特許第6739457号(P6739457)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739457
(24)【登録日】2020年7月27日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20200730BHJP
   F25D 23/06 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   F25D23/00 B
   F25D23/06 W
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-22429(P2018-22429)
(22)【出願日】2018年2月9日
(65)【公開番号】特開2019-138559(P2019-138559A)
(43)【公開日】2019年8月22日
【審査請求日】2019年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】津布久 正康
(72)【発明者】
【氏名】岡田 福太郎
(72)【発明者】
【氏名】門傳 陽平
【審査官】 森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−066044(JP,A)
【文献】 特開昭62−200173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と左右側面を構成する脇板、および絞り部が形成された後板によって構成された外箱と、
前記外箱の内側に配置される内箱と、
前記外箱と内箱との間に充填される断熱材と
前記後板の上端に設けられる取っ手と、を備えた冷蔵庫において、
前記絞り部は、前記後板の左右両側に沿って当該後板の上端まで形成され、
前記取っ手は、前記後板の上端に形成された切欠部を介して固定され
前記後板の内壁面に設けられる真空断熱材を備え、
前記取っ手は、前記真空断熱材を位置決めする位置決め部と、当該取っ手を前記後板にねじ固定するねじ固定部と、を備え、
前記位置決め部の下端は、前記ねじ固定部よりも下方に位置することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
上面と左右側面を構成する脇板、および絞り部が形成された後板によって構成された外箱と、
前記外箱の内側に配置される内箱と、
前記外箱と内箱との間に充填される断熱材と
前記後板の上端に設けられる取っ手と、を備えた冷蔵庫において、
前記絞り部は、前記後板の左右両側に沿って当該後板の上端まで形成され、
前記取っ手は、前記後板の上端に形成された切欠部を介して固定され
前記取っ手は、前記切欠部の上端縁に当接するリブが形成されていることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項3】
前記断熱材は、発泡ウレタンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記位置決め部と前記後板との間に隙間が形成され、
前記隙間に前記発泡ウレタンが充填されることを特徴とする請求項3を引用する請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記取っ手は、前記後板および前記脇板と共締めされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記取っ手は、当該取っ手の前記発泡ウレタン側の面に、当該発泡ウレタンが回り込んで充填される延出部が形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬用の取っ手を備えた冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷蔵庫本体の後板(外箱の背面に設けられる板)に絞り部を形成し、後板の絞り部より上側(後板の左右上端)に取っ手を取り付けるための平面を形成したものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−63031号公報(図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1の冷蔵庫では、後板の上端に、取っ手を取り付けるための平面が必要になるため、後板の左右の絞りを後板の上端まで延ばすことができず、後板のさらなる強度向上を図ることが困難であった。
