(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739429
(24)【登録日】2020年7月27日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】相互接続アセンブリ及びこれを含む支持アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 16/06 20060101AFI20200730BHJP
【FI】
A61M16/06 Z
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-523352(P2017-523352)
(86)(22)【出願日】2015年10月15日
(65)【公表番号】特表2017-533030(P2017-533030A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(86)【国際出願番号】IB2015057938
(87)【国際公開番号】WO2016067152
(87)【国際公開日】20160506
【審査請求日】2018年10月11日
(31)【優先権主張番号】62/072,569
(32)【優先日】2014年10月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ハイバック リチャード トーマス
(72)【発明者】
【氏名】チョドコウスキ ローレン パトリシア
【審査官】
鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−532659(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0283826(US,A1)
【文献】
特開平11−244006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者インターフェースデバイスのための支持アセンブリのための相互接続アセンブリであって、前記支持アセンブリは、保持部材と、前記保持部材に接続されるストラップ部材とを備え、前記相互接続アセンブリは、
いくつかの雌相互接続部材であって、少なくともその1つは第1の本体部材と前記第1の本体部材に結合された第1の磁石とを備え、前記第1の本体部材は前記保持部材に接続され、前記第1の本体部材は開口を有する、いくつかの雌相互接続部材と、
いくつかの雄相互接続部材であって、少なくともその1つは第2の本体部材と前記第2の本体部材に結合された第2の磁石とを備え、前記第2の本体部材は前記ストラップ部材に接続され、前記第2の本体部材は略円柱状の突出部を備え、前記突出部は前記開口内に配置され、前記突出部が前記開口内に配置されたとき、前記第1の磁石は前記第2の磁石に吸着されて、それにより前記第1の本体部材を前記第2の本体部材に取り外し可能に接続する、いくつかの雄相互接続部材と、を備え、
前記第1の本体部材は、第1の収納部と第2の収納部とを備え、前記第1の収納部は前記第2の収納部に結合され、前記第1の収納部は第1のポケットを有し、前記第2の収納部は第2のポケットを有し、前記第1の磁石は、前記第1のポケット及び前記第2のポケットのそれぞれの内部に配置され、
前記第1の収納部は環状の受け部を有し、前記第2の収納部は、前記環状の受け部内へと延在する環状のフランジを備え、前記第1の磁石は、前記環状の受け部及び前記環状のフランジのそれぞれに対して内側に配置される、相互接続アセンブリ。
【請求項2】
患者インターフェースデバイスのための支持アセンブリのための相互接続アセンブリであって、前記支持アセンブリは、保持部材と、前記保持部材に接続されるストラップ部材とを備え、前記相互接続アセンブリは、
いくつかの雌相互接続部材であって、少なくともその1つは第1の本体部材と前記第1の本体部材に結合された第1の磁石とを備え、前記第1の本体部材は前記保持部材に接続され、前記第1の本体部材は開口を有する、いくつかの雌相互接続部材と、
いくつかの雄相互接続部材であって、少なくともその1つは第2の本体部材と前記第2の本体部材に結合された第2の磁石とを備え、前記第2の本体部材は前記ストラップ部材に接続され、前記第2の本体部材は略円柱状の突出部を備え、前記突出部は前記開口内に配置され、前記突出部が前記開口内に配置されたとき、前記第1の磁石は前記第2の磁石に吸着されて、それにより前記第1の本体部材を前記第2の本体部材に取り外し可能に接続する、いくつかの雄相互接続部材と、を備え、
