(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1上側トランジスタ、及び、前記第2上側トランジスタは、それぞれ、PDMOSFET[P-channel type double-diffused metal oxide semiconductor field effect transistor]であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ駆動装置。
前記第1下側トランジスタ、及び、前記第2下側トランジスタは、それぞれ、NDMOS[N-channel type DMOSFET]であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
前記ロジック回路は、前記駆動電流を一定値に維持するための定電流チョッピング駆動を行うときに前記電流オフ動作を行うことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<電子機器>
図1は、モータ駆動装置を備えた電子機器の全体構成を示すブロック図である。本構成例の電子機器1は、モータ駆動装置10と、2相励磁型のステッピングモータ20(以下では、単にモータ20と略称する)と、を有する。
【0019】
モータ20は、第1励磁相の励磁コイル21と、第2励磁相の励磁コイル22と、ロータ23と、を有する。モータ20の回転駆動時には、モータ駆動装置10から励磁コイル21及び22に対して、駆動電流I1及びI2がそれぞれ供給される。
【0020】
モータ駆動装置10は、装置外部から入力される種々の制御信号(本図では、クロック信号CLKのみを例示)に応じてモータ20の駆動電流I1及びI2を生成する半導体装置であり、制御部100と駆動部200を集積化して成る。
【0021】
制御部100は、クロック信号CLKの入力を受けて、第1励磁相の駆動制御を行うための入力信号IN1A及びIN1Bと、第2励磁相の駆動制御を行うための入力信号IN2A及びIN2Bをそれぞれ生成し、これらを駆動部200に出力する。
【0022】
クロック信号CLKは、所定の周波数でパルス駆動される矩形波信号である。制御部100は、クロック信号CLKのパルスエッジに同期してモータ20を所定のステップ角ずつ回転させるように、入力信号IN1A及びIN1B、並びに、入力信号IN2A及びIN2Bをそれぞれ生成する。すなわち、モータ20の回転速度は、クロック信号CLKの周波数に応じて変化する。
【0023】
駆動部200は、入力信号IN1A及びIN1B、並びに、入力信号IN2A及びIN2Bの入力を受けて、出力信号OUT1A及びOUT1B、並びに、出力信号OUT2A及びOUT2Bをそれぞれ生成する。なお、出力信号OUT1A及びOUT1Bは、励磁コイル21の両端にそれぞれ印加される電圧信号である。従って、OUT1A>OUT1Bであるときには、駆動電流I1が第1方向(=正方向)に向かって流れ、OUT1A<OUT1Bであるときには、駆動電流I1が第2方向(=負方向)に向かって流れる。同様に、出力信号OUT2A及びOUT2Bは、励磁コイル22の両端にそれぞれ印加される電圧信号である。従って、OUT2A>OUT2Bであるときには、駆動電流I2が第1方向(=正方向)に向かって流れ、OUT2A<OUT2Bであるときには、駆動電流I2が第2方向(=負方向)に向かって流れる。
【0024】
<駆動部>
図2は、駆動部200の一構成例を示す回路図である。本構成例の駆動部200は、4つのハーフブリッジ出力段210〜240と、ロジック回路250と、を含む。
【0025】
ハーフブリッジ出力段210は、上側トランジスタ211(例えばPDMOSFET)と、下側トランジスタ212(例えばNDMOSFET)を含む。上側トランジスタ211のソースは、電源電圧VMの印加端(=第1電源端に相当)に接続されている。上側トランジスタ211のドレインと下側トランジスタ212のドレインは、いずれも出力信号OUT1Aの出力端(=励磁コイル21の第1端)に接続されている。下側トランジスタ212のソースは、負帰還抵抗RNF1を介して接地端(=第2電源端に相当)に接続されている。なお、上側トランジスタ211には、カソードがソースに接続されてアノードがドレインに接続された上側寄生ダイオード213が付随している。また、下側トランジスタ212には、カソードがドレインに接続されてアノードがソースに接続された下側寄生ダイオード214が付随している。
【0026】
