特許第6739266号(P6739266)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739266
(24)【登録日】2020年7月27日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】折畳式陳列具
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/11 20060101AFI20200730BHJP
   A47F 5/10 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   A47F5/11
   A47F5/10 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-138401(P2016-138401)
(22)【出願日】2016年7月13日
(65)【公開番号】特開2018-7816(P2018-7816A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2019年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】田辺 航平
(72)【発明者】
【氏名】小辻 浩平
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第01031304(EP,A2)
【文献】 特開2015−213561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00−7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリーブ状の枠体(1)に複数段の棚(2)を備えており、前記枠体(1)は、各段の棚(2)の上方で開放された前壁(3)、対向する側壁(4)及び後壁(5)から形成され、各段の棚(2)が前壁(3)に揺動自在に繋がり、対向する側壁(4)に奥行方向の中間部で上下方向に延びるヒンジ線(4a)が設けられ、
組立状態から側壁(4)をヒンジ線(4a)に沿って屈曲させ、各段の棚(2)を上方へ揺動させると、折畳状態となる折畳式陳列具において、
前記各段の棚(2)の後端部が後壁(5)の内面に重なる内後板(6)により連結され、折畳状態と組立状態との変換に際し、内後板(6)が後壁(5)の内面に沿って枠体(1)に対して昇降し、これに伴い、各段の棚(2)が一斉に揺動する棚連動機構を備えており、
前記後壁(5)には、最下段より上段側の棚(2)に対応して中間部を切り込んだ窓部と、最下段の棚(2)に対応して下端を切り欠いた係合凹所(5d)とが形成され、
折畳状態では、内後板(6)が枠体(1)に対し上昇位置にあり、組立状態では、内後板(6)が枠体(1)に対し下降位置にあって、最下段より上段側の棚(2)の後端部の係合突起(2d)が内後板(6)を後方へ貫通し、後壁(5)の窓部に嵌まり込んで下方から支持され、最下段の棚(2)の係合突起(2d)が前記後壁(5)の下端の係合凹所(5d)に嵌まり込み、各段の棚(2)の上方への揺動が阻止されるように係合し、
組立状態からの折り畳みに際して、最下段の棚(2)の係合突起(2d)と後壁(5)の下端の係合凹所(5d)との係合を解除すると、側壁(4)がヒンジ線(4a)に沿って屈曲し、最下段より上段側の棚(2)の係合突起(2d)と後壁(5)との干渉が後壁(5)の窓部により回避されつつ、偏平な折畳状態となることを特徴とする折畳式陳列具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、店頭において折畳状態から組み立てられ、商品の陳列に使用される折畳式陳列具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
店頭での商品の陳列に使用される折畳式陳列具として、下記特許文献1には、図6に示すように、スリーブ状の枠体51に複数段の棚52を備えたものが記載されている。
【0003】