前記第1の本体部材は、第1の収納部と第2の収納部とを備え、前記第1の収納部は前記第2の収納部に結合され、前記第1の収納部は第1のポケットを有し、前記第2の収納部は第2のポケットを有し、前記第1の磁石は、前記第1のポケット及び前記第2のポケットのそれぞれの内部に配置され、
前記第1の収納部は、孔をそれぞれが有するいくつかの第1の柱を備え、前記第2の収納部は、前記孔のうちの対応するものの内部にそれぞれが延在するいくつかの第2の柱を備える、相互接続アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の収納部は第1の突出リップを備え、前記第2の収納部は第2の突出リップを備え、前記いくつかの第1の柱は、前記第1の突出リップから前記第2の突出リップに向かって延在する複数の第1の柱であり、前記いくつかの第2の柱は、前記第2の突出リップから前記第1の突出リップに向かって延在する複数の第2の柱であり、前記第1の突出リップ及び前記第2の突出リップは、前記保持部材の両側に配置される、請求項2に記載の相互接続アセンブリ。
【請求項4】
患者インターフェースデバイスのための支持アセンブリのための相互接続アセンブリであって、前記支持アセンブリは、保持部材と、前記保持部材に接続されるストラップ部材とを備え、前記相互接続アセンブリは、
いくつかの雌相互接続部材であって、少なくともその1つは第1の本体部材と前記第1の本体部材に結合された第1の磁石とを備え、前記第1の本体部材は前記保持部材に接続され、前記第1の本体部材は開口を有する、いくつかの雌相互接続部材と、
いくつかの雄相互接続部材であって、少なくともその1つは第2の本体部材と前記第2の本体部材に結合された第2の磁石とを備え、前記第2の本体部材は前記ストラップ部材に接続され、前記第2の本体部材は略円柱状の突出部を備え、前記突出部は前記開口内に配置され、前記突出部が前記開口内に配置されたとき、前記第1の磁石は前記第2の磁石に吸着されて、それにより前記第1の本体部材を前記第2の本体部材に取り外し可能に接続する、いくつかの雄相互接続部材と、を備え、
前記第2の本体部材は、第1のモールド部と、前記第1のモールド部及び前記第2の磁石のそれぞれを覆ってモールドされた第2のモールド部とを有し、前記第1のモールド部はポケットを有し、前記第2の磁石はポケット内に配置される、相互接続アセンブリ。
【請求項5】
前記突出部は、前記第1のモールド部のポケット内に前記第2の磁石を保持するための部材を含む、請求項4に記載の相互接続アセンブリ。
【請求項6】
前記第1のモールド部は、第1の端部と、第2の端部と、いくつかの安定化突起部とを備え、前記第1の端部は、前記第2の端部の反対側にあり、前記第1の端部は、前記ストラップ部材に接続され、前記安定化突起部のそれぞれは、前記第2の端部の近くに配置される、請求項4に記載の相互接続アセンブリ。
【請求項7】
患者インターフェースデバイスのための支持アセンブリのための相互接続アセンブリであって、前記支持アセンブリは、保持部材と、前記保持部材に接続されるストラップ部材とを備え、前記相互接続アセンブリは、
いくつかの雌相互接続部材であって、少なくともその1つは第1の本体部材と前記第1の本体部材に結合された第1の磁石とを備え、前記第1の本体部材は前記保持部材に接続され、前記第1の本体部材は開口を有する、いくつかの雌相互接続部材と、
いくつかの雄相互接続部材であって、少なくともその1つは第2の本体部材と前記第2の本体部材に結合された第2の磁石とを備え、前記第2の本体部材は前記ストラップ部材に接続され、前記第2の本体部材は略円柱状の突出部を備え、前記突出部は前記開口内に配置され、前記突出部が前記開口内に配置されたとき、前記第1の磁石は前記第2の磁石に吸着されて、それにより前記第1の本体部材を前記第2の本体部材に取り外し可能に接続する、いくつかの雄相互接続部材と、を備え、
前記第1の磁石は、前記第1の本体部材の前記開口と位置の揃った第1の貫通孔を有し、前記第2の磁石は第2の貫通孔を有し、前記突出部は、前記第2の貫通孔を貫通して延在し、前記第1の磁石及び前記第2の磁石のそれぞれは円盤状であり、前記第1の磁石は、実質的に前記第2の磁石に重なっている、相互接続アセンブリ。
【請求項8】
患者インターフェースデバイスのための支持アセンブリであって、
保持部材と、
前記保持部材に接続されるストラップ部材と、
相互接続アセンブリとを備え、
前記相互接続アセンブリは、
