特許第6739225号(P6739225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ DICグラフィックス株式会社の特許一覧

特許6739225マット感を有する印刷物、及びその作製方法
<>
  • 特許6739225-マット感を有する印刷物、及びその作製方法 図000008
  • 特許6739225-マット感を有する印刷物、及びその作製方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739225
(24)【登録日】2020年7月27日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】マット感を有する印刷物、及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   B41M 1/18 20060101AFI20200730BHJP
   B41M 1/06 20060101ALI20200730BHJP
   C09D 11/101 20140101ALI20200730BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20200730BHJP
   C09D 133/06 20060101ALI20200730BHJP
   C09D 7/42 20180101ALI20200730BHJP
   C09D 4/02 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   B41M1/18
   B41M1/06
   C09D11/101
   C09D5/00 D
   C09D133/06
   C09D7/42
   C09D4/02
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-93846(P2016-93846)
(22)【出願日】2016年5月9日
(65)【公開番号】特開2017-202574(P2017-202574A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2019年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】310000244
【氏名又は名称】DICグラフィックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(72)【発明者】
【氏名】田島 寛一
(72)【発明者】
【氏名】小林 健作
【審査官】 中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−276326(JP,A)
【文献】 特開2008−184214(JP,A)
【文献】 特開昭56−116763(JP,A)
【文献】 特開昭61−147596(JP,A)
【文献】 特開2005−047951(JP,A)
【文献】 特開2013−022500(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0304639(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 1/18
B41M 1/06
C09D 4/02
C09D 5/00
C09D 7/42
C09D 11/101
C09D 133/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に、紫外線硬化型インキを用いた印刷層が設けられ、前記基材及び印刷層の表面上に、部分的又は全面に紫外線硬化型下刷りワニス1による下刷り層が設けられ、前記基材、印刷層及び下刷り層の上に、紫外線硬化型上刷りワニス2による上刷り層が全面又は部分的に設けられ、前記下刷り層と前記上刷り層とが重なる部分は、上刷り層がはじきにより微粒子状となりマット調の視覚効果を発現させ、重ならない部分は連続した皮膜で光沢調となること特徴とする印刷物であって、
前記紫外線硬化型下刷りワニス1が、(メタ)アクリレートモノマー及び/又は(メタ)アクリレートオリゴマー、樹脂、光重合開始剤、体質顔料、及び助剤を含有し、前記助剤として数平均分子量が100,000〜500,000のポリジメチルシロキサンをワニス全量の0.5〜15質量%を含有することを特徴とする印刷物。
【請求項2】
前記紫外線硬化型上刷りワニス2が、(メタ)アクリレートモノマー及び/又は(メタ)アクリレートオリゴマー、樹脂、光重合開始剤、及び体質顔料を含有するワニス2を用いた請求項1記載の印刷物。
【請求項3】
更に前記紫外線硬化型下刷りワニス1及び/又は前記紫外線硬化型上刷りワニス2が、酸化チタンを各ワニス全量の0.1〜5質量%含有する請求項1又は2記載の印刷物。
【請求項4】
