(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記背部受台と前記肩部受台との間に設けられた屈曲部が、横臥者の胸椎列の第2胸椎から第7胸椎の間に位置するように、前記背部受台と前記肩部受台の長さ及び位置が定められた請求項1又は2のいずれか一項に記載のリクライニング式ベッド。
前記背部受台と前記肩部受台との間に設けられた屈曲部が、横臥者の胸椎列の第8胸椎から第12胸椎の間に位置するように、前記背部受台と前記肩部受台の長さ及位置が定められた請求項1又は2のいずれか一項に記載のリクライニング式ベッド。
前記背部受台と前記肩部受台の少なくとも一方の起倒に応じて前記背部受台と前記肩部受台との間の距離を変化させる伸縮機構を備える、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載のリクライニング式ベッド。
前記背部受台と前記肩部受台の少なくとも一つが起立状態にあるとき、解除指令に応答して、前記背部受台と前記肩部受台の双方を同時に起立状態から水平状態に即座に移行する起立解除機構を備える、請求項1〜請求項13に記載のリクライニング式ベッド。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に、本発明に係るリクライニング式ベッドのいくつかの実施形態にかかる構成について図面を参照しながら説明する。
【0045】
[第1実施形態]
図1に示すように、リクライニング式ベッド1は、正面視で前後に縦長状に伸延させた基台2の上部に横臥者の身体を支持する受台3を設けている。なお、ここでは、便宜的に、リクライニング式ベッド1に横臥する者の足側を前側とし、頭側を後側として説明する。
【0046】
受台3は、主に横臥者の尻の荷重を受ける(横臥者の尻を下方から支える)ための尻部受台4と、主に横臥者の上半身(尻よりも上側)の荷重を受ける(横臥者の上半身を下方から支える)ための上半身受台5と、主に横臥者の下半身(尻よりも下側)の荷重を受ける(横臥者の下半身を下方から支える)ための下半身受台6とで構成している。
【0047】
尻部受台4は、基台2の概略中央部に固定されており、矩形枠状のフレーム7に金属ワイヤーで編成したネット8を取付けている。
【0048】
上半身受台5は、基台2の後側(尻部受台4よりも後側)に前端部を上下回動自在に枢着することによって基台2や尻部受台4に対して起倒可能に設けられている。
【0049】
この上半身受台5は、横臥者の肩(肩甲骨)よりも下側の背中(背骨)の荷重を受ける(横臥者の肩(肩甲骨)よりも下側の背中(背骨)を下方から支える)ための背部受台9と、横臥者の肩(肩甲骨)から上側の肩及び頭の荷重を受ける(横臥者の肩(肩甲骨)から上側の肩及び頭を下方から支える)ための肩部受台10とに分割されており、背部受台9と肩部受台10との間に背屈曲位置調節機構11を介設している。なお、肩部受台10は、横臥者の頭を受けるだけでなく、肩(肩甲骨)を受けている点において、頭だけを受ける従来のヘッドレストとは明確に異なっている。
【0050】
背部受台9は、矩形枠状のフレーム12に金属ワイヤーで編成したネット13を取付けている。この背部受台9は、回転軸を有する枢着部14を介してフレーム12の前端部を基台2に上下回動自在に取付けている。フレーム12の左右後部には、背屈曲位置調節機構11を装着するための貫通状の装着孔15が前後に間隔をあけて複数形成されている。
【0051】
肩部受台10は、矩形枠状のフレーム16に金属ワイヤーで編成したネット17を取付けている。この肩部受台10は、前端部を背部受台9の後端部に背屈曲位置調節機構11を介して上下回動自在に連結することによって背部受台9に対して起倒可能に設けられている。フレーム16の左右前部には、背屈曲位置調節機構11を装着するための貫通状の装着孔18が前後に間隔をあけて複数形成されている。
【0052】
背屈曲位置調節機構11は、
図2に示すように、背部受台9及び肩部受台10の左右側部に一対の蝶番19、19を取付けている。各蝶番19は、前後の連結体20、21を回転軸22で上下回動自在に連結している。連結体20、21は、断面コ字状で前後に伸延しており、上下に貫通する連結孔に連結ピン23が装着されている。また、左右の連結体20、21には左右に伸延する2本の補助体24、24が取付けられている。補助体24は、連結ベルト25で背部受台9と肩部受台10に連結されている。
【0053】
この背屈曲位置調節機構11は、前側の連結体20を背部受台9の後部に取付けるとともに、後側の連結体21を肩部受台10の前部に取付けることで、背部受台9の後端部に肩部受台10の前端部を、回転軸22を中心にして起倒可能に取付けることができる。
【0054】
そして、背屈曲位置調節機構11は、横臥者の身体(特に肩の位置)に応じて前側の連結体20と背部受台9との取付位置(連結ピン23で連結する装着孔15の位置)や後側の連結体21と肩部受台10との取付位置(連結ピン23で連結する装着孔18の位置)を変更することで回転軸22の前後方向の位置を所定の範囲(背屈曲位置調節範囲L1)で調節することができる。
【0055】
下半身受台6は、
図1に示すように、基台2の前側(尻部受台4よりも前側)に後端部を上下回動自在に枢着することによって基台2や尻部受台4に対して起倒可能に設けられている。
【0056】
この下半身受台6は、横臥者の大腿の荷重を受ける(横臥者の大腿を下方から支える)ための大腿部受台26と、横臥者の下腿の荷重を受ける(横臥者の下腿を下方から支える)ための下腿部受台27とに分割されており、大腿部受台26と下腿部受台27との間に膝位置調節機構28を介設している。下腿部受台27の前端部には、足裏を受ける(足裏を下方から支える)足裏受台29が設けられている。
【0057】
大腿部受台26は、矩形枠状のフレーム30に金属ワイヤーで編成したネット31を取付けている。この大腿部受台26は、回転軸を有する枢着部32を介してフレーム30の後端部を基台2に上下回動自在に取付けている。フレーム30の左右前部には、膝位置調節機構28を装着するための貫通状の装着孔33が前後に間隔をあけて複数形成されている。
【0058】
下腿部受台27は、矩形枠状のフレーム34に金属ワイヤーで編成したネット35を取付けている。この下腿部受台27は、後端部を大腿部受台26の前端部に膝位置調節機構28を介して上下回動自在に連結することによって大腿部受台26に対して屈曲自在に設けられている。
【0059】
また、下腿部受台27は、フレーム34の中途部を基台2に設けられた支持体36で下方から支持されている(
図3参照。)。これにより、下腿部受台27は、大腿部受台26を起立させることによって大腿部受台26に対して下方に向けて屈曲し、その際に、下腿部受台27の前端部が尻部受台4の上面よりも下側に位置するようになっている。フレーム34の左右後部には、膝位置調節機構28を装着するための貫通状の装着孔37が前後に間隔をあけて複数形成されている。
【0060】
膝位置調節機構28は、
図3に示すように、大腿部受台26及び下腿部受台27の左右側部に一対の蝶番38、38を取付けている。各蝶番38は、前後の連結体39、40を回転軸41で上下回動自在に連結している。連結体39、40は、断面コ字状で前後に伸延しており、上下に貫通する連結孔に連結ピン42が装着されている。また、左右の連結体39、40には左右に伸延する1本の補助体43が取付けられている。補助体43は、連結ベルト44で大腿部受台26と下腿部受台27に連結されている。
【0061】
この膝位置調節機構28は、後側の連結体40を大腿部受台26の前部に取付けるとともに、前側の連結体39を下腿部受台27の後部に取付けることで、大腿部受台26の前端部に下腿部受台27の後端部を回転軸41を中心にして起倒可能に取付けることができる。
【0062】
そして、膝位置調節機構28は、横臥者の身体(特に膝の位置)に応じて後側の連結体40と大腿部受台26との取付位置(連結ピン42で連結する装着孔33の位置)や前側の連結体39と下腿部受台27との取付位置(連結ピン42で連結する装着孔37の位置)を変更することで回転軸41の前後方向の位置を所定の範囲(膝位置調節範囲L2)で調節することができる。
【0063】
なお、背屈曲位置調節範囲L1と膝位置調節範囲L2は、同一の広さ(長さ)としてもよく、膝位置調節範囲L2の方を広くしてもよいが、ここでは、背屈曲位置調節範囲L1を膝位置調節範囲L2よりも広くしている。上記リクライニング式ベッド1では、上半身受台5に横臥者の肩を受ける肩部受台10を設けているために、上半身受台5や下半身受台6を起立させた際に、横臥者の膝と膝位置調節機構28との間に隙間(余裕)ができるのに対して、横臥者の肩と肩部受台10との間には隙間(余裕)ができない。そのため、背屈曲位置調節範囲L1を広くすることで横臥者の肩の位置に柔軟に対応させることができる。
【0064】
足裏受台29は、
図1に示すように、矩形枠状のフレーム45に金属ワイヤーで編成したネット46を取付けている。この足裏受台29は、回転軸を有する枢着部47を介してフレーム45の後端部を下腿部受台27の前端部に上下回動自在に取付けている。なお、足裏受台29は、下腿部受台27に連結して設けられているが、これに限られず、下腿部受台27とは別個独立して基台2に移動可能に設けられていてもよい。
【0065】
受台3は、以上に説明したように構成されており、
図4に示すように、背部受台9、肩部受台10、大腿部受台26、足裏受台29には、各受台を起立又は倒伏させるための駆動機構48〜51が接続されている。これらの駆動機構48〜51が制御装置52により駆動および制御される。なお、ここでは、各受台9、10、26、29にそれぞれ独立の駆動機構48〜51を設けているが、これに限らず、1つ又は複数の駆動機構と連動機構とを接続して1つ又は複数の駆動機構で全ての受台9、10、26、29を連動して駆動させるようにしてもよい。