いくつかの雌相互接続部材であって、少なくともその1つは第1の本体部材と前記第1の本体部材に結合された第1の磁石とを備え、前記第1の本体部材は前記保持部材に接続され、前記第1の本体部材は開口を有する、いくつかの雌相互接続部材と、
いくつかの雄相互接続部材であって、少なくともその1つは第2の本体部材と前記第2の本体部材に結合された第2の磁石とを備え、前記第2の本体部材は前記ストラップ部材に接続され、前記第2の本体部材は円柱状の突出部を備え、前記突出部は前記開口内に配置され、前記突出部が前記開口内に配置されたことに応じて、前記第1の磁石は前記第2の磁石に吸着されて、それにより前記第1の本体部材を前記第2の本体部材に取り外し可能に接続する、いくつかの雄相互接続部材と、を備え、
前記保持部材は、患者インターフェースデバイスのためのマスクフレームであり、前記ストラップ部材は、前記患者インターフェースデバイスのためのヘッドギアストラップであり、
前記マスクフレームは少なくとも1つの端部を備え、前記少なくとも1つの端部はいくつかの貫通孔を有し、前記第1の本体部材は第1の収納部と第2の収納部とを備え、前記第1の収納部は、孔をそれぞれが有するいくつかの第1の柱を有し、前記第2の収納部は、前記第1の柱の前記孔のうちの対応するものの内部にそれぞれが配置されたいくつかの第2の柱を備え、前記いくつかの第1の柱及び前記いくつかの第2の柱のそれぞれは、前記マスクフレームを前記第1の本体部材に接続するために、前記少なくとも1つの端部の前記貫通孔のうちの対応するものを貫通して延在する、支持アセンブリ。
【請求項9】
患者インターフェースデバイスのための支持アセンブリであって、
保持部材と、
前記保持部材に接続されるストラップ部材と、
相互接続アセンブリとを備え、
前記相互接続アセンブリは、
いくつかの雌相互接続部材であって、少なくともその1つは第1の本体部材と前記第1の本体部材に結合された第1の磁石とを備え、前記第1の本体部材は前記保持部材に接続され、前記第1の本体部材は開口を有する、いくつかの雌相互接続部材と、
いくつかの雄相互接続部材であって、少なくともその1つは第2の本体部材と前記第2の本体部材に結合された第2の磁石とを備え、前記第2の本体部材は前記ストラップ部材に接続され、前記第2の本体部材は円柱状の突出部を備え、前記突出部は前記開口内に配置され、前記突出部が前記開口内に配置されたことに応じて、前記第1の磁石は前記第2の磁石に吸着されて、それにより前記第1の本体部材を前記第2の本体部材に取り外し可能に接続する、いくつかの雄相互接続部材と、を備え、
前記少なくとも1つの雌相互接続部材は、第1の雌相互接続部材と、第2の雌相互接続部材とを備え、前記少なくとも1つの雄相互接続部材は、第1の雄相互接続部材と、第2の雄相互接続部材とを備え、前記保持部材は、第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部とを備え、前記第1の端部は第1の窪んだ受け部を備え、前記第2の端部は第2の窪んだ受け部を備え、前記第1の雌相互接続部材及び前記第1の雄相互接続部材は、前記第1の窪んだ受け部をヘッドギアストラップに接続し、前記第2の雌相互接続部材及び前記第2の雄相互接続部材は、前記第2の窪んだ受け部を前記ヘッドギアストラップに接続する、支持アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の雌相互接続部材の前記第1の磁石は、第1のN極と、第1のS極とを有し、前記第1のN極は、前記第1のS極と前記第1の雄相互接続部材の前記第2の磁石との間に配置され、前記第2の雌相互接続部材の前記第1の磁石は、第2のN極と、第2のS極とを有し、前記第2のS極は、前記第2のN極と前記第2の雄相互接続部材の前記第2の磁石との間に配置される、請求項9に記載の支持アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、米国特許法119条(e)の下で、2014年10月30日に出願された米国仮特許出願第62/072,569号について優先権の利益を主張するものであり、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、支持アセンブリ、例えば、これに限定されるものではないが、患者インターフェースデバイスなどのための支持アセンブリに関する。本発明は、更に、支持アセンブリのための相互接続アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
