特許第6738910号(P6738910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6738910形状記憶ポリマーの展開用の化学物質の徐放
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6738910
(24)【登録日】2020年7月22日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】形状記憶ポリマーの展開用の化学物質の徐放
(51)【国際特許分類】
   E21B 33/12 20060101AFI20200730BHJP
   C08J 9/04 20060101ALI20200730BHJP
   C08L 75/04 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   E21B33/12
   C08J9/04 101
   C08L75/04
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-562673(P2018-562673)
(86)(22)【出願日】2017年5月8日
(65)【公表番号】特表2019-519701(P2019-519701A)
(43)【公表日】2019年7月11日
(86)【国際出願番号】US2017031531
(87)【国際公開番号】WO2017222656
(87)【国際公開日】20171228
【審査請求日】2018年11月29日
(31)【優先権主張番号】15/188,008
(32)【優先日】2016年6月21日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517318263
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人サカモト・アンド・パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】サンカラン・ムルゲサン
(72)【発明者】
【氏名】オレッグ・エイ・マヅィアー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレリー・エヌ・カバシェスク
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0259587(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0284046(US,A1)
【文献】 国際公開第2016/060765(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/038258(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 33/12
C08J 9/04
C08L 75/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダウンホール装置の設置方法であって、
基材及び前記基材上に配置された、変形した状態形状記憶ポリマーを備えるダウンホール装置を掘削坑中に導入することと、
粉末、ヒドロゲル、キセロゲル、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせの形態の改質活性化材を担体と配合して、活性化流体を用意することであって、前記改質活性化材が改質剤を含み、前記改質剤が可溶性ケイ酸塩、炭水化物、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含むことと、
前記活性化流体を前記掘削坑中に導入することと、
超音波処理または電磁場の存在下で、前記改質活性化材から液状の活性化剤を放出させることと、
前記変形した状態の前記形状記憶ポリマーを、前記形状記憶ポリマーを展開させるのに有効な量の前記放出された活性化剤と接触させることであり、前記展開した形状記憶ポリマーが連続気泡発泡体であり、前記改質活性化材の粒子径が前記連続気泡発泡体の細孔径未満であること
を特徴とする前記方法。
【請求項2】
ダウンホール装置の設置方法であって、
基材及び前記基材上に配置された、変形した状態の形状記憶ポリマーを備えるダウンホール装置を掘削坑中に導入することと、
前記ダウンホール装置を、水、ブライン、炭化水素、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む第1の流体と接触させることと、
粉末、ヒドロゲル、もしくはキセロゲル、または以下の少なくとも1種を含む組み合わせの形態の改質活性化材を担体と配合して、活性化流体を用意することであって、前記改質活性化材が改質剤を含み、前記改質剤が可溶性ケイ酸塩、炭水化物、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含むことと、
前記活性化流体を、前記形状記憶ポリマー中の第1の流体を前記活性化流体で置換するのに十分な圧力で前記掘削坑中に注入することと、
