【実施例】
【0031】
以下、実施例・比較例によって本発明に係る包装袋について詳細に説明するが、本発明の包装袋は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。また、実施例および比較例における特性の評価方法は以下の通りである。
【0032】
<空気抜き指数>
通気部を含むように60mm×60mmの矩形状に切り出した試験片を用い、
JIS P 8119に規定するベック平滑度試験器(熊谷理機工業株式会社製HK型)を用いて、
JIS P 8119における9.aに基づき、測定真空度50.7kPa〜48.0kPa、測定空気量1ccの条件で、
試験片を含めた密封空間(小真空容器)から脱気したときの脱気完了までの時間を測定し、その測定を5回繰り返したときの平均値(秒数)を空気抜き指数とした(なお、試験片は、通気部が脱気口と重ならないように密封空間内に設置して測定を行った)。
【0033】
<青果物の自動充填包装>
図1の如くレイアウトしたフィルムロールを用いて、青果物の自動充填包装を行った。すなわち、フィルムロールRから合成樹脂フィルムFを水平に引き出し、その左右を内側に折り返して、所定の速度で下方に引っ張りながら、左右の端縁際を重ね合わせて所定の温度(約150℃)で連続的にヒートシールする(すなわち、背貼りする)ことによって、背貼りBを有する筒状体Tを連続的に形成した。
【0034】
また、その筒状体Tの連続的な形成と同時に、所定の間隔で幅方向に一定の幅でヒートシールすることによって、包装袋Pの底シール部S
bとなる部分を形成した。また、その底シール部S
bの形成と同時に、上側の漏斗状の供給装置Iから所定量の青果物を落下させて、底シール部S
bの上側に、青果物を充填した。さらに、青果物を充填した直後に、所定の間隔で幅方向に一定の幅でヒートシールすることによって包装袋Pの上シール部S
tとなる部分を形成した。また、その上シール部S
tの形成と同時に、所定の間隔で幅方向に一定の幅でヒートシールすることによって(次に形成される包装袋Pの)底シール部S
bに相当する部分を形成した。
【0035】
さらに、上記の如き連続的な筒状体Tの形成と同時に、底シール部S
bの形成→青果物の充填→上シール部S
tの形成、および、底シール部S
bの形成→青果物の充填・・・という作業を繰り返し、得られた青果物を断続的に充填した長尺な筒状体Tを形成した。そして、その長尺な筒状体Tを上シール部S
tと底シール部S
bとの間で裁断することによって、青果物入りの包装袋(合掌袋)Pを連続的に形成した。
【0036】
上記したフィルムロールを用いた青果物の自動充填は、シイタケ、ブロッコリー、枝豆、三つ葉の4種類の青果物について行った。そして、シイタケの自動充填においては、幅320mmの合成樹脂フィルムを利用して、高さ(フィルムの長手方向の長さ)×幅=150mm×215mmの大きさで120gのシイタケ入りの包装袋を作成し、ブロッコリーの自動充填においては、幅540mmの合成樹脂フィルムを利用し、高さ×幅=260mm×360mmの大きさで270gのブロッコリー入りの包装袋を作成し、枝豆の自動充填においては、幅300mmの合成樹脂フィルムを利用し、高さ×幅=140mm×220mmの大きさで200gの枝豆入りの包装袋を作成し、三つ葉の自動充填においては、幅200mmの合成樹脂フィルムを利用し、高さ×幅=90mm×540mmの大きさで50gの三つ葉入りの包装袋を作成した。
【0037】
<自動充填包装時の作業性>
上記の如く、青果物入りの包装袋(合掌袋)を連続的に形成した場合の作業性を、以下の3段階で官能評価した。
○・・フィルムロールの巻きずれによる端面の不揃い、巻き締りによるブロッキングの発生がなく、トラブルを生じることなく、青果物の自動充填包装が可能であった
△・・フィルムロールの巻きずれによる端面の不揃い、巻き締りによるブロッキングが若干発生し、青果物の自動充填包装時に若干のフィルムの蛇行等が発生し、安定した連続製造に支障が生じた
×・・フィルムロールの巻きずれによる端面の不揃い、巻き締りによるブロッキングが発生し、青果物の自動充填包装時にフィルムの蛇行等が頻繁に起こり、連続製造が困難であった
【0038】
<鮮度保持特性(シイタケ)>
実施例・比較例で得られたシイタケ入りの包装袋(幅150mm×高さ215mmの合掌袋)を、25℃×65%RHの雰囲気下で72時間(3日間)に亘って保管した。しかる後、包装されたシイタケの状態を、乾燥度合い、色および臭気の観点から下記の4段階で官能評価した。
・評価基準
◎:色・臭気において包装前のものとの違いがまったく認められない
○:若干乾燥した様子であるものの、変色・異臭が認められない
△:わずかな変色、微かな異臭が認められる
×:全体的な乾燥、変色、明確な異臭、カビの発生、腐敗が認められ、商品価値を喪失している
【0039】
<鮮度保持特性(ブロッッコリー)>
実施例・比較例で得られたブロッコリー入りの包装袋(幅260mm×高さ360mmの合掌袋)を、25℃×65%RHの雰囲気下で96時間(4日間)に亘って保管した。しかる後、包装されたブロッッコリーの状態を、乾燥度合い、色、臭気および花蕾の落下の観点から下記の4段階で官能評価した。
・評価基準
◎:色・臭気において包装前のものとの違いがまったく認められない
○:若干乾燥した様子であるものの、変色・異臭が認められない
△:わずかな変色、微かな異臭が認められる
×:全体的な乾燥、変色、明確な異臭、カビの発生、腐敗、花蕾の落下が認められ、商品価値を喪失している
【0040】
<鮮度保持特性(枝豆)>
実施例・比較例で得られた枝豆入りの包装袋(幅140mm×高さ220mmの合掌袋)を、25℃×65%RHの雰囲気下で192時間(8日間)に亘って保管した。しかる後、包装された枝豆の状態を、乾燥度合い、色および臭気の観点から下記の4段階で官能評価した。
・評価基準
◎:色・臭気において包装前のものとの違いがまったく認められない
○:若干乾燥した様子であるものの、変色・異臭が認められない
△:わずかな変色、微かな異臭が認められる
×:全体的な乾燥、変色、明確な異臭、カビの発生、腐敗が認められ、商品価値を喪失している
【0041】
<鮮度保持特性(三つ葉)>
実施例・比較例で得られた三つ葉入りの包装袋(幅90mm×高さ540mmの合掌袋)を、20℃×50%RHの雰囲気下で96時間(4日間)に亘って保管した。しかる後、包装された枝豆の状態を、乾燥度合い、色および臭気の観点から下記の4段階で官能評価した。
・評価基準
◎:色・臭気において包装前のものとの違いがまったく認められない
