(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0017]以下で説明する様々な例は、概して、周波数変調連続波(FMCW)レーダーをタイミング同期及びデータ通信と組み合わせたレーダーシステムのための装置、集積回路、システム及び方法に関する。本開示は、既存のFMCWレーダーを備えたプラットフォームにクロック同期及びデータ通信を追加するための技術について説明する。一般に、FMCWレーダーは、(地形や他の障害物などの)視野内の物体までのレンジ(例えば、距離)を測定するために使用することができる。
【0011】
[0018]本開示に記載される技術は、1つのFMCWレーダー又は2つのFMCWレーダーが、それらのそれぞれのクロックを高精度に同期することを可能にする。例えば、2つのFMCWレーダー間のクロックは、10ピコ秒(ps)まで同期させることができる。2つのクロックの同期パラメータが知られると、FMCWレーダーを用いた全二重通信もまた可能となり得る。このように、同期及び通信のためのFMCW信号の処理は、レーダー信号処理と本質的に同じ信号経路を用いて行うことができるので、本開示の技術は、2つのFMCWレーダーにおいて追加のハードウェアを必要としなくてもよい。
【0012】
[0019]本開示の技術を実行するために追加のハードウェアを必要としないため、本開示の技術は、潜在的に、重量を付加したり消費電力を増加させたりすることなく実施することができる。このように、ナビゲーション、監視及び通信をサポートするために複数のセンサを担持する能力を有さない無人機(UAS)などの小型車両は、システム効率を低下させることなく、本開示の技術を使用することができる。
【0013】
[0020]理解を容易にするために、
図1−6の技術、デバイス及びシステムは、FMCW信号の線形周波数変調に関して説明される。しかしながら、FMCW信号の非線形周波数変調もまた適用可能である。いくつかの例では、FMCW信号の非線形周波数変調は、レーダー間のクロック同期を可能にすることができる。
【0014】
[0021]
図1は、本開示の様々な態様による、クロック同期を備えた例示的なFMCWレーダーシステム1のブロック図を示す。
図1の例では、FMCWレーダーシステム1は、レーダー2及び8、障害物検出システム4及び10、通信システム6及び12を含む。レーダー2及び8は、各々、「レーダー」、「レーダー装置」、「レーダーユニット」、「レーダーシステム」又は任意の他のそのような用語のうちのいずれで呼ばれてもよい。レーダー2及び8は、集合的に、FMCWレーダーシステム1を形成してもよい。
図1の例では、レーダー2の受信信号18は、目標物からの送信信号16の反射信号であってもよいし、レーダー8の送信信号20であってもよい。
図1の例では、レーダー8の受信信号22は、目標物からの送信信号20の反射信号であってもよいし、レーダー2の送信信号16であってもよい。
【0015】
[0022]レーダー2及び8は、同じ周波数ランプパラメータを使用してそれぞれの信号16及び20を互いに対して送信するFMCWレーダーであってもよい。いくつかの例では、レーダー2及び8は、高精度のクロック同期を可能にするように構成されてもよい。障害物検出システム4及び10は、レーダー2及び8から受信されるそれぞれの信号18及び22に基づいて障害物を検出するように構成されてもよい。通信システム6及び12は、レーダー2及び8から送信されるそれぞれの信号16及び20並びに受信されるそれぞれの信号18及び22に基づいてデータを通信するように構成されてもよい。
【0016】
[0023]レーダー2及び8は、短期間(例えば、1ミリ秒(ms))にわたって繰り返される線形ランプ又は非線形ランプのいずれかである周波数で信号16及び20を送信してもよい。式1は送信信号16及び20の周波数を表す。
【0018】
[0024]式1において、f
bはベースバンド周波数であり、f
1は周波数ランプの毎秒メガヘルツ(MHz/s)でのレートであり、Tは繰り返し周波数ランプの期間であり、t
bは追加される周波数がピーク周波数からゼロに戻るための時間である。
図1によるFMCWレーダーの一例では、Tは0.5msであってもよく、線形又は非線形周波数ランプは、ベースバンド周波数より上の800MHzとなり得るピーク周波数を有してもよい。
【0019】
[0025]レーダー2及び8は、ミキサによって、目標物からの受信されたそれぞれの信号18及び22を、送信されるそれぞれの信号16及び20と混合してもよい。ミキサの出力はビート信号(例えば、差分信号)であってもよく、ここでビート信号は、送信されるそれぞれの信号16及び20と受信されるそれぞれの信号18及び22との瞬間的な差である。受信されるそれぞれの信号18及び22が目標物まで移動して戻る必要があるとき、受信されるそれぞれの信号18及び22は2dをcで割った時間遅延を有していてもよく、ここでdは目標物までの距離であり、cは光の速度である。ミキサの出力は、
図3に関して説明したような2つの周波数ランプの差に対応する単一の周波数の差分信号であってもよい。いくつかの例では、アナログ/デジタル変換器(ADC)が、差分信号をサンプリングし、デジタル差分信号を生成してもよく、ADCはこれを信号処理ユニットに出力してもよい。適切なレートでADCを使用して差分信号をサンプリングすることにより、簡易な高速フーリエ変換(FFT)を用いた周波数の測定を可能にすることができる。このように、FFTの出力におけるピークは目標物からの反射に対応する。換言すれば、FFTは、ミキサの出力の信号対雑音比(SNR)を最適に最大化する整合フィルタを表すことができる。
【0020】
[0026]
図1の例では、レーダー2及び8は、同じ周波数ランプパラメータを使用して、それぞれの信号16及び20を互いに対して送信してもよい。レーダー2及び8は互いから距離を置いてもよく、そのため、受信されるそれぞれの信号18及び22は、各々、同じ時間遅延(例えば、「飛行時間遅延」)を有してもよい。
【0021】
[0027]飛行時間遅延に加えて、レーダー2及び8のそれぞれのクロックは同期されない場合がある。レーダー2及び8の間のそれぞれのクロックの非同期化(desynchronization)がレーダー2及び8のうちのいずれかについての飛行時間遅延を増加し得るが、
図4に示されるように、他のレーダーについての飛行時間遅延から差し引いてもよい。いくつかの例では、送信されたそれぞれの信号16及び20と受信されたそれぞれの信号18及び22との間のそれぞれの飛行時間遅延はレーダー2及び8によって測定されてもよく、それぞれの飛行時間遅延の情報が交換され、それぞれの飛行時間遅延の差がクロックオフセットΔtの2倍であってもよい。
【0022】
[0028]それぞれの飛行時間遅延に加えて、受信されたそれぞれの信号18及び22はまた、ドップラー効果の影響を受けることがある。例えば、レーダー2及び8は2つの別個のプラットフォーム上に配置されてもよく、これらは互いに対して移動していてもよく、レーダー2及び8によって受信されたそれぞれの信号18及び22はドップラーシフトされてもよい。換言すれば、レーダー2及び8の間の相対速度がνである場合、受信されたそれぞれの信号18及び22の実際の周波数f
rは、式2に示すような、β+1をβ−1で割ったものの平方根に、送信されたそれぞれの信号16及び20の周波数f
rを掛けたものでもよく、式3に示されるように、βはνをcで割ったものに等しい。
【0024】
[0029]ドップラー周波数シフトは、周波数ランプだけでなくベースバンド周波数にも影響を与える。
