特許第6738877号(P6738877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6738877製品切断用の切断ホイールおよびナイフアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6738877
(24)【登録日】2020年7月22日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】製品切断用の切断ホイールおよびナイフアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/28 20060101AFI20200730BHJP
   B26D 3/28 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   B26D1/28 E
   B26D1/28 C
   B26D1/28 J
   B26D3/28 610Z
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-208371(P2018-208371)
(22)【出願日】2018年11月5日
(62)【分割の表示】特願2017-533801(P2017-533801)の分割
【原出願日】2016年4月6日
(65)【公開番号】特開2019-63987(P2019-63987A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2018年11月5日
(31)【優先権主張番号】62/143,380
(32)【優先日】2015年4月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/090,962
(32)【優先日】2016年4月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504444120
【氏名又は名称】アーシェル ラボラトリーズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】特許業務法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクラッケン,アンソニー,エー.
(72)【発明者】
【氏名】ジャコー,マイケル スコット
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2001/0029818(US,A1)
【文献】 特開2012−166337(JP,A)
【文献】 特開2003−300194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/00 − 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブ部と、該ハブ部を取り囲み、該ハブ部と環状空間を形成するリム部とを備える切断ホイールと、
複数の刃部を備え、前記ハブ部および前記リム部の間に伸長し、前記ハブ部および前記リム部に取り外し可能に取り付けられ、かつ、前記切断ホイールの切断面上に配置されるナイフアセンブリと、
前記切断面を横断する方向である送り方向に、前記ハブ部および前記リム部の間で、前記切断ホイールに対して送り込まれる、製品を安定させるための安定化手段と、
を備え、
前記安定化手段は、前記ナイフアセンブリの前記複数の刃部のそれぞれによるスライス動作がそれに対してなされる剪断エッジと、前記ナイフアセンブリによって前記製品がスライスされる際に該製品を支持する支持面とを備え、
前記支持面は、それぞれが前記剪断エッジの伸長方向に沿って伸長し、かつ、同一間隔で配置された複数のセレーションからなり、前記製品のそれぞれを把持し安定化させ、前記ナイフアセンブリによって該製品がスライスされる際に該製品の向きを維持し、前記切断ホイールの前記切断面に対する前記製品のスライス面を維持するための、前記安定化手段の機能を促進する、セレーションパターンを備える、
スライス装置。
【請求項2】
