【実施例】
【0042】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
尚、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による数平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMH
HR−Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0重量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
【0043】
〔紫外線硬化型下刷りワニス1の製造方法〕
表1、2の組成に従って、製造例1〜9、表3、4の組成に従って、製造比較例1〜8のワニスを3本ロールミルにて練肉することによって、各種紫外線硬化型下刷りワニスを得た。尚、表1〜4の数値は質量%である。
【0044】
〔紫外線硬化型上刷りワニス2の製造方法〕
表2の製造例10の組成に従って、上刷りワニス2を3本ロールミルにて練肉することによって得た。また、参考例としてマット剤であるZEST PQHT(塩化ビニル樹脂)をワニス全量の5質量%添加したマットOPニスを表4の参考製造例1に従って同様に練肉した。
【0045】
〔印刷物の作製方法〕
UV墨インキを簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を用い、インキ0.10mlを使用して、RIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、コートボール紙(王子マテリア社製UFコート、米坪350g/m
2)の表面に、200cm
2の面積にわたって均一に塗布されるように展色し、展色物を作製した。なおRIテスターとは、紙やフィルムにインキを展色する試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することが可能である。
インキ塗布後の展色物に活性エネルギー線である紫外線(UV)照射を行い、インキ皮膜を硬化させた。空冷メタルハライドランプ(出力120W/cm1灯)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置(アイグラフィックス社製、コールドミラー付属)を使用し、展色物をコンベア上に載せ、ランプ直下(照射距離11cm)を分速40メートルの速度で通過させることにより、インキ皮膜を硬化させた。
上記墨印刷物の表面に段落〔0043〕で得られた下刷りワニスを簡易展色機を用い、インキ0.10mlを使用して、RIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、200cm
2の面積にわたって均一に塗布されるように展色し、展色物を作製した。インキ塗布後の展色物に活性エネルギー線である紫外線(UV)照射を行い、インキ皮膜を硬化させた。空冷メタルハライドランプ(出力120W/cm1灯)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置を使用し、展色物をコンベア上に載せ、ランプ直下(照射距離11cm)を分速40メートルの速度で通過させることにより、インキ皮膜を硬化させた。
更に段落〔0044〕で得られた上刷りワニスを簡易展色機を用い、インキ0.10mlを使用して、RIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、200cm
2の面積にわたって均一に塗布されるように展色し、展色物を作製した。インキ塗布後の展色物に活性エネルギー線である紫外線(UV)照射を行い、インキ皮膜を硬化させた。空冷メタルハライドランプ(出力120W/cm1灯)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置を使用し、展色物をコンベア上に載せ、ランプ直下(照射距離11cm)を分速40メートルの速度で通過させることにより、インキ皮膜を硬化させた。
【0046】
〔印刷物の評価方法1:マット性(光沢値)〕
得られた印刷物をグロスメーター(Multi−Gloss268 コニカミノルタ製)を用い60°反射角の光沢値を測定した。適性値として5〜22を合格品とする。
【0047】
〔印刷物の評価方法2:マット性(目視評価)〕
得られた印刷物を目視にてマット感を評価した。
◎ :マット感が非常に強い。
○ :マット感が強い。
△ :マット感が弱い。
× :マット感が見られない。
【0048】
〔印刷物の評価方法2:黒色感〕
得られた印刷物を目視にて黒色感を評価した。
○ :通常マットOPニス印刷物と黒色感が同等。
△ :通常マットOPニス印刷物より黒色感が若干劣る。
× :通常マットOPニス印刷物より黒色感が明らかに劣る。