[0030]それぞれの飛行時間遅延に加えて、送信されるそれぞれの信号16及び20は、クロックスキューにより影響を受けることがある。例えば、レーダー2及び8のそれぞれのクロックのレートが同じでない可能性がある場合、クロックスキューが発生することがある。いくつかの例では、周波数ランプが非線形であり得る場合、ランプの周波数変化のレートは、送信されるそれぞれの信号16及び20の間で異なるように見えることがある。いくつかの例では、クロックスキューはαで表すことができ、レーダー2及び8のうちの1つのレーダーにおける時間Tの期間は、他のレーダーにおいて(1+α)Tとなり得る。また、送信されるそれぞれの信号16及び20は、それぞれのベースバンド周波数の差によって影響を受けることもある。それぞれのベースバンド周波数はレーダー2及び8のそれぞれのクロックから導出されてもよいし、レーダー2及び8のそれぞれのクロックのクロックスキューはレーダー2及び8のそれぞれのベースバンド周波数の差を引き起こし得る。
【0025】
[0031]
図1の例では、ミキサの出力はADCによってサンプリングすることができ、ADCは時間t
iにおいて信号を測定してもよく、ここで、t
iはi番目のサンプルがADCによって測定される時間を指すか、又はt
i=i*δtである。この例では、ADCによる第1の測定は、周波数掃引の開始からΔτだけオフセットされてもよい。
【0026】
[0032]
図1の例では、レーダー2及び8が互いに対して移動し得るので、レーダー2及び8の間の距離は一定でなくてもよい。この例では、受信されたそれぞれの信号18及び22の飛行時間遅延は、周波数掃引の長さにわたって一定でなくてもよい。言い換えれば、周波数掃引の開始時におけるレーダー2及び8の間の距離をdとして表すことができ、周波数掃引中の距離は式4で近似することができ、飛行時間遅延は式5で表すことができる。
【0028】
[0033]
図1の例では、周波数掃引はR(t)として表され、レーダー2及び8が送信し得る周波数(例えば、f
t)は、R(t)+f
bであってもよい。いくつかの例では、i番目のADCサンプルにおける時間は式6のように表すことができ、ここでδtはADCのサンプリング時間ステップである。これらの例では、時点t
iにおける送信された周波数(例えば、f
t)は式7のように表すことができる。これらの例では、i番目のADCサンプルにおける受信周波数(例えば、f
r)は式8のように表すことができる。
【0030】
[0034]このように、送信周波数(例えば、f
t)及び受信周波数(例えば、f
r)の両方は時間の関数として表すことができ(例えば、ADCサンプリング)、時刻t
iにおけるADCの計算された出力は式9のように表すことができ、ここで全体の位相差はθである。
【0031】
O
i=cos{2πi(t
i+Δτ)[f
t−f
r]+θ} (9)
[0035]
図1の例では、レーダー2及び8は各パラメータの値を決定することができてもよい。例えば、レーダー2及び8は、β、α、Δτ及びd/c+Δtの値を決定することができてもよい。ADCは、高レート(例えば、毎秒100メガサンプル(MSps))でサンプリングしてもよい。いくつかの例では、より低いレートでのADCのサブサンプリングが、パラメータの決定のためにレーダー2及び8によって使用されてもよい。例えば、レーダー2及び8は、パラメータの値を抽出するのに十分であり得る10MHzでADCのサブサンプリングを使用してもよい。これらの例では、誤差関数E(たとえば、「最適化関数」)は、パラメータの正確な値において最大にすることができ、式10のように表すことができ、ここでO
miは時点t
iにおけるADCの実際の出力(例えば、測定した出力)であってもよい。
【0033】
[0036]式10で表される誤差関数の最適化により、ADCの出力のための整合フィルタを構築することができる。例えば、ドップラー効果がなく、クロックスキューがなく、ADC時間オフセット(Δτ)がない線形周波数ランプについて、整合フィルタはFFTを使用することと機能的に同等となり得る。このように、パラメータの可能なすべての値にわたる簡易なサーチを行うことができる。いくつかの例では、簡易なサーチは、リアルタイムのシステムにとって時間がかかり、実用的ではないこともある。いくつかの例では、簡易なサーチは、完全なADCサンプルの適切なサブセットを選択することによって行うことができる、一度に1つのパラメータを介した一連の一次元探索へと分解する(reduced)ことができる。
【0034】
[0037]換言すれば、ADCの全出力は、最適化のために使用される必要はないかもしれず、むしろADCのサブサンプルのみが使用されてもよい。これらの例では、FFTに関して、ADCのサブサンプルのみを使用することは、ナイキスト、適切な周波数の誤認、及び適切な時間オフセットによるエイリアシングの問題につながり得る。例えば、周波数掃引が線形周波数ランプでないがコサインなどのある関数であり得る場合、出力信号において無数の周波数が存在することがあり、エイリアシングは不可能となり得る。この例では、周波数は線形周波数ランプでなくてもよく、式11で表されて式10(例えば、最適化関数)により決定されるタイミングオフセットは一意であってもよい。
【0035】
d/c+Δt (11)
[0038]換言すれば、クロックオフセット及びタイミングオフセットは、レーダー2及び8の測定から決定された値を持つパラメータであってもよい。例えば、レーダー2及び8は、受信信号18及び22のモデルを、式9において説明されたそれらのパラメータの関数として構築してもよい。(クロックオフセット及びタイミングオフセットなどのパラメータの関数として)最適化関数(例えば、式10)の最大値を決定すると、レーダー2及び8は、タイミングオフセットパラメータ及びクロックオフセットパラメータの値を決定してもよい。式10に記載されるような関数の最適化から発見されるパラメータの値を有する、式9に記載されるような受信信号18及び/又は22のモデルは、ミキサの出力からの信号に対する整合フィルタである。
【0036】
[0039]いくつかの例では、最適化関数のピークの幅は、周波数掃引の帯域幅によって決定することができる。これらの例では、抽出されたパラメータの精度はまた、周波数掃引の帯域幅によって決定することができる。いくつかの例では、周波数掃引の帯域幅は800MHzであってもよく、レーダー2及び8は、10ps以内又はそれ以下まで、式11で表されるように、タイミングオフセットを決定することができる。これらの例では、最適化された関数は受信されたそれぞれの信号18及び22についての整合フィルタとすることができ、出力SNRはしたがって最大化される。例えば、シミュレーションによりタイミングオフセットが10ps未満であることが確認される。
【0037】
[0040]いくつかの例では、レーダー2及び8は、ADC出力の適切なサブサンプルを選択することによって、第1の処理された周波数掃引についての整合フィルタのパラメータを決定することができる。これらの例では、適切なサブサンプルを選択することによって、レーダー2及び8は、局所最適化と組み合わせた一連の一次元探索において、パラメータを探索することができる。例えば、レーダー2及び8は、完全なADC出力の最初の1024サンプルを使用してもよく、これにより、レーダー2及び8は、式11で表されるようなタイミングオフセットの探索を実行することが可能となる。換言すれば、整合フィルタの出力におけるα、β、及びベースバンド周波数差の影響は、tに比例する。このように、局部周波数掃引の開始に近いとき(例えば、tの時間値が非常に低いとき)、α、β及びベースバンド周波数差の影響は、整合フィルタの出力にほとんど影響を与えないことがある。また、レーダー2及び8は、ベースバンド周波数の検索を行うためにADC出力の同じサンプルを使用してもよく、これによりベースバンド周波数の近似値を決定することができる。ベースバンド周波数の近似値を決定した後、いくつかの例では、レーダー2及び8は、すべてのパラメータを使用して実行することができるが、ADC出力の異なるサブサンプルを使用して、第1及び第2の導関数を使用して局所的最適化を行ってもよい。これらの例では、様々なパラメータに対する感度が最大となるように、異なるサブサンプルは、周波数掃引の期間にわたって全出力範囲からのサンプルを含むことができる。例えば、最適化問題は、5つの次元を介した検索を含む、パラメータのすべての可能な値に対する簡易なサーチによって行うことができる大域的な(global)問題であってもよい。別の例では、大域的最適化(global optimization)は、大域的問題を、その後に局所最適化が続く、パラメータのうちの1つ又は2つに対するいくつかの一次元探索又は二次元探索へと分解することによって行うことができる。いくつかの例では、局所的最適化は、出発点に最も近い極大を見つけるにすぎなくてもよいが、第1及び第2の導関数を使用して行うことが容易になり得る。
