(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、逆転ブレーキの期間において、前記矩形信号のエッジの個数を計測するエッジカウンタを含み、前記エッジカウンタのカウント値が所定のしきい値を超えると、逆転ブレーキを終了することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモータ駆動回路。
前記制御部は、逆転ブレーキの期間の長さを測定するタイマー回路を含み、逆転ブレーキの期間が所定時間に到達すると、逆転ブレーキを終了することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のモータ駆動回路。
前記制御部は、前記通常駆動状態において、前記矩形信号のエッジの個数を計測するエッジカウンタを含み、前記エッジカウンタのカウント値に応じて、前記逆転ブレーキの出力を変化させることを特徴とする請求項12に記載のモータ駆動回路。
前記制御部は、前記モータの停止指示を受けたときに、それまでに計測された前記矩形信号のエッジの個数が所定のしきい値より小さいとき、大きいときに比べて前記逆転ブレーキの出力を低下させることを特徴とする請求項13に記載のモータ駆動回路。
前記制御部は、前記モータの停止指示を受けたときに、それまでに計測された前記矩形信号のエッジの個数が所定のしきい値より小さいとき、逆転ブレーキを掛けないことを特徴とする請求項13に記載のモータ駆動回路。
前記制御部は、前記モータの停止指示を受けたときに、前記測定時間が所定のしきい値より短いとき、長いときに比べて前記逆転ブレーキの出力を低下させることを特徴とする請求項17に記載のモータ駆動回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
課題1. 本発明者らは、以下の逆転ブレーキの制御(検討技術という)について検討した。
【0006】
検討技術では、逆転ブレーキの期間中、ホール信号の周期を監視する。そして周期が所定のしきい値を超えると、ロータが十分に減速したものとして、逆転ブレーキを終了する。
【0007】
ブラシレスモータをホール素子からのホール信号と同期して制御する場合、逆転ブレーキの最小時間は、ホール信号の周期により制約を受ける。したがって逆転ブレーキの直前の正転方向のロータのトルクが小さかった場合、ある最小時間以上にわたる逆転ブレーキによりロータに与えたトルクが上回り、ロータが逆回転してしまう場合がある。
【0008】
そして、逆回転し始めた直後において、ホール信号の周期がしきい値を超えていると、逆転ブレーキの終了条件を満たさず、逆転ブレーキから抜け出せず、ロータを逆方向にさらに加速させるおそれがある。
【0009】
課題2. さらに本発明者らは、逆転ブレーキについて検討した結果、以下の課題を認識するに至った。ブラシレスモータをホール素子からのホール信号と同期して制御する場合、逆転ブレーキの最小時間は、ホール信号の周期により制約を受ける。したがって逆転ブレーキの直前の正転方向のロータのトルクが小さかった場合、ある最小時間以上にわたる逆転ブレーキによりロータに与えたトルクが上回り、ロータが逆回転してしまう場合がある。なおこの課題を当業者の一般的な認識として捉えてはならない。
【0010】
本発明のある態様は、上述のいずれかの課題に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的のひとつは、逆転ブレーキによるロータの逆回転を防止あるいは抑制、防止可能なモータ駆動回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1. 本発明のある態様は、モータ駆動回路に関する。モータ駆動回路は、駆動対象のモータのロータの位置を示す矩形信号にもとづいてモータのコイルへの通電を制御する駆動信号を生成する制御部と、駆動信号にもとづいてコイルを駆動する駆動部と、を備える。制御部は、逆転ブレーキの期間中、矩形信号の周期を監視し、周期が短くなると、逆転ブレーキを終了する。
【0012】
この態様によると、ロータの回転数を示す周期の相対変化にもとづいて、ロータの逆方向への回転を直ちに検出でき、これにより逆転ブレーキによるロータの逆回転を抑制できる。
【0013】
制御部は、現在の周期と、過去の周期との大小関係にもとづいて逆転ブレーキを終了してもよい。
【0014】
制御部は、現在の周期をT
CUR、過去の周期をT
PRE、0以上の補正値をT
CORRとするとき、
T
CUR+T
CORR≦T
PRE
を満たしたときに逆転ブレーキを終了してもよい。
【0015】
制御部は、現在の周期をT
CUR、過去の周期をT
PREとするとき、T
