特許第6739331号(P6739331)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6739331インデックスからドキュメントを自動生成するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739331
(24)【登録日】2020年7月27日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】インデックスからドキュメントを自動生成するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/186 20200101AFI20200730BHJP
   G06F 40/131 20200101ALI20200730BHJP
【FI】
   G06F40/186
   G06F40/131
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-519950(P2016-519950)
(86)(22)【出願日】2014年10月14日
(65)【公表番号】特表2016-533563(P2016-533563A)
(43)【公表日】2016年10月27日
(86)【国際出願番号】EP2014072020
(87)【国際公開番号】WO2015055653
(87)【国際公開日】20150423
【審査請求日】2017年10月16日
(31)【優先権主張番号】13188916.4
(32)【優先日】2013年10月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514281393
【氏名又は名称】バリパット エス.エー.
【氏名又は名称原語表記】VALIPAT S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルディン,オリヴィエ
【審査官】 長 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2003/083739(WO,A1)
【文献】 特開2010−257176(JP,A)
【文献】 特開2006−309384(JP,A)
【文献】 特開2005−216089(JP,A)
【文献】 特開2004−258789(JP,A)
【文献】 特開2004−086366(JP,A)
【文献】 特開2003−030417(JP,A)
【文献】 特開2000−190592(JP,A)
【文献】 特開平03−134764(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0283186(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0122806(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00−58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのドキュメント(DOC)を自動生成するための方法であって、前記ドキュメント(DOC)は、レイアウト(MP)に従って表示される複数の段落(PA)を含み、前記複数の段落(PA)及び前記レイアウト(MP)は、少なくとも第1のパラメーター(P1)及び第2のパラメーター(P2)に依存し、
該方法は、
レイアウト(MP)のためのデータベース(BMP)と、
段落(PA)のためのデータベース(BPA)と、
前記第1のパラメーター(P1)の値のリスト(LP1)と、
前記第2のパラメーター(P2)の値のリスト(LP2)と、
なお、前記パラメーター(P1、P2)の値の各組合せは、生成コンテキスト(k)を形成し、
各生成コンテキスト(k)を仮想ドキュメント(DOCv)と関連付ける静的インデックス(INDEX)であって、仮想ドキュメント(DOCv)は、前記レイアウトデータベース(BMP)の定義されたレイアウト(MP)を指し示す少なくとも1つのポインタ(POMP)と、前記段落データベース(BPA)の定義された段落(PA)を指し示す複数のポインタ(POPA)とを含む、静的インデックス(INDEX)と、
を少なくとも含むデータベース(3)を使用し、該方法は、
前記第1のパラメーター(P1)の値及び第2のパラメーター(P2)の値を選択して、それにより、生成コンテキスト(k)を形成するステップ(El)と、
前記静的インデックス(INDEX)を調べ、それにより、前記生成コンテキスト(k)と関連付けられた前記仮想ドキュメント(DOCv)を取得するステップ(E2)と、
取得された前記仮想ドキュメント(DOCv)により指し示される前記レイアウト(MP)及び段落(PA)の要求を、前記データベース(3)において行うステップ(E3)と、
前記要求により返された前記段落(PA)及び前記要求により返された前記レイアウト(MP)を含むように、前記ドキュメント(DOC)を電子フォーマットで生成するステップ(E4)と、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ドキュメント(DOC)は、固定フレーム及び少なくとも1つの可変フィールドを含む少なくとも1つの段落(PA)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記段落(PA)の前記可変フィールドの前記値を、入力フォームに入力するステップか、又は別のデータベースにおいて検索するステップ、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記生成コンテキスト(k)に基づいて入力フォームを生成するステップと、前記入力フォームに前記段落(PA)の前記可変フィールドの前記値を入力するステップとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのパラメーター(P2)を選択する前記ステップ(El)は、少なくとも1つの他のパラメーター(P1)の前記値に基づいて、条件的に行われる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記同じパラメーター(P1、P2)の複数の値は、前記選択ステップ(El)の間に選択され、それにより、複数の生成コンテキスト(k)を形成し、したがって、複数のドキュメント(DOC)を生成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