【0038】
[0041]換言すれば、レーダー2及び8はすべての可能な値にわたってパラメータを変化させるので、レーダー2及び8は最適化関数の全体の最大値(global maximum)を決定することができる。しかしながら、いくつかの例では、必要な時間の量を減らすために、レーダー2及び8は、全体の最大値の代わりに極大値を決定してもよい。極大値は、可能なパラメータ値の小さな範囲にわたって最適化関数の任意の他の値よりも大きい最適化関数の値であってもよい。このように、全体の最大値を見つけるのに必要な時間と比較して、極大値を見つけるために必要な時間は少ない。というのは、最適化関数の傾きを決定するためにレーダー2及び8がパラメータの値をわずかに変更すると、レーダー2及び8は最適化関数がどのように変化するかを計算することができるためである。レーダー2及び8は、最適化関数の値を増加させる方向に移動するように最適化関数の傾きを使用してもよい(例えば、レーダー2及び8が最適化関数の第1及び第2の導関数を計算する場合)。極大値と全体の最大値との間の差は、完全なADC出力のサブサンプルの最大値と完全なADC出力の最大値との間の差である。いくつかの例では、レーダー2及び8は、傾き並びに一次導関数及び2次導関数を使用して、全体の最大値よりも短い時間で極大値を決定してもよい。これらの例では、レーダー2及び8によって決定される極大値は、リアルタイムで動作する通信システム6及び12にとって実用的であり得る。
【0039】
[0042]いくつかの例では、レーダー2及び8は、式11で表されるように飛行時間遅延及びクロックオフセットの組み合わせを決定することができ、その結果は通信チャネルを使用してデータとして互いに交換することができる。いくつかの例では、通信チャネルは、レーダー2及び8とは別個のものであってもよい。他の例では、通信チャネルはレーダー2及び8の一部であってもよく、データは送信されるそれぞれの信号16及び20並びに受信されるそれぞれの信号18及び22の一部であってもよい。
【0040】
[0043]いくつかの例では、レーダー2及び8が互いに対して静止しているとき、相対速度βはゼロに等しくてもよい。いくつかの例では、レーダー2及び8の間の距離が変化していてもよく、レーダー2及び8のうちの1つのレーダーにより測定されるタイミングオフセットは、距離d
2において他方のレーダーによって測定される同じタイミングオフセットとは異なる時点で測定される第1の距離d
1を含んでもよい。2つの測定値の間の時間の差はわずかΔtであってもよく、そのため、レーダー2及び8の間の距離は時間Δtにおけるものであってもよく、式12のように表すことができる。
【0041】
d−βcΔt (12)
[0044]このように、レーダー2及び8が各レーダーによって決定されたタイミングオフセットを交換するとき、レーダー2及び8は、第1及び第2のレーダーのタイミングオフセットに基づいてクロックオフセットを修正してもよい。例えば、第1のレーダーは、式13として表されるように、第1のタイミングオフセットを局所的に決定(例えば、抽出)してもよく、第2のレーダーは第2のタイミングオフセットを決定して送信してもよく、これは式14として表されるように第1のレーダーによって受信されてもよい。この例では、クロックオフセットは式15のように表すことができ、クロックオフセットは第1及び第2のタイミングオフセットの間の差である。
【0042】
t
D=d/c+Δt (13)
t
R=d/c−βΔt−Δt (14)
Δt
0=(t
D−t
R)/(2+β) (15)
[0045]いくつかの例では、式15は、上述のように最適化から抽出されたβの値を使用することができる。これらの例では、βの値の精度は、βTが10ピコ秒(ps)であり得るようなものであり、ここでTは周波数掃引の期間である。このように、タイミングオフセットはT未満であってもよく、したがって、βによるクロックオフセットΔtの不確実性は10ps未満とすることができる。
【0043】
[0046]いくつかの例では、最適化は各々の後続の周波数掃引について繰り返されてもよく、時間にわたる整合フィルタの展開(進化、evolution)が決定されてもよい。いくつかの例では、距離dは抽出されたβを用いて推定することができ、クロックオフセットは、式16で表されるように、周波数掃引期間のクロックスキュー倍に等しい量だけ増大してもよい。
【0044】
Δt
N+1=Δt
N+αT (16)
[0047]他のパラメータの値は掃引から掃引まで大きく変化しなくてもよい。いくつかの例では、レーダー2及び8は、他のパラメータが大きく変化したと判断してもよい。これらの例では、レーダー2及び8は、他のパラメータの有意な変化を判断するために、最適化を再度実行してもよい。
【0045】
[0048]
図2は、本開示の様々な態様による、送信信号と受信信号との間のオフセットを決定する例示的なレーダー24のブロック図を示す。
図2は
図1を参照して説明される。
図2はまたレーダー2に関して説明される。しかし、
図2において説明される技術をレーダー8にも適用できることが理解されるべきである。
【0046】
[0049]
図2の例では、レーダー2に対応し得るレーダー24は、信号処理部34、送信機44、送信アンテナ26、受信アンテナ28、ミキサ30、ADC32、クロック42及びメモリ36を含んでもよい。
図2の例において、レーダー24は、信号38を送信し、信号40を受信するように構成されてもよく、これは一般に
図1に関して説明された信号16を送信し信号18を受信することに対応し得る。
【0047】
[0050]信号処理部34は、例えば、送信機44を制御するように構成される回路であってもよい。信号処理部34は、本願における信号処理部34に起因する技術を実行するために、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせのいずれかの適切な構成を含むことができる。例えば、信号処理部34は、任意の1つ又は複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FRGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、又は他の同等の集積化されたもしくは個別の論理回路のほか、それらのコンポーネントの任意の組み合わせを含むことができる。
【0048】
[0051]送信機44は、例えば、線形又は非線形周波数ランプのいずれかを有するRF信号を生成するように構成される回路であってもよい。送信機44は、電圧制御発振器、又は線形もしくは非線形周波数ランプのいずれかを有するRF信号を生成することができる任意の他のコンポーネントを含み得るが、これらに限定されない。
【0049】
[0052]送信アンテナ26は、例えば限定はされないが指向性アンテナ又は全方向性アンテナなどの別のソースにRF信号を送信することができる任意の形式のアンテナであってもよい。受信アンテナ28は、例えば限定はされないが指向性アンテナ又は全方向性アンテナなどの別のソースからRF信号を受信することができる任意の形式のアンテナであってもよい。いくつかの例では、送信アンテナ26及び受信アンテナ28は同じアンテナであってもよい。
【0050】
[0053]ミキサ30は、送信信号38を受信信号40と合成してビート信号出力を生成し、ADC32にビート信号出力を送信する。ADC32は、デジタル変換を実行し、デジタル化されたビート信号を信号処理部34に送信する。信号処理部34はデジタルビート信号を周波数領域に変換する。信号処理部34は、提示のために出力デバイスに送信される出力を生成する。
【0051】
