特許第6739181号(P6739181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6739181発泡性エアゾール製品および毛髪処理方法
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  • 特許6739181-発泡性エアゾール製品および毛髪処理方法 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739181
(24)【登録日】2020年7月27日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】発泡性エアゾール製品および毛髪処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20200730BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20200730BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20200730BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20200730BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20200730BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20200730BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20200730BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   A61K8/81
   A61K8/44
   A61K8/31
   A61K8/02
   A61K8/25
   A61K8/39
   A61Q5/06
   A61K8/891
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-17613(P2016-17613)
(22)【出願日】2016年2月2日
(65)【公開番号】特開2017-137248(P2017-137248A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2019年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(72)【発明者】
【氏名】清水 薫
(72)【発明者】
【氏名】瀧野 雄介
(72)【発明者】
【氏名】荒木 健志
【審査官】 駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−273838(JP,A)
【文献】 特開2011−084584(JP,A)
【文献】 特開2012−126679(JP,A)
【文献】 特開2004−256491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
C08G77/00−77/62
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カチオン化高分子、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、及びシリコーンエマルションが配合された原液と、
噴射剤とが、
容器に充填されており、
前記原液に配合されるカチオン化高分子が、置換基としてアミノ基及び/又はアンモニウム基を有しており、
前記原液に配合されるシリコーンエマルションにおけるシリコーンが、高重合メチルポリシロキサン、粘度200cs以下のメチルポリシロキサン、又は、高重合メチルポリシロキサン及び粘度200cs以下のメチルポリシロキサンであることを特徴とする発泡性エアゾール製品。
【請求項2】
前記原液に配合されるカチオン化高分子が、ビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・メチルビニルイミダゾリウム共重合体から選ばれた一種又は二種以上である請求項1に記載の発泡性エアゾール製品。
【請求項3】
前記原液に配合されるシリコーンエマルションが、ノニオン界面活性剤を含む請求項1又は2に記載の発泡性エアゾール製品。
【請求項4】
前記原液に二酸化ケイ素が配合された請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール製品。
【請求項5】
前記原液にポリメタクリロイルエチルジメチルベタインが配合された請求項4に記載の発泡性エアゾール製品。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール製品から吐出させたフォーム状の前記原液を、毛髪に塗布することを特徴とする毛髪処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器から吐出させたフォーム状の原液を毛髪に塗布して使用される発泡性エアゾール製品、および当該製品を使用する毛髪処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
整髪剤、洗い流さないトリートメントなどの毛髪化粧料において、毛髪に塗布する際の剤型がフォーム状であれば、液状のものと異なり、適量を毛髪の任意箇所に塗布しやすい利点がある。このような利点などに着目して、毛髪化粧料に相当する原液と噴射剤を容器に充填した発泡性エアゾール製品が商品化されている。そして、毛髪の感触を調整するために、カチオン化高分子を原液に配合することが広く知られている。
【0003】
