(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中間像を結像するタイプのレンズシステムにおいて、優れたフォーカス性能を備えたレンズシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様の1つは、第1の光学系を有し、入力側からの光により第1の光学系の内部に結像される中間像を、出力側に最終像として結像するレンズシステムである。この第1の光学系は、フォーカシングの際に動く第1のサブシステムを含み、第1のサブシステムは、中間像の入力側に最も近接した位置に配置され、フォーカシングの際に動く第1のレンズと、中間像の出力側に最も近接した位置に配置され、フォーカシングの際に動く第2のレンズとを含む。
【0006】
このレンズシステムでは、入力側からの光を中間像として結像し、中間像からの光を最終像として再結像する。中間像の近傍、すなわち中間像の入力側および出力側における各画角の光束が分離されやすい。このため、中間像を入力側および出力側から挟むように配置された第1および第2のレンズをフォーカシングの際に動かすことにより、各画角の光線経路を急激に変化させることなくフォーカシングを行うことができる。したがって、フォーカシングに伴う収差変動を抑制しながらピント調整を行うことが可能なレンズシステムを提供できる。
【0007】
このレンズシステムにおいては、入力側からの光により中間像を結像する入力側の光学系と、中間像を最終像として結像する出力側の光学系とを有する。第1のレンズは、入力側の光学系に含まれ、第2のレンズは出力側の光学系に含まれ、レンズシステムは、入力側の光学系と出力側の光学系とにわたるインナーフォーカス機能を備えた第1の光学系を含む。さらに、第2のレンズは、フォーカシングの際に、第1のレンズとの空気間隔を変えずに一体で移動する。
【0008】
中間像の入力側に位置する第1のレンズは中間像側に凹の面を含み、中間像の出力側に位置する第2のレンズは中間像側に凹の面を含む。中間像側に凹の面を向けたレンズで中間像を挟み、それらをフォーカシングの際に協調して動かすことによりフォーカシング性能を向上しやすい。また、第1のサブシステムは、第1のレンズを含み、屈折力が正の第1のレンズ群と、第2のレンズを含み、屈折力が負の第2のレンズ群とを含んでもよい。パワーの異なるレンズ群で中間像を挟み、それらをフォーカシングの際に協調して動かすことによりフォーカシング性能を向上しやすい。
【0009】
第1のサブシステムは負の屈折力を備え、第1の光学系は、さらに、第1のサブシステムの出力側に位置し、フォーカシングの際に動かない正の屈折力の第2のサブシステムと、第2のサブシステムの出力側に位置し、フォーカシングの際に動く第3のサブシステムとを備えていてもよい。第3のサブシステムを第1のサブシステムの動きを補償するよう動かしてもよく、フローティングフォーカス機能を実現できる。
【0010】
正の屈折力の第2のサブシステムを第1のサブシステムの出力側に固定することにより、中間像の出力側において発散する光束をほぼテレセントリックに近い状態で出力側に出力できる。このため、テレセントリックに近い状態で入射する光束に対し第3のサブシステムのレンズを動かすことができる。したがって、フォーカシングの際に像倍率の変動を抑制しながら第1のサブシステムが発生させた諸収差を第3のサブシステムにより良好に補正できる。
【0011】
フォーカシングを行う第1の光学系は、他のサブシステムを挟まずに、第1のサブシステム、第2のサブシステムおよび第3のサブシステムが入力側から順番に配置されたものであってもよい。第2のサブシステムは出力側に凸の正メニスカスレンズの1枚構成であってもよく、第3のサブシステムは出力側に凸の正メニスカスレンズの1枚構成であってもよい。
【0012】
第1のサブシステムの焦点距離f1と、第3のサブシステムの焦点距離f3と、第1の光学系の焦点距離fとが以下の条件(1.1)ないし(1.3)を満たすことが望ましい。
−200<f1<−90 ・・・(1.1)
90<f3<200 ・・・(1.2)
190<f<300 ・・・(1.3)
【0013】
第1の光学系のパワーを条件(1.3)に示すように弱くし、第1の光学系の中で動かす第1および第3のサブシステムのパワーを条件(1.1)および(1.2)に示すように逆転させパワーバランスをほぼ等しくすることにより、フォーカシングにより第1のサブシステムが発生させた諸収差を第3のサブシステムにより良好に補正できる。条件(1.1)ないし(1.3)の範囲を超えると、第1および第3のサブシステムのパワーバランスが崩れ、フォーカシングに伴う画角変動、いわゆるフォーカスブリージングを抑制することが困難となる。
【0014】
このレンズシステムは、第1の光学系の出力側に配置される変倍機能を備えた第2の光学系をさらに有していてもよい。
【0015】
広角端における当該レンズシステムの無限遠距離に対する合焦状態の焦点距離fwfと、広角端における当該レンズシステムの至近距離に対する合焦状態の焦点距離fwnと、望遠端における当該レンズシステムの無限遠距離に対する合焦状態の焦点距離ftfと、望遠端における当該レンズシステムの至近距離に対する合焦状態の焦点距離ftnとが以下の条件(2.1)および(2.2)を満たすことが望ましい。
|1−fwf/fwn|<0.005 ・・・(2.1)
|1−ftf/ftn|<0.005 ・・・(2.2)
【0016】