[0054]クロック42は、例えば、ベースバンド周波数を生成して信号処理部34に提供するように構成される回路であってもよい。メモリ36は、データ及び/又は命令を記憶するように構成され、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)集積回路、キャッシュ回路、及び/又は1つもしくは複数の揮発性もしくは不揮発性データ記憶装置を含んでもよい。メモリ36はまた、長期データ記憶及び/又は短期記憶のいずれかとして機能することができ又は使用され得る1つ又は複数のデバイス又はシステム(例えば、ハードドライブ、半導体ドライブ)を含むことができる。例えば、メモリ36は、実行時に複数のレーダーのクロックを同期させることができるクロック同期命令を格納するように構成することができる。
【0052】
[0055]レーダー24は、同じ周波数ランプパラメータを使用して、信号38を別のレーダーシステムに送信するFMCWレーダーであってもよい。いくつかの例では、レーダー24は、高精度のクロック同期を可能にするように構成されてもよい。
【0053】
[0056]いくつかの例では、レーダー24は、短期間(例えば、1ミリ秒)にわたって繰り返される線形又は非線形ランプのいずれかであり得る周波数を有する信号38を送信してもよい。例えば、式1は送信信号38の周波数を表すことができる。
【0054】
[0057]レーダー24からの送信信号38は目標物から反射されてもよく、レーダー24は反射された信号を受信信号40として受信してもよい。レーダー24は、ミキサ30により、目標物からの受信信号40を送信信号38と混合することができる。ミキサ30の出力は、送信信号38及び受信信号40の瞬間的な差であり得るビート信号(例えば、差分信号)であってもよい。いくつかの例では、ミキサ30の出力は、送信信号38及び受信信号40の周波数ランプ間の差に対応する単一の周波数を有する差分信号であってもよい。いくつかの例では、ADC32は、差分信号をサンプリングしてデジタル差分信号を生成してもよく、ADC32はこれを信号処理部34に出力してもよい。適切なレートでADC32を用いた混合信号のサンプリングは、単純なFFTを用いた周波数の測定を可能にすることができる。このように、FFTの出力におけるピークは目標物からの反射に対応する。換言すれば、FFTは、ミキサの出力のSNRを最適に最大化する整合フィルタを表すことができる。
【0055】
[0058]
図2の例では、レーダー24は、同じ周波数ランプパラメータを使用して、別のレーダーシステムに信号38を送信してもよい。レーダー24は、送信信号38と比較した場合に受信信号40が時間遅延(例えば、「飛行時間遅延」)を有することができるように、他のレーダーシステムから離れていてもよい。
【0056】
[0059]飛行時間遅延に加えて、レーダー24のクロック42は、他のレーダーシステムのクロックと同期しなくてもよい。他のレーダーシステムのクロックとのクロック42の非同期化は、2つのレーダーのうちの1つについて飛行時間遅延を増加させるが、
図5及び6において説明されるように、他方のレーダーの飛行時間遅延を減少させる。いくつかの例では、受信信号40と送信信号38との間の飛行時間遅延はレーダー24によって測定することができ、飛行時間遅延の情報が交換され、レーダー24の飛行時間遅延と他のレーダーシステムの飛行時間遅延との間の差はクロックオフセットΔtの2倍であってもよい。
【0057】
[0060]レーダー24の飛行時間遅延に加えて、受信信号40はまた、ドップラー効果の影響を受け得る。例えば、レーダー24及び別のレーダーシステムは、互いに対して移動可能な2つの別個のプラットフォーム上に配置されてもよく、
図1で説明したように、レーダー24によって受信される信号40はドップラーシフトされ得る。ドップラー周波数シフトは、周波数ランプだけでなく、信号40のベースバンド周波数にも影響を与える。
【0058】
[0061]飛行時間遅延に加えて、送信信号38はまた、クロックスキューにより影響を受け得る。例えば、クロックスキューは、レーダー24のクロック42のレートと他のレーダーシステムのクロックのレートとが同じでない場合に生じ得る。いくつかの例では、クロックスキューはαによって表すことができ、レーダー2及び8のうちの1つのレーダーにおける期間Tは(1+α)Tとすることができる。
図2の例では、ミキサ30の出力は、等間隔の時点t
iにおける信号強度を測定することができるADC32によってサンプリングされてもよい。この例では、ADC32による第1の測定値は、量Δτだけ周波数掃引の開始からオフセットされてもよい。
【0059】
[0062]
図2の例では、レーダー24及び他のレーダーシステムは互いに対して移動することができるので、レーダー24と他のレーダーシステムとの間の距離は一定でなくてもよい。この例では、受信信号40の飛行時間遅延は周波数掃引の長さにわたって一定でなくてもよい。換言すれば、周波数掃引の開始時におけるレーダー24と他のレーダーシステムとの間の距離をdとして表すことができ、周波数掃引中の距離は式4で近似することができ、飛行時間遅延は式5で表すことができる。
【0060】
[0063]
図2の例では、周波数掃引はR(t)として表され、レーダー24及び他のレーダーシステムが送信することができる周波数(例えば、f
t)はR(t)+f
bとなってもよい。いくつかの例では、ADC32のi番目のADCサンプルにおける時間は式6のように表すことができ、
図1で説明したように、δtはADC32のサンプリング時間ステップである。これらの例においては、
図1で説明されるように、時点t
iにおける送信周波数(例えば、f
t)は式7のように表すことができる。これらの例においては、
図1で説明されるように、ADC32のi番目のADCサンプルにおける受信周波数(例えば、f
r)は式8のように表すことができる。
【0061】
[0064]このように送信周波数(例えば、f
t)及び受信周波数(例えば、f
r)の両方は、時間の関数として表すことができ(例えば、ADCサンプリング)、時刻t
iにおけるADC32の出力は式9のように表すことができ、
図1で説明したように全体の位相差はθである。
【0062】
[0065]
図2の例では、レーダー24の信号処理部34は、各パラメータの値を決定することができてもよい。例えば、レーダー24は、β、α、Δτ、及びd/c+Δtの値を決定することができてもよい。ADC32は高レート(例えば、100MSps)でサンプリングすることができる。いくつかの例では、パラメータの決定のために、より低いレートでのADC32のサブサンプリングがレーダー24及び他のレーダーシステムによって使用されてもよい。例えば、レーダー24及び他のレーダーシステムは、パラメータの値を抽出するのに十分であり得る10MHzでADC32のサブサンプリングを使用することができる。これらの例では、誤差関数Eは、式10のように表すことができるパラメータの正しい値において最大化することができ、
図1で説明されるように、O
miは時刻t
iにおけるADCの実際の出力とすることができる。
【0063】
[0066]式10で表される誤差関数の信号処理部34による最適化は、ADC32の出力のための整合フィルタを構築することができる。例えば、ドップラー効果がなく、クロックスキューがなく、ADC時間オフセット(Δτ)がない線形周波数ランプについて、信号処理部34によって生成される整合フィルタはFFTに分解することができる。
【0064】
[0067]いくつかの例では、ADC32の全出力が最適化のために使用されるのではなく、ADC32のサブサンプルのみが使用されてもよい。これらの例において、FFTに関して、ADC32のサブサンプルのみを使用して、ナイキスト、適切な周波数の誤認及び適切な時間オフセットに起因するエイリアシングの問題につながる可能性がある。例えば、周波数掃引が線形周波数ランプではなく、コサインなどのいくつかの関数であり得る場合、出力信号には無数の周波数が存在し得て、エイリアシングは不可能となり得る。この例では、周波数掃引は線形周波数ランプでない場合があり、