発泡性エアゾール製品から吐出させる原液の泡立ちを向上させるには、界面活性剤の配合が不可欠となる。しかし、カチオン化高分子と共にアニオン界面活性剤を原液に配合した場合には、両者がコンプレックスを形成して、カチオン化高分子による直接的な毛髪の感触調整力が低下する。そのため、アニオン界面活性剤の配合は、最小限に抑える必要性が生じる。また、ノニオン界面活性剤を配合した場合も、毛髪の指通りが悪くなる傾向があり、その配合を必要最小限に抑える必要性が生じる。
【0004】
他方、カチオン化高分子と共にカチオン界面活性剤を配合した場合、泡立ちの向上と、毛髪の感触の改善を期待できる。特許文献1には、カチオン界面活性剤の配合例として、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム及びN-ヤシ油脂肪酸アシルL-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩の配合が開示されている(特許文献1の実施例10参照)。しかし、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムなどのハロゲン化物の配合は、原液が充填される金属製容器がハロゲンにより腐食することを防止するため、最小限に抑えられるべきである。また、N-ヤシ油脂肪酸アシルL-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩の配合によれば、容器の腐食の問題に配慮することなく、毛髪の感触改善が可能となる。しかし、原液の泡立ちが十分ではない課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−262906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、カチオン化高分子及びN-ヤシ油脂肪酸アシルL-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩を原液に配合する際に、他の界面活性剤の配合量を抑えた場合であっても、吐出させる原液の泡立ちが良好な発泡性エアゾール製品、及び当該製品を使用する毛髪処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等が鋭意検討を行った結果、カチオン化高分子及びN-ヤシ油脂肪酸アシルL-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩と共に、一般的に消泡作用が知られているメチルポリシロキサンをエマルションにして配合すれば、泡立ちが向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係る発泡性エアゾール製品は、カチオン化高分子、N-ヤシ油脂肪酸アシルL-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩、及びシリコーンエマルションが配合された原液と、噴射剤とが、容器に充填されたことを特徴とする。
【0009】
本発明における上記シリコーンエマルションにおいて、シリコーンは、例えば、高重合メチルポリシロキサン、粘度200cs以下のメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、及びジメチコノールから選ばれた一種又は二種以上である。また、前記シリコーンエマルションは、メチルポリシロキサンの分散性を高めるために、ノニオン界面活性剤を含むものが良い。
【0010】
本発明における原液は、二酸化ケイ素が配合されたものが良い。二酸化ケイ素を配合することで、毛髪がボリュームアップする。
【0011】
また、本発明における原液には、二酸化ケイ素が配合される場合、ポリメタクリロイルエチルジメチルベタインを配合すると良い。このポリメタクリロイルエチルジメチルベタインの配合により、容器からの原液吐出の障害要因になる二酸化ケイ素の凝集、沈殿を抑制できる。
【0012】
本発明に係る毛髪処理方法は、上記本発明の発泡性エアゾール製品から吐出させたフォーム状の前記原液を、毛髪に塗布することを特徴とする。その原液にはシリコーンエマルションが配合されているから、容器から泡立ち良く吐出された原液を、任意の毛髪部位に塗布できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の発泡性エアゾール製品によれば、シリコーンエマルションが、カチオン化高分子及びN-ヤシ油脂肪酸アシルL-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩と共に原液に配合されるから、泡立ちの良い原液を容器から吐出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1及び比較例1a〜比較例1fの泡持ち評価の際の撮影画像である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に基づき、本発明を以下に説明する。
本実施形態の発泡性エアゾール製品は、原液及び噴射剤が容器に充填されたものであり、充填した噴射剤によってフォーム状原液を容器から吐出する。
【0016】
(原液)
本実施形態における上記原液は、カチオン化高分子、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、シリコーンエマルション、及び水が配合されたものである(原液における水の配合量は、例えば90質量%以上)。また、原液には、実使用上許容されるのであれば、更に公知の毛髪化粧料原料が配合されていても良い。
【0017】
カチオン化高分子