記静的インデックス(INDEX)を調べ、それにより、前記生成コンテキスト(k)と関連付けられた前記仮想ドキュメント(DOCv)を取得するステップ(E2)と、
取得された前記仮想ドキュメント(DOCv)により指し示される前記レイアウト(MP)及び段落(PA)の要求を、前記データベース(3)において行うステップ(E3)と、
取得された仮想ドキュメント(DOCv)ごとに、前記要求により返された前記段落(PA)、及び前記要求により返された前記レイアウト(MP)を含むように、前記ドキュメント(DOC)を電子フォーマットで生成するステップ(E4)と、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記静的インデックス(INDEX)は、複数の異なる生成コンテキスト(k)と関連付けられた前記同じ仮想ドキュメント(DOCv)を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのドキュメント(DOC)を自動生成するためのシステムであって、前記ドキュメント(DOC)は、レイアウト(MP)に従って表示される複数の段落(PA)を含み、前記複数の段落(PA)及び前記レイアウト(MP)は、少なくとも第1のパラメーター(P1)及び第2のパラメーター(P2)に依存し、該生成システムは、
データベース(3)であって、
レイアウト(MP)のためのデータベース(BMP)と、
段落(PA)のためのデータベース(BPA)と、
前記第1のパラメーター(P1)の値のリスト(LP1)と、
前記第2のパラメーター(P2)の値のリスト(LP2)と、
なお、前記パラメーター(P1、P2)の値の各組合せは、生成コンテキスト(k)を形成し、
各生成コンテキスト(k)を仮想ドキュメント(DOCv)と関連付ける静的インデックス(INDEX)であって、仮想ドキュメント(DOCv)は、前記レイアウトデータベース(BMP)の定義されたレイアウト(MP)を指し示す少なくとも1つのポインタ(POMP)と、前記段落データベース(BPA)の定義された段落(PA)を指し示す複数のポインタ(POPA)とを含む、静的インデックス(INDEX)と、
を少なくとも含む、データベース(3)と、
生成モジュールであって、
前記静的インデックス(INDEX)を調べ、それにより、前記生成コンテキスト(k)と関連付けられた前記仮想ドキュメント(DOCv)を取得すること(E2)と、
取得された前記仮想ドキュメント(DOCv)により指し示されるレイアウト(MP)及び段落(PA)の要求を、前記データベース(3)において行うこと(E3)と、
前記要求により返された前記段落(PA)及び前記要求により返された前記レイアウト(MP)を含むように、ドキュメント(DOC)を電子フォーマットで生成すること(E4)と、
を行うのに適した、生成モジュールと、
を備える、システム。
【請求項10】
少なくとも1つの段落(PA)は、固定フレーム及び少なくとも1つの可変フィールドを含み、前記生成モジュールは、入力フォーム又は別のデータベースにおいて、前記段落(PA)の前記可変フィールドの前記値を取り出し、この値を前記段落(PA)の前記固定フレームに関連付けるのに適している、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記生成コンテキスト(k)に基づいて入力フォームを生成するのに適した手段を含む、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメントの自動生成の分野に関する。本発明は、特に、当事者の代わりにアクションを行う権限を代理人に与えるように意図される委任状又は代理委任状等のドキュメントの自動生成に適用することができる。
【0002】
多くの場面で、個人又は法人は、特定のアクションを自分自身で実行することができない。これは、実際上の理由(距離、時間不足)、及び/又は法的理由(そのアクションを自分自身で実行する権限の不足)によるものである。その結果、そのパーティーは、自身の代わりに、別のパーティー、すなわち、個人又は法人のいずれかにこのアクションを実行してもらう必要がある。
【0003】
例として、国家法域又は領域法域に対して、その中で法的手続き及び/又は行政手続きを実行するために、法定代理人(attorney)又は法定代理人事務所が或るパーティーを代表することを可能にする代理委任状について言及することができる。
【0004】
そのような代理委任状の管理は、負担となり、行政上複雑となる可能性がある。これは、特に、複数の法域に対して或るアクションを実行しようとしているパーティーが、通例の法定代理人とコンタクトを取り、この法定代理人が、全ての対象法域において上記アクションを実行する権限を自身で有しているわけではない、という一般的な状況において、当てはまる。
【0005】
そのような場合において、この法定代理人は、法定代理人のネットワークに頼る。このネットワークは、多様な対象法域に対して、この法定代理人のクライアントを代表する権限を有し、そのアクションが実行される法域ごとに、異なる代理委任状をこのクライアントに署名させる責任を有する。この問題は、とりわけ、特許、商標、又は意匠、及び実用新案の出願(application)に関する手続き(ファイリング(filing:出願)、取下げ等)を行う際に生じる。
【0006】
そのような場合において、法定代理人は、権限を有する1つ1つのパーティーにコンタクトを取り、1つ1つの代理委任状用紙(forms:フォーム)を受け取り、(代理委任状を発行する)クライアントが署名するようにクライアントに転送し、その後、様々な法域に対するアクションの実行のために、自身のネットワーク内の様々な法定代理人にこれらの代理委任状用紙を返送しなければならない。
【0007】
この管理を単純化するために、スキャンされ、データベースに記憶された代理委任状のコレクションに基づくシステム及び方法が既知である。
【0008】
このような代理委任状データベースの管理は、生じ得るシナリオごとに1つのドキュメントを含まなければならないということに起因して、複雑である。
【0009】