広角端における当該レンズシステムの無限遠距離に対する合焦状態の歪曲収差dwfと、広角端における当該レンズシステムの至近距離に対する合焦状態の歪曲収差dwnと、望遠端における当該レンズシステムの無限遠距離に対する合焦状態の歪曲収差dtfと、望遠端における当該レンズシステムの至近距離に対する合焦状態の歪曲収差dtnとが以下の条件(3.1)および(3.2)を満たすことが望ましい。
|dwn−dwf|<1.0 ・・・(3.1)
|dtn−dtf|<1.0 ・・・(3.2)
【0017】
本発明の異なる態様の1つは、上記のレンズシステムと、レンズシステムの最終像が結像する位置に配置される撮像デバイスとを有する撮像装置である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1(a)および
図1(b)に、第1の実施形態に係るレンズシステム10およびそれを用いた撮像装置1の概略構成を示しており、
図1(a)は広角端(WIDE)におけるレンズ配置を示し、
図1(b)は望遠端(TELE)におけるレンズ配置を示している。
図2(a)および
図2(b)に、レンズシステム10の広角端におけるフォーカシングの様子を示しており、
図2(a)は至近物体距離に対する合焦状態におけるレンズ配置を示し、
図2(b)は無限遠物体距離に対する合焦状態におけるレンズ配置を示している。
【0020】
撮像装置(カメラ)1は、レンズシステム10と、レンズシステム10の最終像52が結像する位置に配置された撮像デバイス50とを備えている。レンズシステム10は、入力側(物体側、入射側)90aから順に、入力側90aからの光を中間像51として結像する第1のレンズ群(1次レンズ群、入力側の光学系)11と、中間像51からの光を最終像52として結像する第2のレンズ群(2次レンズ群、リレーレンズ群、出力側の光学系)12とから構成されている。レンズシステム10は、全体が24枚のガラス製のレンズL101〜L110およびL201〜L214により構成された再結像タイプのレンズシステム(2段光学系)である。第1のレンズ群(入力側の光学系)11および第2のレンズ群(出力側の光学系)12は、フォーカシングを行う第1の光学系(合焦光学系)Fとしての機能と、ズーミングを行う第2の光学系(変倍光学系)Zとしての機能とを含む。撮像デバイス50の一例は、最終像52を電気信号(画像データ)に変換するCCDやCMOSなどのイメージセンサー(撮像素子)である。
【0021】
第1のレンズ群11は、光軸100を含む平面100xに対し一方の領域(第1の領域、
図1(a)〜
図2(b)において上側半分の領域)100aから入射する光束を第1の領域100aの反対側、すなわち光軸100を含む平面100xに対し他方の領域(第2の領域、
図1(a)〜
図2(b)において下側半分の領域)100bに倒立した中間像(倒立像)51として結像する。第2のレンズ群12は、中間像51から出射する光束を第1の領域100aに中間像51の上下左右が反転した最終像(正立像)52として結像する。
【0022】
第1のレンズ群(入力側の光学系)11は、入力側90aから順に配置された、入力側90aに凸面S1を向けたメニスカスタイプの負レンズL101と、入力側90aに凸面S3を向けたメニスカスタイプの負レンズL102と、3枚貼合タイプの接合レンズ(バルサムレンズ)LB1と、両凸タイプの正レンズL106と、両凸タイプの正レンズL107と、両凹タイプの負レンズL108と、両凸タイプの正レンズL109と、入力側90aに凸面S17を向けたメニスカスタイプの正レンズL110とから構成されている。
【0023】
接合レンズLB1は、入力側90aから順に配置された、両凹タイプの負レンズL103と、両凸タイプの正レンズL104と、出力側(最終像側、出射側、結像側)90bに凸面S8を向けたメニスカスタイプの負レンズL105とから構成されている。負レンズL102の両面、すなわち入力側90aの凸面S3および出力側90bの凹面S4のそれぞれは非球面である。正レンズL107の両面、すなわち入力側90aの凸面S11および出力側90bの凸面S12のそれぞれは非球面である。正レンズL109の両面、すなわち入力側90aの凸面S15および出力側90bの凸面S16のそれぞれは非球面である。最も入力側90aの負レンズL101は、レンズシステム10の中で最も大きな有効径(口径)のレンズであるが、その有効径は71.89mmと映画撮影用レンズとしてはコンパクトである。
【0024】
第2のレンズ群(出力側の光学系)12は、入力側90aから順に配置された、両凹タイプの負レンズL201と、出力側90bに凸面S22を向けたメニスカスタイプの正レンズL202と、出力側90bに凸面S24を向けたメニスカスタイプの正レンズL203と、両凸タイプの正レンズL204と、2枚貼合タイプの接合レンズLB2と、入力側90aに凸面S30を向けたメニスカスタイプの正レンズL207と、入力側90aに凸面S32を向けたメニスカスタイプの正レンズL208と、開口絞りStと、入力側90aに凸面S34を向けたメニスカスタイプの負レンズL209と、2枚貼合タイプの接合レンズLB3と、2枚貼合タイプの接合レンズLB4と、両凸タイプの正レンズL214とから構成されている。第2のレンズ群12の出力側90bには、カバーガラスCGを挟んで撮像デバイス50が配置されている。撮像デバイス50は、画像データをパーソナルコンピュータなどのホスト装置に提供したり、コンピュータネットワークなどを介して外部の情報処理装置に伝送したりできる。
【0025】
接合レンズLB2は、入力側90aから順に配置された、両凹タイプの負レンズL205と、両凸タイプの正レンズL206とから構成されている。接合レンズLB3は、入力側90aから順に配置された、両凸タイプの正レンズL210と、両凹タイプの負レンズL211とから構成されている。接合レンズLB4は、入力側90aから順に配置された、両凹タイプの負レンズL212と、両凸タイプの正レンズL213とから構成されている。