超音波処理または電磁場の存在下で、前記改質活性化材から液状の活性化剤を放出させることと、
前記変形した状態の前記形状記憶ポリマーを、前記形状記憶ポリマーを展開させるのに有効な量の前記放出された活性化剤と接触させることであり、前記展開した形状記憶ポリマーが連続気泡発泡体であり、前記改質活性化材の粒子径が前記連続気泡発泡体の細孔径未満であることと、
前記展開した形状記憶ポリマーから前記放出された活性化剤を除去することと
を特徴とする前記方法。
【請求項3】
前記活性化剤を放出させることが、前記改質剤を溶解させること、前記改質剤を腐食させること、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記改質剤を腐食させることが、熱分解、化学的分解、触媒による分解、pHの変化に応じた分解、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記展開した形状記憶ポリマーから前記放出された活性化剤を除去することを更に特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記改質活性化材を、噴霧乾燥、噴霧冷却及び冷却、コアセルベーション、カプセル化、流動床コーティング、回転式懸濁液分離、パンコーティング、エアサスペンションコー
ティング、遠心押出、もしくは振動ノズル、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせによって形成することを更に特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記放出された活性化剤が、ASTM D3828に準拠して測定した引火点が約22℃未満の成分を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記放出された活性化剤が、ジメチルスルホキシド、ケトン、アルコール、グリコール、エーテル、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記形状記憶ポリマーが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ尿素、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−ビニルエステル共重合体、フェノールポリマー、ポリベンズイミダゾール、N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミドで架橋されたポリエチレンオキシド/アクリル酸/メタクリル酸共重合体、エチレングリコールジメタクリラートで架橋されたポリエチレンオキシド/メタクリル酸/N−ビニル−2−ピロリドン共重合体、もしくはエチレングリコールジメタクララートで架橋されたポリエチレンオキシド/ポリ(メタクリル酸メチル)/N−ビニル−2−ピロリドン共重合体、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
前記形状記憶ポリマーがポリウレタンを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
前記ダウンホール装置が、孔径拡大ツール、スクリーン、パッカー、または密閉プラグである、請求項1または2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年6月21日出願の米国出願第15/188,008号の優先権を主張し、上記出願はその全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
形状記憶ポリマー(SMP)は、当該ポリマーのガラス転移温度(Tg)を超える温度に加熱された場合に該ポリマーの当初の形状を復元するポリマーである。最初に形状記憶ポリマーをガラス転移温度を超える温度に加熱し且つ該ポリマーを賦形し、続いてガラス転移温度よりも低い温度に冷却することにより上記形状を固定化することによって、上記形状記憶ポリマーから物品が形成される。展開に際しては、上記賦形された物品が上記ガラス転移温度を超える温度または上記ガラス転移温度よりもわずかに低い温度に加熱されて、最初に成形された形状を回復させることができる。
【0003】
形状記憶ポリマーは、様々なダウンホール用途、特に掘削孔の一部を密封するまたはエレメントの周囲の間隔を閉ざす必要があるダウンホール用途向けの、当該掘削孔と同軸であってもまたは同軸でなくてもよいエレメントの構造の材料として有用である。形状記憶ポリマーは砂防用途に用いることもできる。
【0004】
形状記憶作用は、温度変化に加えて、電場もしくは磁場、光、特定の流体との接触、またはpHの変化によっても誘発することができる。種々の方法を用いて賦形された物品を展開させることができるが、それらに代わる効果的な方法が絶えず探索されている。
【発明の概要】
【0005】