ハーフブリッジ出力段220は、上側トランジスタ221(例えばPDMOSFET)と、下側トランジスタ222(例えばNDMOSFET)を含む。上側トランジスタ221のソースは、電源電圧VMの印加端に接続されている。上側トランジスタ221のドレインと下側トランジスタ222のドレインは、いずれも出力信号OUT1Bの出力端(=励磁コイル21の第2端)に接続されている。下側トランジスタ222のソースは、負帰還抵抗RNF1を介して接地端に接続されている。なお、上側トランジスタ221には、カソードがソースに接続されてアノードがドレインに接続された上側寄生ダイオード223が付随している。また、下側トランジスタ222には、カソードがドレインに接続されてアノードがソースに接続された下側寄生ダイオード224が付随している。
【0027】
ハーフブリッジ出力段230は、上側トランジスタ231(例えばPDMOSFET)と、下側トランジスタ232(例えばNDMOSFET)を含む。上側トランジスタ231のソースは、電源電圧VMの印加端に接続されている。上側トランジスタ231のドレインと下側トランジスタ232のドレインは、いずれも出力信号OUT2Aの出力端(=励磁コイル22の第1端)に接続されている。下側トランジスタ232のソースは、負帰還抵抗RNF2を介して接地端に接続されている。なお、上側トランジスタ231には、カソードがソースに接続されてアノードがドレインに接続された上側寄生ダイオード233が付随している。また、下側トランジスタ232には、カソードがドレインに接続されてアノードがソースに接続された下側寄生ダイオード234が付随している。
【0028】
ハーフブリッジ出力段240は、上側トランジスタ241(例えばPDMOSFET)と、下側トランジスタ242(例えばNDMOSFET)を含む。上側トランジスタ241のソースは、電源電圧VMの印加端に接続されている。上側トランジスタ241のドレインと下側トランジスタ242のドレインは、いずれも出力信号OUT2Bの出力端(=励磁コイル22の第2端)に接続されている。下側トランジスタ242のソースは、負帰還抵抗RNF2を介して接地端に接続されている。なお、上側トランジスタ241には、カソードがソースに接続されてアノードがドレインに接続された上側寄生ダイオード243が付随している。また、下側トランジスタ242には、カソードがドレインに接続されてアノードがソースに接続された下側寄生ダイオード244が付随している。
【0029】
ロジック回路250は、入力信号IN1A及びIN1B、並びに、入力信号IN2A及びIN2Bに応じて、ハーフブリッジ出力段2*0(ただし*=1、2、3、4)を形成する上側トランジスタ2*1、及び、下側トランジスタ2*2のオン/オフ制御(=ゲート制御)を行う。
【0030】
第1励磁相の駆動制御に着目すると、(IN1A,IN1B)=(H,L)であるときには、駆動電流I1の第1オン期間(正極性の電流出力期間)となり、基本的には、上側トランジスタ211と下側トランジスタ222がオンされて、上側トランジスタ221と下側トランジスタ212がオフされる。このようなオン/オフ制御によれば、(OUT1A,OUT1B)=(H(≒VM),L(≒GND))となるので、駆動電流I1が第1方向(=正方向)に流れる。
【0031】
逆に、(IN1A,IN1B)=(L,H)であるときには、駆動電流I1の第2オン期間(負極性の電流出力期間)となり、基本的には、上側トランジスタ211と下側トランジスタ222がオフされて、上側トランジスタ221と下側トランジスタ212がオンされる。このようなオン/オフ制御によれば、(OUT1A,OUT1B)=(L,H)となるので、駆動電流I1が第2方向(=負方向)に流れる。
【0032】
また、(IN1A,IN1B)=(L,L)であるときには、それまで流れていた駆動電流I1がゼロ値まで減衰するように、各トランジスタのオン/オフ制御が行われる。
【0033】
第2励磁相の駆動制御についても、上記と全く同様である。すなわち、(IN2A,IN2B)=(H,L)であるときには、駆動電流I2の第1オン期間(正極性の電流出力期間)となり、基本的には、上側トランジスタ231と下側トランジスタ242がオンされて、上側トランジスタ241と下側トランジスタ232がオフされる。このようなオン/オフ制御によれば、(OUT2A,OUT2B)=(H(≒VM),L(≒GND))となるので、駆動電流I2が第1方向(=正方向)に流れる。
【0034】
逆に、(IN2A,IN2B)=(L,H)であるときには、駆動電流I2の第2オン期間(負極性の電流出力期間)となり、基本的には、上側トランジスタ231と下側トランジスタ242がオフされて、上側トランジスタ241と下側トランジスタ232がオンされる。このようなオン/オフ制御によれば、(OUT2A,OUT2B)=(L,H)となるので、駆動電流I2が第2方向(=負方向)に流れる。
【0035】
また、(IN2A,IN2B)=(L,L)であるときには、それまで流れていた駆動電流I2がゼロ値まで減衰するように、各トランジスタのオン/オフ制御が行われる。
【0036】
