【文献】
宮崎新二 他,河川水位の低下に着目した天然ダム発生検知に関する検討,第62回 平成25年度砂防学会研究発表会概要集,日本,砂防学会,2013年 5月29日,B-216-B-217,URL,http://www.jsece.or.jp/event/conf/abstract/2013/pdf/R5-27.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記解析部は、前記複数の前記予測水位データと前記計測水位データとの差の積算値に基づいて天然ダムが形成されたと判断する、請求項1に記載の天然ダム発見システム。
前記解析部は、前記複数の前記予測水位データと前記計測水位データとの差の積算値に基づいて、天然ダムの決壊時の浸水被害の予測を行う、請求項1または2に記載の天然ダム発見システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
(天然ダム発見システムの構成)
本実施形態に係る天然ダム発見システムは、天然ダムの形成を検知しようとする河川について、天然ダムが形成されていない平常時の状態における当該河川の予測水位と、実際の水位(本明細書において「計測水位」という)との差分を解析することにより、当該河川において天然ダムが形成されたことを検知する。
図1は、天然ダムが形成された場合の予測水位と計測水位との変化の一例を説明する図である。例えば時刻T1において土砂崩れ等で河川に天然ダムが形成されたとすると、時刻T1までは、予測水位と計測水位とに大きな差はない。しかし、時刻T1以降は、天然ダムによって水がせき止められて下流域に水が流れなくなったために、天然ダムの下流域では流量が減少し計測水位は低下していく。つまり、天然ダムが形成されていない状態を前提として降雨量などから算出される予測水位と、計測水位との間に差が発生することになる(例えば
図1の差Diff1、Diff2)。このように、天然ダムが形成されていない状態を前提として予測される予測水位と、実際の河川の水位を示す計測水位とを比較することにより、天然ダムが形成されたかを判断することが可能となる。
【0013】
以下、本実施形態に係る天然ダム発見システムの構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る天然ダム発見システムの構成例を示す図である。
図2に示されるように、本実施形態に係る天然ダム発見システム1は、予測水位取得部12と、計測水位取得部14と、解析部16とを含んで構成される。
【0014】
予測水位取得部12は、河川の予測水位を示す予測水位データを取得する。予測水位は、天然ダムが形成されていない平常時の状態を前提とした監視対象の河川の予測水位である。予測水位は、予測時点およびその前における天候(降水量)や、周囲から河川に流れ込む水量などを考慮して予測されうる。一例として、予測水位取得部12は、例えば特許第5654147号の水位予測システムのような外部のコンピュータシステム(装置)から予測水位データを取得することが可能である。また、予測水位データおよび後述の計測水位取得部14において取得される計測水位データは、予め定められた時間間隔の各時刻における予測水位および計測水位を表すデータであり、このような予測水位データおよび計測水位データが、ほぼリアルタイムに近い状態で取得されうる(ただし若干の遅延は許容されうる)。なお、予測水位の予測時刻と計測水位の計測時刻は、略同時刻であることが望ましい。略同時刻とは、完全に一致するまでの同一性は求めない趣旨である。また、予測水位取得部12において予測水位データを取得する対象場所と、計測水位取得部14において計測水位データを取得する対象場所(計測場所)とは、略同一箇所であることが望ましい。略同一箇所とは、完全に一致するまでの同一性までは求めない趣旨である。
【0015】
計測水位取得部14は、河川の現実の水位を示す計測水位データを取得する。本実施形態においては、一例として、監視したい(天然ダムの形成を検知したい)河川に1つまたは複数の水位計測器を設置し、計測水位取得部14は、水位計測器からネットワークまたは記録媒体等を介して計測水位データを取得する。なお、例えば国土交通省などからも主要な河川についての水位データが一定の時間間隔で提供されているため、これらの水位データを利用してもよい。また、これらの水位データと計測器から取得した計測水位データとを共に利用してもよい。
