特許第6739110号(P6739110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739110
(24)【登録日】2020年7月27日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】配送管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 39/042 20060101AFI20200730BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20200730BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20200730BHJP
【FI】
   B65H39/042
   G06Q50/10
   G06Q30/02 380
【請求項の数】7
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-165777(P2018-165777)
(22)【出願日】2018年9月5日
(62)【分割の表示】特願2017-33652(P2017-33652)の分割
【原出願日】2017年2月24日
(65)【公開番号】特開2019-16373(P2019-16373A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2019年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000152125
【氏名又は名称】株式会社プレッシオ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】紺屋 匡
【審査官】 松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−163246(JP,A)
【文献】 特開2005−235107(JP,A)
【文献】 特開2010−052890(JP,A)
【文献】 特開2010−202346(JP,A)
【文献】 特開2013−001552(JP,A)
【文献】 特開2002−207820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H39/00−39/16
G06Q30/02
G06Q50/10
G06Q50/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告識別情報、配送拠点識別情報、及び配達日情報を含む複数の電子広告情報を受信する手順と、
前記複数の電子広告情報のうち、第1の配送拠点識別情及び第1の配達日情報を含む第1及び第2の電子広告情報を選択し、前記第1及び第2の電子広告情報に基づき広告丁合処理情報を生成する手順と、
前記広告丁合処理情報を出力する手順と、をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第1の電子広告情報は、第1の広告の第1の広告識別情報、前記第1の広告の第1の部数、前記第1の配送拠点識別情報、及び第1の配達日情報を含み、
前記第2の電子広告情報は、第2の広告の第2の広告識別情報、前記第2の広告の第2の部数、前記第1の配送拠点識別情報、及び前記第1の配達日情報を含み、
前記広告丁合処理情報は、前記第1の広告識別情報、前記第1の部数、前記第2の広告識別情報、前記第2の部数、前記第1の配送拠点識別情報、及び前記第1の配達日情報を含み、
前記第1の部数に応じた配達区域別の部数情報、及び前記第2の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成する手順をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
配達区域別の部数履歴情報に基づき、前記第1の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成し、前記第2の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成する手順をコンピュータに実行させる請求項1のプログラム。
【請求項3】
前記第1の広告識別情報に基づき前記第1の広告の配達区域別の第1の部数履歴情報を調べて、前記第1の部数履歴情報に基づき前記第1の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成し、また、前記第2の広告識別情報に基づき前記第2の広告の配達区域別の第2の部数履歴情報を調べて、前記第2の部数履歴情報に基づき前記第2の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成する手順をコンピュータに実行させる請求項1のプログラム。
【請求項4】
配送管理装置及び丁合機を備える配送管理システムであって、
前記配送管理装置は、
広告識別情報、配送拠点識別情報、及び配達日情報を含む複数の電子広告情報を受信する第1の受信部と、
前記複数の電子広告情報のうち、第1の配送拠点識別情報及び第1の配達日情報を含む第1及び第2の電子広告情報を選択し、前記第1及び第2の電子広告情報に基づき広告丁合処理情報を生成する処理部と、
前記広告丁合処理情報を出力する第1の出力部と、を備え、
前記第1の電子広告情報は、第1の広告の第1の広告識別情報、前記第1の広告の第1の部数、前記第1の配送拠点識別情報、及び第1の配達日情報を含み、
前記第2の電子広告情報は、第2の広告の第2の広告識別情報、前記第2の広告の第2の部数、前記第1の配送拠点識別情報、及び前記第1の配達日情報を含み、
前記広告丁合処理情報は、前記第1の広告識別情報、前記第1の部数、前記第2の広告識別情報、前記第2の部数、前記第1の配送拠点識別情報、及び前記第1の配達日情報を含み、
前記丁合機は、
前記広告丁合処理情報を受信する第2の受信部と、
前記広告丁合処理情報に基づき前記第1及び第2の広告を丁合する丁合部と、
を備え、
前記丁合部は、前記第1の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成し、前記第2の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成し、前記第1及び第2の広告を丁合する配送管理システム。
【請求項5】
前記丁合部は、配達区域別の部数履歴情報に基づき、前記第1の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成し、前記第2の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成する請求項4の配送管理システム。
【請求項6】