CUR<T
PRE
を満たしたときに逆転ブレーキを終了してもよい。
【0016】
過去の周期は、1回前に測定された周期であってもよい。過去の周期は、直近の所定回数に渡り測定された複数の周期にもとづいてもよい。
【0017】
制御部は、逆転ブレーキの期間において、矩形信号の周期が所定のしきい値より長くなると、逆転ブレーキを終了してもよい。制御部は、逆転ブレーキの期間において、矩形信号のエッジの個数を計測するエッジカウンタを含み、エッジカウンタのカウント値が所定のしきい値を超えると、逆転ブレーキを終了してもよい。制御部は、逆転ブレーキの期間の長さを測定するタイマー回路を含み、逆転ブレーキの期間が所定時間に到達すると、逆転ブレーキを終了してもよい。逆転ブレーキの終了条件は、複数を組み合わせてもよい。
【0018】
2. 本発明の別の態様は、モータ駆動回路に関する。モータ駆動回路は、駆動対象のモータのロータの位置を示す矩形信号にもとづいて前記モータのコイルへの通電を制御する駆動信号を生成する制御部と、矩形信号を生成するホールコンパレータと、矩形信号にもとづいてモータのコイルへの通電を制御する制御部と、制御部からの駆動信号にもとづいてコイルを駆動する駆動部と、を備える。制御部は、モータの通常駆動状態においてモータの停止指示を受けると、それまでの通常駆動状態に応じた出力で逆転ブレーキを掛ける。
【0019】
ある態様において制御部は、逆転ブレーキを掛ける前の通常駆動状態を監視することで、モータのロータが正転方向にどれくらいのトルクを有しているか推定できる。そこで、ロータが正転方向に十分に大きなトルクを有していると推定される場合には、大きな出力で逆転ブレーキを掛け、正転方向のトルクが小さいと推定される場合には、逆転ブレーキの出力を低下させ、あるいは出力ゼロすなわち逆転ブレーキを掛けないこととし、これによりロータが逆回転するのを防止できる。
【0020】
ある態様において制御部は、通常駆動状態において発生した矩形信号の切り替わり回数に応じて、逆転ブレーキの出力を変化させてもよい。
矩形信号のレベル遷移の回数が小さければロータの正転方向のトルクが小さいものと推定し、逆転ブレーキの出力を低下させることができる。
【0021】
ある態様において制御部は、通常駆動状態において、矩形信号のエッジの個数を計測するエッジカウンタを含み、エッジカウンタのカウント値に応じて、逆転ブレーキの出力を変化させてもよい。
【0022】
ある態様において制御部は、モータの停止指示を受けたときに、それまでに計測された矩形信号のエッジの個数が所定のしきい値より小さいとき、大きいときに比べて逆転ブレーキの出力を低下させてもよい。
【0023】
ある態様において制御部は、モータの停止指示を受けたときに、それまでに計測された矩形信号のエッジの個数が所定のしきい値より小さいとき、逆転ブレーキを掛けなくてもよい。
【0024】
ある態様において制御部は、通常駆動状態の長さに応じて、逆転ブレーキの出力を変化させてもよい。
通常駆動状態が短ければ、ロータの正転方向のトルクが小さいものと推定し、逆転ブレーキの出力を低下させることができる。
【0025】
ある態様において制御部は、通常駆動状態の長さを測定するタイマー回路を含み、タイマー回路の測定時間に応じて、逆転ブレーキの出力を変化させてもよい。
【0026】
ある態様において制御部は、モータの停止指示を受けたときに、測定時間が所定のしきい値より短いとき、長いときに比べて逆転ブレーキの出力を低下させてもよい。
【0027】
ある態様において制御部は、モータの停止指示を受けたときに、測定時間が所定のしきい値より短いとき、逆転ブレーキを掛けなくてもよい。
【0028】
制御部は、逆転ブレーキの期間において、矩形信号の周期が所定のしきい値より長くなると、逆転ブレーキを終了してもよい。制御部は、逆転ブレーキの期間において、矩形信号のエッジの個数を計測するエッジカウンタを含み、エッジカウンタのカウント値が所定のしきい値を超えると、逆転ブレーキを終了してもよい。制御部は、逆転ブレーキの期間の長さを測定するタイマー回路を含み、逆転ブレーキの期間が所定時間に到達すると、逆転ブレーキを終了してもよい。逆転ブレーキの終了条件は、複数を組み合わせてもよい。
【0029】
ある態様においてモータ駆動回路は、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
【0030】
本発明の別の態様は振動装置に関する。振動装置は、ロータに偏心錘が取り付けられた振動モータと、振動モータを回転させるモータ駆動回路と、を備えてもよい。
【0031】
本発明の別の態様は電子機器に関する。電子機器は、上述の振動装置を備えてもよい。