【0005】
また、仮に絞り部を後板の左右上端まで形成すると、絞り部の表面に取っ手を取り付けることになるため、取っ手が後板よりも大きく後方に突出して製品寸法が拡大し、設置スペースが拡大する課題が生じる。
【0006】
本発明は、設置スペースの拡大を抑制しつつ後板の強度を向上することが可能な冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上面と左右側面を構成する脇板、および絞り部が形成された後板によって構成された外箱と、前記外箱の内側に配置される内箱と、前記外箱と内箱との間に充填される断熱材と、前記後板の上端に設けられる取っ手と、を備えた冷蔵庫において、前記絞り部は、前記後板の左右両側に沿って当該後板の上端まで形成され、前記取っ手は、前記後板の上端に形成された切欠部を介して固定され、前記後板の内壁面に設けられる真空断熱材を備え、前記取っ手は、前記真空断熱材を位置決めする位置決め部と、当該取っ手を前記後板にねじ固定するねじ固定部と、を備え、前記位置決め部の下端は、前記ねじ固定部よりも下方に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、設置スペースの拡大を抑制しつつ後板の強度を向上することが可能な冷蔵庫を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る冷蔵庫の背面側を示す分解斜視図である。
図2図1の要部拡大図である。
図3】本実施形態に係る冷蔵庫の背面側を示す拡大斜視図である。
図4】取っ手の裏側を示す斜視図である。
図5】取っ手を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
図6】取っ手を後板にねじ固定した状態を平面図である。
図7図6のVII−VII線断面図である。
図8】(a)は図6のVIII−VIII線断面図、(b)は分解断面図である。
図9図7のIX部拡大図である。
図10】取っ手を後板に配置した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。ただし、本実施形態は、以下の内容に何ら制限されず、本発明の要旨を損なわない範囲内で任意に変更して実施可能である。また、以下では、図1に示す方向を基準として説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る冷蔵庫の背面側を示す分解斜視図である。
図1に示すように、冷蔵庫100は、断熱箱体1(冷蔵庫本体)、運搬用の取っ手30,30などを備えて構成されている。
【0012】
また、冷蔵庫100は、最上部に冷蔵温度帯の冷蔵室(不図示)、最下部に冷蔵温度帯の野菜室(不図示)を備えている。また、冷蔵庫100は、冷蔵室と野菜室との間に、これらの両室と断熱的に仕切られた冷凍温度帯の上段冷凍室(製氷室および急速冷凍室、不図示)および下段冷凍室(不図示)を備えている。
【0013】
冷蔵室は、観音開き式の断熱扉2を備えている。上段冷凍室、下段冷凍室および野菜室は、引き出し式の断熱扉3,4,5を備えている。なお、断熱扉の枚数は、本実施形態に限定されるものではなく、適宜変更できる。
【0014】
断熱箱体1は、冷蔵庫100の外郭を構成する外箱10と、外箱10の内側に配置される内箱20と、を有している。また、断熱箱体1は、外箱10と内箱20との間に発泡液を充填することで形成された発泡ウレタン60(図7参照)を有している。
【0015】
外箱10は、冷蔵庫100の外郭を構成するものであり、上面を構成する上板(天板)11と、右側面を構成する側板12と、左側面を構成する側板13と、背面(後面)を構成する後板14と、を有している。上板11および側板12,13は、一枚の薄い鋼板を門型(コ字型)に折り曲げて構成され、本実施形態の脇板として構成されている。また、外箱10は、底面を構成する底板15と、後板14の下方に位置して機械室Qを塞ぐカバー板16と、を有している。
【0016】
上板11には、制御基板(不図示)が収容される略矩形状の凹部11aが形成されている。凹部11aは、上板11の後部に形成されている。また、凹部11aの底面11a1は、後方に向けて下るように傾斜して形成されている。また、凹部11aの後端縁部は、凹状に形成されている。また、上板11には、凹部11aを塞ぐカバー11bが取り付けられる。
【0017】