【0066】
そして、リクライニング式ベッド1は、
図4に示すように、背部受台9、肩部受台10、大腿部受台26、足裏受台29を水平に倒伏させた状態では、受台3の上面が水平面となり、受台3の上部において横臥者がマットレス53を介して倒伏姿勢となる。
【0067】
その後、リクライニング式ベッド1は、
図5に示すように、基台2(尻部受台4)に対して背部受台9を起立させるとともに背部受台9に対して肩部受台10を起立させると、横臥者の上半身が起こされるとともに、横臥者の肩から頭も起こされる。このように、リクライニング式ベッド1では、横臥者の肩を受ける肩部受台10を起倒可能に設けているために、肩部受台10を起立させることで横臥者の肩と頭とを合わせて同時に起こすことができる。これにより、リクライニング式ベッド1では、横臥者の上半身を起こした状態における横臥者の首や喉への負担を軽減することができるとともに、円背の横臥者に対しても身体への負担を軽減することができる。
【0068】
また、リクライニング式ベッド1は、
図5に示すように、基台2(尻部受台4)に対して大腿部受台26を起立させると、大腿部受台26に対して下腿部受台27が下方に向けて屈曲し、横臥者の大腿部が上方へ向けて起こされるとともに下腿部が下方へ向けて倒され、横臥者の膝を曲げた着座姿勢とすることができる。その際に、リクライニング式ベッド1では、下腿部受台27の前端部が尻部受台4の上面よりも下側にまで傾斜するようになっているため、横臥者の上半身を起こした際に足先(踵)が腰よりも下方側に位置するまで横臥者の下腿部を膝に負担をかけずに良好に伸ばすことができる。
【0069】
さらに、リクライニング式ベッド1は、
図5に示すように、下腿部受台27に対して足裏受台29を起立させると、足裏受台29が横臥者の足裏まで移動し、足裏受台29によって横臥者の足裏を支えることができる。これにより、リクライニング式ベッド1は、横臥者の上半身を起こして足先(踵)を腰よりも下方に伸ばした際に、足裏受台29で足先を支えることができ、横臥者に安心感や安定感を与えることができる。
【0070】
以上に説明したように、上記リクライニング式ベッド1は、横臥者の上半身を受ける上半身受台5を基台2に対して起倒可能に設け、上半身受台5を、横臥者の肩よりも下側を受ける背部受台9と、横臥者の肩から上側を受ける肩部受台10とに分割し、背部受台9に対して肩部受台10を起倒可能とした構成となっている。
【0071】
そのため、上記構成のリクライニング式ベッド1では、肩部受台10を起立させることで横臥者の肩と頭とを起こすことができ、横臥者の上半身を起こした状態における横臥者の首や喉への負担を軽減することができるとともに、円背の横臥者に対しても身体への負担を軽減することができるので、横臥者の上半身を起こしてリラックスした姿勢にすることができ、リクライニング式ベッド1の使用感を向上させることができる。
【0072】
また、上記リクライニング式ベッド1は、背部受台9と肩部受台10との間に設けられた回転軸22を中心に背部受台9に対して肩部受台10を起倒可能とし、回転軸22の位置を調節可能に構成している。
【0073】
そのため、上記構成のリクライニング式ベッド1では、横臥者の身体(身長等)に応じて背屈曲位置を調節することができるので、リクライニング式ベッド1の使用感をより一層向上させることができる。
【0074】
また、上記リクライニング式ベッド1は、横臥者の尻を受ける尻部受台4を基台2に固定するとともに、横臥者の大腿を受ける大腿部受台26を基台2に対して起倒可能に設け、横臥者の下腿を受ける下腿部受台27を大腿部受台26に対して屈曲自在に設け、基台2に対して大腿部受台26を起立させた状態で、下腿部受台27が尻部受台4よりも下方に屈曲する構成としている。
【0075】
そのため、上記構成のリクライニング式ベッド1では、横臥者の上半身を起こした際に足先(踵)を腰よりも下方側まで伸ばすことができ、横臥者への負担をより一層軽減することができ、リクライニング式ベッド1の使用感をさらに向上させることができる。
【0076】
また、上記リクライニング式ベッド1は、基台2に対して大腿部受台26を起立させた状態で、横臥者の足裏を受ける足裏受台29を基台2に対して移動可能に設けた構成としている。
【0077】
そのため、上記構成のリクライニング式ベッド1では、横臥者の上半身を起こして足先を腰よりも下方に伸ばした際に、足裏受台29で足先を支えることができ、安心感や安定感を与えることができ、これによってもリクライニング式ベッド1の使用感を向上させることができる。
【0078】
さらに、上記リクライニング式ベッド1では、背部受台9と肩部受台10との間に設けられた回転軸22を中心に背部受台9に対して肩部受台10を起倒可能とし、回転軸22の位置を所定の範囲(背屈曲位置調節範囲L1)で調整可能とするとともに、大腿部受台26と下腿部受台27との間に設けられた回転軸41を中心に大腿部受台26に対して下腿部受台27を屈曲可能とし、回転軸41の位置を所定の範囲(膝位置調節範囲L2)で調節可能とし、背屈曲位置調節範囲L1を膝位置調節範囲L2よりも広くした構成としている。
【0079】
そのため、上記構成のリクライニング式ベッド1では、横臥者の身体(伸長等)に応じて背屈曲位置と膝位置とをそれぞれ調節することができ、これによってもリクライニング式ベッド1の使用感を向上させることができる。
【0080】
[第2実施形態]
上記第一実施形態に係るリクライニング式ベッド1では、横臥者の足裏を受ける足裏受台29を備えているが、本発明では、足裏受台29が必須の構成要素ではなく、
図6及び
図7に示すリクライニング式ベッド54のように、尻部受台4と、背部受台9と肩部受台10とで構成される上半身受台5と、大腿部受台26と下腿部受台27とで構成される下半身受台6とで構成することもできる。なお、第2実施形態に係るリクライニング式ベッド54では、第1実施形態に係るリクライニング式ベッド1と同様の構成のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
このリクライニング式ベッド54では、以下に説明するように、制御装置52によって各受台9、10、26、27が連動して起立・倒伏するようにしている。なお、ここでは、各受台9、10、26にそれぞれ独立の駆動機構48〜50を設けているが、これに限らず、1つ又は複数の駆動機構と連動機構とを接続して1つ又は複数の駆動機構ですべての受台9、10、26、27を連動して駆動させるようにしてもよい。
【0082】
まず、リクライニング式ベッド54は、初期状態では、
図7(a)に示すように、肩部受台10、背部受台9、尻部受台4、大腿部受台26、下腿部受台27を水平に倒伏させた状態とする。
【0083】
その後、リクライニング式ベッド54は、
図7(b)に示すように、制御装置52が駆動機構48を駆動することで肩部受台10だけを水平状態から所定の傾斜角度となるまで起立させる。これにより、横臥者の肩と頭を肩部受台10で起こすことができる。
【0084】
その後、リクライニング式ベッド54は、
図7(C)に示すように、制御装置52が駆動機構48〜50を駆動することで肩部受台10を背部受台9に対して所定の傾斜角度となるまで起立させるとともに、背部受台9を水平状態から所定の傾斜角度となるまで起立させ、併せて、大腿部受台26を水平状態から所定の傾斜角度となるまで起立させる。なお、下腿部受台27は、大腿部受台26とともに起立する。これにより、横臥者の上半身と下半身とを連動して起こすことができる。
【0085】
その後、リクライニング式ベッド54は、
図7(d)に示すように、制御装置52が駆動機構48〜50を駆動することで肩部受台10を背部受台9に対して所定の傾斜角度となるまで起立させるとともに、背部受台9を尻部受台4に対して所定の傾斜角度となるまで継続して起立させ、併せて、大腿部受台26を水平状態となる方向に倒伏させる。これにより、横臥者の腹部に負担(圧迫)をかけずに上半身を起こすことができる。
【0086】
なお、リクライニング式ベッド54は、
図7(d)に示すように、制御装置52が駆動機構48〜50を駆動することで背部受台9を尻部受台4に対して所定の傾斜角度となるまで継続して起立させ、併せて、肩部受台10を背部受台9に対して水平状態となる方向に倒伏させるとともに、大腿部受台26を水平状態となる方向に倒伏させる。これにより、横臥者の首や腹部に負担(圧迫)をかけずに上半身を起こすことができる。
【0087】
なお、リクライニング式ベッド54は、
図7(e)に示す起立状態から
図7(a)に示す水平状態に向けて上記動作と逆の動作を行わせることができる。
【0088】
以上に説明したように、上記リクライニング式ベッド54は背部受台9と肩部受台10をそれぞれ起倒させるための駆動機構48、49に制御装置52を接続し、制御装置52で肩部受台10を水平状態から所定の角度まで起立させた後に、背部受台9を水平状態から起立させるように制御する構成となっている。
【0089】
そのため、上記構成のリクライニング式ベッド54では、肩部受台10を起立させた際に横臥者の上半身への負担を軽減することができ、リクライニング式ベッド54の使用感をより一層向上させることができる。
【0090】
また、上記リクライニング式ベッドは、制御装置52で背部受台9が所定の角度まで起立させた後に、肩部受台10を背部受台9に対して倒伏させるように制御する構成となっている。
【0091】
そのため、上記構成のリクライニング式ベッド54では、肩部受台10を起立させた際に横臥者の首や腹部への負担を軽減することができ、リクライニング式ベッド54の使用感をより一層向上させることができる。
【0092】
[昇降機構]