【0016】
ここで、計測器の設置方法として以下の2通りの方法が考えられる。
(1)形成される天然ダムを広く漏れなく発見することを目的として、例えば監視対象地域に含まれる複数の河川の下流部にそれぞれ設置する。
(2)ある河川において天然ダムが形成された位置を特定することを目的として、当該河川の複数の箇所に計測器を設置する。例えば、ある河川の本流と、その支流とに複数の計測器を設置してもよい。
【0017】
また、上記(1)と(2)とを組み合わせて、計測器を、複数の河川に、かつ、各河川の複数の箇所に設置するようになっていてもよい。
また、計測器を設置するにあたっては、以下のようなポイントがある。
(1)基本的には、計測箇所が多い程、天然ダムの発生位置が精度良く推定できる。
(2)ただし対象流域が狭すぎると(設置個所が多すぎると)、平常時における予測水位と計測水位との誤差と、天然ダム形成時に発生する予測水位と計測水位との差との区別がつかず、天然ダムが形成されたか否かの判定が難しくなる可能性がある。
(3)過去の土砂災害発生箇所や土砂災害警戒区域などを参考に、河道閉塞の危険性の高い箇所を想定し、その下流に設置する。
【0018】
解析部16は、予測水位データと計測水位データとの差を解析することによって、天然ダムに関する予測を行う。例えば、解析部16は、予測水位データと計測水位データとの差が予め定められた閾値を超えた場合には天然ダムが形成されたと判断しうる。すなわち、時刻tにおける予測水位=LV(t)pre,計測水位=LV(t)meas、差の閾値(天然ダムが形成されたと判断するための閾値)=Vth1とすると、
【0020】
となった場合に、解析部16は天然ダムが形成されたと判断することができる。
例えば、
図1の例において、時刻T1あたりに天然ダムが形成され、時刻T1あたりから予測水位データと計測水位データとの差が開き始めている。しかし、天然ダムが形成されていない通常時であっても予測水位データと計測水位データとの間にはある程度の誤差は生じうる。よって、予測水位データと計測水位データとの差がある程度大きくならないと天然ダムが形成されたために当該差が生じているのか、あるいは単なる誤差であるのかの判断が難しい。よって、本実施形態においては、天然ダムが形成されたとの判断の基準となる閾値を予め決定しておき、予測水位データと計測水位データとの差が閾値を超えた場合に、天然ダムが形成されたと判断する。
【0021】
閾値をどのように設定するかについては、例えば、平常時(天然ダムが形成されていない状態)における河川の計測水位および予測水位をもとに両者の誤差範囲を求め、誤差範囲を逸脱する限界値を閾値として設定するようになっていてもよい。また、例えば、平常時の両者の誤差の平均値または最大値(またはこれらよりも大きい値)を当該閾値として設定するようになっていてもよい。そして、この閾値を超える差分が検出された場合に天然ダムが形成された可能性が高いと判定してもよい。なお、平常時の水位、流域の広さ、計測精度、予測精度などは計測箇所ごとに異なりうるため、計測箇所が複数である場合には、閾値として計測箇所ごとに異なる値が設定されるのがより好適である。さらに当該閾値は、誤差範囲を求めることに加え、天然ダム形成時をシミュレーションした場合の水位に基づいて設定されてもよい。
【0022】
また、計測器を複数の場所に設置する場合は、各設定場所について予測水位データと計測水位データとの差を解析してよい。
図3は、水位計測器を複数の場所に設置する場合の具体例を示す図である。
図3の例においては、監視対象の河川の本流30と、その支流32において、支流32に水位計測器36aを、本流30に水位計測器36b、36c、36dを設置している。ここで、支流32の水位計測器36aの上流部で天然ダム34が形成された場合、その下流に位置する支流32の水位計測器36a、並びに本流の水位計測器36cおよび36dの位置では計測水位がその影響を受けうる。つまり、水位計測器36a、36c、36dにおいて予測水位と計測水位との間に系統だった差が表れる一方、水位計測器36bにおいては予測水位と計測水位との間に特段の差が見られない場合には、水位計測器36aの上流部で天然ダム34が発生していると判断することができる。なお、このような状況において、水位計測器36aだけでも天然ダム34の発見は可能である。しかし、水位計測器36aだけが設置されており、水位計測器36aにおいて予測水位と計測水位に差が生じた場合には、水位計測器が故障している可能性もある。しかしながら、
