタンB201(第4オブジェクト)が表示されている。中止ボタンB201又はボタンB202が押下された場合、ステップS15の処理手順に進む(つまり
図11に示す画面に遷移する)。ボタンB203又はスキップボタンB204が押下された場合、
図12(a)の画面に戻る。
【0052】
入力受付部103は、受付端末20の画面にて改善提案が表示されてから(
図12(b)に遷移してから)、受付端末20にてボタンB201、ボタンB202、ボタンB203及びボタンB204のいずれかが押下されるまでの応答時間(第2応答時間)を測定し、押下されたボタンに応じた対応結果と測定した応答時間とを対応づけて履歴情報106cに格納していく。「回答内容/対応結果」カラムに格納される情報は、
図10(b)の説明と同一であるため説明は省略する。
【0053】
なお、表示制御部102は、選択エリアA202において操作手順を表示する改善提案が選択されてから、ボタンB203又はボタンB204のいずれかが押下されるまでの間、中止ボタンB201の押下が出来ない状態に遷移させる。つまり、
図12(a)の状態である場合にのみ中止ボタンB201の押下を可能とし、
図12(b)の状態では中止ボタンB201の押下が出来ない状態にする。これにより、店員が改善提案に沿った対応を途中で中止してサービスメニューの表示に遷移させてしまうことを抑止し、表示された操作手順を実施した場合における応答時間のデータを可能な限り収集するようにしている。
【0054】
(表示順序の変更に関する動作例)
履歴情報106cには、携帯端末30の機種ごとに、多く選択された回答及び各回答が選択されるまでに要した応答時間が記録されている。履歴情報106cに多くのデータが蓄積されることで、例えば、機種XについてA1−1−1(起動中画面が表示されない)の選択肢よりもA1−1−2(起動中に画面が消える)の選択肢が選択される確率が高いといった傾向が把握できることが想定される。このような場合、質問に対する回答の選択肢を表示する場合、A1−1−2(起動中に画面が消える)及びA1−1−1(起動中画面が表示されない)の順に選択肢を表示する方が、操作性が向上すると想定される。
【0055】
そこで、変更部105は、質問に対応する複数の回答の各々が選択された確率に基づいて、当該複数の回答の表示順序を示す情報を変更するようにしてもよい。具体的には、変更部105は、まず、履歴情報106cを分析することで、ある質問に対応する回答が選択された確率が、当該ある質問に対応する複数の回答の選択肢の中で所定の確率以上である回答が存在するか否かを判定する。続いて、変更部105は、選択された確率が所定の確率以上である回答が存在すると判定した場合、当該回答が選択肢として上位に表示されるように質問情報106aに含まれる表示順序を示す情報を変更する。所定の確率はどのような確率であってもよいが、例えば95%以上等であってもよい。例えば、上述の例では、変更部105は、A1−1−1(起動中画面が表示されない)及びA1−1−2(起動中に画面が消える)を、それぞれ、A1−1−1(起動中に画面が消える)及びA1−1−2(起動中画面が表示されない)に変更するようにしてもよい。また、他の方法として、変更部105は、ある質問に対応する複数の回答の選択肢について、所定の期間内で選択された回数が多い順に表示されるように、表示順序を示す情報を変更するようにしてもよい。
【0056】
同様に、履歴情報106cには、携帯端末30の機種ごとに、各改善提案が実行された結果、不具合が改善したのか否かが記録されている。不具合が改善した確率が高い改善提案については、改善提案を表示する画面(
図10(b))において優先的に(他の改善提案よりも先に)表示させる方が、操作性が向上すると想定される。同様に、改善提案を表示する画面の変形例(
図12)の表示エリアA202においても、不具合が改善した確率が高い改善提案に対応する想定原因を上位に(上段に)表示させる方が、操作性が向上すると想定される。
【0057】
そこで、変更部105は、複数の改善提案の各々について不具合が改善した確率に基づいて、当該複数の改善提案の表示順序を示す情報を変更するようにしてもよい。具体的には、変更部105は、まず、履歴情報106cを分析することで、各々の改善提案について、不具合が改善した確率(応答結果に「Yes(改善した)」が記録されている確率)を算出する。続いて、変更部105は、不具合が改善した確率が高い順に改善提案が表示されるように改善提案番号を変更する(より詳細には、不具合が改善した確率が高い順に若番に変更する)。
【0058】
<まとめ>
以上、実施形態について説明した。本実施形態によれば、店員は、不具合を訴える顧客が来店した場合、顧客の携帯端末30を受付端末20に接続し、受付端末20に表示される質問に対する回答を顧客にヒアリングしながら入力していくことで、店員自身のスキルに関わらず、想定される不具合の原因の特定や改善策の提案を行うことが可能になる。また、想定される不具合の原因の特定や改善策の提案が予め問診サーバ10に組み込まれた質問情報106a及び改善提案情報106bに従って行われることになるため、より正確な問診を行うことが可能になる。
【0059】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。