次に、前述した第2実施形態にかかるリクライニング式ベッド54における、背部受台9と肩部受台10を起倒させる昇降機構の一例を説明する。
なお、以下で説明する昇降機構の一例は、第2実施形態だけではなく、前述した第1実施形態にかかるリクライニング式ベッド1にも好適に適用できる。
図8〜
図11は、背部受台9と肩部受台10の昇降機構の一例を説明する図である。
【0093】
図8に示すように、リクライニング式ベッド54の背部受台9と肩部受台10の基台2側には、リンク機構100(昇降機構)が設けられている。
リンク機構100は、第1連結部材101と、回転ブラケット102と、第2連結部材103とを備える。
【0094】
第1連結部材101の一端側は、他のリンク機構を介して背部受台9に回転可能に連結されており、他端側は、回転ブラケット102に回転可能に連結されている。
【0095】
回転ブラケット102は、回転軸102aを中心として回転可能に設けられており、この回転ブラケット102には、第2連結部材103の一端側が回転可能に連結されている。
【0096】
第2連結部材103の他端側は、取付部材を介して肩部受台10に回転可能に連結されている。
【0097】
よって、背部受台9が、アクチュエータにより上昇するに伴い、第1連結部材101が、矢印A1方向に引っ張られる。そうすると、回転ブラケット102が、回転軸102a回りに矢印A2方向に回転すると共に、この回転ブラケット102の回転により、第2連結部材103が、矢印A3方向に押し出される。
【0098】
肩部受台10は、第2連結部材103に押し上げられて、背部受台9との間に設けられた回転軸104回りに時計回りに回転する。その結果、肩部受台10は、背部受台9が上昇するにつれて上昇するようになっている。
【0099】
一方、
図10に示すように、尻部受台4(基台2)に対する背部受台9の角度が所定の角度(後述する角度θ2)を超えると、第2連結部材103の移動方向が反対(矢印A4)となり、肩部受台10は上昇方向と反対に降下し始める。そして、背部受台9の角度が上限角度θxとなると、背部受台9に対する肩部受台10の角度φは0(ゼロ)となる(
図11参照)。
【0100】
ここで、一例として、尻部受台4に対する背部受台9の所定の角度θ2は50度であり、背部受台9の上限角度θxは70度である。
【0101】
前述した実施形態では、背部受台9と肩部受台10との間に設けたリンク機構100を用いて、背部受台9の上昇にリンクさせて肩部受台10を上昇させる場合を例示して説明したが、これに限定されるものではない。
【0102】
例えば、
図12〜
図13に示すように、背部受台9と肩部受台10との間に、リンク機構100に変えてアクチュエータ110を設けても良い。
【0103】
図12及び
図13は、他の変形例にかかる背部受台9と肩部受台10の上昇機構を説明する図である。
図12に示すように、アクチュエータ110は、一端が取付部材を介して背部受台9に固定されると共に、他端は取付部材を介して肩部受台10に固定されている。
【0104】
よって、
図13に示すように、アクチュエータ110が、矢印B1方向に伸びると、アクチュエータ110の一端に押し上げられた肩部受台10が、回転軸104回りに回転して上昇する。そのため、肩部受台10の昇降が、アクチュエータ110により制御できるので、背部受台9の動作に連動して昇降させるだけでなく、背部受台9の動作と非連動に昇降させることもできる。
【0105】
次に、肩部受台10の動きに大腿部受台26の動きを連動させたリンク機構200(昇降機構)を説明する。
【0106】
図14及び
図15は、肩部受台10の動きに大腿部受台26の動きを連動させたリンク機構200を説明する図である。
【0107】
図14に示すように、リンク機構200(昇降機構)は、第3連結部材201と、回転アーム202と、ローラ203とを備えている。
【0108】
第3連結部材201の一端は、取付部材を介して肩部受台10に連結されており、他端は、回転アーム202の一端側に連結されている。
【0109】
回転アーム202の他端側には、回転ローラ203が回転可能に設けられている。
【0110】
図15に示すように、前述の変形例で説明したように、背部受台9と肩部受台10との間にはアクチュエータ110が設けられており、このアクチュエータ110により、肩部受台10を上昇させる。そうすると、第3連結部材201が矢印C1方向に引き寄せられることによって、回転アーム202が、回転軸202aの反時計回り(矢印C2回り)に回転する。その結果、大腿部受台26は、ローラ203に押し上げられて上昇する。
【0111】
このように、リクライニング式ベッド54にリンク機構200を設けることで、肩部受台10の上昇に連動して大腿部受台26を上昇させることができ、簡単なリンク機構で肩部受台10と大腿部受台26との連動を確実に行うことができる。
【0112】
次に、大腿部受台26の動きに肩部受台10の動きを連動させたリンク機構300(昇降機構)を説明する。
【0113】
図16及び
図17は、大腿部受台26の動きに肩部受台10の動きを連動させたリンク機構300を説明する図である。
【0114】
図16に示すように、リンク機構300は、回転ブラケット301と、回転ローラ302と、第4連結部材303と、アクチュエータ120とを備えている。
【0115】
回転ブラケット301は、回転軸301aの反時計回りに回転可能に設けられており、この回転ブラケット301の一端側には、ローラ302が回転可能に設けられている。
【0116】
回転ブラケット301の他端側には、第4連結部材303の一端側が連結されており、第4連結部材303の他端側は、取付部材を介して肩部受台10に連結されている。
【0117】
アクチュエータ120の一端側は、基台2に固定されており、伸縮可能に設けられた他端側は、回転ブラケット301に連結されている。
【0118】
これにより、
図17に示すように、アクチュエータ120を矢印D1方向に伸ばして、回転ブラケット301を回転軸301aの反時計回り(矢印D2回り)に回転させると、回転ブラケット301に設けられたローラ302が、大腿部受台26を押し上げる。
【0119】
そして、回転ブラケット301に連結された第4連結部材303が、矢印D3方向に移動して、肩部受台10を押し上げる。
【0120】
よって、リンク機構300により、大腿部受台26の上昇に連動させて肩部受台10を上昇させることができ、肩部受台10と大腿部受台26との連動した動作により、横臥者がより楽な姿勢で起倒することができる。
【0121】
次に、背部受台9と肩部受台10との間を伸縮させる伸縮機構400を説明する。
図18〜
図20は、伸縮機構400を説明する図である。
【0122】
図18に示すように、伸縮機構400は、連結部材410と、ピン420、ピン421とを有している。
【0123】
連結部材410は、一対の取付板411、412が、各々の回転部411a、412aで相対回転可能に連結されている。
【0124】
各取付板411、412には、取付孔411b、412bが設けられており、この取付孔411b、412bにピン420、421が挿入されるようになっている。
【0125】
取付板411が、背部受台9に組み合わされた状態で、ピン420が背部受台9のピン穴9aに挿入されて背部受台9に連結されると共に、取付板412が、肩部受台10に組み合わされた状態で、ピン421が肩部受台10の長穴10aに挿入されて肩部受台10に連結される。
【0126】
ピン421が挿入された長穴10aは、長手方向(横臥者の身長方向)に長くなるように形成されているため、ピン421は、長穴10aの長手方向に移動可能となっている。
【0127】
よって、
図19に示すように、アクチュエータ(図示せず)等により、背部受台9を上昇させると、第5連結部材404が矢印E1方向に引っ張られると共に、第5連結部材404の一端側に連結された回転ブラケット405が矢印E2回りに回転する。
【0128】
その結果、回転ブラケット405の他端側に連結された第6連結部材406は、矢印E3方向に押し上げられる。そうすると、第6連結部材406により、肩部受台10が上昇すると共に、肩部受台10の長穴10aに挿入されたピン421の位置が長穴10a内で移動し、背部受台9に対して肩部受台10が長手方向に離れた位置に移動する(
図20参照)。
図18〜
図20に示す一例では、背部受台9に対する肩部受台10の距離がL3からL4に伸びている。
【0129】
このように、背部受台9又は肩部受台10の上昇(降下)に連動して、背部受台9と肩部受台10との距離が変化するので、背部受台9と肩部受台10の最適な位置関係を、横臥者が水平状態から起立状態(又は起立状態から水平状態)になる間の上半身(特に第2胸椎から第12胸椎の範囲)の姿勢の変化に適切に合わせることができる。
【0130】
また、前述した伸縮機構400は背部受台9と肩部受台10との間だけではなく、大腿部受台26と下腿部受台27との間など、他の受台の間にも1又は複数設けることができる。
【0131】
このような伸縮機構400を、各受台の間に設けることで、基台2を変えることなく簡単に受台3の長さを変えることができる。よって、横臥者の身長に合わせてリクライニング式ベッド1を複数用意する必要がなく、設置場所の省スペース化、設置・設備コストの削減を図ることができる。
【0132】
次に、背部受台9と肩部受台10との間を伸縮させる伸縮機構500を説明する。
図21及び
図22は、伸縮機構500を説明する図である。
【0133】
図21に示すように、伸縮機構500は、第1リンク部材501と、第2リンク部材502とを備えている。
【0134】
第1リンク部材501の一端501a側は、背部受台9に対して回転可能に連結されており、他端501b側は、肩部受台10の一端側に回転可能に連結されている。
【0135】