○:若干乾燥した様子であるものの、変色・異臭が認められない
△:わずかな変色、微かな異臭が認められる
×:全体的な乾燥、変色、明確な異臭、カビの発生、腐敗が認められ、商品価値を喪失している
【0042】
[実施例1]
防曇剤を練り込んだ厚さ20μmの長尺な二軸延伸ポリオレフィンフィルム(OPPフィルム 東洋紡(株)製 P5562)を用いて、上記した方法によって、3種類の青果物(シイタケ、ブロッコリー、三つ葉)の自動充填包装を行い、青果物入りの包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、
図2の如く、フィルムロールRを構成する合成樹脂フィルムFの片端部に、ニトロセルローズを主成分とする特殊グラビアインキ(東京インキ(株)製 PULPTECC ベル白 D)を、所定の間隔で、幅広な長方形状(長手方向×幅方向=6mm×20mm)にコーティングすることによって(コーティング部C)、背貼り形成時にヒートシールされない部分(非ヒートシール部)を形成した。したがって、自動充填包装によって得られた青果物入りの包装袋の背貼りには、非ヒートシール部からなる通気部が形成された。そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、特殊グラビアインキの塗布部分を含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。
【0043】
図3は、作製された青果物入りの包装袋(すなわち、シイタケ入りの包装袋、ブロッコリー入りの包装袋、および、三つ葉入りの包装袋の3種類)を模式的に示したものであり、包装袋P
1は、合成樹脂フィルムの左右の両側が内側に折り返されており、左右の両端際を中央で重ねて所定の幅でヒートシールすることによって背貼りBが形成されている。また、上端際の部分および下端際の部分が一定幅でヒートシールされ、それぞれ、上シール部S
t、底シール部S
bが形成されている。そして、上シール部S
tから30mm下側、および、底シール部S
bから30mm上側に、それぞれ、非ヒートシール部(通気部V
1)が形成されている。加えて、包装袋P
1の上端縁および下端縁は鋸刃状に裁断された状態になっている。そして、それらの包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。3種類の包装袋(青果物入り包装袋P
1)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0044】
[実施例2]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、青果物である枝豆の自動充填包装を行い、枝豆入りの包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、包装袋(合掌袋)の背貼り(合成樹脂フィルムの左右両端際のヒートシール部分)に形成する非ヒートシール部分(通気部)の上下方向の長さ(長手方向に沿った長さ)を20mmに変更した(すなわち、合成樹脂フィルムの端縁際に、長手方向×幅方向=20mm×20mmの正方形状の特殊グラビアインキによる塗布部分を形成することによって、背貼りに上下幅20mmの非ヒートシール部分を2個形成した)。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、枝豆入りの包装袋(合掌袋)を作製した。
【0045】
そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、特殊グラビアインキの塗布部分を含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。さらに、その枝豆入りの包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0046】
[実施例3]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、枝豆、三つ葉の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの2種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、
図4の如く、フィルムロールRを構成する合成樹脂フィルムFの片端部に、所定の間隔で、CO
2レーザーマーカーを用いて、6mmφの穴Hを形成することによって通気部を設けた。そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、6mmφの穴Hを含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。
【0047】
図5は、作製された青果物入りの包装袋(すなわち、枝豆入りの包装袋、および、三つ葉入りの包装袋の2種類)を模式的に示したものであり、包装袋P
3は、実施例1の包装袋P
1と同様に、背貼りB、上シール部S
t、底シール部S
bが形成されている。そして、上下方向の中央の背貼りBと隣接した部分(背貼りBの基端から10mm離れた部分)に、6mmφの穴からなる通気部V
3が形成されている。そして、それらの包装袋P
3を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。2種類の包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0048】
[実施例4−1]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、シイタケの自動充填包装を行いシイタケ入りの包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に、所定の間隔で、CO
2レーザーマーカーを用いて、0.5mmφの穴を1個形成することによって通気部を設けた。すなわち、青果物入りの包装袋の高さ方向の中央で背貼りと隣接した部分(背貼りの基端から10mm離れた部分)に、通気部として機能する0.5mmφの穴を穿設した。そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、0.5mmφの穴を含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。
【0049】
