特許第6739233号(P6739233)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739233
(24)【登録日】2020年7月27日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】コンベヤベルト
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/34 20060101AFI20200730BHJP
   F16G 3/12 20060101ALI20200730BHJP
   F16G 3/10 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   B65G15/34
   F16G3/12
   F16G3/10 Z
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-104222(P2016-104222)
(22)【出願日】2016年5月25日
(65)【公開番号】特開2017-210323(P2017-210323A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2019年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005061
【氏名又は名称】バンドー化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】岩田 幸浩
(72)【発明者】
【氏名】椿野 和之
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−087650(JP,U)
【文献】 実開昭62−196948(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0150698(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/30 − 15/58
F16G 3/00 − 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物が載置される搬送面を一面側に備えた帯状のベルト本体を備え、
該ベルト本体の端部どうしを突合せてレーシングジョイントによって無端状とすべくレーシングフックが前記ベルト本体の両方の端部にそれぞれ複数ずつ備えられており、
該レーシングフックがベルト本体の端縁よりも前記突合せの方向に突出したリング部を有し、前記レーシングジョイントではベルト本体の一端側に備えられたレーシングフックと他端側に備えられたレーシングフックとが前記リング部で連結されるコンベヤベルトであって、
前記搬送面を上面側にした際にベルト本体の少なくとも一方の端部では前記リング部が前記搬送面よりも上方に突出し、該端部では前記搬送面にシート材が積層されており、
前記シート材は、繊維シートで形成された基材層と熱可塑性樹脂で形成された熱可塑性樹脂層とを含む積層構造を有し、
前記繊維シートが、ポリエステル繊維シート又はポリアミド繊維シートであるコンベヤベルト。
【請求項2】
前記突合せの方向における前記シート材の端縁と、前記ベルト本体の端縁とが揃っているか、又は、前記シート材の端縁が前記ベルト本体の端縁よりも前記突合せの方向に対して後退している請求項1記載のコンベヤベルト。
【請求項3】
前記ベルト本体は、2層構造を有し、前記搬送面側とは逆側の第1の層が繊維シートで形成された芯体層であり、該芯体層に積層された第2の層が熱可塑性樹脂で形成された熱可塑性樹脂層である請求項1又は2記載のコンベヤベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトに関し、より詳しくは、レーシングジョイントによって無端状とされるコンベヤベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベヤは、従来、工場などでの物品の搬送手段として広く用いられている。一般的なベルトコンベヤは、通常、無端状のコンベヤベルトを備えており、搬送物が載置される搬送面を外側にした状態でコンベヤベルトを周回させるような態様で用いられる。該コンベヤベルトの主たる構成部品であるベルト本体は、当初より無端状になっているわけではなく、通常、一旦帯状体として作製された後にその両端部が接続されることによって無端状にされる。ベルト本体の端部どうしを接続する方法としては、オーバーラップジョイント、フィンガージョイント、レーシングジョイントなどといった方法が知られている。
【0003】
