特許第6739076号(P6739076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6739076行動状態判定システムおよび行動状態判定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739076
(24)【登録日】2020年7月27日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】行動状態判定システムおよび行動状態判定方法
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/05 20060101AFI20200730BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20200730BHJP
   A61G 7/043 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   A61G7/05
   A61B5/00 102C
   A61G7/043
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-6359(P2019-6359)
(22)【出願日】2019年1月17日
(65)【公開番号】特開2020-114292(P2020-114292A)
(43)【公開日】2020年7月30日
【審査請求日】2019年1月24日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年8月17日株式会社L&S、株式会社ワンビジョンプラスにおいて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年11月9日横浜市経済局ものづくり支援課において発表
(73)【特許権者】
【識別番号】515271607
【氏名又は名称】株式会社TAOS研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】苗 鉄軍
(72)【発明者】
【氏名】東田 外史
(72)【発明者】
【氏名】南雲 健人
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−195762(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/043249(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0191742(US,A1)
【文献】 国際公開第2016/186067(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/05
A61B 5/00
A61G 7/043
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の行動状態を判定する為の行動状態判定システムであって、
寝具上で臥床状態の対象者の上体により押圧される領域に設置されたマットレスと、
前記マットレスと中空筒部材を介して接続されたセンサユニットであって、前記中空筒部材との接続口を備えた筐体と、前記筐体内に収容され、前記マットレスを介して対象者の直流成分生体信号を取得する為の第1のセンサとしての気圧センサ及び、前記対象者の交流成分生体信号を取得する為の第2のセンサとしてのマイクロフォンセンサを同一面に配置した基材と、を有するセンサユニットと、
前記センサで取得したセンサ値に基づいて情報処理を行う情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、前記直流成分生体信号についての1又は複数の閾値及び、前記交流成分生体信号についての1又は複数の閾値の設定を受け付ける手段と、
前記直流成分生体信号、交流成分生体信号及び、閾値に基づき、所定時間単位の行動状態の判断処理を行う手段と、を有し、
複数の前記閾値は、離床状態の前記センサ値又は、臥床状態かつ体動がない状態における前記センサ値を用いて、設定され
前記接続口は、前記基材のセンサが配置された面側であって、前記マイクロフォンセンサ近傍に位置する行動状態判定システム。
【請求項2】
前記閾値は、離床状態の前記センサ値を用いて設定された閾値及び、臥床状態かつ体動がない状態における前記センサ値を用いて設定された閾値からなる請求項1に記載の行動状態判定システム。
【請求項3】
前記判断処理は、前記離床状態のセンサ値を用いて設定された前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たすと共に、
前記臥床状態かつ体動がない状態のセンサ値を用いて設定された前記交流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たさない場合、弱生体状態を前記対象者の行動状態として決定する請求項1又は請求項2に記載の行動状態判定システム。
