(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、第1導電形の第3半導体層と、第2導電形の第4半導体層と、を有し、第1領域、第2領域、前記第1領域及び前記第2領域との間に設けられた第3領域とを有する半導体層と、
前記半導体層内に設けられ前記第2半導体層と対向し、前記第2領域から前記第1領域に向かう第1方向に延伸する第1電極と、
前記半導体層及び前記第1電極の間に設けられ、前記第2半導体層から前記第1電極に向かい前記第1方向に直交する第2方向の厚さが前記第1方向に沿って段階的に大きくなる第1絶縁膜と、
前記半導体層の前記第1半導体層側に設けられた第2電極と、
前記半導体層と前記第2電極との間に設けられた第1導電形の第5半導体層と、
前記半導体層内に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、前記第1方向に延伸する第3電極と、
前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域において、前記第1半導体層及び前記第3電極の間に設けられた第2絶縁膜と、
前記第1電極と前記第3電極との間に設けられた第3絶縁膜と、
を備え、
前記第1電極は、前記半導体層の端部に向かって延びており、
前記第1領域は、前記半導体層の端部に位置し、
前記第1領域では、前記第4半導体層は前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において前記第1半導体層上に設けられ、前記第1絶縁膜は前記第2方向において第1の厚さを有し、
前記第2領域では、前記第2半導体層は前記第3方向において前記第1半導体層及び前記第3半導体層の間に設けられ、前記第1絶縁膜は前記第2方向において第2の厚さを有し、
前記第3領域では、前記第1絶縁膜は前記第2方向において、前記第1の厚さより小さく前記第2の厚さより大きい第3の厚さを有し、
前記第3領域には、前記第3半導体層が設けられておらず、
前記第2絶縁膜は、前記第2方向において前記第1の厚さと同じ第4の厚さを有する半導体装置。
第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、第1導電形の第3半導体層と、第2導電形の第4半導体層と、を有し、第1領域、第2領域、前記第1領域及び前記第2領域との間に設けられた第3領域とを有する半導体層と、
前記半導体層内に設けられ前記第2半導体層と対向し、前記第2領域から前記第1領域に向かう第1方向に延伸する第1電極と、
前記半導体層及び前記第1電極の間に設けられ、前記第2半導体層から前記第1電極に向かい前記第1方向に直交する第2方向の厚さが前記第1方向に沿って段階的に大きくなる第1絶縁膜と、
を備え、
前記第1領域では、前記第4半導体層は前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において前記第1半導体層上に設けられ、前記第1絶縁膜は前記第2方向において第1の厚さを有し、
前記第2領域では、前記第2半導体層は前記第3方向において前記第1半導体層及び前記第3半導体層の間に設けられ、前記第1絶縁膜は前記第2方向において第2の厚さを有し、
前記第3領域では、前記第1絶縁膜は前記第2方向において、前記第1の厚さより小さく前記第2の厚さより大きい第3の厚さを有し、
前記第1電極は、前記半導体層の端部に向かって延びており、
前記第1領域は、前記半導体層の端部に位置し、
前記半導体層の前記第1半導体層側に設けられた第2電極と、
前記半導体層と前記第2電極との間に設けられた第1導電形の第5半導体層と、
前記半導体層内に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、前記第1方向に延伸する第3電極と、
前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域において、前記第1半導体層及び前記第3電極の間に設けられ、前記第2方向において第4の厚さを有する第2絶縁膜と、
前記第1電極と前記第3電極との間に設けられた第3絶縁膜と、
をさらに備え、
前記第1の厚さは、前記第4の厚さと同じである半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
以下、本明細書においては、XYZ直交座標系を採用する。基板10の上面10aに対して平行で、且つ、相互に直交する2方向を「X方向」及び「Y方向」とし、X方向及びY方向の双方に対して直交する方向を「Z方向」とする。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図2は、
図1の領域Rの拡大図である。
図3、
図4、
図5、
図6及び
図7は、
図2のA1−A2線、B1−B2線、C1−C2線、D1−D2及びE1−E2線の断面図である。
図1に示すように、半導体装置1には、素子部8と、パッド9と、が設けられている。素子部8は、配線を介してパッド9に電気的に接続される。素子部8には、後述する半導体層20、ゲート電極40、絶縁膜50、ソース電極70及びドレイン電極80が設けられており、セルパターンを形成している。パッド9は、例えば、ゲートパッドであって、引き出し配線を介してゲート電極40に接続される。素子部8の上面はソース電極70、下面はドレイン電極80となっており、それぞれ外部回路に接続される。
図3〜
図7に示すように、半導体装置1には、基板10が設けられている。基板10は、例えば、シリコン基板等の半導体基板である。例えば、基板10の導電形は、n
+形である。
【0010】
「n
+形」とは、n形であって実効的な不純物濃度が「n
−形」よりも高いことを示す。「p
