特許第6739135号(P6739135)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 花江 美咲の特許一覧

特許6739135ペット用爪とぎボード及びペット用爪とぎ器
<>
  • 特許6739135-ペット用爪とぎボード及びペット用爪とぎ器 図000002
  • 特許6739135-ペット用爪とぎボード及びペット用爪とぎ器 図000003
  • 特許6739135-ペット用爪とぎボード及びペット用爪とぎ器 図000004
  • 特許6739135-ペット用爪とぎボード及びペット用爪とぎ器 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6739135
(24)【登録日】2020年7月27日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】ペット用爪とぎボード及びペット用爪とぎ器
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20200730BHJP
【FI】
   A01K13/00 G
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-109428(P2019-109428)
(22)【出願日】2019年6月12日
【審査請求日】2019年6月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】519212587
【氏名又は名称】花江 美咲
(74)【代理人】
【識別番号】100121946
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 泰広
(72)【発明者】
【氏名】花江 美咲
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録実用新案第20−0478271(KR,Y1)
【文献】 登録実用新案第3117382(JP,U)
【文献】 特開2003−333951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 13/00
A01K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨面を有する第1の本体部、第1の凸部、及び第1の凹部を有する第1の研磨部材と、
第2の本体部、第2の凸部、及び第2の凹部を有し、前記第1の研磨部材と実質的に同一の形状を有する第2の研磨部材と、を備え、
前記第1の凹部と前記第2の凸部とが係合することにより、前記第1の研磨部材と前記第2の研磨部材とが連結されて構成される、ペット用爪とぎボードであって、
前記第1の凹部は、前記研磨面と直交する厚み方向に前記第1の本体部を貫通し、
前記第1の研磨部材と前記第2の研磨部材とが連結される連結方向及び前記厚み方向と直交する幅方向における前記第1の凸部の最大長さが、前記幅方向における前記第1の凸部と前記第1の本体部との接続部分の長さより大きい、
ペット用爪とぎボード
【請求項2】
研磨面を有する第1の本体部、第1の凸部、及び第1の凹部を有する第1の研磨部材と、
第2の本体部、第2の凸部、及び第2の凹部を有し、前記第1の研磨部材と実質的に同一の形状を有する第2の研磨部材と、を備え、
前記第1の凹部と前記第2の凸部とが係合することにより、前記第1の研磨部材と前記第2の研磨部材とが連結されて構成される、ペット用爪とぎボードであって、
前記第1の凹部は、前記研磨面から離間し、前記第1の研磨部材と前記第2の研磨部材とが連結される連結方向と直交する幅方向に前記第1の本体部を貫通し、
前記連結方向及び前記幅方向と直交する厚み方向における前記第1の凸部の最大長さが、前記厚み方向における前記第1の凸部と前記第1の本体部との接続部分の長さより大きい、
ペット用爪とぎボード
【請求項3】
請求項1又は2に記載のペット用爪とぎボードと、
前記ペット用爪とぎボードが組み込まれるケースと、を備え、
前記ケースと前記第1の本体部との間に隙間を有する、