また、第2リンク部材502の一端502a側もまた、背部受台9に対して回転可能に連結されており、他端502b側もまた、肩部受台10の一端側に回転可能に連結されている。
【0136】
ここで、第1リンク部材501と、第2リンク部材502とは、互いに平行に設けられていると共に、第1リンク部材501は、第2リンク部材502よりも長い長さとなるように設定されている。
【0137】
よって、
図22に示すように、肩部受台10が、アクチュエータ(例えば、前述したアクチュエータ110)又はリンク機構(例えば、前述したリンク機構200)などで上昇すると、肩部受台10の上昇と共に、第1リンク部材501と第2リンク部材502が回転する。
【0138】
実施の形態では、第1リンク部材501と第2リンク部材502とが、反時計回りに回転するので、第1リンク部材501と第2リンク部材502の長さの分だけ、肩部受台10が、背部受台9に対して所定距離だけ離れる。
【0139】
肩部受台10が上昇していない場合、背部受台9と肩部受台10との間の距離はL5(
図21参照)であるのに対して、肩部受台10が上昇した場合、背部受台9と肩部受台10との間の距離は、距離L5よりも大きい距離L6(
図22参照)となっている。
【0140】
このように、長さの異なる二つのリンク部材を用いる簡単な機構で、各受部の間の長さを調整することができる。
【0141】
[リクライニング式ベッドの制御方法]
次に、前述した第2実施形態にかかるリクライニング式ベッドの制御方法の一例を説明する。
【0142】
なお、この第2実施形態にかかるリクライニング式ベッドの制御方法は、前述した第1実施形態のリクライニング式ベッドの制御方法に適用しても好適である。
【0143】
図23は、リクライニング式ベッドと、当該リクライニング式ベッドに横臥したユーザ(横臥者)の身体の部位の位置関係を説明した図である。
図24は、リクライニング式ベッドの各受台の角度の定義を説明する模式図である。
【0144】
図23に示すように、横臥者900がリクライニング式ベッド54に横臥した場合、背部受台9と肩部受台10との間の回転軸22(屈曲部)が横臥者の脊椎列の第2胸椎から第7胸椎の間(同図ハッチング910の領域)に位置するように、リクライニング式ベッドにおける背部受台9と肩部受台10との長さ及び位置が設定されている。
【0145】
ここで、横臥者900がリクライニング式ベッド54に横臥した場合、背部受台9と肩部受台10との間の回転軸22(屈曲部)が横臥者の脊椎列の第8胸椎から第12胸椎の間(同図のハッチング920の領域)に位置するように、リクライニング式ベッドにおける背部受台9と肩部受台10との長さ及び位置が設定されていても好適である。
【0146】
図24に示すように、第2実施形態にかかるリクライニング式ベッド54では、尻部受台4が基台2に対して平行に設けられており、基台2は水平面に対して平行に設けられている。よって、尻部受台4は、水平面に対して平行となっている。
【0147】
この第2実施形態では、尻部受台4(水平面)に対する背部受台9の角度をθ、背部受台9に対する肩部受台10の角度をφ、尻部受台4(水平面)に対する大腿部受台26の角度をηとする。また、尻部受台4に対する肩部受台10の角度をα(α=θ+φ:前倒れ防止角ともいう)とする。
【0148】
なお、前述したリクライニング式ベッド54では、各受台(背部受台9、肩部受台10、大腿部受台26又は下腿部受台27)を駆動する各々のアクチュエータに、アクチュエータの駆動力の伝達/非伝達を切り替えるクラッチ機構(図示せず)が設けられている。
【0149】
また、これらのクラッチ機構の作動部は、共通のワイヤー(図示せず)に接続されており、この共通のワイヤーを操作することで、各受台に設けられている全てのクラッチ機構を同時に非伝達にすることができる。なお、クラッチ機構は、公知の各種クラッチを適用できる。
【0150】
[背上げ(下げ)動作制御]
初めに、横臥者(ユーザ)によるリクライニング式ベッド54の背上げ(下げ)動作制御について説明する。このリクライニング式ベッド54の背上げ動作制御は、尻部受台4に対して肩部受台10と背部受台9を各々所定角度上昇させることにより行われる。
図25は、リクライニング式ベッド54の背上げ動作制御の一例を説明するフローチャートである。
【0151】
図26は、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26の経時的な動きの一例を説明する図であり、上図は、背部受台9に対する肩部受台10の角度φの経時的な動きであり、中図は、尻部受台4に対する背部受台9の角度θの経時的な動きであり、下図は、尻部受台4に対する大腿部受台26の角度ηの経時的な動きを示す。
【0152】
図27は、背部受台9の角度θと肩部受台10の角度φとの経時的な関係を示す図である。
【0153】
図25に示すように、ステップS101において、操作装置(図示せず)は、横臥者が操作装置(図示せず)の背上げボタンを押下することで、制御装置52(
図6参照)に背上げ指令を出力する。
【0154】
ステップS102において、制御装置52は、背上げ指令をトリガとして、背部受台9の現在の角度θ(動作点)と、肩部受台10の現在の角度φ(動作点)を取得する。
【0155】
ステップS103において、制御装置52は、背部受台9の現在の角度θ(動作点)と、肩部受台10の現在の角度φ(動作点)とが、制御装置52に記憶された所定の制御パターンの上にあるか否かを判定する。
【0156】
ここで、制御装置52に記憶された各受台の制御パターンについて説明する。
制御装置52は、背部受台9、肩部受台10、大腿部受台26の各々について制御パターンを有している(
図3参照)。制御装置52は、横臥者による背上げ指令をトリガとして、この制御パターンに基づいて、背部受台9、肩部受台10、大腿部受台26の動作を制御する。
【0157】
図26の上図に示すように、肩部受台10の角度φの制御パターンでは、角度φは、時間の経過とともに増加し、所定の時間T1となった時点で、上限角度φxとなり、所定の時間T2まで、一定の角度φxを維持する。
【0158】
角度φは、所定の時間T2以降は時間の経過と共に減少し、時間Txとなった時点で、最小角度0(ゼロ)となる。
【0159】
実施形態では、上限角度φxは20度であり、肩部受台10は、背部受台9に対して0度から20度の範囲で屈曲する。
【0160】
図26の中図に示すように、背部受台9の角度θの制御パターンでは、角度θは、肩部受台10の角度がφ1(例えば、5度)になる時間Taまでは0(ゼロ)で一定となり、時間Ta(角度φがφ1となる時間)を超えた後、時間の経過と共に徐々に増加する。そして、背部受台9は、上限角度θxになった時点で停止する。
【0161】
実施形態では、上限角度φxは70度であり、背部受台9は、基台2(水平面)に対して0度から70度の範囲で屈曲する。
【0162】
図26の下図に示すように、大腿部受台26の角度ηの制御パターンでは、角度ηは、時間の経過と共に徐々に増加する。そして、角度ηは、所定の時間T3で上限角度η1となり、その後、時間の経過と共に減少する。そして、角度ηは、最大時間Txとなった時点で角度0(ゼロ)となり、大腿部受台20は停止する。
【0163】
この実施形態では、上限角度ηxは25度であり、大腿部受台26は、基台2(水平面)に対して0度から25度の範囲で屈曲する。
【0164】
よって、
図27に示すように、背部受台9の角度θと肩部受台10の角度φとの関係をみると、背部受台9の角度θが0(ゼロ)の時には、肩部受台10の角度φはφ1まで徐々に増加する。そして、背部受台9の角度θの増加と共に、肩部受台10の角度φも徐々に増加する。
【0165】
背部受台9の角度θがθ1(例えば、30度)からθ2(例えば、50度)の間は、肩部受台10の角度φは上限角度φx(例えば、20度)で一定となり、背部受台9の角度θがθ2を超えると、肩部受台10の角度φは徐々に減少し、角度θが上限角度θx(例えば、70度)となった時点で、肩部受台の角度φは0(ゼロ)となる。
【0166】
よって、
図25に戻って、前述したステップS103では、制御装置52は、取得した背部受台9の角度θと、肩部受台10の角度φが、角度θと角度φとの関係を示す制御パターン(
図27参照)のどこの位置にあるのかを判定する。
【0167】
制御装置52は、取得した角度θと角度φとが、
図27に示す制御パターン上にあると判定した場合(ステップS103、YES)、ステップS104において、制御装置52は、当該制御パターンに沿って、角度θを増加させて(
図26の右方向に移動させて)、背部受台9と肩部受台10とを動作させる。
【0168】
ステップS105において、制御装置52は、ステップS104で動作させた背部受台9の角度θがθ2(例えば、50度)、肩部受台の角度φが上限角度φx(例えば、20度)に到達したと判定した場合、背部受台9と肩部受台10の動作を停止する。
制御装置52は、背部受台9の角度θがθ2、肩部受台10の角度φが上限角度φxに到達した旨を、横臥者に報知すると共に、背上げ指令を解除してステップS101に戻る。
【0169】
この背部受台9の角度θ2(例えば、50度)、肩部受台10の上限角度φx(例えば、20度)を、第1動作点とも言い、リクライニング式ベッド54の背部受台9と肩部受台10をこの第1動作点に移動することによって、一般的な横臥者にとって最も楽な起立姿勢を作ることができる。
【0170】
ステップS106において、制御装置52は、背部受台9の角度θが上限角度θx(例えば、70度)、肩部受台10の角度φが0(ゼロ)に到達したと判定した場合、背部受台9と肩部受台10の動作を停止する。
制御装置52は、背部受台9の角度θが上限角度θx、肩部受台10の角度φが0(ゼロ)に到達したため、各受台の動作を終了する旨を横臥者に報知すると共に、背上げ指令を解除してステップS101に戻る。