そして、その包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0050】
[実施例4−2]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、ブロッコリー、三つ葉の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの2種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に、所定の間隔で、CO
2レーザーマーカーを用いて、0.5mmφの穴を連続的に6個形成することによって通気部を設けた。そして、自動充填包装を行って青果物入りの包装袋を作製する際の作業性を上記した方法によって評価した。
【0051】
図6は、作製された青果物入りの包装袋(すなわち、ブロッコリー入りの包装袋、および、三つ葉入りの包装袋の2種類)を模式的に示したものであり、包装袋P
4−2は、実施例1の包装袋P
1と同様に、背貼りB、上シール部S
t、底シール部S
bが形成されている。そして、背貼りBと隣接した部分(背貼りBの基端から10mm離れた部分)に、10mm間隔で、通気部V
4−2として機能する0.5mmφの6個の穴H,H・・が穿設されており、上側の3個の穴H,H・・と下側の3個の穴H,H・・とが高さ方向の中央に対して上下対称に配置された状態になっている。そして、それらの包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。2種類の包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0052】
[実施例5]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、シイタケ、ブロッコリー、三つ葉の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの3種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に、所定の間隔で、切込刃(カッター)を装着したロールを用いて、長さ×幅=5.0mm×0.18mmの切り込み(スリット)を形成することによって通気部を設けた。そして、自動充填包装を行って青果物入りの包装袋を作製する際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、長さ×幅=5.0mm×0.18mmの切り込みを含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。
【0053】
図7は、作製された青果物入りの包装袋(すなわち、枝豆入りの包装袋、および、三つ葉入りの包装袋の2種類)を模式的に示したものであり、包装袋P
5は、実施例1の包装袋P
1と同様に、背貼りB、上シール部S
t、底シール部S
bが形成されている。そして、高さ方向の中央で背貼りBと隣接した部分(背貼りBの基端から10mm離れた部分)に、通気部として機能する長さ×幅=5.0mm×0.18mmの切り込みS(通気部V
5)が形成された状態になっている。そして、それらの包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。2種類の包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0054】
[実施例6−1]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、シイタケ、ブロッコリー、三つ葉の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの3種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に、所定の間隔で、CO
2レーザーマーカーを用いて、長さ×幅=5.0mm×0.05mmの切り込み(スリット)を形成することによって通気部を設けた。すなわち、青果物入りの包装袋の高さ方向の中央で背貼りと隣接した部分(背貼りの基端から10mm離れた部分)に、通気部として機能する長さ×幅=5.0mm×0.05mmの切り込みを形成した。そして、自動充填包装を行って青果物入りの包装袋を作製する際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、長さ×幅=5.0mm×0.05mmの切り込みを含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。
【0055】
そして、得られた3種類の包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。3種類の包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0056】
[実施例6−2]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、枝豆の自動充填包装を行い、枝豆入りの包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に、所定の間隔で、CO
2レーザーマーカーを用いて、長さ×幅=5.0mm×0.05mmの切り込み(スリット)を連続的に3個形成することによって通気部を設けた。そして、自動充填包装を行って青果物入りの包装袋を作製する際の作業性を上記した方法によって評価した。
【0057】
図8は、作製された枝豆入りの包装袋を模式的に示したものであり、包装袋P
6−2は、実施例1の包装袋P
1と同様に、背貼りB、上シール部S
t、底シール部S
bが形成されている。そして、高さ方向の中央で背貼りBと隣接した部分(背貼りBの基端から10mm離れた部分)に、30mm間隔で、通気部V
6−2として機能する長さ×幅=5.0mm×0.05mmの3個の切り込みS,S・・が形成されており、中央の切り込みSが高さ方向の中央に配置された状態になっている。そして、その包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0058】