内箱20は、冷蔵室、上段冷凍室、下段冷凍室および野菜室の各貯蔵室を構成し、真空成形法などで形成されている。
【0018】
発泡ウレタン60(発泡断熱材)は、硬質ウレタンフォームで形成されている。この硬質ウレタンフォームは、外箱10と内箱20との間の空間内に注入したウレタンフォーム原液(発泡断熱材の原料液)を発泡させた後、硬化させることで形成されたものである。ちなみに、ウレタンフォーム原液としては、例えば、ポリエーテルポリオールに、シクロペンタン、水などの発泡剤、さらには触媒、整泡剤などの助剤をプレミックスした液と、イソシアネート液とを混合した液体が挙げられる。なお、各断熱扉2〜5内の空間も同様な硬質ウレタンフォームによって構成されている。
【0019】
後板14は、上板11および側板12,13とは別部材で形成され、鋼板等の金属板を用いて絞り加工することで形成されている。また、後板14は、後方に突出するように絞り部14aが形成されている。この絞り部14aは、右端(右側)において後方に向けて立ち上がる起立面(起立部)14b(絞り部)と、左端(左側)において後方に向けて立ち上がる起立面(起立部)14c(絞り部)とが形成されている。この起立面14b,14cは、後板14の下部から上端にかけて上下方向に沿って形成されている。
【0020】
また、絞り部14aは、起立面14bと起立面14cとの間が、上下左右に平行な面によって形成される平坦面14dを有している。また、絞り部14aは、平坦面14dの上端縁から上方(上板11側)に向けて傾斜する傾斜面(傾斜部)14e(絞り部)が形成されている。傾斜面14eの傾斜角度は、起立面14b,14cの傾斜角度よりも緩やかに形成されている。なお、この傾斜面14eも絞り部に相当する。このように、絞り部14aは、後板14の上端まで形成されている。なお、後板14の上端とは、後記する取っ手30が配置される高さ範囲、あるいは、傾斜面14eが形成される高さ範囲を指している。
【0021】
取っ手30は、ポリプロピレンなどの合成樹脂によって成形されたものであり、後板14の左右両側の上端に設けられている。この取っ手30は、冷蔵庫100を立てた状態から寝かす際、また冷蔵庫100を寝かせた状態で移動(運搬)する際などに使用される。
【0022】
図2は、図1の要部拡大図である。なお、図2は、図示右上の取っ手30の拡大図である。なお、右側の取っ手30と左側の取っ手30(図1参照)は、左右対称に形成されるものであるため、以下では、右側の取っ手30を説明し、左側の取っ手についての説明は省略する。
【0023】
図2に示すように、後板14は、絞り部14aの周囲に、ねじ位置決め用の位置決め凹部14f,14g,14h,14i,14iが形成されている。位置決め凹部14g,14h,14iは、後板14の外周縁部14sに形成されている。この外周縁部14sは、縁部に沿って細長くかつ平坦に形成された枠形状である。なお、本実施形態では、2箇所の位置決め凹部14iは、他機種の冷蔵庫に適用できるように予め形成されたものである。このように、位置決め凹部14f,14g,14i,14iを形成することで、取っ手30を後板14に仮固定することができ、また後板14の強度も向上できる。
【0024】
また、後板14は、外周縁部14sから後方に垂直に折り曲げられた折り曲げ部14tが形成されている。この折り曲げ部14tは、上板11に対応する位置に形成されるフランジ部14t1と、側板12に対応する位置に形成されるフランジ部14t2と、を有している。
【0025】
外箱10の上板11には、その後端縁部において鉛直方向下向きに垂直に折り曲げられたフランジ部11cが形成されている。また、側板12の後端縁部には、水平方向左向きに垂直に折り曲げられたフランジ部12aが形成されている。
【0026】
また、後板14の傾斜面14eには、略矩形状の切欠孔14mが貫通して形成されている。この切欠孔14mの全体が、傾斜面14eに位置している。すなわち、切欠孔14mの上端縁14m1は、傾斜面14eと外周縁部14sとの境界に沿って形成されている。また、切欠孔14mの下端縁14m2は、傾斜面14eと平坦面14dの境界よりも傾斜面14e寄り(傾斜面14eの途中)に位置している。また、下端縁14m2は、上端縁14m1と平行に形成されている。
【0027】
また、切欠孔14mは、上端縁14m1の左端と下端縁14m2の左端とを繋ぐ左端縁14m3と、上端縁14m1の右端と下端縁14m2の右端とを繋ぐ右端縁14m4と、を有している。
【0028】