図1で説明したような式11で表され式10(例えば、最適化関数)を使用して信号処理部34によって決定されるタイミングオフセットは一意であってもよい。
【0065】
[0068]いくつかの例では、信号処理部34は、最適化関数のピークの幅を決定するために、周波数掃引の帯域幅を使用することができる。これらの例では、信号処理部34はまた、抽出されたパラメータの精度を決定するために、周波数掃引の帯域幅を使用することができる。いくつかの例では、信号処理部34は約800MHzの周波数掃引帯域幅を使用することができ、レーダー24及び他のレーダーシステムは、10ピコ秒(ps)以内又は未満までの、式11によって表されるタイミングオフセットを決定することができる。
【0066】
[0069]いくつかの例では、レーダー24の信号処理部34は、ADC32の出力の適切なサブサンプルを選択することによって、第1の処理される周波数掃引のための整合フィルタパラメータを決定することができる。これらの例では、適切なサブサンプルを選択することによって、レーダー24の信号処理部34は、局所的最適化と組み合わされた一連の一次元探索においてパラメータを検索することができる。例えば、信号処理部34は、ADC32の全出力のうち最初の1024サンプルを使用することができ、これにより、レーダー24は、最初に他のパラメータを決定することなく、式11で表されるようにタイミングオフセットの検索を実行することが可能となる。換言すれば、α、β、及び整合フィルタの出力におけるベースバンド周波数の差の影響は、Tに比例する。このように、(例えば、tの時間値が非常に低い場合など)局部周波数掃引の開始近くにおいて、α、β、及びベースバンド周波数の差の影響は、整合フィルタの出力にほとんど影響を与えないことがある。
【0067】
[0070]また、レーダー24の信号処理部34は、ベースバンド周波数の検索を行うためにADC出力の同じサンプルを使用してもよく、これによりベースバンド周波数の近似値を決定することができる。ベースバンド周波数の近似値を決定した後、いくつかの例では、信号処理部34は、第1及び第2の導関数を使用して局所的最適化を行うことができ、これは、すべてのパラメータを使用して、しかしADC32の出力の異なるサブサンプルを使用して、実行することができる。これらの例では、様々なパラメータに対する感度が最大となるように、異なるサブサンプルは、周波数掃引の期間にわたって全出力範囲からのサンプルを含むことができる。
【0068】
[0071]いくつかの例では、レーダー24の信号処理部34は、式11で表されるように、飛行時間遅延及びクロックオフセットの組み合わせを決定することができ、その結果は通信チャネルを用いてデータとして他のレーダーシステムと交換することができる。いくつかの例では、通信チャネルはレーダー24の一部であってもよく、データは送信信号38の及び受信信号40の一部であってもよい。
【0069】
[0072]いくつかの例では、レーダー24と他のレーダーシステムとの間の距離が変化してもよく、レーダー24によって測定されるタイミングオフセットは、距離d
2において他のレーダーシステムによって測定される同じタイミングオフセットとは異なる時間で測定された第1の距離d
1を含んでもよい。2つの測定値の間の時間の差がちょうどΔtとなることがあり、そのため、レーダー24と他のレーダーシステムとの間の距離は時間Δtにおけるものであってもよく、式12で表されてもよい。
【0070】
[0073]このように、いくつかの例では、レーダー24が他のレーダーによって決定されたタイミングオフセットを受信するとき、レーダー24は、レーダー24のタイミングオフセット及び他のレーダーのタイミングオフセットに基づいてクロックオフセットを修正することができる。例えば、
図1で説明するように、レーダー24は、式13として表されるように、局所的に第1のタイミングオフセットを抽出することができる。いくつかの例では、
図1で説明したように、他のレーダーはまた、式14として表されるように、レーダー24に第2のタイミングオフセットを送信してもよい。この例では、
図1で説明したように、レーダー24と他のレーダーとの間のクロックオフセットは、式15のように表すことができる。いくつかの例では、レーダー24は、クロック42を他のレーダーのクロックと同期させるためにクロックオフセットを使用することができる。このように、クロック42は、10ピコ秒以内にまで他のレーダーのクロックと同期させることができる。
【0071】
[0074]このように、いくつかの例において、信号処理部34により決定されたタイミングオフセットをレーダー24が送信して他のレーダーシステムが受信するとき、他のレーダーシステムは、レーダー24の決定されたタイミングオフセットに基づいて、他のレーダーのクロックオフセットを修正することができる。例えば、
図1で説明したように、他のレーダーは、式13として表されるように、局所的に第1のタイミングオフセットを抽出してもよい。いくつかの例では、レーダー24はまた、
図1で説明したように、式14として表されるように、第2のタイミングオフセットを他のレーダーに送信してもよい。この例では、
図1で説明したように、レーダー24と他のレーダーとの間のクロックオフセットは式15のように表すことができる。いくつかの例では、他のレーダーは、他のレーダーのクロックをレーダー24のクロック42と同期させるためにクロックオフセットを使用することができる。このように、他のレーダーのクロックは10ピコ秒以内にまでレーダー24のクロック42と同期させることができる。
【0072】
[0075]いくつかの例では、信号処理部34は、デジタル差分信号に基づいて、第1のタイミングオフセットを含む複数のパラメータの値を決定するように構成することができる。これらの例では、信号処理部34は、デジタル差分信号の全体のサンプルのうちの第1のサブサンプルを選択するようにさらに構成されてもよい。例えば、第1のサブサンプルは全サンプルより少なくてもよく、信号処理部34は第1のサブサンプルの一次元の探索を実行することにより複数のパラメータのうちの第1のパラメータの値を決定することができ、当該第1のサブサンプルは、第1のサブサンプルに対する複数のパラメータのうちの他のパラメータの影響が第1のサブサンプルに対する第1のパラメータの影響に比べて小さくなるように選択される。いくつかの例では、第1のパラメータは第1のタイミングオフセットであってもよい。これらの例では、信号処理部34は、第1のパラメータの値を決定することに応答して、第1のサブサンプルの第2の一次元探索を実行することによって複数のパラメータのうちの第2のパラメータの値を決定するようにさらに構成されてもよい。これらの例では、第2のパラメータは、他のレーダーユニット(例えば、
図1で説明されたレーダー8)の第2のベースバンド周波数であってもよい。これらの例では、信号処理部34は、第1及び第2のパラメータの値を決定することに応答して、デジタル差分信号の全サンプルのうちの全サンプル未満である第2のサブサンプルを選択し、第1及び第2の導関数の局所的最適化によって複数のパラメータのうちの残りのパラメータの値を決定するようにさらに構成されてもよい。
【0073】
[0076]いくつかの例では、信号処理部34は、第1の信号内に一定間隔で位相ビットを生成することによってデータを送信するように構成することができる。いくつかの例では、信号処理部34は、第1の信号内に一定間隔で位相ビットを生成し、ADCの計算された出力とADCの実際の出力との積によって第2の信号の位相ビットを決定することによって、別のFMCWレーダーユニットとデータを通信するように構成することができる。
【0074】
[0077]
図3は、本開示の様々な態様による、送信されたFMCW信号50と受信されたFMCW信号52との間の例示的な飛行時間遅延54のグラフを示す。
図3は
図1を参照して説明される。また、
図3は
図2に関して説明される。しかしながら、
図3で説明される技術はレーダー8にも適用することができる。
