【実施例】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は本発明の実施例に係る二次電池の正面図、
図2は本発明の実施例に係る二次電池の分解斜視図をそれぞれ示す。
二次電池10は、電極20(正極21または負極22)のいずれか一方を一対のセパレータ30(30A、30B)で挟持して形成した、いわゆる袋詰電極32と、他方の電極20(負極22または正極21)とを交互に積層して構成されている。
図2では、一対のセパレータ30(下のセパレータ30A、上のセパレータ30B)が負極22を挟持しており、上のセパレータの上面にはさらに正極21が重畳(積層)されている。
【0015】
図1、2を見るとわかるように、電極20(正極21または負極22)は、矩形形状の集電体(正極集電体21−1、負極集電体22−1)と、電極端子(正極集電端子21−2、負極集電端子22−2)とを有して構成されている。
正極21、負極22は同様の構成であるため、まずは正極についてその構成を詳細に述べる。
正極21は、矩形形状の正極集電体21−1と、正極集電体の外縁の一部から突出した正極集電端子21−2とを有して構成され、その全体はL字形状または凸型形状に形成されている。正極集電体21−1は、その両面に正極活物質(電解質;図示しない)が結着されている。正極集電端子21−2は、正極集電体21−1から電力を取り出すための外部端子とされている。
正極20(正極集電体21−1、正極集電端子21−2)が導電体とされることはいうまでもない。二次電池10の正極集電体21−1の材料として、たとえばリチウム遷移金属酸化物(LiCoO
2など)が用いられるが、これに限定されない。
【0016】
同様に、負極22も、矩形形状の負極集電体22−1と、負極集電体の外縁の一部から突出した負極集電端子22−2とを有して構成され、その全体はL字形状または凸型形状に形成されている。負極集電体22−1は、その両面に負極活物質(電解質;図示しない)が結着されている。負極集電端子22−2は、負極集電体22−1から電力を取り出すための外部端子とされている。
また、負極22(負極集電体22−1、負極集電端子22−2)も、正極21と同様に導電体とされている。二次電池10の負極集電体22−1の材料として、たとえばグラファイト(炭素材料;C)が用いられるが、これに限定されない。
【0017】
図2を見るとわかるように、正極集電端子21−2、負極集電端子22−2は、互いに重複しないように互い違いの位置に積層されている。
なお、正極集電体21−1および負極集電体22−1の両面にそれぞれ結着される正極活物質および負極活物質(電解質;図示しない)として有機溶媒が用いられ、正極21、負極22間で電解質を介してリチウムイオンが出し入れ可能とされる。
また、電極20の厚さ(高さ;図示しない)は、たとえば0.2mmとされる。
【0018】
一対のセパレータ30(30A、30B)は、たとえば矩形形状とされ、その片面にたとえば非導電性・耐熱性のセラミックが塗工され、セラミックセパレータと呼ばれる。実施例では、一対のセパレータ30(30A、30B)はセラミックセパレータとされるが、これに限定されない。
一対のセパレータ30A、30Bそれぞれの厚さ(上下方向の高さ)α(
図5参照)は、電極20よりも薄く、たとえば0.02mmとされる。
【0019】
図1、2を見るとわかるように、矩形形状のセパレータ30(30A、30B)は、同じく矩形形状の集電体(正極集電体21−1、負極集電体22−1)よりも一回り大きく形成されている。そのため、一対のセパレータ30(30A、30B)が、電極のうち電極端子を除いた集電体(
図1、2では、負極22から負極集電端子22−2を除いた負極集電体22−1)を被覆して上下から挟持している。集電体、たとえば負極集電体22−1には負極活物質(電解質;図示しない)が結着しているため、一対のセパレータ30(30A、30B)が負極集電体を挟持することで、上のセパレータ30Bの上に重畳された正極集電体21−1(正極21)と、負極集電体(負極22)との間で電解質を保持して、イオンの伝導性を担保している。
また、一対のセパレータ30(30A、30B)が負極集電体22−1を挟持すると、セパレータの外縁の一部から負極集電端子22−2が突出する。電極により生成された電力は、突出した負極集電端子22−2から取り出される。