なお、ロジック回路250には、負帰還抵抗RNF1及びRNF2それぞれの一端に現れるセンス電圧VS1(=I1×RNF1)及びVS2(=I2×RNF2)を監視して駆動電流I1及びI2を調整する機能(=駆動電流I1及びI2それぞれのオン期間をチョッピングすることにより、電流値を一定に維持する定電流チョッピング機能)も備えている。この定電流チョッピング機能については、後ほど具体例を挙げて詳述する。
【0037】
<ハーフステップ駆動>
次に、モータ20の駆動制御方式の一例として、ハーフステップ駆動時の制御シーケンスについて、
図3及び
図4を参照しながら詳細に説明する。
図3は、ハーフステップ駆動時の制御シーケンスを説明するためのタイミングチャートであり、上から順番に、入力信号IN1A及びIN1B、入力信号IN2A及びIN2B、出力信号OUT1A及びOUT1B、出力信号OUT2A及びOUT2B、並びに、駆動電流I1及びI2が描写されている。また、
図4は、ハーフステップ駆動時の制御シーケンスを説明するためのトルクベクトル図である。なお、
図4のトルクベクトル(1)〜(8)は、それぞれ、
図3の期間(1)〜(8)に対応している。
【0038】
期間(1)では、(IN1A,IN1B)=(H,L)であるので、(OUT1A,OUT1B)=(H,L)となる。従って、駆動電流I1が正方向に流れる。また、(IN2A,IN2B)=(L,L)であるので、出力信号OUT2A及びOUT2Bは、電流減衰動作時の電圧レベル(
図3では「OFF」と表記、以下同様、詳細は後述)となる。従って、駆動電流I2がゼロ値となる。
【0039】
期間(2)では、(IN1A,IN1B)=(H,L)であるので、(OUT1A,OUT1B)=(H,L)となる。従って、駆動電流I1が正方向に流れる。また、(IN2A,IN2B)=(H,L)であるので、(OUT2A,OUT2B)=(H,L)となる。従って、駆動電流I2が正方向に流れる。
【0040】
期間(3)では、(IN1A,IN1B)=(L,L)であるので、出力信号OUT1A及びOUT1Bは、電流減衰動作時の電圧レベルとなる。従って、駆動電流I1がゼロ値となる。また、(IN2A,IN2B)=(H,L)であるので、(OUT2A,OUT2B)=(H,L)となる。従って、駆動電流I2が正方向に流れる。
【0041】
期間(4)では、(IN1A,IN1B)=(L,H)であるので、(OUT1A,OUT1B)=(L,H)となる。従って、駆動電流I1が負方向に流れる。また、(IN2A,IN2B)=(H,L)であるので、(OUT2A,OUT2B)=(H,L)となる。従って、駆動電流I2が正方向に流れる。
【0042】
期間(5)では、(IN1A,IN1B)=(L,H)であるので、(OUT1A,OUT1B)=(L,H)となる。従って、駆動電流I1が負方向に流れる。また、(IN2A,IN2B)=(L,L)であるので、出力信号OUT2A及びOUT2Bは、電流減衰動作時の電圧レベルとなる。従って、駆動電流I2がゼロ値となる。
【0043】
期間(6)では、(IN1A,IN1B)=(L,H)であるので、(OUT1A,OUT1B)=(L,H)となる。従って、駆動電流I1が負方向に流れる。また、(IN2A,IN2B)=(L,H)であるので、(OUT2A,OUT2B)=(L,H)となる。従って、駆動電流I2が負方向に流れる。
【0044】
期間(7)では、(IN1A,IN1B)=(L,L)であるので、出力信号OUT1A及びOUT1Bは、電流減衰動作時の電圧レベルとなる。従って、駆動電流I1がゼロ値となる。また、(IN2A,IN2B)=(L,H)であるので、(OUT2A,OUT2B)=(L,H)となる。従って、駆動電流I2が負方向に流れる。
【0045】
期間(8)では、(IN1A,IN1B)=(H,L)であるので、(OUT1A,OUT1B)=(H,L)となる。従って、駆動電流I1が正方向に流れる。また、(IN2A,IN2B)=(L,H)であるので、(OUT2A,OUT2B)=(L,H)となる。従って、駆動電流I2が負方向に流れる。
【0046】
制御部100は、クロック信号CLKのパルスエッジに同期して、上記の各期間(1)〜(8)を順次切り替えていくように、入力信号IN1A及びIN1B、並びに、IN2A及びIN2Bを生成する。従って、励磁コイル21及び22は、1相励磁状態(=いずれか一方に駆動電流が供給される状態)と、2相励磁状態(=双方に駆動電流が供給される状態)とを交互に繰り返すように順次励磁される。
【0047】
例えば、期間(1)〜(8)を1→2→3→4→5→6→7→8→1→…という順に切り替えた場合には、ロータ23の回転位置が1→2→3→4→5→6→7→8→1→…という順序で移動していく。従って、時計回りのハーフステップ駆動が実現される。また、これとは逆に、期間(1)〜(8)を8→7→6→5→4→3→2→1→8→…という順に切り替えた場合には、ロータ23の回転位置が8→7→6→5→4→3→2→1→8→…という順序で移動していく。従って、反時計回りのハーフステップ駆動が実現される。なお、