前記レーシングジョイントが可能なベルト本体は、例えば、下記特許文献1に示されているように、その両方の端部に円弧状のリング部を有するレーシングフックがそれぞれ複数ずつ設けられ、しかも、レーシングフックが幅方向に所定の間隔を設けて備えられており、両端部を突合せた際に一端側のレーシングフックのリング部の間に他端側のレーシングフックのリング部を差し入れ、当該ベルト本体の幅方向にこれらのリング部が交互に並んだ状態とし得るよう構成されている。この種のコンベヤベルトは、ベルト本体の幅方向に並んだレーシングフックのリング部の中空部分に棒状の連結具を挿通可能にすることでベルト本体を無端状とすることができる。また、この種のコンベヤベルトは、ベルトコンベヤに対する着脱を連結具の挿抜によって実施することができ、利便性に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−13593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンベヤベルトには、近年、ベルト本体の薄肉化が求められるようになってきている。しかしながら、ベルト本体を薄肉化するとレーシングフックのリング部が搬送面より突出して搬送物と接触し易くなる。レーシングフックは、一般的に金属線などのベルト本体よりも硬い素材で形成されているためにリング部が搬送面側に過度に突出すると搬送物を傷付けてしまうおそれを有する。即ち、従来のレーシングジョイント可能なコンベヤベルトは、薄肉化に十分適したものにはなっていないという問題を有している。
【0006】
本発明は上記のような問題の解決を図ることを課題としており、レーシングジョイントが可能でありながら薄肉化に適したコンベヤベルトを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、搬送物が載置される搬送面を一面側に備えた帯状のベルト本体を備え、該ベルト本体の端部どうしを突合せてレーシングジョイントによって無端状とすべくレーシングフックが前記ベルト本体の両方の端部にそれぞれ複数ずつ備えられており、該レーシングフックがベルト本体の端縁よりも前記突合せの方向に突出したリング部を有し、前記レーシングジョイントではベルト本体の一端側に備えられたレーシングフックと他端側に備えられたレーシングフックとが前記リング部で連結されるコンベヤベルトであって、前記搬送面を上面側にした際にベルト本体の少なくとも一方の端部では前記リング部が前記搬送面よりも上方に突出し、該端部では前記搬送面にシート材が積層されているコンベヤベルトである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、レーシングフックの設けられたベルト本体の端部においてシート材が積層されているため、当該端部における搬送物との接触面をベルト本体の搬送面ではなくシート材の表面とすることができる。即ち、本発明によれば、ベルト本体を薄肉化して搬送面よりもレーシングフックのリング部が突出した状態になってもシート材によって搬送物とレーシングフックとが接することを抑制することができる。従って、本発明によればレーシングジョイントが可能でありながら薄肉化に適したコンベヤベルトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】コンベヤベルトの一使用状態を示す概略斜視図。
図2】シート材を積層する前のコンベヤベルトの一状態を示す概略平面図。
図3】シート材を積層する前のコンベヤベルトの一状態を示す概略側面図。
図4】コンベヤベルト内部のレーシングフックの状態を示す概略側面図。
図5】シート材を積層した後のコンベヤベルトの一状態を示す概略平面図。
図6】シート材を積層した後のコンベヤベルトの一状態を示す概略側面図。
図7】レーシングジョイント後のコンベヤベルトの状態を示す概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明に係るコンベヤベルトの実施の形態について図を参照しつつ説明する。なお、以下においてはコンベヤベルトが熱可塑性樹脂製である場合を例に説明する。図1は、本実施形態のコンベヤベルトの一使用状態を示す図であり、本実施形態に係るコンベヤベルト1がキャリアローラ100の上を走行する様子を示した図である。
【0011】
本実施形態に係るコンベヤベルト1は、長尺帯状のベルト本体10を有する。本実施形態のコンベヤベルト1は、複数のプーリ、ローラに巻き掛けられるべく前記ベルト本体10を無端状にし、無端状となった当該ベルト本体10を周回させ、該ベルト本体10に搭載した搬送物を搬送するものである。無端状にされた状態でのベルト本体10の外周面は、搬送物が載置される搬送面10aである。なお、以下においては、コンベヤベルト1やベルト本体10に関して、この搬送面側のことを「表面」と称し、ローラやプーリに接する内周面側のことを「裏面」と称する場合がある。
【0012】
図1に断面構造を示すようにベルト本体10は、2層構造を有し、前記搬送面10aの側とは逆側の第1の層が繊維シートで形成された芯体層11であり、該芯体層11に積層された第2の層が熱可塑性樹脂層12である。即ち、ベルト本体10は、一面側に熱可塑性樹脂で形成された搬送面10aを有する。なお、これらの積層方向(図1において符号Hで示した方向)のことを、以下において「高さ」、或いは、ベルト本体10の「厚み」などと称することがある。また、図1において符号Lで示したベルト本体10の長手方向のことを、以下においては、「周方向」や「長さ方向」などと称することがある。さらに、以下においては、図1において符号Wで示した方向を、ベルト本体10の「幅方向」と称することがある。
【0013】