前記セレーションパターンは、前記支持面の面に関して前記剪断エッジに向かって傾斜する複数の歯によって構成される、請求項1に記載のスライス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品などの製品のサイズを減少させるための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、食品をスライス、千切り、角切り、細切り、および/または、ミンチ状にするといった、製品のサイズを減少させる、様々な装置が知られている。図1および図2に概略的に示した、横方向スライサと呼ばれる、回転切断ホイール10を用いた装置がある。回転切断ホイール10は、たとえば、コンベヤベルト18の上を切断ホイール10に向けて送り方向に前進する製品18が通過する切断面を形成する、径方向に伸長する切断ナイフまたはブレード12を有する。通常、切断ホイール10は、水平軸14を中心に回転し、垂直な切断面を形成する。米国特許第5,992,284号および米国特許第6,792,841号に開示された切断ホイールは、アーシェルラボラトリーズによって製造される「マイクロスライス(登録商標)」として商業的に知られており、アーシェルラボラトリーズが販売している様々なサイズ減少装置に利用されている。「マイクロスライス(登録商標)」切断ホイールのブレードは、切断面に進入する製品を横方向に高速で切断して、実質的に均一な厚さを有する、食品スライスなどの製品スライス20の大量生産を可能としている。
【0003】
図3は、米国特許第5,992,284号および米国特許第6,792,841号に開示されたタイプの切断ホイールの一態様を示す。図1および2に示した切断ホイール10と同様に、図3に示した回転ホイール22は、ハブ部26を取り囲むリム部24を有し、ハブ部26およびリム部24の間に、切頭三角形状の切断ナイフアセンブリ28が、径方向に掛け渡されるように支持されている。それぞれのナイフアセンブリ28は、ナイフホルダ34によって運ばれる、隠線で示したナイフブレード32を含む。図3から明らかなように、それぞれのナイフホルダ34は、切頭三角形状であるため、ナイフホルダ34は、幅広端部および幅狭端部を有し、幅広端部44はリム部24に連結され、幅狭端部46はハブ部26に連結されている。図3に示す、矢印の方向に回転する切断ホイール22に対して製品が前進してくる側にある、切断ホイール22の側面では、ナイフブレード32のうちの切断エッジ36のみが目視可能である。それぞれのナイフホルダ34は、製品をスライスする際に、製品が当接して整合される、整合面(位置決め面)38を形成している。それぞれの整合面38は、同じナイフアセンブリ28内において、切断エッジ36の反対側に設けられた後端エッジ40まで延在し、隣接する後置のナイフアセンブリ28の切断エッジ36と対向して、後置のナイフアセンブリ28の切断エッジ36との間に、ゲート42を形成している。それぞれのナイフアセンブリ28の整合面38および後端エッジ40は、後置のナイフアセンブリ28の切断エッジ36から送り方向(ホイール22の切断面に対して垂直方向)に斜めにずれる(オフセットする)ように配置されているため、切断エッジ36と後端エッジ40との間のゲート42は、後置のトレーリングナイフアセンブリ28によって生成されるスライスの厚さに相当する間隙を形成する。
【0004】
図4および5は、図3に示したタイプのナイフアセンブリ28を示しており、図6図9は、ナイフアセンブリ28のナイフホルダ34を示している。ナイフホルダ34は、通常、平面状であり、後端エッジ40は比較的幅広い端縁であり、反対側に設けられた先端エッジ96は傾斜面94を有する。傾斜面94および整合面38(後述するように、凹んでいる)を除いては、ホルダ34は、互いに反対側に設けられた面64および66間において均一の厚さtを有する(図7図9)。ナイフホルダ34は、アセンブリ28を切断ホイール22のリム部24およびハブ部26に固定するための適切なファスナを受け入れる、ファスナ受け入れアパチャ98を有する。ナイフアセンブリ28は、ナイフホルダ34の整合面38の反対側であって、切断ホイール22に向かって前進する製品に対して逆側を向いている面64に対して取り付けられる、ナイフリテーナあるいはクランプ100を備える。ナイフクランプ100は、ナイフクランプ100を取り付けるためのファスナが挿通される、ファスナ受け入れアパチャ102を備える。ナイフブレード32は、ナイフホルダ34の傾斜面94上に取り付けられ、ナイフクランプ100と、ナイフホルダ34に設けられたねじ穴110に受け入れられるファスナ104によって固定される。図5に示したとおり、ナイフブレード32は、ナイフホルダ34上にナイフブレード32を正確に位置決めし、ファスナ104によってナイフクランプ100がナイフホルダ34上に固定された後、ナイフブレード32がナイフホルダ34に対して移動することを防ぐため、ナイフホルダ34上のスタッド114と整合するアパチャ112をさらに備えることが好ましい。ナイフクランプ100は、スタッド114を収容し、さらには、スタッド114の位置合わせおよび固定のためにスタッド114と係合可能な、孔116を備えることができる。
【0005】