前記の紫外線硬化型下刷りワニス1による下塗り層、及び前記紫外線硬化型上刷りワニス2による上塗り層、オフセット印刷によって形成する請求項1に記載の印刷物の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマット感を付与する印刷物、及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商業印刷分野に於いては、印刷物の美粧化を目的として、印刷物にコーティング剤(業界ではニスとも呼ばれる)を塗布する塗り加工(水性ニス、UVクリヤー)、又、水性ニス塗布された印刷物を鏡面のステンレス板で加熱、加圧して印刷物に鏡面光沢を付与するプレス加工、及び印刷物にOPP、PET等のフィルムを貼合させるラミネート加工等各種の表面加工が実施されている。
【0003】
近年、印刷物には美粧性や機能を付与し、競合製品との差別化を図ろうとする試みが増えつつある。この理由は、印刷物のデザイン、機能や意匠性・美粧性が商品販売に与える影響が大きいからである。
【0004】
美粧性付与の一つにマットニス加工と呼ばれる手法がある。これは「塗り加工」の一つである。
「塗り加工」は印刷された基材にニスを塗工したものを指し、ニスの種類としては、グロスタイプ、セミマットタイプ、マットタイプなどがある。
【0005】
一般的にマットニス加工は、i)印刷胴にてマットOPニスを用いたマット加工。ii)コーター付きオフセット印刷機の所有の場合、水性マットニス加工 iii)オフラインコーターでの水性マットニス加工などが代表的である。
【0006】
前述に述べた一般的なマット加工の共通点はマット剤を使用している事であり、例えばマット剤としてシリカを使用した発明が成されている(例えば、特許文献1)。マット剤は比較的高アスペクト比であり、バインダー層からマット粒子が規則性なく露出し、光の乱反射を利用してマット効果を達成している。
【0007】
その為、塗布膜を爪などで引っかく事、マット印刷物を製缶ラインに流す事で生じるガードレール部などでの接触等により露出したマット剤が折れる状況となり、凸であった表面部が平となり、光の乱反射が少なくなり該当部は光沢となる為、該部に傷が入って不良品となる問題が避けられない。
【0008】
また、ロールコーターを使わずに「一般のUVオフセット印刷機」でマット加工を実施する際は、紫外線硬化型マットOPニスを使用する事しか選択肢がない。紫外線硬化型マットOPニスは、マット剤を含む為、色インキに比べ転移性が劣り、ブラン残り・版残りなど印刷適性が極めて悪い。又、仕上がる塗布膜もインキ層と同じ1〜2ミクロン程度でマット性も弱く、傷つきにも弱点がある。
そこで品質良く製品化したい場合、「一般のUVオフセット印刷機」使用の場合、印刷後、オフラインの別工程にてロールコーターを用いマット加工を行うケースが多く、この場合、移動費、外注費、などコスト高となる現状がある。
一方で、UV擬似エンボス加工が挙げれるが、インラインコーター付きの印刷機が必要となり、通常の印刷機のオフセット胴ではこの加工はできない。
コーティング装置を必要とせずとも「一般のUV印刷機のオフセット胴」を用いて、手軽にマット加工を行う事ができる印刷物及びその作製方法の確立が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−229302
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、コーティング装置を必要とせずに「一般のUV印刷機のオフセット胴」を用い、紫外線硬化型下刷りワニス層と紫外線硬化型上刷りワニス層の2層によるハジキを利用し、マット調の視覚効果を発現させる一方、黒色感を損なう事なく、ブラン残り、版残りと言った印刷適性を保持しつつ、皮膜の耐摩耗性をも確保できる傷に強いマット加工を付与する印刷物及びその作製方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者らは鋭意研究を重ねた結果、基材及び印刷層の表面上に設けた、紫外線硬化型下刷りワニス1による下刷り層による紫外線硬化型上刷りワニス2のはじきによる塗布膜の微細な凹凸を作り、光の乱反射でマット効果を再現し、黒色感を損なう事なく、ブラン残り、版残りと言った印刷適性を保持しつつ、皮膜の耐摩耗性をも確保できる傷に強い性能を併せ持つことを特徴とする印刷物及びその作製方法を提供する。
【0012】
即ち、本発明は、基材上に、紫外線硬化型インキを用いた印刷層が設けられ、前記基材及び印刷層の表面上に、部分的又は全面に紫外線硬化型下刷りワニス1による下刷り層が設けられ、前記基材、印刷層及び下刷り層の上に、紫外線硬化型上刷りワニス2による上刷り層が全面又は部分的に設けられ、前記下刷り層と前記上刷り層とが重なる部分は、上刷り層ははじきにより微粒子状となり、マット調の視覚効果を発現させ、重ならない部分は連続した光沢の皮膜を形成していることを特徴とする印刷物であって、前記紫外線硬化型下刷りワニス1が、(メタ)アクリレートモノマー及び/又は(メタ)アクリレートオリゴマー、樹脂、光重合開始剤、体質顔料、及び助剤を含有し、前記助剤として数平均分子量が100,000〜500,000のポリジメチルシロキサンをワニス全量の0.5〜15質量%を含有することを特徴とする印刷物を提供する。