後述するように本実施形態のコンベヤベルト1は、ベルト本体10の端部にシート材が設けられ、該シート材がベルト本体10の搬送面10aに積層されたものとなっているが、図2、3には、このシート材が設けられる前の端部の様子を示す。これらの図にも示すように、コンベヤベルト1は、前記ベルト本体10の端部どうしを突合せてレーシングジョイントによって無端状にし得るようにベルト本体10の両方の端部にそれぞれレーシングフック20が複数ずつ設けられている。
【0014】
本実施形態のレーシングフック20は、金属製の線材が曲げ加工されたものである。そして、全てのレーシングフック20の形状は共通している。該レーシングフック20は、図3、4などにも示されているように、レーシングジョイントの際にベルト本体10の両端部を突合せる方向にベルト本体10の端縁10eよりも突出し、側面視における形状が円弧状となったリング部21と、当該レーシングフック20をベルト本体10に固定するための固定部22とを有する。前記リング部21は、より詳しくは、側面視における形状がC字状となっており、一端がベルト本体10の表面に位置し、他端がベルト本体10の裏面に位置している。前記固定部22はリング部21の一端から突合せの方向とは逆向きに延びる第1脚部22aとリング部21の他端から突合せの方向とは逆向きに第1脚部22aよりも長く延びる第2脚部22bとを備えている。前記固定部22は、第1脚部22aの他端から略直角に曲がってベルト本体10に突き刺さる第1突刺部22cと、第2脚部22bの他端から略直角に曲がってベルト本体10に突き刺さる第2突刺部22dとをさらに備えている。
【0015】
上記のように前記固定部22は、ベルト本体10の表面や裏面に沿って長さ方向Lに延びる第1脚部22a及び第2脚部22b、並びに、ベルト本体10の厚み方向に延びる第1突刺部22c及び第2突刺部22dを有する。前記固定部22の第1脚部22aと第2脚部22bとは、ベルト本体10の端部を厚み方向に挟み込むように配されており、第1突刺部22cと第2突刺部22dとは、ベルト本体10を貫通して先端がベルト本体10の反対面に僅かに突出している。ベルト本体10の幅方向Wに向けて並んだ複数のレーシングフック20は、第1脚部22aと第2脚部22bとが交互に表面側に来るように配されている。該レーシングフック20は、ベルト本体10の幅方向Wに線材の太さよりも広い間隔を設けて配されている。従って、本実施形態のコンベヤベルト1は、ベルト本体10の両端部を突合せた際に一端側のレーシングフック20のリング部21の間に他端側のレーシングフック20のリング部21を差し入れ、当該ベルト本体10の幅方向Wにこれらのリング部21が交互に並んだ状態とし得るよう構成されている。このように交互に並んだリング部21は、それぞれの中空領域をベルト本体10の幅方向Wに並べた状態となる。そのため、本実施形態のコンベヤベルト1は、図7に示したようにベルト本体10の両端部をリング部21で連結することができ、幅方向Wに並んだリング部21に金属棒などの連結具40を挿通することで連結することができる。また、本実施形態のコンベヤベルト1は、連結具40を外せばリング部21による連結を解除することができる。
【0016】
コンベヤベルト1は、図5、6に示すようにベルト本体10の前記搬送面10aを上面側にした際に、ベルト本体10の少なくとも一方の端部で前記リング部21が搬送面10aよりも上方に突出しており、端部には前記搬送面に積層されたシート材30がさらに備えられている。本実施形態のコンベヤベルト1は、両端部においてリング部21が搬送面10aよりも上方に突出しており、前記シート材30がベルト本体10の両端部にそれぞれ設けられている。前記シート材30は、ベルト本体の表面側にのみ設けられており、裏面側には設けられてはいない。また、前記シート材30は、レーシングジョイントでのベルト本体の突合せ方向における端縁30eがベルト本体10の端縁10eよりも突合せ方向に突出しないように配されている。即ち、前記シート材30の端縁30eは、ベルト本体10の端縁10eと突合せ方向における位置が揃っているか、又は、前記ベルト本体10の端縁10eよりも突合せ方向に対して後退している。このことにより、本実施形態のコンベヤベルト1は、シート材がジョイント部にはみ出してジョイント部での屈曲動作に干渉することが防止され、スムーズな運転が可能となっている。また、本実施形態のコンベヤベルト1は、シート材がジョイント部にはみ出して連結具40の挿抜動作に干渉することが防止されることからスムーズな組立・分解が可能となっている。
【0017】
ベルト本体10の幅方向Wにおけるシート材30の寸法は、ベルト本体10と共通している。即ち、シート材30は、幅方向Wにおいてもベルト本体10からはみ出してはいない。
【0018】
ベルト本体10の長さ方向Lにおけるシート材30の寸法は、レーシングフック20の第2脚部22bの長さを超えている。即ち、シート材30は、第1脚部22aと第2脚部22bとを全て覆っている。また、シート材30は、第1突刺部22cや第2突刺部22dの先端がベルト本体10の表面から突出している箇所も全て覆っている。
【0019】