枠体51は、各段の棚52の上方で開放された前壁53、対向する側壁54及び後壁55から形成され、各段の棚52が前壁53に揺動自在に繋がっている。枠体51の対向する側壁54には、奥行方向の中間部で上下方向に延びるヒンジ線54aが設けられ、後壁55には、各段の棚52に対応して弧状の切込により係止片55aが形成されている。
【0004】
各段の棚52は、棚板56の後端に棚後板57を連設したものとされ、棚板56と棚後板57の境界部分にスリット状の係止穴56aが形成されている。
【0005】
この陳列具は、組立状態において、各段の棚52の棚板56から棚後板57が上方へ折り曲げられ、係止片55aが係止穴56aに差し込まれている。これにより、各段の棚52の後端部が枠体51の後壁55に係合して支持され、店頭での陳列時に、棚板56に商品を載せても底抜けしないようになっている。陳列具の最上部では、前壁53と後壁55とが重ね合わされている。
【0006】
また、この陳列具は、係止片55aを係止穴56aから引き抜き、側壁54をヒンジ線54aに沿って外側へ張り出すように屈曲させ、各段の棚52を上方へ揺動させると、折畳状態となるので、嵩張らない状態で小売店へ配送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−95659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような陳列具は、折畳状態からの組み立てに際し、各段の棚52について、それぞれ棚板56を水平方向へ揺動させ、係止片55aと係止穴56aとを係合させなければならず、棚52の段数が増えると、組立に手間がかかることになる。
【0009】
このため、商品の販売元が販売促進のため小売店へ配送しても、小売店で使用されずに廃棄される場合も多いという問題がある。
【0010】
そこで、この発明は、棚の段数に関わらず迅速に組み立てることができ、陳列作業を手際よく行えるようにした折畳式陳列具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、この発明は、スリーブ状の枠体に複数段の棚を備えており、前記枠体は、各段の棚の上方で開放された前壁、対向する側壁及び後壁から形成され、各段の棚が前壁に揺動自在に繋がり、対向する側壁に奥行方向の中間部で上下方向に延びるヒンジ線が設けられ、
組立状態では、棚の後端部が後壁に係合して支持され、その係合を解除し、側壁をヒンジ線に沿って外側へ張り出すよう屈曲させ、各段の棚を上方へ揺動させると、折畳状態となる折畳式陳列具において、
前記各段の棚の後端部が後壁の内面に重なる内後板により連結され、折畳状態と組立状態との変換に際し、内後板が後壁の内面に沿って枠体に対して昇降し、これに伴い、各段の棚が一斉に揺動する棚連動機構を備えており、
折畳状態では、内後板が枠体に対し上昇位置にあり、組立状態では、内後板が枠体に対し下降位置にあって、棚の後端部の係合突起が内後板を後方へ貫通し、後壁に係合するものとしたのである。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る折畳式陳列具では、折畳状態で枠体に対して上昇位置にある内後板を、店頭での陳列に際し、枠体に対して下降させるだけで、各段の棚が一斉に水平方向へ揺動して、棚の後端部の係合突起が後壁に係合するので、迅速かつ容易に組み立てることができ、商品の販売促進のために有効活用されることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の実施形態に係る折畳式陳列具の組立状態を前方から示す斜視図
図2】同上の組立状態を後方から示す斜視図
図3】同上の組立過程を前方から示す斜視図
図4】同上の折畳状態を横倒しで示す斜視図
図5】同上の折畳式陳列具の各構成部材のブランクを示す図
図6】特許文献1に記載の折畳式陳列具の組立状態を示す前方からの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
この折畳式陳列具は、段ボールから成り、図1及び図2に示すように、スリーブ状の枠体1に上下3段の棚2を備えたものとされている。枠体1は、各段の棚2の上方で開放された前壁3、高さ方向の全長に及び対向する側壁4及び後壁5から形成され、各段の棚2が前壁3の上端に揺動自在に繋がっている。
【0016】