【0075】
[0078]理解を容易にするために、
図3は、FMCW信号の線形周波数変調に関して説明される。しかしながら、FMCW信号の非線形周波数変調も適用可能である。いくつかの例では、FMCW信号の非線形周波数変調によりレーダー2及び8の間のクロック同期を可能にすることができる。
【0076】
[0079]
図3の例では、
図1で説明したように、送信信号50はレーダー2からの送信信号16に対応してもよい。
図3の例では、
図1で説明したように、受信信号52はレーダー2における受信信号18に対応してもよい。
図3の例では、
図1で説明したように、飛行時間遅延54は送信信号16と受信信号18との間の飛行時間遅延に対応してもよい。
【0077】
[0080]送信信号50は、ベースバンド周波数からベースバンド周波数より上の約800MHzのピークまでの線形又は非線形周波数ランプのいずれかをもって、レーダー2によって送信されてもよい。受信信号52は、ベースバンド周波数からベースバンド周波数より上の約800MHzのピークまでの線形又は非線形周波数ランプのいずれかをもって、レーダー2によって受信することができる。いくつかの例では、受信信号52は、15キロメートルの距離における目標物からの送信信号50の反射であってもよい。飛行時間型遅延54は、レーダー2からの信号50の送信からレーダー2における信号52の受信までの時間量とすることができる。いくつかの例では、目標物は30kmの距離にあり、飛行時間遅延は0.0001秒であってもよい。
【0078】
[0081]
図4は、本開示の様々な態様による、第1のレーダーからの送信信号60と第2のレーダーからの送信信号62との間の別の例示的な飛行時間遅延64のグラフを示す。
図4は
図1を参照して説明される。
【0079】
[0082]理解を容易にするために、
図4はFMCW信号の線形周波数変調に関して説明される。しかしながら、FMCW信号の非線形周波数変調も適用可能である。いくつかの例では、FMCW信号の非線形周波数変調によりレーダー2及び8の間のクロック同期を可能にすることができる。
【0080】
[0083]
図4の例では、
図1で説明したように、信号60はレーダー2からの送信信号16に対応してもよい。
図4の例では、
図1で説明したように、信号62はレーダー8からの送信信号20に対応してもよい。
図4の例では、
図1で説明したように、飛行時間遅延64は、送信されたそれぞれの信号16及び20と受信されたそれぞれの信号18及び22との間の飛行時間遅延に対応してもよい。
【0081】
[0084]
図4の例では、レーダー2及び8は互いからある距離にあってもよい。いくつかの例では、レーダー2及び8は互いから84キロメートルにあってもよい。レーダー2及び8の間の距離は、信号60及び62をそれぞれレーダー2及び8において受信されるものから遅延させることができる(例えば、飛行時間型遅延64)。
図4の例では、信号60及び62の間の飛行時間遅延64は約0.00028秒であってもよい。
【0082】
[0085]
図5は、本開示の様々な態様による、第1のレーダーからの送信信号70と第2のレーダーからの送信信号72との間の別の例示的な飛行時間遅延74のグラフを示す。
図5は
図1及び4を参照して説明される。
【0083】
[0086]理解を容易にするために、
図5は、FMCW信号の線形周波数変調に関して説明される。しかしながら、FMCW信号の非線形周波数変調も適用可能である。いくつかの例では、FMCW信号の非線形周波数変調により、レーダー2及び8の間のクロック同期を可能にすることができる。
【0084】
[0087]
図5の例では、信号70はレーダー2からの送信信号16又は60に対応してもよい。
図5の例では、信号72は送信信号20又は62に対応してもよい。
図5の例では、
図4で説明したように、飛行時間遅延74は、送信信号60及び62の間の飛行時間遅延64に部分的に対応してもよい。
【0085】
[0088]
図5の例では、レーダー2及び8のクロックが同期されない場合があり(例えば、クロックスキュー)、これは、
図4で説明したように信号60及び62の間の飛行時間遅延64を増加させたり減少させたりして、信号70及び72の間の飛行時間遅延74を生成し得る。例えば、レーダー2及び8の間のクロックスキューは、レーダー2及び8において受信される信号70及び72の間の遅延(例えば、飛行時間遅延74)を変更し得る。換言すれば、飛行時間遅延74は、0.1ms未満になるように、
図4で説明したような飛行時間遅延64からクロックスキューによって変化(例えば、減少)することができる。例えば、信号70及び72の間の飛行時間遅延74は0.00028秒の代わりに0.00018秒であってもよい。
【0086】
[0089]
図6は、本開示の様々な態様による、第1のレーダーからの送信信号80と第2のレーダーからの送信信号82との間の別の例示的な飛行時間遅延84のグラフを示す。
図6は
図1及び4を参照して説明される。
【0087】
[0090]理解を容易にするために、
図6はFMCW信号の線形周波数変調に関して説明される。しかしながら、FMCW信号の非線形周波数変調も適用可能である。いくつかの例では、FMCW信号の非線形周波数変調によりレーダー2及び8の間のクロック同期を可能にすることができる。
【0088】
[0091]
図6の例では、信号80はレーダー2からの送信信号16又は60に対応してもよい。
図6の例では、信号82は送信信号20又は62に対応してもよい。
図6の例では、飛行時間遅延84は、
図4で説明したように、送信信号60及び62の間の飛行時間遅延64に部分的に対応してもよい。
【0089】
[0092]
図6の例では、レーダー2及び8のクロックが同期されない場合があり(例えば、クロックスキュー)、これは、
図4で説明したように信号60及び62の間の飛行時間遅延64を増加させたり減少させたりして信号80及び82の間の飛行時間遅延84を生成し得る。例えば、レーダー2及び8の間のクロックスキューは、レーダー2及び8において受信される信号80及び82の間の遅延(例えば、飛行時間型遅延84)を変更することができる。換言すれば、
図4で説明したように、飛行時間遅延84は飛行時間遅延64を増加させるクロックスキューによって変更することができ、その結果、信号80及び82の間の飛行時間遅延84は、0.00028秒の代わりに0.00038秒となってもよい。
【0090】
[0093]
図7は、本開示の様々な態様による、信号90の例のグラフを示す。
図7は
図1を参照して説明される。
図7の例では、
図1で説明したように、信号90はそれぞれの信号の18及び22のうちの1つに対応してもよく、高(HIGH)位相ビット92及び低(LOW)位相ビット94を含んでもよい。信号90は、局部信号と混合して整合フィルタを適用した後の受信信号である。この例では、局部送信位相ビットは、局部信号を信号90と混合する前に除去される。高位相ビット92は信号90の(例えば、0だけ位相シフトされた)位相シフトされたセクションの結果である。低位相ビット94は信号90の(例えば、πだけ位相シフトされた)位相シフトされたセクションの結果である。いくつかの例では、位相シフトは、送信信号の+1又は−1による乗算を表してもよい。いくつかの例では、時刻t
iにおける信号90の値はちょうどO
miO
iである。いくつかの例では、信号90の単位(ユニット、units)(例えば、高位相ビット92及び低位相ビット94の単位)は信号90の信号強度であってもよい。
【0091】
[0094]いくつかの例では、レーダー2及び8は、様々なタイミング及び周波数パラメータを得るために、誤差関数Eを最大化する最適化を行うことができる。
図1で説明したように式10で表される誤差関数Eによれば、O
i又はO
miの任意の値の任意の変化によりEの値が変更され得る。いくつかの例では、レーダー2及び8は、式17として表されるように、誤差関数Eを変更して、誤差関数Eプライム(E’)を作成することができ、ここでE’はO
i又はO