前記丁合部は、前記第1の広告識別情報に基づき前記第1の広告の配達区域別の第1の部数履歴情報を調べて、前記第1の部数履歴情報に基づき前記第1の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成し、また、前記第2の広告識別情報に基づき前記第2の広告の配達区域別の第2の部数履歴情報を調べて、前記第2の部数履歴情報に基づき前記第2の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成する請求項4の配送管理システム。
【請求項7】
前記第1の広告識別情報に基づく前記第1の広告の配達区域別の複数の第1の部数履歴情報を表示する表示部と、
前記複数の第1の部数履歴情報から情報の選択を可能にする入力部と、を備え、
前記丁合部は、前記入力部で選択される第1の部数履歴情報に基づき前記第1の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成する請求項6の配送管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、丁合物等の配送管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
新聞等の各販売店には、予め指定された複数種類の広告束が、予め指定された部数だけ配送される。例えば、各販売店には丁合機が設置され、丁合機には配送された複数種類の広告束がセットされる。丁合機は、セットされた複数種類の広告束から1枚ずつ広告を取り出し、取り出した広告を丁合して丁合物を作る。これにより、各販売店において、指定された丁合物の準備が整う。
【0003】
また、販売店の上流側に位置する折込会社に丁合機を設置し、折込会社に設置された丁合機が各販売店向けの丁合物を作成し、折込会社から各販売店へ丁合物を配送する仕組みも考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−86979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、販売店への広告束の誤配送があると、販売店において誤った種別又は誤った部数の丁合物が作成されてしまう。
【0006】
また、折込会社の丁合機において各販売店用の丁合物を作成する場合でも、丁合機へ誤った種別又は誤った部数の広告束がセットされた場合には、各販売店用の誤った種別又は誤った部数の丁合物が作成されてしまう。
【0007】
このような誤った丁合物の作成を防止する仕組みが要望されている。
【0008】
本発明の目的は、誤った丁合物の作成防止に貢献することができるプログラム、配送管理装置、及び配送管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明の実施形態に係るプログラムは、広告識別情報、配送拠点識別情報、及び配達日情報を含む複数の電子広告情報を受信する手順と、前記複数の電子広告情報のうち、第1の配送拠点識別情報、及び第1の配達日情報を含む1以上の電子広告情報を選択し、前記選択された1以上の電子広告情報に基づき広告丁合処理情報を生成する手順と、前記広告丁合処理情報を出力する手順と、をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記広告丁合処理情報は、前記選択された1以上の電子広告情報に含まれる広告識別情報、前記第1の配送拠点識別情報、及び前記第1の配達日情報を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、誤った丁合物の作成防止に貢献することができるプログラム、配送管理装置、及び配送管理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る折込受託システムの一例を示す図である。
図2】折込受託システムの概要を示す図である。
図3】折込受託システムの概要を示す図である。
図4】折込受託システムの概要を示す図である。
図5】折込受託システムの概要を示す図である。
図6】折込受託システムの概要を示す図である。
図7】丁合機による折込指示データの表示例を示す図である。
図8】丁合機による折込指示データの表示例を示す図である。
図9】丁合機による折込指示データの表示例を示す図である。
図10】丁合機による折込指示データの表示例を示す図である。
図11】丁合機による折込指示データの表示例を示す図である。
図12】丁合機による折込指示データの表示例を示す図である。
図13】折込受託システムの概要を示す図である。
図14】丁合機による折込指示データの表示例を示す図である。
図15】丁合機による折込指示データの表示例を示す図である。
図16】丁合機による折込指示データの表示例を示す図である。
図17】納品広告宛紙(丁合済広告宛紙)の一例を示す図である。
図18】折込受託システムの概要を示す図である。
図19】タブレットの表示例及び納品広告宛紙(丁合済広告宛紙)の一例を示す図である。
図20】折込受託システムの概要を示す図である。
図21】折込受託システムの概要を示す図である。
図22】実施形態に係る丁合機の一例を示す斜視図である。
図23】実施形態に係る丁合機の一例を示す断面図である。
図24】実施形態に係る丁合機の一例を示す部分断面図である。
図25】実施形態に係る丁合機の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、広告とチラシを同義で用いることにする。
【0013】
図1は、実施形態に係る折込受託システムの一例を示す図である。図1に示すように、折込受託システムは、折込データ処理装置S1、折込指示データ作成装置S2、サーバS3、及び丁合機S4を備える。
【0014】
折込データ処理装置S1は、制御部S11、記憶部S12、通信部S13、入力部S14、表示部S15、及び印刷部S16を備える。制御部S11は、プロセッサ及びメモリを備える。例えば、折込データ処理装置S1は、プロセッサ及びメモリを備えるパーソナルコンピュータ等で実現することができる。
【0015】
折込指示データ作成装置S2は、制御部S21、記憶部S22、通信部S23、入力部S24、及び表示部S25を備える。制御部S21は、プロセッサ及びメモリを備える。折込指示データ作成装置S2は、プロセッサ及びメモリを備えるパーソナルコンピュータ等で実現することができる。
【0016】
クラウドサーバS3は、制御部S31、記憶部S32、及び通信部S33を備える。制御部S31は、プロセッサ及びメモリを備える。クラウドサーバS3は、プロセッサ及びメモリを備えるパーソナルコンピュータ等で実現することができる。
【0017】
丁合機S4は、制御部S41、記憶部S42、通信部S43、入力部S44、表示部S45、及び丁合機構S46を備える。後に丁合機S4の構成例について詳しく説明する。
【0018】
図2は、折込受託システムの概要(その1)を説明する図である。図2に示すように、折込データ提供装置S1は、通信部S13により、折込データをエクスポートする(折込データ処理装置S1は、通信部S13により、折込データを折込指示データ作成装置S2へインポートする)。例えば、折込データは、複数の電子広告情報を含み、各電子公告情報は、ID(広告識別情報)、店舗名(配送拠点情報)、折込日(配達日情報)、スポンサー名、枚数、チラシサイズ、金額、折込指示内容を含む。各電子広告情報は、広告識別情報により識別可能となる。折込指示内容は、一番上(先頭)にセットする広告であるか否かの情報(先頭指定情報)、及び親紙(帯)として希望されて広告であるか否かの情報等(帯指定情報)を含む。