したがって、データベースは、欧州におけるフランス語での特許のファイリングに関する包括的な代理委任状と、イタリアにおけるイタリア語での商標の取下げに関する特定の代理委任状とを、同じように良好に含まなければならない。
【0010】
そのようなシステム及び方法は、保守、情報の記憶及び検索の効率、並びに使用に関する問題を同時に呈する。特に、そのようなシステム又は方法では、ドキュメントを修正することは、そのドキュメントを再びデジタル化することを必要とし、欠点を伴う。
【0011】
さらに、例えば特定の法域における法律が変更された後にドキュメントの群に修正が適用される場合、関連するドキュメントのそれぞれに変更を加える必要がある。これは、時間がかかり、及び/又はエラーのもととなる。
【0012】
従来、生成されるドキュメントは、所定の数の段落を含み、これらの段落の内容は定義されている。段落データベースに基づく自動ドキュメント生成方法は、従来技術において既知である。これらの方法に従って、異なる段落を選択して共に関連付け、生成されるドキュメントを形成することができる。例として、契約書の起草を助けるような生成方法が既知である。この方法では、ユーザーがインターネットブラウザーを用いてコンピューターインタフェースにアクセスし、生成される契約書に追加する条項を選択する。契約書の生成中、選択された条項に関連する段落が、自動的にPDFタイプのドキュメントに統合される。
【0013】
そのようなドキュメント生成方法は、或る所与の法域に関する単一の代理委任状を自動的に生成するのに適している。しかしながら、ユーザーが、別の法域に関する代理委任状を取得しようとした場合、ユーザーは、再び適切な段落を選択しなければならない。これは、時間の無駄を意味する。
【0014】
また、最適なデータベース管理を可能にしながら、ユーザーによる単一入力ステップに基づいて、複数のドキュメントを自動的に生成する必要がある。
【0015】
従来技術において、段落データベースの保守とともに、段落データベースの大きさを制限するように段落をプーリングする、様々なドキュメント生成方法が既知である。
【0016】
実際には、従来技術による生成方法は、膨大な計算能力を必要とする。さらに、複数のドキュメントを同時に生成するとき、生成時間が膨大であり、ユーザーにとって欠点を伴う。
【0017】
したがって、本発明の目的は、とりわけ、上記で言及した問題及び欠点に対する解決法を提供することである。
【発明の概要】
【0018】
これらの欠点のうちの少なくとも幾つかに対処するために、本発明は、少なくとも1つのドキュメント、特に、当事者の代理としてアクションを行う権利を代理人に与えるように意図される委任状等を自動生成するための方法であって、ドキュメントは、レイアウトに従って表示される複数の段落を含み、上記複数の段落及び上記レイアウトは、少なくとも第1のパラメーター及び第2のパラメーターに依存し、この方法は、
レイアウトデータベースと、
段落データベースと、
上記第1のパラメーターの値のリストと、
上記第2のパラメーターの値のリストと、
なお、上記パラメーターの値の各組合せは、生成コンテキストを形成し、
各生成コンテキストを仮想ドキュメントと関連付ける静的インデックスであって、仮想ドキュメントは、レイアウトデータベースの定義されたレイアウトを指し示す少なくとも1つのポインタと、段落データベースの定義された段落を指し示す複数のポインタとを含む、静的インデックスと、
を少なくとも含むデータベースを使用し、
第1のパラメーターの値及び第2のパラメーターの値を選択して、それにより、生成コンテキストを形成するステップと、
上記生成コンテキストに基づいて静的インデックスを調べ、それにより、上記生成コンテキストと関連付けられた仮想ドキュメントを取得するステップと、
取得された仮想ドキュメントにより指し示されるレイアウト及び段落の要求を、データベースにおいて行うステップと、
要求により返された段落及び要求により返されたレイアウトを含むように、上記ドキュメントを電子フォーマットで生成するステップと、
を含む、方法に関する。
【0019】
本発明によって、生成されるドキュメントのエレメント(レイアウト、段落)の内容及び値は、それ自体が上記エレメント(仮想ドキュメント)の関連付け論理から切り離されることが有利である。そのような切り離しにより、ドキュメントを生成することに関して高い柔軟性を提供することが可能になる。
【0020】
さらに、要求ステップは、各生成コンテキストが、ドキュメントの全てのエレメント(レイアウト及び段落)の定義を含む仮想ドキュメントと関連付けられていることを考えると、実施するのが迅速である。換言すると、仮想ドキュメント及び静的インデックスによって、生成されるドキュメントの内容は、生成コンテキストに基づいて直接決定される。そのような生成方法により、求める(sought)ドキュメントを瞬時に取得するユーザーの待機時間を制限することができ、したがって、生成方法はより効率的になる。なぜならば、従来技術による方法と比べて少ないコンピューターリソースを必要とするからである。
【0021】
そのような方法は、大量のドキュメント、特に、複数の法域に対する代理委任状
を同時に生成するのに特に有利である。
【0022】
本発明の1つの態様によると、段落データベースの同じ段落が、複数の異なる仮想ドキュメントにより指し示される。同様に、同じレイアウトが、複数の異なる仮想ドキュメントにより指し示される。換言すると、限られた数の段落及び/又はレイアウトを用いて、大量の異なるドキュメントを生成することができる。段落及びレイアウトをプーリングすることは、保守を容易にする。さらに、静的インデックスの使用により、段落及びレイアウトのプーリングのレベルを正確に分析することが可能になる。このことは、保守と、生成される新しいドキュメントの作成とを容易にする。例として、段落が幾つかの仮想ドキュメントのみにより指し示されている場合、より高いプーリングレートを有する同様の段落と置き換えることができないか否かを確認することを有利とすることができる。
【0023】
データベースの段落が修正されるとき、行われる修正は、上記修正される段落を指し示す仮想ドキュメントから生成されるすべてのドキュメントに伝達されることが有利である。換言すると、生成される大量のドキュメントは、データベースの1つの段落のみを修正することにより修正される。仮想ドキュメントは、修正されないことが有利である。
【0024】