miの値のいずれかの符号変化に影響されない。
【0093】
[0095]このように、レーダー2及び8は、誤差関数E’又はEの最適化に影響を与えることなく、送信されたそれぞれの信号16及び20の位相を適切なレートでπだけ変更することができる。換言すれば、レーダー2及び8は、レーダー2及び8が最適化のために誤差関数E’を使用するとき、レーダー2及び8の間での時間同期及び通信のために、送信されたそれぞれの信号16及び20を使用することができる。
【0094】
[0096]いくつかの例では、レーダー2及び8についての周波数掃引は位相ビットを使用するように修正され得る。例えば、送信されたそれぞれの信号16及び20は、一定間隔でπだけ位相シフト(例えば、高位相ビット92及び低位相ビット94)を有してもよい。この例では、レーダー2及び8は、測定されたADCサンプルを±1で乗算することによって送信されたそれぞれの信号16及び20から高位相ビット92及び低位相ビット94を除去した後に、
図1で説明したようにタイミングパラメータを決定することができる。例えば、局部送信信号において、位相シフトは、他のレーダーにデータを送信するために一定間隔で挿入されていてもよい。間隔の各々の間、位相シフトはゼロ又はπのいずれかであり、この結果、送信信号は+1又は−1で乗算されてもよい。送信レーダーは位相ビットパターンを知ることができ、送信レーダーは、一定間隔のうちの各々の間隔について混合信号を+1又は−1で乗算することにより、局部信号及び受信信号を混合することによって形成された信号から局部送信位相シフトを除去することができ、これにより、受信信号からの位相シフトのみを残すことができる。次に、整合フィルタによって混合信号を乗算することにより、
図7に示すような信号が決定される。換言すれば、レーダー2及び8は、どのADCサンプルが送信位相ビットのうちのどれに属するかを知るために決定された完全なタイミング情報を使用することができる。いくつかの例では、受信されたそれぞれの信号18及び22の高位相ビット92及び低位相ビット94は、時間t
iにおけるADCの実際の出力O
miと時間t
iにおけるADCの計算された出力O
iとの積を見ることで得られてもよい。
【0095】
[0097]いくつかの例では、通信の速度は、高位相ビット92及び低位相ビット94の長さが十分に長くADCのサンプリングレートが2つのビットを分離することができるように、ADCのサンプリングレートによって決定することができる。いくつかの例では、高位相ビット92及び低位相ビット94は、それぞれ、25マイクロ秒(μs)の長さを有することができる。いくつかの例では、
図1で説明されるように、レーダー2及び8はADC出力のサブサンプルを使用して整合フィルタを生成することができる。これらの例では、レーダー2及び8は整合フィルタを使用することができ、整合フィルタをADCの完全なサンプルに適用して、可能な限り最高のレートで高位相ビット92及び低位相ビット94の通信を得ることができる。換言すれば、レーダー2及び8は、ADCのサブサンプルを使用して整合フィルタを生成することができ、これは通信速度を向上させるためにADCの完全なサンプルに対して使用することができる。
【0096】
[0098]
図8は、本開示の様々な態様による、クロック同期を備えるFMCWレーダーシステムを動作させる例示的な技術100を示すフローチャートである。
図8は、
図1に関して、特にレーダー2に関して説明されるが、技術100はまたレーダー8にも適用することができると考えられる。
図8の例では、レーダー2は第1の信号を送信してもよい(102)。第1の信号の周波数f
tは、第1のベースバンド周波数の周りの第1の周波数範囲にわたって変化し得る。
図8の例では、レーダー2はまた第2の信号を受信することができる(104)。第2の信号の周波数f
rは、第2のベースバンド周波数の周りの第2の周波数範囲にわたって変化し得る。
【0097】
[0099]
図8の例では、レーダー2は、レーダー2の第1のタイミングオフセットを含む複数のパラメータの値を決定することができる(106)。レーダー2は、例えば、第1及び第2の信号の間のデジタル差分信号に基づいて、複数のパラメータの値を決定することができる。いくつかの例では、レーダー2は、デジタル差分信号の全サンプルのうちの第1のサブサンプルを選択することにより、デジタル差分信号に基づいて、複数のパラメータの値を決定することができる。サブサンプルは、例えば、全サンプル未満であってもよい。レーダー2は、第1のサブサンプルの一次元検索を実行することによって複数のパラメータの第1のタイミングオフセットの値を決定することができる。レーダー2は、第1のサブサンプルに対する第1のタイミングオフセットの影響と比較して第1のサブサンプルに対する複数のパラメータのうちの他のパラメータの影響が小さくなるように、第1のサブサンプルを選択することができる。これらの例では、第1のパラメータの値を決定することに応答して、レーダー2は、複数のパラメータのうちの第2のパラメータの値を決定してもよい。例えば、レーダー2は、第1のサブサンプルの第2の一次元探索を実行してもよい。いくつかの例では、レーダー2は、第1のタイミングオフセットd/c+Δt、クロックスキューα、相対速度β、第2のベースバンド周波数f
b2、又はADC測定オフセットΔτのうちの少なくとも1つを含む複数のパラメータを決定することができる。いくつかの例では、デジタル差分信号はADCの出力であってもよい。これらの例では、ADCへの入力はミキサからの差分信号であってもよい。いくつかの例では、ミキサの差分信号は、信号16の周波数と信号18の周波数との間の差であってもよい。いくつかの例では、第1のサブサンプルは、デジタル差分信号の全サンプルのうちの最初の1024のサンプルであってもよい。いくつかの例では、第2のパラメータは、例えば、信号18のベースバンド周波数などの第2のベースバンド周波数の値であってもよい。いくつかの例では、レーダー2は、第1及び第2のパラメータの値を決定した後、差分信号の全サンプルのうちの第2のサブサンプルを決定してもよい。いくつかの例では、第2のサブサンプルは全サンプル未満であってもよい。いくつかの例では、レーダー2は、第2のサブサンプルを用いた第1及び第2の導関数の局所的最適化により、複数のパラメータのうちの残りのパラメータの値を決定することができる。
【0098】
[0100]
図8の例では、レーダー2は、第2のFMCWレーダーユニット(例えば、レーダー8)の第2のタイミングオフセットを受信することができる(108)。
図8の例では、レーダー2は、第1及び第2のタイミングオフセットに基づいて、クロックオフセットを決定することができる(110)。
図8の例では、レーダー2は、クロックオフセットに基づいて、レーダー2のクロックを第2のFMCWレーダーユニット(例えば、レーダー8)のクロックと同期させることができる(112)。
図8の例では、レーダー2は、レーダー2の第1のタイミングオフセットを第2のFMCWレーダーユニット(例えば、レーダー8)に送信してもよい(114)。
【0099】
[0101]
図8の例では、レーダー2は、レーダー2と第2のFMCWレーダーユニットとの間でデータを通信することができる(116)。いくつかの例では、レーダー2は、レーダー2によって送信される第1の信号内に一定間隔で位相ビットを含めることによってデータを送信してもよい。いくつかの例では、レーダー2は、レーダー2と第2のFMCWレーダーユニットとの間でデータを通信することができる。いくつかの例では、レーダー2は信号16内に一定間隔で複数の位相ビットを生成してもよい。これらの例では、レーダー2はまた、ADCの計算された出力とADCの実際の出力との積を求めることにより、信号18の複数の位相ビットを決定してもよい。いくつかの例では、レーダー2は、デジタル差分信号から第1の信号の位相ビットを除去することができる。いくつかの例では、レーダー2はまた、ADCの実際の出力を+1又は−1で乗算してもよい。いくつかの例では、レーダー2は、レーダー2のクロックを第2のFMCWレーダーユニットのクロックと同期させることができ、これにより、レーダー2と第2のFMCWレーダーユニットとの間のデータ通信の速度を増加させることができる。いくつかの例では、データの通信速度はADCのサンプリングレートによって決定することができる。いくつかの例では、信号16又は18の複数の位相ビットは、それぞれ、25マイクロ秒(μs)の持続時間を有してもよい。