そして、袋詰電極32の上面にさらに正極21を重畳(積層)すると、同様に、正極集電端子21−2が突出する。電極により生成された電力は、正極集電端子21−2からも取り出される。
【0020】
特開2015−197977号公報で公知とされるように、一対のセパレータ(セラミックセパレータ)30はそれぞれ、たとえば、溶融材に相当するポリプロピレン層(樹脂層、図示しない)と、ポリプロピレン層の一方の面にセラミックが塗工されたセラミック層(図示しない)とをそれぞれ備えて構成されている。
ポリプロピレン層は、たとえばポリプロピレンをシート状に形成したものであり、非水溶媒に電解質を溶解することで非水電解液が含浸されている。
セラミック層は、ポリプロピレン層よりも溶融温度が高い。
図2を見るとわかるように、一対のセパレータ30のセラミック層はそれぞれ対向するように負極22(負極集電体22−1)を上下から挟持し、負極活物質に当接している。つまり、一対のセパレータ30が、セラミックの塗工された面(セラミック層のある面)を面合わせにして二次電池内部の電極(正極21または負極22。正確には、正極集電体21−1または負極集電体22−1。実施例では負極集電体)を挟持して、電極を電気的(物理的)に隔離している。
なお、一対のセパレータ(セラミックセパレータ)30はこの構成に限定されず、電極20を電気的(物理的)に隔離する構成であればよい。
【0021】
矩形形状のセパレータ30(30A、30B)は、同じく矩形形状の集電体(正極集電体21−1、負極集電体22−1)よりも一回り大きく形成されている。そのため、
図1に示すように、一対のセパレータ30(30A、30B)が負極集電体22−1を被覆して上下から挟持すると、セパレータの外周縁は負極集電体と重畳しない部分、すなわち負極集電体を挟持しない部分30A’、30B’となる。セパレータの外周縁30A’、30B’では、セパレータのみが重畳されている。
なお、
図1では、セパレータ30の外周縁すべてが負極集電体22−1を挟持しない(負極集電体と重畳しない)部分30A’、30B’とされている。しかし、これに限定されず、たとえばセパレータの外周縁の一部が負極集電体22−1を挟持しない部分としてもよい。
【0022】
セパレータ30には、負極集電体22−1を挟持しない部分(外周縁)30A’、30B’に接合部40が形成されている。接合部40は、電極20(実施例では負極集電体22−1)を挟持しない部分30A’、30B’で一対のセパレータ30を圧接により接合することで形成される。接合部40により、重畳された一対のセパレータ30、負極集電体22−1が封止されていわゆる袋詰電極32が形成される。
図1では、セパレータ30の外周縁30A’、30B’に合計8か所の接合部40が形成されている。しかし、これに限定されず、たとえばセパレータの外周縁の周囲すべてに接合部40を設けてもよい。
また、接合部40は、後述する波型形状の上型の圧接面161−2’と下型の圧接面162−1との噛合により形成されるため、たとえば波型形状とされる(
図4、5)。しかし、実際の接合部40は微細なものであり、また、説明のしやすさのため、
図1では線型形状で表している。
【0023】
そして、
図2に示すように、袋詰電極32(一対のセパレータ30、負極集電体22−1)の上にさらに正極21が重畳され、袋詰電極と正極とを交互に積層した積層構造が形成される。
【0024】
一対の外装体50は、二次電池10の外装とされ、袋詰電極32と正極21との積層構造を上下から挟持して全体を被覆している。上下一対の外装体50は、たとえばラミネートシートとされる。積層構造を挟持した上下一対の外装体50は、その外周縁の一部から電解液が注入されて内部の一対のセパレータ30に電解液が含浸され、それから外周縁を封止することで二次電池10が形成される。
【0025】
次に、図面を参照しながら、二次電池10のセパレータ接合装置100(二次電池のセパレータ接合方法を具体化した装置)について説明する。
図3は、本発明の実施例に係る二次電池のセパレータ接合装置(本発明の実施例に係る二次電池のセパレータ接合方法を具体化した装置)の斜視図を示す。
【0026】
二次電池10のセパレータ接合装置100は、たとえば、巻き出し機構110(巻き出し工程に相当)、切断機構120(切断工程に相当)、供給機構130(供給工程に相当)、反転機構140(反転工程に相当)、搬送機構150(搬送工程に相当)、圧接機構160(圧接工程に相当)を備えて構成されている。