ペット用爪とぎ器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、猫等のペットが爪を研ぐときに用いられるペット用爪とぎボード及びペット用爪とぎ器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(段落0020及び図4参照)には、ケース3内に、複数個の研磨部材要素1a,1b,1cに分割された研磨部材1が収納された猫の爪研ぎ具が開示されている。この猫の爪研ぎ具は、研磨部材要素1a,1b,1cの配列を変更することにより、猫が爪を研ぐ時にその上に乗る頻度が相対的に高い或いはそれで猫が爪を研ぐ頻度が相対的に低いような位置にある研磨部材要素と、猫が爪を研ぐ時にその上に乗る頻度が相対的に低い或いはそれで猫が爪を研ぐ頻度が相対的に高いような位置にある研磨部材要素とを置換することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10− 56907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の猫の爪研ぎ具は、ケースを用いないと猫が爪を研ぐ時等に複数の研磨部材要素が分離するため、複数の研磨部材要素からなる研磨部材のみでペット用爪とぎ具として用いることができない。また、ケースと複数の研磨部材要素からなる研磨部材との間に実質的に隙間を有しないため、削りカス等のごみが研磨部材の表面に溜まってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のペット用爪とぎボードは、研磨面を有する第1の本体部、第1の凸部、及び第1の凹部を有する第1の研磨部材と、第2の本体部、第2の凸部、及び第2の凹部を有し、第1の研磨部材と実質的に同一の形状を有する第2の研磨部材と、を備える。ペット用爪とぎボードは、第1の凹部と第2の凸部とが係合することにより、第1の研磨部材と第2の研磨部材とが連結されて構成される。
【0006】
本開示のペット用爪とぎ器は、上記ペット用爪とぎボードとそのペット用爪とぎボードが組み込まれるケースとを備え、ケースと第1の研磨部材の第1の本体部との間に隙間を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示のペット用爪とぎボードは、ケースを用いない場合にも、ペット用爪とぎ具として用いることができる。また、本開示のペット用爪とぎ器は、ケースと複数の研磨部材からなるペット用爪とぎボードとの間に隙間を有し、削りカス等のごみをその隙間に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態1に係るペット用爪とぎ器を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態1に係るペット用爪とぎ器を示す平面図である。
図3図3は、実施の形態1の変形例1に係るペット用爪とぎボードを示す平面図である。
図4図4は、実施の形態2に係るペット用爪とぎボードを示す平面図(a)及び正面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
図1は、ペット用爪とぎ器10を示す斜視図である。図2は、ペット用爪とぎ器10を示す平面図である。図1及び図2に示すように、ペット用爪とぎ器10は、ケース20とケース20に組み込まれたペット用爪とぎボード100とを備える。
【0010】
ケース20は、矩形状を有し、4つの側壁と底部で形成された収納部を有し、その収納部にペット用爪とぎボード100を収納する。
【0011】
ペット用爪とぎボード100は、3つの研磨部材110,120,130が連結方向に連結されて構成される。3つの研磨部材110,120,130はそれぞれ研磨面40を有し、研磨面40がケース20の収納部から露出するようにケース20に組み込まれている。研磨面40は猫等のペットが爪を研ぐために十分な表面粗さを有しているが、その表面粗さを無視すると全体としては実質的に平面形状を有する。研磨面40は、実施の形態1では、研磨部材110,120,130がケース20の収納部から露出する面(表面)とケース20の底部と接する面(裏面)の両面に存在するが、少なくとも片面にあればよい。
【0012】
なお、実施の形態1では、ペット用爪とぎボード100は3つの研磨部材110,120,130が連結されて構成されるが、2つ以上の研磨部材が連結されてペット用爪とぎボードを構成することができる。
【0013】
ペット用爪とぎボード100とケース20とペット用爪とぎボード100との間には隙間30が存在する。隙間30は、猫等のペットがペット用爪とぎボード100上で爪を研いだ時に生じる削りカスが、ペット用爪とぎボード100上から隙間30に落下し収納される。
【0014】
次に、研磨部材110,120,130の詳細を説明する。図2に示すように、研磨部材110は、本体部111、凸部112及び凹部113から構成され、研磨部材120は、本体部121、凸部122及び凹部123から構成され、研磨部材130は、本体部131、凸部132及び凹部133から構成される。3つ研磨部材110,120,130は実質的に同一形状を有するので、研磨部材110を中心に説明する。