【請求項4】
前記判断処理は、前記臥床状態かつ体動がない状態のセンサ値を用いて設定された前記交流成分生体信号についての第2の閾値に基づく判断条件を満たすと共に、
前記離床状態のセンサ値を用いて設定された前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たさない場合、起き上がり段階体動状態を前記対象者の行動状態として決定し、
前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たす場合、臥床段階体動状態を前記対象者の行動状態として決定する請求項1〜の何れかに記載の行動状態判定システム。
【請求項5】
前記判断処理は、前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たさないと共に、
前記交流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たさない場合、離床状態を前記対象者の行動状態として決定する請求項又は請求項に記載の行動状態判定システム。
【請求項6】
前記判断処理は、前記交流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たすと共に、第2の閾値に基づく判断条件を満たさず、尚且つ、
前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たさない場合、起き上がり状態を前記対象者の行動状態として決定し、
前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たす場合、臥床状態を前記対象者の行動状態として決定する請求項3〜5の何れかに記載の行動状態判定システム。
【請求項7】
対象者の行動状態を判定する為の行動状態判定方法であって、
寝具上で臥床状態の対象者の上体により押圧される領域に設置されたマットレスと中空筒部材を介して接続されたセンサユニットであって、前記中空筒部材との接続口を備えた筐体と、前記筐体内に収容され、前記マットレスを介して対象者の直流成分生体信号を取得する為の第1のセンサとしての気圧センサ及び、前記対象者の交流成分生体信号を取得する為の第2のセンサとしてのマイクロフォンセンサを同一面に配置した基材と、を有するセンサユニットが、第1のセンサにより対象者の直流成分生体信号を取得するステップと、
前記センサユニットが、第2のセンサにより前記対象者の交流成分生体信号を取得するステップと、
前記直流成分生体信号についての1又は複数の閾値及び、前記交流成分生体信号についての1又は複数の閾値の設定を受け付けるステップと、
前記直流成分生体信号、交流成分生体信号及び、閾値に基づき、所定時間単位の行動状態の判断処理を行うステップと、を有し、
複数の前記閾値は、離床状態のセンサ値又は、臥床状態かつ体動がない状態におけるセンサ値を用いて、設定され、
前記接続口は、前記基材のセンサが配置された面側であって、前記マイクロフォンセンサ近傍に位置する行動状態判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行動状態判定システムおよび、行動状態判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者の介護等に際して、臥床中の対象者が離床する際に転倒してしまったり、対象者が離床して徘徊してしまったりする場合がある。そのため、対象者の寝具上での動作を検知して、報知や行動分析を行う為の処理装置が提案されてきた。
【0003】
例えば、寝具上の対象者の体動及び荷重の時系列変化に基づいて、ユーザの離床を判定する技術が知られている(特許文献1)。また、寝具の各端部それぞれに掛かる荷重を検出し、寝具上の対象者の在床状況を検知する技術が知られている(特許文献2)。また、睡眠指標測定装置用の圧力検出装置に係る技術が知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−196286号公報
【特許文献2】特開2016−129569号公報
【特許文献3】特開2011−247711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、特許文献1に記載の発明においては、対象者の行動状態として、離床状態及び、在床状態(睡眠状態及び、覚醒状態)といった、一部の行動状態の判断を可能とするにとどまっており、そのほかの行動状態対象者のその他の在床時の状態判断を、精度よくかつ全面で行動状態の判断は行われていない。
【0006】