好ましくは、ドキュメントは、固定フレーム及び少なくとも1つの可変フィールドを含む少なくとも1つの段落を含み、それにより、上記段落のカスタマイズ及び/又は段落データベースの段落の数の制限が可能になる。
【0025】
この場合に好ましくは、上記段落の固定フレームは、他の段落とともにデータベースに記憶される。
【0026】
ここでも好ましくは、本方法は、上記段落の可変フィールドの値を、入力フォームに入力するステップ、又は別のデータベースにおいて検索するステップ、を含む。
【0027】
この場合に好ましくは、本方法は、生成コンテキストに基づいて入力フォームを生成するステップと、入力フォームに、段落の可変フィールドの値を入力するステップとを含む。したがって、入力フォームと、したがって可変フィールドとは、生成コンテキストと関係付けられる。それにより、可変フィールドの入力を容易にし、速度を向上させる。
【0028】
好ましくは、少なくとも1つのパラメーターを選択するステップは、少なくとも1つの他のパラメーターの値に基づいて、条件的に行われる。したがって、不可能な組合せを選択することはできないので、適合する値の、値の組合せの形成が好まれ、それによりユーザーにとって時間が節約される。
【0029】
好ましくは、同じパラメーターの複数の値は、選択ステップの間に選択され、それにより、複数の生成コンテキストを形成し、したがって、複数のドキュメントを生成する。したがって、そのような方法により、大量のドキュメント、特に、複数の異なる法域に対する代理委任状を同時に生成することが可能になる。そのような複数の選択により、ユーザーの選択時間を削減することが可能になる。実際に、単一の動作(すなわち、本発明による方法の単一の実施)において、ユーザーは、ドキュメントのバッチ(batch:束)を生成することができる。複数のドキュメントの同時生成は、当業者には、「バッチ」という用語として既知である。インデックスによって、そのような「バッチモードにおける」複数の異なるドキュメントの生成は、高速で実施される。
【0030】
ここでも好ましくは、本方法は、静的インデックスを閲覧し、それにより、上記生成コンテキストと関連付けられた仮想ドキュメントを取得するステップと、上記取得された仮想ドキュメントにより指し示されるレイアウト及び段落の要求を、データベースにおいて行うステップと、取得された仮想ドキュメントごとに、上記要求により返された段落、及び上記要求により返されたレイアウトを含むように、上記ドキュメントを電子フォーマットで生成するステップとを含む。複数の異なるドキュメントを同時に、かつ従来的に、静的インデックスにより生成することが有利である。
【0031】
本発明の1つの態様によると、静的インデックスは、仮想ドキュメントの数を制限するように、複数の異なる生成コンテキストと関連付けられた同じ仮想ドキュメントを含む。段落及び/又はレイアウトのプーリングの代わりに、又はそれに加えて(cumulatively)、仮想ドキュメントをプーリングすることもでき、それにより、同じ仮想ドキュメントが複数の生成コンテキストと関連付けられる。大量の生成コンテキストにより、ユーザーが、生成されるドキュメントを詳細に選ぶことが可能になる。仮想ドキュメントのプーリングにより、限られた数の仮想ドキュメントを保持することで、生成されるドキュメントの広い選択肢をユーザーに提案することが可能になる。したがって、ユーザーは、ユーザーの期待に応える非常に詳細な生成コンテキストを形成することができ、一方で、上記生成コンテキストは仮想ドキュメントと関連付けられ、この仮想ドキュメントが更により一般的な生成コンテキストと関連付けられる。迅速で、信頼性の高く、保守が容易な生成方法を保持しながら、ユーザーの特定の希望が実現される。さらに、静的インデックスを分析することにより、各仮想ドキュメントのプーリングのレベルを求めることが可能であり、それにより、静的インデックスの保守が促進される。
【0032】
そのような静的インデックスにより、複数の異なる生成コンテキストは、同じ仮想ドキュメントを指し示し、それにより、仮想ドキュメントの数及び種類が限定され、結果として、段落及び/又はレイアウトの数及び種類が限定される。換言すると、限られた数の段落及び/又はレイアウトを用いて、大量の異なるドキュメントを生成することができる。段落及びレイアウトのプーリングにより保守が促進され、この保守は、仮想ドキュメントをプーリングすることにより更に促進される。換言すると、本発明による方法は、プーリングカスケード(段落、レイアウト、仮想ドキュメント)を用いる。
【0033】
本発明は、少なくとも1つのドキュメント、特に、当事者の代理としてアクションを行う権利を代理人に与えるように意図される委任状等を自動生成するためのシステムであって、ドキュメントは、レイアウトに従って表示される複数の段落を含み、上記複数の段落及び上記レイアウトは、少なくとも第1のパラメーター及び第2のパラメーターに依存し、この生成システムは、
データベースであって、
レイアウトデータベースと、
段落データベースと、
上記第1のパラメーターの値のリストと、
上記第2のパラメーターの値のリストと、
なお、上記パラメーターの値の各組合せは、生成コンテキストを形成し、
各生成コンテキストを仮想ドキュメントと関連付ける静的インデックスであって、仮想ドキュメントは、レイアウトデータベースの定義されたレイアウトを指し示す少なくとも1つのポインタと、段落データベースの定義された段落を指し示す複数のポインタとを含む、静的インデックスと、
を少なくとも含む、データベースと、
生成モジュールであって、
静的インデックスを閲覧し、それにより、上記所定の生成コンテキストと関連付けられた仮想ドキュメントを取得することと、
取得された仮想ドキュメントにより指し示されるレイアウト及び段落の要求を、データベースにおいて行うことと、
上記要求により返された段落及び上記要求により返されたレイアウトを含むように、ドキュメントを電子フォーマットで生成することと、
を行うのに適した、生成モジュールと、
を備える、システムにも関する。
【0034】
本発明によるシステムは、本発明による方法と同じ利点を有する。
【0035】
好ましくは、少なくとも1つの段落は、固定フレーム及び少なくとも1つの可変フィールドを含み、生成モジュールは、入力フォーム又は別のデータベースにおいて、上記段落の可変フィールドの値を取り出し、この値を上記段落の固定フレームに関連付けるのに適している。
【0036】