【0019】
また、折込データ提供装置S1は、印刷部S16により、折込データに基づき折込広告宛紙を印刷する。例えば、折込データの第1の電子公告情報が、第1のID、店舗A(第1の配送拠点識別情報)、折込日2017/3/1(第1の配達日情報)、第1のスポンサー名、1200枚(部数)、1区〜4区(配達区域情報)、A4サイズを含むと仮定する。例えば、印刷部S16は、折込データの第1の電子公告情報に基づき、4枚の折込広告宛紙を印刷し、1枚目の折込広告宛紙は、バーコード等の情報を有し、バーコード等の情報は、第1のID、店舗A、折込日2017/3/1、第1のスポンサー名、300枚、1区〜4区、A4サイズ、及び1/4(梱包)を示す情報を含む。また、2枚目の折込広告宛紙は、バーコード等の情報を有し、バーコード等の情報は、第1のID、店舗A、折込日2017/3/1、第1のスポンサー名、300枚、1区〜4区、A4サイズ、及び2/4(梱包)を示す情報を含む。また、3枚目の折込広告宛紙は、バーコード等の情報を有し、バーコード等の情報は、第1のID、店舗A、折込日2017/3/1、第1のスポンサー名、300枚、1区〜4区、A4サイズ、及び3/4(梱包)を示す情報を含む。また、4枚目の折込広告宛紙は、バーコード等の情報を有し、バーコード等の情報は、第1のID、店舗A、折込日2017/3/1、第1のスポンサー名、300枚、1区〜4区、A4サイズ、及び4/4(梱包)を示す情報を含む。
【0020】
担当者は、第1の電子公告情報に対応する1200枚の広告を400枚ずつ4梱包に分ける。各梱包には折込広告宛紙が付与される。これにより、折込指示データ作成装置S2から出力される折込指示データと現物(広告の梱包)とが完全に一致する。
【0021】
また、折込指示データ作成装置S2は、折込データに含まれる複数の電子広告情報のうち、同一の店舗名及び同一の折込日を含む1以上の電子広告情報を選択し、選択された電子広告情報に基づき折込指示データ(広告丁合処理情報)を生成する。例えば、折込指示データ作成装置S2は、店舗A及び折込日2017/3/1を含む1以上の電子広告情報を選択し、選択された電子広告情報に基づき折込指示データ(広告丁合処理情報)を生成する。
【0022】
図3は、折込受託システムの概要(その2)を説明する図である。図3に示すように、折込指示データ作成装置S2は、メール等により、折込指示データを販売店のメール端末へ送信する。販売店のメール端末は、このメールを受信して折込指示データを表示する。販売店の担当は、メールの内容、つまり折込指示データの内容を確認することができる。販売店のメール端末は、確認の結果(修正の有無及び修正版の折込指示データ等)を折込指示データ作成装置S2へ送信する。
【0023】
図4は、折込受託システムの概要(その3)を説明する図である。図4に示すように、折込指示データ作成装置S2は、通信部S23により、丁合機S4へ折込指示データをインポートする。折込指示データ作成装置S2と丁合機S4とが通信して、折込指示データ作成装置S2から丁合機S4へ折込指示データをインポートしてもよいし、クラウドサーバS3を介して、折込指示データ作成装置S2から丁合機S4へ折込指示データをインポートしてもよい。また、記憶メディア等を利用して、折込指示データを記憶した記憶メディアを介して、丁合機S4へ折込指示データをインポートしてもよい。
【0024】
丁合機S4は、折込指示データに基づき区域設定を行う。区域設定については後に詳しく説明する。
【0025】
さらに、丁合機S4の表示部S45は、折込指示データを表示する。入力部S44は、店舗名と折込日の指定を受け付ける。例えば、入力部S44が、店舗A及び折込日2017/3/1の指定を受け付けると、制御部S41は、折込指示データから、店舗A及び折込日2017/3/1に該当する電子公告情報を抽出し、抽出された電子公告情報を丁合データとして設定する。
【0026】
また、丁合機S4の入力部S44は、バーコードリーダRからの情報を入力(受信)する通信インターフェースを備える。バーコードリーダRは、梱包に添付された折込広告宛紙のバーコードを読み取る。制御部S41は、丁合データに含まれる電子公告情報とバーコード読取りデータとを比較し一致又は不一致を判定し、表示部S45は、両者の一致に対応して、丁合受け入れ許可を通知し、さらに該当の広告束を丁合機S4へセットすることを促す。また、表示部S45は、両者の不一致に対応して、丁合受け入れ不許可を通知し、さらに該当の広告束を丁合機S4へセットしないように注意を促す。制御部S41は、丁合データに含まれる全ての電子広告情報について一致が確認されると、制御部S41は丁合処理の開始を許可する。表示部S45は、丁合データに含まれる一部の電子広告情報について一致が確認されていない場合には、さらなるバーコードの読取りと一致が確認された広告束のセットを要求する。つまり、制御部S41は、広告束の受け入れ可否、及び広告束の過不足を判定する。
【0027】
図5は、折込受託システムの概要(その4)を説明する図である。図5に示すように、丁合機S4において、丁合データに含まれる全ての電子広告情報について一致が確認さ、丁合処理の開始が許可されると、丁合機機構S46により、広告の丁合処理が開始される。
【0028】
丁合機S4は、丁合データ(配送拠点情報を含む)をクラウドサーバS3及びプリンタS5へ出力し、プリンタS5は、丁合データに基づき納品広告宛紙(丁合済広告宛紙)を印刷する。また、クラウドサーバS3は、丁合データを記憶部32に記憶する。図17は、納品広告宛紙(丁合済広告宛紙)の一例を示す図である。例えば、丁合データが、第1のID、店舗A、折込日2017/3/1、600部を含むと仮定する。例えば、プリンタS5は、丁合データに基づき、3枚の納品広告宛紙を印刷し、1枚目の納品広告宛紙は、バーコード等の情報を有し、バーコード等の情報は、第1のID、店舗A、折込日2017/3/1、200部、及び1/3(梱包)を示す情報を含む。また、2枚目の納品広告宛紙は、バーコード等の情報を有し、バーコード等の情報は、第1のID、店舗A、折込日2017/3/1、200部、及び2/3(梱包)を示す情報を含む。また、3枚目の納品広告宛紙は、バーコード等の情報を有し、バーコード等の情報は、第1のID、店舗A、折込日2017/3/1、200部、及び3/3(梱包)を示す情報を含む。
【0029】
担当者は、丁合データに対応する600部の丁合物を200部ずつ3梱包に分ける。各梱包には納品広告宛紙が付与される。これにより、丁合データに対応する現物(丁合物の梱包)の準備が完了する。
【0030】