ナイフホルダ34の整合面38は、図6図9において表されている。ナイフホルダ34の先端エッジ96から後端エッジ40に向かって、ナイフホルダ34が徐々に傾斜するように、ナイフホルダ34を機械加工することによって、ナイフホルダ34の整合面38は、ナイフホルダ34の端部44および46の面66から凹んでいる。前述したとおり、ナイフホルダ34は、比較的幅広の端部44と比較的幅狭の端部46とを有している。次のナイフアセンブリ28によって生成されるスライスの厚さを均一にするためには、後端エッジ40に隣接するゲート42(図3)におけるスライス厚さに相当する間隙を均一にする必要があり、このためには、整合面38と交差する後端エッジ40の厚さ(t)は、ナイフホルダ34の幅広端部44および幅狭端部46間において均一でなければならない。したがって、整合面38は、先端エッジ96から後端エッジ40に向かってテーパ状になっているが、ナイフホルダ34の幅広端部44と幅狭端部46との間における後端エッジ40との交差部分における深さ(t)は均一となっている(図7)。このため、幅広端部44(図9)から幅狭端部46(図8)に向かうに従って、傾斜の横断する距離が短くなることに応じて、整合面38の傾斜を徐々に大きくする必要がある。この結果、整合面38は平面ではなく、ねじれたあるいは湾曲した面となっているが、その曲率は、スライス操作中において、製品を適切かつ安定して整合させるために重要となる。整合面38の傾斜を徐々に大きくするためには、整合面38を形成するために行うナイフホルダ34の機械加工の前に、ナイフホルダ34にねじれを生じさせるようにナイフホルダ34を固定する。ねじれの度合いは慎重に設定され、ナイフホルダ34に機械加工を施す際に維持されることで、ナイフホルダ34が固定具から外されると、機械加工におけるねじれの度合いに応じて、傾斜が徐々に増加する整合面38が形成される。
【0006】
図10に示したとおり、スライスされる前の製品48は、切断ホイール22に向かって送り方向にコンベヤベルト50上を前進する。それぞれの製品48がコンベヤベルト50の末端との間の空間(製品48が、コンベヤベルト50から離れ、かつ、切断ホイール22と係合する、コンベヤベルト50の領域)に個別に支持されるように、製品48は運搬される。この領域内において、それぞれの製品48は、図10に示したように、エプロン(剪断エッジ)部材52に形成され、剪断エッジ56まで延在する支持面54によって支持されながら、切断ホイール22のナイフブレード32によってスライスされる。1つのナイフアセンブリの後端エッジ40における整合面38と、後置のナイフアセンブリ28のナイフブレード32の切断エッジ36との間の軸方向にオフセットしていることによって形成された、スライス厚さ間隙により、後置のナイフアセンブリ28によって生成されるスライス58が均一な厚さとなることは、図10から明らかである。米国特許第6,792,841号に開示されているとおり、支持面54がコンベヤベルト50から下方に向けて傾斜している結果、エプロン部材52により、製品が丸い場合でも、切断ホイール22が製品を正確かつ均一にスライスできるようになっている。支持面54が下方に傾斜していることによって、重力がアシストして、製品48をナイフアセンブリ28に向かって移動させ、製品48がコンベヤベルト50を離れても、製品48とナイフアセンブリ28の整合面38との係合が維持されるようになると考えられる。製品48は、最初はコンベヤベルト50の末端によって支持されるが、製品48が剪断エッジ56に向かって下方に移動するとともに、徐々にエプロン部材52の支持面54によって支持されるようになる。
【0007】
上述したタイプのスライス装置の放射状の切断ブレードを改良することで、様々な製品について、正確で、薄く、均一な厚さのスライスを製造することが可能となっている。しかしながら、キャベツ、レタス、じゃがいも、肉製品など、約10cmを超える比較的大きな製品を切断するために、より大きな切断ホイールが必要とされる場合には、いくつかの課題が生ずる。たとえば、より大きな製品をスライスするためには、より大きな切断ホイール22が用いられるが、より大きな切断ホイール22の径方向最外域における線速度は比較的大きくなるため、それぞれのナイフアセンブリ28の整合面38に対するより完全な整合性が要求されるとともに、非常に正確なスライス厚さを維持するためには、製品の平面(スライスにより製品上に生じる平面)に対応する、より大きな整合面38が必要とされる。さらに、直径が異なる切断ホイール22に応じて、使用されるナイフホルダ34について、整合面38の傾斜を徐々に大きくする割合を異ならせる必要がある。このため、整合面38の傾斜が徐々に大きくなるようにする機械加工あるいは形成には、製造コストがかかることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,992,284号