また、特許文献2に記載の発明においては、対象者の行動状態として、離床状態、臥床状態、起き上がり(座床)状態、臥床段階体動状態及び、起き上がり段階体動状態といった、一部の行動状態の判断を可能とするにとどまっており、そのほかの行動状態対象者のその他の在床時の状態判断を、精度よくかつ全面的に行動状態の判断は行われていない。更に、寝具(ベッド)の四方のそれぞれの脚部でセンサ装置を挟みこむ必要があり、行動状態の判断の為の前準備が大掛かりになってしまう。
【0007】
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、対象者の行動状態の判断を、簡易に精度よく、より詳細に実施することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、対象者の行動状態を判定する為の行動状態判定システムであって、
寝具上で臥床状態の対象者の上体により押圧される領域に設置されたマットレスと、
前記マットレスを介して対象者の直流成分生体信号を取得する為の第1のセンサと、
前記対象者の交流成分生体信号を取得する為の第2のセンサと、
前記センサで取得したセンサ値に基づいて情報処理を行う情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、前記直流成分生体信号についての1又は複数の閾値及び、前記交流成分生体信号についての1又は複数の閾値の設定を受け付ける手段と、
前記直流成分生体信号、交流成分生体信号及び、閾値に基づき、所定時間単位の行動状態の判断処理を行う手段と、を有し、
複数の前記閾値は、離床状態の前記センサ値又は、臥床状態かつ体動がない状態における前記センサ値を用いて、設定される。
【0009】
また、本発明は、対象者の行動状態を判定する為の行動状態判定方法であって、
寝具上で臥床状態の対象者の上体により押圧される領域に設置されたマットレス介して、第1のセンサにより対象者の直流成分生体信号を取得するステップと、
第2のセンサにより前記対象者の交流成分生体信号を取得するステップと、
前記直流成分生体信号についての1又は複数の閾値及び、前記交流成分生体信号についての1又は複数の閾値の設定を受け付けるステップと、
前記直流成分生体信号、交流成分生体信号及び、閾値に基づき、所定時間単位の行動状態の判断処理を行うステップと、を有し、
複数の前記閾値は、離床状態のセンサ値又は、臥床状態かつ体動がない状態におけるセンサ値を用いて、設定される。
【0010】
また、本発明は、寝具上で臥床状態の対象者の上体により押圧される領域に設置されたマットレスと、
前記マットレスを介して対象者の直流成分生体信号を取得する為の第1のセンサと、
前記対象者の交流成分生体信号を取得する為の第2のセンサと、
前記センサで取得したセンサ値に基づいて情報処理を行う情報処理装置と、を備えた行動状態判定システムによって対象者の行動状態を判定する為の行動状態判定方法であって、
前記情報処理装置が、前記直流成分生体信号についての1又は複数の閾値及び、前記交流成分生体信号についての1又は複数の閾値の設定を受け付けるステップと、
前記直流成分生体信号、交流成分生体信号及び、閾値に基づき、所定時間単位の行動状態の判断処理を行うステップと、を有し、
複数の前記閾値は、離床状態の前記センサ値又は、臥床状態かつ体動がない状態における前記センサ値を用いて、設定される。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記閾値は、離床状態の前記センサ値を用いて設定された閾値及び、臥床状態かつ体動がない状態における前記センサ値を用いて設定された閾値からなる。
【0012】
このような構成とすることで、簡易な装置構成によって、より精度よく、対象者の行動状態を分析することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記第1のセンサは、気圧センサ又は、電気抵抗センサである。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記第2のセンサは、マイクロフォンセンサ又は、圧電センサである。
【0015】
このような構成とすることで、簡易な装置構成によって、より精度よく、対象者の行動状態を分析することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記マットレスと中空筒部材を介して接続されたセンサユニットであって、前記中空筒部材との接続口を備えた筐体と、前記筐体内に収容され、前記第1のセンサとしての気圧センサ及び、前記第2のセンサとしてのマイクロフォンセンサを同一面に配置した基材と、を有するセンサユニットを備え、
前記接続口は、前記基材のセンサが配置された面側であって、前記マイクロフォンセンサ近傍に位置する。
【0017】