また、丁合機S4は、丁合データをクラウドサーバS3へ送信する。クラウドサーバS3は、丁合データを受信し管理する。例えば、丁合物をトラックへ積み込む際に、タブレットTと通信可能なバーコードリーダRで丁合物に添付された納品広告宛紙のバーコードを読取り、読取りデータをクラウドサーバS3へ送信することにより、トラックへの丁合物の積み込み漏れを防止することができる。タブレットTは、プロセッサ、メモリ、表示部、通信部等により構成される。例えば、クラウドサーバS3は、丁合データに基づき、店舗A及び折込日2017/3/1の条件で必要とされる丁合物を認識することができる。タブレットTからクラウドサーバS3に対して、店舗A及び折込日2017/3/1の条件を指定した上で、タブレットT(バーコードリーダR)からクラウドサーバS3へ読取りデータを送信する。これにより、クラウドサーバS3は、丁合データ及び店舗A及び折込日2017/3/1の条件に基づき、読取りデータに対応する丁合物が積み込むべき丁合物か否か判定することができる。さらに、クラウドサーバS3は、丁合データ、店舗A及び折込日2017/3/1の条件、及び読取りデータに基づき、丁合物の積み込み漏れも判定することができる。クラウドサーバS3は、タブレットTへ判定結果を送信する。
【0031】
同様に、積み降ろしの際にも、タブレットT、バーコードリーダR、クラウドサーバS3の協働により、丁合物の積み降ろし間違え、又は積み降ろし漏れも判定することができる。
【0032】
図7図12は、丁合機S4の表示部S45による折込指示データの表示例を示す図である。
【0033】
図7に示すように、丁合機S4の表示部S45は、エクスポートされた折込指示データを表示する。
【0034】
ここで、「親紙」、「一番上」、「回戦」について補足する。複数枚の広告からなる丁合物は、指定された一枚の広告で束ねられた状態で丁合物となる。丁合物を束ねる帯となる広告を「親紙」と称する。また、親紙を除く丁合物の一番上に位置する広告を「一番上」と称する。また、丁合物を構成する最大枚数が定められており、最大枚数以内を1回戦で作成することができる。例えば、丁合物を構成する最大枚数が20枚のケースで、30枚の広告を丁合したい場合は、20枚の丁合物(第1の丁合物)と10枚の丁合物(第2の丁合物)を作成することになる。この場合、丁合機S4は、20枚の丁合物を1回戦目で作成し、10枚の丁合物を2回戦目で作成する。
【0035】
担当者は、表示部S45に表示された折込指示を見て(No.1とNo.4に親紙希望がある)、タッチパネル等の入力部S44を介して、No.1又はNo.4を親紙(帯)に指定することができる。例えば、表示部S45は、親紙を複数の給紙棚のうちのどの給紙棚(親紙用給紙棚)にセットするかを案内表示する。丁合機S4は、親紙用給紙棚にセットされる広告を親紙として丁合する。また、担当者は、表示部S45に表示された折込指示を見て(No.2とNo.6に一番上(先頭)希望がある)、タッチパネル等の入力部S44を介して、No.2又はNo.6を一番上に指定することができる。例えば、表示部S45は、一番上紙を複数の給紙棚のうちのどの給紙棚(一番上紙用給紙棚)にセットするかを案内表示する。丁合機S4は、一番上紙用給紙棚にセットされる広告を一番上として丁合する。
【0036】
図8に示すように、No.1の広告(現物)が1900枚あり、1区から予備区までの合計が1900枚の場合(全数の折込依頼の場合)、丁合機S4の制御部S41は、各区の指定枚数(1区300枚、2区400枚…)を自動で割り振る。つまり、丁合機S4の制御部S41は、部数に応じた配達区域別の部数情報を生成する。
【0037】
図9に示すように、No.2〜No.4の広告(現物)は1900枚に満たない半端広告である。例えば、丁合機S4の制御部S41は、丁合機S4の記憶部42に記憶された折込データ履歴に基づき、各区の枚数(部数)を自動で割り振る。例えば、No.2の広告のIDに基づき、No.2の広告の折込データ履歴(各区の枚数の割り振り)を調べることができる。制御部S41による各区の指定枚数の割り振りは、折込データ履歴として、記憶部42に蓄積される。つまり、丁合機S4の制御部S41は、配達区域別の部数履歴情報に基づき、部数に応じた配達区域別の部数情報を生成する。
【0038】
図10に示すように、一つの広告のIDに対して複数の折込データ履歴がある場合、表示部S45は、これら複数の折込データ履歴を表示し、タッチパネル等の入力部S44からの折込データ履歴の選択を可能にする。制御部S41は、選択された折込データ履歴に基づき、各区の枚数を自動で割り振る。
【0039】
図11に示すように、折込データ履歴が存在しない場合は、タッチパネル等の入力部S44から各区への枚数の入力が可能となる。
【0040】
図12に示すように、担当者は、表示部S45に表示された折込指示を見て、親紙を指定したり、順番を指定したり、回戦(第1及び第2の丁合物のうちのどちらか一方の丁合物)を指定したりすることができる。ある広告に対して1回戦を指定すれば、ある広告は1回戦で作成される第1の丁合物に組み込まれ、ある広告に対して2回戦を指定すれば、ある広告は2回戦で作成される第2の丁合物に組み込まれる。第1、第2、第3の広告について1回戦が指定され、第4、第5、第6の広告について2回戦が指定されると、丁合機S4は、1回戦の丁合処理に先立ち、第1、第2、第3の広告の折込広告宛紙の情報を読み取ると、1回戦の丁合処理を開始する。同様に、丁合機S4は、2回戦の丁合処理に先立ち、第4、第5、第6の広告の折込広告宛紙の情報を読み取ると、2回戦の丁合処理を開始する。
【0041】
本実施形態によれば、図13に示すように、丁合機S4は、丁合対象となる広告束に添付された折込広告宛紙のバーコード等の情報を受け取り、丁合対象となる広告束の適否を判定することができる。その結果、丁合機S4は、折込指示データに対応した丁合物を作成することができる。
【0042】
また、図14に示すように、丁合機S4の表示部S45は、折込指示データを表示するとともに、折込指示データに含まれるIDと折込広告宛紙のバーコード等から得られたIDとが一致した場合に、折込指示データの表示画面上に一致したことを示す識別情報を表示するようにしてもよい。
【0043】
また、図15に示すように、丁合機S4の表示部S45上において、タッチパネル等の入力部S44を介して回戦を指定することができる。
【0044】
また、図16に示すように、1回戦又は2回戦が実行される場合には、丁合機S4の表示部S45は、丁合機S4の表示部S45は、1回戦目又は2回戦で折り込むチラシデータを表示するようにしてもよい。
【0045】
図18は、丁合機S4により生成される丁合物の準備過程の一例を示す図である。上記説明したように、丁合機S4は、丁合物を生成し、丁合データをタブレットTへ送信する。タブレットTは、丁合データに基づき納品広告宛紙の画像(図19参照)を表示することができる。また、タブレットTは、丁合データをプリンタS5へ送信し、プリンタS5は納品広告宛紙(丁合済広告宛紙)(図19参照)を印刷する。丁合物の上に納品広告宛紙を乗せて梱包すると、丁合物(梱包)が完成する。
【0046】