【0015】
凸部112及び凹部113は本体部111の連結方向の両側にそれぞれ位置する。凸部112は研磨部材が存在する部分であるのに対して、凹部113は研磨部材が存在しない空洞部分であるが、凸部112と凹部113とは実質的に同一形状を有する。即ち、本体部111は矩形状の研磨部材から凸部112に相当する部分がくり抜かれた形状を有し、そのくり抜かれた部分が凹部113に対応する。研磨部材110は、研磨面40に平行な面について面対称となる形状を有し、研磨面40に垂直でありかつ連結方向に平行である面について面対称となる形状を有する。
【0016】
研磨部材110の凹部113に研磨部材120の凸部122を厚み方向から挿入し、凹部113と凸部122とが係合することにより、研磨部材110と研磨部材120とが連結される。同様に、研磨部材120の凹部123に研磨部材130の凸部132を厚み方向から挿入することにより、研磨部材120と研磨部材130とが連結される。このように、研磨部材110、研磨部材120及び研磨部材130が連結されることにより、ペット用爪とぎボード100が構成される。ここで、研磨部材110、本体部111、凸部112及び凹部113がそれぞれ第1の研磨部材、第1の本体部、第1の凸部及び第1の凹部の一例であるとき、研磨部材120、本体部121、凸部122及び凹部123はそれぞれ第2の研磨部材、第2の本体部、第2の凸部及び第2の凹部の一例である。また、研磨部材120、本体部121、凸部122及び凹部123がそれぞれ第1の研磨部材、第1の本体部、第1の凸部及び第1の凹部の一例であるとき、研磨部材130、本体部131、凸部132及び凹部133はそれぞれ第2の研磨部材、第2の本体部、第2の凸部及び第2の凹部の一例である。また、厚み方向は、連結方向と直し、連結方向と交差する方向の一例である。
【0017】
ここで、図2に示すように、凸部112の幅方向の最大長さWmは、凸部112と本体部111との接続部分における幅方向の長さW0より大きい。即ち、凸部112は、上底が下底より小さい台形状を有し、上底に対応する部分が本体部111に接続される形状を有している。これにより、凹部に凸部が挿入されて研磨部材110,120,130が連結されたときに、連結方向に研磨部材110,120,130が分離することを抑制することができる。凸部の幅方向の最大長さWmが、接続部分の幅方向の長さW0より大きければ、凸部の形状は台形状に限られない。即ち、凸部の形状は、円形状や多角形状でもよい。
【0018】
実施の形態1においては、研磨部材110,120,130の材質は、ダンボール紙である。但し、研磨部材110,120,130は、ケント紙、畳等のい草、麻、じゅうたん等の布、木材、樹脂等で構成することもできる。3つの研磨部材110,120,130の形状は実質的に同一であるが、これらの材質は必ずしも同一である必要はない。例えば、ペット用爪とぎボード100において、研磨部材110を段ボール製とし、研磨部材130を樹脂製として、材質が異なるように構成することもできる。複数の猫を飼っている場合に、猫の種類や個体によって爪とぎ用に好む材質が異なる場合があるからである。
【0019】
また、3つの研磨部材110,120,130のうち少なくとも1つの研磨部材が研磨面40を有すればよい。例えば、ペット用爪とぎボード100において、中央に位置する研磨部材120を、研磨面40を有しない樹脂製の研磨部材として構成することもできる。3つの研磨部材110,120,130のうち両端に位置する研磨部材110,130の使用頻度が高く、中央に位置する研磨部材120の使用頻度が極めて低い場合もあるからである。
【0020】
ペット用爪とぎボード100をケース20に組み込んでペット用爪とぎ器10を構成すると、図2に示すように、研磨部材110の凸部112がケース20の側壁内側に当接し、少なくとも、ケース20と凸部112側の本体部111との間に隙間30が形成される。この隙間30は、猫等のペットがペット用爪とぎボード100上で爪を研いだ時に生じる削りカスが溜まるスペースとなる。
【0021】
また、研磨部材130の凹部133側の本体部131がケース20の側壁内側に当接する。この時、凹部133の空洞部分は、研磨部材130の本体部131とケース20により囲まれ、猫等のペットがペット用爪とぎボード100上で爪を研いだ時に生じる削りカスが溜まるスペースとなる。
【0022】
(効果等)