このような構成とすることで、簡易な装置構成によって、より精度よく、対象者の行動状態を分析することができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記判断処理は、前記離床状態のセンサ値を用いて設定された前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たすと共に、
前記臥床状態かつ体動がない状態のセンサ値を用いて設定された前記交流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たさない場合、弱生体状態を前記対象者の行動状態として決定する。
このような構成とすることで、行動状態として弱生体状態を判断することができ、通報などに利用することができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記判断処理は、前記臥床状態かつ体動がない状態のセンサ値を用いて設定された前記交流成分生体信号についての第2の閾値に基づく判断条件を満たすと共に、
前記離床状態のセンサ値を用いて設定された前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たさない場合、起き上がり段階体動状態を前記対象者の行動状態として決定し、
前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たす場合、臥床段階体動状態を前記対象者の行動状態として決定する。
このような構成とすることで、簡易な構成によって、対象者が起き上がった状態での体動(起き上がり段階体動状態)及び、対象者が臥床状態での体動(臥床段階体動状態)を判断することができる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記判断処理は、前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たさないと共に、
前記交流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たさない場合、離床状態を前記対象者の行動状態として決定する。
【0021】
また、本発明の好ましい形態では、前記判断処理は、前記交流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たすと共に、第2の閾値に基づく判断条件を満たさず、尚且つ、
前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たさない場合、起き上がり状態を前記対象者の行動状態として決定し、
前記直流成分生体信号についての第1の閾値に基づく判断条件を満たす場合、臥床状態を前記対象者の行動状態として決定する。
このような構成とすることで、直流成分生体信号及び交流成分生体信号の2種類の信号を用いて、精度よくかつ全面的に、複数の行動状態を判断することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、対象者の行動状態の判断を、簡易に精度よく、より詳細に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る行動状態判定システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成図である。
図3】本発明の実施形態に係るセンサ装置の詳細を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る行動状態判定システムの機能ブロック図である。
図5】本発明の実施形態に係る閾値の設定方法を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る行動状態及び、判断結果の画面表示例である。
図7】本発明の実施形態に係る帯状グラフを表示した場合の画面表示例である。
図8】本発明の実施形態に係る帯状グラフによる画面表示例並びに、その際の交流成分生体信号のセンサ値及び、直流成分生体信号のセンサ値についての例示である。
図9】本発明の実施形態に係る帯状グラフによる画面表示例並びに、その際の交流成分生体信号のセンサ値及び、直流成分生体信号のセンサ値についての例示である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に関する行動状態判定システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0025】
本実施形態では、センサ装置及び情報処理装置を含む行動状態判定システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、コンピュータプログラム、記録媒体等も、同様の作用効果を奏することができる。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータに前記プログラムをインストールすることができる。ここで、前記プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD−ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0026】