なお、前後左右は筒状のセパレータロール(後述)から引き延ばされたセパレータ(セラミックセパレータ)の移送方向を前として、Fr(前;セパレータの経路の下流)、Rr(後;上流)、L(左)、R(右)で示す。
【0027】
また、セパレータ接合装置100はその右側に電極の積層機構(図示しない)を備えているが、積層機構自体は本発明の要旨ではないため、詳細は説明しない。
【0028】
巻き出し機構110は、支持シャフト111と、各搬送ローラ112、113、114、115とを備えて構成されている。支持シャフト111に帯状のセパレータ30をロール状に巻いたセパレータロール30’が取り付けられている(セットされている)。支持シャフト111には送りモータ(図示しない)が取り付けられ、一定間隔でセパレータ30を前方向へ送り出している。そして、セパレータ30は、セパレータロール30’からセパレータ接合装置100内の各搬送ローラ112、113、114、115に掛け渡されて、前方へ延ばされている。
なお、説明のしやすさのため、実施例では、セパレータロール30’から前方へ延ばされる帯状のセパレータ30において、その上面30Upにセラミックが塗工されている。しかし、セパレータはその構成に限定されない。
【0029】
切断機構120は、巻き出し機構110の前方、すなわち引き延ばされたセパレータ30の前部の上方に位置している。切断機構120は、セパレータロール30’から前方へ延ばされた帯状のセパレータ30を(前後方向の)一定の長さで左右方向に切断して個々のセパレータを形成するカッター121と、その下部に取り付けられたカッターを支持する支持部122と、その前面を支持部が左右方向に摺動可能に取り付けられた支持板123と、支持板を支持する左右一対の支持脚124とを備えて構成されている。
また、切断機構120の下方には、供給機構130の吸着プレート(第一の吸着プレート)131が配置されている。
カッター121は、たとえば円盤状とされ、その外周端でセパレータを切断可能としている。また、カッター121は、その回転中心となる中心軸121’が設けられている。
支持部122はその下部で、カッター121が中心軸121’を中心として回転可能となるように支持している。
支持板123は、引き延ばされたセパレータ30の上方で左右方向に延びて架設されている。支持板123の前面には左右方向(セパレータの幅方向;セパレータ30が引き延ばされる方向に直行する方向)に延びるレール123’、支持部122の上部後面にはレール上を摺動可能とする摺動部122’がそれぞれ設けられている。支持部の摺動部122’が支持板のレール123’上を摺動することで、カッター121が左右方向(セパレータの幅方向)に移動し、帯状のセパレータ30を一定の長さで左右方向に切断して個々のセパレータ(たとえば、一対のセパレータ30A、30B)を形成する。
左右一対の支持脚124は、引き延ばされたセパレータ30の左右に配置、固定されて、支持板123の左右端部を支持している。
【0030】
供給機構130は、切断機構120の下方かつ前方に位置している。供給機構130は、第一の吸着プレート131と、第一の吸着プレートを前後方向(セパレータ30が引き延ばされる方向)に移動可能とする駆動モータ(図示しない)とを備えて構成されている。
第一の吸着プレート131は、引き延ばされたセパレータ30の前部の下方に、詳細には切断機構のカッター121の下方に位置し、カッター121による切断の台座にもされる。第一の吸着プレート131は、その上面にセパレータ30の下面と当接してセパレータを吸着する複数の吸着口(図示しない)を有している。吸着口はたとえばエアポンプ(真空ポンプ;図示しない)に接続され、カッター121で切断された個々のセパレータ(たとえば、下のセパレータ30A)をエアポンプの真空圧により第一の吸着プレート131の上面に吸着する。
図3では、第一の吸着プレート131の上面に下のセパレータ30Aが配設、吸着されている。
駆動モータ(図示しない)は、その駆動により、第一の吸着プレート131の上面に個々のセパレータを吸着した状態で第一の吸着プレートを前後方向に移動可能とするように取り付けられている。
図3の破線の矢視は、第一の吸着プレート131の移動する方向を示す。
図3の位置Aは第一の吸着プレート131の可動範囲の後端、位置Bは第一の吸着プレートの可動範囲の前端を示す。
図3を見るとわかるように、位置Aは切断機構120の直下である。位置Bは第一の吸着プレートの可動範囲の前端であるとともに、反転機構140(詳細には反転プレート141)の回動範囲の後端および