+形」及び「p
−形」についても同様である。「実効的な不純物濃度」とは、半導体材料の導電性に寄与する不純物の濃度をいい、ドナーとなる不純物とアクセプタとなる不純物の双方が含まれている場合は、その相殺分を除いた濃度をいう。なお、n形不純物は、例えば、リン(P)であり、p形不純物は、例えば、ホウ素(B)である。
【0011】
半導体装置1には、素子領域R1と、終端領域R2と、が設けられている。素子領域R1は、素子部8の中央に設けられている。終端領域R2は素子部8の端部に設けられている。例えば、終端領域R2は素子領域R1の周囲を囲むように設けられている。例えば、
図1において、X方向の両端に位置する終端領域R2の構成は互いに同じであり、Y方向の両端に位置する終端領域R2の構成は互いに同じである。また、X方向の両端に位置する終端領域R2の構成は、Y方向の両端に位置する終端領域R2の構成と異なる。
【0012】
先ず、素子領域R1について説明する。
図2に示すように、素子領域R1は、領域R1a及び領域R1bを含む。領域R1a及び領域R1bは、素子部8の中央から端部に向かう方向に順に配置される。つまり、領域R1a及び領域R1bは、隣り合うようにX方向に沿って配置されている。
【0013】
図3に示すように、素子領域R1の領域R1aにおいて、半導体装置1は、基板10と、半導体層20と、フィールドプレート電極30と、ゲート電極40と、絶縁膜50と、コンタクト60と、ソース電極70と、ドレイン電極80と、を有する。
【0014】
半導体層20は、基板10の上面10a上に設けられている。半導体層20は、例えば、シリコン層である。半導体層20は、ドリフト層22と、ベース層23と、ソース層24と、を有する。
ドリフト層22は、基板10上に設けられ、その導電形は、例えば、n
−形である。
【0015】
ベース層23は、ドリフト層22上に設けられ、その導電形は、例えば、p形である。
ソース層24は、ベース層23上に選択的に設けられ、その導電形は、例えば、n
+形である。
【0016】
フィールドプレート電極30及びゲート電極40は、半導体層20内に形成されたトレンチT1内に配置される。トレンチT1は、ソース層24の上面からドリフト層22に達するように形成される。トレンチT1は、例えば、X方向に延びる。
図2及び
図3に示すように、Y方向に沿って配置された複数のトレンチT1が半導体層20内に形成され、各トレンチT1内に、フィールドプレート電極30及びゲート電極40が配置される。つまり、本実施形態の半導体装置1は、トレンチゲート構造を有するMOSFETであって、フィールドプレート電極30を含むものである。
【0017】
フィールドプレート電極30は、ゲート電極40と比較して下方に位置し、ゲート電極40は、絶縁膜50を介してフィールドプレート電極30上に位置する。例えば、フィールドプレート電極30及びゲート電極40は、トレンチT1内において、それぞれX方向に延びる。フィールドプレート電極30及びゲート電極40は、例えば、ポリシリコンを含む。
【0018】
絶縁膜50は、トレンチT1内に配置される。絶縁膜50は、例えば、シリコン酸化物を含む。絶縁膜50は、例えば、BPSG、PSG、NSG等のシリケートガラスを含んでも良い。絶縁膜50は、例えば、窒化シリコンまたは酸窒化シリコンを含んでも良い。絶縁膜50は、フィールドプレート絶縁膜50aと、層間絶縁膜50bと、ゲート絶縁膜50cと、層間絶縁膜50dと、を有する。
【0019】
フィールドプレート絶縁膜50aは、半導体層20と、フィールドプレート電極30と、の間に設けられる。フィールドプレート絶縁膜50aは、フィールドプレート電極30の下面30b及び側面30sを覆う。例えば、フィールドプレート絶縁膜50aを介して、フィールドプレート電極30及びドリフト層22は対向する。
【0020】
層間絶縁膜50bは、フィールドプレート電極30と、ゲート電極40と、の間に設けられる。層間絶縁膜50bは、フィールドプレート電極30の上面30a、及び、ゲート電極40の下面40bを覆っており、フィールドプレート電極30及びゲート電極40を電気的に絶縁する。
【0021】
ゲート絶縁膜50cは、半導体層20と、ゲート電極40と、の間に設けられる。ゲート絶縁膜50cは、ゲート電極40の側面40sを覆う。例えば、ゲート絶縁膜50cを介して、ゲート電極40と、ドリフト層22、ベース層23及びソース層24とは対向する。
【0022】
層間絶縁膜50dは、ゲート電極40と、ソース電極70と、の間に設けられる。層間絶縁膜50dは、ゲート電極40の上面40aを覆っており、ゲート電極40及びソース電極70を電気的に絶縁する。
【0023】
フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1は、ゲート絶縁膜50cの厚さW2より大きい。素子領域R1の領域R1aにおいて、厚さW1の最大値は、厚さW2の最大値より大きい。
【0024】
本明細書において、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さは、フィールドプレート電極30と、半導体層20の少なくとも一部と、の間に位置するフィールドプレート絶縁膜50aの厚さである。例えば、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さは、フィールドプレート電極30の側面30s上に位置するフィールドプレート絶縁膜50aのY方向の厚さである。
また、ゲート絶縁膜50cの厚さは、ゲート電極40と、半導体層20の少なくとも一部と、の間に位置するゲート絶縁膜50cの厚さである。例えば、ゲート絶縁膜50cの厚さは、ゲート電極40の側面40s上に位置するゲート絶縁膜50cのY方向の厚さである。
【0025】