図3に示されるように複数箇所に水位計測器が設置され、水位計測器36cおよび36dにおいても天然ダムの影響がみられ、水位計測器36bにその影響がみられない場合には、天然ダム発生の判断についての信頼度が向上するため有用である。
【0023】
さらに、水位計測器を複数設置する場合、例えば予測水位データと計測水位データとの差が(計測箇所ごとに)予め定められた閾値を超えた箇所の割合が、予め定められた割合を超えた場合に、天然ダムが形成されたと判断するようになっていてもよい。
【0024】
計測器を複数の場所に設置することで、さらに以下のようなメリットも考えられる。すなわち、例えば河川の本流のみに計測器が設置された場合には、多くの河川においては本流の流量は多いが支流は流量が少ないため、流量の少ない支流に小さい天然ダムが形成された場合には(本流で計測される)予測水位と計測水位との差は小さくなることが想定される。よって、この場合の予測水位と計測水位との差と、平常時でも生じうる予測水位と計測水位との間の誤差との判別が難しくなる。計測器が河川の本流だけでなく支流にまで設定されることにより、小さい天然ダムも検出することが可能となる。
【0025】
また、予測水位データと計測水位データとの差について複数の閾値を設定して、段階的に天然ダムの発生を判断するようになっていてもよい。例えば、予測水位データと計測水位データとの差が第1の閾値を超えた場合には、天然ダムが形成された可能性があると判断し、当該差が第1の閾値よりも大きな値である第2の閾値を超えた場合には、天然ダムが形成されたと断定するようになっていてもよい。また、例えばこのような段階的な判断に基づいて、管理者や近隣住民への通知を行う等となっていてもよい。
【0026】
また、解析部16は、予測水位データと計測水位データとの差の積算値に基づいて天然ダムが形成されたと判断してもよい。
図4は、
図1のグラフに天然ダム崩壊時水位のグラフ線を加えたグラフの一例を示す図である。予測水位データと計測水位データとの差の積算値は、天然ダムへ貯留していく水の量としてみることができる。
図4における天然ダム崩壊時水位は、各時刻において天然ダムが決壊して貯留されていた水が流れ出した場合に、どれぐらいの水位になると予想されるかを示している。例えば、12:00〜13:00の1時間の間に130000t(トン)の水が天然ダムに貯留され、さらに13:00〜14:00の1時間の間に170000tの水が貯留されると、累積貯留量は300000tとなる。さらに14:00〜15:00の1時間の間に160000tの水が貯留されると、累積貯留量は460000tとなる。このように天然ダムが形成されてから時間が経過するとともに天然ダムの貯留量は増大し、決壊時の危険度が増していく。
【0027】
また、解析部16が予測水位データと計測水位データとの差の積算値に基づいて天然ダムが形成されたと判断する場合、具体的には例えば、時刻tにおける予測水位=LV(t)pre,計測水位=LV(t)meas、積算値の閾値(天然ダムが形成されたと判断するための閾値)=Vth2とすると、
【0029】
となった時刻Tnにおいて、解析部16は天然ダムが形成されたと判断することができる。なお、
図4の例においては貯留量を重さ(トン)で表されているが、上記の式(1)、式(2)、閾値Vth1、および閾値Vth2の単位は水位(メートル等)で表されている。これは一例であって、式(1)、式(2)、閾値Vth1、および閾値Vth2は、重さまたは水量(体積)等として算出されてもよい。例えば、流速と水位とによって計測地点を通過する水量(体積)を求めることができるが、流速は、例えば一般的によく知られているマニング式によって求めることが可能である。マニング式によれば、流速v(メートル毎秒:m/s)、径深R(メートル:m)、傾斜I、マニングの粗度係数nとすると、v=(1/n)R
2/3I
1/2、の式によって流速vが求められる。ここで、マニングの粗度係数nは河床の状態などによる水の流れにくさを表す係数であり、径深R=流水の断面積/潤辺(潤辺は流水の断面積に接している断面の長さ)である。