【0049】
〔印刷物の評価方法3:耐摩擦性〕
学振型耐摩擦試験機にて、上質紙を貼付した荷重500gで得られた印刷物を500回擦り、塗膜の取られ具合を評価した。
○ :塗膜に一部に傷が付く。傷の数は5本以内。
△○:塗膜の一部に傷が付く。傷の数は5本以上
△ :塗膜面積の30%以上に傷が見られる。
△×:塗膜面積の50%以上に傷が見られる。
× :塗膜面積の全面に傷が見られる。
【0050】
〔印刷物の評価方法4:ブラン残り・版残り〕
小森コーポレーション製UVオフセット印刷機にて1000枚印刷した後のブランケット・版の画線部に目視で確認し、インキの残り具合を評価した。
○ :ブランケット・版上に残るインキ量が通常UVOPニスと同等。
△ :ブランケット・版上に残るインキ量が通常UVOPニスよりやや多い。
× :ブランケット・版上に残るインキ量が通常UVOPニスより多い。
【0051】
〔印刷物の評価方法5:インキ流動性〕
段落〔0043〕にて得られた下刷りワニス1(インキ)を25℃の環境下で平行版粘度計を用い、115gの荷重を落下させてから1分後のインキ膜の直径を比較する。
○ :インキ膜の直径が30mm以上
△ :インキ膜の直径が25〜30mm
× :インキ幕の直径が25mm未満
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
表1〜4に示す諸原料及び略を以下に示す。
・ZEST PQHT:トクヤマ社製塩化ビニル樹脂
・炭酸カルシウム PC:白石カルシウム(株)社製 一次粒子径1500NM(長径)
・ハイフィラー :含水ケイ酸マグネシウムのハイフィラー(タルク)#5000PJ、松村産業(株)社製
・チタン CR58−2:塩素法ルチル型酸化チタン、平均粒子径28(μm)、吸油量18、石原産業(株)社製
・ダイソーダップ A:ジアクリルフタレート樹脂、ダイソー製
・アロニックス M−7300K:ポリエステルアクリレート、東亜合成(株)社製
・DPHA:MIRAMER M−600、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
、MIWON社製
・SR355NS:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DITMPTA)、サートマー社製
・MIRAMER M−240:ビスフェノールA(EO変性)ジアクリレート、東洋ケミカルズ(株)社製
・MIRAMER M−3130:トリメチロールプロパン(EO変性)トリアクリレート、東洋ケミカルズ(株)社製
・IRGACURE 907:α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノプロパン−1−オン等は数平均分子量(279.4)、BASF社製
・IRGACURE 184:1−ヒドロキシシロヘキシルフェニルケトン、BASF社製
・S−381−N1:ポリエチレンワックス、シャムロック社製
・TEGO RAD 2700、シリコーンアクリレート(数平均分子量:7000)、エボニック社製
・シリコン KF−96 100CS:ジメチルシロキサン構造を持つシリコーンオイル、信越化学工業(株)社製
・シリコン TSF−451−6M、ジメチルシロキサン構造を持つシリコーンオイル(数平均分子量:60,000)、動粘度60,000mm
2/S、(株)タナック社製
・シリコン TSF−451−10M、ジメチルシロキサン構造を持つシリコーンオイル(数平均分子量:100,000)、動粘度100,000mm
2/S、(株)タナック社製
・シリコン TSF−451−50M、ジメチルシロキサン構造を持つシリコーンオイル(数平均分子量:500,000)、動粘度500,000mm
2/S、(株)タナック社製
・シリコン TSF−451−60M、ジメチルシロキサン構造を持つシリコーンオイル(数平均分子量:600,000)、動粘度600,000mm
2/S、(株)タナック社製
・Q−1301:ニトロソアミン系重合開始剤、和光純薬工業(株)社製
【0057】
評価結果を表5,6に示す。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
オフセット印刷機の版胴を用いて作製した紫外線硬化型下刷りワニス1による下刷り層と、紫外線硬化型上刷りワニス2による上刷り層が重なる部分は、上刷り層ははじきにより微粒子状となり、マット調の視覚効果を発現させる一方、黒色感を損なう事なく、ブラン残り、版残りと言った印刷適性を保持しつつ、皮膜の耐摩耗性をも確保できる。
また、参考例で示す通り、マット剤を含有したマットOPニスを使用し、ニスコーターを用いた極一般的なマット加工を施した印刷物では、マット調の視覚効果は得られても、耐摩耗性が得られず、ブラン残り・版残り等の印刷適性も劣る。