[比較例1]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、シイタケ、ブロッコリー、枝豆、三つ葉の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの4種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、包装袋(合掌袋)の背貼り(合成樹脂フィルムの左右両端際のヒートシール部分)に形成する非ヒートシール部分(通気部)の上下方向の長さ(長手方向に沿った長さ)を45mmに変更した(すなわち、合成樹脂フィルムの端縁際に、特殊グラビアインキを長手方向×幅方向=45mm×20mmの長方形状に塗布することによって、背貼りに上下幅20mmの非ヒートシール部分を2個形成した)。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、青果物入りの4種類の包装袋(合掌袋)を作製した。
【0059】
そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、特殊グラビアインキの塗布部分を含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。さらに、それらの青果物入りの4種類の包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0060】
[比較例2]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、シイタケ、ブロッコリー、枝豆、三つ葉の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの4種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、包装袋(合掌袋)の背貼り(合成樹脂フィルムの左右両端際のヒートシール部分)に形成する非ヒートシール部分(通気部)の上下方向の長さ(長手方向に沿った長さ)を1.0mmに変更した(すなわち、合成樹脂フィルムの端縁際に、特殊グラビアインキを長手方向×幅方向=1.0mm×20mmの長方形状に塗布することによって、背貼りに上下幅1.0mmの非ヒートシール部分を2個形成した)。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、青果物入りの4種類の包装袋(合掌袋)を作製した。
【0061】
そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、特殊グラビアインキの塗布部分を含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。さらに、それらの青果物入りの4種類の包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0062】
[比較例3−1]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、シイタケ、枝豆の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの2種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に所定の間隔でCO
2レーザーマーカーにより形成する通気部(円形の穴)の直径を10mmφに変更した以外は、実施例3と同様にして、青果物入りの2種類の包装袋(合掌袋)を作製した。
【0063】
そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、10mmφの穴を含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。さらに、それらの青果物入りの2種類の包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0064】
[比較例3−2]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、ブロッコリー、三つ葉の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの2種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に、所定の間隔で、CO
2レーザーマーカーを用いて、10mmφの穴を連続的に6個形成することによって通気部を設けた。すなわち、青果物入りの包装袋の背貼りと隣接した部分(背貼りの基端から10mm離れた部分)に、30mm間隔で、通気部として機能する10mmφの6個の穴を、高さ方向の中央に対して上下対称になるように穿設した。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、青果物入りの2種類の包装袋(合掌袋)を作製した。
【0065】
そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。さらに、それらの青果物入りの2種類の包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0066】
[比較例4−1]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、シイタケ、枝豆の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの2種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に所定の間隔でCO
2レーザーマーカーにより形成する通気部(円形の穴)の直径を0.05mmφに変更した以外は、実施例3と同様にして、青果物入りの2種類の包装袋(合掌袋)を作製した。
【0067】
そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、10mmφの穴を含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。さらに、それらの青果物入りの2種類の包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0068】
[比較例4−2]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、ブロッコリー、三つ葉の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの2種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に、所定の間隔で、CO