【0171】
ここで、ステップS103において、制御装置52は、取得した背部受台9の角度θと、肩部受台10の角度φとが、
図27に示す制御パターン上にないと判定した場合(ステップS103、NO)、ステップS107において、制御装置52は、背部受台9と肩部受台10とを動作させて(角度θと角度φを変えて)、角度θ(動作点)と角度φ(動作点)を制御パターン上に移動させる。
【0172】
その後、ステップS104に進み、制御装置52は、角度θを増加させて(
図27の右方向に移動させて)、背部受台9と肩部受台10とを制御パターンに沿って動作させる。
【0173】
次に、リクライニング式ベッドの背下げを行う場合には、操作装置(図示せず)は、横臥者による背下げ操作に基づいて、制御装置52に背下げ指令を出力する(ステップS101)。
【0174】
制御装置52は、背下げ指令をトリガとして、角度θと角度φを取得すると共に(ステップS102)、角度θと角度φが、
図27に示す制御パターン上にあるか否かを判定する(ステップS103)。
【0175】
そして、制御装置52は、当該制御パターンに沿って、角度θを減少させて(
図27の左方向に移動させて)、背部受台9と肩部受台10とを動作させる(ステップS104)。
【0176】
ステップS105において、制御装置52は、背部受台9の角度θがθ2(例えば、50度)、肩部受台10の角度φが上限角度φx(例えば、20度)に到達したと判定した場合、背部受台9と肩部受台10の動作を停止する。そして、制御装置52は、背部受台9の角度θがθ2、肩部受台10の角度φが上限角度φxに到達した旨を、横臥者に報知すると共に、背下げ指令を解除してステップS101に戻る。
【0177】
なお、制御装置52は、ステップS105で背部受台9と肩部受台10の動作を停止したのち、横臥者等が操作装置(図示せず)の背上げボタンを一定時間押下し続けている場合に、停止を解除して背上げ動作を再開する。
【0178】
または、制御装置52は、ステップS105で背部受台9と肩部受台10の動作を停止したのち、横臥者等が操作装置(図示せず)の背上げボタンを再度押下した場合に、停止を解除して背上げ動作を再開する。
【0179】
ステップS106において、制御装置52は、背部受台9の角度θが上限角度θx(例えば、70度)、肩部受台10の角度φが0(ゼロ)に到達したと判定した場合、背部受台9と肩部受台10の動作を停止する。そして、制御装置52は、背部受台9の角度θが上限角度θx、肩部受台10の角度φが0(ゼロ)に到達したため、各受台の動作を終了する旨を横臥者に報知すると共に、背上げ指令を解除してステップS101に戻る。
【0180】
ここで、ステップS103において、制御装置52は、取得した背部受台9の角度θと、肩部受台10の角度φとが、
図27に示す制御パターン上にないと判定した場合(ステップS103、NO)、ステップS107において、制御装置52は、背部受台9と肩部受台10とを動作させて(角度θと角度φを変えて)、角度θ(動作点)と角度φ(動作点)を制御パターン上に移動させる。
【0181】
その後、ステップS104に進み、制御装置52は、角度θを減少させて(
図27の左方向に移動させて)、背部受台9と肩部受台10とを制御パターンに沿って動作させる。
【0182】
[大腿部受台の制御]
次に、横臥者(ユーザ)が、リクライニング式ベッド54の大腿部受台26を、尻部受台4に対して所定角度上昇させる(降下させる)場合について説明する。
図28は、リクライニング式ベッド54の大腿部受台26の動作制御の一例を説明するフローチャートである。
【0183】
ステップS201において、操作装置(図示せず)は、横臥者による背上げ操作に基づいて、制御装置52に背上げ指令を出力する。
【0184】
ステップS202において、制御装置52は、背上げ指令をトリガとして、大腿部受台26の現在の角度η(動作点)を取得する。
【0185】
ステップS203において、制御装置52は、折返しフラグがONになっているか否かを判定する。
【0186】
ここで、折返しフラグとは、
図26の下図に示すように、大腿部受台26の角度ηが上限角度ηx(例えば、25度)を超えた場合に設定(ON)されるフラグである。つまり、
図26の下図において、上限角度ηxよりも左側は、折返しフラグが設定されておらず(折り返しフラグOFF)、右側は、折返しフラグが設定されている(折り返しフラグON)ことを意味する。
【0187】
制御装置52は、折返しフラグが設定されている(ON)場合、大腿部受台26の角度ηが徐々に増加して、上限角度ηx(例えば、25度)を超えたと判定する。そして、制御装置52は、折返しフラグが設定されていない(OFF)と判定した場合、大腿部受台26の角度ηが上限角度ηxを超えていないと判定する。
【0188】
制御装置52は、折返しフラグが設定されている(ON)と判定した場合(ステップS203、YES)、ステップS204に進み、制御装置52は、角度ηが0(ゼロ)であるか否かを判定する。
【0189】
制御装置52は、大腿部受台26の角度ηが0(ゼロ)であると判定した場合(ステップS204、YES)、ステップS205において、制御装置52は、大腿部受台26の動作を停止して、ステップS201に戻る。
【0190】
制御装置52は、大腿部受台26の角度ηが0(ゼロ)でないと判定した場合(ステップS204、NO)、ステップS206において、制御装置52は、角度ηを減少させるように大腿部受台26を動作させて、ステップS201に戻る。
【0191】
ここで、ステップS203において、制御装置52は、折返しフラグがONでない(OFFである)と判定した場合(ステップS203、NO)、ステップS207において、制御装置52は、大腿部受台26の角度ηが上限角度ηx(例えば、25度)であるか否かを判定する。
【0192】
制御装置52は、角度ηが上限角度ηxであると判定した場合(ステップS207、YES)、大腿部受台26の動作を停止して(ステップS208)、ステップS209に進む。
【0193】
ステップS209では、制御装置52は、折返しフラグを設定して(ON)、ステップS201に戻る。
【0194】
一方、ステップ207において、制御装置52は、角度ηが上限角度ηxでないと判定した場合(ステップS207、NO)、角度ηを増加させるように大腿部受台26を動作させたのち(ステップS210)、ステップS201に戻る。
【0195】
次に、横臥者(ユーザ)による背下げ指令に基づいて(ステップS201)、大腿部受台26を下降させる場合、制御装置52は、背下げ指令をトリガとして、大腿部受台26の現在の角度η(動作点)を取得したのち(ステップS202)、折返しフラグがOFFになっているか否かを判定する(ステップS203)。
【0196】
制御装置52は、折返しフラグが設定されていない(OFF)と判定した場合(ステップS203、YES)、角度ηが0(ゼロ)であるか否かを判定する(ステップS204)。
【0197】
制御装置52は、大腿部受台26の角度ηが0(ゼロ)であると判定した場合(ステップS204、YES)、大腿部受台26の動作を停止して(ステップS205)、ステップS201に戻る。
【0198】
制御装置52は、大腿部受台26の角度ηが0(ゼロ)でないと判定した場合(ステップS204、NO)、角度ηを減少させるように大腿部受台26を動作させて(ステップS206)、ステップS201に戻る。
【0199】
ここで、ステップS203において、制御装置52は、折返しフラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(ステップS203、NO)、大腿部受台26の角度ηが上限角度ηxであるか否かを判定する(ステップS207)。
【0200】
制御装置52は、角度ηが上限角度ηxであると判定した場合(ステップS207、YES)、大腿部受台26の動作を停止して(ステップS208)、ステップS209に進む。
【0201】
ステップS209では、制御装置52は、折返しフラグの設定を解除(OFF)して、ステップS201に戻る。
【0202】
一方、ステップ207において、制御装置52は、角度ηが上限角度ηxでないと判定した場合(ステップS207、NO)、角度ηを増加させるように大腿部受台26を動作させたのち(ステップS210)、ステップS201に戻る。
【0203】
次に、リクライニング式ベッド54の背上げ動作制御の他の一例を説明する。
前述した制御では、背部受台9と肩部受台10とを連動させて動作させる場合を例示して説明したが、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26とを連動させて動作させても良い。
【0204】
図29は、他の一例にかかる背上げ動作制御のフローチャートである。
【0205】
図30は、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26の経時的な動きの他の一例を説明する図であり、上図は、背部受台9に対する肩部受台10の角度φの経時的な動きであり、中図は、尻部受台4に対する肩部受台10の角度θの経時的な動きであり、下図は、尻部受台4に対する大腿部受台26の角度ηの経時的な動きを示す。
【0206】
図31は、背部受台9の角度θと肩部受台10の角度φと大腿部受台26の角度ηの経時的な関係を示す図であり、上図は、背部受台9の角度θと肩部受台10の角度φとの関係を示し、下図は、背部受台9の角度θと大腿部受台26の角度ηとの関係を示し、右図は、肩部受台10の角度φと大腿部受台26の角度ηとの関係を示す。
【0207】
図29に示すように、ステップS301において、操作装置(図示せず)は、横臥者(ユーザ)による背上げ操作に基づいて、制御装置52に背上げ指令を出力する。