【0013】
また、本発明は前記紫外線硬化型上刷りワニス2が、(メタ)アクリレートモノマー及び/又は(メタ)アクリレートオリゴマー、樹脂、光重合開始剤、及び体質顔料を含有するワニス1を用いた印刷物を提供する。
【0014】
また、本発明は更に前記紫外線硬化型下刷りワニス1及び/又は紫外線硬化型上刷りワニス2が、酸化チタンを各ワニス全量の0.1〜5質量%含有する印刷物を提供する。
【0015】
また、発明は前記の紫外線硬化型下刷りワニス1による下塗り層、及び紫外線硬化型上刷りワニス2による上塗り層が、オフセット印刷によって形成する印刷物の作製方法をも提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、コーティング装置を必要とせずに「一般のUV印刷機のオフセット胴」を用い、紫外線硬化型下刷りワニス層と紫外線硬化型上刷りワニス層の2層によるハジキを利用し、傷に強いマット加工を付与する印刷物及びその作製方法を提供することが出来る。マット調を得る為にマット剤を添加させた汎用のOPマットニスの場合、「紫外線硬化型マットOPニス」によるマット加工、オフラインコーターによる別工程のマット加工の何れもが、比較的高アスペクト比のマット剤を配合しているのが一般的であるため、出来た塗布膜はバインダーから不規則に突起したマット剤が光を乱反射させる事でマット感を発現させために、爪や製造工程のコスレ、パッケージ成型後の運搬によって、バインダーから発起したマット粒子が折れ、傷が容易に発生する事が難点となるからである。
従来のマット剤によるOPマットニスで見らえるバインダーからマット剤が突き出る状況(図1)から、本発明によるマット効果は円形に近い形で存在するはじきの粒(図2)となるため、爪や製造工程のコスレによって、突起が折れるという事が無くなり、傷が付き難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】マット剤を添加した一般的なOPマットニスによる塗布層の加工断面の見取り図である。
図2】本発明による紫外線硬化型下刷りワニス層と紫外線硬化型上刷りワニス層の2層によるハジキによる加工断面の見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に付いて詳細を説明する。尚、特記しない限り、明細書中の%及び部は全て質量基準である。
【0019】
本発明の印刷物は、基材上に、紫外線硬化型インキを用いた印刷層が設けられ、前記基材及び印刷層の表面上に、部分的又は全面に紫外線硬化型下刷りワニス1による下刷り層が設けられ、前記基材、印刷層及び下刷り層の上に、紫外線硬化型上刷りワニス2による上刷り層が全面又は部分的に設けられ、前記下刷り層と前記上刷り層とが重なる部分は、上刷り層がはじきにより微粒子状となりマット調の視覚効果を発現させ、重ならない部分は連続した皮膜で光沢調となること特徴とする印刷物であって、前記紫外線硬化型下刷りワニス1が、(メタ)アクリレートモノマー及び/又は(メタ)アクリレートオリゴマー、樹脂、光重合開始剤、体質顔料、及び助剤を含有し、前記助剤として数平均分子量が100,000〜500,000のポリジメチルシロキサンをワニス全量の0.5〜15質量%を含有することを特徴とするものである。
【0020】
前記紫外線硬化型下刷りワニス1による下刷り層は、ベタ状に全面に渡って形成されてもよいし、網点状もしくはデザイン絵柄状に部分的に形成されたものでよい。紫外線硬化型上刷りワニス2による上刷り層についても同様に、ベタ状に全面に渡って形成されてもよいし、網点状もしくはデザイン絵柄状に部分的に形成されたものでよい。
【0021】
本発明により、コーティング装置を必要とせずに「一般のUV印刷機のオフセット胴」を用い、紫外線硬化型下刷りワニス層と紫外線硬化型上刷りワニス層の2層によるハジキを利用し、傷に強いマット加工を付与する印刷物及びその作製方法を提供することが出来る。
【0022】
前記紫外線硬化型下刷りワニス1には、(メタ)アクリレートモノマー及び/又は(メタ)アクリレートオリゴマー、樹脂、光重合開始剤、体質顔料、及び助剤を含有し、前記助剤として数平均分子量が100,000〜500,000のポリジメチルシロキサンをワニス全量の0.5〜15質量%を含有する。
【0023】
前記紫外線硬化型下刷りワニス1、及び紫外線硬化型上刷りワニス2で使用する(メタ)アクリルモノマー及び/又は(メタ)アクリルオリゴマーから任意に選んで用いることができる。なお本発明において「(メタ)アクリル」とはアクリルとメタクリルとを総称したものである。
【0024】
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0025】
2官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート、グリセリン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0026】
