(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739443
(24)【登録日】2020年7月27日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】アドオン放射合成器デバイス
(51)【国際特許分類】
G21H 5/02 20060101AFI20200730BHJP
G01T 1/161 20060101ALI20200730BHJP
G21G 4/08 20060101ALI20200730BHJP
A61K 51/00 20060101ALN20200730BHJP
【FI】
G21H5/02 C
G01T1/161 D
G21G4/08 Z
!A61K51/00 200
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-546766(P2017-546766)
(86)(22)【出願日】2016年3月16日
(65)【公表番号】特表2018-514751(P2018-514751A)
(43)【公表日】2018年6月7日
(86)【国際出願番号】EP2016055694
(87)【国際公開番号】WO2016146686
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2019年2月27日
(31)【優先権主張番号】1504407.6
(32)【優先日】2015年3月16日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】305040710
【氏名又は名称】ジーイー・ヘルスケア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】デュモン,フィリップ
【審査官】
藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0245980(US,A1)
【文献】
国際公開第2013/049608(WO,A1)
【文献】
特開平10−221453(JP,A)
【文献】
寺崎一典 他,[11C]メチルトリフレートによるループ標識合成を目的とする[11C]ヨウ化メチル自動合成装置の改造例,RADIOISOTOPES,日本,公益社団法人日本アイソトープ協会,2003年 6月23日,Vol.52,No.11,第41−47頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21H 5/00
G21H 5/02
G21G 4/00−4/08
G01T 1/161
A61K 51/00
A61K 51/02
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動放射合成デバイス(1)であって、
(i)使い捨てキット(3)を取り外し可能に取り付けるための複数のコネクタ(2)と、
(ii)前記使い捨てキット(3)の可動部を選択的に制御する複数のアクチュエータ(4a〜i)と、
(iii)前記複数のアクチュエータ(4a〜i)による前記使い捨てキット(3)の前記可動部の前記選択的制御を指示するための制御ユニット(5)と、
(iv)反応容器加熱ウェル(6)と、
(v)不活性ガス導管(7)と、
(vi)真空導管(8)と、
(vii)放射性同位体導管(9)と、
(viii)様々な位置で前記自動放射合成デバイス(1)上にアドオンデバイス(11)を固定する手段(10)と
を備え、
前記反応容器加熱ウェル(6)が、アドオンデバイス(11)を固定する前記手段(10)に固定され、
前記アドオンデバイス(11)を固定する前記手段(10)が、レール(10a)と、前記アドオンデバイス(11)を前記レール(10a)に締着するための手段(10b)とを備える、自動放射合成デバイス(1)。
【請求項2】
前記複数のコネクタ(2)が、ファスナおよび流体コネクタを含む群から選択される、請求項1に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【請求項3】
前記流体コネクタ(2)が、プッシュオン型コネクタ、ルアースリップコネクタまたはルアースクリューコネクタを含む群から選択される、請求項2に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【請求項4】
前記使い捨てキット(3)が、放射性トレーサ化合物の合成に適している、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【請求項5】
前記放射性トレーサ化合物が、ポジトロン断層法(PET)トレーサである、請求項4に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【請求項6】
前記放射性トレーサ化合物が、18F標識PETトレーサである、請求項5に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【請求項7】
前記使い捨てキット(3)が、単回使用カセットである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【請求項8】