【0208】
ステップS302において、制御装置52は、背上げ指令をトリガとして、背部受台9の現在の角度θ(動作点)と、肩部受台10の現在の角度φ(動作点)と、大腿部受台26の現在の角度η(動作点)を取得する。
【0209】
ステップS303において、制御装置52は、取得した背部受台9の角度θと、肩部受台10の角度φが、角度θと角度φとの関係を示す制御パターン(
図31の上図参照)のどの位置にあるのかを判定すると共に、取得した背部受台9の角度θと、大腿部受台26の角度ηが、角度θと角度ηとの関係を示す制御パターン(
図31の下図参照)のどの位置にあるのか、また、取得した肩部受台10の角度φと、大腿部受台26の角度ηが、角度φと角度ηとの関係を示す制御パターン(
図31の右図参照)のどこの位置にあるのかを判定する。
【0210】
ここで、背上げ動作制御の他の一例にかかる制御パターンは、大腿部受台26の角度ηの制御パターン以外は、前述した制御パターンと同じであるので、主に異なる部分について説明する。
【0211】
図30の下図に示すように、大腿部受台26の角度ηの制御パターンでは、角度ηは、時間の経過と共に増加し、所定の時間T1となった時点で上限角度ηx(例えば、25度)となり、所定の時間T2まで、上限角度ηxを維持する。
【0212】
角度ηは、所定の時間T2以降は時間の経過と共に減少し、時間Txとなった時点で、0(ゼロ)となる。
【0213】
このため、
図31の右図に示すように、肩部受台10の角度φと大腿部受台26の角度ηとの関係を示す制御パターンでは、角度φの増加に比例して角度ηも増加する。
【0214】
図29に戻って、制御装置52は、取得した背部受台9の角度θと、肩部受台10の角度φと、大腿部受台26の角度ηが、各々の制御パターン上にあると判定した場合(ステップS303、YES)、ステップS304において、制御装置52は、当該制御パターンに沿って、角度θを増加させて(
図31の右方向に移動させて)、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26を動作させる。
【0215】
ステップS305において、制御装置52は、ステップS304で動作させた背部受台9の角度θがθ2(例えば、50度)、肩部受台10の角度φが上限角度φx(例えば、20度)、大腿部受台26の角度ηが上限角度ηx(例えば、25度)に到達したと判定した場合、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26の動作を停止する。
【0216】
そして、制御装置52は、背部受台9の角度θがθ2、肩部受台10の角度φが上限角度φx、大腿部受台26の角度ηが上限角度ηxに到達した旨を、横臥者に報知すると共に、背上げ指令を解除してステップS301に戻る。
【0217】
この背部受台9の角度θ2(例えば、50度)、肩部受台10の上限角度φx(例えば、20度)、大腿部受台26の角度ηx(例えば、25度)を、第1動作点とも言い、リクライニング式ベッド54の背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26とをこの第1動作点に移動することによって、一般的な横臥者にとって最も楽な起立姿勢を作ることができる。
【0218】
ステップS306において、制御装置52は、背部受台9の角度θが上限角度θx、肩部受台10の角度φが0(ゼロ)、大腿部受台26の角度ηが0(ゼロ)に到達したと判定した場合、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26の動作を停止する。
【0219】
そして、制御装置52は、背部受台9の角度θが上限角度θx、肩部受台10の角度φが0(ゼロ)、大腿部受台26の角度ηが0(ゼロ)に到達したため、動作を終了する旨を横臥者に報知すると共に、背上げ指令を解除してステップS301に戻る。
【0220】
ここで、ステップS303において、制御装置52は、取得した背部受台9の角度θと、肩部受台10の角度φと、大腿部受台26の角度ηとが、
図31に示す制御パターン上にないと判定した場合(ステップS303、NO)、ステップS307において、制御装置52は、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26とを動作させて(角度θ、φ、ηを各々変えて)、各々の角度θ、φ、η(動作点)を、
図31に示す制御パターン上に移動させる。
【0221】
その後、ステップS304に進み、制御装置52は、当該制御パターンに沿って、角度θを増加させて(
図31の右方向に移動させて)、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26とを動作させる。
【0222】
次に、他の一例にかかる制御方法により、リクライニング式ベッドの背下げを行う場合には、操作装置(図示せず)は、横臥者による背下げ操作に基づいて、制御装置52に背下げ指令を出力する(ステップS301)。
【0223】
制御装置52は、背下げ指令をトリガとして、角度θ、φ、ηを取得すると共に(ステップS302)、角度θ、φ、ηが、
図31に示す制御パターン上にあるか否かを判定する(ステップS303)。
【0224】
そして、制御装置52は、角度θ、φ、ηの各々が、制御パターン上にあると判定した場合(ステップS303、YES)、当該制御パターンに沿って、角度θを減少させて(
図7の左方向に移動させて)、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26とを動作させる(ステップS304)。
【0225】
ステップS305において、制御装置52は、背部受台9の角度θがθ2(例えば、50度)、肩部受台10の角度φが上限角度φx(例えば、20度)、大腿部受台26の角度ηが上限角度ηx(例えば、25度)に到達したと判定した場合、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26の動作を停止する。そして、制御装置52は、背部受台9の角度θがθ2、肩部受台10の角度φが上限角度φx、大腿部受台26の角度ηが上限角度ηxに到達した旨を、横臥者に報知すると共に、背下げ指令を解除してステップS301に戻る。
【0226】
なお、制御装置52は、ステップS305で背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26の動作を停止したのち、横臥者等が操作装置(図示せず)の背上げボタンを一定時間押下し続けている場合に、停止を解除して背上げ動作を再開する。
【0227】
または、制御装置52は、ステップS305で背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26の動作を停止したのち、横臥者等が操作装置(図示せず)の背上げボタンを再度押下した場合に、停止を解除して背上げ動作を再開する。
【0228】
ステップS306において、制御装置52は、背部受台9の角度θが上限角度θx、肩部受台10の角度φが0(ゼロ)、大腿部受台26の角度ηが0(ゼロ)に到達したと判定した場合、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26の動作を停止する。そして、制御装置52は、背部受台9の角度θが上限角度θx、肩部受台10の角度φが0(ゼロ)、大腿部受台26の角度ηが0(ゼロ)に到達したため、各受台の動作を終了する旨を横臥者に報知すると共に、背上げ指令を解除してステップS301に戻る。
【0229】
ここで、ステップS303において、制御装置52は、取得した背部受台9の角度θと、肩部受台10の角度φ、大腿部受台26の角度ηが、
図31に示す制御パターン上にないと判定した場合(ステップS303、NO)、ステップS307において、制御装置52は、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26を動作させて(角度θ、φ、ηの各々を変えて)、角度θ、φ、ηを変えて制御パターン上に移動させる。
その後、ステップS304に進み、制御装置52は、角度θを減少させて(
図31の左方向に移動させて)、背部受台9と肩部受台10と大腿部受台26とを制御パターンに沿って動作させる。
【0230】
[前倒れ防止制御]
次に、横臥者(ユーザ)の前倒れを防止する制御について説明する。
この前倒れ防止制御は、背部受台9と肩部受台10とが所定角度を超えて傾きが大きくならないように制御することで、横臥者が前方(足先の方)に倒れてしまうことを防止するものである。
図32は、前倒れ防止制御のフローチャートである。
【0231】
ステップS401では、操作装置は、横臥者(ユーザ)による背部受台9の角度θ又は肩部受台10の角度φの何れか一方を増加させる操作に基づいて、制御装置52に角度θ又は角度φの増加指令を出力する。
【0232】
ステップS402では、制御装置52は、この前倒れ防止制御が有効か否かを判定する。リクライニング式ベッド54では、横臥者(ユーザ)や介護者による操作により前倒れ防止制御の有効/無効が設定できるようになっている。
【0233】
よって、制御装置52は、横臥者等により前倒れ防止制御が有効に設定されている場合は、有効と判定し(ステップS402、YES)、前倒れ防止制御が無効に設定されている場合は、無効と判定する(ステップS402、NO)。
【0234】
制御装置52は、前倒れ防止制御が有効と判定すると(ステップS402、YES)、背部受台9の角度θと肩部受台10の角度φを取得すると共に、取得した角度θ、φに基づいて、前倒れ防止角度α(α=θ+φ)を算出する(ステップS403)。
【0235】