重合性オリゴマーとしては、上述したアミン変性アクリレートの他に、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオレフィン(メタ)アクリレート、ポリスチレン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0027】
UV−LED光源の様な低エネルギーで紫外線硬化型オフセットインキを好適に硬化させるという点では、より反応性の高い3官能以上の紫外線硬化性モノマーを用いた方が硬化性や皮膜の強度を考慮すれば有利ではあるが、軟包装用フィルム等の印刷基材への接着性、インキ硬化膜のひび割れを抑制した皮膜の柔軟性をより優先して考慮すれば、単官能〜3官能の重量平均分子量1,000以下のアクリレートを使用することがより好ましい。
【0028】
本発明の印刷物で用いる紫外線硬化型下刷りワニス1、及び紫外線硬化型上刷りワニス2で使用する(メタ)アクリルモノマー及び/又は(メタ)アクリルオリゴマー成分は、後述の例に示されるが、好ましくはインキ全量の50〜90質量%含有し、より好ましくは60〜85質量%含有する。
【0029】
本発明の印刷物で用いる紫外線硬化型下刷りワニス1、及び紫外線硬化型上刷りワニス2で使用する原料樹脂の例として、ジアリルフタレート樹脂(DAP樹脂)であるダイソーダップシリーズ(ダイソーダップA、ダイソーダップS、ダイソーダップK、いずれもダイソー社製)は優れた皮膜強度を有することから使用可能である。
その他重合基を有する樹脂オリゴマーも挙げられ、分子中に重合性基を有さない非反応性樹脂類(イナート樹脂)と比較して反応性が高く、重合基を有する樹脂オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート、脂肪族アクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられ、これらを組合せて使用してよい。公知公用の各種バインダー樹脂を利用することができる。ここで述べるバインダー樹脂とは、適切な体質顔料との親和性と分散性を有し、ニスに要求されるレオロジー特性を有する樹脂全般を示しており、例えば非反応性樹脂としては、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、セルロース誘導体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン−アクリルニトリル共重合体等を挙げることができ、または樹脂分子中に少なくとも1つ以上の重合性基を有するエポキシアクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物、ポリエステルアクリレート化合物等を使用することもでき、これらバインダー樹脂化合物は、単独で使用しても、いずれか1種以上を組合せて使用してもよい。
【0030】
本発明の印刷物で用いる光重合開始剤としては、350〜420nmの波長域を持つ紫外線光源で露光する場合、増感効果を目的に例えばα−アミノアルキルフェノン系化合物、α−ヒドロキシケトン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チオキサントン系化合物、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物等、各種光重合開始剤を少量づつ併用することで硬化性を維持するのができる。しかしこれらの光重合開始剤の併用により、硬化性は維持できても黄変と異臭は増すこと回避できず、硬化性と黄変・異臭はトレードオフの関係にある。
【0031】
α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノプロパン−1−オン等は数平均分子量(279.4)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンー1(数平均分子量:366.5)、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(数平均分子量:380.5)等が挙げられ、これらはどれか1つ以上含まれればよく、複数組み合わせて用いてもよい。
【0032】
α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(数平均分子量:204.3)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(数平均分子量:164.2)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2-ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(数平均分子量:340.4)、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン)(数平均分子量:424.57)、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)フェノキシ〕フェニル}−2−メチルプロパノン(数平均分子量:342.39)等があげられ、これらはどれか1つ以上含まれればよく、複数組み合わせて用いてもよい。