実施の形態1のペット用爪とぎボード100及びペット用爪とぎ器10は、ペット用爪とぎボード100を構成する3つ研磨部材110,120,130が実質的に同一形状を有するので、例えば、ペットの猫が研磨部材120及び研磨部材130上に乗って研磨部材110の研磨面40で爪を研く頻度が高く、研磨部材110の劣化が著しい場合に、研磨部材120,130に優先して研磨部材110だけを新しい研磨部材に交換することが可能である。これにより、ペット用爪とぎボードをすべて交換する場合に比べて、経済的である。
【0023】
また、実施の形態1のペット用爪とぎボード100は、研磨部材120の凹部123に研磨部材110の凸部112を厚み方向から挿入することにより2つの研磨部材を連結させるので、2つ研磨部材が幅方向に分離することを抑制することができる。また、実施の形態1のペット用爪とぎボード100は、研磨部材が存在する部分である凸部が、実質的に同一形状を有し研磨部材が存在しない空洞部分である凹部に、厚み方向から挿入されて、複数の研磨部材が連結されて構成される。そして、凸部の幅方向の最大長さが凸部と本体部との接続部分における幅方向の長さより大きいので、2つ研磨部材が連結されたときに、連結方向に2つ研磨部材が分離することを抑制することができる。これにより、複数の研磨部材の分離を抑制するためのケース等の他の構成部材が不要である。
【0024】
さらに、実施の形態1のペット用爪とぎ器10は、凸部がケース20の側壁内側に当接すると、ケース20と研磨部材の本体部との間に隙間30が形成されるので、猫等のペットがペット用爪とぎボード100上で爪を研いだ時に生じる削りカスを隙間30に溜めることができる。これにより、削りカスが研磨面40上に溜まり研磨面40を覆い隠すこと抑制することができる。
【0025】
(変形例1)
図3は、変形例1に係るペット用爪とぎボード200を示す平面図である。ペット用爪とぎボード200を構成する3つの研磨部材210,220,230の形状が実施の形態1のペット用爪とぎボード100と異なる。他の構成は、ペット用爪とぎボード100と同じであるので、異なる部分を中心に説明し、同様の部分については詳細な説明を省略する。また、変形例1に係るペット用爪とぎボード200を実施の形態1で説明したケース20に組み込むことにより、実施の形態1で説明したペット用爪とぎ器10と同様に、ペット用爪とぎ器を構成することができる。
【0026】
ペット用爪とぎボード200を構成する3つの研磨部材210,220,230の詳細を説明する。図3に示すように、研磨部材210は、本体部211、凸部212及び凹部213から構成され、研磨部材220は、本体部221、凸部222及び凹部223から構成され、研磨部材230は、本体部231、凸部232及び凹部233から構成される。3つ研磨部材210,220,230は実質的に同一形状を有するので、研磨部材110を中心に説明する。
【0027】
凸部212及び凹部213は本体部211の連結方向の両側にそれぞれ位置する。凸部212は研磨部材が存在する部分であるのに対して、凹部213は研磨部材が存在しない空洞部分であるが、凸部212と凹部213とは実質的に同一形状を有する。即ち、本体部211は矩形状の研磨部材から凸部212に相当する部分がくり抜かれた形状を有し、そのくり抜かれた部分が凹部213に対応する。研磨部材210は、研磨面40に平行な面について面対称となる形状を有し、研磨面40に垂直でありかつ連結方向に平行である面について面対称となる形状を有する。
【0028】
研磨部材210の凹部213に研磨部材220の凸部222を、厚み方向から挿入することにより、研磨部材210と研磨部材220とが連結される。同様に、研磨部材220の凹部223に研磨部材230の凸部232を、厚み方向から挿入することにより、研磨部材220と研磨部材230とが連結される。このように、研磨部材210、研磨部材220及び研磨部材230が連結されることにより、ペット用爪とぎボード200が構成される。ここで、研磨部材210、本体部211、凸部212及び凹部213がそれぞれ第1の研磨部材、第1の本体部、第1の凸部及び第1の凹部の一例であるとき、研磨部材220、本体部221、凸部222及び凹部223はそれぞれ第2の研磨部材、第2の本体部、第2の凸部及び第2の凹部の一例である。また、研磨部材220、本体部221、凸部222及び凹部223がそれぞれ第1の研磨部材、第1の本体部、第1の凸部及び第1の凹部の一例であるとき、研磨部材230、本体部231、凸部232及び凹部233はそれぞれ第2の研磨部材、第2の本体部、第2の凸部及び第2の凹部の一例である。
【0029】