図4では、奇数番目(1、3、5、7)の回転位置が1相励磁位置に相当し、偶数番目(2、4、6、8)の回転位置が2相励磁位置に相当する。
【0048】
ただし、モータ20の駆動制御方式は、ハーフステップ駆動に何ら限定されるものではなく、フルステップ駆動やマイクロステップ駆動などを採用しても構わない。また、複数の駆動制御方式を任意に切り替えることのできる構成としてもよい。
【0049】
<定電流チョッピング機能>
図5は、定電流チョッピング駆動時の電流オン/オフ動作を示す電流波形図である。なお、本図の期間(1)〜(8)は、それぞれ、
図3の期間(1)〜(8)に対応する。
【0050】
まず、期間(1)〜(2)、及び、期間(8)における駆動電流I1の定電流チョッピング駆動に着目して説明する。これらの期間には、駆動電流I1が正極性の目標値(+)に維持されるように、駆動電流I1のオン/オフが切り替えられる。従って、駆動電流I1は、正極性の目標値(+)を基準値として、増大と減衰を交互に繰り返す状態となる。
【0051】
次に、期間(4)〜(6)における駆動電流I1の定電流チョッピング駆動に着目して説明する。これらの期間には、駆動電流I1が負極性の目標値(−)に維持されるように駆動電流I1のオン/オフが切り替えられる。従って、駆動電流I1は、負極性の目標値(−)を基準値として、増大と減衰を交互に繰り返す状態となる。
【0052】
次に、期間(2)〜(4)における駆動電流I2の定電流チョッピング駆動に着目して説明する。これらの期間には、駆動電流I2が正極性の目標値(+)に維持されるように駆動電流I2のオン/オフが切り替えられる。従って、駆動電流I2は、正極性の目標値(+)を基準値として、増大と減衰を交互に繰り返す状態となる。
【0053】
次に、期間(6)〜(8)における駆動電流I2の定電流チョッピング駆動に着目して説明する。これらの期間には、駆動電流I2が負極性の目標値(−)に維持されるように駆動電流I2のオン/オフが切り替えられる。従って、駆動電流I2は、負極性の目標値(−)を基準値として、増大と減衰を交互に繰り返す状態となる。
【0054】
このように、上記の定電流チョッピング駆動では、駆動電流I1及びI2が頻繁にオフされる。以下では、この電流オフ動作について説明する。
【0055】
<電流オフ動作(第1、第2)>
図6は、第1の電流オフ動作を示す電流経路図である。本図では、第1励磁相の電流オフ動作(特に、期間(1)〜(2)、及び、期間(8)における駆動電流I1の定電流チョッピング駆動)を例示して、第1の電流オフ動作を詳述する。
【0056】
ロジック回路250は、当該期間において、基本的に、上側トランジスタ211と下側トランジスタ222をオンし、上側トランジスタ221と下側トランジスタ212をオフする。従って、駆動電流I1は、本図中の実線矢印で示したように、電源電圧VMの印加端から、上側トランジスタ211、励磁コイル21、及び、下側トランジスタ222を介して、接地端に至る電流経路で正方向に流れる。
【0057】
一方、ロジック回路250は、当該期間において、正方向に流れる駆動電流I1が正極性の目標値(+)を上回ると、第1の電流オフ動作として、上側トランジスタ211及び222をオフし、下側トランジスタ212及び222をオンする。このとき、励磁コイル21は、それまで流れていた方向に駆動電流I1を流し続けようとする。従って、駆動電流I1は、本図中の破線矢印で示すように、励磁コイル21と下側トランジスタ212及び222によって形成されるループ状の電流経路を流れる。その結果、励磁コイル21に蓄えられているエネルギーが電流経路内の抵抗成分(主に励磁コイル21の抵抗成分)で消費されるに従って、駆動電流I1が徐々に減衰していく。
【0058】
図7は、第2の電流オフ動作を示す電流経路図である。本図でも、先の
図6と同じく、第1励磁相の電流オフ動作(特に、期間(1)〜(2)、及び、期間(8)における駆動電流I1の定電流チョッピング駆動)を例示して、第2の電流オフ動作を詳述する。
【0059】
ロジック回路250は、励磁コイル21に流していた駆動電流I1をオン状態からオフ状態に切り替えるとき、第2の電流オフ動作として、上側トランジスタ211及び222と下側トランジスタ212及び222を全てオフする。このとき、励磁コイル21は、それまで流れていた方向に駆動電流I1を流し続けようとする。従って、駆動電流I1は、本図中の破線矢印で示したように、接地端から、下側寄生ダイオード214、励磁コイル21、上側寄生ダイオード223を介して、電源電圧VMの印加端に至る電流経路を流れる。すなわち、励磁コイル21に蓄えられているエネルギーは、電流経路内の抵抗成分で消費されるだけでなく、電源側への回生エネルギーとして消費される。その結果、駆動電流I1は、第1の電流オフ動作時よりも迅速に減衰する。
【0060】
従って、例えば、定電流チョッピング駆動の動作周波数を高める必要がある場合には、駆動電流I1及びI2のオフ動作として、駆動電流I1をより迅速に減衰することのできる第2の電流オフ動作を採用することが望ましい。