例えば、図20に示すように、タブレットT及びクラウドサーバS3は、所定の新聞販売店の所定折込日の各区域別の梱包数の情報を記憶する。図21に示すように、丁合物の積み降ろしの際に、タブレットTにおいて所定の新聞販売店及び所定の折込日を指定した上で、丁合物に添付された納品広告宛紙をバーコードリーダRで読み取り、タブレットTにおいて読み取られたデータと、所定の新聞販売店及び所定の折込日の条件で絞り込まれた情報とを照合する。照合結果が一致しない場合には、タブレットTにおいて警告が表示される。また、全ての一致が確認できない場合にも、タブレットTにおいて警告が表示される。これにより、誤った丁合物の積み降ろしを防止することができる。
【0047】
なお、図6に示すように、丁合機S4を各店舗(配送拠点)に設置して、折込指示データ作成装置S2が、配送拠点別に集計された折込指示データを、対応する配送拠点に設置された丁合機S4へ送信するようにしてもよい。例えば、折込指示データ作成装置S2は、店舗Aに設置された丁合機S4の識別情報を記憶し、店舗Aの折込指示データを、店舗Aの識別情報の丁合機S4へ送信することができる。店舗Aの丁合機S4は、店舗Aの折込指示データに基づき、店舗A向けの広告束を受け取ることができ、店舗A向けの丁合物を生成することができる。同様に、店舗Bの折込指示データを店舗Bに設置された丁合機S4へ送信することができ、店舗Cの折込指示データを店舗Cに設置された丁合機S4へ送信することができる。
【0048】
以下、図22図25を参照して、丁合機S4の一例である丁合機100について説明する。
【0049】
図22は丁合機100の外観を示す斜視図である。
【0050】
なお図22における左手前側を丁合機100の前側、右手奥側を丁合機100の後側、左手奥側を左側、右手前側を右側と定義する。
【0051】
丁合機100は、支持体1、支持体2、天板3、底板4、複数の給紙棚5、複数の給紙棚6、給紙棚7、ホッパー8、上パネル9、下パネル10、複数の主パネル11及びタッチパネル12を含む。
【0052】
支持体1及び支持体2は、矩形板様の外観形状をなし、その長手方向が上下方向に向くとともに、それぞれが左側及び右側に位置するように互いに対向する。
【0053】
天板3は、支持体1及び支持体2のそれぞれの上端付近で、支持体1と支持体2とを連結する。底板4は、支持体1及び支持体2のそれぞれの下端付近で、支持体1と支持体2とを連結する。
【0054】
丁合機100は、本実施形態では11個の給紙棚5を備える。給紙棚5は、支持体1,2の間に上下方向に並んで配列された状態で支持体1,2により支持されている。給紙棚5は、その上面にシート紙(広告又はチラシに相当)を積載する。給紙棚5は、前側からのシート紙の投入を受ける。
【0055】
給紙棚6は、図22では1つのみが示されるが、給紙棚5と同数である。つまり本実施形態では、給紙棚6は11個である。給紙棚6は、支持体1,2の間に上下方向に並んで配列された状態で支持体1,2により支持されている。給紙棚6は、その上面にシート紙を積載する。給紙棚6は、後側からのシート紙の投入を受ける。給紙棚6のそれぞれは、給紙棚5のいずれかと横方向に並ぶ。
【0056】
ただし、給紙棚5,6の数は、3以上の任意の数であってよい。また、給紙棚5,6の少なくとも一部は、支持体1,2に対して着脱可能であってもよい。また、給紙棚5の数と給紙棚6の数とが異なっていても良い。
【0057】
給紙棚7は、支持体1,2の間に最下段の給紙棚5の下方に隣接する状態で配置され、支持体1,2により支持されている。給紙棚7は、その上面に、折り紙として使用されるシート紙を積載する。給紙棚7は、前側からのシート紙の投入を受ける。なお折り紙とは、2つ折り状態で紙束を挟み込むシート紙を指す。
【0058】
ホッパー8は、支持体1,2の間に給紙棚7の下方に隣接する状態で配置され、底板4により支持されている。ホッパー8は、その上面に、形成済みの紙束を積載する。
【0059】
上パネル9は、支持体1の前面に取り付けられ、動作スイッチ9a、排出スイッチ9b及びテストスイッチ9cを備える。動作スイッチ9aは、丁合動作の開始及び停止の指示を入力する。排出スイッチ9bは、丁合機100の内部に留まったシート紙を排出するための動作の開始指示を入力する。テストスイッチ9cは、試験的な丁合動作の開始指示を入力する。なお、図22には示されないが、支持体1の後面にも、上パネル9が取り付けられている。
【0060】
下パネル10は、支持体1の前面に取り付けられ、ロックスイッチ10a及び速度調整ダイヤル10bを備える。ロックスイッチ10aは、丁合動作の緊急停止指示を入力する。速度調整ダイヤル10bは、折り込みのスピードの指定を入力する。なお、図22には示されないが、支持体1の後面にも、下パネル10が取り付けられている。ただし、支持体1の後面に取り付けられた下パネル10は、速度調整ダイヤル10bに代えて、電源スイッチを備える。電源スイッチは、外部の商用電源からの電力取り込みをオン/オフする。
【0061】
なお、図22では給紙棚7の影となるために示されていないが、支持体1の前面には、排出調整ダイヤル及び折り調整ダイヤルが設けられている。排出調整ダイヤルは、形成された紙束を排出する速度の指定を入力する。折り調整ダイヤルは、給紙棚7に積載されたシート紙を折り紙とする際の折り位置の指定を入力する。
【0062】
丁合機100は、主パネル11を、給紙棚5の数よりも1つ多く備える。つまり本実施形態では、主パネル11は12個である。これら12個の主パネル11は、給紙棚5及び給紙棚7のそれぞれの横に並ぶ状態で、支持体2の前面に取り付けられ、給紙スイッチ11a、ミススイッチ11b、連段スイッチ11c及び捌き調整ダイヤル11dを備える。ただし、最上部に位置する給紙棚5及び給紙棚7の横に並んだ主パネル11は、連段スイッチ11cを備えない。主パネル11はそれぞれ、横に並んだ給紙棚5,7に対応付けられている。給紙スイッチ11a及びミススイッチ11bは、対応付けられた給紙棚を有効設定とするか否かの指定を入力する。連段スイッチ11cは、連段機能の適用の有無の指定を入力する。捌き調整ダイヤル11dは、対応付けられた給紙棚に積載されたシート紙から後述する送出機構により1枚のシート紙を送り出すためにシート紙に加える力の大きさの指定を入力する。なお、図22には示されないが、支持体2の後面にも、給紙棚6のそれぞれに対応付けて主パネル11が取り付けられている。つまり丁合機100が備える主パネル11の総数は23個である。
【0063】
タッチパネル12は、支持体2の側面に取り付けられる。タッチパネル12は、丁合機100の動作に関わる各種の情報を表示する。タッチパネル12は、丁合機100の動作に関わる各種の設定の指定を入力する。
【0064】
図23はシート紙Sの搬送のために丁合機100の内部に設けられた機構の構造を模式的に示す図である。なお、図23において、図22と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0065】
丁合機100は、シート紙Sの搬送に係わる機構の要素として、複数の送出機構21、複数の送出機構22、送出機構23、複数のガイド24、複数の縦搬送ローラ25、複数の縦搬送ローラ26、シート折り部27及び搬送ベルト28を含む。
【0066】
送出機構21は、給紙棚5のそれぞれに対応して設けられている。つまり本実施形態において送出機構21は11個である。送出機構21は、対応付けられた給紙棚5に積載されたシート紙Sを一枚ずつ送り出す。