【0032】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0033】
本発明のある態様によれば、逆転ブレーキにともなうロータの逆回転を抑制、防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0036】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0037】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係るモータ駆動回路100のブロック図である。モータ駆動回路100は、単相ブラシレスモータ(以下、単にモータという)2を駆動する。ホール素子4は、モータ2のロータの位置に応じた一対のホール信号H+,H−を生成する。ホール信号H+,H−は互いに逆相である。
【0038】
モータ駆動回路100には、図示しないホストプロセッサから、モータ2の回転/停止を指示する制御指令S1が入力される。モータ駆動回路100には、ホール信号H+,H−が入力され、制御指令S1が回転を指示するとき、ホール信号H+,H−と同期してモータ2のコイルに通電する。
【0039】
モータ駆動回路100は、ホールコンパレータ102、制御部110、駆動部130を備え、ひとつの半導体基板に一体集積化された機能IC(Integrated Circuit)である。ホールコンパレータ102は、ホール素子4からのホール信号H+,H−を比較し、矩形信号(FG信号ともいう)S2を生成する。制御部110は、矩形信号S2にもとづいて、モータ2のコイルへの通電を制御する駆動信号S3を生成する。駆動部130は、制御部110からの駆動信号S3にもとづいてコイルを駆動する。駆動部130の構成は特に限定されず、公知の回路を用いればよい。
【0040】
制御部110には、モータ2の回転/停止を指示する制御指令S1が入力される。制御部110は、モータ2をある方向(正転方向とする)に回転させている通常駆動状態において、モータ2の停止指示を受けると、逆転ブレーキを掛ける。制御部110は、逆転ブレーキの期間中、ホール信号H+,H−の周期、すなわち矩形信号S2の周期T
P(本実施の形態では半周期とする)を監視し、周期T
Pが短くなると、逆転ブレーキを終了する。
【0041】
制御部110は、通電制御部112、逆転ブレーキ制御部114を含む。通電制御部112は、矩形信号S2と同期した転流制御を行う。逆転ブレーキ制御部114は、逆転ブレーキの終了を制御する。
【0042】
具体的には逆転ブレーキ制御部114は、逆転ブレーキの期間中、矩形信号S2の周期T
Pを測定し、現在の周期T
CURと過去の周期T
PREと比較し、現在の周期T
CURが過去の周期T
PREに比べて短くなると、逆転ブレーキを終了する。これが第1条件である。過去の周期T
PREは、直前の周期T
Pであってもよい。あるいは過去の周期T
PREは、過去の複数サイクルに渡り測定された複数の周期T
Pから計算される値であってもよい。たとえば過去の周期T
PREは、過去の複数の周期T
Pの単純平均や移動平均であってもよい。
【0043】
また逆転ブレーキ制御部114は、逆転ブレーキを開始した後、所定時間T
ENDが経過すると、逆転ブレーキを終了する。これが第2条件である。逆転ブレーキ制御部114は、第1条件、第2条件のいずれかが成立すると、逆転ブレーキを終了する。
【0044】
第1の実施の形態に関連する発明は、
図1のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、回路に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や回路動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例を説明する。
【0045】
図2は、モータ駆動回路100の具体的な構成例を示すブロック図である。逆転ブレーキ制御部114は、周期測定部118および判定部120を含む。周期測定部118は、矩形信号S2の周期(ハイレベル区間、ローレベル区間それぞれの長さ、すなわち半周期)を測定し、測定した周期を示すデータ(周期データ)S5を判定部120に出力する。
【0046】
判定部120は、周期データS5が示す現在の周期T
CURを、メモリに保持した過去の周期T
PREと比較し、それらの大小関係が所定の条件(第1条件)を満たすと、終了信号S7をアサート(たとえばハイレベル)する。また判定部120は、逆転ブレーキを開始後、所定時間T
ENDが経過すると終了信号S7をアサートする。通電制御部112は、終了信号S7がアサートされると逆転ブレーキを終了する。
【0047】
続いてモータ駆動回路100の動作を説明する。