【0026】
このレンズシステム10では、最も入力側90aに配置された有効径が最も大きい負レンズL101により広範囲(広角度)から取り込んだ光束を、第1のレンズ群11により光軸100を横切って反対側(第2の領域100b)に導き、倒立像(中間像)51として中間結像(1次結像)させる。中間像51を経た光束は、第2のレンズ群12により光軸100を横切って元の側(第1の領域100a)に導かれ、正立像(最終像)52として最終結像(2次結像)される。第1の領域100aから入射した光(軸外光線)は光軸100を2回横切り(交差し)、入射した側の第1の領域100aに再結像される。したがって、広角の軸外光線を第1の領域100aのみで屈折させて最終結像させる必要がなく、諸収差の発生を抑制しながら広角化を図りやすい。
【0027】
レンズシステム10のレンズL204〜L208は、第2の光学系(変倍光学系、ズームレンズ群)Zに含まれる。変倍光学系Zは、入力側90aから順に、ズーミングの際に動く正の屈折力の第1のサブシステム(第1のサブ光学系)Z1と、ズーミングの際に動く正の屈折力の第2のサブシステム(第2のサブ光学系)Z2と、ズーミングの際に動く正の屈折力の第3のサブシステム(第3のサブ光学系)Z3とから構成されている。第1のサブシステムZ1は、第2のレンズ群12の正レンズL204から構成されている。第2のサブシステムZ2は、正レンズL204の出力側90bに順に配置された、接合レンズLB2と、正レンズL207とから構成されている。第3のサブシステムZ3は、正レンズL207の出力側90bに配置された正レンズL208から構成されている。
【0028】
このレンズシステム10では、広角端から望遠端に変倍する際に、第1のレンズ群11の全てのレンズL101〜L110と、第2のレンズ群12のレンズL201〜L203およびレンズL209〜L214とは動かず、光学系Z1〜Z3のそれぞれが出力側90bから入力側90aへ向けて光軸100に沿って単調に動くことによりズーミングを行う。このため、ズーミングに伴い中間像51の結像位置が変動することがなく、広角端から望遠端に至る各ズームポジションにおいて、中間像面がレンズ表面やレンズ内に位置することを抑制できる。したがって、レンズ表面の傷やゴミなどの異物が最終像52へ写り込むことを抑制できる。さらに、このレンズシステム10では、変倍光学系Zの出力側90bに絞りStを配置し、ズーミングの際に動かさず固定することにより、絞り径を変えることなくズーミングに伴うF値の変動を抑制できる。したがって、変倍光学系Zの出力側90bに絞りStが配置された、シネマ撮影用レンズとして好適なレンズレイアウトを実現でき、さらにズーミング機構も簡素化できる。
【0029】
レンズシステム10のレンズL110、L201〜L203は、第1の光学系(フォーカスレンズ群、合焦光学系)Fに含まれる。フォーカスレンズ群Fは、入力側90aから順に、フォーカシングの際に動く負の屈折力の第1のサブシステム(第1のサブ光学系)F1と、フォーカシングの際に動かない正の屈折力の第2のサブシステム(第2のサブ光学系)F2と、フォーカシングの際に動く正の屈折力の第3のサブシステム(第3のサブ光学系)F3とから構成されている。フォーカスレンズ群Fは、第1のサブシステムF1と、第3のサブシステムF3とがフローティングフォーカス形式で移動する。
【0030】
第1のサブシステムF1は、第1のレンズ群(入力側の光学系)11の最も出力側90bに配置された正レンズL110と、第2のレンズ群(出力側の光学系)12の最も入力側90aに配置された負レンズL201とから構成されている。第2のサブシステムF2および第3のサブシステムF3は出力側の光学系12に含まれる。第2のサブシステムF2は、負レンズL201の出力側90bに配置された正レンズL202から構成されている。第3のサブシステムF3は、正レンズL202の出力側90bに配置された正レンズL203から構成されている。
【0031】
第1のサブシステムF1は、入力側90aから中間像51に最も近接した位置に配置された正レンズ(第1のレンズ)L110からなる正の屈折力の第1のレンズ群F1−1と、出力側90bから中間像51に最も近接した位置に配置された負レンズ(第2のレンズ)L201からなる負の屈折力の第2のレンズ群F1−2とから構成されている。第1のレンズL110は、入力側90aに凸のメニスカスタイプであり、第2のレンズL201は両凹タイプの負レンズである。第1のサブシステムF1の両レンズL110およびL201は、第1のレンズ群11および第2のレンズ群12の間の空間に結像される中間像51を、直に(空気間隔のみを隔てて)入力側90aおよび出力側90bから中間像51の側に凹の面S18およびS19により挟むように配置される。
【0032】
このレンズシステム10では、至近物体距離(合焦可能な最短撮影距離、最至近距離)から無限遠物体距離(それ以降、ピント調整(フォーカシング)が不要となる距離)に合焦する際に、第1のレンズ群11のレンズL101〜L109と、第2のレンズ群12の光学系F2(レンズL202)およびレンズL204〜L214とは動かず、第1のサブシステムF1および第3のサブシステムF3のそれぞれが出力側90bから入力側90aへ向けて光軸100に沿って単調に動くことによりフォーカシング(焦点調整)を行う。中間像51の近傍、すなわち中間像51の入力側90aにおいては入力側90aから入射する光束が合焦(結像)し、中間像51の出力側90bにおいては中間像51において結像した光が発散している。このため、中間像51の前後においては各画角の光束を分離して制御しやすい。したがって、中間像51を挟むレンズL110およびL201を動かすことにより、各画角の光線経路を急激に変化させることなくフォーカシングを行うことができる。第2のレンズL201は、第1のレンズL110と同期して、または独立して動くものであってもよい。