患者の気道に非侵襲的に、すなわち、患者へ挿管することなく又は気管内チューブを患者の食道に外科的に挿入することなく、呼吸ガスの流れを供給することが必要となる又は望ましい数多くの状況がある。例えば、非侵襲的換気(non−invasive ventilation)として知られる技術を使用して、患者に酸素を供給することが知られている。また、睡眠時無呼吸症候群、特には、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、又は鬱血性心不全といった医学的障害を治療するために、持続的気道陽圧(CPAP)又は患者の呼吸サイクルとともに変動する可変気道圧を供給することも知られている。
【0004】
非侵襲的換気及び圧補助療法は、マスクコンポーネントを含む患者インターフェースデバイスを患者の顔に配置することを伴う。患者の頭部の上に/周りにフィットするよう適合された1つ又は複数のストラップを持つヘッドギアによって、そのようなデバイスを装着者の顔に維持することが知られている。ヘッドギアをマスクフレームに接続するために、既知の患者インターフェースデバイスはクリップを用いている。しかしながら、既知のクリップは、フレーム及びヘッドギアに接続することが難しく、そのため、接続のために望ましくない時間の消費が必要となる。そのうえ、患者がマスクフレームを反転して、マスクフレームの反対側を患者の顔に対向させることを欲したとき、既知のクリップは、分離して反対側に再接続するために多大な時間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、相互接続アセンブリ及び相互接続アセンブリを含む支持アセンブリには改良の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、支持アセンブリのための相互接続アセンブリが提供される。支持アセンブリは、保持部材と、保持部材に接続されるように構成されたストラップ部材とを含む。相互接続アセンブリは、いくつかの雌相互接続部材であって、少なくともその1つは第1の本体部材と、当該第1の本体部材に結合された第1の磁石とを備え、第1の本体部材は保持部材に接続され、第1の本体部材は開口を有する、いくつかの雌相互接続部材と、いくつかの雄相互接続部材であって、少なくともその1つは第2の本体部材と第2の本体部材に結合された第2の磁石とを備え、第2の本体部材はストラップ部材に接続され、第2の本体部材は突出部を備え、突出部は開口内に配置されるように構成される、いくつかの雄相互接続部材と、を備える。突出部が開口内に配置されたとき、第1の磁石は第2の磁石に吸着されて、それにより第1の本体部材を第2の本体部材に取り外し可能に接続する。
【0007】
別の実施形態において、保持部材と、保持部材に接続されるように構成されたストラップ部材と、相互接続アセンブリとを備えた支持アセンブリであって、相互接続アセンブリは、いくつかの雌相互接続部材であって、少なくともその1つは第1の本体部材と第1の本体部材に結合された第1の磁石とを備え、第1の本体部材は保持部材に接続され、第1の本体部材は開口を有する、いくつかの雌相互接続部材と、いくつかの雄相互接続部材であって、少なくともその1つは第2の本体部材と第2の本体部材に結合された第2の磁石とを備え、第2の本体部材はストラップ部材に接続され、第2の本体部材は突出部を備え、突出部は開口内に配置されるように構成される、いくつかの雄相互接続部材とを備える。突出部が開口内に配置されたとき、第1の磁石は第2の磁石に吸着されて、それにより第1の本体部材を第2の本体部材に取り外し可能に接続する。
【0008】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び特性、並びに、構造体の関連要素及び部品の組み合わせの動作の方法及び機能、並びに製造の経済性は、添付図面を参照して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を検討することで、より明らかになろう。図面はすべて、本明細書の一部を形成し、類似の参照番号は、様々な図面において対応する部分を指す。しかしながら、図面は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本発明の限定を定義するものと意図されるものではないことは明確に理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲において使用されるとき、単数形の「a」、「an」及び「the」は、コンテキストが明確にそうではないと示さない限りは、複数形の指示対象も含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明が実施され得る1つの特定の非限定的な実施形態による支持アセンブリの一部分の簡略化された図である。