ステップS404において、制御装置52は、前倒れ防止角度αが、限界角度αx(例えば、90度)以下であるか否かを判定する。
【0236】
制御装置52は、前倒れ防止角度αが限界角度αx(例えば、90度)未満であると判定した場合(ステップS404、YES)、制御装置52は、横臥者による増加指令のあった背部受台9の角度θ又は肩部受台10の角度φの何れか一方を増加させたのち(ステップS405)、ステップS401に戻る。
【0237】
一方、制御装置52は、前倒れ防止角度αが限界角度αx(例えば、90度)以上であると判定した場合(ステップS404、NO)、制御装置52は、背部受台9の角度θ又は肩部受台10の角度φの何れか一方を増加させると共に、他方を減少させることによって、前倒れ防止角度αを限界角度αxに維持して(ステップS406)、ステップS401に戻る。
【0238】
これにより、横臥者の背部受台(又は肩部受台)の上昇操作の希望を叶えつつ、背部受台9又は肩部受台10が傾きが大きくなることによる、横臥者の前倒れを防止できる。
【0239】
ここで、ステップS402において、制御装置52は、この前倒れ防止制御が有効でない(無効)と判定した場合(ステップS402、NO)、制御装置52は、背部受台9の角度θ又は肩部受台10の角度φの何れか一方を増加するように、背部受台9又は肩部受台10を動作させる制御を行ったのち(ステップS407)、ステップS401に戻る。
【0240】
なお、前述したステップS404で、前倒れ防止角度αが、限界角度αxよりも大きい場合(ステップS404、NO)、ステップS406で、角度θ又は角度φ一方を増加させ、他方を減少させる制御を行ったが、角度θ又は角度φの増加指令(ステップS401)を受けても、増加指令のあった角度を増加させないように制御してもよい。
【0241】
また、前倒れ防止角度αが、限界角度αxを超えないように、背部受台9と肩部受台10の可動(起立)範囲の最大値θx、φxを機械的に制限しても良い。
【0242】
これにより、背部受台9の角度θ又は肩部受台10の角度φの増加指令により、角度θ、φに基づいて算出された前倒れ防止角度αが、限界角度αxを超える場合には、増加指令のあった角度θ又は角度φを増加させつつ、他の角度φ又は角度θを減少させて、前倒れ防止角度αが限界角度αxを超えないようにしている。
【0243】
よって、横臥者が前倒れするのを回避しつつ、横臥者(又は看護者)から指示のあった背部受台9又は肩部受台10を上昇させることができるので、横臥者(又は看護者)の操作要求を満足させることができる。
【0244】
[身体負荷制限制御]
次に、横臥者(ユーザ)の身体負荷を制限する制御について説明する。
【0245】
横臥者(ユーザ)は、リクライニング式ベッド54に横たわっている状態において、大腿部に対して背部や肩部が所定角度よりも大きく屈曲すると、大腿部受台26と背部受台9と肩部受台10との間に挟まれる形となり、身体に大きな負荷を感じることがある。
そこで、リクライニング式ベッド54では、横臥者(ユーザ)が、大腿部受台26と背部受台9と肩部受台10とを上昇させる際に、大腿部に対して、背部や肩部が所定角度よりも大きく屈曲しないように制御することで、横臥者が、これらの受台に挟まれて身体に大きな負荷を感じることを制限(防止)するものである。
【0246】
図33は、横臥者に対するリクライニング式ベッド54の角度γと角度βの定義を説明する模式図である。
図34は、身体負荷制限制御のフローチャートである。
【0247】
図33に示すように、リクライニング式ベッド54では、横臥者の膝部に当たる大腿部受台26と下腿部受台27との回転軸41(屈曲部)と、横臥者の下腹部の裏に当たる背部受台9と尻部受台4との回転軸14(屈曲部)を結ぶ線分K1と肩部受台10との成す角度をγ(第1腰屈曲角度γともいう)、横臥者の上腹部(みぞおち)の裏に当たる線分K1と背部受台9との成す角度をβ(第2腰屈曲角度βともいう)とする。
【0248】
第1腰屈曲角γは、横臥者の下腹部付近の屈曲レベル(つまり屈曲の程度)を示す値であり、第2腰屈曲角βは、横臥者の上腹部から胸にかけての部分の屈曲レベル(つまり屈曲の程度)を示す値であり、いずれも、横臥者の身体の負担の程度を示す。これらの第1腰屈曲角度γと第2腰屈曲角度βとが各々所定の上限角度を超えないように制御することで、横臥者が大腿部受台26と背部受台9と肩部受台10とで挟まれた形となって、身体に余計な負担がかかることを回避している。
【0250】
図34に示すように、ステップS501では、操作装置(図示せず)は、横臥者(ユーザ)による背部受台9の角度θ、肩部受台10の角度φ又は大腿部受台26の角度ηの何れかを増加させる操作に基づいて、制御装置52に角度θ、角度φ又は角度ηの増加指令を出力する。
【0251】
ステップS502では、制御装置52は、この身体負荷制限制御が有効か否かを判定する。リクライニング式ベッドでは、横臥者(ユーザ)や介護者による操作により身体負荷制限制御の有効/無効が設定できるようになっている。
【0252】
よって、制御装置52は、横臥者等により身体負荷制限制御が有効に設定されている場合は、有効と判定し(ステップS502、YES)、身体負荷制限制御が無効に設定されている場合は、無効と判定する(ステップS502、NO)。
【0253】
身体負荷制限制御が有効に設定されていると判定した場合(ステップS502、YES)、ステップS503において、制御装置52は、背部受台9の現在の角度θ、肩部受台10の現在の角度φ、大腿部受台26の現在の角度ηに基づいて第1腰屈曲角度γと第2腰屈曲角度βを算出する。
【0254】
ステップS504において、制御装置52は、第2腰屈曲角度βが所定の上限角度βn以上か否かを判定する。
【0255】
第2腰屈曲角度βが所定の上限角度βn以上であると判定された場合(ステップS504、YES)、ステップS505において、制御装置52は、さらに第1腰屈曲角度γが所定の上限角度γn以上か否かを判定する。
【0256】
第1腰屈曲角度γが所定の上限角度γn以上であると判定された場合(ステップS505、YES)、ステップS506において、制御装置52は、横臥者から増加指令にあった角度θ、角度φ又は角度ηの何れかを増加させるように背部受台9、肩部受台10又は大腿部受台26を動作させたのち、ステップS501に戻る。
【0257】
一方、ステップS505において、第1腰屈曲角度γが所定の上限角度γn以上であると判定された場合(ステップS505、NO)、制御装置52は、横臥者から増加指令にあった角度θ、角度φ又は角度ηの何れかを増加させると共に、横臥者から増加指令のない他の角度θ、角度φ又は角度ηの何れか一方(又は両方)を減少させて(ステップS507)、第1腰屈曲角度γを所定の上限角度γn以上となるように背部受台9、肩部受台10又は大腿部受台26を動作させたのち、ステップS501に戻る。
【0258】
ここで、ステップS504において、第2腰屈曲角度βが所定の上限角度βn未満であると判定された場合(ステップS504、NO)、ステップS508において、制御装置52は、さらに第1腰屈曲角度γが所定の上限角度γn以上か否かを判定する。
【0259】
テップS508において、第1腰屈曲角度γが所定の上限角度γn以上であると判定された場合(ステップS508、YES)、制御装置52は、横臥者から増加指令にあった角度θ、角度φ又は角度ηの何れかを増加させると共に、横臥者から増加指令のない他の角度θ、角度φ又は角度ηの何れか一方(又は両方)を減少させて(ステップS509)、第2腰屈曲角度βを所定の上限角度βn以上となるように背部受台9、肩部受台10又は大腿部受台26を動作させたのち、ステップS501に戻る。
【0260】
一方、テップS508において、第1腰屈曲角度γが所定の上限角度γn未満であると判定された場合(ステップS508、NO)、制御装置52は、横臥者から増加指令にあった角度θ、角度φ又は角度ηの何れかを増加させると共に、横臥者から増加指令のない他の角度θ、角度φ又は角度ηの何れか一方(又は両方)を減少させて(ステップS510)、第2腰屈曲角度βを所定の上限角度βn以上、及び第1腰屈曲角度γを所定の上限角度γn以上となるように背部受台9、肩部受台10又は大腿部受台26を動作させたのち、ステップS501に戻る。
【0261】
ここで、ステップS502において、身体負荷制限制御が無効に設定されていると判定した場合(ステップS502、NO)、ステップS508において、制御装置52は、横臥者から増加指令にあった角度θ、角度φ又は角度ηの何れかを増加させるように背部受台9、肩部受台10又は大腿部受台26を動作させたのち、ステップS501に戻る。
【0262】
これにより、第1腰屈曲角度γ又は第2腰屈曲角度βの何れか一方が、所定の上限角度γ、βを超えている場合、増加指令のあった何れかの角度θ、φ、ηを増加させつつ、増加指令のない他の角度θ、φ、ηを減少させて、第1腰屈曲角度γ又は第2腰屈曲角度βが上限角度γ、βを超えないようにできる。
よって、横臥者が、背部受台9、肩部受台10及び大腿部受部26の間に挟まれる形になることを回避し、横臥者の身体的に大きな負荷が加わるのを制限することができる。
【0263】
次に、身体負荷制限制御の他の一例について説明する。
【0264】
図35は、他の一例にかかる身体負荷制限制御のフローチャートである。
【0265】
前述した身体負荷制限制御では、横臥者(ユーザ)による背部受台9の角度θ、肩部受台10の角度φ又は大腿部受台26の角度ηの何れかを増加させる操作に基づいて、横臥者から要求のあった角度θ、角度φ又は角度ηを増加させると共に、要求のない他の角度θ、角度φ又は角度ηを減少させる制御を行っていた。一方、この他の一例にかかる身体負荷制限制御では、肩部受台10の角度φのみを制御することで、横臥者の身体に大きな負荷がかかるのを制限することができる。