前記のようにコンベヤベルト1は、リング部21が搬送面10aよりも上方に突出している。そのため、搬送物がジョイント部に搭載された際に、本来であれば、搬送物の自重などによりリング部が搬送物に対して下から食い込んで搬送物を傷付けてしまうおそれがある。このようなおそれは、リング部の突出高さh1(搬送面からリング部の上端縁までの距離)が大きくなるほど可能性が高くなり、ベルト本体を薄肉化しようとするほど可能性が高くなる。しかしながら、本実施形態のコンベヤベルト1は、シート材30によって搬送物とレーシングフック20との接触が防止されているため搬送物を傷付けてしまうおそれが低い。
このような点において、シート材30厚みh2とリング部21の突出高さh1とは、下記関係式(1)を満たしていることが好ましい。

h2 ≧ h1 ・・・(1)
【0020】
コンベヤベルト1は、その構成材を共用可能であることが好ましく、前記シート材30をベルト本体10と共通する部材で構成させることが好ましい。即ち、シート材30は、ベルト本体10の芯体層11と同様に繊維シートで形成された基材層31を有することが好ましく、該基材層31に積層された熱可塑性樹脂層32を備えていることが好ましい。即ち、シート材30は、繊維シートに熱可塑性樹脂がコートされたタイプのものであることが好ましい。
【0021】
ベルト本体10の芯体層11やシート材30の基材層31を形成する繊維シートとしては、一般的なコンベヤベルトの芯体に利用されているものを採用することができ、例えば、ポリエステル繊維シートやポリアミド繊維シート、綿繊維シートなどが挙げられる。該繊維シートとしては、例えば、厚みが0.4mm以上1.0mm以下のものを採用することができる。
【0022】
ベルト本体10の熱可塑性樹脂層12やシート材30の熱可塑性樹脂層32を形成する熱意可塑性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂(TPU)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。該熱可塑性樹脂層は、例えば、厚みを0.3mm以上2.0mm以下とすることができる。即ち、ベルト本体10や搬送面10aに積層する前のシート材は、通常、その厚みが0.3mm以上3.5mm以下とされる。
【0023】
繊維シートや熱可塑性樹脂層を形成する樹脂は、繊維シートがポリエチレンテレフタレート(PET)繊維製で、熱可塑性樹脂層がTPU製またはPVC製であることが好ましい。
【0024】
なお、本実施形態のコンベヤベルト1は、例えば、ベルト本体10の両端部にそれぞれレーシングフック20を装着した後で、ベルト本体10の表面にシート材30を仮止めし、該シート材30とベルト本体10とを熱プレスするなどして作製することができる。
【0025】
本実施形態のコンベヤベルト1は、ベルト本体10やシート材30が熱可塑性樹脂層を備えることで熱プレスのような簡便な方法でベルト本体10をシート材30とを一体化することができる。なお、熱プレスによって一体化が可能であるという点については、例えば、シート材30を基材層の無い熱可塑性樹脂層だけの構成とする場合においても同じである。ただし、シート材30とベルト本体10とを良好な接着状態とする上においては、熱プレスに際してベルト本体10の熱可塑性樹脂層12やシート材30の熱可塑性樹脂層32が一定以上の流動性を発揮する方が有利となる。そして、シート材を熱溶融性に優れた熱可塑性樹脂層だけの構成とすると熱プレス後におけるシート材の厚みを確保し難く、場合によっては、レーシングフックの第1脚部22aや第2脚部22bが表面露出するおそれがある。本実施形態のシート材30は、繊維シートで形成された基材層31を有することで熱可塑性樹脂層32に優れた熱溶融性を発揮させつつもプレス後のシート材30の厚みを一定以上に確保することが容易で、しかも、第1脚部22aや第2脚部22bの表面露出を確実に防止することができる。このような機能をより確実に発揮させ得る点において基材層31を形成する繊維シートは耐熱性に優れたものとすることが好ましく、前記のようなポリエステル繊維シートやポリアミド繊維シートとすることが好ましい。
【0026】
シート材30をベルト本体10に対して熱プレスで接着させる場合、ベルト本体10の搬送面10a(熱可塑性樹脂層12)に基材層31を当接させることでベルト本体10の搬送面側に存在するレーシングフック20の第1脚部22aや第2脚部22bにプレス圧を作用させ易くなり、これらを熱可塑性樹脂層12に食い込ませることができる。そのため、積層後のシート材30の表面にレーシングフック20による凹凸が形成されにくくなる。
【0027】
なお、本実施形態のコンベヤベルト1は、上記のような方法以外でも作製可能である。また、本発明のコンベヤベルトは、上記に例示している以外の態様を採用することが可能なものである。例えば、上記においては、ベルト本体が2層構造を有する樹脂製のものを例示しているが、3層以上の積層構造を有する場合や、ゴム製のベルトなどにおいても、レーシングジョイントが可能でありながら薄肉化に適したものとなるという本発明の効果は発揮され得るものである。即ち、これらのコンベヤベルトについても本発明のコンベヤベルトとして意図する範囲のものである。
【符号の説明】
【0028】
1 コンベヤベルト
10 ベルト本体
10a 搬送面
20 レーシングフック
21 リング部
30 シート材
40 連結具
100 キャリアローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7