(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する電子部品および接着部材の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る接着部材を含む電子部品の構成例を示す平面図であり、
図2は、
図1のII−II線断面図である。なお、
図1,2においては、説明の便宜のために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向で規定される3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、
図1,2および後述する
図3以降の図は、いずれも模式図である。
【0012】
図1,2に示すように、電子部品10は、電子部品本体20と、接着部材30とを備える。電子部品10は、例えば、車両のフロントガラスに取り付けられ、フロントガラスにあるアンテナに接続される部品である。なお、
図1,2は、車両に取り付けられる前の電子部品10を示しており、車両に取り付けられた後の電子部品10の構成については、
図3,4を用いて後述する。
【0013】
電子部品本体20は、アンテナ用部品であり、例えばアンテナ3(
図3参照)に接続可能なコネクタである。詳しくは、電子部品本体20は、ケース21と、接続端子22とを備える。
【0014】
ケース21は、例えば、アンテナ受信回路などの電子回路が搭載された基板等を収容する。なお、
図2では、図の簡略化のため、ケース21に収容される基板等の図示を省略するとともに、ケース21の断面を斜線で塗りつぶして示した。
【0015】
また、ケース21は、例えば、直方体状に形成されるとともに、樹脂製とされる。なお、上記したケース21の形状は、例示であって限定されるものではなく、例えば円柱状や三角錐状など、基板等を収容可能であればその他の形状であってもよい。また、ケース21は樹脂製に限られず、金属製などであってもよい。
【0016】
接続端子22は、上記したアンテナ受信回路とアンテナ3(
図3参照)とを電気的に接続する端子である。接続端子22は、ケース21のZ軸負方向にある底面21a側から突出するように形成される。なお、
図1,2では、2個の接続端子22を示したが、これは例示であって限定されるものではなく、1個または3個以上であってもよい。
【0017】
接着部材30は、電子部品本体20を車両1のフロントガラス2(
図3参照)へ接着する部材であり、例えば両面テープである。かかる接着部材30は、
図2に示すように、粘着部40と、剥離部50とを備える。
【0018】
なお、接着部材30の粘着部40や剥離部50のZ軸方向における厚さは、例えば数μm〜数百μm程度と比較的薄いが、理解し易くするため、
図2等においては、粘着部40や剥離部50の厚さを誇張して示している。
【0019】
粘着部40は、基材41と、粘着層42a,42bとを備える。基材41は、厚さが比較的薄いシート状の部材である。なお、基材41としては、例えばアクリルフォームや不織布などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
基材41の両面には、上記した粘着層42a,42bが形成(積層)される。詳しくは、基材41のうちの一方の面41aには粘着層42aが形成され、他方の面41bには粘着層42bが形成される。
【0021】
以下、基材41の一方の面41aを「表面41a」といい、表面41aに形成される粘着層42aを「表側粘着層42a」という場合がある。また、基材41の他方の面41bを「裏面41b」といい、裏面41bに形成される粘着層42bを「裏側粘着層42b」という場合がある。
【0022】
なお、表側粘着層42aおよび裏側粘着層42bとしては、例えばアクリル系やシリコーン系等の粘着剤を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、表側粘着層42aと裏側粘着層42bとは、材質が同じであることを要さず、材質が相違するようにしてもよく、さらには同じ材質で粘着力を変えるように設定してもよい。
【0023】
図2に示すように、表側粘着層42aには電子部品本体20が取り付けられる。詳しくは、電子部品本体20は、底面21aを表側粘着層42aに対向させた状態で、粘着部40に取り付けられる。
【0024】
一方、裏側粘着層42bには、上記した剥離部(セパレータ)50が、基材41の裏面41bを被覆しつつ剥離可能に取り付けられる。なお、剥離部50としては、ポリプロピレン樹脂や紙などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