図3(a)、(b)は、
図1のモータ駆動回路100の動作波形図である。はじめに
図3(a)を参照し、第2条件による逆転ブレーキの終了を説明する。時刻t0に制御指令S1が回転を指示するハイレベルとなる。これにより制御部110はモータ2への通電を開始する。モータ2の回転数の上昇にともない、矩形信号S2の周期が短くなっていく。
【0048】
時刻t1に制御指令S1が停止を指示するローレベルとなると、通電制御部112は逆転ブレーキを開始する。逆転ブレーキによりロータが減速し、矩形信号S2の周期が長くなっていく。そして時刻t1から所定時間T
END経過後の時刻t2に、終了信号S7がアサートされ、逆転ブレーキが終了する。
【0049】
続いて
図3(b)を参照し、第1条件による逆転ブレーキの終了を説明する。時刻t0に制御指令S1が回転を指示するハイレベルとなる。これにより制御部110はモータ2への通電を開始する。その直後の時刻t3に、モータ2の回転数が上昇する前に制御指令S1がローレベルとなり、モータ2の停止が指示され、通電制御部112が逆転ブレーキを開始する。
【0050】
周期測定部118は、サイクル毎に矩形信号S2の周期T
P0、T
P1,T
P2、T
P3…を測定する。i番目のサイクルでは、現在の周期T
CUR(=T
Pi)と過去の周期T
PRE(=T
Pi−1)を比較する。ここでは過去の周期T
PREは直前のサイクルの周期T
Pであるとする。
【0051】
逆転ブレーキの開始直後の期間Taにおいては、T
Pi>T
Pi−1が成り立っている。つまり矩形信号S2の周期が徐々に長くなり、ロータが減速している。時刻t4にT
P3>T
P2が検出され第1条件が充足されると終了信号S7がアサートされ、逆転ブレーキが終了する。
【0052】
以上がモータ駆動回路100の動作である。短い通常駆動の後に、逆転ブレーキを掛け続けると、ロータが逆方向に加速されてしまう。これに対して第1の実施の形態に係るモータ駆動回路100によれば、矩形信号S2の周期T
Pを測定し、T
CUR<T
PREが検出されると、ロータが逆方向へと反転したものとみなし、直ちに逆転ブレーキを停止することができる。
【0053】
図4は、逆転ブレーキ制御部114の構成例を示すブロック図である。判定部120は、第1条件、第2条件それぞれを判定する第1判定部120a、第2判定部120bを含む。第2判定部120bはタイマー回路160を含み、逆転ブレーキ開始後の経過時間を測定し、所定時間T
END経過後に、終了信号S7bをアサートする。所定時間T
ENDは、所定のアドレスのレジスタ162の値にもとづいて設定される。所定時間T
ENDは、I
2C(Inter IC)バスなどのインタフェースを介して、外部のホストプロセッサから設定可能とすることが望ましい。
【0054】
第1判定部120aは、メモリ150、比較器152、加算器154、レジスタ156を含む。メモリ150は、過去の周期T
PREを保持する。上述のように、過去の周期T
PREは、直前の周期T
Pであってもよいし、過去の複数の周期T
Pの平均値であってもよい。
【0055】
ホール素子の取り付け位置や、磁界のばらつきによって、ロータが一定速度で回転している場合にも、矩形信号S2の周期T
Pは一定とはならず、変動する場合がある。このことは現在の周期T
Piと1回前の周期T
Pi−1を単純比較した場合に、ロータの逆回転を誤検出しうることを意味する。かかる誤検出を防止するため、第1判定部120aは、周期T
CURを補正する。
【0056】
加算器154は、現在の周期T
CURに補正値T
CORRを加算し、補正された周期T
CUR’を生成する。補正値T
CORRは0以上(≧0)であり、所定のアドレスのレジスタ156の値にもとづいて設定される。所定値T
CORRは、I
2C(Inter IC)バスなどのインタフェースを介して、外部のホストプロセッサから設定可能とすることが望ましい。補正値T
CORRの最適値はモータ2の種類、極数や、そのロータに接続される負荷、慣性モーメントなどに応じて定めればよい。
【0057】
比較器152は、補正された現在の周期T
CUR’と、過去の周期T
PREを比較し、
T
CUR’≦T
PRE
を満たすとき、言い換えれば
T
CUR+T
CORR≦T
PRE
を満たすときに終了信号S7aをアサートする。
【0058】
論理ゲート164は、終了信号S7a、S7bの少なくとも一方がアサートされると、終了信号S7をアサートする。たとえば論理ゲート164はORゲートで構成してもよい。
【0059】
この逆転ブレーキ制御部114によれば、補正値T
CORRに応じて、ロータの逆転検出の感度を調節できる。補正値T