一実施の形態におけるシステム構成を示す図1を参照すると、行動状態判定システムは行動状態判定システム1として具体化されている。
【0027】
この行動状態判定システム1は、センサ装置2、情報処理装置3及び、マットレス10を備える。情報処理装置3は、センサ装置2と接続ケーブル57を介して接続され、連携する。情報処理装置3及びセンサ装置2は、無線を介して接続されてもよい。
【0028】
マットレス10は、対象者Uが臥床状態となる寝具において、臥床状態の対象者Uの上体により押圧される領域に設置される。本実施形態では、マットレス10はベッドフレームBF上に配置され、その上からベッドマットBMがマットレス10に覆いかぶさるように設置される。
【0029】
更に詳述すると、行動状態判定システム1における情報処理装置3は、図2に例示するように、ハードウェア構成要素を含んでいる。つまり、情報処理装置3は、ハードウェア構成要素として、演算装置(CPU(Central Processing Unit))11と、作業用メモリとしての主記憶装置(RAM(Random Access Memory))12とを備える。また、情報処理装置3は、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、及び各種情報(データを含む)を書換え可能に格納するHDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置13と、通信制御部14と、NIC(Network Interface Card)などの通信インタフェース(IF)部15と、表示制御部16と、表示部17と、情報入力・指定部18などとを、更に備える。
【0030】
情報処理装置3の補助記憶装置13に、後に詳述する機能構成要素を論理的に実現する為の行動状態判定プログラム、端末制御プログラムなどをアプリケーションプログラムとしてインストールしておく。そして、情報処理装置3においては、電源投入または利用者(ユーザ)による指示を契機に、演算装置(CPU)11がアプリケーションプログラムを主記憶装置(RAM)12に展開して実行する。
【0031】
なお、例えば、情報処理装置3とIPネットワーク等を介して通信可能に構成された行動状態判定装置に行動状態判定プログラムをインストールすると共に、情報処理装置3に、ウェブブラウザや行動状態判定装置の処理結果を表示する為のアプリケーションプログラムをインストールし、利用者が、情報処理装置3を介して、行動状態判定プログラムによる表示処理結果を閲覧する構成としてもよい。また、情報処理装置3及び/又は図示しない端末装置は、後述する行動状態判定の結果について通知を受け取り可能に構成されてよい。
【0032】
図3は、センサ装置2の詳細を示す図である。図3(a)は、センサ装置2及び、マットレス10の接続例を示す図である。センサ装置2は、装置本体21及び、接続部材22を備える。装置本体21内には、センサユニット5が設けられ、センサユニット5及び、マットレス10が、ホース状の中空筒部材H1、接続部材22及び、ホース状の中空筒部材H2を介して接続される。
【0033】
図3(b)は、センサユニット5の断面図である。センサユニット5は、筐体51、接続部材52、基材53、第1のセンサ54、第2のセンサ55、コネクタ56、接続ケーブル57及び、パネル部材58を備える。
【0034】
第1のセンサ54は、マットレス10を介して対象者Uの直流成分生体信号を取得する為のセンサとして利用される。ここで、直流成分生体信号とは、直線のような変化しない信号、もしくはゆっくり変化する信号であり、本実施形態では、周波数帯域は0.2Hz以下であって、1秒以内に信号の変化を見られない生体信号である。第1のセンサ54の具体例として、気圧センサ、電気抵抗センサ等を用いることができる。本実施形態では、寝具上にて臥床状態の対象者Uの上体によって押圧されるマットレス10より、マットレス10にかかる圧力を直流成分生体信号として取得する圧力センサを、第1のセンサ54として用いる。
【0035】
第2のセンサ55は、対象者Uの交流成分生体信号を取得する為のセンサとして利用される。ここで、交流成分生体信号とは、振動のような快速変化する信号であり、本実施形態では、周波数帯域は0.2Hz以上で1秒以内にも信号の変化を見られ生体信号である。第2のセンサ55の具体例として、マイクロフォンセンサ、圧電素子を用いた圧電センサ等を用いることができる。本実施形態では、主として、寝具上にて臥床状態の対象者Uの上体によって押圧されるマットレス10より発生する信号を交流成分生体信号として取得するマイクロフォンセンサを、第2のセンサ55として用いる。