【0033】
このレンズシステム10では、中間像51の両側のレンズL110およびL201を凹面S18およびS19を対峙させて配置している。このため、中間像51に最も近いレンズ面の曲率を逆転させることができる。したがって、中間像51の入力側90aで動くレンズL110が発生させる諸収差を、中間像51の出力側90bで動くレンズL201により補正しやすい。さらに、中間像51の前後においては結像するように光束が制御され、各画角の光束がそれぞれ集中し、たとえば、各画角の光束径が細くなっている。このため、中間像51の前後に配置するレンズL110およびL201のレンズ径を小型化できる。したがって、フォーカシング機構も簡素化しやすい。
【0034】
このレンズシステム10では、第1の光学系Fの入力側90aに両面S15およびS16が非球面の正レンズL109を配置している。このため、最も入力側90aに配置された負レンズL101により広画角に集光した光束を正レンズL109によりほぼテレセントリックに近い状態で出力側90bに出力できる。したがって、正レンズL109の出力側90bに配置された第1のサブシステムF1を、コリメートされた光束に対し動かすことができる。このため、像倍率の変動を抑制しながらフォーカシングを行うことができる。さらに、両面が非球面の正レンズL109により、入射光をほぼ平行光に変える際に像面湾曲や歪曲収差が発生することを抑制できる。したがって、レンズ枚数の増大を抑制でき、光学系の全長が長大化することも抑制できる。
【0035】
このレンズシステム10では、第1のサブシステムF1の負レンズL201の出力側90bに配置された第2のサブシステムF2の正レンズL202を固定している。このため、中間像51の出力側90bにおいて発散する光束を正レンズL202によりほぼテレセントリックに近い状態で出力側90bに出力できる。したがって、正レンズL202の出力側90bに配置された第3のサブシステムF3のレンズL203を、コリメートされた光束に対し動かすことができる。このため、フォーカシングに伴う収差変動を抑制しながらピント調整を行うことが可能なレンズシステム10を提供できる。
【0036】
このレンズシステム10では、最も入力側90aのレンズL101および最も出力側90bのレンズL214を動かさないため、レンズシステム10の全長を変えることなくズーミングおよびフォーカシングを行うことができる。さらに、このレンズシステム10では、入射瞳EPが負レンズL102および負レンズL103の間、本例では負レンズL101の入力側90aの凸面S1から出力側90bに向かって5.46mmの距離に位置している。このため、入射瞳EPよりも入力側90aに負の屈折力のレンズのみを配置し、負レンズL101およびL102のレンズ径を大型化することなく、効果的に広角化を図りやすい。さらに、入射瞳EPの出力側90bに、高分散の負レンズL103およびL105の間に低分散の正レンズL104を挟んで貼り合せた接合レンズLB1を配置することにより、レンズシステム10全体の色収差を良好に補正できる。
【0037】
このレンズシステム10では、第1のサブシステムF1の合成焦点距離f1と、第3のサブシステムF3の合成焦点距離f3と、第1の光学系Fの合成焦点距離fとが以下の条件(1.1)ないし(1.3)を満たすように設計されている。なお、単位はmmである。
−200<f1<−90 ・・・(1.1)
90<f3<200 ・・・(1.2)
190<f<300 ・・・(1.3)
【0038】
このレンズシステム10では、第1の光学系Fのパワーを条件(1.3)に示すように弱くし、第1の光学系Fの中で動かす光学系F1およびF3のパワーを条件(1.1)および(1.2)に示すように逆転させパワーバランスをほぼ等しくすることにより、フォーカシングにより光学系F1が発生させた諸収差を光学系F3により良好に補正できる。
【0039】
条件(1.1)の上限は、−95であることが好ましく、−100であることがいっそう好ましい。条件(1.1)の下限は、−150であることが好ましく、−130であることがいっそう好ましい。条件(1.2)の上限は、150であることが好ましく、110であることがいっそう好ましい。条件(1.2)の下限は、92.5であることが好ましく、95であることがいっそう好ましい。条件(1.3)の上限は、270であることが好ましく、240であることがいっそう好ましい。条件(1.3)の下限は、200であることが好ましく、210であることがいっそう好ましい。条件(1.1)ないし(1.3)の範囲を超えると、光学系F1およびF3のパワーバランスが崩れ、フォーカシングに伴う画角変動、いわゆるフォーカスブリージングを抑制することが困難となる。
【0040】
このレンズシステム10では、中間像51の入力側90aおよび出力側90bにおける入射光束および出射光束をテレセントリックに近い状態で光束が集中しないように分散させ、第1のサブシステムF1を中間像51を挟んだ状態で一体で動かし、さらに、第3のサブシステムF3を第1のサブシステムF1の動きを補償するように第1のサブシステムF1と連動して動かすことによりフォーカシングを行っている。したがって、広角端における無限遠距離に対する合焦状態の合成焦点距離fwfと、広角端における至近距離に対する合焦状態の合成焦点距離fwnと、望遠端における無限遠距離に対する合焦状態の合成焦点距離ftfと、望遠端における至近距離に対する合焦状態の合成焦点距離ftnとが以下の条件(2.1)および(2.2)を満たすように設計されている。