【特許文献2】米国特許第6,792,841号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、食品を含むがこれに限定されない製品のサイズを減少させる操作に適したナイフアセンブリを備えた切断ホイールを提供する。さらに、本発明は、前記切断ホイールや前記ナイフアセンブリに適したナイフホルダの操作方法、前記ナイフホルダの製造方法、および、前記切断ホイールを利用することができるスライス装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、回転切断ホイールは、ハブ部と、該ハブ部を取り囲むリム部と、複数のナイフアセンブリとを含み、該ナイフアセンブリのそれぞれは、前記切断ホイールの回転方向を向き、前記ハブ部と前記リム部との間に伸長した先端エッジと、該先端エッジとは反対側に設けられ、前記ハブ部と前記リム部との間に伸長した後端エッジと、前記先端エッジ上に存在する切断エッジとを有する。さらに、前記ナイフアセンブリのそれぞれは、前記切断ホイールに向かって送り方向に前進する製品に面する第1の面と、第1の面に形成された整合面とを有する。前記後端エッジは、前記整合面と交差し、該切断ホイールの回転方向とは反対方向に備えられた隣接する次のナイフアセンブリの切断エッジとの間に、ゲートを形成する。該ゲートは実質的に一定であり、前記切断ホイールによって生成する製品のスライスの厚さを決定する。前記整合面は、少なくとも、第1の面に対して凹んだ第1の凹平面によって構成され、かつ、少なくとも、第1の面との間に、第1のステップを備える。
【0011】
本発明の他の態様は、上述した要素を備えるナイフホルダと、上述した要素を備える切断ホイールを利用可能なスライス装置と、前記切断ホイールに向かって製品が送り方向に前進するにつれて、該製品からスライスを切断する、前記切断ホイールの操作方法とを含む。
【0012】
本発明のさらなる他の態様は、第1の凹平面を形成し、それによって形成される整合面を形成し、第1の凹平面を機械加工する際に前記ナイフホルダがねじれない、前記ナイフホルダの第1の面への機械加工を伴う、前記ナイフホルダの製造方法を提供する。
【0013】
本発明の他の態様は、上述した要素を備える切断ホイールを利用できるスライス装置を提供する。該スライス装置は、ハブ部と、該ハブ部を取り囲み、環状の空間を形成するリム部と、前記ハブ部および前記リム部間に伸長し、前記ハブ部おより前記リム部に対して取り外し可能に取り付けられ、前記切断ホイールの切断面に位置するナイフアセンブリとを含む。前記スライス装置は、切断ホイールに向かって、切断面を横断する送り方向に供給される製品の安定化手段をさらに含む。該安定化手段は、それぞれのナイフアセンブリのスライス動作が向かってなされる剪断エッジと、製品が前記ナイフアセンブリにスライスされる際に製品を支持する支持面とを備える。前記支持面は、前記安定化手段の有する、前記製品のそれぞれを把持して安定化させ、該製品が前記ナイフアセンブリによってスライスされる際に該製品の方向を維持し、前記切断ホイールの前記切断面に対して前記製品のスライス面を維持するための安定化手段の機能を向上させる、セレーションパターンを備える。
【発明の効果】
【0014】
好ましくは、上述した種々の態様の技術的効果には、それぞれのナイフアセンブリの整合面に対して製品が積極的に整合することを促進させて、たとえば断面が約10cmを超える食品など、比較的大きな製品を含む様々な製品について、正確で、薄く、均一な厚さのスライスを生成可能とすること、および、湾曲していない整合面を使用できようにして、機械加工する際にねじれを施すことなく整合面を製造することを可能とすることが含まれる。
【0015】
本発明の他の態様および利点は、以下の詳細な説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、製品をスライスするための切断ホイールと、製品を切断ホイールに運搬するための装置の側面図である。
図2図2は、製品をスライスするための切断ホイールと、製品を切断ホイールに運搬するための装置の斜視図である。
図3図3は、従来の切断ホイールの正面図である。
図4図4は、図3のナイフアセンブリの分解状態を示す斜視図である。
図5図5は、図3のナイフアセンブリの組み立てた状態を示す斜視図である。
図6図6は、図4および図5のナイフアセンブリのナイフホルダの平面図である。
図7図7は、図4および図5のナイフアセンブリのナイフホルダの端視図である。
図8図8は、図6の8−8線に沿った断面図である。
図9図9は、図6の9−9線に沿った断面図である。
図10図10は、図3の切断ホイールによって製品がスライスされる様子を示す側面図である。
図11図11は、本発明の一実施形態に基づく、ナイフホルダを備えたナイフアセンブリを備えた切断ホイールの正面図である。
図12図12は、ナイフアセンブリの整合面を見ることができる、図11の切断ホイールの背面図である。
図13図13は、図11および図12の切断ホイールが、本発明の一実施形態に基づく装置のフレームに取り付けられた状態を示す、正面図である。