CORRをレジスタ156を利用して外部から設定可能とすることで、モータ駆動回路100が使用されるプラットフォームに最適な制御を実現できる。
【0060】
以上、本発明のある側面について、第1の実施の形態をもとに説明した。第1の実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0061】
(第1変形例)
図4では、現在の周期T
CURを補正したが、反対に過去の周期T
PREを補正してもよい。この場合、メモリ150から読み出した値から、補正値T
CORRを減算し、補正された周期T
PRE’を生成し、T
PREとT
CURを比較してもよい。
【0062】
(第2変形例)
第1の実施の形態では、逆転ブレーキを開始した後、所定時間T
ENDが経過すると、逆転ブレーキを終了することとしたが、本発明はそれには限定されない。
図5は、第2変形例に係る逆転ブレーキ制御部114aのブロック図である。第2変形例では、逆転ブレーキの期間において発生した矩形信号S2の切り替わり回数(エッジの個数)がしきい値を超えたことを第2条件としてもよい。
【0063】
第2判定部120bは、エッジカウンタ170、比較器172、レジスタ174を含む。エッジカウンタ170は、逆転ブレーキの開始後、矩形信号S2のエッジの個数をカウントする。比較器172は、エッジカウンタ170のカウント値S4を所定のしきい値Dと比較し、S4>Dとなると、終了信号S7bをアサートする。しきい値Dは、所定のアドレスのレジスタ174の値にもとづいて設定される。しきい値Dは、I
2C(Inter IC)バスなどのインタフェースを介して、外部のホストプロセッサから設定可能とすることが望ましい。
【0064】
(第3変形例)
第1の実施の形態では、第1条件、第2条件のいずれかが満たされた場合に逆転ブレーキを終了することとしたが、第2条件は省略してもよい。この場合、
図4のタイマー回路160および論理ゲート164は省略してもよい。
【0065】
(第4変形例)
第1の実施の形態では、現在の周期T
CURと過去の周期T
PREの大小関係にもとづいて、逆転ブレーキを終了したが、本発明はそれには限定されない。たとえば連続する複数(たとえば3個以上)の周期に注目し、周期に短縮傾向が見られるときに、逆転ブレーキを終了してもよい。
【0066】
(第5変形例)
ホールコンパレータ102は、ホール素子4を含むホールICに内蔵されてもよい。あるいはホール素子4がモータ駆動回路100に内蔵されてもよい。
【0067】
(第6変形例)
第1の実施の形態では、ホール素子からのホール信号を利用して転流制御を行い、逆転防止の制御するモータ駆動回路100を説明したが、ホール素子からホール信号に代えて、それ以外の回転数情報を含む信号を用いてもよい。
【0068】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態について、
図1を参照して説明する。基本構成については、第1の実施の形態と同様であるから、共通点に関する説明は省略し、その相違点を説明する。
【0069】
制御部110には、モータ2の回転/停止を指示する制御指令S1が入力される。制御部110は、モータ2をある方向(正転方向とする)に回転させている通常駆動状態において、モータ2の停止指示を受けると、それまでの通常駆動状態に応じた出力で逆転ブレーキを掛ける。
【0070】
制御部110は、通電制御部112、逆転ブレーキ制御部114を含む。通電制御部112は、矩形信号S2と同期した転流制御を行う。逆転ブレーキ制御部114は、逆転ブレーキの出力を制御する。具体的には逆転ブレーキ制御部114は、逆転ブレーキを掛ける前の通常駆動状態にもとづいて、逆転ブレーキの出力を変化させる。モータ駆動回路100が、PWM制御を行う場合、逆転ブレーキ制御部114は、モータ2に印加する駆動電圧Vo+/Vo−のデューティ比を変化させて、逆転ブレーキの出力を変化させることができる。
【0071】
以上が第2の実施の形態におけるモータ駆動回路100の構成である。続いてその動作を説明する。
制御指令S1がロータの回転を指示する間、通電制御部112は、矩形信号S2にもとづいて転流制御を行い、モータ2に目標回転数に応じたデューティ比を有する駆動電圧Vo+/Vo−を供給する。通常駆動状態におけるデューティ比は固定値であってもよく、あるいは100%であってもよい。
【0072】
逆転ブレーキ制御部114は、通常駆動状態を監視する。逆転ブレーキ制御部114は、監視結果にもとづいて、モータ2のロータが正転方向にどれくらいのトルクを有しているか推定することができる。そこで、ロータが正転方向に十分に大きなトルクを有していると推定される場合には、大きな出力(定格出力)で逆転ブレーキを掛け、正転方向のトルクが小さいと推定される場合には、逆転ブレーキを定格出力よりも低下させ、あるいは出力ゼロすなわち逆転ブレーキを掛けないこととする。