|1−fwf/fwn|<0.005 ・・・(2.1)
|1−ftf/ftn|<0.005 ・・・(2.2)
【0041】
このレンズシステム10では、条件(2.1)および(2.2)を成立させることにより、フォーカシングに伴う収差変動およびフォーカスブリージングを抑制しながら、至近距離から無限遠距離にわたりピント位置の調整を精度よく行うことができる。条件(2.1)および(2.2)の上限を超えると、フォーカシングに伴う焦点距離の変動が大きくなり、像サイズや画角の変動を抑制することが困難となる。
【0042】
このレンズシステム10では、広角端における無限遠距離に対する合焦状態の歪曲収差dwfと、広角端における至近距離に対する合焦状態の歪曲収差dwnと、望遠端における無限遠距離に対する合焦状態の歪曲収差dtfと、望遠端における至近距離に対する合焦状態の歪曲収差dtnとが以下の条件(3.1)および(3.2)を満たすように設計されている。なお単位は%である。
|dwn−dwf|<1.0 ・・・(3.1)
|dtn−dtf|<1.0 ・・・(3.2)
【0043】
このレンズシステム10では、条件(3.1)および(3.2)を成立させることにより、フォーカシングに伴う歪曲収差の変動を抑制しながら、至近距離から無限遠距離にわたりピント位置の調整を精度よく行うことができる。条件(3.1)および(3.2)の上限を超えると、フォーカシングに伴う歪曲収差の変動が大きくなり、被写体の周辺部の歪みや背景視野の変動を抑制することが困難となる。
【0044】
このレンズシステム10では、全てのレンズL101〜L110およびL201〜L214のそれぞれのアッベ数が22よりも大きくなるように設計されている。さらに、第1の光学系Fの正の屈折力のレンズL110、L202およびL203のアッベ数が25よりも大きくなるように設計されている。短波長側の光の内部透過率が低下することを抑制できる。さらに、レンズシステム10の全てのレンズのアッベ数を22よりも大きくすることにより、高屈折率で高分散のレンズの使用量を減らすことができる。このため、各波長の光透過特性を向上させやすい。したがって、色特性指数に関する国際規格であるCCI(カラーコントリビューションインデックス)の規格値を満足した、シネマ撮影用の交換レンズとして適したレンズシステム10を提供できる。
【0045】
一般に、映画撮影などで使用される大型の撮像素子に対応した像円形の大きい広角系のレンズシステムにおいては、至近距離から無限遠距離にわたり均一性のある、すなわち像面湾曲や歪曲収差の変化を抑制した高い光学性能を備えたフォーカスシステムを提供することは容易ではない。さらに、シネマ撮影用やテレビ撮影用のように動画撮影を主とした撮像システムにおいては、フォーカスシステムを積極的に使用し、被写体に対しピントを合わせたり外したりすることにより被写体を強調する表現手法が用いられることがある。その際、フォーカシングに伴う画角の変化や歪曲収差の変化が引き起こす、いわゆるフォーカスブリージングと称される背景視野の変化や被写体サイズの変化は好ましくないとされている。
【0046】
このレンズシステム10では、入力側(物体側)90aから入射した軸外光線を光軸100を横切って倒立結像し、再度光軸100を横切って正立結像している。このため、諸収差の発生を抑制しながら広角の軸外光線を取り込んでレンズシステムの広画角化を図りやすい。さらに、中間像51を挟む光学系F1を動かすことにより、フォーカシングに伴う収差変動を抑制しながら広いフォーカス範囲においてピント調整を行うことができる。したがって、フォーカスブリージングを抑制しやすく、映画撮影用などの用途に好適なフォーカスレンズシステム10を提供できる。
【0047】
図3に、レンズシステム10の各レンズのレンズデータを示している。
図4(a)〜
図4(e)に、レンズシステム10の諸数値を示しており、
図4(a)は基本データを示し、
図4(b)はズームデータを示し、
図4(c)は広角端におけるフォーカスデータを示し、
図4(d)は望遠端におけるフォーカスデータを示し、
図4(e)は非球面データを示している。
図3において、Riは入力側90aから順に並んだ各レンズ(各レンズ面)の曲率半径(mm)、diは入力側90aから順に並んだ各レンズ面の間の距離(mm)、Diは入力側90aから順に並んだ各レンズ面の有効径(mm)、ndは入力側90aから順に並んだ各レンズの屈折率(d線)、νdは入力側90aから順に並んだ各レンズのアッベ数(d線)を示している。また、
図3において、Flatは平面を示している。
図4(a)において、入射瞳位置は負レンズL101の凸面S1からの距離を示し、出射瞳位置は撮像デバイス50の像面からの距離を示している。以降の実施形態においても同様である。
【0048】
図4(b)に示すように、レンズシステム10では、ズーミングの際に、正レンズL203および正レンズL204の間の空気間隔(光軸上の距離)d24と、正レンズL204および負レンズL205の間の空気間隔d26と、正レンズL207および正レンズL208の間の空気間隔d31と、正レンズL208および絞りStの間の空気間隔d33とが変化する。また、