【
図2A】
図1の支持アセンブリの分解等測図であり、ヘッドギアストラップを除いて図示された図である。
【
図2B】
図1の支持アセンブリの分解等測図であり、ヘッドギアストラップを除いて図示された図である。
【
図3A】
図1の支持アセンブリのための相互接続アセンブリの一部分の等測図である。
【
図3B】
図1の支持アセンブリのための相互接続アセンブリの一部分の分解等測図である。
【
図5A】
図3A及び
図3Bの相互接続アセンブリのための雄相互接続部材の分解等測図であり、隠れた構造を図示するために雄相互接続部材の一部分が取り除かれて図示された図である。
【
図6】
図3A及び
図3Bの相互接続アセンブリの簡略化された断面図であり、別の雌相互接続部材及び別の雄相互接続部材とともに図示された図である。
【
図7】開示される概念の代替的で非限定的な実施形態に従った別の相互接続アセンブリの簡略化された図である。
【
図8】開示される概念の代替的で非限定的な実施形態に従った更に別の相互接続アセンブリの簡略化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において使用される方向に関する語、例えば、これらに限定されるものではないが、上、底、左、右、上方、下方、前、後及びそれらの派生語は、図面に図示された要素の向きに関連するものであり、明確に記載されていない限りは特許請求の範囲を限定するものではない。
【0011】
本明細書において用いられるとき、2つ以上の部分又はコンポーネントが互いに「接続される」又は「結合される」との記載は、それらの部分が、直接的に、又は1つ若しくは複数の中間的な部分又はコンポーネントを介して接合され又はともに動作することを意味する。本明細書において用いられるとき、2つ以上の部分又はコンポーネントが互いに「係合する」との記載は、それらの部分が、直接的に、又は1つ若しくは複数の中間的な部分又はコンポーネントを介して、互いに力を及ぼし合うことを意味する。本明細書において用いられるとき、「数」という語は、1又は1よりも大きい整数(すなわち、複数)を意味する。
【0012】
図1は、開示される概念の非限定的な実施形態に従った支持アセンブリ2を図示する。支持アセンブリ2は、保持部材(例えば、これに限定されるものではないが、マスクフレーム4)と、マスクフレーム4に取り外し可能に接続されるように構成されたストラップ部材(例えば、これに限定されるものではないが、破線で描かれた簡略化された形態で図示されたヘッドギアストラップ6)とを含む。支持アセンブリ2は、例えば、これに限定されるものではないが、患者インターフェースデバイス(不図示)が用いられる圧補助療法中などに、患者の頭部に固定され得る。以下により詳細に説明されるように、支持アセンブリ2は、マスクフレーム4がヘッドギアストラップ6に、素早く、簡単に、取り外し可能に接続されることを可能にする相互接続アセンブリ100(
図1において部分的に図示される)を更に含む。
【0013】
相互接続アセンブリ100は、いくつかの雌相互接続部材(
図1において、1つの雌相互接続部材110が図示され、示されている。
図6における雌相互接続部材210も参照のこと)と、いくつかの雄相互接続部材(
図1において、1つの雄相互接続部材150が図示され、示されている。
図6における雄相互接続部材250も参照のこと)とを含む。開示の簡潔さのために、本明細書においては、雌相互接続部材110及び雄相互接続部材150が詳細に説明されるが、後述されるように、実質的に同じやり方で、雌相互接続部材210(
図6)及び雄相互接続部材250(
図6)が支持アセンブリ2とともに用いられることは理解されよう。
【0014】
マスクフレーム4は、患者の鼻の近くに設置される中央部8と、中央部8から反対方向に延在する1対のY字形状のアーム部10、12とを有する。アーム部10、12はそれぞれ、1対のそれぞれの端部(端部11、13のみが示されている)を有する。
図2A及び
図2Bに図示されるように、端部11は、いくつかの貫通孔(2つの貫通孔16、18が図示され、示されている)を有する。雌相互接続部材110は、ヘッドギアストラップ6(
図1)をマスクフレーム4に有利に接続するために、貫通孔16、18を貫通して延在する。