本実施形態における上記原液に配合されるカチオン化高分子は、陽イオン化する置換基を有する高分子であり、その置換基は、アミノ基、アンモニウム基などがある。カチオン化高分子としては、例えば、ポリクオタニム−11などのビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体;ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−52などのジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体;ポリクオタニウム−16などのビニルピロリドン・メチルビニルイミダゾリウム共重合体;が挙げられる。フォーム状原液を塗布してから乾燥した毛髪表面の滑らかさ、毛髪のはりを良好にするには、ポリクオタニウム−11を配合すると良い。
【0018】
上記原液において、一種又は二種以上のカチオン化高分子が配合される。その原液におけるカチオン化高分子の配合量は、例えば0.1質量%以上1.0質量%以下である。
【0019】
N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩
本実施形態の上記原液には、N−ヤシ油脂肪酸アシルL-アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩が配合される。その原液におけるN−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩の配合量は、例えば0.1質量%以上0.6質量%以下である。
【0020】
シリコーンエマルション
本実施形態の上記原液に配合されるシリコーンエマルションは、水にシリコーンを分散させたものであり、例えば、高重合メチルポリシロキサン、粘度200cs以下のメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、及びジメチコノールから選ばれた一種又は二種以上である。シリコーンが二種以上の場合には、上記シリコーンエマルションは、その二種以上の混合物が水に分散したものであると良い。
【0021】
上記シリコーンエマルションにおけるシリコーンに関して、高重合メチルポリシロキサンは、平均重合度が650以上のメチルポリシロキサンであり、粘度200cs以下のメチルポリシロキサンは、高重合メチルポリシロキサンなどの流動性の無い又は乏しいシリコーンの溶剤にもなり、5cs以上25cs以下のものであると良い(ここで、メチルポリシロキサンの粘度は、化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定した値を採用する。)。また、アミノ変性シリコーンは、例えば、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体である。
【0022】
上記シリコーンエマルションは、市場で入手可能な商品として存在する。粘度200cs以下のメチルポリシロキサンが分散するエマルションの商品は、東レ・ダウコーニング社製の「BY22−068」、「BY22−080」などが挙げられる。高重合メチルポリシロキサン及び粘度200cs以下のメチルポリシロキサンの混合物が分散するエマルションの商品は、東レ・ダウコーニング社製の「BY22−034」、「BY22−055」、「BY22−060」などが挙げられる。アミノ変性シリコーンが分散するエマルションの商品は、東レ・ダウコーニング社製の「SM 8904 Cosmetic Emulsion」などが挙げられる。また、ジメチコノールが分散するエマルションの商品は、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル社製「XS65−C2173」、「Silsoft EM202C」などが挙げられる。
【0023】
上記シリコーンエマルションは、例えば、ノニオン界面活性剤によって水中にジメチルポリシロキサンを分散させたものである。そのノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられる。
【0024】
任意原料
本実施形態の上記原液には、上記の通り、公知の毛髪化粧料原料(任意原料)を配合しても良い。この任意原料は、本実施形態の発泡性エアゾール製品の用途、目的に応じて適宜に選定される。任意原料としては、アニオン界面活性剤、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩以外のカチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、高級アルコール、多価アルコール、糖類、エステル油、油脂、上記シリコーンエマルションに含まれるシリコーン以外のシリコーン、カチオン化高分子以外の高分子化合物、アミノ酸、香料、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤などである。
【0025】
アニオン界面活性剤を配合する場合、上記原液における配合量は、カチオン化高分子とのコンプレックス形成を抑える観点から、0.1質量%以下である(アニオン界面活性剤を配合しないことが望ましい。)。カチオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を配合する場合、容器の腐食を抑える観点から、塩素塩などのハロゲン化物の配合を避けるべきであり、そのハロゲン化物を配合する場合の原液における配合量は、0.1質量%以下である。また、ノニオン界面活性剤を配合する場合、毛髪の感触を良好にするために、1.5質量%以下が良く、1.0質量%以下が好ましい。
【0026】
高級アルコールは、毛髪の感触を調整する成分となる。高級アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの直鎖状飽和アルコールが良い。上記原液における高級アルコールの配合量は、泡立ちと泡持ちの双方を良好とするには、0.1質量%以上0.5質量%以下が良い。
【0027】
また、上記原液に無機粉体の一種である二酸化ケイ素を配合すれば、毛髪がボリュームアップする。原液における二酸化ケイ素の配合量は、例えば0.1質量%以上0.4質量%以下である。
【0028】