接着部材30は電子部品本体20を接着させる部材であるため、上記した基材41、表側粘着層42aおよび裏側粘着層42bの形状は、例えば、電子部品本体20の底面21aの形状に即した形状、例えば平面視(Z軸方向視)において矩形状に形成される。なお、基材41、表側粘着層42aおよび裏側粘着層42bは、任意の形状に変更可能である。
【0026】
図1に示すように、剥離部50は、被覆部51と、ツマミ部(剥がし代)52とを備える。また、剥離部50には、孔部61〜69が形成される。かかる被覆部51やツマミ部52、孔部61〜69の構成については、後に詳しく説明する。
【0027】
上記した粘着部40および剥離部50は、平面視矩形状の開口部43,53(
図2参照)を備える。開口部43,53は、平面視において粘着部40および剥離部50の中央付近であって、電子部品本体20の接続端子22と対応する位置に形成される。これにより、接着部材30が電子部品本体20に接着された状態であっても、電子部品本体20の一部である接続端子22は開口部43,53を介して露出されることとなる。
【0028】
上記のように構成された電子部品10は、図示しない作業者や作業機械(例えばロボット)によって剥離部50が粘着部40から剥離されて裏側粘着層42bが露出した状態とされ、かかる状態で車両1(
図3参照)に取り付けられる。
【0029】
ここで、車両1に取り付けられた電子部品10の構成について、
図3,4を参照しつつ説明する。
図3は、電子部品10が取り付けられた車両1の構成例を示す図であり、
図4は、
図3のIV−IV線断面図である。なお、
図3は、車両1の車室内側から車両前方を見たときの模式図である。
【0030】
図3に示すように、車両1は、フィルム状のアンテナ3と、車載用電子機器4とを備える。アンテナ3は、フロントガラス2の周縁、例えばフロントガラス2とルーフ部5との境界部分や、フロントガラス2とフロントピラー(Aピラー)6との境界部分に形成されるセラミック部7の付近に設けられる。なお、セラミック部7は、黒色セラミックライン等とも呼ばれ、例えば、フロントガラス2の接着剤部分を直射日光から保護したり、フロントガラス2のデザイン性を向上させたりしている。
【0031】
アンテナ3としては、例えばDTV(Digital Television)の電波を受信するアンテナを用いることができる。なお、アンテナ3は、上記に限定されるものではなく、例えばGPS(Global Positioning System)用アンテナやDSRC(Dedicated Short Range Communications)用アンテナなどその他の種類のアンテナであってもよい。
【0032】
図4に示すように、アンテナ3は、セラミック部7上に設けられるアンテナ側接続端子3aを備える。そして、電子部品10は、裏側粘着層42bがフロントガラス2のセラミック部7に接着するとともに、電子部品本体20の接続端子22がアンテナ側接続端子3aと電気的に接続するようにして、フロントガラス2に取り付けられる。
【0033】
図3に示す車載用電子機器4は、例えばインストルメントパネル8に設けられたナビゲーション装置である。なお、ここでは、車載用電子機器4がナビゲーション装置である場合を例にとったが、これに限定されるものではなく、例えば車載用AV装置などその他の種類の電子機器であってもよい。
【0034】
そして、上記したアンテナ3と車載用電子機器4とは、電子部品10およびケーブル9を介して通信自在に接続される。
【0035】
なお、上記した電子部品10が取り付けられるフロントガラス2は、被接着部の一例であるが、あくまでも例示であって限定されるものではなく、図示しないリアガラスなどその他の窓ガラスであってもよい。さらには、電子部品10は、車両1のインストルメントパネル8やカップホルダ(図示せず)などその他の部位に取り付けられてもよい。
【0036】
ところで、上記したように、作業者は、電子部品10をフロントガラス2へ取り付ける作業の際、粘着部40から剥離部50を剥離させて裏側粘着層42bを露出させた上で、電子部品本体20をフロントガラス2へ接着させる。
【0037】
かかる電子部品10のフロントガラス2への取り付け作業において、従来、剥離部50を粘着部40から容易に剥離させることが難しいことがあった。すなわち、例えば裏側粘着層42bの剥離部50に対する粘着力が、表側粘着層42aの電子部品本体20に対する粘着力を上回る場合がある。かかる場合、剥離部50を粘着部40から剥離させる作業において、電子部品本体20に接着していた表側粘着層42aが剥離部50に引っ張られて電子部品本体20から剥がれてしまうことがあり、剥離部50を粘着部40から容易に剥離させることが難しかった。