取っ手30は、取っ手30の一部が切欠孔14mに挿入され、後板14に固定される。また、取っ手30は、略四角板状のベース部31と、このベース部31の右側(一方の側面部)に形成される台部32と、ベース部31の左端(他方の側面部)に形成される台部33と、台部32,33間に架け渡されるハンドル部34と、を有している。
【0029】
ハンドル部34は、作業者が手で握って運搬する際に使用される握り部分である。また、ハンドル部34は、ベース部31から離間して形成され、ベース部31とハンドル部34との間に手を挿入できる空間が形成されている。また、取っ手30は、ベース部31と台部32,33と一体に形成される底板部35を有している。また、底板部35の後端には、略下方に延びる前面部35aが形成されている。この前面部35aは、後方に突出するように傾斜している。
【0030】
ベース部31には、発泡ウレタン60(図8参照)を注入する円形の注入口31aが形成されている。この注入口31aは、切欠孔14mと前後方向において重なる位置に形成されている。このように、切欠孔14mと注入口31aとを重ねて配置することで、特に、後板14に発泡ウレタンを注入するための孔を別個に設ける必要がない。
【0031】
台部32は、ベース部31から後方(図示手前側)に突出して形成されている。台部32は、正面視においてL字状に形成された平坦な面部32aを有している。この面部32aには、ねじボス(ねじ孔)32b,32c,32dが離間して形成されている。ねじボス32b,32dは、奥まった位置に形成されている。ねじボス32bは、鉛直方向の一番上に位置し、ねじボス32c,32dは、ねじボス32bよりも下方に位置している。なお、ねじボス32c,32dは、他の機種で使用されるねじ固定用のものである。
【0032】
台部33は、ベース部31から後方(図示手前側)に突出して形成されている。台部33には、ねじボス33b,33cが上下に離間して形成されている。ねじボス33bとねじボス33cとの間には、冷蔵庫100の電源コードが挿通される凹部33dが形成されている。この凹部33dには、電源コードが凹部33dから飛び出さないようにするフック33d1が形成されている。また、ねじボス33bは、ねじボス32bと同様に、奥まった位置に形成されている。ねじボス33cは、ねじボス32bよりも後方(図示手前側)に位置し、傾斜面14eと平行な傾斜面33c1に形成されている。なお、ねじボス33cの向きは、前後方向を向いている。
【0033】
ハンドル部34は、扁平に形成され、後側に平坦な面部34aを有している。この面部34aは、台部32,33の後端と略同じ位置になるように構成されている。また、取っ手30は、後板14の平坦面14dよりも後方に突出しないようになっている。
【0034】
また、取っ手30は、台部32の下方に、電源コード(不図示)が挿通される凹部32eが形成されている。この凹部32eには、電源コードが凹部32eから飛び出さないようにするフック32e1が形成されている。
【0035】
また、取っ手30は、フック32e1から鉛直方向下方に突出して延びるコンセントプラグ差込用のプラグ差込部32fが形成されている。プラグ差込部32fは、運搬時にコンセントプラグを差し込んでおくものであり、後面に一対の差込孔32f1,32f1が形成されている。この差込孔32f1が形成される面は、台部32の後端よりも低い位置に形成されている。また、プラグ差込部32fは、台部32,33の下端および前面部35aの下端35a1よりも下方に位置している。
【0036】
また、取っ手30は、ねじ40がねじボス32bに挿通される。そして、ねじ40は、後板14の位置決め凹部14hを貫通して螺着され、上板11のフランジ部11cに形成されたねじ孔11c1に螺着される。また、取っ手30は、ねじ41がねじボス33bに挿通され、後板14の位置決め凹部14gに螺着される。また、取っ手30は、ねじ42がねじボス33cに挿通され、後板14の位置決め凹部14fに螺着される。
【0037】
このように、取っ手30は、ねじ40,41,42を介して後板14に固定される。この場合、取っ手30は、ねじ40を介して後板14と上板11(脇板)に共締めされるので、取っ手30を冷蔵庫本体(断熱箱体1)に強固に固定することができる。なお、本実施形態では、3箇所のねじ40,41,42のうち1箇所のねじ40で共締めした場合を例に挙げて説明したが、2箇所以上で共締めしてもよい。
【0038】
図3は、本実施形態に係る冷蔵庫の背面側を示す拡大斜視図である。