【0015】
図3A及び
図3Bを参照すると、雌相互接続部材110は、雄相互接続部材150に取り外し可能に接続される。より具体的には、
図3Bを参照すると、雌相互接続部材110は、開口114を有する本体部材112を含み、雄相互接続部材150は、
円柱状の突出部154を有する本体部材152を含む。突出部154が開口114内に設置されたとき、雌相互接続部材110は、雄相互接続部材150に磁気的に吸着されて、それにより本体部材112を本体部材152に取り外し可能に接続する。
【0016】
図4A及び
図4Bに図示されるように、本体部材112は、いくつかの収納部120、130を含む。収納部120、130は、当技術分野において知られる任意の適切な機構(例えば、これに限定されるものではないが、一体に超音波溶着又は膠着される)によって結合されてよい。収納部120、130はそれぞれ、それぞれの突出リップ122、132と、それぞれの柱124、126、134、136とを有する。柱124、126は、突出リップ122から突出リップ132に向かって延在し、柱134、136は、突出リップ132から突出リップ122に向かって延在する。更には、柱124、126はそれぞれ、それぞれの孔125、127を有する。動作時には、本体部材112をマスクフレーム4に有利に接続するために、柱124、126、134、136のそれぞれは、貫通孔16、18(
図2A及び
図2B)のうちの対応するものを貫通して延在し、柱134、136は、孔125、127内に延在する。このように、突出リップ122、132は、マスクフレーム4の両側に設置され、比較的確実な接続を提供する。
【0017】
更には、収納部120、130間の確実な接続を更に提供するために、収納部120は、環状の受け部128を有し、収納部130は、受け部128内へと延在する環状のフランジ138を含む。図からわかるように、収納部120、130はそれぞれ、それぞれのポケット121、131を有する。雌相互接続部材110は、開口114と位置の揃った貫通孔117を有した、本体部材112に結合される円盤状の磁石116を更に含む。磁石116は、ポケット121、131のそれぞれの内部に、受け部128及びフランジ138に対して内側に設置される。
【0018】
図5Aは、雄相互接続部材150の部分の分解図を図示し、
図5Bは雄相互接続部材150を図示する。雄相互接続部材150は、好ましくは、オーバーモールド射出成形プロセスによって作られる。例えば、これに限定されるものではないが、第1のモールド部156は、射出成形プロセスによって作られ、円盤状の磁石160が、第1のモールド部156に載置され、次いで第2のモールド部170が、好ましくは、第1のモールド部156及び磁石160のそれぞれを覆ってモールドされる。しかしながら、雄相互接続部材(不図示)が、本体部材(不図示)内に物体(すなわち、磁石160)を埋め込む任意の適切な代替的な既知の方法(例えば、これに限定されるものではないが、間に磁石160が設置された2つの個別の半体を、雌相互接続部材110と同様のやり方で一体に接着する)によって作られることも、開示される概念の範囲内にある。
【0019】
引き続き
図5Aを参照すると、磁石160は、貫通孔161を有し、突出部154は、第1モールド部156に設置されたX字形状の長尺体158を含む。更には、第1のモールド部156は、ポケット157を有する。組み付け中に、磁石160は、長尺体158が貫通孔161を貫通して延在する状態でポケット157内に載置されることによって、本体部材152に結合される。X字形状の長尺体158を用いることによって、第2のモールド部170が第1のモールド部156及び磁石160を覆ってモールドされたときに、磁石160は、有利に第1のモールド部156に良好に保持され得る。しかしながら、成形プロセスの第2段階中に、磁石160を保持する望ましい機能を実行するために、第1のモールド部(不図示)は、任意の適切な代替的な形状及び/又は構成を有し得ることは理解されよう。
【0020】
第1のモールド部156は、両側の端部162、164を更に有する。端部162は、ヘッドギアストラップ6(
図1)に接続される。端部164の近くには、いくつかの安定化突起部(2つの安定化突起部166、168が図示され、示されている)が設置される。第2のモールド部170が第1のモールド部156及び磁石160を覆ってモールドされるときに、安定化突起部166、168は、第1のモールド部156を関連するモールド(不図示)内に有利に維持する。