前記複数のアクチュエータ(4a〜i)が、バルブのストップコック用の回転可能アーム、リニアアクチュエータ、試薬バイアルを押すアームおよびピンチバルブを含む群から選択される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【請求項9】
前記使い捨てキット(3)の前記可動部が、試薬バイアル、シリンジおよびバルブを含む群から選択される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【請求項10】
前記制御ユニット(5)が、前記自動放射合成デバイス(1)に取り付けられた前記使い捨てキット(3)で実行される特定の放射合成方法のための命令を含むソフトウェアを含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【請求項11】
前記レール(10a)が、T字型レールである、請求項10に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【請求項12】
前記アドオンデバイス(11)を前記レール(10a)に締着するための前記手段(10b)が、T字型ナット(10c)と、関連するねじ(10d)とを備える、請求項11に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【請求項13】
前記アドオンデバイス(11)が、
追加の反応容器加熱ウェル(6)、
放射能検出器、
温度センサ、
追加の試薬のためのバイアルホルダ、
固相抽出(SPE)カートリッジ加熱または冷却デバイス、
使い捨てキット(3)の操作能力を拡張する追加のアクチュエータ、および
ウェブカムを含む群から選択される、
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の自動放射合成デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射標識化合物の合成に関する。具体的には、本発明は、放射標識化合物、特に放射性トレーサ化合物の自動合成のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インビボ造影剤として使用するための放射標識化合物は、現在一般的に自動合成装置(あるいは「ラジオシンセサイザ(radiosynthesizer)」)を用いて調製される。このような自動合成装置は、GEヘルスケア;CTI Inc.;Ion Beam Applications S.A.(Chemin du Cyclotron 3,B−1348 Louvain−La−Neuve,ベルギー);Raytest(ドイツ)およびBioscan(米国)を含む様々な供給元から市販されている。放射化学は、装置に取り外し可能かつ交換可能に装着されるように設計された「カセット」または「カートリッジ」で、装置の可動部の機械的運動によってカセットの操作が制御されるように行われる。適したカセットは、いくつかの工程で装置の上に組み立てられるパーツキットとして提供されてもよいし、一工程で取り付けられ、それによりヒューマンエラーの危険性を低下させるシングルピースとして提供されてもよい。このシングルピースの配列は、通常、放射性医薬品の所与のバッチの調製を実行するために必要な全ての試薬、反応容器および装置を備える、使い捨ての単回使用カセットである。
【0003】
シンセサイザは、異なる化学のニーズに対応するのに十分柔軟であり、将来のニーズに対応するためにシステムを発展させることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013/049608号パンフレット
【発明の概要】
【0005】
本発明は、自動放射合成デバイス(1)であって、
(i)使い捨てキット(3)を取り外し可能に取り付けるための複数のコネクタ(2)と、
(ii)前記使い捨てキット(3)の可動部を選択的に制御する複数のアクチュエータ(4a〜i)と、
(iii)前記複数のアクチュエータ(4a〜i)による前記使い捨てキット(3)の可動部の選択的制御を指示するための制御ユニット(5)と、
(iv)反応容器加熱ウェル(6)と、
(v)不活性ガス導管(7)と、
(vi)真空導管(8)と、
(vii)放射性同位体導管(9)と、
(viii)様々な位置で放射合成デバイス(1)上にアドオンデバイス(11)を固定する手段(10)とを備える、自動放射合成デバイス(1)を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のデバイスは、異なる放射性トレーサの自動合成、または同じ放射性トレーサの複数回の実行における柔軟性を向上させる。既知の自動放射合成デバイスは、本発明の特徴を備えるように容易に適合させることができ、ユーザは、これらのデバイスの能力を簡単に拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】カセットがカセット引出しに挿入されている、本発明の例示的な自動放射合成デバイスを示す図である。
図1において、カセット引出しの前面にあるT字型レールは、アドオンデバイス(11)内に備えられる反応容器加熱ウェル(6)を定位置に保持する。
【
図2】一連のアクチュエータ(4a〜i)を示す、反対側からの