【0036】
図3(c)に示すように、センサユニット5において、基材53の同一面には気圧センサ(第1のセンサ54)及び、マイクロフォンセンサ(第2のセンサ55)が配置され、基材53のセンサが配置された面が接続部材52に向けて配置されると共に、接続部材52の開口部分である接続口521近傍に、マイクロフォンセンサ(第2のセンサ55)が配置されている。そして、基材53等を収容した筐体51が、パネル部材58により蓋される。
【0037】
次に、図1及び関連図(図4図9)を参照して、行動状態判定システム1における処理ついて更に詳述する。
【0038】
図4は、行動状態判定システム1の機能ブロック図である。情報処理装置3は、気圧センサ(第1のセンサ54)及び、マイクロフォンセンサ(第2のセンサ55)より受け取ったアナログ信号をデジタル信号に変換するADC(analog to digital converter)31、ADC32と、信号処理手段33と、閾値設定手段34と、記憶手段35と、判断処理手段36と、表示処理手段37と、通知処理手段38と、を備える。
【0039】
信号処理手段33は、気圧センサ(第1のセンサ54)及び、マイクロフォンセンサ(第2のセンサ55)から、ADC31、ADC32を介して得た所定サンプリング周波数の離散的時系列データを用いて、所定の時間単位の信号レベル(センサ値)を算出し、記憶手段35に受け渡す。記憶手段35は、信号処理手段33が生成したセンサ値及び、時刻情報を対応付けて、記憶部(補助記憶装置13)に格納する。
【0040】
まず、マイクロフォンセンサ(第2のセンサ55)によって取得される交流成分生体信号のセンサ値Alevelの算出方法を説明する。マイクロフォンセンサ(第2のセンサ55)によって取得した交流成分生体信号を、ADC32は、A/D変換して所定のサンプリング周波数の離散的時系列データを信号処理手段33に受け渡す。信号処理手段33は、受け取った離散的時系列データに対してHigh Passフィルタをかけ、高周波交流生体信号Ai(i=1,2,3,・・・,n)を得る。
【0041】
信号処理手段33は、所定の時間単位に含まれるAp〜Aqを以下式(1)に代入し、標準偏差Sとしての信号レベルAlevel(センサ値)を算出する。式(1)において、nは時系列データの数を示す。
【0042】
【数1】
【0043】
次いで、気圧センサ(第1のセンサ54)によって取得される直流成分生体信号のセンサ値Dlevelの算出方法を説明する。気圧センサ(第1のセンサ54)によって取得した直流成分生体信号を、ADC31は、A/D変換して所定のサンプリング周波数の離散的時系列データを信号処理手段33に受け渡す。信号処理手段33は、直流生体信号Di(i=1,2,3,・・・,n)を得る。
【0044】
信号処理手段33は、所定の時間単位に含まれるDp〜Dqを以下式(2)に代入し、信号の絶対値の平均値を算出して、信号レベルDlevel(センサ値)を得る。式(2)において、nは時系列データの数を示す。
【0045】
【数2】
【0046】
閾値設定手段34は、直流成分生体信号についての1又は複数の閾値及び、交流成分生体信号についての1又は複数の閾値の設定を受け付ける。本実施形態では、直流成分生体信号のセンサ値を基に設定された閾値D1と、交流成分生体信号のセンサ値を基に設定された閾値A1、A2とが、閾値設定手段34を介して設定される。記憶手段35は、閾値設定手段34が処理した閾値を、記憶部(補助記憶装置13)に格納する。
【0047】
図5を用いて、本実施形態における閾値の設定方法について説明する。まず、図5(a)を用いて、交流成分生体信号のセンサ値を基に、閾値A1、A2を設定する方法について説明する。
【0048】
図5(a)は、閾値の設定を行う為のテスト計測時における交流成分生体信号のセンサ値である。信号処理手段33によって算出された信号レベルAlevel(センサ値)を縦軸、時間軸を横軸として、センサ値がプロットされている。ここで、TA1は、対象者が寝具に不在の状態、即ち離床状態でのセンサ値と対応する時間を示す。TA2は、対象者が寝具に乗り、臥床状態に移行しようとする状態でのセンサ値と対応する時間を示す。TA3は、対象者が寝具に寝た状態、即ち臥床状態で、信号レベルAlevel(センサ値)が安定した際のセンサ値と対応する時間を示す。
【0049】
まず、臥床状態(TA3)のセンサ値、即ち臥床状態かつ体動がない状態におけるセンサ値の平均を値A0とする。そして、A1=A0/Pとして、閾値A1を得る。また、A2=A0*Qとして、閾値A2を得る。ここで、値P、Qは、事前に定めた静的な数値であってもよいし、例えばTA1〜TA3のタイミングにおける信号レベルAlevel(センサ値)を用いて、動的に設定されるものであってもよい。
【0050】
次いで、図5(b)を用いて、直流成分生体信号のセンサ値を基に、閾値D1を設定する方法について説明する。