【0067】
図24は送出機構21の具体的な構造を一部破断して示す図である。
【0068】
送出機構21は、主動給紙ローラ21a、従動給紙ローラ21b、タイミングベルト21c、捌き板21d、搬送ローラ21e,21f、給紙センサ21g、残紙センサ21h及びジャミングセンサ21iを含む。
【0069】
主動給紙ローラ21aおよび従動給紙ローラ21bは、図示しないブラケットにより上下揺動可能とされている。主動給紙ローラ21aおよび従動給紙ローラ21bは、図24には示されないモータにより発生されて図24には示されない第1の電磁クラッチを介して伝達される駆動力により回転する。従動給紙ローラ21bは、タイミングベルト21cにより主動給紙ローラ21aに連結されており、主動給紙ローラ21aの回転に伴って回転する。主動給紙ローラ21aには、図24には示されない電磁ブレーキが取り付けられている。
【0070】
捌き板21dは、主動給紙ローラ21aの下方に配置され、主動給紙ローラ21aの周面に押し当てられている。捌き板21dは、例えばゴム材より形成されており、シート紙Sに対して大きな摩擦力を与える。これにより捌き板21dは、主動給紙ローラ21aとの間に差し込まれた複数枚のシート紙Sのうちの下方に位置するものを止め、一番上に位置する一枚のみが主動給紙ローラ21aにより送り出されるようにする。
【0071】
搬送ローラ21e,21fは、それぞれの周面が互いに接するように対向して配置されている。また搬送ローラ21e,21fは、主動給紙ローラ21aによって給紙棚5から送り出されたシート紙Sが、搬送ローラ21eと搬送ローラ21fとの間へと進入するように、主動給紙ローラ21aに隣接して配置されている。搬送ローラ21e,21fは、主動給紙ローラ21aによって送り込まれたシート紙Sをガイド24に向けて送り出す。
【0072】
搬送ローラ21e,21fは、上述のモータにより発生されて図24には示されない第2の電磁クラッチを介して伝達される駆動力により回転する。
【0073】
給紙センサ21gは、アクチュエータ21g−1及びマイクロスイッチ21g−2から構成される。アクチュエータ21g−1は、搬送ローラ21eと搬送ローラ21fとの間へと進入したシート紙Sにより押し下げられる。マイクロスイッチ21g−2は、上記のように押し下げられたアクチュエータ21g−1によりオンされる。かくして、給紙センサ21gは、搬送ローラ21eと搬送ローラ21fとの間にシート紙Sが存在する状態にあることを検出する。
【0074】
残紙センサ21hは、給紙棚5に積載されたシート紙Sを検出する。残紙センサ21hとしては、例えば反射型の光センサが用いられる。従って、残紙センサ21hがシート紙Sを検出できないとき、給紙棚5にシート紙Sが適正に積載されていないと判定できる。
【0075】
ジャミングセンサ21iは、搬送ローラ21e,21fにより送り出されたシート紙Sを検出する。従って、搬送ローラ21e,21fによるシート紙Sの送り出しを開始してからある程度の時間が経過してもジャミングセンサ21iがシート紙Sを検出し続けている場合には、ジャミングが生じていると判定できる。
【0076】
図23に示す様に、送出機構22は、給紙棚6のそれぞれに対応して設けられている。つまり本実施形態において送出機構22は11個である。送出機構22は、対応付けられた給紙棚6に積載されたシート紙Sを一枚ずつ送り出す。送出機構22の構造は、送出機構21と同様であるので、その図示及び説明は省略する。
【0077】
送出機構23は、給紙棚7に対応して設けられている。送出機構23は、給紙棚7に積載されたシート紙Sを一枚ずつ送り出す。送出機構23の構造は、送出機構21と同様であるので、その図示及び説明は省略する。
【0078】
ガイド24は、1つずつの送出機構21,22に対応して1つが設けられる。つまり本実施形態においてガイド24は11個である。ガイド24は、上下方向に一列に並ぶ。ガイド24は、対応する送出機構21,22からそれぞれ送り出されるシート紙Sを縦搬送ローラ25と縦搬送ローラ26との間に送り込む。また、最上部に位置するもの以外のガイド24は、上側に隣接する縦搬送ローラ25,26から送り出されたシート紙Sを下側に隣接する縦搬送ローラ25と縦搬送ローラ26との間に送り込む。
【0079】
縦搬送ローラ25,26は、ガイド24に対応して設けられている。つまり本実施形態において縦搬送ローラ25,26は11個ずつである。縦搬送ローラ25,26は、それぞれの周面が互いに接するように対向して配置されている。また縦搬送ローラ25,26は、ガイド24により送り込まれたシート紙Sが、縦搬送ローラ25と縦搬送ローラ26との間へと進入するように、対応するガイド24の下方に隣接して配置されている。縦搬送ローラ25,26は、ガイド24によって送り込まれたシート紙Sを下方に送り出す。
【0080】
かくして、ガイド24及び縦搬送ローラ25,26により、複数の給紙棚5,6から送り出されたシート紙Sを搬送するための共通搬送路が形成される。
【0081】
シート折り部27は、搬送ベルト27a、折りボックス27b、折りボックスセンサ27c、折込み用ナイフ27d及び折りローラ27e,27fを含む。
【0082】
搬送ベルト27aは、給紙棚7から送出機構23により送り出されたシート紙Sを、その先端が折りローラ27e,27fの上方を通過して折りボックス27b内に到達するまで搬送する。
【0083】
折りボックス27bは、シート紙Sの端部を保持する。折りボックス27bがシート紙Sの端部を保持しているとき、当該シート紙Sの中央部が折りローラ27e,27fの上方に位置する。折りボックス27bは、折り調整ダイヤルの回動に伴い、図23には示されない移動機構により横方向に移動される。
【0084】
折りボックスセンサ27cは、折りボックス27bによりシート紙Sが保持されていることを検出する。
【0085】
折り込み用ナイフ27dは、共通搬送路でのシート紙Sの搬送タイミングに同期して、図示しない往復機構により上下される。折り込み用ナイフ27dは、上記のように搬送ベルト27aによりシート紙Sの先端が折りボックス27bへと送り込まれるときには、上方に位置してシート紙Sに干渉しない。折り込み用ナイフ27dは、図示しない折りナイフ駆動部により下方に移動されることにより、折りローラ27e,27fの上方に位置しているシート紙Sの中央部を折りローラ27eと折りローラ27fとの間に向けて撓ませる。
【0086】
折りローラ27e,27fは、縦搬送ローラ25,26の下方に位置している。折りローラ27e,27fは、最下段の縦搬送ローラ25,26から送り込まれるシート紙Sの束とともに、上記のように撓ませた状態で折りローラ27e,27fの上方に位置しているシート紙Sとを纏めて下方へ送り出す。これにより、上記のように撓ませた状態で折りローラ27e,27fの上方に位置していたシート紙Sは、最下段の縦搬送ローラ25,26から送り込まれるシート紙Sの束を挟み込む状態で二つ折りとされた折り紙となる。
【0087】
搬送ベルト28は、折りローラ27e,27fから送り出された折り紙付きのシート紙の束(紙束)Bを、丁合機100の前側へと搬送し、ホッパー8に向けて排出する。