枠体1及び各段の棚2は、図5にブランクで示すように、本体11を主体とし、これに枠体1の後面を形成する後壁部材11aと、棚2の底面を補強し後端部を形成する棚底部材12と、枠体1の天面を形成する天部材13と、棚連動機構を構成する内後板6とを付加して構成される。後壁部材11aは、強度を確保するため、他の構成部材よりも厚手の段ボールを材料としている。
【0017】
本体11のブランクでは、各段の棚2に対応する部分及び最上部に前壁3が設けられ、その両側に上下に亘って延びる側壁4及び継代片5aが順次連設されている。
【0018】
各段の棚2に対応する前壁3の上端には、それぞれ棚前板2a及び棚板2bが順次連設され、棚板2bの後端となる端縁には、係合突起2dが設けられている。棚前板2aと棚板2bの境界には、段ボールの表面側が窪む谷折りを可能とするため、押罫と切目が交互に断続するリード罫が入れられている。
【0019】
側壁4には、奥行方向の中間部で上下に延びるヒンジ線4aが設けられている。ヒンジ線4aは、段ボールの表面側が突き出す山折り方向へ折れ曲がりやすくするため、段ボールを裏面側から押圧した押罫とされている。また、側壁4には、各段の棚2の上方の開放部を側方へ拡大するため、台形状の側折片4bが切込を入れて設けられている。
【0020】
最上部の前壁3には、補強片3a,3bが上端及び下端にそれぞれ連設されている。また、継代片5aの上部には、吊紐を挿通する紐穴1aが穿設されている。
【0021】
後壁部材11aのブランクでは、後壁5の中間上部及び下部に切込を入れて補強片5bが設けられ、上端の切込間を突出させて補強片5cが設けられている。また、下端を切り欠いて係合凹所5dが形成されている。補強片5b,5cの基部の折目線は、棚2の後端部を支持する係合縁5eとなるものであり、厚手の段ボールでも折り重ねを可能とするため、段ボールを厚さ方向の途中まで切り込んだ半切線とされている。
【0022】
また、補強片5b及び係合凹所5dの切断縁の上辺に臨む部分には、半円形の指掛切欠5fが形成されている。後壁5の両側上端部には、本体11の継代片5aに形成された紐穴1aと重なるように、紐穴1aが穿設されている。
【0023】
棚底部材12のブランクでは、棚板2bの後方となる端辺に棚後板2cが連設され、棚板2bの棚後板2cとの境界には、棚後板2cへの切込により係合突起2dが形成されている。棚板2bと棚後板2cの境界には、段ボールの表面側が窪む谷折りを可能とするため、押罫と切目が交互に断続するリード罫が入れられている。
【0024】
天部材13のブランクでは、天板7の前方となる端辺に天前板7aが、後方となる端辺に天後板7bがそれぞれ連設され、天板7の天後板7bとの境界に、天後板7bへの切込により係合突起7cが形成されている。天板7と天前板7aの境界及び天板7と天後板7bの境界には、段ボールの折曲抵抗を軽減するため、それぞれ押罫と切目が交互に断続するリード罫が入れられている。
【0025】
内後板6のブランクでは、上段及び中段の棚2の係合突起2dを貫通させるため、中間上部及び下部にそれぞれ水平方向に延びるスロット状の係合穴6aが設けられ、下段の棚2の係合突起2dを係入するため、下端に係合凹所6bが形成されている。また、天板7の係合突起7cを係入するため、上端に係合凹所6cが形成されている。
【0026】
本体11、後壁部材11a、棚底部材12、天部材13及び内後板6のブランクには、陳列具の製作工程において、貼り付け位置の目印になる切目が入れられている。
【0027】
上記のようなブランクから図1及び図2に示す陳列具を折り曲げ及び糊貼り加工により製作するには、本体11において、側折片4bを折り曲げて側壁4の内面に貼り付け、補強片3a,3bを折り曲げて最上部の前壁3の内面に貼り付けておく。また、後壁部材11aにおいて、補強片5b,5cを折り曲げて、後壁5の内面に貼り付けておく。
【0028】
次に、各段の棚2を形成するように、本体11と棚底部材12の棚板2bを、互いに向きを一致させて貼り合わせ、最上部の前壁3の上端に沿って、天部材13の天前板7aを補強片3aに貼り付ける。
【0029】
続いて、各段の棚2の棚前板2aを前壁3の裏側に重ねるように下方へ、棚板2bを後方へ順次折り曲げ、棚後板2cを上方へ折り曲げて内後板6に貼り付ける。また、天板7を後方へ折り曲げ、天後板7bを下方へ折り曲げて内後板6に貼り付ける。