【0038】
そこで、本実施形態に係る電子部品10にあっては、電子部品本体20が取り付けられた粘着部40から剥離部50を容易に剥離させることのできる構成とした。
【0039】
以下、電子部品10の構成について、
図5以降を参照しつつさらに詳しく説明する。
図5は、電子部品10において電子部品本体20が接着される前の接着部材30を示す平面図である。また、
図6は
図5のVI−VI線断面図、
図7は
図5のVII−VII線断面図である。
【0040】
図5に示すように、電子部品本体20が接着される前の接着部材30は、粘着部40の表側粘着層42aを被覆しつつ剥離可能に取り付けられた表側剥離部70を備える。表側剥離部70は、電子部品本体20が接着される際、作業者によって粘着部40から剥離されて表側粘着層42aが露出した状態とされ、かかる状態で電子部品本体20が接着される(
図1,2参照)。
【0041】
接着部材30の剥離部50は、上記した被覆部51と、ツマミ部52とを備える。被覆部51は、粘着部40の裏面41bの裏側粘着層42bを被覆する。粘着部40の裏側粘着層42bは、上述のように矩形状であるため、被覆部51も同様に矩形状に形成される。
【0042】
ツマミ部52は、被覆部51の一辺51aから連続して形成される。詳しくは、ツマミ部52は、被覆部51の四辺のうち、Y軸正方向側の一辺51aからY軸正方向に向けて突出するように延設される。
【0043】
また、ツマミ部52は、被覆部51と連続する部位A1(
図5において破線の閉曲線で示す)の長さL52が、被覆部51の一辺51aの長さL51よりも短くなるように形成される(L52<L51)。図示の例では、ツマミ部52は、連続する部位A1の長さL52が、被覆部51の一辺51aの長さL51の1/2よりも短くなるように形成される。
【0044】
これにより、電子部品10においては、粘着部40から剥離部50を容易に剥離させることができる。剥離部50の剥離について
図8を参照して説明する。
図8は、電子部品本体20が接着された粘着部40から剥離部50を剥離させる様子を示す図である。
【0045】
なお、ツマミ部52の被覆部51と連続する部位A1は、後述するように、剥離部50において粘着部40との剥離が開始される部位であることから、以下、部位A1を「剥離開始部位A1」という場合がある。
【0046】
図8に示すように、粘着部40(
図8で破線で示す)から剥離部50を剥離させる場合、ツマミ部52は、作業者によって摘ままれた状態でY軸負方向に沿って引っ張られ、その後被覆部51が剥離開始部位A1付近を起点として粘着部40から剥離される。なお、
図8では、ツマミ部52が引っ張られて剥離部50の被覆部51を粘着部40から剥離させる方向を矢印Dで示した。
【0047】
ツマミ部52は、剥離開始部位A1の長さL52が被覆部51の一辺51aの長さL51よりも短いため、例えば、
図8に想像線で示すツマミ部152のように、剥離開始部位A1の長さL52が被覆部51の一辺51aの長さL51と同じに形成される場合に比べて、剥離の起点となる剥離開始部位A1の面積を小さくすることができる。これにより、剥離開始部位A1における粘着部40の剥離部50に対する粘着力を低減させることができ、よって粘着部40から剥離部50を容易に剥離させることができる。
【0048】
また、ツマミ部52は、被覆部51の一辺51aの端部51a1側に寄せて形成される。これにより、剥離開始部位A1も被覆部51の端部51a1側に寄るため、ツマミ部52が剥離方向Dへ引っ張られると、被覆部51は、端部51a1側からY軸負方向へ向けて徐々に剥離されることとなる。
【0049】
これにより、電子部品10においては、ツマミ部52が被覆部51の一辺51aの中央付近に形成される場合に比べて、剥離部50を粘着部40から一層容易に剥離させることができる。なお、図示の例では、ツマミ部52が被覆部51のX軸正方向の端部51a1に形成されるようにしたが、これに限られず、例えばX軸負方向の端部51a2(
図5参照)に寄せて形成されるようにしてもよい。
【0050】
また、ツマミ部52は、被覆部51の一辺51aと連続する根元部52aが湾曲するように、すなわち、アール(R)を付けるように形成される。これにより、ツマミ部52が引っ張られる際に、根元部52a付近で切れてしまうことを防止することができる。
【0051】
すなわち、ツマミ部52の根元部52aが平面視において直角に形成されると、ツマミ部52が引っ張られるときの力が直角部分に集中して根元部52a付近で切れるおそれがある。そこで、本実施形態に係るツマミ部52は、根元部52aが湾曲するように形成されるため、根元部52a付近に作用する力を分散させることが可能となり、よってツマミ部52が根元部52a付近で切れてしまうことを防止することができる。