図14図14は、図11図12および図13に示したナイフアセンブリの1つを単独で示した斜視図である。
図15図15は、図14のナイフアセンブリのナイフホルダの平面図である。
図16図16は、図14のナイフアセンブリのナイフホルダの端視図である。
図17図17は、図15の17−17線に沿った断面図である。
図18図18は、図15の18−18線に沿った断面図である。
図19図19は、図13で示した剪断エッジ部材を単独で示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図11図19は、図1図2および図10に示したタイプのスライス装置ではあるが異なる態様のスライス装置と、その種々の部品を示す。図11図13は、特に、図1図2および図10で示したタイプのスライス装置において利用することが可能な切断ホイール122を示し、図14図18は、切断ホイール122のナイフアセンブリ128およびナイフホルダ134を示し、図19は、切断ホイール122との組み合わせで用いることが可能な剪断エッジ部材152を示す。切断ホイール122およびその様々な部品は、図11図18に示され、図3図10に示した切断ホイール22および部品の一般的な構成に類似しており、図19に示された剪断エッジ部材152は、図10に示したエプロン部材52の一般的な構成に類似している。したがって、以下の説明は、主に、切断ホイール122および部品(特に、切断ホイール122のナイフアセンブリ128およびナイフホルダ134)と剪断エッジ部材152に焦点を当てており、構成、機能、材料などに関して詳述されていない他の態様については、図3図10に示した部品と基本的には同様である。図11図19においては、図3図10に示した要素と同一または機能的に同等である要素に対しては、同様の参照番号を使用しているが、番号の頭に「1」を追加した数字を付している。
【0018】
図11および図13は、切断ホイール122に向かって製品が前進する際に、製品とは反対側に位置する切断ホイール122の面を示しているため、切断ホイール122に取り付けられたナイフホルダ134上に形成された傾斜面194にナイフブレード132を固定するためのナイフ保持器またはクランプ200が目視可能である。図12は、切断ホイール122の反対側の面(すなわち、製品がホイール122に向かって前進する際に、製品に面している面)を示す。それぞれのナイフクランプ200は、ナイフホルダ134上に形成された整合(位置決め)面138とは反対側のナイフホルダ134の面164に取り付けられる。したがって、図11および図13においては、面164およびナイフクランプ200は目視可能であるが、ナイフホルダ134の整合面138は目視不能であり、図12においては、整合面138は目視可能であるが、面164およびナイフクランプ200は目視不能である。ブレード132の切断エッジ136は、図11図13において目視可能であり、矢印で示したとおり、切断ホイール122の回転方向を向いている。切断ホイール122の追加的な部品としては、ハブ部126とハブ部126を取り囲むリム部124があり、リム部124とハブ部126は、ファスナ130を介してナイフアセンブリ128を支持し、それぞれのナイフアセンブリ128は、切断ホイール122のリム部124とハブ部126との間に径方向にわたって掛け渡される。それぞれのナイフアセンブリ128のナイフホルダ134は、切頭三角形状を有しており、それぞれのナイフホルダ134は、幅広端部144および幅狭端部146を有するとともに、これらの間に伸長する後端エッジ140および先端エッジ196を有する。それぞれのナイフホルダ134の整合面138は、切断ホイール122の回転方向とは逆方向に面する後端エッジ140まで延在し、後端エッジ140は、隣接する次の後置のナイフアセンブリ128の切断エッジ136との間に、ゲート142を形成する。それぞれのナイフアセンブリ128の整合面138および後端エッジ140は、隣接する次の後置のナイフアセンブリ128の切断エッジ136から、送り方向、すなわち、切断ホイール122の切断面に対して垂直方向、あるいは、横断する方向に関して、ずれている(オフセットしている)。よって、後端エッジ140と後置のナイフアセンブリ128の切断エッジ136との間に形成されるゲート142は、後置のナイフアセンブリ128によって生成されるスライスの厚さを決定する、スライス厚さ間隙を形成する。
【0019】