ダウンホール装置の設置方法は、基材及び上記基材上に配置された、変形した状態の形状記憶ポリマーを備えるダウンホール装置を掘削坑中に導入することと;粉末、ヒドロゲル、キセロゲル、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせの形態の改質活性化材を担体と配合して、活性化流体を用意することと;上記活性化流体を上記掘削坑中に導入することと;上記改質活性化材から液状の活性化剤を放出させることと;上記変形した状態の上記形状記憶ポリマーを、上記形状記憶ポリマーを展開させるのに有効な量の上記放出された活性化剤と接触させることとを含む。
【0006】
ダウンホール装置の設置方法は、基材及び上記基材上に配置された、変形した状態の形状記憶ポリマーを備えるダウンホール装置を掘削坑中に導入することと;上記ダウンホール装置を、水、ブライン、炭化水素、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む第1の流体と接触させることと;粉末、ヒドロゲル、もしくはキセロゲル、または以下の少なくとも1種を含む組み合わせの形態の改質活性化材を担体と配合して、活性化流体を用意することと;上記活性化流体を、上記形状記憶ポリマー中の第1の流体を上記活性化流体で置換するのに十分な圧力で上記掘削坑中に注入することと;上記改質活性化材から液状の活性化剤を放出させることと;上記変形した状態の上記形状記憶ポリマーを、上記形状記憶ポリマーを展開させるのに有効な量の上記放出された活性化剤と接触させることと;上記展開した形状記憶ポリマーから上記放出された活性化剤を除去することとを含む。
【0007】
以下の説明は、何ら限定するものと見なされるべきではない。添付の図面を参照すると、同様の構成要素には同様の番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係る改質活性化材の粒子を示す図である。
図2】本開示の別の実施形態に係る改質活性化材の粒子を示す図である。
図3】例示的な展開する前のダウンホール装置を示す図である。
図4】本開示の一実施形態に係る、展開した後のダウンホール装置を示す図である。
図5】本開示の別の実施形態に係る、展開した後のダウンホール装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
形状記憶ポリマーを備えるダウンホール装置の効率的な設置方法が開示される。設置する前に、当該形状記憶ポリマーを荷重下で該ポリマーのガラス転移温度を超える温度に加熱して、変形した状態の形状記憶ポリマーを形成する。上記圧縮した形状記憶ポリマーを所望の位置に配置した後、該ポリマーを活性化剤と接触させる。上記活性化剤は当該形状記憶ポリマーのガラス転移温度を低下させ、且つ/または当該ポリマーの剛性を低下させ、したがって該形状記憶ポリマーの展開を容易にする。本明細書では、展開とは、当該形状記憶ポリマーがその当初の形状に復帰しようとすることになる、または拘束される場合には、当該形状記憶ポリマーが当該の新たな拘束された形状に従うことになることを意味する。上記形状記憶ポリマーは連続気泡発泡体であることが好ましい。バルク状の形状記憶ポリマーを用いることもできる。
【0010】
活性化剤は通常室温で液体である。上記活性化剤の特定の成分の引火点が22℃未満であってもよい。かかる活性化剤は、特に多量に使用される場合には、取扱いが困難である場合がある。本明細書に開示の方法は、粉末、ヒドロゲル、またはキセロゲルの形態の改質活性化材を用いる。上記改質活性化材は、ある位置から別な位置への移動が容易であり、引火点がより高く、特定の活性化剤に伴う潜在的な揮発分が回避される。更に、水またはブライン中で上記改質材を溶解または腐食させることによって、上記粉末、ヒドロゲル、またはキセロゲルから上記活性化剤を徐放させることができる。
【0011】
本明細書では、活性化剤とは、当該形状記憶ポリマーのガラス転移温度及び/または剛性を低下させるのに有効な物質である。例示的な活性化剤としては、ジメチルスルホキシド、ケトン、アルコール、グリコール、エーテル、及びこれらの少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられるが、これらに限定はされない。例示的なアルコールとしては、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールが挙げられる。例示的なグリコールとしては、エチレングリコール及びプロピレングリコールが挙げられる。例示的なエーテルとしては、エチレングリコールモノブチルエーテル(EGMBE)が挙げられる。特定のケトンとしては、アセトン及びアセチルアセトンが挙げられる。一実施形態において、上記活性化剤のASTM_D3828に準拠して測定した引火点は、約22℃未満、約20℃未満、または約18℃未満である。
【0012】
上記活性化剤は通常室温で液体である。改質活性化材は、粉末、ヒドロゲル、キセロゲル、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせの形態である。上記液体の活性化剤は、改質剤を用いて改質活性化材へと変換することができる。
【0013】