搬送機構150(詳細には第二の吸着プレート151)の可動範囲の後端とされる。
また、駆動モータ(図示しない)は、セパレータロール30’の送りモータ(図示しない)と、たとえば電気信号により連動可能とされる。
【0031】
反転機構140は、供給機構130の前方に位置している。反転機構140は、第一の吸着プレート131と同様にセパレータ30を吸着可能とする反転プレート141と、反転プレートを下方から支持する前後の支持板142(前部の支持板142−1、後部の支持板142−2)と、後部の支持板の回動中心となる回動軸143と、回動軸の左右端を支持する左右一対の支持脚144と、回動軸を中心に後部の支持板を回動させるためのモータ(図示しない)とを備えて構成されている。
反転プレート141は、第一の吸着プレート131と同様に、その上面にセパレータ30の下面と当接してセパレータを吸着する複数の吸着口(図示しない)を有している。吸着口はたとえばエアポンプ(真空ポンプ;図示しない)に接続され、個々のセパレータ(たとえば、上のセパレータ30B)をエアポンプの真空圧により反転プレート141の上面に吸着する。
図3の一点鎖線は、反転プレート141の上面に配設された上のセパレータ30Bを表している。
支持板142は、前部の支持板142−1、後部の支持板142−2を有して構成されている。前部の支持板142−1は反転プレート141よりも後方に長く形成され、その前部上面に反転プレート141の下面が、その後部上面に後部の支持板142−2の下面がそれぞれ接続されている。後部の支持板142−2は、引き延ばされたセパレータ30の前方で左右方向に延びて架設されている。
回動軸143は、後部の支持板142−2の回動中心となる軸であり、たとえば後部の支持板142−2の左右側面から延びる左右一対のピンとされる。
左右一対の支持脚144は、引き延ばされたセパレータ30の延長上の左右に配置、固定され、回動軸(左右一対のピン)143の左右端を支持している。
モータ(図示しない)は、その駆動により、反転プレート141の上面に個々のセパレータを吸着した状態で、前後の支持板142−1、142−2を介して、回動軸143を中心として反転プレートを前後方向に回動可能とするように取り付けられている。
端的に言えば、反転プレート141は、回動軸143を中心として180°の範囲内で前後方向に回動可能とされる。
図3の一点鎖線の矢視は、反転プレート141の回動する方向を示す。また、
図3の位置Bは反転プレート141の回動範囲の後端、位置Cは反転プレート141の回動範囲の前端を示す。位置Bは、前述のとおり、第一の吸着プレート131の可動範囲の前端および搬送機構150の可動範囲の後端とされる。
【0032】
搬送機構150は、供給機構130の前方に位置している。搬送機構150は、供給機構の第一の吸着プレート131および反転機構の反転プレート141と同様にセパレータ30を吸着可能とする吸着プレート151(第二の吸着プレート)と、第二の吸着プレートを支持する左右一対の支持部152と、その内側面をそれぞれの支持部が前後方向(セパレータ30が引き延ばされる方向)に摺動可能に取り付けられた左右一対の支持板153と、各支持板を支持する左右の支持脚154と、支持部を摺動可能とするためのモータ(図示しない)とを備えて構成されている。
図3では、左の支持脚が省略されているが、右の支持脚154を左右対照とした構成とされる。
第二の吸着プレート151は、その下面にセパレータ30の上面と当接する複数の吸着口(図示しない)を有している。吸着口はたとえばエアポンプ(真空ポンプ;図示しない)に接続され、個々のセパレータ(一対のセパレータ30A、30B)をエアポンプの真空圧により第二の吸着プレート151の下面に吸着する。また、第二の吸着プレート151には、後述する上型の圧接部161−2の挿通可能な挿通孔151−1が、圧接部の個数分設けられている。
図3では、挿通孔151−1が8個形成されているが、これに限定されず、上型の圧接部161−2に対応した個数が備えられていればよい。
左右一対の支持部152は、引き延ばされたセパレータ30の延長上の左右に配置され、第二の吸着プレート151の左右両端を支持している。また、左右一対の支持部152は、その内側面に上下方向に延びるレール152−1を、その外側面上部に後述する支持板のレール153’上を摺動可能とする摺動部152−2をそれぞれ備えている。