【0100】
[0102]いくつかの例では、第1のタイミングオフセットは、第1の時間t
D=d/c+Δtにおけるレーダー2の飛行時間遅延及びクロックオフセットを含んでもよく、第2のFMCWレーダーユニット(例えば、レーダー8)の受信されたタイミングオフセットは、第2の時間t
R=d/c+Δtにおける飛行時間遅延及びクロックオフセットを含んでもよい。これらの例では、レーダー2は、第1及び第2のタイミングオフセットの間の差、Δt
0=((t
D−t
R))/2に基づいて、クロックオフセットを決定することができる。他の例では、レーダー2と第2のFMCWレーダーユニットとの間の距離が時間とともに変化しているとき、第1のタイミングオフセットは第1の時間t
D=d/c+Δtにおけるレーダー2の飛行時間遅延及びクロックオフセットを含んでもよく、第2のFMCWレーダーユニット(例えば、レーダー8)の受信されたタイミングオフセットは、第2の時間t
R=d/c−βΔt−Δtにおける飛行時間遅延及びクロックオフセットを含んでもよい。これらの例では、レーダー2は、第1及び第2のタイミングオフセットの間の差、Δt
0=(t
D−t
R)/(2+β)に基づいてクロックオフセットを決定することができる。いくつかの例では、レーダー2によって決定されるクロックオフセットの不確実性は10ピコ秒(ps)以下であってもよく、クロックオフセットの不確実性はレーダー2及び第2のFMCWレーダーユニットのクロックの間の同期の差であってもよい。
【0101】
[0103]いくつかの例では、レーダー2は、誤差関数を最大化することによって、デジタル差分信号に基づいて、タイミングパラメータ及び周波数パラメータを含む複数のパラメータの値を決定することができる。例えば、誤差関数はE=Σ
iO
miO
iとして記述することができ、ここでO
miはADCの実際の出力とすることができ、O
i=cos{2πi(t
i+Δτ)[f
t−f
r]+θ}はADCの計算された出力とすることができ、t
iはADCのi番目の測定における時間とすることができ、θは全体の位相差とすることができる。
【0102】
[0104]いくつかの例では、レーダー2は、プライム誤差関数(prime error function)を最適化することにより、デジタル差分信号に基づいて、タイミングパラメータ及び周波数パラメータを含む複数のパラメータの値を決定することができる。例えば、プライム誤差関数はE’=Σ
i(O
mi)
2(O
i)
2として記述することができ、ここでO
miはADCの実際の出力とすることができ、O
i=cos{2πi(t
i+Δτ)[f
t−f
r]+θ}はADCの計算された出力とすることができ、t
iはADCのi番目の測定における時間とすることができ、θは全体の位相差とすることができる。
【0103】
[0105]1つ又は複数の実施例では、説明された関数は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアで実装する場合、関数は、1つ又は複数の命令又はコードとしてコンピュータ読み取り可能な媒体上に格納されてもよいし、送信されてもよいし、ハードウェアベースの処理装置によって実行されてもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、データ記憶媒体などの有形の媒体に対応するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、又は、例えば通信プロトコルに従ってある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体を含むことができる。このように、コンピュータ読み取り可能な媒体は、一般に、(1)非一時的である有形のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は(2)信号又は搬送波などの通信媒体に対応することができる。データ記憶媒体は、本開示に記載の技術を実施するための命令、コード及び/又はデータ構造を取得するために、1つもしくは複数のコンピュータ又は1つもしくは複数のプロセッサによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読み取り可能な媒体を含むことができる。
【0104】
[0106]限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、フラッシュメモリ、又は、命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを格納するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体を含むことができる。また、任意の接続は適切にコンピュータ読み取り可能な媒体と呼ばれる。例えば、命令がウェブサイト、サーバ、又は同軸ケーブルを使用する他の遠隔ソース、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術から送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、無線、及びマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。しかし、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びデータ記憶媒体が、接続、搬送波、信号又は他の過渡的媒体を含まず、代わりに、非一時的な有形の記憶媒体に向けられていると理解されるべきである。本明細書で使用されるとき、ディスク(disk及びdisc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク及びブルーレイディスクを含み、diskは通常磁気的にデータを再生するが、discはレーザーで光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0105】
[0107]命令は、1つ又は複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、又は他の同等の集積化されたもしくは個別の論理回路などの、1つ又は複数のプロセッサによって実行することができる。したがって、本明細書で使用するとき、「プロセッサ」という語は、前述の構造又は本明細書で説明する技術の実施に適した任意の他の構造のうちの任意のものを指すことができる。さらに、いくつかの態様では、本明細書で説明する機能は、FMCW信号処理用に構成される専用のハードウェア及び/又はソフトウェアモジュール内で提供することができる。また、本発明の技術は、1つ又は複数の回路又は論理素子において完全に実施することができる。
【0106】
[0108]本開示の技術は、レーダーを送信又は受信するように構成される多種多様なデバイスや装置で実施することができる。デバイス及び装置は、例えば、集積回路(IC)又はICのセット(例えば、チップセット)を含むことができる。様々なコンポーネント、モジュール、又はユニットは、開示された技術を実行するように構成されるデバイスの機能的側面を強調するように本開示に記載されているが、必ずしも異なるハードウェアユニットによる実現を必要としない。上記のように、適切なソフトウェア及び/又はファームウェアに関連して、様々なユニットは、上述のような1つ又は複数のプロセッサを含む、相互動作ハードウェアユニットの集合によって提供されてもよい。
【0107】
[0109]本開示の様々な例示的な態様が上記で説明される。これら及び他の態様は、以下の特許請求の範囲内にある。