【0021】
図6は、相互接続アセンブリ100の断面図を図示する。図からわかるように、相互接続アセンブリ100は、雌相互接続部材110と、雄相互接続部材150とを含み、反対側の雌相互接続部材210と反対側の雄相互接続部材250とを更に含む(類似の参照番号は類似の特徴を示す)。雌相互接続部材210及び雄相互接続部材250は、雌相互接続部材110及び雄相互接続部材150と実質的に同じやり方で構成され、支持アセンブリ2に接続されることは理解されよう。より正確には、雌相互接続部材210及び雄相互接続部材250は、端部13(
図1)をヘッドギアストラップ6(
図1)に接続する。
【0022】
図1〜
図2Bを再び参照すると、端部11、13はそれぞれ、それぞれの窪んだ受け部14、15を含む。窪んだ受け部14、15を有することによって、使用中に、相互接続アセンブリ100が患者の顔に及ぼす圧力が、有利に小さくなる。言い方を変えれば、雌相互接続部材110、210がそれぞれの窪んだ受け部14、15に接続されたとき、雌相互接続部材110、210は、窪んだ受け部14、15がなかった場合よりも、それぞれの端部11、13から患者の顔に向かって突出する距離がより小さい。これにより、患者に対するより一層快適なフィットがもたらされる。
【0023】
図6に図示されるように、磁石116は、実質的に磁石160に重なり、磁石160に磁気的に吸着される。より具体的には、磁石116は、N極118とS極119とを有する。磁石160は、N極163とS極165とを有する。図示されるように、N極118は、S極119と磁石160との間に設置される。更に、N極118とS極165とは互いに向き合い、互いに対して磁気的に吸着される。換言すれば、突出部154が開口114内に設置されたとき、磁石116、160は互いに対して吸着され、本体部材112、152が互いに対して取り外し可能に接続されることを有利に可能にする。このように、患者が本体部材112、152を互いに接続することを欲し、従ってマスクフレーム4(
図1)の端部11をヘッドギアストラップ6(
図1)に接続することを欲したとき、患者は単に突出部154を開口114内に挿入すれば十分である。この構成において、磁石116、160は、互いに対して吸着されるように、適切に位置決めされる。同様に、患者が本体部材112を本体部材152から分離することを欲したとき、患者は、磁石116、160の間の磁力よりも大きな機械的な力をかけるだけでよい。そのため、相互接続アセンブリ100は、マスクフレーム4(
図1)をヘッドギアストラップ6(
図1)に接続及びマスクフレーム4(
図1)をヘッドギアストラップ6(
図1)から分離するためのより一層簡単な機構を提供する。
【0024】
同じように、雌相互接続部材210は、円盤状の磁石216を含み、雄相互接続部材250は、円盤状の磁石260を含む。磁石216は、N極218とS極219とを有し、磁石260は、N極263とS極265とを有する。図示されるように、S極219は、N極218と磁石260との間に設置される。更に、S極219とN極263とは互いに向き合い、互いに対して磁気的に吸着される。更には、雌相互接続部材210は、開口214を有し、雄相互接続部材は、開口214内に設置されるように構成された突出部254を含む。雌相互接続部材110及び雄相互接続部材150と同様に、突出部254が開口214内に設置されたとき、磁石216、260は互いに対して吸着され、それぞれの本体部材212、252が互いに対して取り外し可能に接続され、従って、端部13(
図1〜
図2B)をヘッドギアストラップ6(
図1)に接続することを有利に可能にする。従って、雌相互接続部材110及び雄相互接続部材150に関連する利点は、雌相互接続部材210及び雄相互接続部材250に同じように適用されることが理解されよう。
【0025】
更には、雌相互接続部材110、210及び雄相互接続部材150、250は、逆の極性を有利に有する。具体的には、N極118は、雌相互接続部材110の左側(例えば、
図6に示された向きにおいてS極119に対して)に設置され、N極163は、雄相互接続部材150の左側(例えば、
図6に示された向きにおいてS極165に対して)に設置される。一方、N極218は、雌相互接続部材210の右側(例えば、
図6に示された向きにおいてS極219に対して)に設置され、N極263は、雄相互接続部材250の右側(例えば、
図6に示された向きにおいてS極265に対して)に設置される。このように、患者がマスクフレーム4(