【0030】
ここで径深Rは、水位計測器を設置する計測箇所における河川の断面形状と水位とから求められる。また、断面形状、傾斜I、粗度係数nは、水位計測器の設置時等にあらかじめ調査することにより取得しておくことができる。例えば、計測箇所の断面形状が
図5に示されるような形状である場合、潤辺S=S1+S2+S3(S1、S2、S3は水位と断面形状より決定)である。また、流水の断面積Aは水位により決定されうる。これにより、径深Rが算出されうる。
【0031】
上述のようにして求められた流速vと水位とによって計測地点を通過する水量(体積)を求めることができる。なお、予測水位の計算においては、計算により求められた水量(例えば、予測時点およびその前における天候(降水量)や、周囲から河川に流れ込む水量とから算出される水量)を予測箇所の水路に当てはめることにより水位および流速を計算することが可能である。
【0032】
また、式(2)における閾値Vth2をどのように設定するかについては、例えば、
図4に示される天然ダム崩壊時水位を参考に、天然ダムが形成されていると予測され、これが決壊した場合には被害が大きくなりうると思われる水位をVth2として設定してもよい(例えば過去の災害データを参考にする等)。
【0033】
また、前述した予測水位と計測水位との差が閾値Vth1を超え、かつ、予測水位と計測水位との差の積算値が閾値Vth2を超えた場合に、天然ダムが形成されたと判断するようになっていてもよい。これにより、より正確に天然ダムが形成されたことを判断することが可能となる。
【0034】
また、以上のようにして解析部16が天然ダムが形成されたと判断した場合には、その旨を管理者に通知する、近隣住民にメール等により通知する、等となっていてもよい。
また、予測水位データと計測水位データとの差の積算値について複数の閾値を設定して、段階的に天然ダムの発生を判断するようになっていてもよい。例えば、予測水位データと計測水位データとの差の積算値が第1の閾値を超えた場合には、天然ダムが形成された可能性があると判断し、当該
積算値が第1の閾値よりも大きな値である第2の閾値を超えた場合には、天然ダムが形成されたと断定するようになっていてもよい。また、例えばこのような段階的な判断に基づいて、管理者や近隣住民への通知を行う等となっていてもよい。
【0035】
また、解析部16は、予測水位データと計測水位データとの差の積算値に基づいて、天然ダムの決壊時の浸水被害の予測を行うようになっていてもよい。
図4に示されるように、天然ダムの貯留量は、予測水位と計測水位との差から予測することができるため、予測される貯留量と、天然ダムが形成されたと判断される場所から周辺地域への地形情報等から、決壊時の浸水範囲が想定されうる。より具体的には、例えば1つまたは複数の計測器が設置された監視箇所について、予め定められた時間間隔における予測時刻および計測時刻における予測水位データおよび計測水位データが予測水位取得部12および計測水位取得部14において取得され、取得された各データは天然ダム発見システム1のハードディスク等の記憶領域に順次記憶されていく。解析部16は記憶されていくこれらのデータの差および差の積算値を、データが取得される都度計算して各閾値と比較し、天然ダムが形成されたかの判断を行う。また、当該積算値を用いてシミュレータプログラム等を用いて天然ダム決壊時の浸水被害の予測を行ってもよい。
【0036】
なお、以上説明した天然ダム発見システム1の構成はあくまで一例であって、これに限定されるものではない。
(ハードウェア構成)
上記説明された天然ダム発見システム1の構成は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成によって実現可能である。