好ましくは、本システムは、生成コンテキストに基づいて入力フォームを生成するのに適した手段を含む。
【0037】
本発明は、単なる例として与えられている以下の記載を読むことで、及び以下の添付の図面を参照することで、より明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】データサーバーのデータベースからドキュメントを自動生成するためのシステムの概略図である。
図2】生成されるドキュメントの概略図である。
図3】自動ドキュメント生成方法のステップの一般概略図である。
図4】生成システムデータベースのエレメントに関して実施される上記ステップ概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図面は、本発明を実施するために本発明を詳細に開示し、これらの図面は、必要に応じた本発明のより明確な規定に使用することに適していることが明らかであることに留意するべきである。
【0040】
本発明は、第1の態様によると、少なくとも1つのドキュメント、特に、当事者の代わりにアクションを行う権限を代理人に与えるように意図される委任状等、例えば、産業財産分野における代理人又はコンサルタントに、国家産業財産庁又は地域産業財産庁に対して、1つ又は複数の産業財産権の管理のためにクライアントを代表する権限を与える代理委任状の自動生成のための方法に関する。
【0041】
図1を参照すると、生成方法は、通信ネットワーク4を介して、好ましくはインターネットを介して、ユーザー端末1によりアクセス可能なデータサーバー2を含む生成システムによって実施されることが好ましい。データサーバー2は、そこから複数のドキュメントDOCを生成することができるデータベース3を含む。データサーバー2は、コンピューティングユニット、例えば、プロセッサの形態で提示される生成モジュール(図示せず)を更に含む。
【0042】
通常、ユーザー端末1は、中央ユニット、スクリーン等の表示装置、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボード等の入力デバイスを備えるコンピューターシステムである。
【0043】
データベース3は、データサーバー2の中央処理ユニットに記憶されるが、任意のアドホックな通信手段によりアクセス可能な、別々及び/又は遠隔の記憶デバイスにデータベース3を記憶することができる。そして、データベース3は、単一の記憶デバイス上に記憶することもできし、互いに関係する複数の別々の及び/又は遠隔の記憶デバイス上に分散方式で記憶することもできる。
【0044】
生成されるドキュメントDOCの表示及び検索は、通信ネットワーク4を介してユーザー端末1上で実行されることが好ましい。データサーバー2は、ウェブインタフェースを使用することが好ましい。このウェブインタフェースを介して、ユーザー端末1は、生成されるドキュメントの性質を定義するパラメーター値を選択することができる。生成されるドキュメントDOCは、このウェブインタフェースからダウンロード可能であり、このウェブインタフェースにより表示することができる。
【0045】
図2を参照すると、生成されるドキュメントDOCは、複数の段落PAl、PA2、PA3を含む。これらの段落は、少なくとも1つのレイアウトMPに従って提示される。
【0046】
レイアウトMPという用語は、ドキュメントDOC内で段落の内容が表示される位置及びその方式を求める1組の表示特性を示すことに留意されたい。したがって、この用語は位置特性の他に、表示フォント、表示フォントサイズ、表示色、下線、ボーダー、ヘッダー(複数の場合もある)及び/又はフッター(複数の場合もある)及び/又はロゴ(複数の場合もある)の存在等に関する特性からなることができる。
【0047】
図4を参照すると、データベース3は、段落データベースBPA及びレイアウトデータベースBMPを含む。段落データベースBPA及びレイアウトデータベースBMPは、その保守及び更新を容易にするように、定義された基準に従って組織することが好ましい。換言すると、データベース3は、生成されるドキュメントDOCの構成要素を含む。
【0048】
本発明によると、ドキュメントDOCの生成は、少なくとも第1のパラメーターP1及び第2のパラメーターP2に依存する。この例では、図4を参照すると、データベース3は、第1のパラメーターP1の値のリストLP1と、第2のパラメーターP2の値のリストLP2とを含む。
【0049】
本発明は、2つ以上のパラメーターに基づいて、ドキュメントDOCを生成すること、及び複数のパラメーターに基づいて、複数のドキュメントを生成することに適用可能であることは明らかである。
【0050】
本発明の本実施形態において、第1のパラメーターP1の値と、第2のパラメーターP2の値との各組合せは、ドキュメント生成コンテキストkを形成する。しかしながら、パラメーターの組合せのうちのいくつかは、仮想ドキュメントと関連付けられない無効な生成コンテキストであり、それらのコンテキストを形成する。
【0051】
例として、第1のパラメーターP1の値のリストが2つのエレメントを含み、第2のパラメーターP2の値のリストが3つのエレメントを含む場合、組合せの潜在的な数は、6に等しい。しかしながら、値の組合せが可能ではない場合、この組合せは考慮されず、及び/又は図1に示される端末1に表示されるエラーメッセージがもたらされる。代替的に、又は累積的に、選択された第1のパラメーターP1の値により、第2のパラメーターP2の値の選択が決定される。換言すると、この場合、本発明によるシステム、より詳細には、パラメーター値選択インタフェースは、互いに互換性のない値の選択を阻止する。
【0052】
再び図4を参照すると、データベース3は、各生成コンテキストkを仮想ドキュメントDOCvと関連付ける静的インデックスINDEXを含む。各仮想ドキュメントDOCvは、レイアウトデータベースBMPから、定義されたレイアウトMPを指し示す少なくとも1つのポインタPOMP(図示せず)と、段落データベースBPAの定義された段落PAを指し示す複数のポインタPOPA1、POPA2、POPA3(図示せず)とを含む演算オブジェクトである。
【0053】
換言すると、定義された生成コンテキストkのための仮想ドキュメントDOCvは、上記の生成コンテキストkに適したレイアウトMPへのリンクと、上記の生成コンテキストkに適した段落PAへのリンクとを含む。したがって、静的インデックスINDEXは、ドキュメントの構成エレメント(段落及びレイアウト)の論理構成を決定し、生成コンテキストkに基づいて、生成されるドキュメントDOCを形成する。