図1に示されたものと同じ例示的な放射合成デバイスを示す図である。アクチュエータ4aおよび4bは、アクチュエータ4c〜gおよびアクチュエータ4hならびに4iと同様に協働して機能する。
【
図3】ねじ(10d)およびT字型ナット(10c)を使用してT字型レール(10a)上に固定された、例示的なアドオンデバイス(11)の断面図である。
【
図4】ねじ(10d)およびT字型ナット(10c)を使用してT字型レール(10a)上に固定された、例示的なアドオンデバイス(11)の断面図である。
【
図5】レール(10a)およびナット(10b)の設計が異なる形状である、アドオンデバイスを固定する手段(10)の他の例示的な構成を示す図である。
【
図6】レール(10a)およびナット(10b)の設計が異なる形状である、アドオンデバイスを固定する手段(10)の他の例示的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
特許請求される本発明の主題をより明白かつ簡潔に記載し示すために、本明細書および特許請求の範囲を通して使用される特定の用語には、以下の定義が与えられる。本明細書における特定の用語の例示は、非限定的な例としてみなされるべきである。
【0009】
「備えている(comprising)」または「備える(comprises)」という用語は、本出願を通じてその慣習的な意味を有し、薬剤または組成物が列挙された本質的な特徴または構成要素を有さなければならないが、他の特徴または構成要素が存在してもよいことを意味する。「備えている(comprising)」という用語は、好ましいサブセットとして、他の特徴または構成要素が存在しない記載の構成要素を組成物が有することを意味する「実質的に〜からなる(consisting essentially of)」を含む。
【0010】
本明細書で使用される「自動放射合成デバイス」(本明細書では「放射合成デバイス」とも呼ばれる)という用語は、Satyamurthy et al(1999 Clin Positr Imag;2(5):233−253)に記載される単位操作の原理に基づいて自動化されたモジュールを意味する。「単位操作」という用語は、複雑なプロセスが一連の簡単な操作または反応になることを意味し、それは様々な材料に適用することができる。このような自動放射合成器は、GEヘルスケア;CTI Inc;Ion Beam Applications S.A.(Chemin du Cyclotron 3,B−1348 Louvain−La−Neuve,ベルギー);Raytest(ドイツ)およびBioscan(米国)を含む様々な供給元(上記のSatyamurthy et al)から市販されている。自動放射合成デバイスは、好適に構成された放射性作業セル、または「ホットセル」で用いられるように設計され、放射性作業セルは、オペレータを潜在的放射線量から保護するのに適した放射線遮蔽、ならびに化学蒸気および/または放射性蒸気を除去する換気を提供する。カセットを使用することで、自動放射合成デバイスは単にカセットを変えることによって、相互汚染の危険性は最小に、多様な異なる放射性医薬品を作製する柔軟性を有する。このアプローチはまた、設定の簡略化とそのためにオペレータエラーの危険性の低下、GMP(優良医薬品製造基準)順守の向上、マルチトレーサ性能、製造運転間の迅速な変更、カセットおよび試薬の自動診断チェックの事前実施、実行される合成に対する化学試薬の自動クロスチェック(たとえば、バーコードまたは無線周波数識別を使用して)、試薬トレーサビリティ、単回使用であることとそのために相互汚染の危険性がないこと、改ざんおよび誤用されにくいという利点を有する。放射合成デバイスは、ポンプ、シリンジ、バルブ、加熱要素を操作するようにプログラムされており、ソース流体を試薬と混合するように使い捨てキットへの窒素の供給および真空の適用を制御し、適切な精製カートリッジを介して化学反応を実行し、使い捨てキットの外側の適切なバイアルレセプタクルに出力トレーサおよび廃液を選択的にポンピングする。出力バイアルに集められた流体は、通常、精製および/または分配のために別のシステムに投入されるが、放射合成デバイスおよび使い捨てキットはまた、さらなる処理のために、精製化合物を使い捨てキットに戻す別個の精製システムに接続することができる。
【0011】
本発明の自動放射合成デバイスの「コネクタ」の各々は、一対の嵌合コネクタまたはファスナの半分を表し、残りの半分は、使い捨てキットの対応する位置に存在する。本発明の自動放射合成デバイスの一実施形態では、前記複数のコネクタは、ファスナおよび流体コネクタを含む群から選択される。本発明の自動放射合成デバイスの一実施形態では、前記流体コネクタは、プッシュオン型コネクタ、ルアースリップコネクタまたはルアースクリューコネクタを含む群から選択される。
【0012】