左右一対の支持板153は、その内側面に前後方向に延びるレール153’を備えている。
支持脚154は、支持板153の外側面に取り付けられ、支持板を支持、固定している。
【0033】
第二の吸着プレート151は、その左右端が支持部のレール152−1上を摺動することで、上下方向に移動(上昇および下降)可能とされる。また、支持部152は、その摺動部152−2が支持板のレール153’上を摺動することで、前後方向、詳細には供給機構130または反転機構140と、圧接機構160との間を移動可能とされる。つまり、第二の吸着プレート151は、支持部152、支持板153により前後および上下方向に自在に移動可能とされる。
このような自在な移動により、第二の吸着プレート151は、その下面に個々のセパレータ30(一対のセパレータ30A、30B)を吸着した状態で、供給機構130または反転機構140から圧接機構160へ個々のセパレータを移送することができる。
【0034】
図4(A)は上型の圧接部、一対のセパレータ、下型の圧接部の部分斜視図、(B)(C)は上型の圧接部の部分拡大側面図、部分拡大正面図、(D)(E)は下型の圧接部の部分拡大側面図、部分拡大正面図をそれぞれ示す。
圧接機構160は、搬送機構150の前部に位置している。圧接機構160は、それぞれ圧接面を持つ上下一対の型161、162(上下型;上型161、下型162)を備えて構成されている。
上型161は、その上面にピストン161−1が、その下面に圧接部161−2がそれぞれ設けられている。ピストン161−1は、その下端が上型161の上面に、その上端がたとえばセパレータ接合装置100の天井面(図示しない)にそれぞれ接続されている。言い替えると、上型161は、セパレータ接合装置100の天井面からピストン161−1を介して吊り下がって設置されている。上型161は、ピストン161−1の内部の空気圧により上下方向に移動(上昇および下降)可能とされる。上型の圧接部161−2はたとえば棒状の部材とされ、
図4(A)を見るとわかるように、下方に向かって先細りに形成されている。そして、上型の圧接部161−2の下端は、凹凸を持つ波型形状の圧接面161−2’を持っている。
図4(B)(C)に示すように、上型の圧接部161−2の下端はテーパー加工が施され、側面のテーパー面161−2’a、正面(前面)のテーパー面161−2’bが形成されている。
図4(B)に示すように、たとえば上型の圧接部の側面のテーパー面161−2’aにおいて、テーパーの角度θ
1は15°、高さε
1は0.2mmとされる。また、
図4(C)に示すように、たとえば上型の圧接部の正面(前面)のテーパー面161−2’bにおいて、テーパーの角度θ
2は15°、高さε
2は0.2mmとされる。
下型162は、たとえば平板上の部材とされ、左右方向に移動可能とされている。また、下型162は、上型161の直下に配置されるとともに、その上面に圧接部162’を有している。圧接部162’(下型162)は、その上面に圧接面162−1を持っている。また、圧接部162’は、2個の固定部材(ネジ)162−2によって下型162の上面に固定されているが、この構成に限定されず、下型の上面に圧接部が固定されていれば足りる。下型の圧接面162−1は、上型の圧接面161−2’と同様に凹凸を持つ波型形状に形成されて、上型の圧接面の直下に位置している。つまり、上型の圧接面161−2’と、下型の圧接面162−1とは、噛合可能な凹凸を持つ波型形状にそれぞれ形成されている。
図4(D)(E)に示すように、上型の圧接部161−2の下端と同様に、下型の圧接部162’の上端もテーパー加工が施され、側面のテーパー面162’’a、正面(前面)のテーパー面162’’bが形成されている。
図4(D)に示すように、たとえば下型の圧接部の側面のテーパー面162’’aにおいて、テーパーの角度θ
3は30°、高さε
3は0.5mmとされる。また、
図4(E)に示すように、たとえば下型の圧接部の正面(前面)のテーパー面162’’bにおいて、テーパーの角度θ
4は15°、高さε
4は0.2mmとされる。
【0035】
なお、
図3のように、第二の吸着プレート151の挿通孔151−1、上型の圧接部161−2、下型の圧接面162−1はそれぞれ8個備えられているが、これに限定されず、それぞれ対応した個数設けられていればよい。
また、テーパーを含む上型の圧接部161−2、下型の圧接面162−1の幅ζ(