【0054】
静的インデックスINDEX(及び、より詳細には、静的インデックスINDEXの内容)は、生成方法を実施する前に、予め求められるか、又は予め定義される。各仮想ドキュメントDOCvは、定義された生成コンテキストkに対してドキュメントDOCを形成するように、1組のリンクを含む。したがって、新しい生成されるドキュメントDOCを定義、更新、又は作成するには、単に、静的インデックスINDEXを正確に定義することのみが必要である。各仮想ドキュメントDOCvは、定義された生成コンテキストkに関してドキュメントDOCを形成するように1組のリンク(ポインタ)を含むので、静的インデックスINDEXを分析することにより、どの段落PA及びどのレイアウトPMがどのドキュメントDOCに使用されるかを求めることも可能である。換言すると、静的インデックスINDEXの分析によって、段落データベースBPAの各段落PA、及びレイアウトデータベースBMPの各レイアウトMPのプーリングのレベルを求めることが可能になる。例として、この分析によって、段落データベースBPAの未使用段落を削除することができ、又は、プーリングレベルが低く、使用頻度の低いレイアウトMPを削除して、プーリングレベルがより高い同様のレイアウトに交換することができる。段落PA及びレイアウトMPの数が削減された段落のデータベースBPA又はレイアウトのデータベースBMPは、維持及び更新することがより単純である。
【0055】
換言すると、レイアウトのデータベースBMP及び段落のデータベースBPAは、生成されるドキュメントDOCのためのエレメントのストア(store)を形成する。静的インデックスINDEXは、求められる生成コンテキストに基づいて、ドキュメントDOCにおいて上記のエレメントを組織するための論理リンクを形成する。したがって、一方のエレメントのストアと、他方の上記のエレメントの組織化論理とが分離され、それにより、大きい設計自由度がもたらされるとともに、データベース3の保守がスピードアップする。
【0056】
実際に、1組のドキュメントDOCに対して、段落(及び/又はレイアウト)が修正される必要がある場合、段落データベースBPAにおいて上記の段落を修正することのみが必要である。この修正は、問題となっている段落(及び/又はレイアウト)を指し示す仮想ドキュメントDOCvを用いて生成された1組のドキュメントDOCに影響を及ぼすが、仮想ドキュメントDOCvは、修正される段落(及び/又はレイアウト)を既に指し示しているので、仮想ドキュメントDOCvを更新する必要がない。したがって、ここでも、段落(及び/又はレイアウト)の修正により上記のドキュメントDOCの組織化論理が影響されないことを考えると、仮想ドキュメントDOCvに対する修正は行われる必要がない。さらに、一方の、使用される段落及びレイアウトと、他方の、これらの段落及びレイアウトを使用するドキュメントDOCとの関係が(それらの間のリンクを確立している仮想ドキュメントDOCvによって)既知であるので、段落PA及び/又はレイアウトMPの修正が、当該段落PA及び/又は当該レイアウトMPを指し示している全ての仮想ドキュメントDOCvに適しているか否かを簡単に判断することが可能である。これは、データベース3の保守を容易にする。
【0057】
一方、定義された生成コンテキストklに関して、ドキュメントDOCにおける段落PAの順序、存在、又は不在を修正する必要がある場合、上記の定義された生成コンテキストklに関連付けられている仮想ドキュメントDOCv1のポインタPOPAの順序、存在、又は不在を修正するだけでよい。
【0058】
上記のドキュメントDOCの段落の内容が影響されないことを考えると、段落データベースBPAの修正を行う必要がない。レイアウトに関して同じことが当てはまることは明らかである。
【0059】
1つの実施形態によると、複数の生成コンテキストkは、同一の仮想ドキュメントDOCvと(又は更には、好ましくは同じ仮想ドキュメントDOCvと)関連付けられ、したがって、同一のポインタと関連付けられている。例として、以下のパラメーター値「filing of a patent application; Belgium; specific」に関する第1の生成コンテキストk1と、以下のパラメーター値「filing of a patent application; Belgium; general」に関する第2の生成コンテキストk2とが、同じ仮想ドキュメントDOCv8と関連付けられる。換言すると、ベルギーにおける一般的な特許出願の代理委任状のために生成されたドキュメントDOCが、ベルギーにおける特定の特許出願の代理委任状のために生成されたドキュメントDOCと同一である。したがって、ユーザーは、生成されたドキュメントが同一である限り、特定の代理委任状、又は一般的な代理委任状を選択するオプションを有する。なぜならば、これらのドキュメントは、同じ仮想ドキュメントと関連付けられているからである。仮想ドキュメントのそのようなプーリングによって、ユーザーが、とりわけ自身で選んだドキュメントを選択することを可能にしながら、インデックスの仮想ドキュメントの数を制限することが可能になる。さらに、仮想ドキュメントDOCvをプーリングすることにより、データベース3のサイズが制限され、段落PA及びレイアウトMPのプーリングが増加する。
【0060】
さらに、将来的に、ベルギーにおける一般的な特許出願の代理委任状が、ベルギーにおける特定の特許出願の代理委任状と異なった場合、単に、仮想ドキュメントDOCv8に存在しない段落PAX17へのリンクを追加するように、第2の生成コンテキストk2のための新しい仮想ドキュメントDOCv9を作成すればよい。そのような新しい仮想ドキュメントDOCv9は、単に、仮想ドキュメントDOCv8をコピーして、段落データベースBPAから、欠落した段落PAX17へのポインタPOPAを追加すればよいので、取得が単純である。
【0061】
段落PA及びレイアウトMPのこのプーリングによって、記憶する情報量を削減することが可能になるが、保守を容易にすることも可能になる。例えば、このプーリングによって、その内容がデータベース3における他の既存のドキュメントと同様である、生成される新しいドキュメントの作成が簡易化される。また、このプーリングによって、データベース3における、一連の既存のドキュメントへの同じ修正の適用が簡易化される。