図1)を反転させることを欲したとき、雄相互接続部材150、250は、ヘッドギアストラップ6(
図1)から分離される必要がない。より正確には、雌相互接続部材が反転した極性を有しているため、マスクフレーム4(
図1)が反転(不図示)されたとき、雌相互接続部材110は、雄相互接続部材250に重なり、磁気的に吸着され、雌相互接続部材210は、雄相互接続部材150に重なり、磁気的に吸着される。これによって、マスクフレーム4(
図1)を分離してヘッドギアストラップ6(
図1)に再接続するためにかかる時間が有利により少なくなる。反転した極性を有することによって、雄相互接続部材150、250は、それぞれの雌相互接続部材110、210の極性の変化に対応するために各側に突出部(不図示)を有することとは対照的に、それぞれの突出部154、254を1つ有するだけでよい。このことによって、美的な改良に加えて、外側の突出部(不図示)が患者に対して何らかの不快感を与える可能性がなくなるので有利である。
【0026】
図7は、相互接続アセンブリ100に代わって支持アセンブリ2とともに実装され得る相互接続アセンブリ300の簡略化された図を図示する。図からわかるように、相互接続アセンブリ300は、雌相互接続部材310と雄相互接続部材350とを含む。各相互接続部材310、350は、それぞれの磁石316、360と結合されたそれぞれの本体部材312、352を含む。そのうえ、雌相互接続部材310は、開口314を画成する受け部315を有し、雄相互接続部材350は、突出部(例えば、これに限定されるものではないが、フック354)を含む。フック354が開口314内に設置されたとき、磁石316、360は互いに対して吸着され、それにより本体部材312を本体部材352に取り外し可能に接続する。更には、受け部315は、フック354と実質的に同様の形状を有する。従って、本体部材312、352を互いに対して接続する磁力に加えて、フック354が、使用中に本体部材352が本体部材312から分離されることを防ぐために追加的な保持力を提供する。
【0027】
図8は、
図6の相互接続アセンブリ100と全体的に同様な相互接続アセンブリ400の断面図を図示する。この実施形態において、相互接続アセンブリ400は、雌相互接続部材410と雄相互接続部材450とを含む。雄相互接続部材450は、N極463とS極465とを有する磁石460と、その一方側に第1の柱又は突出部452と、その第2の反対の側に第2の柱又は突出部454とを含む。雌相互接続部材410は、N極417とS極419とを有する磁石416と、第1の突出部又は第2の突出部のいずれかを受け入れるような大きさ、構成を有する開口414とを含む。
【0028】
相互接続アセンブリ400のためのこの構成は、第1の突出部452又は第2の突出部454のいずれかが開口414と係合できるように、雄相互接続部材450が片側から別の側へひっくり返されることを可能にする。簡単に言えば、雄相互接続部材450は、効果的に反転可能で、どちらかの側を露出させることができる。雌相互接続部材410は、患者接触面420を含み、これは、平らに、平面的に、滑らかに、パッド詰めで、及び/又は体形に合わせてなど、患者に接触するために適した任意のやり方で形成されてよい。
【0029】
従って、開示される概念は、改良された(例えば、これに限定されるものではないが、組み付け及び分解がより容易な)相互接続アセンブリ100、300と、これを含む支持アセンブリ2とを提供することが理解されよう。これは、数ある利点の中でも特に、磁石116、160、216、260、316、360を用いて、マスクフレーム4がヘッドギアストラップ6に、素早く、簡単に、取り外し可能に接続されることを可能にしている。
【0030】
更には、相互接続アセンブリ100、300は、支持アセンブリ2と関連して開示されたが、相互接続アセンブリ100、300又は同様の適切な代替的な相互接続アセンブリ(不図示)が、他のアセンブリ(例えば、これらに限定されるものではないが、ブックバッグ、財布又は他の同様のアセンブリ(不図示))とともに用いられることは、開示される概念の範囲内にある。
【0031】
開示される概念の特定の実施形態が詳細に説明されたが、本開示の全体的な教示に鑑みて、これらの詳細に対して様々な修正及び代替物が展開し得ることは、当業者には理解されよう。従って、開示された特定の構成は、単に例示的なものであり、添付された請求項の最大限の範囲が与えられるべき開示される概念、並びに任意の及びすべてのその均等物の範囲を限定するものではないと意図される。