図4(A);左右の長さ)、すなわち接合部40の幅はたとえば6mmとされるが、これに限定されない。
【0036】
図5(A)は圧接前、(B)は圧接時、(C)は圧接後における上型の圧接部、一対のセパレータ、下型の圧接部の部分拡大図をそれぞれ示す。
図5(A)のように、一対のセパレータ30A、30Bそれぞれの厚さ(上下方向の高さ)α、セパレータに挟持される電極(負極22)の厚さ(高さ;図示しない)を、たとえば0.02mm、0.2mmとそれぞれする場合、たとえば上型の圧接面161−2’および下型の圧接面162−1における1つの波型(凹凸)の厚さ(高さ)β
1は0.2mm、幅β
2は0.65mmとそれぞれされる。また、1つの波型(凹凸)により形成される角度δは、73.74°とされる。しかし、これらの厚さ、幅、角度に限定されるものではない。
【0037】
次に、図面を参照しながら、二次電池10のセパレータ接合装置100におけるセパレータ接合方法について説明する。
図6は、二次電池のセパレータ接合装置におけるセパレータ接合方法の流れを説明するフロー図を示す。
セパレータ接合方法は、巻き出し機構110による巻き出し工程、切断機構120による切断工程、供給機構130による供給工程、反転機構140による反転工程、搬送機構150による搬送工程、圧接機構160による圧接工程を含んでいる。
【0038】
まず、巻き出し機構110において、各搬送ローラ112、113、114、115を介して、セパレータロール30’から帯状のセパレータ30が前方に引き出される(延出される;ステップS1)。なお、帯状のセパレータの上面30Upにセラミックが塗工されている。第一の吸着プレート131は、その可動範囲の後端である位置Aに位置している。
【0039】
帯状のセパレータ30の前部は、切断機構120の下方を超えて、位置Aの第一の吸着プレート131の上面まで延ばされる。そして、セパレータロール30’の送りモータ(図示しない)と、第一の吸着プレート131のエアポンプ(図示しない)とが連動し、エアポンプの吸引により帯状のセパレータ30の前部が第一の吸着プレートの上面に配置される(ステップS2)。
【0040】
切断機構120において、支持部の摺動部122’が支持板のレール123’上を摺動してカッター121が左右方向(セパレータの幅方向;セパレータ30が引き延ばされる方向に直行する方向)に移動し、第一の吸着プレート131上の帯状のセパレータ30の前部を一定の長さで左右方向に切断する(ステップS3)。ここではまず、一対のセパレータのうち下のセパレータ30Aが形成される(
図3参照)。
【0041】
搬送機構150において、搬送機構の第二の吸着プレート151のモータ(図示しない)が駆動して、左右一対の支持部152、左右一対の支持板153がそれぞれ摺動することで、第二の吸着プレートが供給機構の第一の吸着プレート131の上方、つまり位置Bまで反転機構140を超えて移動する。第二の吸着プレート151の移動と同時に、供給機構の駆動モータ(図示しない)が駆動して、第一の吸着プレート131が第二の吸着プレート151の可動範囲の後端の位置(位置B)まで移動する。第一の吸着プレート131が移動を停止すると、第一の吸着プレートのエアポンプが停止して、第一の吸着プレートの上面に配置された下のセパレータ30Aの吸引を一時停止する。第二の吸着プレート151がその可動範囲の後端の位置(位置B;第一の吸着プレート131の上方)まで移動すると、その位置で下降し、エアポンプ(図示しない)を作動させて、第一の吸着プレートの上面の下のセパレータ30Aを第二の吸着プレートの下面に吸着する(ステップS4)。
【0042】
以下のステップS5−1〜S5−4は、下のセパレータ30Aに関する流れを示す。
第二の吸着プレート151は、下のセパレータ30Aを吸着した状態で、第一の吸着プレート131の上方(位置B)から圧接機構160まで移送する。そして、第二の吸着プレート151のエアポンプが停止し、下のセパレータ30Aは圧接機構の下型162の上面に配置される(ステップS5−1)。
圧接機構の下型162の上面に配置された下のセパレータは、下型の上面に配置されたまま下型が右方向に移動し、電極の積層機構(図示しない)に移送される(ステップS5−2)。積層機構自体は本発明の要旨ではないため、概略のみ述べると、積層機構に移送された下のセパレータ30Aはその上面に負極22が積層され(ステップS5−3)、下型162が左方向に移動して下のセパレータ、負極は積層された状態で元の位置に戻される(ステップS5−4)。