【0062】
使用
本発明の更なる特徴及び利点が、好ましい代替的な実施形態及び使用に関する以下の記載を読むことで、より明確に理解される。これらの実施形態及び使用は、非限定的な例として、添付の図面を参照して与えられる。これらの図面において、図4は、他のエレメントの中でとりわけ、本発明による方法の使用を可能にする、本発明によるシステムの例の主要なエレメントを概略的に示す。
【0063】
本発明は、現地の代表が、現地の機関又は団体に対して、出願人の代わりにアクションを行うことを可能にすることを意図する代理委任状からなるドキュメントの生成の例を用いて、以下に記載される。本発明は、例えば、産業財産の分野において、管轄する現地の団体に関して、特許出願をファイリングするか、又は商標を登録するための代理委任状に存することができる。
【0064】
図4に示す例において、生成されるドキュメントDOCは、3つの段落と、定義されたロケーションにおける段落の位置、これらの段落の、或る特定の表示フォント、或る特定のサイズを有する、下線付き又は下線付きでない、太字又は太字でない表示を確定するレイアウトとを含む。
【0065】
この例において、ドキュメントDOCのレイアウト及び段落は、パラメーターの数に依存し、この例では、
代理委任状が与えられるアクションの性質からなる第1のパラメーターP1と、
アクションが行わなければならない対象である現地の団体からなる第2のパラメーターP2と、
に依存する。
【0066】
これらのパラメーターP1、P2は、データベース3に記憶されている値のリストLP1、LP2において共にグループ化されている値を採用することができる。
【0067】
例において、アクションの性質に関する第1のパラメーターP1の値のリストLP1は、ファイリング、取下げ等の異なる可能な値を含む。
【0068】
現地の団体に関する第2のパラメーターP2の値のリストLP2は、欧州特許庁(EPO)、米国特許商標庁等の異なる可能な値を含む。
【0069】
この例において、第2のパラメーターP2のための様々な可能な値は、第1のパラメーターP1の可能な値に依存することができる。換言すると、選択を条件付きとすることができ、より詳細には、選択するのに適している第2のパラメーターP2の値は、第1のパラメーターP1のために選ばれた値によって決まる。
【0070】
したがって、値P2=「EPO」は、第1のパラメーターP1の値が「filing of a patent application」であるときには、第2のパラメーターP2の可能な値であるが、第1のパラメーターP1の値が=「registration of a trademark」であるときには、この第2のパラメーターP2の可能な値ではない。換言すると、組合せ「registration of a trademark; EPO」は、パラメーターP1、P2の可能な組合せではない。1組の可能な(又は実行可能な)パラメーターの値の組合せは、1組の生成コンテキストkを形成する。1組の生成コンテキストkは、仮想ドキュメントDOCvと関連付けられ、したがってドキュメントDOCの生成を可能にする。
【0071】
ここで、図3を参照しながら、本発明による生成方法のステップE1〜E4が詳細に説明される。
【0072】
選択ステップEl
本方法は、生成コンテキストkを形成するように、第1のパラメーターP1の値及び第2のパラメーターP2の値を選択するためのステップElを含む。
【0073】
この例において、生成コンテキストkは第1のパラメーターP1のための値=「filing of a patent application」及び第2のパラメーターP2のための値=「Belgium」の選択に基づいて形成される。
【0074】
値の組合せ(P1;P2)「filing of a patent application: Belgium」によって、生成コンテキストkが形成される。
【0075】
参照ステップE2
本方法は、静的インデックスINDEXを参照し、上記の生成コンテキストk、すなわち「filing of a patent application; Belgium」に関連付けられる仮想ドキュメントDOCvを取得するステップE2を更に含む。
【0076】
この例において、上記の生成コンテキストkに関連付けられる仮想ドキュメントDOCvは、4つのポインタ、すなわち、
3つの段落ポインタPO1PA、PO2PA、PO3PAと、
1つのレイアウトポインタPOMPと、
を含む。
【0077】
ポインタPO1PA、PO2PA、PO3PA、POMPは、それぞれ、段落PA154、PA367、PA585、及びレイアウトMP12を指し示す。そのようなポインタは、定義された生成コンテキストkのために生成されるドキュメントDOCのエレメントを直接的な、かつ所定の方式で求めることを可能にするので、有利である。換言すると、ドキュメントDOCの生成の速度を低下させ得る条件ステップは存在しない。
【0078】
要求ステップE3
本方法は、定義された生成コンテキストkのために取得された仮想ドキュメントDOCvのポインタPO1PA、PO2PA、PO3PA、POMPにより指し示されるエレメント、すなわち、段落PA154、PA367、PA585、及びレイアウトMP12のデータベース3における要求ステップE3を含む。
【0079】
生成ステップE4
本方法は、上記のドキュメントDOCの電子フォーマットでの生成ステップE4を更に含む。ドキュメントDOCは、上記の要求ステップE3により返された段落を含む。これらの段落は、ここでも要求ステップE3により返されたレイアウトMP12に従って配置されている。
【0080】
この使用によって、ドキュメントDOCの生成は、要求ステップE3の速さに起因して即時に行われる。これは、特に、多くのパラメーター値を用いて生成コンテキストkが形成されるときに有利である。静的インデックスが予め求められていることを考えると、これらの多くの値は、処理時間に影響を及ばさない。したがって、同時に生成されるドキュメント数がドキュメント生成速度に及ぼす影響は小さい。
【0081】