図11図13に示した切断ホイール122は、図1図4に示した切断ホイール10および22よりも大きく、たとえば、断面が約10cmを超える、キャベツ、レタス、じゃがいも、および、肉類などの食品など、比較的大きな製品を切断することが可能であり、かつ、これらの製品を切断するのに適している。このため、図11図13に示したナイフアセンブリ128は、1つ以上のブレード、たとえば、図11図13および図14に示した例では2つのナイフブレード132を、それぞれのナイフホルダ134に固定するために、2つのナイフクランプ200を備えている。しかしながら、ナイフホルダ134に1つ以上のナイフブレード132を固定するために、単一のナイフクランプ200を用いてもよい。損傷や摩耗により、ナイフブレード132またはナイフクランプ200を交換しなければならなくなった場合に、複数のナイフブレード132を1つ以上のナイフクランプ200で締結する構成では、生産環境に応じて、ナイフグレード132および/またはナイフクランプ200を個別的かつ選択的に交換することが可能となる。ナイフホルダ134に複数のナイフブレード132を設置する構成とすることにより、既存のナイフホルダ(たとえば、図3図9)に設置可能なサイズの短いナイフブレード132を、より長いナイフホルダ134に設置するために使用することが可能となる。
【0020】
スライスの厚さの正確性を高いレベルで維持するために、切断ホイール122、ナイフアセンブリ128、および、ナイフホルダ134は、それぞれのナイフアセンブリ128の整合面138(図12)に対して、製品を積極的に整合させるように構成される。しかしながら、製品を適切に整合させることは、所定の回転速度に関して、図1図4に示した、より小さな切断ホイール10および22の径方向の最外域における線速度よりも、切断ホイール122の径方向の最外域における線速度が相対的に速くなるため、困難となる。図11図13に示した比較的大きい切断ホイール122において、スライスの厚さの正確性を高いレベルで維持するために、ナイフホルダ134の整合面138は、図3に示した切断ホイール22のように、ねじれたり湾曲したりする構造に代替して、1つ以上のポケットまたは凹部160によって形成される。すなわち、それぞれのポケットまたは凹部160は、平面162によって形成されており、図3図10に示したナイフホルダ34における、幅広端部44(図6および図7)から幅狭端部46(図6および図8)に向かって徐々に傾斜が大きくなる、湾曲した整合面38は採用されていない。図16図18に示した実施形態においては、凹部160の平面162は、互いに略平行であり、かつ、ナイフホルダ134の両側に設けられた面164および166(それぞれ平面であることが好ましい)に対しても略平行である。このため、それぞれの凹部160は、整合面138(図15)として、ナイフホルダ134の同一側に設けられたナイフホルダ134の面166に対して、互いに異なるがそれぞれは均一である深さ(図17および図18に示したd1またはd2)を有する。平面162の片方あるいは両方が後端エッジ140に向かって傾斜することは、本発明の範囲内であるが、平面162のいずれも、図3図10に示したナイフホルダ34のように、ナイフホルダ134の幅広端部144(図18)から幅狭端部146(図17)に向かって徐々に傾斜が増加する斜面を有することにより湾曲している必要はない。したがって、整合面138およびその平面162は、従来のように、面164に機械加工を施す際に、ナイフホルダ134にねじれが導入されるようにナイフホルダ134を固定した状態で形成されるわけではない。よって、整合面138を構成する1つ以上の平面162を形成するための機械加工を行う際に、ナイフホルダ134を保持するために、一般的な固定手段を用いることができ、より低い製造コストで、ナイフホルダ134を製造および修正することが可能となる。
【0021】
図15図18に示した実施形態においては、2つの凹部160が示され、後端エッジ140に近い凹部160の深さは、先端エッジ196に近い凹部160の深さよりも深い(d)。図15から明らかであるが、整合面138は、全体的に後端エッジ140まで延在しており、後端エッジ140における整合面138は、隣接する後置のナイフアセンブリ128の切断エッジ136からずれている(オフセットしている)ため、後端エッジ140と後置のナイフアセンブリ128の切断エッジ136との間に形成されるゲート142は、後置のナイフアセンブリ128によって生成されるスライスの厚さを決定するスライス厚さ間隙を形成する。しかしながら、図15に示した整合面138は、先端エッジ196の方まで延在しているが、先端エッジ196からは離れており、整合面138と、整合面138を形成するための機械加工が施されたナイフホルダ134において隣接する面166との間には、ステップ168が形成されている。図15図18に示した実施形態においては、2つの凹部160の2つの平面162間に、第2のステップ170が形成される。整合面138とナイフホルダ134の隣接する面166との間に存在するステップ168は、先端エッジ196に対して平行であり、かつ、整合面138の2つの平面間のステップ170も、先端エッジ196に対して平行である。ステップ168および170のいずれか1つあるいは両方は、図15図17および図18に示したようにフィレット(丸み)を備えていてもよく、より切り立った形状を有していてもよい。さらに、ステップ168および170(あるいは、単一のステップ168または170)が他の方向を採る場合も、本発明の範囲内であり、ステップ168および170の深さ(d、d)や、ステップ168および170の後端エッジ140および先端エッジ196からの間隔が、図15図18に示したものと異なっていてもよい。