図3に示す例では、厚さW1は、フィールドプレート電極30と、ドリフト層22の一部と、の間に位置するフィールドプレート絶縁膜50aのY方向の厚さである。また、厚さW2は、ゲート電極40と、ドリフト層22の一部、ベース層23、及び、ソース層24の一部と、の間に位置するゲート絶縁膜50cのY方向の厚さである。
【0026】
コンタクト60は、ベース層23上に選択的に設けられている。コンタクト60は、例えば、Y方向で隣り合うソース層24の間に形成されたトレンチT2内に設けられる。例えば、トレンチT2内にチタンタングステン(TiW)等を埋め込んでコンタクト60を形成する。この場合、金属等を埋め込む前にトレンチT2の直下の箇所がp
+形になるようにする。また、トレンチT2を形成せずにコンタクト60を形成しても良い。この場合、例えば、p
+形のイオン注入によってコンタクト60を形成する。コンタクト60を形成することで、ベース層23及びソース電極70の接続抵抗を下げることができる。
【0027】
ソース電極70は、ソース層24、層間絶縁膜50d及びコンタクト60上に設けられている。ソース電極70は、図示しない部分においてフィールドプレート電極30と電気的に接続される。例えば、ソース電極70は、バリアメタル及び金属膜を含む2層構造を有する。
ドレイン電極80は、基板10の下面10b上に設けられている。
【0028】
図4に示すように、素子領域R1の領域R1bにおいて、半導体装置1は、基板10と、ドリフト層22と、ガードリング層25と、フィールドプレート電極30と、ゲート電極40と、絶縁膜50と、コンタクト60と、ソース電極70と、ドレイン電極80と、を有する。
【0029】
ガードリング層25は、ドリフト層22上に設けられ、Y方向で隣り合うトレンチT1間に位置する。ガードリング層25は、半導体層20の一部である。ガードリング層25の導電形は、ドリフト層22の導電形と異なり、例えば、p形である。ガードリング層25は、終端領域R2で発生する電界集中を緩和する。
【0030】
絶縁膜50は、トレンチT1内に配置され、フィールドプレート絶縁膜50aと、層間絶縁膜50bと、ゲート絶縁膜50cと、層間絶縁膜50dと、を有する。
フィールドプレート絶縁膜50aは、フィールドプレート電極30の下面30b及び側面30sを覆う。例えば、フィールドプレート絶縁膜50aを介して、フィールドプレート電極30及びドリフト層22は対向する。
ゲート絶縁膜50cは、ゲート電極40の側面40sを覆う。例えば、ゲート絶縁膜50cを介して、ゲート電極40と、ドリフト層22及びガードリング層25とは対向する。
【0031】
素子領域R1の領域R1bにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さは、素子領域R1の領域R1aにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1と概ね同じである。素子領域R1の領域R1bにおけるゲート絶縁膜50cの厚さは、素子領域R1の領域R1aにおけるゲート絶縁膜50cの厚さW2と概ね同じである。
【0032】
次に、終端領域R2について説明する。
図2に示すように、終端領域R2は、領域R2a1、領域R2a2及び領域R2bを含む。領域R2a1、領域R2a2及び領域R2bは、素子部8の中央から端部に向かう方向に順に配置される。つまり、領域R2a1、領域R2a2及び領域R2bは、隣り合うようにX方向に沿って配置されている。
したがって、素子領域R1の領域R1a、R1b、及び、終端領域R2の領域R2a1、R2a2、R2bは、隣り合うようにX方向に沿って順に配置されている。
【0033】
図5に示すように、終端領域R2の領域R2a1において、半導体装置1は、基板10と、ドリフト層22と、ガードリング層25と、フィールドプレート電極30と、ゲート電極40と、絶縁膜50と、層間絶縁膜55と、ドレイン電極80と、を有する。
【0034】
ガードリング層25は、ドリフト層22上に設けられ、Y方向で隣り合うトレンチT1間に位置する。層間絶縁膜55は、絶縁膜50(層間絶縁膜50d)上に設けられる。層間絶縁膜55は、例えば、シリコン酸化物を含む。層間絶縁膜55は、例えば、BPSG、PSG、NSG等のシリケートガラスを含んでも良い。層間絶縁膜55は、例えば、窒化シリコンまたは酸窒化シリコンを含んでも良い。層間絶縁膜50d及び層間絶縁膜55を合わせて層間絶縁膜と呼ぶ場合がある。
【0035】
絶縁膜50は、トレンチT1内に配置され、フィールドプレート絶縁膜50aと、層間絶縁膜50bと、ゲート絶縁膜50cと、層間絶縁膜50dと、を有する。
フィールドプレート絶縁膜50aは、フィールドプレート電極30の下面30b及び側面30sを覆う。例えば、フィールドプレート絶縁膜50aを介して、フィールドプレート電極30及びドリフト層22は対向する。
ゲート絶縁膜50cは、ゲート電極40の側面40sを覆う。例えば、ゲート絶縁膜50cを介して、ゲート電極40と、ドリフト層22及びガードリング層25とは対向する。
【0036】
終端領域R2の領域R2a1におけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さは、素子領域R1の領域R1aにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1と概ね同じである。終端領域R2の領域R2a1におけるゲート絶縁膜50cの厚さは、素子領域R1の領域R1aにおけるゲート絶縁膜50cの厚さW2と概ね同じである。
【0037】
図6に示すように、終端領域R2の領域R2a2において、半導体装置1は、基板10と、ドリフト層22と、ガードリング層25と、フィールドプレート電極30と、ゲート電極40と、絶縁膜50と、層間絶縁膜55と、ドレイン電極80と、を有する。