【0033】
前記アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル等のモノアシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類が、紫外線発光ダイオードの発光波長領域に合致するUV吸収波長を有することで、好適な硬化性が得られ、且つ、硬化皮膜の黄変と光重合開始剤自身の臭気が少ない点でより好ましい。
【0034】
光重合開始剤の添加率の総計は、ニス全量の0.1〜15質量%含有することが好ましい。0.1質量%未満の添加量では乾燥性が低下する一方、15質量%を超える添加量では、光重合開始剤量が過剰となり、ニスの流動性を損なうことから好ましくない。
【0035】
本発明の印刷物で用いる紫外線硬化型下刷りワニス1、及び紫外線硬化型上刷りワニス2で使用する体質顔料は、ニスの流動性調整や印刷時のミスチング防止、紙基材への浸透防止等の物性改良・機能性付与を目的として幅広く使用されている。体質顔料としては公知公用の着色用有機顔料を挙げることができ、例えば「顔料便覧(編集:日本顔料技術協会編)」に掲載される印刷インキ用体質顔料等が挙げられ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、マイカ、硫酸バリウム、シリカ及び水酸化アルミニウム等が使用可能である。
【0036】
また、前記体質顔料の含有率は、ニス全量の0.5〜30質量%が好ましく、より好ましくは、1.0〜20質量%が望ましい。体質顔料含有率が0.5質量%未満であると印刷時の乳化安定性、乳化流動性に効果が見られず、30質量%より多いとニスの流動性、転移性が損なわれる為好ましくない。
【0037】
本発明の印刷物では、紫外線硬化型下刷りワニス1による下塗りニス塗工部に特殊シリコンである数平均分子量が100,000〜500,000のポリジメチルシロキサンをワニス全量の0.5〜15質量%添加することで、下刷りワニス1上にグロスタイプの紫外線硬化型上刷りワニス2を塗布することでマット感を発現できる。ポリジメチルシロキサンはジメチルシリコーンオイル等の名称で販売されているものが使用可能である。尚、シリコーンアクリレートや変性シリコーンオイルでは、ポリジメチルシロキサンに相当する効果が得られない。たとえマット感が得られた場合でも、十分な耐スクラッチ性や耐摩擦性、インキの流動性が得られない。ポリジメチルシロキサンの数平均分子量が100,000以下の場合、マット感が得られない一方、数平均分子量が500,000以上の場合、下刷りワニス中への分散が不十分となりインキの流動性が低下する傾向にある。また、ワニス全量の0.1質量%を下回るとマット感が得られず、15質量%を超えるとインキの流動性が低下する傾向が見られる。
また、前記数平均分子量が100,000〜500,000のポリジメチルシロキサンの25℃における動粘度の範囲は90,000〜550,000mm/Sである事が好ましい。
【0038】
本発明の印刷物では、ニス塗工部の硬化性を向上させる目的でワックスを添加することができる。前記ワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバワックス、みつろう、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、アマイドワックスなどのワックス、ヤシ油脂肪酸や大豆油脂肪酸などのC8〜C18程度の範囲にある脂肪酸等を挙げることができる。中でもポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックスに代表されるパウダータイプ又は粒子タイプのポリオレフィンワックスは良好なニス流動性と硬化性が得られるため好ましい。また本発明で使用する紫外線硬化型下刷りワニス1、及び紫外線硬化型上刷りワニス2について、ワックスの総使用量は、各々ニス全量の0.1〜5質量%の範囲であることが好ましい。
【0039】
本発明の印刷物作製にあたっては、上記した各成分の他の配合物として、必要に応じ重合禁止剤、染料、有機溶剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、顔料分散剤等の添加剤を使用することができる。
【0040】
本発明の印刷物に使用する印刷基材としては特に限定は無く、例えばカタログ、ポスター、チラシ、CDジャケット、ダイレクトメール、パンフレット、化粧品や飲料、医薬品、おもちゃ、機器等のパッケージ等の印刷に用いられる上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、各種合成紙、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ乳酸、ポリカーボネート等のフィルム又はシート、セロファン、アルミニウムフォイル、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を挙げることが出来る。
【0041】