【0052】
次に、剥離部50の孔部61〜69について説明する。
図8に示すように、孔部61〜69は、例えば平面視において円形状とされ、剥離部50の被覆部51に複数個(図示の例では9個)形成される。また、孔部61〜69は、剥離部50の被覆部51をZ軸の厚さ方向に沿って貫通するように形成される。
【0053】
すなわち、
図7に示すように、剥離部50の被覆部51において、孔部61では、被覆部51と粘着部40の裏側粘着層42bとが接着されない。また、図示は省略するが、孔部62〜69にあっても、孔部61と同様、被覆部51と粘着部40の裏側粘着層42bとが接着されない。
【0054】
このように、電子部品10にあっては、剥離部50において粘着部40と接着されない孔部61〜69を備えるようにしたので、粘着部40の剥離部50に対する粘着力を低減させることができ、粘着部40から剥離部50をより一層容易に剥離させることができる。
【0055】
また、複数個の孔部61〜69のうち、孔部61は、剥離部50において粘着部40との剥離が開始される剥離開始部位A1の近傍に形成される。また、孔部62は、剥離開始部位A1の近傍で、かつ被覆部51の一辺51aの中央付近に形成される。
【0056】
上記したように、剥離開始部位A1は、粘着部40から剥離部50を剥離させる際の起点となる部位である。そのため、剥離開始部位A1の近傍に孔部61,62が形成されることで、剥離部50を剥がし始めるときに剥離部50へ作用する粘着部40の粘着力を効果的に低減させることができ、粘着部40から剥離部50をより一層容易に剥離させることができる。
【0057】
また、複数個の孔部61〜69のうち、孔部63〜67は、剥離部50の開口部53の周縁部位に形成される。詳しくは、孔部63,64は、開口部53に対して剥離方向Dとは反対側の部位B1の近傍に形成される一方、孔部65〜67は、開口部53に対して剥離方向D側の部位A2の近傍に形成される。
【0058】
ここで、剥離部50の開口部53付近における剥離について説明すると、剥離部50にあっては、開口部53に粘着部40がないため、開口部53の手前の部位B1で粘着部40からの剥離が一旦終了する。以下では、剥離部50の部位B1を「剥離終了部位B1」という場合がある。なお、剥離部50は、開口部53で粘着部40からの剥離が一旦終了するものの、開口部53の左右の部位には粘着部40があるため、剥離は継続する。
【0059】
剥離が終了する剥離終了部位B1は、剥離部50を引っ張る力が集中し易いため、剥離作業の際、粘着部40が剥離部50に引っ張られて電子部品本体20から剥がれるおそれがあった。
【0060】
そこで、本実施形態にあっては、上記のように、孔部63,64が剥離終了部位B1の近傍に形成されることで、剥離終了部位B1において剥離部50へ作用する粘着部40の粘着力を効果的に低減させることができる。これにより、剥離部50を引っ張る力が剥離終了部位B1に集中した場合であっても、粘着部40の粘着力は低減されているため、粘着部40から剥離部50を容易に剥離させることができるとともに、粘着部40が電子部品本体20から剥がれることも防止することができる。
【0061】
また、剥離部50にあっては、剥離作業が進むと、開口部53の下端の部位A2において粘着部40からの剥離が再び開始される。従って、以下では剥離部50の部位A2を「剥離開始部位A2」という場合がある。
【0062】
剥離開始部位A2は、剥離開始部位A1と同様、粘着部40から剥離部50を剥離させる際の起点となる部位である。本実施形態にあっては、剥離開始部位A2の近傍に孔部65〜67が形成されることで、剥離部50を剥がし始めるときに剥離部50へ作用する粘着部40の粘着力を効果的に低減させることができ、粘着部40から剥離部50をより一層容易に剥離させることができる。
【0063】
また、複数個の孔部61〜69のうち、孔部68,69は、剥離部50において粘着部40との剥離が終了する剥離終了部位B2の近傍に形成される。
【0064】
剥離終了部位B2は、剥離終了部位B1と同様、剥離作業の際、粘着部40が剥離部50に引っ張られて電子部品本体20から剥がれるおそれがあった。そこで、本実施形態にあっては、孔部68,69が剥離終了部位B2の近傍に形成されることで、剥離終了部位B2において剥離部50へ作用する粘着部40の粘着力を効果的に低減させることができる。これにより、剥離部50を引っ張る力が剥離終了部位B2に集中した場合であっても、粘着部40の粘着力は低減されているため、粘着部40から剥離部50を容易に剥離させることができ、粘着部40が電子部品本体20から剥がれることも防止することができる。