図2に示すように、ゲート電極40は、コンタクト61を介してパッド9等に接続される。
【0038】
ガードリング層25は、ドリフト層22上に設けられ、Y方向で隣り合うトレンチT1間に位置する。層間絶縁膜55は、絶縁膜50(層間絶縁膜50d)上に設けられる。
【0039】
絶縁膜50は、トレンチT1内に配置され、フィールドプレート絶縁膜50aと、層間絶縁膜50bと、ゲート絶縁膜50cと、層間絶縁膜50dと、を有する。
フィールドプレート絶縁膜50aは、フィールドプレート電極30の下面30b及び側面30sを覆う。例えば、フィールドプレート絶縁膜50aを介して、フィールドプレート電極30及びドリフト層22は対向する。
ゲート絶縁膜50cは、ゲート電極40の側面40sを覆う。例えば、ゲート絶縁膜50cを介して、ゲート電極40と、ドリフト層22及びガードリング層25とは対向する。
【0040】
フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1aは、ゲート絶縁膜50cの厚さW3より大きい。終端領域R2の領域R2a2において、厚さW1aの最大値は、厚さW3の最大値より大きい。
図6に示す例では、厚さW1aは、フィールドプレート電極30と、ドリフト層22の一部と、の間に位置するフィールドプレート絶縁膜50aのY方向の厚さである。また、厚さW3は、ゲート電極40と、ドリフト層22の一部及びガードリング層25の一部と、の間に位置するゲート絶縁膜50cのY方向の厚さである。
【0041】
終端領域R2の領域R2a2におけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1aは、素子領域R1の領域R1aにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1と概ね同じである。
終端領域R2の領域R2a2におけるゲート絶縁膜50cの厚さW3は、素子領域R1の領域R1aにおけるゲート絶縁膜50cの厚さW2より大きい。領域R2a2における厚さW3の最大値は、領域R1aにおける厚さW2の最大値より大きい。
例えば、厚さW3は、厚さW2の1.3倍以上の厚さである。
【0042】
図7に示すように、終端領域R2の領域R2bにおいて、半導体装置1は、基板10と、ドリフト層22と、ガードリング層25と、フィールドプレート電極30と、ゲート電極40と、絶縁膜50と、層間絶縁膜55と、ドレイン電極80と、を有する。
【0043】
絶縁膜50は、トレンチT1内に配置され、フィールドプレート絶縁膜50aと、層間絶縁膜50bと、ゲート絶縁膜50cと、層間絶縁膜50dと、を有する。
フィールドプレート絶縁膜50aは、フィールドプレート電極30の下面30b及び側面30sを覆う。例えば、フィールドプレート絶縁膜50aを介して、フィールドプレート電極30及びドリフト層22は対向する。
ゲート絶縁膜50cは、ゲート電極40の側面40sを覆う。例えば、ゲート絶縁膜50cを介して、ゲート電極40と、ドリフト層22及びガードリング層25とは対向する。
【0044】
フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1bは、ゲート絶縁膜50cの厚さW1cと概ね同じである。
図7に示す例では、厚さW1bは、フィールドプレート電極30と、ドリフト層22の一部と、の間に位置するフィールドプレート絶縁膜50aのY方向の厚さである。また、厚さW1cは、ゲート電極40と、ドリフト層22の一部及びガードリング層25の一部と、の間に位置するゲート絶縁膜50cのY方向の厚さである。
【0045】
終端領域R2の領域R2bにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1bは、素子領域R1の領域R1aにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1と概ね同じである。
終端領域R2の領域R2bにおけるゲート絶縁膜50cの厚さW1cは、終端領域R2の領域R2a2におけるゲート絶縁膜50cの厚さW3より大きい。終端領域R2の領域R2bにおける厚さW1cの最大値は、終端領域R2の領域R2a2における厚さW3の最大値より大きい。
【0046】
以上より、素子領域R1及び終端領域R2について、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1、W1a、W1bと、ゲート絶縁膜50cの厚さW2、W3、W1cとは、以下の関係式(1)を満たす。
【0047】
W1(W1a、W1b、W1c)>W3>W2・・・(1)
【0048】
ゲート絶縁膜50cの厚さW2、W3、W1cが上記式(1)を満たすので、素子領域R1から終端領域R2にかけて、ゲート絶縁膜50cの厚さが段階的に大きくなっている。これにより、
図2に示すように、例えば、素子領域R1から終端領域R2にかけて、ゲート電極40の厚さWgが段階的に小さくなるようにゲート電極40は設けられている。
【0049】
次に、半導体装置1の動作について説明する。
本実施形態の半導体装置1においては、半導体層20(ドリフト層22、ベース層23、ソース層24)、フィールドプレート電極30、ゲート電極40、絶縁膜50、コンタクト60、ソース電極70及びドレイン電極80によって、縦型のnチャネル形MOSFETが形成される。
【0050】
このトランジスタにおいては、ソース電極70に対してドレイン電極80に正の電圧が印加された状態で、ゲート電極40に所定の電圧が印加されると、ゲート絶縁膜50c近傍のベース層23にチャネル(反転層)が形成され、半導体装置1がオン状態になる。電子は、チャネルを通ってソース電極70からドレイン電極80へ流れる。つまり、ソース層24からドリフト層22に向けて電子電流が流れる。