図4(c)および(d)に示すように、レンズシステム10では、フォーカシングの際に、正レンズL109および正レンズL110の間の空気間隔d16と、負レンズL201および正レンズL202の間の空気間隔d20と、正レンズL202および正レンズL203の間の空気間隔d22と、正レンズL203および正レンズL204の間の空気間隔d24とが変化する。
【0049】
また、
図4(e)に示すように、負レンズL102の両面S3およびS4と、正レンズL107の両面S11およびS12と、正レンズL109の両面S15およびS16とは非球面である。非球面は、Xを光軸方向の座標、Yを光軸と垂直方向の座標、光の進行方向を正、Rを近軸曲率半径とすると、
図4(e)の係数K、A4、A6、A8、A10、A12およびA14を用いて次式で表わされる。なお、図中の「En」は、「10のn乗」を意味する。
X=(1/R)Y
2 /[1+{1−(1+K)(1/R)
2 Y
2 }1/2]
+A4Y
4 +A6Y
6 +A8Y
8 +A10Y
10 +A12Y
12 +A14Y
14
【0050】
本例のレンズシステム10の上述した条件(1.1)〜(1.3)、(2.1)〜(2.2)および(3.1)〜(3.2)を与える各式の値は、
図4(a)の各値を用いると以下のようになる。
条件(1.1) f1=−104
条件(1.2) f3=98
条件(1.3) f=218
条件(2.1) |1−fwf/fwn|=0.001
条件(2.2) |1−ftf/ftn|=0.004
条件(3.1) |dwn−dwf|=0.9
条件(3.2) |dtn−dtf|=0.9
したがって、本例のレンズシステム10は、条件(1.1)〜(1.3)、(2.1)〜(2.2)および(3.1)〜(3.2)を満たしている。
【0051】
図5(a)および
図5(b)に、レンズシステム10の広角端における収差図を示しており、
図5(a)は至近距離に対する合焦状態の収差図を示し、
図5(b)は無限遠距離に対する合焦状態の収差図を示している。
図6(a)および
図6(b)に、レンズシステム10の望遠端における収差図を示しており、
図6(a)は至近距離に対する合焦状態の収差図を示し、
図6(b)は無限遠距離に対する合焦状態の収差図を示している。これらの図に示すように、いずれの収差も良好に補正されており、鮮明な画像を撮影できる。なお、球面収差は、波長656nm(二点鎖線)と、波長587nm(実線)と、波長546nm(一点鎖線)と、波長486nm(破線)と、波長435nm(点線)とを示している。また、非点収差は、タンジェンシャル光線(T)およびサジタル光線(S)の収差をそれぞれ示している。以降の実施形態においても同様である。
【0052】
図7に、レンズシステム10の広角端における無限遠距離に対する合焦状態のMTF(Modulation Transfer Function)を示している。
図8に、レンズシステム10の望遠端における無限遠距離に対する合焦状態のMTFを示している。
図7および
図8において、符号501は回折限界時の曲線を示し、符号502は光軸上の性能を示し、符号503は像高h0.4におけるタンジェンシャル像面(T)のMTFを示し、符号504は像高h0.4におけるサジタル像面(S)のMTFを示し、符号505は像高h0.6におけるタンジェンシャル像面(T)のMTFを示し、符号506は像高h0.6におけるサジタル像面(S)のMTFを示し、符号507は像高h0.8におけるタンジェンシャル像面(T)のMTFを示し、符号508は像高h0.8におけるサジタル像面(S)のMTFを示し、符号509は像高h1.0におけるタンジェンシャル像面(T)のMTFを示し、符号510は像高h1.0におけるサジタル像面(S)のMTFを示している。なお、像高hは像の中心を0、最大像高を1.0とした場合の最大像高に対する割合を示している。以降の実施形態においても同様である。これらの図に示すように、被写体のコントラストを良好に再現できている。
【0053】
このように、本例のレンズシステム10は、広角端において半画角が60.7度と広角で、F値が2.6と明るく鮮明な画像を撮影でき、さらに、変倍率が2倍程度で変倍時のバックフォーカスおよびレンズ全長の変動がない、高性能のフォーカスシステムを備えたレンズシステムの一例である。したがって、ズーミングおよびフォーカシングによりレンズ全長が変化せず、レンズシステム10の堅牢性を確保しやすいため、異物の混入やそれに伴う誤作動の発生などを抑制しやすく、過酷な撮影条件にも耐えうる映画撮影用に好適なレンズシステム10を提供できる。さらに、映画撮影用の用途において、レンズシステムの前方にマットボックスなどを設置する場合にも、レンズ全長が変化しないため取付機構を単純化できる。
【0054】
図9(a)および
図9(b)に、第2の実施形態に係るレンズシステム20およびそれを用いた撮像装置1の概略構成を示しており、
図9(a)は広角端(WIDE)におけるレンズ配置を示し、
図9(b)は望遠端(TELE)におけるレンズ配置を示している。
図10(a)および
図10(b)に、レンズシステム20の広角端におけるフォーカシングの様子を示しており、
図10(a)は至近物体距離に対する合焦状態におけるレンズ配置を示し、
図10(b)は無限遠物体距離に対する合焦状態におけるレンズ配置を示している。
【0055】
レンズシステム20も、入力側90aから順に、入力側90aからの光を中間像51として結像する第1のレンズ群(入力側の光学系)21と、中間像51からの光を最終像52として結像する第2のレンズ群(出力側の光学系)22とから構成されている。レンズシステム20は、全体が26枚のガラス製のレンズL101〜L112およびL201〜L214により構成された再結像タイプの2段光学系であり、第1のレンズ群21および第2のレンズ群22の内部に、フォーカシングを行う第1の光学系Fと、ズーミングを行う変倍光学系Zとを備えている。なお、上記の実施形態と共通の構成については、共通の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0056】