【0061】
ただし、第2の電流オフ動作を採用した場合には、駆動部200で意図しないラッチアップを生じるおそれがある。以下では、ラッチアップの原因と対策について、詳細な説明を行う。
【0062】
<ラッチアップ>
図8は、駆動部200の素子レイアウト例を示す平面図である。本図で示すように、駆動部200を形成する上側トランジスタ211〜241、及び、下側トランジスタ212〜242は、その占有面積をできるだけ小さく抑えるように、互いに近接して配置することが望ましい。
【0063】
ただし、先に説明した第2の電流オフ動作(
図7)を採用した場合、各トランジスタを近接し過ぎると、各トランジスタに付随する寄生トランジスタがアクティブとなり、ラッチアップを生じるおそれがある。例えば、正方向に流れていた駆動電流I1がオフされるときには、回生電流が流れる上側トランジスタ221と下側トランジスタ212(本図ではハッチングを付して明示)にそれぞれ付随する寄生トランジスタがアクティブとなり、意図しないラッチアップを生じる。
【0064】
図9は、ラッチアップ構造の一例を示す縦断面図である。本図では、上側トランジスタ221と下側トランジスタ212に着目して、ラッチアップ構造の説明を行う。本図の例示において、上側トランジスタ221及び下側トランジスタ212は、それぞれ、PDMOSFET及びNDMOSFETであり、いずれも、p型基板300に形成されている。なお、p型基板300は、系内の最低電位端(=接地端)に接続されている。
【0065】
各トランジスタの縦構造について具体的に述べる。上側トランジスタ221は、n型ウェル221aと、p型領域221b及び221cと、酸化膜221dと、メタル層221eと、を有する。
【0066】
n型ウェル221aは、p型基板300に形成されており、上側トランジスタ221のバックゲート(BG)として、電源電圧VMの印加端に接続されている。p型領域221bは、n型ウェル221aに形成されており、上側トランジスタ221のソース(S)として、電源電圧VMの印加端に接続されている。p型領域221cは、n型ウェル221aに形成されており、上側トランジスタ221のドレイン(D)として、出力信号OUT1Bの出力端(=励磁コイル21の第2端)に接続されている。酸化膜221dとメタル層221eは、p型領域221b及び221cを跨ぐように積層形成されており、上側トランジスタ221のゲート(G)として、ロジック回路250に接続されている。
【0067】
なお、上記構造の上側トランジスタ221には、p型領域221cをエミッタとし、p型基板300をコレクタとし、n型ウェル221aをベースとする寄生トランジスタQ1が付随している。
【0068】
また、下側トランジスタ212は、n型ウェル212aと、p型ウェル212bと、n型領域212cと、酸化膜212dと、メタル層212eと、を有する。
【0069】
n型ウェル212aは、p型基板300に形成されており、下側トランジスタ212のドレイン(D)として、出力信号OUT1Aの出力端(=励磁コイル21の第1端)に接続されている。p型ウェル212bは、n型ウェル212aに形成されており、下側トランジスタ212のバックゲート(BG)として、負帰還抵抗RNF1を介して接地端に接続されている。n型領域212cは、p型ウェル212bに形成されており、下側トランジスタ212のソース(S)として、負帰還抵抗RNF1を介して接地端に接続されている。酸化膜212dとメタル層212eは、n型ウェル212aとn型領域212cを跨ぐように積層形成されており、下側トランジスタ212のゲート(G)として、ロジック回路250に接続されている。
【0070】
なお、上記構造の下側トランジスタ212には、n型ウェル212aをエミッタとし、p型基板300に形成されたいずれかのn型領域をコレクタとし、p型基板300をベースとする寄生トランジスタQ2が付随する。特に、上側トランジスタ221と下側トランジスタ212が互いに近接して1チップに集積化されている場合には、上側トランジスタ221のn型ウェル221aが寄生トランジスタQ2のコレクタとなるので、寄生トランジスタQ1及びQ2によるラッチアップ構造が形成されてしまう。
【0071】
ここで、先の
図7で示した第2の電流オフ動作により、接地端から、下側寄生ダイオード214、励磁コイル21、上側寄生ダイオード223を介して、電源電圧VMの印加端に至る電流経路(
図7の破線矢印を参照)で回生電流が流れた場合を考える。なお、以下では、説明の便宜上、負帰還抵抗RNF1の存在を無視して考える。
【0072】