【0073】
これにより、逆転ブレーキによりロータに与える逆方向トルクが、通常駆動状態に与えられた順方向トルクを上回るのを防止し、ロータが逆回転するのを防止できる。
【0074】
第2の実施の形態に関連する発明は、
図1のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、回路に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や回路動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例を説明する。
【0075】
図6は、第2の実施の形態の第1実施例に係るモータ駆動回路100aのブロック図である。
モータ駆動回路100aの逆転ブレーキ制御部114aは、通常駆動状態において発生した矩形信号S2の切り替わり回数に応じて、逆転ブレーキの出力を変化させる。逆転ブレーキ制御部114aは、エッジカウンタ116、周期測定部118、駆動部130を含む。エッジカウンタ116は、通常駆動状態において、矩形信号S2のエッジの個数を計測する。判定部120は、エッジカウンタ116のカウント値S4に応じて、逆転ブレーキの出力を変化させる。
【0076】
たとえば制御部110(判定部120)は、(i)制御指令S1がモータの停止を指示したとき、それまでにカウントした矩形信号S2のエッジの個数を示すカウント値S4が所定のしきい値Aより大きい場合に、定格出力で逆転ブレーキを掛ける。たとえば定格出力は、70〜100%の範囲のデューティ比であってもよい。
【0077】
たとえば、しきい値Aはロータが1回転(機械角で360°)以下となるよう定めてもよい。たとえば3極ブラシレスモータでは、ロータの1回転で、矩形信号S2のエッジが6回発生し、半回転で3回発生する。そこでA=3〜6程度としてもよい。2極ブラシレスモータでは、ロータの1回転で、矩形信号S2のエッジは2回発生し、半回転で1回発生するため、A=1〜2としてもよい。
【0078】
しきい値Aは、モータ2の種類、極数や、そのロータに接続される負荷、慣性モーメントなどに応じて定めればよく、1〜20程度としてもよい。
【0079】
反対に制御部110(判定部120)は、(ii)それまでにカウントした矩形信号S2のエッジの個数が所定のしきい値Aより小さいとき、逆転ブレーキの出力を定格出力から低下させる。本実施の形態において、制御部110は、計測された矩形信号のエッジの個数が所定のしきい値Aより小さいとき、逆転ブレーキを掛けない。つまり逆転ブレーキの出力は、デューティ比=0%に設定される。
【0080】
周期測定部118は、逆転ブレーキを掛ける間、矩形信号S2の周期(ハイレベル区間、ローレベル区間それぞれの長さ、すなわち半周期)を測定し、測定した周期を示すデータ(周期データ)S5を判定部120に出力する。判定部120は、周期データS5が示す周期が所定のしきい値Bより長くなると、逆転ブレーキを終了する。
【0081】
しきい値Aは、あるアドレスのレジスタに格納する設定データに応じて設定可能とすることが望ましい。同様にしきい値Bも、あるアドレスのレジスタに格納する設定データに応じて設定可能とすることが望ましい。これらのしきい値A、Bは、モータ2の種類、極有や用途によって最適な値が異なるため、モータ駆動回路100を搭載する機器の設計者が、しきい値A,Bを選択できるようにすることで、さまざまなプラットフォームに最適な制御を実現できる。
【0082】
以上がモータ駆動回路100aの構成である。続いてその動作を説明する。
図7(a)、(b)は、
図6のモータ駆動回路100aの動作波形図である。本明細書における波形図やタイムチャートの縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化され、あるいは誇張もしくは強調されている。
【0083】
図7(a)を参照する。時刻t0に制御指令S1が回転を指示するハイレベルとなる。これにより制御部110はモータ2への通電を開始する。モータ2の回転数の上昇にともない、矩形信号S2の周期が短くなっていく。カウント値S4は、モータ2の回転とともに増加し、時刻t1にエッジカウンタ116の上限値Nに到達する。
【0084】
時刻t2に制御指令S1が停止を指示するローレベルとなる。時刻t2において、N>Aであるため、定格出力で逆転ブレーキを掛ける。逆転ブレーキによりロータが減速し、矩形信号S2の周期が長くなっていく。時刻t3に矩形信号S2の周期T
Pがしきい値Bを超えると、逆転ブレーキ期間が終了する。