第1のレンズ群21は、入力側90aから順に配置された、入力側90aに凸面S1を向けたメニスカスタイプの負レンズL101と、入力側90aに凸面S3を向けたメニスカスタイプの負レンズL102と、3枚貼合タイプの接合レンズLB1と、両凸タイプの正レンズL106と、両凸タイプの正レンズL107と、出力側90bに凸面S14を向けたメニスカスタイプの負レンズL108と、両凸タイプの正レンズL109と、入力側90aに凸面S17を向けたメニスカスタイプの正レンズL110と、両凸タイプの正レンズL111と、両凹タイプの負レンズL112とから構成されている。
【0057】
第1のレンズ群21の負レンズL102の両面、すなわち入力側90aの凸面S3および出力側90bの凹面S4のそれぞれは非球面である。正レンズL109の両面、すなわち入力側90aの凸面S15および出力側90bの凸面S16のそれぞれは非球面である。最も入力側90aの負レンズL101は、レンズシステム10の中で最も大きな有効径のレンズであるが、その有効径は71.41mmと映画撮影用レンズとしてはコンパクトである。
【0058】
第2のレンズ群22は、入力側90aから順に配置された、両凹タイプの負レンズL201と、出力側90bに凸面S26を向けたメニスカスタイプの正レンズL202と、出力側90bに凸面S28を向けたメニスカスタイプの正レンズL203と、入力側90aに凸面S29を向けた平凸タイプの正レンズL204と、2枚貼合タイプの接合レンズLB2と、入力側90aに凸面S34を向けた平凸タイプの正レンズL207と、入力側90aに凸面S36を向けたメニスカスタイプの正レンズL208と、開口絞りStと、入力側90aに凸面S38を向けたメニスカスタイプの負レンズL209と、2枚貼合タイプの接合レンズLB3と、2枚貼合タイプの接合レンズLB4と、両凸タイプの正レンズL214とから構成されている。
【0059】
このレンズシステム20では、広角端から望遠端に変倍する際に、第1のレンズ群21の全てのレンズL101〜L112と、第2のレンズ群22のレンズL201〜L203およびレンズL209〜L214とは動かず、光学系Z1〜Z3のそれぞれが出力側90bから入力側90aへ向けて光軸100に沿って単調に動くことによりズーミングを行う。
【0060】
レンズシステム20の第1の光学系(合焦光学系)Fは、入力側90aから順に、フォーカシングの際に動く負の屈折力の第1のサブシステムF1と、フォーカシングの際に動かない正の屈折力の第2のサブシステムF2と、フォーカシングの際に動く正の屈折力の第3のサブシステムF3とから構成されている。第1のサブシステムF1は、第1のレンズ群21の最も出力側90bから2番目に配置された正レンズL111と、第1のレンズ群21の最も出力側90bに配置された負レンズL112と、第2のレンズ群22の最も入力側90aに配置された負レンズL201とから構成されている。正レンズL111および負レンズL112が第1のサブシステムF1の第1のレンズ群F1−1を構成し、負レンズL201が第2のレンズ群F1−2を構成する。第1のサブシステムF1の負レンズ(第1のレンズ)L112および負レンズ(第2のレンズ)L201は、第1のレンズ群21および第2のレンズ群22の間の空間に結像される中間像51を、空気間隔のみを隔てて入力側90aおよび出力側90bから挟むように配置される。
【0061】
このレンズシステム20では、至近物体距離から無限遠物体距離に合焦する際に、第1のレンズ群21のレンズL101〜L110と、第2のレンズ群22の光学系F2(レンズL202)およびレンズL204〜L214とは動かず、光学系F1が中間像51を挟んだ状態で動き、さらに、光学系F3が光学系F1の動きを補償するように光学系F1と連動して動くことによりフォーカシングを行う。中間像51の前後においては画角ごとの光束が分離しやすいため、中間像51の入力側90aにおける収束光の光線角度と、中間像51の出力側90bにおける発散光の光線角度とは中間像51に対し対称(前後対称、像対称)となりやすい。このため、中間像51に対し対称的に収束および発散する光線に対し、中間像51を挟んで凹面S22およびS23を対峙させた対称的なレンズ配置の光学系F1を動かすことにより、画角ごとの光線経路の変動を中間像51の前後で相殺しやすい。したがって、フォーカシングに伴う収差変動を抑制しながらピント調整を行うことが可能なレンズシステム20を提供できる。さらに、中間像51は、光軸100から離れるにつれて像面が入力側90aに僅かに倒れ、入力側90aに凹面を向けるように結像している。このため、中間像51の近傍の光束はほぼテレセントリックに近い状態でバランスよく分散しやすい。したがって、ピント合わせの精度を向上させやすい。
【0062】
図11に、レンズシステム20の各レンズのレンズデータを示している。
図12(a)〜
図12(e)に、レンズシステム20の諸数値を示している。
図12(b)に示すように、レンズシステム20では、ズーミングの際に、正レンズL203および正レンズL204の間の空気間隔d28と、正レンズL204および負レンズL205の間の空気間隔d30と、正レンズL207および正レンズL208の間の空気間隔d35と、正レンズL208および絞りStの間の空気間隔d37とが変化する。レンズシステム20では、フォーカシングの際に、入力側の光学系21の負レンズL112と出力側の光学系22の負レンズL201との間の空気間隔d22は変わらず、