本明細書における「使い捨てキット」という用語は、パーツキットまたはカセットのいずれかを指す。「パーツキット」は、第1および第2の端部バルブと、それらの間の流路に沿って配向した複数の内部バルブとを備える。このようなキットは、バルブの1つまたは複数に接続されるように適合された反応容器と、バルブに支持された少なくとも1つのポンプ手段と、流路内に導かれる内容物を保持する少なくとも1つの試薬バイアルとを含み、試薬バイアルは、前記流路に接続されるように適合され、それにより内容物を流路内に導くことができる。キットはさらに、バルブの少なくとも1つを横切って接続されるように適合された少なくとも1つのカートリッジを含む。パーツキットの構成要素は別々に用意されており、使用前にユーザがそれらを組み立てる必要がある。対照的に、「カセット」は、自動放射合成器に取り外し可能かつ交換可能に装着されるように設計された、予め組み立てられた装置の単回使用のピースである。通常のカセットは、第1および第2の端部バルブと、それらの間のマニホルド流路に沿って配向した複数の内部バルブとを含む細長いマニホルドを有する。マニホルドは、バルブの各々の間の細長いマニホルド流路を画定する。このカセットは、反応容器と、バルブに支持された少なくとも1つのポンプ手段(たとえばシリンジ)と、マニホルド流路内に導かれる内容物を保持する少なくとも1つの試薬バイアルと、バルブの少なくとも1つを横切って接続された少なくとも1つの精製カートリッジとを含む。カセットは、顧客の設置および接続を最小限に抑えて、異なる放射性医薬品の臨床バッチを合成するように適合可能であることが望ましい。一実施形態におけるカセットと放射合成デバイスとの間の接続は、シンセサイザが試薬を使用するためのアクセスを可能にするように、その中隔をカセットの貫通スパイクに駆動することによって試薬バイアルに対して自動的に行われる。
【0013】
本発明の自動放射合成デバイスの一実施形態では、前記使い捨てキットは、放射性トレーサ化合物の合成に適している。「放射性トレーサ化合物」は、1つまたは複数の原子が放射性同位体によって置換された生物学的に活性な化合物である。放射性トレーサ化合物は、単一光子放射断層撮影(SPECT)、ポジトロン断層法(PET)およびシンチグラフィを含む核医学での使用のために製剤化することができる。このような放射性トレーサ化合物は、当業者に周知である。読み手は、たとえば放射性医薬品の分野における共通の一般知識の説明のための「Radiochemical Syntheses:Radiopharmaceuticals for Positron Emission Tomography」(Volume 1,2001,Wiley,Scott&Hockley,Eds.)および「Handbook of Radiopharmaceuticals:Radiochemistry and Applications」(2003,Wiley,Welch&Redvanly,Eds.)を参照されたい。一実施形態では、前記放射性トレーサ化合物は、PETトレーサである。一実施形態では、前記放射性トレーサ化合物は、
18F標識PETトレーサである。「[
18F]標識PETトレーサ」は、
18F原子を含み、PETトレーサとしての使用に適している化合物である。[
18F]標識PETトレーサの非限定的な例としては、[
18F]フルオロデオキシグルコース([
18F]FDG)、[
18F]フルオロミソニダゾール([
18F]FMISO)、[
18F]フルオロチミジン([
18F]FLT)、[
18F]フルオロアゾマイシンアラビノフラノシド([
18F]FAZA)、[
18F]フルオロエチル−コリン([
18F]FECH)、[
18F]フルオロシクロブタン−1−カルボン酸([
18F]FACBC)、[
18F]フルマネジル(flumanezil)([
18F]FMZ)、[
18F]チロシン、[
18F]アルタナセリン(altanaserine)、4−[
18F]フルオロ−3−ヨードベンジルグアニジン([
18F]FIBG)、メタ−[
18F]フルオロベンジルグアニジン([
18F]mFBG)および[
18F]5−フルオロウラシルが挙げられる。
【0014】
「アクチュエータ」という用語は、使い捨てキットの部品を移動させるまたは制御する任意の適切な手段を指す。アクチュエータは、エネルギー源、典型的には電流、油圧流体圧力、または空気圧によって操作され、そのエネルギーを運動に変換する。本発明の自動放射合成デバイスの一実施形態では、前記複数のアクチュエータは、バルブのストップコック用の回転可能アーム、リニアアクチュエータ、試薬バイアルを押すアームおよびピンチバルブ(たとえば流れを選択的に遮断するソレノイドピンチバルブ)を含む群から選択される。
【0015】
「可動部」という用語は、放射合成デバイスのアクチュエータとの協働機能的結合によって制御された様式で移動する使い捨てキットの部品を指す。本発明の自動放射合成デバイスの一実施形態では、前記使い捨てキットの前記可動部は、試薬バイアル、シリンジおよびバルブを含む群から選択される。
【0016】
本発明の放射合成デバイスの「制御ユニット」は、特定の放射合成方法に従って使い捨てキットを操作するためのソフトウェアを含む。ソフトウェアは、前記自動放射合成デバイスに取り付けられた前記使い捨てキットで実行される特定の放射合成方法のための命令を含む。ソフトウェアは、適切な使い捨てキットが放射合成デバイスに搭載される場合に、特定の放射合成方法を実行するための実行可能プログラムを有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体として設けられる。
【0017】