本明細書に開示の方法に好適な改質剤としては、水またはブラインに可溶な改質剤が挙げられる。本明細書では、ある物質が可溶性であるということは、当該物質が水もしくはブラインに可溶性であるか、または水もしくはブラインと反応して、水もしくはブラインに可溶な化合物を生成することを意味する。本明細書では、ある化合物が、水またはブラインに溶解して、室温、例えば23℃で、少なくともリットル当たり0.001モルの濃度の溶液を与える場合、該化合物は可溶性である。
【0014】
改質剤としては、可溶性ケイ酸塩、炭水化物、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられる。炭水化物としては、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類、もしくは多糖類などの糖類、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせが挙げられる。これらの多糖類は、直鎖状(セルロース、アミロース)、及び/または分枝鎖状(アミロペクチン、グリコーゲン)であってもよい。これらの多糖類には、カルボキシル基(ペクチン、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース)または強酸性基(フルセララン、カラギーナン、または変性デンプン)が含まれていてもよい。これらの多糖類は、中性置換基(例えば、メチルエチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロースの場合)または酸性置換基(カルボキシメチル、硫酸基、もしくリン酸基による)による誘導体化によって化学的に変性されていてもよい。
【0015】
上記改質剤は、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガムなどのガム及び/もしくは親水コロイド、寒天、カラギーナン、フコイダン、アルギン酸、ラミナラン、フルセララン及び/もしくはキトサンなどの海藻または甲羅の抽出物、あるいは、例えば、デキストラン、プルチラン、エルシナン、カードラン、スクレログルカン、レバン、キサンタン、ジェラン、ウェランガム及びラムサンガムなどの微生物多糖類を含んでいてもよい。ガティガム、カラヤガム、ラミナラン、またはペクチンを改質材に用いてもよい。
【0016】
一実施形態において、上記炭水化物としては、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、またはデンプン誘導体が挙げられる。デンプン誘導体としては、アルケニルコハク酸化デンプンなどの疎水性変性デンプン及びデキストリンもしくはマルトデキストリンなどのデンプン加水分解物、デンプンエーテル、デンプンエステル、架橋デンプン、または酸化デンプンが挙げられる。セルロース誘導体としては、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。複数の物質の組み合わせを用いてもよい。
【0017】
可溶性ケイ酸塩は、一般には明確な化学量論的化学物質ではない。上記可溶性ケイ酸塩は、それぞれの重量百分率が当該可溶性ケイ酸塩の総重量を基準として、約55〜約80wt%のSiO、0〜約35wt%のNaO、0〜約35wt%のKO、0〜約20wt%のCaO、及び0〜約10wt%のMgOを含んでいてもよく、但し、NaOとKOの重量の合計が約20wt%〜約40wt%、約20wt%〜約35wt%、または約22wt%〜約33wt%である。可溶性アルカリケイ酸塩の一般式はMOxSiOであり、式中、MはNa、K、またはLiであり、xはアルカリ金属酸化物(MO)のモル当たりのシリカ(SiO)のモル数を規定するモル比である。一実施形態において、上記可溶性ケイ酸塩はケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウムの少なくとも1種を含む。上記可溶性ケイ酸塩は、NaO・SiOの式を有し、NaOに対するSiOの重量百分率が約3.22:1〜約1:1、約3.22:1〜約2.5:1、特には約2:1〜約1:1であるケイ酸ナトリウムを含むことが好ましい。
【0018】
粉末形態の改質活性化材としては、上記改質剤を含むシェル及び上記活性化剤を含むコアを有するカプセルなどの粒子を含んでいてもよい。あるいは、上記粉末形態の改質活性化材は、上記活性化剤を含むシェル及び上記改質剤を含むコアを有するカプセルなどの粒子含んでいてもよい。この場合、コア中の改質剤は、活性化剤が固体物質を形成するための核形成部位として機能してもよい。コア/シェル構造を有する粒子の例示的な実施形態を図1及び2に示す。図1においては、改質活性化材粒子が、上記活性化剤を含むシェル10と、上記改質剤を含むコア20とを備える。図2においては、改質活性化材粒子が上記活性化剤を含むシェル30を備え、コア40が改質剤を含む。図1及び図2は連続したシェルを有する粒子のみを示しているが、上記コア/シェル構造のシェルは連続していてもまたは不連続あってもよいことを理解されたい。
【0019】
いくつかの実施形態において、上記活性化材の粒子はコア/シェル構造を有してはいない。例えば、上記改質活性化材の粒子は、改質剤微粒子と、該改質剤の微粒子に吸収または吸着された活性化剤とを含む。上記粉末形態の改質活性化剤は流動性であってよい。