【0065】
次に、剥離部50の開口部53について説明する。開口部53は、上記したように矩形状に形成される。また、開口部53は、四隅の角部53aが湾曲するように、すなわち、アール(R)を付けるように形成される。これにより、剥離部50を粘着部40から剥離させる際に、開口部53の角部53a付近で切れてしまうことを防止することができる。
【0066】
すなわち、開口部53の角部53aが平面視において直角に形成されると、剥離部50を剥離させるときの力が直角部分に集中して角部53a付近で切れてしまうおそれがある。そこで、本実施形態に係る開口部53は、角部53aが湾曲するように形成されるため、角部53a付近に作用する力を分散させることが可能となり、よって開口部53が角部53a付近で切れてしまうことを防止することができる。
【0067】
なお、上記では、開口部53は、四隅の全ての角部53aが湾曲するように形成されるが、これに限定されるものではない。すなわち、開口部53は、角部53aのうち少なくとも1箇所が湾曲するように形成される構成であってもよく、かかる構成によれば、剥離部50を粘着部40から剥離させる際に、開口部53の角部53a付近で切れてしまうことを防止することができる。
【0068】
なお、剥離部50が粘着部40から剥離された後、電子部品10においては、粘着部40の裏側粘着層42bがフロントガラス2に接着されることで、フロントガラス2に取り付けられることは既に述べた通りである。
【0069】
上述してきたように、第1の実施形態では、電子部品10において、電子部品本体20(接着物の一例)と、電子部品本体20をフロントガラス2へ接着可能な接着部材30とを備える。また、接着部材30は、粘着部40と、剥離部50とを備える。剥離部50は、シート状の基材41と基材41の両面に形成される粘着層42a,42bとを備え、両面のうちの一方の面41aに電子部品本体20が接着されている。剥離部50は、粘着部40の他方の面41bを被覆しつつ剥離可能に取り付けられるとともに、孔部61〜69が形成される。これにより、電子部品本体20が取り付けられた粘着部40から剥離部50を容易に剥離させることができる。
【0070】
また、本実施形態に係る電子部品本体20は、アンテナ用部品である。これにより、例えばアンテナ用部品の一つであるコネクタが取り付けられた粘着部40から、剥離部50を容易に剥離させることができる。
【0071】
(変形例)
次いで、第1の実施形態の変形例について説明する。第1の実施形態に係る電子部品10において、孔部61〜69は、平面視円形状となるように形成されるが、孔部61〜69の形状はこれに限定されるものではない。
【0072】
図9は、第1変形例に係る電子部品10を示す平面図、
図10は、第2変形例に係る電子部品10を示す平面図である。なお、以下においては、上記した実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
図9に示すように、第1変形例において孔部61〜69は、平面視楕円形状となるように形成される。詳しくは、第1変形例に係る孔部61〜69は、剥離方向DであるY軸方向の長さを短径、剥離方向Dに対して直交し剥離部50の主面と平行な方向(X軸方向)の長さを長径とする楕円形状となるように形成される。
【0074】
また、孔部61〜69の楕円形状は、
図9に示す例に限定されるものではない。すなわち、例えば
図10に示すように、第2変形例において孔部61〜69は、剥離方向DとなるY軸方向の長さを長径、剥離方向Dに対して直交し剥離部50の主面と平行な方向(X軸方向)の長さを短径とする楕円形状となるように形成されてもよい。
【0075】
上記した第1、第2変形例のように、孔部61〜69を楕円形状にした場合であっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図示は省略するが、孔部61〜69の形状は、上記した円形状や楕円形状に限られず、長円形状や多角形状などその他の形状であってもよい。
【0076】
また、上記した第1の実施形態に係る電子部品10において、孔部61〜69は、平面視において同一または略同一の面積となるように形成されるが、これに限定されるものではない。
【0077】
図11は、第3変形例に係る電子部品10を示す平面図である。
図11に示すように、第3変形例において複数個の孔部61〜69は、一部あるいは全部において、互いに面積が異なるように形成される。
【0078】
具体的には、剥離開始部位A1近傍の孔部61,62の面積が、剥離終了部位B1近傍の孔部63,64の面積よりも大きくなるように設定される。また、剥離開始部位A2近傍の孔部65〜67の面積が、剥離終了部位B2近傍の孔部68,69の面積よりも大きくなるように設定される。これにより、粘着部40から剥離部50をより容易に剥離させることができる。