【0051】
次に、半導体装置1の接続形態の一例について説明する。
図8(a)及び
図8(b)は、コンバータ内の半導体装置1の接続形態を示す回路図である。
図8(a)は、AC−DCコンバータ100の回路図を示しており、
図8(b)は、DC−DCコンバータ200の回路図を示している。
【0052】
図8(a)に示すように、AC−DCコンバータ100において、半導体装置1Aは、制御回路90及びトランス91に接続されている。半導体装置1Bは、トランス91及び駆動回路92に接続されている。半導体装置1A、1Bは、例えば、MOSFETである。また、半導体装置1B及びトランス91にコンデンサ93が接続されている。
AC−DCコンバータ100においては、入力されたAC電圧が変換されてDC電圧として出力される。
【0053】
図8(b)に示すように、DC−DCコンバータ200において、半導体装置1Cは、高電位側に設けられ、制御回路90及びコイル94に接続されている。半導体装置1Dは、低電位側に設けられ、制御回路90に接続されている。また、半導体装置1Dは、半導体装置1Cとコイル94の間に接続されている。半導体装置1C、1Dは、例えば、MOSFETである。コンデンサ93は、コイル94に接続している。
DC−DCコンバータ200においては、入力されたDC電圧が変換されてDC電圧として出力される。
【0054】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る半導体装置1においては、素子領域R1から終端領域R2にかけて、厚さW2、W3、W1cのように段階的に厚くなるようにゲート絶縁膜50cが設けられている。終端領域R2の領域R2a2に、厚さW1cより小さく厚さW2より大きい厚さである厚さW3を有するようにゲート絶縁膜50cを形成すると、半導体装置1のターンオフ時のアバランシェ耐量を向上させることができる。
【0055】
ここで、MOSFET等の半導体装置において、高速でターンオフさせるためにスイッチングのオフ動作でゲート電極に逆バイアス電圧を印加する場合がある。また、高速でターンオフさせる場合、ソース電極及びドレイン電極の間の領域の耐圧が終端領域内の構成要素によって影響され易い。例えば、ソース電極及びドレイン電極の間の領域に過度の電圧が印加されると、アバランシェ降伏が生じて電子電流やホール電流が発生する。発生した電子電流やホール電流はガードリング層から電位の低いベース層に流れる。つまり、nチャネル形MOSFETである場合にはホール電流が終端領域から素子領域に流れ、pチャネル形電界効果型トランジスタである場合には電子電流が終端領域から素子領域に流れることになる。
【0056】
半導体装置がnチャネル形MOSFETである場合、ガードリング層からベース層にホール電流が流れると、ベース層の抵抗により電位が上昇するのでゲート電極及びゲート絶縁膜に順バイアス電圧が印加される。さらに、スイッチングのオフ動作でゲート電極に逆バイアス電圧が印加されていると、キャリアが排出する時にゲート絶縁膜に過度の電界が印加される場合がある。この場合、終端領域においてゲート絶縁膜が破壊される虞がある。
【0057】
本実施形態に係る半導体装置1では、素子領域R1から終端領域R2にかけて、3段階(例えば、厚さW2、W3、W1c)の厚さを有するようにゲート絶縁膜50cの厚さを変えている。このように段階的にゲート絶縁膜50cの厚さを変えることによって、アバランシェ降伏が生じた場合、ゲート絶縁膜50cに印加される電界を緩和させることができる。これにより、半導体装置1のターンオフ時にゲート電極に逆バイアス電圧を印加している状態でも、アバランシェ耐量を向上させてゲート絶縁膜の破壊を抑制することができる。
【0058】
本実施形態では、素子領域R1から終端領域R2にかけて、厚さW2、W3、W1cのように3段階の厚さを有するようにゲート絶縁膜50cの厚さを変えているが、素子領域R1から終端領域R2にかけて段階的に厚くなっていれば良い。例えば、素子領域R1から終端領域R2にかけて、4段階以上の厚さを有するようにゲート絶縁膜50cの厚さを変えても良い。
【0059】
本実施形態によれば、より耐圧が高い半導体装置を提供することができる。
【0060】
(第2実施形態)
図9は、本実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図10、
図11及び
図12は、
図9のA1−A2線、B1−B2線及びC1−C2線の断面図である。
図9に示すように、本実施形態に係る半導体装置2においては、素子領域R1と、終端領域R2と、が設けられている。素子領域R1は、領域R1a及び領域R1bを含み、終端領域R2は、領域R2a及び領域R2bを含む。素子領域R1の領域R1a、R1b、及び、終端領域R2の領域R2a、R2bは、隣り合うようにX方向に沿って順に配置されている。
なお、本実施形態において、各領域に形成されるゲート絶縁膜50cの厚さが第1実施形態と異なる。よって、これ以外の構成の詳細な説明は省略する。
【0061】
素子領域R1の領域R1a、R1b、及び、終端領域R2の領域R2a、R2bにおいて、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さは、概ね同じである。
素子領域R1の領域R1aにおいて、ゲート絶縁膜50cは、厚さW2を有する。
【0062】
図10に示すように、素子領域R1の領域R1bにおいて、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1aは、ゲート絶縁膜50cの厚さW3より大きい。ゲート絶縁膜50cにおいて、厚さW3は厚さW2より大きい。