図3に示すように、凸部212は、接続部214と係止部215とから構成される。この点で、接続部に相当する部分を有さずと係止部に相当する部分のみで構成される研磨部材110の凸部112(実施の形態1で説明したペット用爪とぎボード100参照)と異なる。接続部214は、矩形状を有し、接続部214の幅方向の長さW0は、本体部211の幅方向の長さより小さい。
【0030】
また、係止部215は、円形状を有し、接続部214を介して本体部211に接続されている。係止部215の幅方向の最大長さWm(即ち、円形状の係止部215の直径に相当)は、接続部214の幅方向の長さW0より大きい。これにより、凹部に凸部が挿入されて研磨部材210,220,230が連結されたときに、連結方向に研磨部材210,220,230が分離することを抑制することができる。
【0031】
変形例1では、係止部215は、円形状を有するが、実施の形態1で説明した研磨部材110の凸部112と同様に台形状に形成してもよい。係止部の幅方向の最大長さWmが、接続部の幅方向の長さW0より大きければ、係止部の形状は問わない。即ち、係止部の形状は、円形状や台形状に限られず、三角形状、矩形状、多角形状でもよい。
【0032】
(効果等)
変形例1のペット用爪とぎボード200においても、実施の形態1のペット用爪とぎボード100と同様の効果を奏する。さらに、ペット用爪とぎボード200においては、凸部を係止部と接続部により構成したので、形成される係止部の形状の自由度が大きい。
【0033】
(実施の形態2)
図4は、ペット用爪とぎボード300を示す平面図(a)及び正面図(b)である。ペット用爪とぎボード300を構成する3つの研磨部材310,320,330の形状が実施の形態1のペット用爪とぎボード100と異なる。他の構成は、ペット用爪とぎボード100と同じであるので、異なる部分を中心に説明し、同様の部分については詳細な説明を省略する。また、実施の形態2に係るペット用爪とぎボード300を実施の形態1で説明したケース20に組み込むことにより、実施の形態1で説明したペット用爪とぎ器10と同様に、ペット用爪とぎ器を構成することができる。
【0034】
ペット用爪とぎボード300を構成する3つの研磨部材310,320,330の詳細を説明する。図4に示すように、研磨部材310は、本体部311、凸部312及び凹部313から構成され、研磨部材320は、本体部321、凸部322及び凹部323から構成され、研磨部材330は、本体部331、凸部332及び凹部333から構成される。3つ研磨部材310,320,330は実質的に同一形状を有するので、研磨部材310を中心に説明する。
【0035】
凸部312及び凹部313は本体部311の連結方向の両側にそれぞれ位置する。凸部312は研磨部材が存在する部分であるのに対して、凹部313は研磨部材が存在しない空洞部分であるが、凸部312と凹部313とは実質的に同一形状を有する。即ち、本体部311は矩形状の研磨部材から凸部312に相当する部分がくり抜かれた形状を有し、そのくり抜かれた部分が凹部313に対応する。研磨部材310は、研磨面40に平行な面について面対称となる形状を有し、研磨面40に垂直でありかつ連結方向に平行である面について面対称となる形状を有する。
【0036】
研磨部材310の凹部313に研磨部材320の凸部322を、幅方向から挿入することにより、研磨部材310と研磨部材320とが連結される。同様に、研磨部材320の凹部323に研磨部材330の凸部332を、厚み方向から挿入することにより、研磨部材320と研磨部材330とが連結される。このように、研磨部材310、研磨部材320及び研磨部材330が連結されることにより、ペット用爪とぎボード300が構成される。この点、凹部に凸部を厚み方向から挿入することにより、複数の研磨部材が連結される実施の形態1で説明したペット用爪とぎボード100,200と異なる。ここで、研磨部材310、本体部311、凸部312及び凹部313がそれぞれ第1の研磨部材、第1の本体部、第1の凸部及び第1の凹部の一例であるとき、研磨部材320、本体部321、凸部322及び凹部323はそれぞれ第2の研磨部材、第2の本体部、第2の凸部及び第2の凹部の一例である。また、研磨部材320、本体部321、凸部322及び凹部323がそれぞれ第1の研磨部材、第1の本体部、第1の凸部及び第1の凹部の一例であるとき、研磨部材330、本体部331、凸部332及び凹部333はそれぞれ第2の研磨部材、第2の本体部、第2の凸部及び第2の凹部の一例である。また、幅方向は連結方向と直し、連結方向と交差する方向の一例である。
【0037】
図4に示すように、凸部312は、接続部314と係止部315とから構成される。接続部314は、矩形状を有し、接続部314の厚み方向の長さH0は、本体部311の厚み方向の長さより小さい。
【0038】