【0085】
図7(b)を参照する。時刻t0に制御指令S1が回転を指示するハイレベルとなる。これにより制御部110はモータ2への通電を開始する。その直後の時刻t1に、モータ2の回転数が上昇する前に制御指令S1がローレベルとなり、モータ2の停止が指示される。
【0086】
時刻t1において、エッジのカウント値S4は2であり、しきい値A(たとえば3とする)より小さい。したがって逆転ブレーキは掛けずに、回生ブレーキによりロータを停止させ、あるいはロータを自然に停止させる。
【0087】
以上がモータ駆動回路100aの動作である。
図7(b)において、時刻t1におけるモータの正転方向のトルクは非常に小さい。したがって制御指令S1がローレベルとなったときに逆転ブレーキを掛ければ、ロータは逆方向に回転し始めてしまう。そして逆方向に回転し始めた直後に、矩形信号S2の周期T
Pがしきい値Bより短ければ、逆転ブレーキから抜け出せず、ロータを逆方向にさらに加速させるおそれがある。
【0088】
これに対して、
図6のモータ駆動回路100aによれば、通常駆動状態で測定された矩形信号S2のエッジの個数がしきい値Aより小さい場合には、正転方向へのトルクが十分小さいものと推定し、逆転ブレーキを掛けないことで、ロータの逆転を防止できる。
【0089】
また第1実施例は、以下で説明する第2実施例に比べて、以下の利点を有する。第2実施例では、通常駆動状態の長さにもとづいて、モータの正転方向の回転状態を推定し、逆転ブレーキを掛けるべきか否かを切り替えるが、ロータに異物が挟まるなど異常が発生したときには、通常駆動状態の長さが十分長かったとしても、正転方向のトルクが小さく、逆転ブレーキにより、ロータが反転する可能性もあり得る。これに対して、矩形信号S2のエッジの個数がしきい値Aより大きいことは、モータが正転方向に確実に回転していることの根拠となるため、異常状態でもロータが反転するのを防止できる。
【0090】
図8は、第2実施例に係るモータ駆動回路100bのブロック図である。
モータ駆動回路100bの逆転ブレーキ制御部114bは、通常駆動状態の長さに応じて、逆転ブレーキの出力を変化させる。逆転ブレーキ制御部114bは、
図6のエッジカウンタ116に代えてタイマー回路122を備える。タイマー回路122は、通常駆動状態の長さを測定し、測定した長さを示す区間長データS6を生成する。タイマー回路122は、通常駆動状態中に、クロック信号をカウントアップ(あるいはカウントダウン)するデジタルタイマーであってもよい。別の実施の形態においてタイマー回路122はアナログタイマーであってもよい。判定部120は、タイマー回路122の測定時間に応じて、逆転ブレーキの出力を変化させる。
【0091】
たとえば判定部120は、タイマー回路122の測定時間が所定のしきい値Cを超えると、定格出力で逆転ブレーキを掛け、測定時間がしきい値Cより短い状態で、停止が指示されたとき、逆転ブレーキを掛けない、もしくは逆転ブレーキの出力を低下させる。
【0092】
以上が
図8のモータ駆動回路100bの構成である。続いてその動作を説明する。
図9(a)、(b)は、
図8のモータ駆動回路100bの動作波形図である。
図9(a)を参照する。時刻t0に制御指令S1が回転を指示するハイレベルとなる。これにより制御部110はモータ2への通電を開始する。モータ2の回転数の上昇にともない、矩形信号S2の周期が短くなっていく。通常駆動状態の長さを示す区間長データS6は、時間とともに増大していく。タイマー回路122のビット幅は有限であるため、区間長データS6がある上限値に達すると、カウントアップが停止する。
【0093】
時刻t2に制御指令S1が停止を指示するローレベルとなる。時刻t2において、S6>Cであるため、定格出力で逆転ブレーキを掛ける。逆転ブレーキによりロータが減速し、矩形信号S2の周期が長くなっていく。時刻t3に矩形信号S2の周期T
Pがしきい値Bを超えると、逆転ブレーキ期間が終了する。
【0094】
図9(b)を参照する。時刻t0に制御指令S1が回転を指示するハイレベルとなる。これにより制御部110はモータ2への通電を開始する。その直後の時刻t1に、モータ2の回転数が上昇する前に制御指令S1がローレベルとなり、モータ2の停止が指示される。
【0095】
時刻t1において、区間長データS6は、しきい値Cより小さい。したがって逆転ブレーキは掛けずに、回生ブレーキによりロータを停止させ、あるいはロータを自然に停止させる。
【0096】
以上がモータ駆動回路100bの動作である。モータ駆動回路100bによっても、
図6のモータ駆動回路100aと同様の効果が得られる。
【0097】
以上、本発明のある側面について、第2の実施の形態をもとに説明した。第2の実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0098】