2レーザーマーカーを用いて、0.05mmφの穴を連続的に6個形成することによって通気部を設けた。すなわち、青果物入りの包装袋の背貼りと隣接した部分(背貼りの基端から10mm離れた部分)に、30mm間隔で、通気部として機能する0.05mmφの6個の穴を、高さ方向の中央に対して上下対称になるように穿設した。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、青果物入りの2種類の包装袋(合掌袋)を作製した。
【0069】
そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。さらに、それらの青果物入りの2種類の包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0070】
[比較例5−1]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、シイタケ、ブロッコリー、三つ葉の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの3種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に所定の間隔で切込刃により形成する通気部(切り込み)の大きさを、長さ×幅=5.0mm×0.33mmに変更した以外は、実施例5と同様にして、青果物入りの3種類の包装袋(合掌袋)を作製した。
【0071】
そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、長さ×幅=5.0mm×0.33mmの切り込みを含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。さらに、それらの青果物入りの3種類の包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0072】
[比較例5−2]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、枝豆の自動充填包装を行い、枝豆入りの包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に、所定の間隔で、切込刃(カッター)を装着したロールを用いて、長さ×幅=5.0mm×0.33mmの切り込み(スリット)を3個連続で形成することによって通気部を設けた。すなわち、青果物入りの包装袋の背貼りと隣接した部分(背貼りの基端から10mm離れた部分)に、30mm間隔で、通気部として機能する長さ×幅=5.0mm×0.33mmの3本の切り込みを、高さ方向の中央に対して上下対称になるように穿設した。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、青果物入りの包装袋(合掌袋)を作製した。
【0073】
そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。さらに、青果物入りの包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0074】
[比較例6−1]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、シイタケ、ブロッコリー、三つ葉の自動充填包装を行い、それらの青果物入りの3種類の包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に所定の間隔でCO
2レーザーマーカーにより形成する通気部(切り込み)の大きさを、長さ×幅=5.0mm×0.005mmに変更した以外は、実施例6−1と同様にして、青果物入りの3種類の包装袋(合掌袋)を作製した。
【0075】
そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。また、合掌袋を形成したフィルムロールを構成している合成樹脂フィルムの通気部形成部分の周囲(すなわち、長さ×幅=5.0mm×0.005mmの切り込みを含めた60mm×60mmの矩形状部分)を切り出し、その切り出した部分の空気抜け指数を上記した方法によって評価した。さらに、それらの青果物入りの3種類の包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0076】
[比較例6−2]
実施例1と同様な合成樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によって、枝豆の自動充填包装を行い、枝豆入りの包装袋(合掌袋)を作製した。その際に、フィルムロールを構成する合成樹脂フィルムの片端部に所定の間隔でCO
2レーザーマーカーにより形成する3個の各通気部(切り込み)の大きさを、長さ×幅=5.0mm×0.005mmに変更した以外は、実施例6−2と同様にして、青果物入りの包装袋(合掌袋)を作製した。
【0077】
そして、そのように青果物を自動充填包装した際の作業性を上記した方法によって評価した。さらに、青果物入りの包装袋を用いて、上記した方法で鮮度保持効果を評価した。包装袋(青果物入り包装袋)の鮮度保持特性、青果物の自動充填包装時の作業性を、合成樹脂フィルムの特性(通気部の周囲の空気抜け指数)とともに表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
表1から、通気部の周囲の空気抜け指数が本発明の要件を満たしたフィルムロールによって青果物を自動充填包装した場合(実施例1〜6)には、巻きずれによる端面の不揃いや巻き締りによるブロッキング等を発生させることなく、効率的かつスムーズに青果物を自動充填包装できることが分かる。また、通気部の周囲の空気抜け指数が本発明の要件を満たしたフィルムロールによって自動充填包装された実施例1〜6の青果物入りの包装袋は、良好な鮮度保持効果を奏することが分かる。
【0080】
これに対して、通気部の周囲の空気抜け指数が本発明の要件を満たさないフィルムロールによって青果物を自動充填包装した場合(比較例1〜6)には、巻きずれによる端面の不揃いや巻き締りによるブロッキング等の発生により、青果物をスムーズに自動充填包装できないことが分かる。また、通気部の周囲の空気抜け指数が本発明の要件を満たさないフィルムロールによって自動充填包装された比較例1〜6の青果物入りの包装袋は、鮮度保持効果が不良であることが分かる。