また、係止部315は、三角形状を有し、接続部314を介して本体部311に接続されている。係止部315の厚み方向の最大長さHm(即ち、三角形状の係止部315の底辺の長さに相当)は、接続部314の厚み方向の長さH0より大きい。これにより、凹部に凸部が挿入されて研磨部材310,320,330が連結されたときに、連結方向に研磨部材310,320,330が分離することを抑制することができる。
【0039】
実施の形態2では、係止部315は、三角形状を有するが、実施の形態1で説明した研磨部材110の凸部112と同様に台形状、又は変形例1で説明した研磨部材210の係止部215と同様に円形状に形成してもよい。係止部の厚み方向の最大長さHmが、接続部の厚み方向の長さH0より大きければ、係止部の形状は問わない。即ち、係止部の形状は、三角形状、円形状、台形状に限られず、矩形状、多角形状でもよい。
【0040】
(効果等)
実施の形態2のペット用爪とぎボード300においても、実施の形態1で説明したペット用爪とぎボード100,200と同様の効果を奏する。さらに、ペット用爪とぎボード300においては、複数の研磨部材を幅方向から挿入して連結させるので、猫等のペットが爪を研ぐとき、一部の研磨部材が幅方向に浮き上がることを抑制することができる。
【0041】
(他の実施の形態)
本開示の技術的思想を逸脱しない範囲で、上述の実施の形態に対して、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行うことが可能である。また、上述の実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0042】
上記実施の形態では、ペット用爪とぎボード100,200,300の連結方向における端部がケース20の壁面に当接しケース20に対するペット用爪とぎボード100,200,300の連結方向の移動を抑制する例を説明した。ケース20に対するペット用爪とぎボード100,200,300の幅方向の移動を抑制するために、ケース20の側面に、研磨部材の幅方向側面に部分的に当接する突起又はストッパーを形成してもよい。また、ケース20に対するペット用爪とぎボード100,200,300の厚み方向の移動を抑制するために、ケース20に、研磨部材の研磨面40に部分的に当接する突起又はストッパーを形成してもよい。
【0043】
また、上記実施の形態では、ペット用爪とぎボード100,200,300をケース20に装着してペット用爪とぎ器を構成する例を説明したが、ケースは上記実施の形態で示したケース20に限られず、ペット用爪とぎボード100,200,300を挿入できるケースであれば、種類は問わない。この場合、ペット用爪とぎボード100,200,300が装着されるケースの底面に形成された研磨部材に突き刺さる突起又はストッパーによりケースに対する研磨部材の移動を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本開示のペット用爪とぎボード及びペット用爪とぎ器は、猫等のペットに爪を研がせるときに用いられる。
【符号の説明】
【0045】
10 ペット用爪とぎ器
20 ケース
30 隙間
40 研磨面
100,200,300 ペット用爪とぎボード
110,120,130,210,220,230,310,320,330 研磨部材
111,121,131,211,221,231,311,321,331 本体部
112,122,132,212,222,232,312,322,332 凸部
113,123,133,213,223,233,313,323,333 凹部
214,224,234,314,324,334 接続部
215,225,235,315,325,335 係止部
【要約】
【課題】
複数の研磨部材の分離を抑制するペット用爪とぎボードを提供する。
【解決手段】
ペット用爪とぎボード100は、研磨面40を有する第1の本体部、第1の凸部、及び第1の凹部を有する第1の研磨部材110と、第2の本体部、第2の凸部、及び第2の凹部を有し、第1の研磨部材110と実質的に同一の形状を有する第2の研磨部材120と、を備える。ペット用爪とぎボード100は、第1の凹部と第2の凸部とが係合することにより、第1の研磨部材110と第2の研磨部材120とが連結されて構成される。ペット用爪とぎ器10は、上記ペット用爪とぎボード100とそのペット用爪とぎボード100が組み込まれるケース20とを備え、ケース20と第1の研磨部材110の第1の本体部との間に隙間30を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4