【0088】
図25は丁合機100の制御系の構成を示すブロック図である。なお、図25に示される要素のうちで図22図24にも示されている要素については、同一の符号を付している。
【0089】
丁合機100は、棚対応ユニット31を、給紙棚5及び給紙棚7のそれぞれに対応して1つずつを有する。棚対応ユニット31は、対応する給紙棚5に対して設けられている主パネル11の給紙スイッチ11a、ミススイッチ11b及び連段スイッチ11cと、対応する給紙棚5に対して設けられている送出機構21に含まれた給紙センサ21g、残紙センサ21h、ジャミングセンサ21i、第1の電磁クラッチ21j、第2の電磁クラッチ21k及び電磁ブレーキ21mとを、入出力回路31aにそれぞれ接続して形成されている。ただし、最上段の給紙棚5及び給紙棚7に対応した棚対応ユニット31については、連段スイッチ11cを含まない。入出力回路31aは、接続された各種スイッチ及び各種センサの状態を表し、かつそれがどのスイッチ又はセンサに関するものであるかを識別可能とした検出情報を生成し、データ伝送路43へと送出する。入出力回路31aは、第1の電磁クラッチ21j、第2の電磁クラッチ21k及び電磁ブレーキ21mのそれぞれに対する制御情報がデータ伝送路43を介して送られてくると、当該制御情報に応じて第1の電磁クラッチ21j、第2の電磁クラッチ21k又は電磁ブレーキ21mの励磁状態を変化させる。
【0090】
なお、給紙棚に対応する棚対応ユニット31は、連段スイッチ11cを備えず、代わりに折りボックスセンサ27cを入出力回路31aに接続している。
【0091】
丁合機100は、棚対応ユニット32を、給紙棚6のそれぞれに対応して1つずつを有する。棚対応ユニット32は、棚対応ユニット31と同様にして形成される。ただし、棚対応ユニット32が備える給紙センサ、残紙センサ、ジャミングセンサ、第1の電磁クラッチ、第2の電磁クラッチ及び電磁ブレーキは、対応する給紙棚6に対して設けられている送出機構22に含まれたものである。
【0092】
入出力回路33には、動作スイッチ9a、排出スイッチ9b、テストスイッチ9c、ロックスイッチ10a、速度調整ダイヤル10b、インバータ34、モータ35、排出調整ダイヤル37、排出用モータ38及び後部表示部39がそれぞれ接続されている。入出力回路33は、接続された各種スイッチ、各種ダイヤル及び折りエンコーダ36の状態を表し、かつそれがどのデバイスに関するものであるかを識別可能とした検出情報を生成し、データ伝送路43へと送出する。入出力回路33は、モータ35、排出用モータ38及び後部表示部39のそれぞれに対する制御情報がデータ伝送路43を介して送られてくると、当該制御情報に応じてモータ35、排出用モータ38及び後部表示部39の動作状態を変化させる。
【0093】
インバータ34は、入出力回路33からモータ35の動作制御のために出力される直流の駆動信号からモータ35を駆動するための交流の駆動信号を得て、モータ35へと供給する。
【0094】
モータ35は、シート紙Sを搬送するための前述した各種のローラやベルトを駆動するための駆動力を発生する。このモータ35は、図24の説明において、主動給紙ローラ21a、従動給紙ローラ21b及び搬送ローラ21e,21fを回転させるための駆動力を発生するものとして説明されているものである。
【0095】
エンコーダ36は、共通搬送路でのシート紙Sの搬送タイミングに応じたタイミング信号を生成する。
【0096】
排出調整ダイヤル37は、図22では示されていないが支持体1の前面に設けられているものとして説明済みのものである。
【0097】
排出用モータ38は、丁合機100の内部に留まったシート紙を排出するための駆動力を発生する。
【0098】
後部表示部39は、支持体1の後面に設けられている。後部表示部39は、丁合作業時に各種の異常や使用状態を照光ランプにより表示する。
【0099】
プロセッサ41は、記憶部42とともに丁合機100を制御するコンピュータを構成する。
【0100】
プロセッサ41は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ41は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、丁合機100としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0101】
記憶部42は、上記コンピュータの主記憶部分及び補助記憶部分に相当する。記憶部42は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。記憶部42は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。記憶部42は、アプリケーションプログラムの一部を揮発性のメモリ領域に記憶する場合もある。また記憶部42は、プロセッサ41が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。記憶部42は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ41によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0102】
データ伝送路43は、プロセッサ41が各部と授受する各種のデータを伝送する。なお、タッチパネル12は、データ伝送路43に接続されている。
【0103】
次に以上のように構成された丁合機100の動作について説明する。なお、丁合機100の動作の多くは、既存の同種の丁合機における動作と同様であるので、その詳細な説明は省略する。そしてここでは、スキップ機能に関わる動作について詳細に説明する。
【0104】
まず、丁合機100では、給紙棚5,6,7の個々について、その給紙棚からの給紙の有効・無効、その給紙棚からの給紙に関するエラー検出をするか否か、ならびにその給紙棚と1つ上の給紙棚との連段の有無を設定可能とする。このため記憶部42は、これらの設定状況を管理するための設定テーブルを記憶する。
【0105】
プロセッサ41は、主パネル11にて操作者による操作が行われた場合には、その操作に応じて設定テーブルの記述を更新する。すなわちプロセッサ41は、棚番号が「n」である給紙棚に対応付けられた主パネル11において給紙スイッチ11a又はミススイッチ11bが操作される毎に、設定テーブルにて棚番号「n」に関連付けられた給紙の有効/無効を反転する。なおプロセッサ41は、給紙スイッチ11aが操作されたことに応じて給紙を有効に変更した場合には、設定テーブルにて棚番号「n」に関連付けられたエラー検知を「しない」とする。またプロセッサ41は、ミススイッチ11bが操作されたことに応じて給紙を有効に変更した場合には、設定テーブルにて棚番号「n」に関連付けられたエラー検知を「する」とする。さらにプロセッサ41は、棚番号が「n」である給紙棚に対応付けられた主パネル11において連段スイッチ11cが操作される毎に、設定テーブルにて棚番号「n」に関連付けられた連段の有無を反転する。
【0106】