本発明で述べる活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物の製造は、従来の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物紫と同様に、前記(メタ)アクリレートモノマー、バインダー樹脂、光重合開始剤、体質顔料、重合禁止剤、その他添加剤等を配合してミキサー等で撹拌混合し、三本ロールミル、ビーズミル等の分散機を用いて練肉することで製造される。
【実施例】
【0042】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
尚、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による数平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0重量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
【0043】
〔紫外線硬化型下刷りワニス1の製造方法〕
表1、2の組成に従って、製造例1〜9、表3、4の組成に従って、製造比較例1〜8のワニスを3本ロールミルにて練肉することによって、各種紫外線硬化型下刷りワニスを得た。尚、表1〜4の数値は質量%である。
【0044】
〔紫外線硬化型上刷りワニス2の製造方法〕
表2の製造例10の組成に従って、上刷りワニス2を3本ロールミルにて練肉することによって得た。また、参考例としてマット剤であるZEST PQHT(塩化ビニル樹脂)をワニス全量の5質量%添加したマットOPニスを表4の参考製造例1に従って同様に練肉した。
【0045】
〔印刷物の作製方法〕
UV墨インキを簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を用い、インキ0.10mlを使用して、RIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、コートボール紙(王子マテリア社製UFコート、米坪350g/m)の表面に、200cmの面積にわたって均一に塗布されるように展色し、展色物を作製した。なおRIテスターとは、紙やフィルムにインキを展色する試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することが可能である。
インキ塗布後の展色物に活性エネルギー線である紫外線(UV)照射を行い、インキ皮膜を硬化させた。空冷メタルハライドランプ(出力120W/cm1灯)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置(アイグラフィックス社製、コールドミラー付属)を使用し、展色物をコンベア上に載せ、ランプ直下(照射距離11cm)を分速40メートルの速度で通過させることにより、インキ皮膜を硬化させた。
上記墨印刷物の表面に段落〔0043〕で得られた下刷りワニスを簡易展色機を用い、インキ0.10mlを使用して、RIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、200cmの面積にわたって均一に塗布されるように展色し、展色物を作製した。インキ塗布後の展色物に活性エネルギー線である紫外線(UV)照射を行い、インキ皮膜を硬化させた。空冷メタルハライドランプ(出力120W/cm1灯)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置を使用し、展色物をコンベア上に載せ、ランプ直下(照射距離11cm)を分速40メートルの速度で通過させることにより、インキ皮膜を硬化させた。
更に段落〔0044〕で得られた上刷りワニスを簡易展色機を用い、インキ0.10mlを使用して、RIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、200cmの面積にわたって均一に塗布されるように展色し、展色物を作製した。インキ塗布後の展色物に活性エネルギー線である紫外線(UV)照射を行い、インキ皮膜を硬化させた。空冷メタルハライドランプ(出力120W/cm1灯)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置を使用し、展色物をコンベア上に載せ、ランプ直下(照射距離11cm)を分速40メートルの速度で通過させることにより、インキ皮膜を硬化させた。
【0046】
〔印刷物の評価方法1:マット性(光沢値)〕
得られた印刷物をグロスメーター(Multi−Gloss268 コニカミノルタ製)を用い60°反射角の光沢値を測定した。適性値として5〜22を合格品とする。
【0047】
〔印刷物の評価方法2:マット性(目視評価)〕
得られた印刷物を目視にてマット感を評価した。
◎ :マット感が非常に強い。
○ :マット感が強い。
△ :マット感が弱い。
× :マット感が見られない。
【0048】
〔印刷物の評価方法2:黒色感〕
得られた印刷物を目視にて黒色感を評価した。
○ :通常マットOPニス印刷物と黒色感が同等。