【0020】
上記活性化材の粒径は特に限定されない。一実施形態において、上記改質活性化材の粒子径は、上記形状記憶ポリマー発泡体の細孔径未満である。別の実施形態において、上記改質活性化材粒子の平均径は、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、または約10ミクロン未満、約1ミクロン未満、または約0.5ミクロン未満である。上記活性化材粒子の平均径は、約50ナノメートルより大きく、約75ナノメートルより大きく、または100ナノメートルより大きくてもよい。
【0021】
上記改質活性化材は、噴霧乾燥、噴霧冷却(chilling)及び冷却(cooling)、コアセルベーション、カプセル化、流動床コーティング、回転式懸濁液分離、パンコーティング、エアサスペンションコーティング(air suspension coating)、遠心押出(centrifugal extrusion)、振動ノズル、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせによって形成することができる。例示的な方法がUS2008/0206325及びUS3,956,508に記載されている。改質活性化材はカプセル化装置B−390/B−395 proなどの市販の装置を用いて調製することもできる。
【0022】
ヒドロゲルは、活性化剤を可溶性ケイ酸塩及びリン酸などの酸と配合し、生成するゾルを分離することによって調製することができる。ヒドロゲルは、これを乾燥させるとキセロゲルに変換することができる。
【0023】
上記改質活性化材は、約0.1wt%〜約99.9wt%の上記活性化剤及び約0.1wt%〜約99.9wt%の上記改質剤を含む。特定の実施形態において、上記改質活性化材は、約75wt%〜約90wt%の上記活性化剤及び約10wt%〜約25wt%の上記改質剤を含む。
【0024】
上記改質活性化材を担体と配合して活性化流体を形成することができる。上記担体としては水及びブラインが挙げられる。使用する特定の改質剤に応じて、所望であれば、上記活性化剤の放出を容易にするために酸または塩基を添加してもよい。上記活性化流体の成分の配合はミキサー、ブレンダーなどの容器内で実施される。いくつかの実施形態において、上記活性化流体は混合することなく注入され、例えば、即座に注入される。一実施形態において、上記活性化流体がダウンホール中に配置される際に上記成分が配合される。
【0025】
上記形状記憶ポリマーとしては、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ尿素、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−ビニルエステル共重合体、フェノールポリマー、ポリベンズイミダゾール、N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミドで架橋されたポリエチレンオキシド/アクリル酸/メタクリル酸共重合体、エチレングリコールジメタクリラートで架橋されたポリエチレンオキシド/メタクリル酸/N−ビニル−2−ピロリドン共重合体、エチレングリコールジメタクリラートで架橋されたポリエチレンオキシド/ポリ(メタクリル酸メチル)/N−ビニル−2−ピロリドン共重合体、または上記ポリマーの少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられる。上記形状記憶ポリマーは発泡体であってもよい。砂防用途の場合には、上記形状記憶ポリマーは連続気泡発泡体である。
【0026】
一実施形態において、上記形状記憶材はポリウレタン発泡体である。このポリウレタン発泡体は極めて靭性及び強度が高く、圧縮し且つその実質的に当初の圧縮していない形状に復帰させることができる。非限定的な一実施形態において、上記ポリウレタン発泡材は、ポリエーテル、ポリエステル、もしくはポリカーボネートをベースとする二官能性もしくは多官能性ヒドロキシル化プレポリマーまたはポリオールなどの、但しこれらに限定されない、1種または複数種のポリオール、及び変性イソシアナート(MI)もしくは変性ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)ベースの単量体ジイソシアナートまたはポリイソシアナートを含む、但しこれらに限定されない、少なくとも1種のイソシアナート、ならびに発泡剤、分子架橋剤、連鎖延長剤、界面活性剤、着色剤、及び触媒を含む、但しこれらに限定されない、他の添加剤から製造される。
【0027】
上記形状記憶ポリマーは、当該形状記憶ポリマーがそのガラス転移温度を超える温度またはそのガラス転移温度よりわずかに低い温度に加熱されない場合には、印加された機械的力が除去された後であっても、変形した状態を維持することができる。したがって、一実施形態において、上記形状記憶ポリマーのガラス転移温度は、挿入の間に所定のタイミングよりも早く膨張することを回避するために、実際のダウンホール展開温度/施工温度よりも約20℃または約30℃高くする。