図11に示すように、終端領域R2の領域R2aにおいて、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さは、厚さW1aと概ね同じであって、ゲート絶縁膜50cの厚さは、厚さW3と概ね同じである。
図12に示すように、終端領域R2の領域R2bにおいて、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1bは、ゲート絶縁膜50cの厚さW1cと概ね同じである。ゲート絶縁膜50cにおいて、厚さW1cは厚さW3より大きい。
以上より、素子領域R1及び終端領域R2について、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1、W1a、W1bと、ゲート絶縁膜50cの厚さW2、W3、W1cとは、前述の関係式(1)を満たす。
【0063】
本実施形態においては、素子領域R1から終端領域R2にかけて、厚さW2、W3、W1cのように段階的に厚くなるようにゲート絶縁膜50cが設けられている。つまり、素子領域R1の領域R1bから終端領域R2の領域R2aに、厚さW1cより小さく厚さW2より大きい厚さである厚さW3を有するようにゲート絶縁膜50cが設けられている。また、
図9及び
図10に示すように、領域R1bにおいて、ドレイン電位であるドリフト層22と対向するゲート絶縁膜50cの厚さW3が、第1実施形態のゲート絶縁膜50cの厚さW2(
図4参照)と比較して厚いので、ゲート−ドレイン間容量(Cgd)を低減できる。
本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
【0064】
(第3実施形態)
図13は、本実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図14及び
図15は、
図13のA1−A2線及びB1−B2線の断面図である。
図13に示すように、本実施形態に係る半導体装置3においては、素子領域R1と、終端領域R2と、が設けられている。素子領域R1は、領域R1a及び領域R1bを含み、終端領域R2は、領域R2a1、領域R2a2、領域R2b1及び領域R2b2を含む。素子領域R1の領域R1a、R1b、及び、終端領域R2の領域R2a1、R2a2、R2b1、R2b2は、隣り合うようにX方向に沿って順に配置されている。
なお、本実施形態において、素子領域R1の構成、及び、終端領域R2の領域R2a1、R2a2の構成は、第1実施形態と同じである。よって、これらの構成の詳細な説明は省略する。
【0065】
図14に示すように、終端領域R2の領域R2b1において、半導体装置3は、基板10と、ドリフト層22と、ガードリング層25と、フィールドプレート電極30と、ゲート電極40と、絶縁膜50と、層間絶縁膜55と、ドレイン電極80と、を有する。
フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1bは、ゲート絶縁膜50cの厚さW1cと概ね同じである。ゲート絶縁膜50cにおいて、厚さW1cは厚さW3より大きい。なお、厚さW3は、終端領域R2の領域R2a2におけるゲート絶縁膜50cの厚さである。
【0066】
図15に示すように、終端領域R2の領域R2b2において、半導体装置3は、基板10と、ドリフト層22と、ガードリング層25と、フィールドプレート電極31と、絶縁膜50と、層間絶縁膜55と、ドレイン電極80と、を有する。
絶縁膜50は、トレンチT1内に配置され、層間絶縁膜50dと、フィールドプレート絶縁膜50eと、を有する。
【0067】
フィールドプレート絶縁膜50eは、フィールドプレート電極31を下面31b及び側面31sを覆う。フィールドプレート絶縁膜50eを介して、フィールドプレート電極31と、ドリフト層22及びガードリング層25とは対向する。
フィールドプレート絶縁膜50eの厚さは、終端領域R2の領域R2b1におけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1bと概ね同じである。
【0068】
以上より、素子領域R1及び終端領域R2について、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1、W1a、W1bと、ゲート絶縁膜50cの厚さW2、W3、W1cとは、前述の関係式(1)を満たす。
【0069】
本実施形態においては、フィールドプレート電極31が、ドレイン電位である終端領域R2の領域R2b1に形成されているので、ゲート−ドレイン間容量(Cgd)を低減できる。
本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
【0070】
(第4実施形態)
図16は、本実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図17及び
図18は、
図16のA1−A2線及びB1−B2線の断面図である。
図16に示すように、本実施形態に係る半導体装置4においては、素子領域R1と、終端領域R2と、が設けられている。素子領域R1は、領域R1a及び領域R1bを含み、終端領域R2は、領域R2a、領域R2b1及び領域R2b2を含む。素子領域R1の領域R1a、R1b、及び、終端領域R2の領域R2a、R2b1、R2b2は、隣り合うようにX方向に沿って順に配置されている。
なお、本実施形態において、素子領域R1の構成、及び、終端領域R2の領域R2aの構成は、第2実施形態と同じである。よって、これらの構成の詳細な説明は省略する。
【0071】