本発明の放射合成デバイスの「反応容器加熱ウェル」は、その中で起こる化学反応に必要な熱を提供するように、使い捨てキットの一部として設けられた反応容器を受け入れるように設計されている。
【0018】
「不活性ガス導管」、「真空導管」および「放射性同位体導管」は、放射合成デバイスを流体密封様式で不活性ガス源(たとえば窒素)、真空(たとえばポンプ)および放射性同位体源(たとえばバイアルまたはサイクロトロンの出力ライン)にそれぞれ連結する適切な配管である。導管は、制御された送達を可能にするスピゴットを備えることができる。不活性ガスおよび真空は、マニホルドを通る流体移送および使い捨てキットの操作を補助する。放射性同位体導管は、放射性同位体源から送達プランジャに延びることができる。
【0019】
「アドオンデバイスを固定する手段」は、特定の放射合成方法に必要なデバイスを搭載することができる支持体または足場である。デバイスは、使い捨てキットと共に機能することができるように適切に配置される。
【0020】
本発明の自動放射合成デバイスの一実施形態では、アドオンデバイスを固定する前記手段は、レールである。一実施形態では、前記レールは、T字型レールである。一実施形態では、前記アドオンデバイスは、T字型ナットによって接続される。
【0021】
本発明の自動放射合成デバイスの一実施形態では、前記反応容器加熱ウェルは、アドオンデバイスを固定する前記手段に固定される。
【0022】
一実施形態では、アドオンデバイスを固定する前記手段は、放射合成デバイスのカセット引出しの一部である。「カセット引出し」は、カセットと放射合成デバイスとのインターフェースに使用される手段である。オペレータは、カセットを引出しに挿入し、カセットの放射合成デバイスへの接続は、引出しを放射合成デバイスに向かって移動させることによって達成される。
図1は、カセット(3)のこのような引出しへの挿入を示している。
図1において、カセット引出し(
図1では不示図のレール)の前面に位置したT字型レールは、アドオンデバイス(11)に備えられる2つの反応容器加熱ウェル(6)を定位置に保持する。
【0023】
図2は、
図1に示したものと同じ例示的な放射合成デバイスの別の図である。この実施形態では、レールは、T字型(10)であり、反応容器ヒータ(6)は、Tナット(DIN 508規格に準拠)によってレール上に搭載される。
【0024】
ねじ(10d)およびT字型ナット(10c)を使用してT字型レール(10a)上に固定された例示的なアドオンデバイス(11)の断面図を、
図3および
図4に示す。
図3において、アドオンデバイス(11)は、反応容器加熱ウェルを備え、
図4において、アドオンデバイス(11)は、より一般的である。
図3および
図4は、配列がねじ(10d)で締着されることを示している。
【0025】
他の構成もまた、アドオンデバイスを固定する手段として想定される。たとえば、ある実施形態では、レール(10a)およびナット(10b)の設計は、
図5および
図6に示すように異なる形状であってもよい。
【0026】
また、様々なアドオンデバイスを取り付けることができることも想定される。本発明の一実施形態では、前記アドオンデバイスは、
複数の化学反応を伴うプロセスを実行するために有用な追加の反応容器加熱ウェルと、
臨界位置で放射能を測定することによってプロセス内制御を向上させるための放射能検出器と、
臨界位置で温度を監視および制御する温度センサと、
化学薬品を含むバイアルをさらに追加することを可能にする追加の試薬のためのバイアルホルダと、
固相抽出カートリッジの温度制御を必要とするより複雑な化学反応を可能にする固相抽出(SPE)カートリッジ加熱または冷却デバイスと、
使い捨てキットの操作能力を拡張する追加のアクチュエータと、
開発フェーズ中に対象となり得るプロセスを観察することを可能にするウェブカムとを備える。
【0027】
本発明の特定の態様、実施形態または実施例に関連して記載された特徴、整数、特性、化合物、化学的部分または群は、それらと矛盾しない限り、本明細書に記載の任意の他の態様、実施形態または実施例に適用可能であることを理解されたい。
【0028】
本明細書は、最良の様式を含む本発明を開示するため、およびどのような当業者も、任意のデバイスまたはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実行を含む本発明の実践を可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または、特許請求の範囲の文言と実質的な差のない等価の構造要素を含む場合に、特許請求の範囲内にあることが意図されている。本文に述べられた全ての特許および特許出願は、それらが個別に組み込まれたかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【符号の説明】
【0029】
1 自動放射合成デバイス
2 コネクタ
3 使い捨てキット、カセット
4a〜i アクチュエータ
5 制御ユニット
6 反応容器加熱ウェル、反応容器ヒータ
7 不活性ガス導管
8 真空導管
9 放射性同位体導管
10 アドオンデバイスを固定する手段、T字型
10a T字型レール
10b ナット、デバイスをレールに締着するための手段
10c T字型ナット
10d ねじ
11 アドオンデバイス