【0022】
このようなナイフホルダ134の整合面138の構成により、スライスを所望の厚さとするために、後端エッジ140における深さ(d)を個別に調整することが可能となる。また、スライスの厚さをより厚くするために、後端エッジにおける最初の製造時における深さ(d)を変更することも可能である。このように、特定の製品のために、ナイフホルダ134をさらに機械加工して変更して、その製品がより正確に整合できるようにすることができる。
【0023】
図13は、剪断エッジアセンブリ172とともに、スライス装置のフレームに取り付けられた、切断ホイール122を部分的に示している。剪断エッジアセンブリ172は、ホイール122の切断面に対して横断する方向、典型的には垂直方向である、送り方向に、ホイール122に向かって、ハブ部126およびリム部124との間の環状空間を通して供給されている製品を安定させる。図示の例では、剪断エッジアセンブリ172は、V字型の剪断エッジホルダ176に取り付けられた剪断エッジ部材152により構成される。剪断エッジ部材152は、図10に示したエプロン部材52に相当する。図10と同様に、スライス前の製品が、切断ホイール122に向かって(たとえば、コンベヤベルトに乗って)、送り方向に前進すると、それぞれの製品は、剪断エッジ部材152に支持されながら、切断ホイール12の切断ブレード132によってスライスされる。剪断エッジ部材152は、それぞれの切断ブレード132のスライス動作が向かってなされる剪断エッジ156と、この剪断エッジ156まで延在する支持面154を有する、図13に示した剪断エッジ部材152は、図10に示したエプロン部材52と同様に、切断ホイール122に進入する製品から離れて下方に傾斜する上方支持面154を備えており、支持面154は、製品とナイフアセンブリ128の整合面138との係合を促進および維持していることから、切断ホイール122が正確かつ均一に製品をスライスする能力がさらに改善されている。
【0024】
剪断エッジ156は、スライスの際に、製品を切断ホイール122に対して押し込むように作用する。たとえば、キャベツ、レタス、じゃがいもなどの、所定の球形の製品については、スライスの際に、切断ホイール122が製品の直径を縮小させることから、製品は回転する傾向があり、このため、製品が切断ホイール122に引き込まれる際に、製品のスライス面が変わってしまうことがある。これに対して、図19に示すように、剪断エッジ部材152の支持面154は、階段状パターンあるいはセレーションパターン158を有し、剪断エッジ部材152が製品を捉えて安定させる機能を向上させている。このため、(送り方向における)製品の長さが縮小した場合であっても、製品の向きが維持され、切断ホイール122の切断面に対して、製品のスライス面が維持される。このようにして、支持面154は、スライス工程において、切断ホイール122の整合面138に対して製品を係合させ、かつ、押圧することが維持される。図19から明らかであるように、セレーションパターン158は、個別のセレーションまたは歯によって形成され、これらの個別のセレーションまたは歯は、図19に示したように、支持面154の平面に対して剪断エッジ156に向かって傾斜している。このような歯の傾斜は、セレーションパターン158による製品を捉えて安定させるための能力をさらに向上させると考えられる。
【0025】
本発明について、具体的または特定の実施形態について説明したが、当業者によって他の形態が採用され得ることは明らかである。たとえば、スライス装置、切断ホイール122、および、これらの部品は、本明細書および図面に示した外観および構成とは異なるものとなり得るし、スライス装置および切断ホイール122の一定の部品の機能は、異なる構成を有するが、同様の機能(必ずしも同等である必要はない)を有する部品によって達成され得るし、スライス装置、切断ホイール122、および、これらの部品を製造する際には、様々な材料を使用することが可能である。したがって、本発明は、本明細書および図面に示した実施形態に限定されない。本明細書中に用いられた用語は、図示された実施形態を説明する目的で用いられているのであって、必ずしも本発明の範囲を限定するものではない。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって限定される。
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