この場合、寄生トランジスタQ2のエミッタ(=n型ウェル212a)に印加される出力信号OUT1Aは、接地電圧GNDから下側寄生ダイオード214の順方向降下電圧Vfを差し引いた負電圧(=GND−Vf)となる。一方、寄生トランジスタQ2のベース(=p型基板300)には、接地電圧GNDが印加されている。従って、寄生トランジスタQ2のベース・エミッタ間電圧(=Vf)がオン閾値電圧よりも高くなり、寄生トランジスタQ2がアクティブとなる。
【0073】
また、寄生トランジスタQ1のエミッタ(=p型領域221c)に印加される出力信号OUT1Bは、電源電圧VMに上側寄生ダイオード214の順方向降下電圧Vfを足し合わせた正電圧(=VM+Vf)となる。一方、寄生トランジスタQ1のベース(=n型ウェル221a)には、電源電圧VMが印加されている。従って、寄生トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧(=Vf)がオン閾値電圧よりも高くなり、寄生トランジスタQ1がアクティブとなる。
【0074】
すなわち、第2の電流オフ動作では、上側寄生ダイオード223を介して電源電圧VMの印加端に至る電流経路で回生電流が流れるだけでなく、寄生トランジスタQ1を介してp型基板300に至る電流経路でサブリーク電流が流れる。このサブリーク電流により、寄生トランジスタQ2のベース電流が増大するので、寄生トランジスタQ2がn型ウェル221aからより大きな電流を引き込むようになる。その結果、寄生トランジスタQ1のベース電位がさらに下がり、寄生トランジスタQ1がp型領域221cからより大きなサブリーク電流を引き込むようになる。
【0075】
上記一連の動作により、寄生トランジスタQ1及びQ2によるラッチアップ構造が形成されると、消費電力の増大、素子の破壊、ないしは、異常発熱などの不具合が生じる。特に、モータ20に大電流を流す必要のあるアプリケーションでは、駆動部200における発熱に大きな影響がある。
【0076】
なお、上記ラッチアップの解消策としては、例えば、
図10Aのように、上側トランジスタ221と下側トランジスタ212との素子間距離dを広げたり、或いは、
図10Bのように、上側トランジスタ221と下側トランジスタ212との間に素子分離層310を埋設したり、若しくは、
図10Cのように、電源電圧VMが印加されたn型ウェル320と接地電圧GNDが印加されたp型ウェル320を形成して下側トランジスタ212をフローティング構造とすることなどが考えられる。しかしながら、これらのラッチアップ解消策では、チップ面積の増大やコストアップを招くというデメリットがある。
【0077】
<電流オフ動作(第3)>
図11は、第3の電流オフ動作を示す電流経路図である。本図でも、
図6や
図7と同様に、第1励磁相の電流オフ動作(特に、期間(1)〜(2)、及び、期間(8)における駆動電流I1の定電流チョッピング駆動)を例示して、第3の電流オフ動作を詳述する。
【0078】
ロジック回路250は、励磁コイル21に流していた駆動電流I1をオン状態からオフ状態に切り替えるとき、第3の電流オフ動作として、上側トランジスタ211と下側トランジスタ222をオフして、上側トランジスタ221と下側トランジスタ212をオンする。このとき、励磁コイル21は、それまで流れていた方向に駆動電流I1を流し続けようとする。従って、駆動電流I1は、本図中の破線矢印で示したように、接地端から、下側トランジスタ212、励磁コイル21、上側トランジスタ221を介して、電源電圧VMの印加端に至る電流経路を流れる。すなわち、励磁コイル21に蓄えられているエネルギーは、電流経路内の抵抗成分で消費されるだけでなく、電源側への回生エネルギーとして消費される。その結果、駆動電流I1は、第2の電流オフ動作時と同じく、第1の電流オフ動作時よりも迅速に減衰する。
【0079】
また、第3の電流オフ動作では、先に説明した第2の電流オフ動作と異なり、回生電流が上側寄生ダイオード223及び下側寄生ダイオード214を介する電流経路に流れないので、各ダイオード223及び214での電圧降下を考える必要もない。従って、OUT1A≒GNDとなり、OUT1B≒VMとなる。その結果、寄生トランジスタQ1及びQ2(先出の
図9を参照)がアクティブとならないので、ラッチアップの発生を未然に防止することができる。
【0080】
ただし、第3の電流オフ動作では、励磁コイル21に蓄えられているエネルギーが尽きると、本図中の破線矢印で示した方向と逆向き、すなわち、電源電圧VMの印加端から、上側トランジスタ221、励磁コイル21、下側トランジスタ212を介して、接地端に至る向きに、逆流電流が流れてしまう。そのため、第3の電流オフ動作を採用する場合には、逆流電流の発生を検知して上側トランジスタ221及び下側トランジスタ212の少なくとも一方をオフするように、別途のオン/オフ制御を行わなければならない。
【0081】
<電流オフ動作(第4)>
図12は、第4の電流オフ動作を示す電流経路図である。本図でも、
図6や
図7、または、
図11と同様に、第1励磁相の電流オフ動作(特に、期間(1)〜(2)、及び、期間(8)における駆動電流I1の定電流チョッピング駆動)を例示して、第4の電流オフ動作を詳述する。