【0266】
図35に示すように、ステップS601では、操作装置(図示せず)は、横臥者による肩部受台10の角度φを増加させる操作に基づいて、制御装置52に角度φを増加させる指令を出力する。
【0267】
ステップS602では、制御装置52は、この他の例にかかる身体負荷制限制御が有効か否かを判定する。
【0268】
他の例にかかる身体負荷制限制御が有効に設定されていると判定した場合(ステップS602、YES)、ステップS603において、制御装置52は、肩部受台9の現在の角度φを取得する。
【0269】
ステップS604において、制御装置52は、肩部受台9の角度φが上限角度φx(例えば、20度)以下か否かを判定し、角度φが上限角度φx以下であると判定した場合(ステップS604、YES)、角度φを増加させるように肩部受台10を動作させる(ステップS605)。
【0270】
ステップS604において、制御装置52は、角度φが上限角度φx以上であると判定した場合(ステップS604、NO)、横臥者による角度φを増加させる指令を無効として、角度φが上限角度φを超えないように制御する(ステップS606)。
【0271】
一方、ステップS602において、他の例にかかる身体負荷制限制御が無効に設定されていると判定した場合(ステップS602、NO)、ステップS607において、制御装置52は、横臥者の角度φを増加させる指令に基づいて、角度φを増加させるように肩部受台10を動作させる。
【0272】
これにより、肩部受部10の角度φを制御することで、肩部受台10が曲がりすぎることを防止し、横臥者の身体に大きな負荷がかかることを回避することができる。
【0273】
なお、前述では、肩部受部10の角度φを制御することで、肩部受部10が曲がりすぎることを防止していたが、肩部受部10の可動範囲の最大値が、上限角度φxを超えないように、肩部受台10の可動範囲を機械的に制限しても良い。
【0274】
[受台移動速度調節制御]
次に、各受台の移動速度を調節する制御について説明する。
図36は、受台移動速度調節制御のフローチャートである。
【0275】
図36に示すように、ステップS701において、制御装置52は、各受台(例えば、背部受台9、肩部受台10又は大腿部受台26)が移動している途中か否かを判定し、移動している途中でないと判定した場合(ステップS701、NO)、このステップS701の処理を繰り返す。
【0276】
ステップS701において、制御装置52は、各受台(例えば、背部受台9、肩部受台10又は大腿部受台26)が移動している途中であると判定した場合(ステップS701、YES)、ステップS701において、制御装置52は、移動中の受台の速度を増加(又は減少)させる指令を、当該受台を動作させる駆動機構48〜50(
図6参照:アクチュエータ)に出力する。
【0277】
そして、ステップS703において、駆動機構48〜50は、各受台に供給する電力を増加(又は減少)させて、各受台の移動速度を増加(又は減少)させたのち、ステップS701に戻る。
【0278】
これにより、各受台の移動速度を調整することができるので、横臥者(又は看護者)が快適と感じる適切な速度でベッドの起倒を実現することができる。
【0279】
前記した、制御装置52による受台移動速度調節制御(ステップS701〜S703)が、本発明の速度調節装置を構成する。
【0280】
[昇降解除制御]
次に、各受台(背部受台9、肩部受台10、大腿部受台26又は小腿部受台27)の少なくとも何れか1つ又は全てを同時に、上昇(起立)状態から水平状態に移行する制御を説明する。
【0281】
図37は、昇降解除制御のフローチャートである。
【0282】
初めに、ステップS801において、制御装置52は、各受台を昇降させるアクチュエータ(図示せず)の駆動力を伝達するクラッチ機構(図示せず)が締結されているか否かを判定し、締結状態であると判定した場合(ステップS801、YES)、ステップS802に進み、締結されていないと判定した場合(ステップS801、NO)、処理を終了する。
【0283】
ステップS802において、制御装置52は、看護者などによりリリースボタン(図示せず)が押下されたか否かを判定し、リリースボタンが押下さていると判定した場合(ステップS802、YES)、ステップS803に進み、リリースボタンが押下されていないと判定した場合(ステップS802、NO)、処理を終了する。
【0284】
ステップS803において、制御装置52は、リリースボタンの押下が誤動作であるか否かを判定し、誤動作でないと判定した場合(ステップS803、YES)、ステップS804に進み、誤動作であると判定した場合(ステップS803、NO)、処理を終了する。
【0285】
ステップS804において、制御装置52は、各受台のクラッチ機構の切り離しを行い、ステップS805に進む。
【0286】
ステップS805では、制御装置52は、所定時間が経過いしているか否かを判定し、所定時間経過していると判定した場合(ステップS805、YES)、ステップS801へ戻り、所定時間経過していないと判定した場合(ステップS805、NO)、所定時間経過するまで、ステップS805の処理を繰り返す。
【0287】
これにより、緊急時に起立状態の横臥者を瞬時に水平状態にすることができ、横臥者に対する処置を行いやすくすることができる。
【0288】
なお、前述した実施の形態では、背部受台9と肩部受台10との屈曲部は、背部受台9と肩部受台10を、所定の背屈曲位置調節機構11の回転軸22回りに回転させて行う場合を例示して説明したが、受台を、横臥者の身体に合った形状に、よりきめ細かく屈曲させるために、以下のような様々な方法が考えられる。
【0289】
そのような受台の屈曲機構(方法)の一例として、
図2に示す背屈曲位置調節機構11の回転軸22を、同一の背屈曲位置調節機構11に複数設けても良い。この場合、背屈曲位置調節機構11では、複数の回転軸22の位置で屈曲するので、背部受台9と肩部受台10との間の形状を、横臥者の身体(特に背中の胸椎列)の形状に合った形状とすることができる。よって、横臥者は、より楽な姿勢で起き上がることができる。
【0290】
さらに、受台をきめ細かく屈曲させるための他の実施形態を、
図38を用いて説明する。
図38に示すリクライニング式ベッドの受台は、上半身受台を、3つの可動受台(上半身部分受部)に分割して、上記実施形態よりもきめ細かく屈曲運動が出来るように構成した一例である。
【0291】
図38に示す受台では、背部受台9が、横臥者の上半身の身長方向で位置の異なる3つの部分を受ける、相互に屈曲可能な3以上の上半身部分受部9A、9B、9Cを有している。
【0292】
上半身部分受部9A、9B、9Cは、各々の屈曲部9A1、9B1、9C1で相互に屈曲可能に設けられており、これら上半身部分受部9A、9B、9Cの屈曲部9A1、9B1、9C1のうち、少なくとも何れか1つは、横臥者の上半身の第2胸椎から第12胸椎の少なくとも一つの位置に対応した位置に配置されている。
【0293】
このようにすると、背部受台9自体の形状を横臥者の身体(特に背中の胸椎列)の形状に合った形状とすることができる。よって、横臥者は、より楽な姿勢で起き上がることができる。
【0294】
なお、前述した構成は、背部受台9だけではなく、他の受台(例えば、肩部受台10)にも好適に適用できる。また、それぞれの部分受台を、3つ以上設けることで、よりきめ細かな屈曲動作を行うことができる。
【0295】
あるいは、また受台を、柔軟な材料または柔軟に形状が変わる機構にして、横臥者の身体形状によりよくフィットし、身体への負担をできるだけ最小化し、身体の快適性をできるだけ最大化するように、上半身受台が運動するように構成してもよい。
【0296】
図39は、そのような実施形態の一つにかかるリクライニング式ベッド1Aの受台である。
図39に示すように、リクライニング式ベッド1Aは、横臥者と接触する上層70と、横臥者の体重を支持する下層(以下、支持層71という)とを備えている。
【0297】
上層70は、柔軟性を有する弾性部材であり、横臥者が楽な姿勢で寝られるような、比較的柔らかい材料で形成されている。
【0298】
支持層71は、例えば、横臥者の下腿部を支持する第1支持層71A、大腿部を支持する第2支持層71B、尻部を支持する第3支持層71C、背部を支持する第4支持層71D、肩部を支持する第5支持層71Eと、を有している。
【0299】
それぞれの第1支持層71A〜第5支持層71Eの間は、所定の間隙が設けられており、この間隙には、例えば、上層70と同様の柔軟性のある柔らかい材料で充填されている。このため、第1支持層71A〜第5支持層71Eは、それぞれの間隙で屈曲可能に設けられている。
【0300】
これらの第1支持層71A〜第5支持層71Eは、それぞれアクチュエータ(図示せず)で起倒可能に設けられており、アクチュエータで、第1支持層71A〜第5支持層71Eを起倒させることで、リクライニング式ベッド1Aは、第1支持層71A〜第5支持層71Eの間で屈曲し、横臥者の姿勢に適した形状に変化する。これにより、リクライニング式ベッドの屈曲位置をより柔軟に変化させることができ、リクライニング式ベッドの快適性を高めることができる。
【0301】
なお、前述では、第1支持層71A〜第5支持層71Eの5つの支持層を設けた場合を例示して説明したが、より多くの支持層を設けて、リクライニング式ベッドの屈曲位置をより柔軟に変化させても良い。
【0302】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これは説明のための例示にすぎず、この実施形態に本発明の範囲を制限する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態以外のさまざまな態様で実施することができる。