【0079】
詳しく説明すると、剥離作業の際、粘着部40が剥離部50に引っ張られて電子部品本体20から剥がれてしまい易いのは、剥離開始部位A1と剥離終了部位B1とを比較した場合、剥離開始部位A1である。同様に、剥離開始部位A2と剥離終了部位B2とを比較した場合は、剥離開始部位A2である。
【0080】
これは、剥離開始部位A1,A2が粘着部40からの剥離の起点となるには、粘着部40の剥離部50に対する粘着力が電子部品本体20に対する粘着力を下回っていることが条件である。これに対し、剥離終了部位B1,B2にあっては、粘着部40の剥離部50に対する粘着力が電子部品本体20に対する粘着力を僅かに上回っていても、既に剥離が始まっているため、それに倣って剥離部50は粘着部40から剥離されていく。
【0081】
そのため、例えば、粘着部40の剥離部50に対する粘着力が電子部品本体20に対する粘着力を僅かに上回っていた場合、粘着部40が剥離部50に引っ張られて電子部品本体20から剥がれてしまい易いのは、剥離開始部位A1,A2と剥離終了部位B1,B2とを比較した場合、剥離開始部位A1,A2である。
【0082】
そこで、第3変形例では、複数個の孔部61〜69の面積を上記のように構成することで、剥離開始部位A1,A2における粘着部40の剥離部50に対する粘着力を確実に低減させることができ、よって粘着部40から剥離部50をより容易に剥離させることができる。
【0083】
なお、
図11に示す例では、孔部63,64の面積が孔部65〜67の面積よりも大きくなるようにしたが、これに限られず、例えば、孔部63,64の面積が孔部65〜67の面積よりも小さい、あるいは同じであってもよい。
【0084】
次いで、第4変形例について説明する。
図12は、第4変形例に係る電子部品10を示す平面図である。上記した第1の実施形態にあっては、孔部61〜69が剥離開始部位A1,A2と剥離終了部位B1,B2とに形成されるようにしたが、これに限定されるのではなく、剥離開始部位A1,A2および剥離終了部位B1,B2のうちの少なくとも1つの部位に形成されるようにしてもよい。
【0085】
図12に示す例では、剥離部50には、剥離開始部位A1近傍の孔部61,62、剥離開始部位A2近傍の孔部65〜67が形成される一方、剥離終了部位B1近傍の孔部63,64および剥離終了部位B2近傍の孔部68,69が除去されるようにした。上記したように構成された第4変形例に係る電子部品10であっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0086】
(第2の実施形態)
次いで、第2の実施形態に係る電子部品100の構成について説明する。上記した第1の実施形態において、孔部61〜69は、剥離部50の被覆部51を貫通する孔部であるが、孔部の種類はこれに限られない。
【0087】
図13は、第2の実施形態に係る電子部品100の構成例を示す平面図であり、
図14は、
図13のXIV−XIV 線断面図である。なお、第2の実施形態にあっては、
図13に矢印D1で示すように、剥離部50の被覆部51を粘着部40から剥離させる方向D1が、Y軸方向に対して傾斜している場合を例にとって説明する。なお、剥離方向D1および上記した剥離方向Dは、例示であって限定されるものではない。
【0088】
図13に示すように、第2の実施形態に係る電子部品100は、複数個(例えば3個)の孔部161,162,166を備え、かかる孔部161,162,166は、具体的には、剥離部50を切り欠いて形成されるスリット孔である。以下、孔部161,162,166を「スリット孔161,162,166」という場合がある。
【0089】
スリット孔161,162,166は、第1の実施形態に係る孔部61,62,66とそれぞれ対応する位置に形成される。すなわち、スリット孔161は、剥離部50の被覆部51において剥離開始部位A1の近傍に形成される。スリット孔162は、剥離開始部位A1の近傍で、かつ被覆部51の一辺51aの中央付近に形成される。また、スリット孔166は、剥離部50の被覆部51において剥離開始部位A2の近傍に形成される。
【0090】
スリット孔161,162,166は、上記したように剥離部50を切り欠いて形成されるため、例えば
図14に示すように、剥離部50の被覆部51において、スリット孔161では、被覆部51と粘着部40の裏側粘着層42bとが接着されない。また、図示は省略するが、スリット孔162,166にあっても、スリット孔161と同様、被覆部51と粘着部40の裏側粘着層42bとが接着されない。