さらに、これは、単一の選択ステップElから複数のドキュメントDOCを形成するのに有利である。したがって、第1のパラメーターの単一の値、例えば「filing of a patent application」と、第2のパラメーターの複数の値(「Belgium」、「Spain」、「Poland」)とを選択し、高速で3つの生成コンテキストkを形成すること、及びしたがって、3つのドキュメントDOCを自動的に生成することが可能である。
【0082】
可変フィールドを有する段落
1つの代替的な使用において、少なくとも1つの段落PAは、「固定フレーム」と示される固定部分、及び「可変フィールド」と示される少なくとも1つの可変部分を有する。
【0083】
したがって、例えば、段落PAの固定フレームのみがデータベースに記憶される。可変フィールドの値は、ユーザーにより直接入力されるか、別のデータベースにおける要求により取得されるのに適している。
【0084】
次に、ドキュメントを生成するステップは、可変フィールドの値を、入力フォームに入力するステップ、又は別のデータベースにおいて検索するステップ、及び段落PAに、この段落の固定フレームを用いて、この値を挿入するステップを含む。
【0085】
例として、この段落は、ファイリング番号が完成していない欧州特許権において実行されるアクションを示す固定フレームを含む。換言すると、そのファイリング番号は可変フィールドを構成する。
【0086】
ドキュメントを生成するステップの間、指し示される段落の固定フレームは、ユーザーによりファイリング番号が直接入力されるか、又は別のデータベースにおいて検索されることにより完成する。後者の仮定の場合、及び例えば、ユーザーの特許権のリストを含む別のデータベースにおいてファイリング番号を検索することができる。
【0087】
この使用において、単一の可変フィールドを含む段落PAが説明された。段落PAは、複数の段落PA、例えば、ファイリング番号、ファイリング日付、代理人の名前等を含むことができることは明らかである。
【0088】
1つの特定の実施形態によると、可変フィールドの値は、例えば、ドロップダウン値のリストの形態でユーザーに提示される一連の可能な値から選ばれる。ここで、ユーザーは、可変フィールドに対して1つ又は複数の値を選ぶことができる。
【0089】
1つの特定の実施形態によると、本方法は、生成コンテキストに依存する入力フォームを生成するためのステップを含む。これにより、本方法に高い柔軟性がもたらされる。その結果、生成コンテキストに従って、ユーザーにそのコンテキストに依存するか、又は依存しないフォームを提供することが可能になる。
【0090】
例えば、特許出願を移転するための代理委任状を生成するためには、ユーザーは、特許権の移転の生成コンテキストを定義するようにパラメーターの値を選択する。定義された生成コンテキストと関連付けられた仮想ドキュメントは、可変フィールドを含む段落PAを指し示すポインタを含む。また、生成システムは、指し示された一組の段落PAについて完成される可変フィールドを含む入力フォームの表示を生成する。これらの可変フィールドは、例えば、代理委任状により参照される、移転に関する情報を挿入することを可能にすることができる。
【0091】
ユーザーは、求める代理委任状の生成を可能にするためには、単に、全ての可変フィールドを完成すればよい。そのような方法により、生成コンテキストに従って段落をカスタマイズすることが可能になる。このことは、有利であり、生成されるドキュメントの品質及び正確性を改良する。そのような方法は、同じ可変フィールドが挿入される大量のドキュメントを同時に生成するのに、特に有利である。
【0092】
ドキュメントを生成する方法が説明されたが、本発明は、上記方法を用いる生成システムにも関する。
【0093】
本発明は、第2の態様によると、少なくとも1つのドキュメントを自動生成するためのシステム、特に、上記で説明されたデータベース3と、以下のことに適している生成モジュールとを含むデータサーバー2に関する。すなわち、
所定の生成コンテキストkに基づいて仮想ドキュメントDOCvを取得するように、静的インデックスINDEXを調べることと、
データベース3において、取得された仮想ドキュメントDOCvにより指し示されるレイアウトMP及び段落PAに関する要求を行うことと、
上記要求により返された段落PA及び上記要求により返されたレイアウトMPを含むドキュメントDOCを電子フォーマットで生成することと、
である。
【0094】
生成システムは、上記で説明された生成方法と関連付けられた利点と同じ利点にっより、利益を得ることが有利である。
【0095】
本発明によるシステムによって、生成されるドキュメントのエレメント(レイアウト、段落)の内容及び値は、それ自体が上記エレメント(仮想ドキュメント)の関連付け論理から分離されることが有利である。そのような分離により、生成モジュールよってドキュメントを生成するのに高い柔軟性を提供することが可能になる。
【0096】
さらに、生成モジュールによる要求の使用は、各生成コンテキストが、ドキュメントのすべてのエレメント(レイアウト及び段落)の定義を含む仮想ドキュメントと関連付けられることを考えると、迅速である。換言すると、静的インデックスによって、生成されるドキュメントの内容は、生成コンテキストに直接基づいて決定される。そのような生成方法は、それにより処理システムの時間が最小化されるので、ユーザーの待機時間を制限し、ユーザーは求めるドキュメントを瞬時に取得する。
【0097】
そのようなシステムは、大量のドキュメント、特に、複数の法域に対する代理委任状を同時に生成するのに特に有利である。
【0098】
また、本発明は、図4に示されるような定義されたコンピューターアーキテクチャーに限定されない。データベース3及び生成モジュールの双方を、分散方式又は非分散方式で、同じ1つのユニットに、又は別々のユニットに実装することができる。さらに、ドキュメントDOCの生成は、生成モジュールが実施されるサーバー2においても、通信ネットワークを介してサーバー2に接続されている遠隔ユニットにおいても、又はその両方において同じように行うことができる。
【0099】
上述の記載全体は、例として与えられ、本発明に関して限定されない。
【0100】
特に、本発明は、産業財産分野における代理委任状の生成は言うまでもなく、代理委任状の生成に限定されない。
【0101】
さらに、段落の内容及びそのレイアウト以外の情報は、パラメーター(複数の場合もある)として定義することができる。これは、代理委任状の有無、その印刷に用いられる紙等を指すことできる。
図1
図2
図3
図4