図6は、天然ダム発見システム1のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6に示されるコンピュータ装置20は、一例として、プロセッサ21と、RAM(Random Access Memory)22と、ROM(Read Only Memory)23と、内蔵のハードディスク装置24と、外付けハードディスク装置、CD、DVD、USBメモリ、メモリスティック、SDカード等のリムーバブルメモリ25と、ユーザがコンピュータ装置20とデータのやり取りを行うための入出力ユーザインタフェース26(キーボード、マウス、タッチパネル、スピーカ、マイク、ランプ等)と、他のコンピュータ装置と通信可能な有線/無線の通信インタフェース27と、ディスプレイ28と、を備える。本実施形態に係る天然ダム発見システム1の機能は、例えば、プロセッサ21が、ハードディスク装置24やROM23、リムーバブルメモリ25等にあらかじめ格納されたプログラムをRAM22等のメモリに読み出し、処理に必要な上述したデータを、ハードディスク装置24やROM23、リムーバブルメモリ25等から適宜読み出しながらプログラムを実行することで実現されうる。
【0037】
なお、天然ダム発見システム1は単一のコンピュータ装置として構成されていてもよいし、複数のコンピュータ装置によって構成されていてもよい。後者である場合には、上述した天然ダム発見システム1の各機能が複数のコンピュータ装置によって分散的に実現されており、それぞれのコンピュータ装置が
図2に示されるコンピュータ装置20の構成と同一又は類似の構成を備えていてもよい。
【0038】
なお、
図6に示されるハードウェア構成はあくまで一例であって、これに限定されるものではない。
(処理フロー)
図7は、本実施形態に係る天然ダム発見システムにおける処理の一例を示すフロー図である。
【0039】
ステップS102において、予測水位取得部12が予測水位データを取得する。また、ステップS104において、計測水位取得部14が計測水位データを取得する。予測水位データと計測水位データについては以下が想定される。すなわち、予測水位と計測水位は予め定められた時間間隔の各時刻において予測および計測され、これらのデータの予測時刻と計測時刻は略同時刻であり、予測水位データと計測水位データとがほぼリアルタイムに近い状態で取得されること、が望ましい。ステップS102とステップS104の処理は並列的に処理されうる。また、1つまたは複数の全ての監視箇所(計測器を設置している場所)についてステップS102とS104の処理が実行される(ステップS106)。
【0040】
ステップS108において、解析部16がステップS102およびS104において取得された予測水位データと計測水位データとの差を解析する。例えば解析部16は、予測水位データと計測水位データとの差が予め定められた閾値を超えた場合には天然ダムが形成されたと判断する。また、例えば解析部16は予測水位データと計測水位データとの差の積算値に基づいて天然ダムが形成されたとの判断を行ってもよい。例えば解析部16は当該差の積算値が予め定められた閾値を超えた場合等に天然ダムが形成されたと判断してもよい。
【0041】
ステップS108における解析の結果、天然ダムが形成されたと判断される場合には(ステップS110:Yes)、ステップS112において、解析部16が予測水位データと計測水位データとの差の積算値に基づいて天然ダムの決壊時の浸水被害の予測を行う。なお、ステップS108における解析の結果、天然ダムが形成されていないと判断される場合には(ステップS110:No)、ステップS112の処理はスキップされうる。
【0042】
また、ステップS108、S110、およびステップS112の処理は、ステップS102およびS104において予測水位データおよび計測水位データが取得される度に実行されてもよいし、予め定められた数(または予め定められた時間期間)の予測水位データおよび計測水位データが取得されると実行されるようになっていてもよい。
【0043】
以上の処理は天然ダムの検知処理を終了するまで、複数回繰り返されうる。
ここまで、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【0044】
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【解決手段】天然ダムの発生を予測する天然ダム発見システム1であって、河川の予測水位を示す予測水位データを取得する予測水位取得部12と、河川の水位を示す計測水位データを取得する計測水位取得部14と、予測水位データと計測水位データとの差を解析することによって、天然ダムに関する予測を行う解析部16と、を備える天然ダム発見システム1。天然ダム発見システム1は、例えば予測水位データと計測水位データとの差が予め定められた閾値を超えた場合には天然ダムが形成されたと判断する。