【0091】
このように、電子部品10にあっては、剥離部50において粘着部40と接着されないスリット孔161,162,166を備えるようにしたので、粘着部40の剥離部50に対する粘着力を低減させることができ、粘着部40から剥離部50を容易に剥離させることができる。
【0092】
また、スリット孔161,162,166は、剥離部50を粘着部40から剥離させる方向D1に沿って切り欠かれて形成される。これにより、例えばスリット孔161付近の剥離部50にあっては、剥離作業の際、スリット孔161によって紙面左右方向に分断された剥離部50のうち、左側の部位C1が引っ張られて粘着部40から剥離した後、続けて右側の部位C2が剥離することとなる。
【0093】
このように、スリット孔161が剥離方向D1に沿って切り欠かれて形成されることで、剥離部50が左側の部位C1、右側の部位C2の順番で粘着部40から剥離する。これにより、スリット孔161付近の剥離部50にあっては、スリット孔161を備えない場合に比べて小さい引っ張り力で、粘着部40から剥離させることができる。なお、他のスリット孔162,166付近の剥離部50においても、スリット孔161付近の剥離部50と同じような態様で剥離される。
【0094】
このように、第2の実施形態に係る電子部品100にあっては、剥離部50がスリット孔161,162,166を備えるようにしたので、粘着部40から剥離部50を容易に剥離させることができる。
【0095】
なお、上記では、スリット孔161,162,166が剥離開始部位A1,A2の近傍に形成されるようにしたが、これに加えてあるいは代えて、剥離終了部位B1,B2の近傍に形成されるようにしてもよい。
【0096】
(第3の実施形態)
次いで、第3の実施形態に係る電子部品200の構成について説明する。
図15は、第3の実施形態に係る電子部品200の構成例を示す平面図である。
【0097】
図15に示すように、第3の実施形態に係る電子部品200は、第2の実施形態に係るスリット孔161,162,166に対して、それぞれ曲げ部161a,162a,166aが形成されるようにした。
【0098】
曲げ部161a,162a,166aは、スリット孔161,162,166において、剥離部50を粘着部40から剥離させる方向D1の末端側から連続して形成され、剥離させる方向D1とは異なる方向へ切り欠かれて形成される。なお、剥離させる方向D1とは異なる方向としては、例えば、剥離方向D1に対して90度の角度をなす方向または鈍角となる方向とされるが、これに限られない。
【0099】
このように、第3の実施形態に係る電子部品200にあっては、剥離部50のスリット孔161,162,166が曲げ部161a,162a,166aを備えるようにしたので、剥離作業の際、剥離部50がスリット孔161,162,166の末端側で切れてしまうことを防止することができる。
【0100】
なお、上記した剥離部50にあっては、第1の実施形態において孔部61〜69が形成され、第2、第3実施形態においてスリット孔161,162,166が形成されるようにしたが、これらは適宜に組わせることができる。すなわち、例えば剥離部50において、剥離開始部位A1の近傍にスリット孔161,162が形成され、剥離開始部位A2および剥離終了部位B1,B2の近傍に孔部63〜69が形成されるようにしてもよい。
【0101】
また、上記では、孔部61〜69やスリット孔161,162,166が剥離部50に形成されるようにしたが、これに限られず、粘着部40や表側剥離部70にも形成されるようにしてもよい。また、上記した孔部61〜69やスリット孔161,162,166の形状や個数、位置は、あくまでも例示であって限定されるものでなない。
【0102】
また、上記では、電子部品10が開口部43,53を備えるようにしたが、電子部品本体20の種類によっては、開口部43,53を除去するようにしてもよい。
【0103】
また、上記した電子部品10では、電子部品本体20に対して接着部材30を1つ取り付けるようにしたが、これに限られず、2つ以上の接着部材30を取り付けるようにしてもよい。
【0104】
また、上記では、電子部品10の電子部品本体20としてアンテナ用部品を例として挙げたが、これに限定されるものではなく、例えばドライブレコーダや、ETCシステム(Electronic Toll Collection System)に用いられる車載機器などその他の電子部品本体であってもよい。さらには、電子部品10は、車載用に限定されるものではない。
【0105】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。