【0028】
パイプ、チュービング、またはストリングなどの基材と、上記基材上に配置された形状記憶ポリマーとを備えるダウンホール装置は、上記ダウンホール装置を掘削坑中に導入することと;担体及び改質活性化材を含む活性化流体を上記掘削坑中に導入することと;上記改質活性化材から液状の活性化剤を放出させることと;変形した状態の上記形状記憶ポリマーを、該形状記憶ポリマーを展開させるのに有効な量の上記放出された活性化剤と接触させることとによって、設置することができる。
【0029】
上記ダウンホール装置は、変形した形状または位置で掘削坑中に挿入される1または複数の形状記憶ポリマーを備える。変形した形状記憶ポリマーは、当該ポリマーのガラス転移温度を超える温度で、機械的力によって当該ポリマーを圧縮するまたは伸長させることによって作製することができる。変形した状態のまま、この材料をそのガラス転移温度未満の温度に冷却する。上記形状記憶ポリマーは、坑外温度においてまたは挿入時の掘削坑温度において、製造した後に該ポリマーに対して誘導された、変形した形状を維持する。上記形状記憶材を有するダウンホール装置が坑井内の所望の位置に配置された後に、ダウンホール温度において所与の時間の間、上記形状記憶ポリマーに、その変形前の形状、すなわち、その当初の製造した状態の形状を回復させる、または変形前の形状の一部を回復させる。一実施形態において、上記形状記憶ポリマーは当該掘削孔の形状に従うように展開する。換言すれば、上記形状記憶ポリマーは、掘削孔壁までの空いている空間を覆うまたは展開して上記空間を充填する。掘削孔壁によって、上記形状記憶ポリマーの最終的な回復した形状が制限され、該ポリマーがその当初の幾何学的形状まで膨張することはできないことになる。このようにして、上記回復したすなわち展開した形状記憶ポリマーは、当該掘削坑内で所望の機能を果たすこととなる。
【0030】
活性化流体を用いて上記形状記憶ポリマーの展開を容易にすることができる。いくつかの実施形態において、上記ダウンホール装置をダウンホールに導入しつつ、該装置を、水、ブライン、炭化水素、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む第1の流体と接触させる。上記形状記憶ポリマーが第1の流体を吸収する場合、上記活性化流体を、上記形状記憶ポリマー中の第1の流体を上記活性化流体で置換するのに十分な圧力で注入することが好ましい。
【0031】
そこに開示されているように、上記活性化流体は、粉末、ヒドロゲル、またはキセロゲル形態の改質活性化材を含む。活性化剤を、上記改質活性化材から液状で放出させることができることが有利である。上記活性化剤の放出方法としては、化学的または物理的手段によって、上記活性化流体の担体中で、上記改質剤を溶解させること、腐食させること、または除去することが挙げられる。上記改質剤を腐食させることは、熱分解、化学的分解、触媒による分解、pHの変化に応じた分解、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む。上記触媒による分解のための触媒としては臭化亜鉛及び臭化カルシウムが挙げられるが、これらに限定はされない。一実施形態において、上記活性化剤の放出は、超音波処理または電磁場の存在下で行われる。
【0032】
理論に拘束されることを望むものではないが、形状記憶ポリマーの連鎖は水素結合を介して連結されていると考えられている。上記形状記憶ポリマーの連鎖が水素結合を介して連結されていると、該ポリマー鎖はより秩序正しく且つ規則的になり、したがって上記形状記憶ポリマーはより剛直になる。上記水素結合はまた、ポリマー鎖の可動性も制限するため、当該材料のTgはより高くなる。更に理論に拘束されることを望むものではないが、活性化剤は、それ自体が上記形状記憶ポリマーの連鎖との水素結合に加わることによって、上記ポリマー鎖の水素結合を破壊する場合があると考えられている。上記水素結合の破壊の結果として、上記形状記憶ポリマーのポリマー鎖は互いに分離され、相対的により可動性となり、従って、当該材料のTg及び該材料の剛性は、それぞれ、例えば第2のより低いTg及び第2のより低い剛性へと低下する。
【0033】
上記形状記憶ポリマーのTg及び/または剛性に作用するのに有効な上記活性化剤の量は、その作用を受けることが所望される形状記憶ポリマーを本質的に飽和させるまたは浸漬するのに必要な量である。一実施形態において、上記活性化剤は、上記形状記憶ポリマーの少なくとも25容積%、あるいは少なくとも50容積%、更には少なくとも90容積%と接触する。
【0034】
上記活性化剤の効果は可逆的である。上記活性化剤を除去すると、上記高分子形状記憶ポリマーのTgならびに当初の剛性が回復する。したがって、一実施形態において、上記形状記憶ポリマーが展開した後に、該展開した形状記憶ポリマーの機械的特性を改善することができるように、該形状記憶ポリマーから上記活性化剤が除去される。展開した形状記憶ポリマーから上記放出された活性化剤を除去することは、活性化剤を含まない第3の流体を上記掘削坑中に注入すること、上記形状記憶ポリマーを通して形成流体を流通させること、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む。