図17に示すように、終端領域R2の領域R2b1において、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1bは、ゲート絶縁膜50cの厚さW1cと概ね同じである。ゲート絶縁膜50cにおいて、厚さW1cは厚さW3より大きい。なお、厚さW3は、素子領域R1の領域R1bにおけるゲート絶縁膜50cの厚さである。
【0072】
図18に示すように、終端領域R2の領域R2b2において、フィールドプレート絶縁膜50eの厚さは、終端領域R2の領域R2b1におけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1bと概ね同じである。
【0073】
以上より、素子領域R1及び終端領域R2について、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1、W1a、W1bと、ゲート絶縁膜50cの厚さW2、W3、W1cとは、前述の関係式(1)を満たす。
【0074】
本実施形態においては、フィールドプレート電極31が、ドレイン電位である終端領域R2の領域R2b2に形成されているので、ゲート−ドレイン間容量(Cgd)を低減できる。
本実施形態における上記以外の効果は、前述の第2実施形態と同様である。
【0075】
(第5実施形態)
図19は、本実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図20、
図21、
図22及び
図23は、
図19のA1−A2線、B1−B2線、C1−C2線及びD1−D2線の断面図である。
図19に示すように、本実施形態に係る半導体装置5においては、素子領域R1と、終端領域R2と、が設けられている。素子領域R1は、領域R1a及び領域R1bを含み、終端領域R2は、領域R2a及び領域R2bを含む。素子領域R1の領域R1a、R1b、及び、終端領域R2の領域R2a、R2bは、隣り合うようにX方向に沿って順に配置されている。
【0076】
図20に示すように、素子領域R1の領域R1aにおいて、半導体装置5は、基板10と、半導体層20と、フィールドプレート電極30と、ゲート電極40と、絶縁膜50と、コンタクト60と、ソース電極70と、ドレイン電極80と、を有する。
絶縁膜50において、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1は、ゲート絶縁膜50cの厚さW2より大きい。
【0077】
図21に示すように、素子領域R1の領域R1bにおいて、半導体装置5は、基板10と、ドリフト層22と、ガードリング層25と、フィールドプレート電極30と、ゲート電極40と、絶縁膜50と、コンタクト60と、ソース電極70と、ドレイン電極80と、を有する。
絶縁膜50において、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1aは、ゲート絶縁膜50cの厚さW3より大きい。
【0078】
素子領域R1の領域R1bにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1aは、素子領域R1の領域R1aにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1と概ね同じである。素子領域R1の領域R1bにおけるゲート絶縁膜50cの厚さW3は、素子領域R1の領域R1aにおけるゲート絶縁膜50cの厚さW2より大きい。
【0079】
図22に示すように、終端領域R2の領域R2aにおいて、半導体装置5は、基板10と、ドリフト層22と、ガードリング層25と、フィールドプレート電極30と、ゲート電極40と、絶縁膜50と、層間絶縁膜55と、ドレイン電極80と、を有する。
終端領域R2の領域R2aにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さは、素子領域R1の領域R1bにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1aと概ね同じである。終端領域R2の領域R2aにおけるゲート絶縁膜50cの厚さは、素子領域R1の領域R1bにおけるゲート絶縁膜50cの厚さW3と概ね同じである。また、層間絶縁膜50dのZ方向の厚さは、厚さW3と概ね同じである。
【0080】
図23に示すように、終端領域R2の領域R2bにおいて、半導体装置5は、基板10と、ドリフト層22と、ガードリング層25と、フィールドプレート電極30と、ゲート電極40と、絶縁膜50と、層間絶縁膜55と、ドレイン電極80と、を有する。
フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1bは、ゲート絶縁膜50cの厚さW1cと概ね同じである。
【0081】
終端領域R2の領域R2bにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1bは、素子領域R1の領域R1aにおけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1と概ね同じである。終端領域R2の領域R2bにおけるゲート絶縁膜50cの厚さW1cは、素子領域R1の領域R1bにおけるゲート絶縁膜50cの厚さW3より大きい。
【0082】
以上より、素子領域R1及び終端領域R2について、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1、W1a、W1bと、ゲート絶縁膜50cの厚さW2、W3、W1cとは、前述の関係式(1)を満たす。
【0083】
本実施形態においては、
図19及び
図22に示すように、終端領域R2内のコンタクト61近傍において、導電膜をパターニングすることでゲート電極40が形成され、ゲート電極40及びガードリング層25の間に、厚さW2より大きい厚さW3を有する層間絶縁膜50dが形成されている。これにより、トレンチT1の角近傍の電界集中を緩和できるので、絶縁膜50のトレンチT1の角近傍での耐圧の低下を抑制できる。