【0051】
図5(b)は、閾値の設定を行う為のテスト計測時における直流成分生体信号のセンサ値である。信号処理手段33によって算出された信号レベルDlevel(センサ値)を縦軸、時間軸を横軸として、センサ値がプロットされている。ここで、TD1は離床状態でのセンサ値と対応する時間を示す。TD2は、対象者が寝具に乗り、臥床状態に移行しようとする状態でのセンサ値を示す。TD3は臥床状態で、信号レベルAlevel(センサ値)が安定した際のセンサ値と対応する時間を示す。
【0052】
まず、離床状態(TD1)のセンサ値の平均を値D0とする。そして、D1=D0+ΔDとして、閾値D1を得る。ここで、ΔDは、事前に定めた静的な数値であってもよいし、例えばTD1〜TD3のタイミングにおける信号レベルDlevel(センサ値)を用いて、動的に設定されるものであってもよい。
【0053】
判断処理手段36は、直流成分生体信号についての1又は複数の閾値及び、交流成分生体信号についての1又は複数の閾値の組み合わせに基づいて、対象者Uの在床行動を複数種類の行動状態として分類する。本実施形態では、閾値D1、A1、A2を用いて、6種類の行動状態を分類し、対象者の行動状態をモニタリングする。記憶手段35は、判断処理手段36が分類した各センサ値の行動状態を、センサ値及び、時刻情報と対応付けて、記憶部(補助記憶装置13)に格納する。
【0054】
図6(a)は、行動状態の2次元プロットについての概念図である。図6(a)に示すように、本実施形態では、信号レベルDlevel(センサ値)及び、信号レベルAlevel(センサ値)をx−y軸とし、閾値D1、A1、A2を用いて分類される6種類の行動状態を6象限に分ける2次元プロットにより、対象者の行動状態を表示する。行動状態として、離床状態、弱生体レベル状態、起き上がり状態、臥床状態、起き上がり段階体動状態、臥床段階体動状態、の6状態に対象者の行動状態を分類する。
【0055】
図示例に示すように、判断処理手段36は、記憶部に格納されたセンサ値及び閾値を用いて、行動状態の分類を行う。具体的には、判断処理手段36は、離床状態のセンサ値を用いて設定された直流成分生体信号についての第1の閾値D1に基づく判断条件を満たす場合、臥床状態かつ体動がない状態のセンサ値を用いて設定された交流成分生体信号についての第1の閾値A1に基づく判断条件を満たさないのであれば、弱生体状態を対象者の行動状態として判断し、閾値A1に基づく判断条件を満たし、かつ、交流成分生体信号についての第2の閾値A2(A1<A2)に基づく判断条件を満たさないのであれば、臥床状態を対象者の行動状態として判断し、閾値A2に基づく判断条件を満たすのであれば、臥床段階体動状態を対象者の行動状態として判断する。
【0056】
また、判断処理手段36は、離床状態のセンサ値を用いて設定された直流成分生体信号についての第1の閾値D1に基づく判断条件を満たさない場合、交流成分生体信号についての第1の閾値A1に基づく判断条件を満たさないのであれば、離床状態を対象者の行動状態として判断し、閾値A1に基づく判断条件を満たし、かつ、交流成分生体信号についての第2の閾値A2に基づく判断条件を満たさないのであれば、起き上がり状態を対象者の行動状態として判断し、閾値A2に基づく判断条件を満たすのであれば、起き上がり段階体動状態を対象者の行動状態として判断する。
【0057】
表示処理手段37は、記憶部に格納されたセンサ値及び、時間情報に基づいて、判断処理手段36による分類結果を表示処理し、表示処理結果を出力する。図6(b)は、測定したセンサ値を表示処理し、2次元プロットを表示した場合の画面表示例である。本実施形態では、情報処理装置3の表示部17に、表示処理手段37による表示処理結果が出力され、画面表示が行われる。図6(c)は、測定したセンサ値を集計して表示処理し、棒グラフを表示した場合の画面表示例である。
【0058】
また、表示処理手段37は、既述の表示形式に加えて、又は代えて、更に別の形式にて表示処理を行ってもよい。図7は、測定したセンサ値を集計して表示処理し、帯状グラフを表示した場合の画面表示例である。
【0059】
図7(a)は、センサ装置2がリアルタイムで測定しているセンサ値に基づいて、情報処理装置3において帯状グラフによる行動状態のモニタリングを行う場合の画面表示例である。図示例のグラフは、横軸が時間軸であり、時間ごとの行動状態の判断結果が帯状グラフで塗り分けられることで、ある時点から現在に至るまでの行動状態が一目瞭然となる。
【0060】
図7(b)は、センサ装置2が過去に測定したセンサ値に基づいて、情報処理装置3において、ある期間の行動状態のモニタリングを行う場合の画面表示例である。ここで、横軸の基端及び他端は、予め設定されたモニタリングの開始時間及び終了時間であり、その間の行動状態の判断結果が、帯状グラフにおいて塗り分けられることで、開始時間から終了時間に至るまでの行動状態が一目瞭然となる。図示例では、XX月XX日の21:00から翌9:00までの行動状態について、帯状グラフにより表示している。