【0082】
ロジック回路250は、励磁コイル21に流していた駆動電流I1をオン状態からオフ状態に切り替えるとき、第4の電流オフ動作として、上側トランジスタ221をオンし、上側トランジスタ211と全ての下側トランジスタ212及び222をオフする。このとき、励磁コイル21は、それまで流れていた方向に駆動電流I1を流し続けようとする。従って、駆動電流I1は、本図中の破線矢印で示したように、接地端から、下側寄生ダイオード214、励磁コイル21、上側トランジスタ221を介して、電源電圧VMの印加端に至る電流経路を流れる。すなわち、励磁コイル21に蓄えられているエネルギーは、電流経路内の抵抗成分で消費されるだけでなく、電源側への回生エネルギーとして消費される。その結果、駆動電流I1は、第2または第3の電流オフ動作時と同じく、第1の電流オフ動作時よりも迅速に減衰する。
【0083】
また、第4の電流オフ動作では、先に説明した第3の電流オフ動作と同じく、回生電流が上側寄生ダイオード223を介する電流経路に流れないので、上側寄生ダイオード223での電圧降下を考える必要がない。従って、OUT1B≒VMとなる。その結果、寄生トランジスタQ1(先出の
図9を参照)がアクティブとならないので、寄生トランジスタQ1を介してp型基板300に至るサブリーク電流を減らすことができる。
【0084】
一方、第4の電流オフ動作では、先に説明した第3の電流オフ動作と異なり、回生電流が下側寄生ダイオード214を介する電流経路に流れるので、下側寄生ダイオード214での電圧降下が生じ、OUT1A=GND−Vfとなる。そのため、寄生トランジスタQ2(先出の
図9を参照)はアクティブとなり、n型ウェル221aから電流を引き込もうとする。ただし、寄生トランジスタQ1がアクティブとなっていなければ、寄生トランジスタQ2のベースにリーク電流が供給されないので、寄生トランジスタQ2に過大な電流が流れることはない。
【0085】
従って、チップ面積の増大やコストアップを招くことなく、ラッチアップの発生を未然に防止することが可能となり、延いては、消費電力の増大、素子の破壊、ないしは、異常発熱などの不具合を解消することが可能となる。特に、定電流チョッピング駆動では、駆動電流I1及びI2が頻繁にオン/オフされるので、第4の電流オフ動作によるラッチアップ対策が非常に有効となる。
【0086】
また、第4の電流オフ動作であれば、先に説明した第3の電流オフ動作と異なり、下側トランジスタ212がオフされているので、励磁コイル21に蓄えられているエネルギーが尽きた時点で、電源電圧VMの印加端から接地端に至る電流経路が自動的かつ速やかに遮断される。従って、逆流電流を防止するために特段のオン/オフ制御を行う必要がなくなるので、逆流電流検出手段を別途設けたり、ロジック回路250の信号処理を複雑化したりせずに済む。
【0087】
なお、上記の実施形態では、定電流チョッピング駆動時の電流オフ動作に着目して、ラッチアップ対策の説明を行ったが、課題となるラッチアップは、それまで流していた駆動電流をオフする瞬間全てにおいて起こり得る現象である。これを鑑みると、上記の電流オフ動作(特に第4の電流オフ動作)は、定電流チョッピング駆動時だけでなく、例えば、モータ20を停止または空転させるとき(異常検出に伴う強制停止を含む)に実施してもよいし、或いは、モータ20のハーフステップ駆動に際して、ロータを1相励磁位置とするとき(
図3の「OFF」期間)に実施してもよい。
【0088】
<駆動部の変形例>
図13は、駆動部200の一変形例を示す回路図である。本変形例の駆動部200は、モータ30として3相ブラシレスDCモータを駆動するものであり、3相ブリッジ出力段を備えている。より具体的に述べると、本変形例の駆動部200は、上側トランジスタPU、PV、PW(例えばPDMOSFET)と、下側トランジスタNU、NV、NW(例えばNDMOSFET)と、を有する。
【0089】
上側トランジスタP*(ただし*=U、V、W、以下も同様)のソースは、電源電圧VMの印加端に接続されている。上側トランジスタP*のドレインと下側トランジスタN*のドレインは、励磁コイルL*の第1端に接続されている。下側トランジスタN*のソースは、接地端に接続されている。励磁コイルL*の第2端は、それぞれ互いに共通接続されている。なお、上側トランジスタP*には、カソードがソースに接続されてアノードがドレインに接続された上側寄生ダイオードP*dが付随している。また、下側トランジスタN*には、カソードがドレインに接続されてアノードがソースに接続された下側寄生ダイオードN*dが付随している。
【0090】
上側トランジスタP*及び下側トランジスタN*は、不図示のロジック回路よりオン/オフ制御される。特に、ロジック回路は、モータ30を停止または空転させるときに、先述の電流オフ動作(
図6、
図7、