丁合機100では、後述する制御処理によるスキップ機能により、給紙棚5,6の個々について、給紙を任意のパターンでスキップ可能とする。このため記憶部42は、スキップ機能の管理のための管理テーブルを記憶する。
【0107】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本願は、特願2017−033652を原出願とする分割出願である。分割直前の原出願には、原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載の発明が付記されており、以下はその付記である。
[C1]
広告識別情報、配送拠点識別情報、及び配達日情報を含む複数の電子広告情報を受信する手順と、
前記複数の電子広告情報のうち、第1の配送拠点識別情報、及び第1の配達日情報を含む1以上の電子広告情報を選択し、前記選択された1以上の電子広告情報に基づき広告丁合処理情報を生成する手順と、
前記広告丁合処理情報を出力する手順と、をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記広告丁合処理情報は、前記選択された1以上の電子広告情報に含まれる広告識別情報、前記第1の配送拠点識別情報、及び前記第1の配達日情報を含むプログラム。
[C2]
選択された第1及び第2の電子広告情報に基づき、前記広告丁合処理情報を生成する手順をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第1の電子広告情報は、第1の広告の第1の広告識別情報、前記第1の配送拠点識別情報、及び前記第1の配達日情報を含み、
前記第2の電子広告情報は、第2の広告の第2の広告識別情報、前記第1の配送拠点識別情報、及び前記第1の配達日情報を含み、
前記広告丁合処理情報は、前記第1及び第2の広告識別情報、前記第1の配送拠点識別情報、及び前記第1の配達日情報を含む[C1]のプログラム。
[C3]
前記第1の電子広告情報は、前記第1の広告の第1の部数を含み、
前記第2の電子広告情報は、前記第2の広告の第2の部数を含み、
前記広告丁合処理情報は、前記第1及び第2の部数を含む[C2]のプログラム。
[C4]
前記広告丁合処理情報は、前記第1の広告の第1の配達区域情報と、前記第2の広告の第2の配達区域情報を含む[C3]のプログラム。
[C5]
前記第1の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成し、前記第2の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成する手順をコンピュータに実行させる[C4]のプログラム。
[C6]
配達区域別の部数履歴情報に基づき、前記第1の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成し、前記第2の部数に応じた配達区域別の部数情報を生成する手順をコンピュータに実行させる[C5]のプログラム。
[C7]
前記第1の電子公告情報が、前記第1の広告を第1の広告以外の広告を束ねる帯として指定する帯指定情報を含む[C2]乃至[C6]の何れか一つのプログラム。
[C8]
前記第2の電子公告情報が、前記第2の広告を先頭に丁合する先頭指定情報を含む[C2]乃至[C7]の何れか一つのプログラム。
[C9]
第1及び第2の丁合物を含む配達物を作成する場合に、
各電子広告情報が、前記第1及び第2の丁合物のうちのどちらか一方の指定を含む[C2]乃至[C8]の何れか一つのプログラム。
[C10]
前記第1の配送拠点識別情報に登録された丁合機に対して前記広告丁合処理情報を送信する手順をコンピュータに実行させる[C2]乃至[C9]の何れか一つのプログラム。
[C11]
前記広告丁合処理情報をサーバへ出力する手順をコンピュータに実行させる[C2]乃至[C9]の何れか一つのプログラム。
[C12]
広告識別情報、配送拠点識別情報、及び配達日情報を含む複数の電子広告情報を受信する第1の受信部と、
前記複数の電子広告情報のうち、第1の配送拠点識別情報、及び第1の配達日情報を含む1以上の電子広告情報を選択し、前記選択された1以上の電子広告情報に基づき広告丁合処理情報を生成する処理部と、
前記広告丁合処理情報を出力する第1の出力部と、を備え、
前記広告丁合処理情報は、前記選択された1以上の電子広告情報に含まれる広告識別情報、前記第1の配送拠点識別情報、及び前記第1の配達日情報を含む配送管理装置。
[C13]
前記第1の出力部は、前記広告丁合処理情報をサーバへ出力する[C12]の配送管理装置。
[C14]
[C12]の配送管理装置及び丁合機を備える配送管理システムであって、
前記丁合機は、
前記広告丁合処理情報を受信する第2の受信部と、
前記広告丁合処理情報に基づき第1及び第2の広告を丁合する丁合部と、
を備える配送管理システム。
[C15]
[C13]の配送管理装置及び丁合機を備える配送管理システムであって、
前記丁合機は、
前記サーバから前記広告丁合処理情報を受信する第2の受信部と、
前記広告丁合処理情報に基づき第1及び第2の広告を丁合する丁合部と、
を備える配送管理システム。
[C16]
第1の広告束に添付される第1の添付広告情報から読み取られた第1の読取り情報を受信する第3の受信部と、
前記広告丁合処理情報と前記第1の読取り情報との比較結果に基づき、前記第1の広告束の受け入れ可否を判定する判定部と、
を備える[C14]又は[C15]の配送管理システム。
[C17]
前記第3の受信部は、第2の広告束に添付される第2の添付広告情報から読み取られた第2の読取り情報を受信し、
前記判定部は、前記広告丁合処理情報と前記第1及び第2の読取り情報との比較結果に基づき、前記第1及び第2の広告束の受け入れ可否、及び広告束の過不足を判定する[C16]の配送管理システム。
[C18]
前記丁合部は、前記第1及び第2の広告束の受け入れの許可に基づき、前記第1の広告束の第1の広告と前記第2の広告束の第2の広告を丁合する[C17]の配送管理システム。
[C19]
前記丁合機は、前記第1の広告と前記第2の広告の丁合物に対応する丁合データを出力する第2の出力部を備え、
前記丁合データは、前記第1の配送拠点識別情報を含む[C18]の配送管理システム。
[C20]
配送管理システムは、情報読取り装置を備え、
前記情報読取り装置は、丁合物印刷ラベルから前記丁合データを読み取る読取部と、
前記丁合データに含まれる前記第1の配送拠点識別情報を表示する表示部と、
を備える[C19]の配送管理システム。
【符号の説明】
【0108】
S1…折込データ処理装置、S2…折込指示データ作成装置、S3…サーバ、S4…及び丁合機、S11…制御部、S12…記憶部、S13…通信部、S14…入力部、S15…表示部、S16…印刷部、S21…制御部、S22…記憶部、S23…通信部、S24…入力部、S25…表示部、S31…制御部、S32…記憶部、S33…通信部、S41…制御部、S42…記憶部、S43…通信部、S44…入力部、S45…表示部、S46…丁合機構
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