図12(c)および(d)に示すように、正レンズL110および正レンズL111の間の空気間隔d18と、負レンズL201および正レンズL202の間の空気間隔d24と、正レンズL202および正レンズL203の間の空気間隔d26と、正レンズL203および正レンズL204の間の空気間隔d28とが変化する。また、
図12(e)に示すように、負レンズL102の両面S3およびS4と、正レンズL109の両面S15およびS16とは非球面である。
【0063】
本例のレンズシステム20の上述した条件(1.1)〜(1.3)、(2.1)〜(2.2)および(3.1)〜(3.2)を与える各式の値は、
図12(a)の各値を用いると以下のようになる。
条件(1.1) f1=−128
条件(1.2) f3=101
条件(1.3) f=194
条件(2.1) |1−fwf/fwn|=0.001
条件(2.2) |1−ftf/ftn|=0.001
条件(3.1) |dwn−dwf|=0.3
条件(3.2) |dtn−dtf|=0.5
したがって、本例のレンズシステム20は、条件(1.1)〜(1.3)、(2.1)〜(2.2)および(3.1)〜(3.2)を満たしている。
【0064】
図13(a)および
図13(b)に、レンズシステム20の広角端における収差図を示しており、
図13(a)は至近距離に対する合焦状態の収差図を示し、
図13(b)は無限遠距離に対する合焦状態の収差図を示している。
図14(a)および
図14(b)に、レンズシステム20の望遠端における収差図を示しており、
図14(a)は至近距離に対する合焦状態の収差図を示し、
図14(b)は無限遠距離に対する合焦状態の収差図を示している。これらの図に示すように、いずれの収差も良好に補正されており、鮮明な画像を撮影できる。
【0065】
図15に、レンズシステム20の広角端における無限遠距離に対する合焦状態のMTFを示している。
図16に、レンズシステム20の望遠端における無限遠距離に対する合焦状態のMTFを示している。これらの図に示すように、被写体のコントラストを良好に再現できている。
【0066】
なお、本発明はこれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に規定されたものを含む。
【0067】
上記には、第1の光学系を有し、入力側からの光により前記第1の光学系の内部に結像される中間像を、出力側に最終像として結像するレンズシステムであって、前記第1の光学系は、第1のサブシステムを含み、前記第1のサブシステムは、前記中間像の入力側に最も近接した位置に配置され、フォーカシングの際に動く第1のレンズと、前記中間像の出力側に最も近接した位置に配置され、フォーカシングの際に動く第2のレンズとを含む、レンズシステムが開示されている。前記第2のレンズは、フォーカシングの際に、前記第1のレンズとの空気間隔を変えずに一体で移動してもよい。当該レンズシステムは、入力側からの光により前記中間像を結像する入力側の光学系と、前記中間像を前記最終像として結像する出力側の光学系とを有し、前記第1のレンズは前記入力側の光学系に含まれ、前記第2のレンズは前記出力側の光学系に含まれてもよい。前記第1のレンズは前記中間像側に凹の面を含み、前記第2のレンズは前記中間像側に凹の面を含んでもよい。前記第1のサブシステムは、前記第1のレンズを含み、屈折力が正の第1のレンズ群と、前記第2のレンズを含み、屈折力が負の第2のレンズ群とを含んでもよい。
【0068】
前記第1のサブシステムは負の屈折力を含み、前記第1の光学系は、さらに、前記第1のサブシステムの出力側に位置し、フォーカシングの際に動かない正の屈折力の第2のサブシステムと、前記第2のサブシステムの出力側に位置し、フォーカシングの際に動く正の屈折力の第3のサブシステムとを含んでもよい。前記第1のサブシステム、前記第2のサブシステムおよび前記第3のサブシステムは、他のサブシステムを挟まずに、入力側から順番に配置されていてもよい。前記第2のサブシステムは出力側に凸の正メニスカスレンズの1枚構成であり、前記第3のサブシステムは出力側に凸の正メニスカスレンズの1枚構成であってもよい。
【0069】
前記第1のサブシステムの焦点距離f1と、前記第3のサブシステムの焦点距離f3と、前記第1の光学系の焦点距離fとが以下の条件を満たしてもよい。
−200<f1<−90
90<f3<200
190<f<300
【0070】
レンズシステムは、前記第1の光学系の出力側に配置された、変倍機能を備えた第2の光学系をさらに有してもよい。広角端における当該レンズシステムの無限遠距離に対する合焦状態の焦点距離fwfと、広角端における当該レンズシステムの至近距離に対する合焦状態の焦点距離fwnと、望遠端における当該レンズシステムの無限遠距離に対する合焦状態の焦点距離ftfと、望遠端における当該レンズシステムの至近距離に対する合焦状態の焦点距離ftnとが以下の条件を満たしてもよい。
|1−fwf/fwn|<0.005
|1−ftf/ftn|<0.005
【0071】
広角端における当該レンズシステムの無限遠距離に対する合焦状態の歪曲収差dwfと、広角端における当該レンズシステムの至近距離に対する合焦状態の歪曲収差dwnと、望遠端における当該レンズシステムの無限遠距離に対する合焦状態の歪曲収差dtfと、望遠端における当該レンズシステムの至近距離に対する合焦状態の歪曲収差dtnとが以下の条件を満たしてもよい。
|dwn−dwf|<1.0
|dtn−dtf|<1.0