本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
【0084】
(第6実施形態)
図24は、本実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図25及び
図26は、
図24のA1−A2線及びB1−B2線の断面図である。
図24に示すように、本実施形態に係る半導体装置6においては、素子領域R1と、終端領域R2と、が設けられている。素子領域R1は、領域R1a及び領域R1bを含み、終端領域R2は、領域R2a、領域R2b1及び領域R2b2を含む。素子領域R1の領域R1a、R1b、及び、終端領域R2の領域R2a、R2b1、R2b2は、隣り合うようにX方向に沿って順に配置されている。
なお、本実施形態において、素子領域R1の構成、及び、終端領域R2の領域R2aの構成は、第5実施形態と同じである。よって、これらの構成の詳細な説明は省略する。
【0085】
図25に示すように、終端領域R2の領域R2b1において、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1bは、ゲート絶縁膜50cの厚さW1cと概ね同じである。ゲート絶縁膜50cにおいて、厚さW1cは厚さW3より大きい。なお、厚さW3は、素子領域R1の領域R1bにおけるゲート絶縁膜50cの厚さである。
【0086】
図26に示すように、終端領域R2の領域R2b2において、フィールドプレート絶縁膜50eの厚さは、終端領域R2の領域R2b1におけるフィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1bと概ね同じである。
【0087】
以上より、素子領域R1及び終端領域R2について、フィールドプレート絶縁膜50aの厚さW1、W1a、W1bと、ゲート絶縁膜50cの厚さW2、W3、W1cとは、前述の関係式(1)を満たす。
【0088】
本実施形態においては、フィールドプレート電極31が、ドレイン電位である終端領域R2の領域R2b1に形成されているので、ゲート−ドレイン間容量(Cgd)を低減できる。
本実施形態における上記以外の効果は、前述の第5実施形態と同様である。
【0089】
(第7実施形態)
図27は、本実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図28、
図29及び
図30は、
図27のA1−A2線、B1−B2線及びC1−C2線の断面図である。
図27に示すように、本実施形態に係る半導体装置7においては、素子領域R1と、終端領域R2と、が設けられている。素子領域R1は、領域R1a及び領域R1bを含む。素子領域R1の領域R1a、R1b、及び、終端領域R2は、隣り合うようにX方向に沿って順に配置されている。
【0090】
図28に示すように、素子領域R1の領域R1aにおいて、半導体装置7は、基板10と、半導体層20と、ゲート電極40と、ゲート絶縁膜50c1と、コンタクト60と、ソース電極70と、ドレイン電極80と、を有する。半導体層20は、ドリフト層22と、ベース層23と、ソース層24と、を有する。
半導体層20内には、Y方向に沿って配置された複数のトレンチT1が形成され、各トレンチT1内にゲート電極40が配置される。つまり、本実施形態の半導体装置7は、トレンチゲート構造を有するMOSFETである。
素子領域R1の領域R1aにおいて、ゲート絶縁膜50c1は厚さW2を有する。
【0091】
図29に示すように、素子領域R1の領域R1bにおいて、半導体装置7は、基板10と、ドリフト層22と、ベース層23と、ゲート電極40と、ゲート絶縁膜50c1と、コンタクト60と、ソース電極70と、ドレイン電極80と、を有する。
素子領域R1の領域R1bにおいて、ゲート絶縁膜50c1は厚さW3を有する。厚さW3は、厚さW2より大きい。
【0092】
図30に示すように、終端領域R2において、半導体装置7は、基板10と、ドリフト層22と、ベース層23と、ゲート電極40と、ゲート絶縁膜50c1と、層間絶縁膜55と、ドレイン電極80と、を有する。
終端領域R2におけるゲート絶縁膜50c1の厚さは、素子領域R1の領域R1bにおけるゲート絶縁膜50c1の厚さW3と概ね同じである。
【0093】
本実施形態においては、素子領域R1から終端領域R2にかけて、厚さW2、W3のように段階的に厚くなるようにゲート絶縁膜50c1が設けられている。つまり、素子領域R1の領域R1b及び終端領域R2に、厚さW2より大きい厚さW3を有するようにゲート絶縁膜50c1が設けられている。
なお、素子領域R1から終端領域R2にかけて、厚さW2、W3のように2段階の厚さを有するようにゲート絶縁膜50c1の厚さを変えているが、素子領域R1から終端領域R2にかけて段階的に厚くなっていれば良い。例えば、素子領域R1から終端領域R2にかけて、3段階以上の厚さを有するようにゲート絶縁膜50c1の厚さを変えても良い。
本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
【0094】
前述したように、一例として、各実施形態に係る半導体装置が縦型のパワーMOSFETである場合について説明したが、各実施形態に係る半導体装置は、縦型のパワーMOSFETに限定されるわけではない。例えば、各実施形態に係る半導体装置は、縦型のIGBTや横型のパワーMOSFETであっても良い。また、極性は、nチャネル形やpチャネル形でも良い。
【0095】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。