【0061】
通知処理手段38は、特定の行動状態が判断処理手段36により判断された場合に、通知処理を行う。ここで、特定の行動状態とは、例えば、弱生体状態や、他所への移動の予備動作となる起き上がり段階体動状態であり、判断処理手段36によってこれらの行動状態が判断された場合には、通知処理手段38は、利用者に対する通知処理を行う。
【0062】
なお、通知処理は、情報処理装置3を介して利用者に警告を行うものであってもよいし、メールアドレスや電話番号、プッシュID等によって、図示しない端末装置に行われるものであってもよい。また、判断結果の内容を通知内容の生成に利用して、通知処理を行ってもよい。
【0063】
図8、9を用いて、帯状グラフによる画面表示例並びに、その際の交流成分生体信号のセンサ値及び、直流成分生体信号のセンサ値について、例示する。図8、9は、ある対象者について測定した、交流成分生体信号のセンサ値の二次元グラフと、直流成分生体信号のセンサ値の二次元グラフと、その際の判断結果に基づいて、表示処理手段37が表示処理する帯状グラフの表示内容を示す図である。
【0064】
まず、図8のケースについて説明する。図示例におけるT1、T3の時間帯において、交流成分生体信号のセンサ値は、閾値A1を上回り、A2を下回っている。同様にT1、T3の時間帯において、直流成分生体信号のセンサ値は、閾値D1を上回っている。そのため、判断処理手段36は、T1の時間帯における行動状態を、臥床状態(図示例における「InBed」)と判断する。
【0065】
図示例におけるT2の時間帯において、交流成分生体信号のセンサ値は、閾値A1を上回り、更にA2を上回っている。同様にT2の時間帯において、直流成分生体信号のセンサ値は、閾値D1を上回っている。そのため、判断処理手段36は、T2の時間帯における行動状態を、臥床段階体動状態(図示例における「InMove」)と判断する。
【0066】
次いで、図9のケースについて説明する。図示例におけるT1の時間帯において、交流成分生体信号のセンサ値は、閾値A1を上回り、A2を下回っている。同様にT1の時間帯において、直流成分生体信号のセンサ値は、閾値D1を上回っている。そのため、判断処理手段36は、T1の時間帯における行動状態を、臥床状態(図示例における「InBed」)と判断する。
【0067】
図示例におけるT2の時間帯において、交流成分生体信号のセンサ値は、閾値A1を上回り、更にA2を上回っている。同様にT2の時間帯において、直流成分生体信号のセンサ値は、閾値D1を上回っている。そのため、判断処理手段36は、T2の時間帯における行動状態を、臥床段階体動状態(図示例における「InMove」)と判断する。
【0068】
図示例におけるT3、T5の時間帯において、交流成分生体信号のセンサ値は、閾値A1を上回り、更にA2を上回っている。同様にT3、T5の時間帯において、直流成分生体信号のセンサ値は、閾値D1を下回っている。そのため、判断処理手段36は、T3、T5の時間帯における行動状態を、起き上がり段階体動状態(図示例における「UpMove」)と判断する。
【0069】
図示例におけるT4の時間帯において、交流成分生体信号のセンサ値は、閾値A1を上回り、A2を下回っている。同様にT4の時間帯において、直流成分生体信号のセンサ値は、閾値D1を下回っている。そのため、判断処理手段36は、T4の時間帯における行動状態を、起き上がり状態(図示例における「GetUp」)と判断する。
【0070】
図示例におけるT6時間帯において、交流成分生体信号のセンサ値は、閾値A2を下回り、更にA1を下回っている。同様にT6の時間帯において、直流成分生体信号のセンサ値は、閾値D1を下回っている。そのため、判断処理手段36は、T6の時間帯における行動状態を、離床状態(図示例における「OutBed」)と判断する。
【符号の説明】
【0071】
1 行動状態判定システム
10 マットレス
11 演算装置(CPU)
12 主記憶装置(RAM)
13 補助記憶装置
14 通信制御部
15 通信インタフェース(IF)部
16 表示制御部
17 表示部
18 情報入力・指定部
2 センサ装置
21 装置本体
22 接続部材
3 情報処理装置
31、32 ADC
33 信号処理手段
34 閾値設定手段
35 記憶手段
36 判断処理手段
37 表示処理手段
38 通知処理手段
4 通信ネットワーク
5 センサユニット
51 筐体
52 接続部材
53 基材
54 第1のセンサ
55 第2のセンサ
56 コネクタ
57 接続ケーブル
58 パネル部材
A1、A2、D1 閾値
U 対象者
BF ベッドフレーム
BM ベッドマット
H1、H2 中空筒部材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9