上記の二酸化ケイ素の配合と共に、ポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン(ポリクオタニウム−50)を配合すると、原液中における二酸化ケイ素の分散性が向上する。上記原液におけるポリメタクリロイルエチルジメチルベタインの配合量は、例えば0.2質量%以上1.0質量%以下である。
【0029】
pH
本実施形態の原液のpHは、特に限定されるものではないが、例えば4以上6以下である。
【0030】
(噴射剤)
本実施形態における上記噴射剤は、公知の噴射剤から選定される。公知の噴射剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、及びこれらの混合物である液化石油ガス(以下、「LPG」ともいう);ジメチルエーテル、及びこれを含む混合物である液化ガス;二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、空気などの圧縮ガス;などが挙げられる。LPGを充填すれば、泡立ちと泡持ちのバランスに優れ、炭酸ガスを充填すれば、皮膚の血行促進効果を期待できる。
【0031】
本実施形態の発泡性エアゾール製品において、原液と噴射剤との質量比としては、例えば、原液:噴射剤=90:10〜96:4である。
【0032】
(容器)
容器は、金属製であり、かつ、安価な内袋を有さないものが良い。この容器の形成に用いる金属としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ブリキ、鋼等が挙げられる。また、容器の内面に樹脂層が積層されてもよい。
【0033】
(使用方法)
本実施形態の発泡性エアゾール製品は、容器から吐出させたフォーム状原液を任意の毛髪部位に塗布して使用される。例えば、毛髪の根本にフォーム状原液を塗布し、根本を立ち上がらせつつ乾燥させると良い。この使用方法によれば、頭髪がボリュームアップすることになり、ポリクオタニウム−11及び二酸化ケイ素の原液への配合により、ボリュームアップがより容易となる。
【実施例】
【0034】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
原液と噴射剤(LPG)を内容量50ml程度の容器に充填し、実施例及び比較例の発泡性エアゾール製品を製造し、各種評価を行った。詳細は、以下の通りである。
【0035】
(原液)
N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸(ポリクオタニウム−11)、シリコーンエマルション(粘度10csメチルポリシロキサンと高重合メチルポリシロキサンとの混合物を50質量%含有し、その混合物をノニオン界面活性剤で分散させた東レ・ダウコーニング社製「BY22−034」)、メチルポリシロキサン(粘度が10csである東レ・ダウコーニング社製「SH200 C FLUID」)、メチルポリシロキサンと高重合メチルポリシロキサンの混合物(粘度10csのメチルポリシロキサン90質量部と高重合メチルポリシロキサン10質量部とを混合した東レ・ダウコーニング社製「BY11−007」)、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(2E.O.)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(21E.O.)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(4.2E.O.)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20E.O.)、フェノキシエタノール、香料、ポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン(ポリクオタニウム−50)、及び二酸化ケイ素から選定した原料と、水とを配合することにより、実施例1、比較例1a〜1f、及び実施例2a〜2bの発泡性エアゾール製品で使用した原液を製造した。水と配合した原料及びその配合量は、下記表1〜2の通りとした。
【0036】
(発泡性エアゾール製品)
容器に原液を充填した後、LPGを充填することで、実施例1、比較例1a〜1f、及び実施例2a〜2bの発泡性エアゾール製品を製造した。この製造での原液とLPGの充填比率は、原液:LPG=90質量部:10質量部とした。
【0037】
(泡立ちの評価)
発泡性エアゾール製品から原液を吐出させ、吐出直後のフォーム状原液を目視確認し、比較例1e及び比較例1fとの対比により、評価した。評価基準は、以下の通りとした。
○:基準(比較例1e及び比較例1f)より泡立ちが良い
―:泡立ちの対比基準(比較例1e及び比較例1f)
×:基準(比較例1e及び比較例1f)よりも泡立ちが悪い
【0038】
(泡持ちの評価)
泡立ち評価後のフォーム状原液の経時的な状態変化を目視確認し、比較例1dとの対比により評価した。評価基準は、以下の通りとした。
○:基準(比較例1d)より泡持ちが良い
―:泡持ちの対比基準(比較例1d)
×:基準(比較例1d)よりも泡持ちが悪い
【0039】
(原液における二酸化ケイ素の分散性の評価)
実施例2aと実施例2bの原液について、製造後間もなくの外観を対比し、二酸化ケイ素の分散性の優劣を評価した。評価基準は、以下の通りとした。
○:基準(実施例2a)より優れる
―:基準
【0040】
下記表1〜2に、原液に配合した原料及びその配合量、容器に充填した原液とLPGの質量比、並びに、評価結果を示す。表1〜2において、シリコーンエマルションの配合により、「泡立ち」、「泡持ち」共に良好であったことを確認できる(図1は、実施例1及び比較例1a〜比較例1fの泡持ち評価の際の撮影画像である。)。また、表2において、ポリメタクリロイルエチルジメチルベタインの配合により、二酸化ケイ素の分散性が向上したことを確認できる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
図1