【0030】
その後、枠体1を形成するように、本体11の後面側に後壁部材11aをあてがい、内後板6を後壁5の内面に重ね、継代片5aを内側へ折り曲げて後壁5の両側部外面に貼り付ける。また、吊り下げて陳列する場合には、紐穴1aに吊紐14を挿通し、吊紐14にSカン15を取り付ける。
【0031】
このように製作すると、各段の棚2の後端部が後壁5の内面に重なる内後板6により連結され、折畳状態と組立状態との変換に際し、内後板6が後壁5の内面に沿って枠体1に対して昇降し、これに伴い、各段の棚2が一斉に揺動する棚連動機構が形成される。
【0032】
そして、図1及び図2に示す組立状態では、内後板6が後壁5に全体的に重なる位置まで枠体1に対して下降した位置にあり、上段と中段の棚2の係合突起2dが内後板6の係合穴6aを後方へ貫通し、後壁5の補強片5bが抜け出した窓部に嵌まり込み、係合縁5eに係合して下方から支持される。
【0033】
また、下段の棚2の係合突起2dが内後板6の係合凹所6bを介して後壁5の係合凹所5dに嵌まり込み、棚板2bの上方への揺動が阻止されるように係合する。
【0034】
さらに、天板7の後端部の係合突起7cが内後板6の係合凹所6cを介して後壁5の上端に形成された凹所に嵌まり込み、係合縁5eに係合して下方から支持される。
【0035】
これにより、枠体1の前後に渡される各段の棚2の棚板2b及び最上部の天板7は、下方へ落ち込むような揺動が阻止されると共に、上方へ跳ね上がるような揺動が阻止されるので、安定した状態で、水平に保持される。
【0036】
一方、この陳列具を折り畳む際には、図3に示すように、指掛切欠5fに指を掛け、後壁5を後方へ引っ張って撓ませることにより、下段の棚2の係合突起2dと後壁5の係合凹所5dの係合を解除すると共に、上段及び中段の棚2の係合突起2dと後壁5の係合縁5eの係合を解除する。
【0037】
そして、内後板6を枠体1に対して上昇させると、両側の側壁4がヒンジ線4aに沿って外側へ張り出すように屈曲し、枠体1が六角筒状となり、各段の棚2の棚板2bが上方へ揺動し、上段及び中段の棚2の係合突起2dと後壁5の干渉が補強片5bの抜出穴により回避されつつ、前壁3と後壁5とが接近して、図4に示す偏平な折畳状態となる。
【0038】
このような折畳状態としておくと、嵩張らないので、小売店への輸送や保管のためのコストが抑制され、陳列する商品の販売促進に要する費用を削減できる。
【0039】
上記のような構造の折畳式陳列具では、折畳状態で枠体1に対して上昇位置にある内後板6を、店頭での陳列に際し、図3に示すように、枠体1に対して下降させるだけで、各段の棚2が一斉に水平方向へ揺動して、図1及び図2に示すように、棚2の後端部の係合突起2dが後壁5に係合するので、迅速かつ容易に組み立てることができ、小売店での有効活用による販売促進効果を期待することができる。
【0040】
なお、上記実施形態では、棚2の強度を向上させるため、本体11の棚板2bに棚底部材12の棚板2bを貼り合わせて各段の棚2を形成しているが、商品があまり重くない場合には、棚底部材12を省略して、本体11の棚板2bに棚後板2cを連設し、これを内後板6に貼り付けるようにしてもよい。
【0041】
また、枠体1の上部の強度があまり必要でない場合には、本体11の補強片3aを省略し、本体11と天部材13を別体とすることなく、本体11の最上部の前壁3の上端に天板7及び天後板7bを順次連設するようにしてもよい。
【0042】
また、本体11の最上部の前壁3及び天部材13を省略し、最上段の棚2の上方が大きく開放されたものとしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 枠体
1a 紐穴
2 棚
2a 棚前板
2b 棚板
2c 棚後板
2d 係合突起
3 前壁
3a,3b 補強片
4 側壁
4a ヒンジ線
4b 側折片
5 後壁
5a 継代片
5b,5c 補強片
5d 係合凹所
5e 係合縁
5f 指掛切欠
6 内後板
6a 係合穴
6b,6c 係合凹所
7 天板
7a 天前板
7b 天後板
7c 係合突起
11 本体
11a 後壁部材
12 棚底部材
13 天部材
14 吊紐
15 Sカン
図1
図2
図3
図4
図5
図6