【0035】
上記形状記憶ポリマーから活性化剤を除去するのを補助するために、界面活性剤を任意選択で用いてもよい。好適な界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、両性、及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0036】
上記形状記憶ポリマーがポリマー発泡体である場合、当該形状記憶ポリマーがその設定位置まで膨張する結果として、連続気泡多孔性形状記憶発泡体は、形成由来の望ましくない固形物の生成を防止し、所望の炭化水素流体のみが上記形状記憶発泡体を通して流通することが可能となる。発泡体の気泡の孔径、径分布、及び気泡の開口度を、所望の炭化水素流体のみを流通させ、形成由来の望ましくない固形物の生成を防止するような方法で、異なる成分を配合することによって及び処理条件を制御することによって、調整してもよい。
【0037】
あるいは、上記形状記憶ポリマーは、流体ならびに固形物が該形状記憶ポリマーを通過することを防ぐように設計されてもよく、この場合、ツールはパッカーまたは他の密閉装置である。したがって、本明細書に記載の方法で使用される好適なダウンホール装置としては、孔径拡大ツール(expansion tool)、スクリーン、パッカー、及び密閉プラグが挙げられる。
【0038】
図3図5は、チュービング52及び形状記憶ポリマーを備えるダウンホール装置60の展開を示す。展開前には、形状記憶ポリマーは変形状態51にある。形状記憶材が連続気泡発泡体である場合には、展開に際して、該形状記憶材は半径方向に膨張し、掘削孔50の壁の形状に従って、膨張した形状記憶発泡体58を与える。図解した実施形態において、上記形状記憶材は軸方向には膨張しない。上記形状記憶材がバルク形態である場合、展開に際して、該形状記憶材は半径方向に膨張し、同時に軸方向に収縮して、展開した形状記憶材55を与える。
【0039】
以下に本開示の種々の実施形態を示す。
【0040】
実施形態1 ダウンホール装置の設置方法であって、基材及び上記基材上に配置された、変形した状態の形状記憶ポリマーを備えるダウンホール装置を掘削坑中に導入することと;粉末、ヒドロゲル、キセロゲル、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせの形態の改質活性化材を担体と配合して、活性化流体を用意することと;上記活性化流体を上記掘削坑中に導入することと;上記改質活性化材から液状の活性化剤を放出させることと;上記変形した状態の上記形状記憶ポリマーを、上記形状記憶ポリマーを展開させるのに有効な量の上記放出された活性化剤と接触させることとを含む上記方法。
【0041】
実施形態2 上記改質活性化材が改質剤を含む、実施形態1に記載の方法。
【0042】
実施形態3 上記活性化剤を放出させることが、上記改質剤を溶解させること、上記改質剤を腐食させること、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、実施形態2に記載の方法。
【0043】
実施形態4 上記改質剤を腐食させることが、熱分解、化学的分解、触媒による分解、pHの変化に応じた分解、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、実施形態3に記載の方法。
【0044】
実施形態5 上記活性化剤を放出させることが、超音波処理または電磁場の存在下で行われる、実施形態2に記載の方法。
【0045】
実施形態6 上記掘削坑装置が所望のダウンホールの位置に配置された後に、上記形状記憶ポリマーの本来のガラス転移温度をダウンホール展開温度未満に低下させることを更に含む、実施形態1〜5のいずれか1に記載の方法。
【0046】
実施形態7 上記展開した形状記憶ポリマーから上記放出された活性化剤を除去することを更に含む、実施形態1〜6のいずれか1に記載の方法。
【0047】
実施形態8 上記改質剤が、可溶性ケイ酸塩、炭水化物、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、実施形態1〜7のいずれか1に記載の方法。
【0048】
実施形態9 上記改質活性化材が、約0.1wt%〜約99.9wt%の上記活性化剤及び約0.1wt%〜約99.9wt%の上記改質剤を含む、実施形態1〜8のいずれか1に記載の方法。
【0049】
実施形態10 上記改質活性化材を、噴霧乾燥、噴霧冷却(chilling)及び冷却(cooling)、コアセルベーション、カプセル化、流動床コーティング、回転式懸濁液分離、パンコーティング、エアサスペンションコーティング(air suspension coating)、遠心押出(centrifugal extrusion)、もしくは振動ノズル、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせによって形成することを更に含む、実施形態1〜9のいずれか1に記載の方法。
【0050】