△ :通常マットOPニス印刷物より黒色感が若干劣る。
× :通常マットOPニス印刷物より黒色感が明らかに劣る。
【0049】
〔印刷物の評価方法3:耐摩擦性〕
学振型耐摩擦試験機にて、上質紙を貼付した荷重500gで得られた印刷物を500回擦り、塗膜の取られ具合を評価した。
○ :塗膜に一部に傷が付く。傷の数は5本以内。
△○:塗膜の一部に傷が付く。傷の数は5本以上
△ :塗膜面積の30%以上に傷が見られる。
△×:塗膜面積の50%以上に傷が見られる。
× :塗膜面積の全面に傷が見られる。
【0050】
〔印刷物の評価方法4:ブラン残り・版残り〕
小森コーポレーション製UVオフセット印刷機にて1000枚印刷した後のブランケット・版の画線部に目視で確認し、インキの残り具合を評価した。
○ :ブランケット・版上に残るインキ量が通常UVOPニスと同等。
△ :ブランケット・版上に残るインキ量が通常UVOPニスよりやや多い。
× :ブランケット・版上に残るインキ量が通常UVOPニスより多い。
【0051】
〔印刷物の評価方法5:インキ流動性〕
段落〔0043〕にて得られた下刷りワニス1(インキ)を25℃の環境下で平行版粘度計を用い、115gの荷重を落下させてから1分後のインキ膜の直径を比較する。
○ :インキ膜の直径が30mm以上
△ :インキ膜の直径が25〜30mm
× :インキ幕の直径が25mm未満
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
表1〜4に示す諸原料及び略を以下に示す。
・ZEST PQHT:トクヤマ社製塩化ビニル樹脂
・炭酸カルシウム PC:白石カルシウム(株)社製 一次粒子径1500NM(長径)
・ハイフィラー :含水ケイ酸マグネシウムのハイフィラー(タルク)#5000PJ、松村産業(株)社製
・チタン CR58−2:塩素法ルチル型酸化チタン、平均粒子径28(μm)、吸油量18、石原産業(株)社製
・ダイソーダップ A:ジアクリルフタレート樹脂、ダイソー製
・アロニックス M−7300K:ポリエステルアクリレート、東亜合成(株)社製
・DPHA:MIRAMER M−600、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
、MIWON社製
・SR355NS:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DITMPTA)、サートマー社製
・MIRAMER M−240:ビスフェノールA(EO変性)ジアクリレート、東洋ケミカルズ(株)社製
・MIRAMER M−3130:トリメチロールプロパン(EO変性)トリアクリレート、東洋ケミカルズ(株)社製
・IRGACURE 907:α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノプロパン−1−オン等は数平均分子量(279.4)、BASF社製
・IRGACURE 184:1−ヒドロキシシロヘキシルフェニルケトン、BASF社製
・S−381−N1:ポリエチレンワックス、シャムロック社製
・TEGO RAD 2700、シリコーンアクリレート(数平均分子量:7000)、エボニック社製
・シリコン KF−96 100CS:ジメチルシロキサン構造を持つシリコーンオイル、信越化学工業(株)社製
・シリコン TSF−451−6M、ジメチルシロキサン構造を持つシリコーンオイル(数平均分子量:60,000)、動粘度60,000mm/S、(株)タナック社製
・シリコン TSF−451−10M、ジメチルシロキサン構造を持つシリコーンオイル(数平均分子量:100,000)、動粘度100,000mm/S、(株)タナック社製
・シリコン TSF−451−50M、ジメチルシロキサン構造を持つシリコーンオイル(数平均分子量:500,000)、動粘度500,000mm/S、(株)タナック社製
・シリコン TSF−451−60M、ジメチルシロキサン構造を持つシリコーンオイル(数平均分子量:600,000)、動粘度600,000mm/S、(株)タナック社製
・Q−1301:ニトロソアミン系重合開始剤、和光純薬工業(株)社製
【0057】
評価結果を表5,6に示す。
【0058】
【表5】

【0059】
【表6】
【0060】
オフセット印刷機の版胴を用いて作製した紫外線硬化型下刷りワニス1による下刷り層と、紫外線硬化型上刷りワニス2による上刷り層が重なる部分は、上刷り層ははじきにより微粒子状となり、マット調の視覚効果を発現させる一方、黒色感を損なう事なく、ブラン残り、版残りと言った印刷適性を保持しつつ、皮膜の耐摩耗性をも確保できる。
また、参考例で示す通り、マット剤を含有したマットOPニスを使用し、ニスコーターを用いた極一般的なマット加工を施した印刷物では、マット調の視覚効果は得られても、耐摩耗性が得られず、ブラン残り・版残り等の印刷適性も劣る。
【符号の説明】
【0061】
1.印刷基材であるコートボール紙(米坪350g/m
2.一般的なOPマットニス層
3.マット剤
4.本発明の紫外線硬化型下刷りワニス層
5.ハジキによる紫外線硬化型上塗りワニス層
図1
図2