【0043】
以下のステップS6−1〜S6−6は、上のセパレータ30Bに関する流れを示す。
ステップS4で、下のセパレータ30Aが第二の吸着プレート151に吸着されて第一の吸着プレート131から下のセパレータ30Aが除かれると、第一の吸着プレートが第一の吸着プレートの可動範囲の前端(位置B)の位置からその後端(位置A)まで後方に移動する(ステップS6−1)。そして、第一の吸着プレート131が位置Aに戻ると再度吸引を開始し、帯状のセパレータ30の前部を吸着してセパレータを前方向に引き延ばす(ステップS6−2)。そして、ステップS2と同様に、エアポンプの吸引により帯状のセパレータ30の前部を第一の吸着プレート131の上面に配置、固定する。それから、ステップS3と同様に、第一の吸着プレート131上で、カッター121が左右方向に移動して帯状のセパレータ30の前部を切断することで、上のセパレータ30Bが形成される(ステップS6−3)。
【0044】
供給機構の駆動モータ(図示しない)が駆動して、第一の吸着プレート131が、上のセパレータ30Bを上面に配置した状態で、反転機構の反転プレート141の回動範囲の後端の位置Bまで前方に移動する。第一の吸着プレート131が移動を停止すると、第一の吸着プレートのエアポンプが停止して、第一の吸着プレートの上面に配置された上のセパレータ30Bの吸引を一時停止する。すると、反転プレート141は回動軸143を中心に、前方の位置Cから後方の位置Bまで180度回動する。そして、反転プレート141は、第一の吸着プレート131上のセパレータ30Bに対して、エアポンプ(図示しない)を作動させて上のセパレータを吸着し、吸着した状態で後方の位置Bから前方の位置Cまで180度回動して戻される(ステップS6−4)。つまり、一対のセパレータ30のうち一方のセパレータ(実施例では上のセパレータ30B)は、反転機構140(詳細には反転プレート141)によりその表裏(上下)が反転されて、セラミック面が下面となる。
【0045】
ステップS6−4で後方から前方へ180度回動した反転プレート141は、前方の回動位置で上のセパレータ30Bへの吸引を一時停止する。すると、第二の吸着プレート151が、反転プレート141の上方(位置C)まで移動し、反転プレートの上面に配置された上のセパレータ30Bまで下降する。そして、第二の吸着プレート151のエアポンプ(図示しない)が作動し、第二の吸着プレートはその下面に上のセパレータ30Bを吸着する(ステップS6−5)。
第二の吸着プレート151は、その下面に上のセパレータ30Bを吸着した状態で、反転プレート141の上方(位置C)から圧接機構160まで上のセパレータ30Bを移送する(ステップS6−6)。
【0046】
ここで、ステップS5−4により、下型162はその元の位置に戻され、また、下型の上面には下のセパレータ30A、負極22が積層された状態で配置されている。さらに、ステップS6−6により、第二の吸着プレート151の下面に吸着された上のセパレータ30Bは下型162の上方(詳細には上型161、下型の間)まで移送されている。
下型162の上方まで移動した第二の吸着プレート151は下降し、吸着プレートの下面が下型の上面と接する。第二の吸着プレート151のエアポンプが停止し、上のセパレータ30Bが第二の吸着プレートの下面から離反する。すると、上のセパレータ30Bが、すでに下型162上に配置されていた負極22の上に積層される。また、このとき、下のセパレータ30A、上のセパレータ30Bは、それぞれのセラミック面を面合わせにされる。つまり、セラミック面を面合わせにして、上から順に、上のセパレータ30B、負極22、下のセパレータ30Aと積層された積層構造が形成される(ステップS7)。
【0047】
第二の吸着プレート151の下面と下型162の上面とが接し、第二の吸着プレートと下型との間で一対のセパレータ30、負極22が積層している状態で、第二の吸着プレートの上方から上型161が下降する。上型の圧接部161−2が第二の吸着プレートの挿通孔151−1にそれぞれ挿通し、上型の圧接部の圧接面161−2’がセパレータの外周縁30A’、30B’(詳細には負極集電体22−1を挟持しない部分)を介して下型の圧接面162−1に上方から接近する(
図5(A))。そして、上型、下型の圧接面161−2’、162−1の波型形状が、セパレータの外周縁30A’、30B’を介して噛合する(