(第7変形例)
第2の実施の形態では、反転のおそれがある場合に、逆転ブレーキの出力をゼロとしたが本発明はそれには限定されない。たとえば反転のおそれがある場合に、逆転ブレーキの出力を、ゼロより大きく、定格出力より小さい値、たとえば5〜30%程度としてもよい。
【0099】
(第8変形例)
あるいは、反転のおそれがある場合の逆転ブレーキの出力を、その前の通常駆動状態に応じて適応的に変化させてもよい。たとえば、通常駆動状態で測定された矩形信号S2のエッジの個数が少ないほど、逆転ブレーキの出力を低下させてもよいし、通常駆動状態の長さが短いほど、逆転ブレーキの出力を低下させてもよい。
【0100】
(第9変形例)
第2の実施の形態では、矩形信号S2の周期T
Pがしきい値Bを超えると、逆転ブレーキ期間を終了したが本発明はそれに限定されない。第9変形例では、逆転ブレーキの期間において発生した矩形信号S2の切り替わり回数(エッジの個数)がしきい値を超えたことを契機として、逆転ブレーキを終了する。
図6の第1実施例に第9変形例を適用する場合、エッジカウンタ116を用いて、逆転ブレーキの期間中の矩形信号S2のエッジの個数をカウントすることができる。判定部120は、逆転ブレーキ中に発生したエッジの個数S4がしきい値Dを超えると、逆転ブレーキを終了する。
【0101】
図8の第2実施例に第9変形例を適用する場合、逆転ブレーキ制御部114bに、エッジカウンタ116を追加すればよい。
【0102】
(第10変形例)
第10変形例では、逆転ブレーキ期間の長さが所定時間T
ENDに達すると、逆転ブレーキを終了する。
図8の第2実施例に第10変形例を適用する場合、タイマー回路122を用いて、逆転ブレーキの期間の長さを測定すればよい。判定部120は、タイマー回路122が測定した逆転ブレーキの期間を所定時間T
ENDと比較する。
【0103】
図6の第1実施例に第10変形例を適用する場合、逆転ブレーキ制御部114aにタイマー回路122を追加すればよい。
【0104】
(第11変形例)
ホールコンパレータ102は、ホール素子4を含むホールICに内蔵されてもよい。あるいはホール素子4がモータ駆動回路100に内蔵されてもよい。
【0105】
(第12変形例)
第2の実施の形態では、ホール素子からのホール信号を利用して転流制御を行い、逆転防止の制御するモータ駆動回路100を説明したが、ホール素子からホール信号に代えて、それ以外の回転数情報を含む信号を用いてもよい。
【0106】
第1の実施の形態の任意の特徴と第2の実施の形態の任意の特徴とは組み合わせることが可能であり、それらの組み合わせも発明の一態様として有効である。
【0107】
(用途)
続いて第1あるいは第2の実施の形態で説明したモータ駆動回路100の用途を説明する。
図10(a)は、モータ駆動回路100を備える電子機器300aの斜視図であり、
図10(b)は、振動モータユニットの断面図である。
【0108】
電子機器300は、振動機能を有するデバイスであり、たとえば携帯電話端末、スマートホン、タブレットPC、携帯ゲーム機器、ゲームコンソールのコントローラなどが例示される。
図10(a)には、代表としてスマートホンが示される。
【0109】
電子機器300は、振動装置302およびホストプロセッサ304を備える。振動装置302は、モータ2およびモータ駆動回路100が一体に構成され、カバーで覆われた振動モータユニットである。
図10(b)に示すように、基板310の上に、モータ駆動回路100やコイル312が実装される。またシャフト316にはワッシャー314が取り付けられており、回転自在に支持される。シャフト316の先端には、偏心した錘318aと、その内周部に埋め込まれた永久磁石318bを有するロータ318が取り付けられる。振動装置302全体はカバー320で覆われる。
【0110】
モータ駆動回路100は、ホストプロセッサ304からの制御指令S1に応答して、モータ2を回転させる。ホストプロセッサ304は、ベースバンドプロセッサあるいはアプリケーションプロセッサであり得る。
【0111】
図11は、別構成の電子機器300bの斜視図である。モータ2のロータには、偏心錘306が取り付けられる。モータ2は、ホール素子を不要とする構成である。
【0112】
以上が電子機器300a、300bの構成である。振動装置302に実施の形態に係るモータ駆動回路100を採用することで、逆転ブレーキによりロータが逆回転して振動が持続するのを防止でき、振動を直ちに止めることができる。
【0113】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。