実施形態11 上記放出された活性化剤が、ASTM D3828に準拠して測定した引火点が約22℃未満の成分を含む、実施形態1〜10のいずれか1に記載の方法。
【0051】
実施形態12 上記放出された活性化剤が、ジメチルスルホキシド、ケトン、アルコール、グリコール、エーテル、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、実施形態1〜11のいずれか1に記載の方法。
【0052】
実施形態13 上記担体が水またはブラインを含む、実施形態1〜12のいずれか1に記載の方法。
【0053】
実施形態14 上記形状記憶ポリマーが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ尿素、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−ビニルエステル共重合体、フェノールポリマー、ポリベンズイミダゾール、N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミドで架橋されたポリエチレンオキシド/アクリル酸/メタクリル酸共重合体、エチレングリコールジメタクリラートで架橋されたポリエチレンオキシド/メタクリル酸/N−ビニル−2−ピロリドン共重合体、もしくはエチレングリコールジメタクリラートで架橋されたポリエチレンオキシド/ポリ(メタクリル酸メチル)/N−ビニル−2−ピロリドン共重合体、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、実施形態1〜13のいずれか1に記載の方法。
【0054】
実施形態15 上記形状記憶ポリマーがポリウレタンを含む、実施形態1〜14のいずれか1に記載の方法。
【0055】
実施形態16 上記形状記憶ポリマーが連続気泡発泡体である、実施形態1〜15のいずれか1に記載の方法。
【0056】
実施形態17 上記ダウンホール装置が、孔径拡大ツール、スクリーン、パッカー、または密閉プラグである、実施形態1〜16のいずれか1に記載の方法。
【0057】
実施形態18 ダウンホール装置の設置方法であって、基材及び上記基材上に配置された、変形した状態の形状記憶ポリマーを備えるダウンホール装置を掘削坑中に導入することと;上記ダウンホール装置を、水、ブライン、炭化水素、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む第1の流体と接触させることと;粉末、ヒドロゲル、もしくはキセロゲル、または以下の少なくとも1種を含む組み合わせの形態の改質活性化材を担体と配合して、活性化流体を用意することと;上記活性化流体を、上記形状記憶ポリマー中の第1の流体を上記活性化流体で置換するのに十分な圧力で上記掘削坑中に注入することと;上記改質活性化材から液状の活性化剤を放出させることと;上記変形した状態の上記形状記憶ポリマーを、上記形状記憶ポリマーを展開させるのに有効な量の上記放出された活性化剤と接触させることと;上記展開した形状記憶ポリマーから上記放出された活性化剤を除去することとを含む上記方法。
【0058】
実施形態19 上記展開した形状記憶ポリマーから上記放出された活性化剤を除去することが、活性化剤を含まない第3の流体を上記掘削坑中に注入すること、上記形状記憶ポリマーを通して形成流体を流通させること、またはこれらの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、実施形態18に記載の方法。
【0059】
実施形態20 上記形状記憶ポリマーがポリウレタンを含む、実施形態18または実施形態19に記載の方法。
【0060】
実施形態21 上記形状記憶ポリマーが連続気泡発泡体である、実施形態18〜20のいずれか1に記載の方法。
【0061】
実施形態22 上記ダウンホール装置が、孔径拡大ツール、スクリーン、パッカー、または密閉プラグである、実施形態18〜20のいずれか1に記載の方法。
【0062】
本発明を説明する文脈において(特に添付の特許請求の範囲の文脈において)、用語「a」及び「an」及び「the」ならびに同様の指示対象の使用は、本明細書に別段の指示または文脈との明らかな矛盾がない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるべきものである。「または」は「及び/または」を意味する。量に関連して用いられる修飾語「約」は、記載された値を含み、文脈によって要求される意味を有する(例えば、特定の量の測定に伴う誤差の程度を含む)。本明細書では、粒子の径または平均径は当該粒子の最大寸法をいい、高分解能電子顕微鏡または原子間力顕微鏡技術によって測定することができる。
【0063】
本明細書中に引用される全ての参照文献は、それらの全体が参照により援用される。代表的な実施形態を例示の目的で記載してきたが、前述の説明は本明細書の範囲に対する限定と見なされるべきものではない。したがって、当業者には、本明細書の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更、改変、及び代替が生じ得る。
図1
図2
図3
図4
図5