図11、または、
図12を参照)を行う。
【0091】
なお、本図では、U相とW相からV相に向けて駆動電流が流れる第1状態から、モータ30を停止または空転させる第2状態へ切り替わるときに、先に述べた第4の電流オフ動作(
図12)を行う場合の電流経路が示されている。
【0092】
第1状態では、上側トランジスタPU及びPWと下側トランジスタNVがオンされて、上側トランジスタPVと下側トランジスタNU及びNWがオフされる。従って、本図中の実線矢印で示したように、VM→PU→LU→LV→NV→GND、及び、VM→PW→LW→LV→NV→GNDという電流経路で駆動電流が流れる。
【0093】
その後、第1状態から第2状態に切り替わると、上側トランジスタPVがオンされ、上側トランジスタPU及びPWと全ての下側トランジスタPU、PV、PWがオフされる。このとき、励磁コイルLU、LV、LWは、それまで流れていた方向に駆動電流を流し続けようとする。従って、駆動電流は、本図中の破線矢印で示したように、GND→NUd→LU→LV→PV→VM、及び、GND→NWd→LW→LV→PV→VMという電流経路で回生電流が流れる。すなわち、励磁コイルLU、LV、LWに蓄えられているエネルギーは、電流経路内の抵抗成分で消費されるだけでなく、電源側への回生エネルギーとして消費される。その結果、駆動電流が迅速に減衰する。
【0094】
また、上記の電流オフ動作であれば、回生電流が上側寄生ダイオードPVdを介する電流経路に流れないので、上側トランジスタPVに付随する寄生トランジスタがアクティブとならない。従って、先に説明した第4の電流オフ動作(
図12)と同じく、チップ面積の増大やコストアップを招くことなく、ラッチアップの発生を未然に防止することが可能となり、延いては、消費電力の増大、素子の破壊、ないしは、異常発熱などの不具合を解消することが可能となる。
【0095】
<車両への適用>
図14は、車両Xの一構成例を示す外観図である。本構成例の車両Xは、不図示のバッテリから電力の供給を受けて動作する種々の電子機器X11〜X18を搭載している。なお、
図14における電子機器X11〜X18の搭載位置については、図示の便宜上、実際とは異なる場合がある。
【0096】
電子機器X11は、エンジンに関連する制御(インジェクション制御、電子スロットル制御、アイドリング制御、酸素センサヒータ制御、及び、オートクルーズ制御など)を行うエンジンコントロールユニットである。
【0097】
電子機器X12は、HID[high intensity discharged lamp]やDRL[daytime running lamp]などの点消灯制御を行うランプコントロールユニットである。
【0098】
電子機器X13は、トランスミッションに関連する制御を行うトランスミッションコントロールユニットである。
【0099】
電子機器X14は、車両Xの運動に関連する制御(ABS[anti-lock brake system]制御、EPS[electric power steering]制御、電子サスペンション制御など)を行うボディコントロールユニットである。
【0100】
電子機器X15は、ドアロックや防犯アラームなどの駆動制御を行うセキュリティコントロールユニットである。
【0101】
電子機器X16は、ワイパー、電動ドアミラー、パワーウィンドウ、ダンパー(ショックアブソーバー)、電動サンルーフ、及び、電動シートなど、標準装備品やメーカーオプション品として、工場出荷段階で車両Xに組み込まれている電子機器である。
【0102】
電子機器X17は、車載A/V[audio/visual]機器、カーナビゲーションシステム、及び、ETC[electronic toll collection system]など、ユーザオプション品として任意で車両Xに装着される電子機器である。
【0103】
電子機器X18は、車載ブロア、オイルポンプ、ウォーターポンプ、バッテリ冷却ファンなど、高耐圧系モータを備えた電子機器である。
【0104】
なお、先に説明したモータ駆動装置10(
図1を参照)は、電子機器X11〜X18のいずれに組み込んでも構わない。また、車両Xが電気自動車やハイブリッド自動車である場合には、車輪駆動用のモータを制御するための手段として、先に説明したモータ駆動装置10を適用することも可能である。
【0105】
<その他の変形例>
上記実施形態では、ステッピングモータや3相ブラシレスDCモータを駆動するモータ駆動装置に本発明を適用した場合を例示したが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、例えば、ブラシ付きDCモータの停止時または空転時においても、上記の電流オフ動作(特に第4の電流オフ動作)を行うことが望ましいと言える。
【0106】
また、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。