図5(B))。噛合により、セパレータの外周縁30A’、30B’に接合部40が形成される(ステップS8)。
そして、第二の吸着プレート151、上型161が上昇して下型162から離反することで上型、下型の圧接面161−2’、162−1の噛合が解除され、一対のセパレータの外周縁30A’、30B’に接合部40が残される(
図5(C))。
【0048】
なお、
図5(B)に示す接合部40の厚さ(上下方向の高さ)γは、計算上、たとえば
0.02mm(一対のセパレータ30A、30Bの厚さ(高さ)α)×2+0.2mm(上型の圧接面161−2’および下型の圧接面162−1の凹凸の厚さ(高さ)β
1)=0.24mm
とされる。しかし、上型161が下型162から離反するときに一対のセパレータ30の圧接(変形)が元に戻る現象、いわゆるスプリングバック現象が生じ、実際のγの値は0.24mmよりも小さく、より正確には、セパレータ30に挟持された電極20の厚さ(高さ;0.2mm)よりも小さくなる。つまり、接合部40の厚さγは、セパレータ30に挟持された電極20(正極21または負極22)の厚さよりも薄く形成される。
【0049】
上型、下型の圧接面161−2’、162−1の噛合により接合部40が形成され、一対のセパレータ30A、30Bが電極(実施例では負極22)を挟持していわゆる袋詰電極32が形成される。下型162は、袋詰電極32を上面に配置した状態で再度右方向に移動して、袋詰電極を積層機構へ移送する。
積層機構自体は本発明の要旨ではないため、概略のみ述べると、積層機構に移送された袋詰電極32はその上面に正極21が積層され、それからステップS1〜S7の流れを繰り返して、袋詰電極と正極とを交互に積層した積層構造が形成される。そして、外装体50(
図2参照)で袋詰電極、正極を上下から挟持し、外装体の外周縁の一部から電解液を注入し、外周縁を封止することで、二次電池10が形成される。
【0050】
二次電池10は、一対のセパレータのうち集電体を挟持していない部分(外周縁)30A’、30B’で、上型の圧接部の圧接面161−2’、下型の圧接面162−1により圧接されて圧接部40が形成されている。つまり、一対のセパレータ30は、その外周縁(の一部またはすべて)を圧接のみで接合されている。1枚のセパレータ30の厚さはたとえば0.02mmと十分薄いものであるため、一対(2枚)のセパレータを圧接のみで接合可能である。
【0051】
そのため、両面テープや接着剤などの部材を必要とすることなく、一対(2枚)のセパレータ30を圧接のみで簡単に接合することができる。つまり、上型の圧接部の圧接面161−2’、下型の圧接面162−1は互いに噛合可能な凹凸を持ち、圧接により互いの凹凸が確実に噛合することでセパレータ30や電極20(正極21または負極22)の位置が固定される。
【0052】
さらに、上型の圧接部の圧接面161−2’、下型の圧接面162−1の圧接のみで接合しているため、両面テープや接着剤のように、長期間の使用により接合部が変形、破損することはなく、二次電池の安全性を確保することができる。そして、二次電池10の周囲が高温になったり振動が伝達されたりしても、圧接面161−2’、162−1の噛合、つまり接合部40の接合に影響はなく、セパレータの耐熱性などを十分確保することができる。
【0053】
また、セパレータ接合装置100に反転機構140(あるいは、セパレータ接合方法に反転工程)を設けることで、一対のセパレータ30のうち一方のセパレータ(実施例では上のセパレータ30B)の表裏(上下)を反転することができる。つまり、反転機構140(反転工程)があればセパレータロール30’は1本で足り、たとえば上下のセパレータを別々に形成するためにセパレータロールを2本設ける必要はない。
【0054】
上述した実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を何等限定するものでなく、本発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全て本発明に包含されることはいうまでもない。
【0055】
セパレータロールから前方へ延ばされる帯状のセパレータにおいて、実施例ではセパレータの上面にセラミックが塗工されているが、下面にセラミックが塗工されていてもよい。セラミックが帯状のセパレータの下面に塗工されているとしても、一対のセパレータのうち一方が反転機構により反転されてセラミックの塗工された面が面合わせにされて電極を挟持すればよい。