図3に示すように、取っ手30は、後板14の右上端および左上端にそれぞれねじ固定される。この場合、上板11の凹部11a(図1参照)に収容された制御基板(不図示)から延びる電源コード(不図示)は、凹部33d,32eに挿通されるとともにフック33d1,32e1に掛けられる。そして、電源コードの先端のプラグ端子が差込孔32f1に差し込まれる。これにより、冷蔵庫100の運搬時(後板14が下向きで寝かせた状態で運搬する際)に、電源コードが冷蔵庫100の背面において垂れ下がるのを防止する。また、冷蔵庫100を壁際に設置する際に、電源コードが壁と後板14とで挟まれて、電源コードが傷付いたり、壁を損傷させるのを防止できる。
【0039】
また、プラグ差込部32fは、起立面14bよりも側方に位置する。ここにプラグ差込部32fを配置することで、プラグ端子の差し込み代を確保することができる。また、差込孔32f1を前後方向に貫通させて、プラグ端子を前後方向に抜き挿しするようにした。ところで、プラグは、プラグを抜き挿しする方向には強度が高いので、プラグが後方から押された場合、プラグが横方向から押された場合よりも強度を高くできる。
【0040】
図4は、取っ手の裏側を示す斜視図である。
図4に示すように、取っ手30は、さらに、位置決め部36、延出部37およびリブ38を備えて構成されている。
【0041】
位置決め部36は、後記する真空断熱材50を位置決めするもの(または位置決め用の目印とするもの)であり、底板部35(図2参照)の下面に下方に向けて突出して形成されている。また、位置決め部36は、幅方向(左右方向)に細長く形成されている。また、位置決め部36は、ベース部31よりも幅方向(左右方向)の長さが若干短くなるように形成されている。また、位置決め部36の内部は中空形状であり、複数枚(本実施形態では3枚)の仕切板36aによって4つの凹部36bに仕切られている。それぞれの凹部36bは、前側(内箱20側)が開放するように形成されている。
【0042】
延出部37は、コ字状に形成され、ベース部31の裏面から突出して形成されている。この延出部37は、切欠孔14m(図2参照)と前後方向において重なる領域内に配置されている。また、延出部37は、上下方向に延び、かつ、ベース部31に平行に延びる平面部37aを有している。また、延出部37は、平面部37aの上下両端からベース部31に向けて延びる脚部37b,37bを有している。また、各脚部37bには、一対の補強リブ37c,37cが形成されている。これにより、延出部37とベース部31との間に、発泡ウレタン60(図8参照)が充填される際の通り道となって、発泡ウレタン60が充填される空間となっている。
【0043】
なお、本実施形態では、上下方向に延びる延出部37を例に挙げて説明したが、左右方向に延びる延出部としてもよい。また、延出部37をコ字状に形成して、上下両端をベース部31に固定した場合を例に挙げて説明したが、延出部37をL字状に形成して、上下の片側のみをベース部31に固定する構成であってもよい。また、平面部37aを設けて、空間が略四角形状になる構成を例に挙げて説明したが、平面部37aを設けずに、空間が略三角形状になる構成としてもよい。また、延出部を上下方向および左右方向に延びるようにして十字状に形成する構成であってもよい。
【0044】
リブ38は、ベース部31の裏面に形成され、注入口31aの上方において幅方向に延びて突条に形成されている。また、リブ38は、取っ手30を切欠孔14mに取り付けたときに、上端縁14m1(図2参照)に当接するようになっている。これにより、取っ手30が切欠孔14m(図2参照)内で回転するのを防止している。
【0045】
また、取っ手30は、ベース部31の上端に、上板11(図1参照)の上面縁部に重なる延出部材39が形成されている。この延出部材39は、上板11(図1参照)の一方の端部(右端)から注入口31aの中央までの幅を有して構成されている。
【0046】
ねじボス32b,32c,32dの裏面32b1,32c1,32d1は、すべてベース部31の裏面と同一平面となるように構成されている。また、ねじボス32b,32c,32dの裏面32b1,32c1,32d1は、後板14(図2参照)の平坦な外周縁部14s(図2参照)に当接するようになっている。
【0047】
台部33の裏面は、傾斜面14e(図2参照)に沿って形成される傾斜面33eを有している。この傾斜面33eは、リブ38の位置からねじボス33cの位置まで所定の幅で延びている。また、傾斜面33eは、ベース部31に対して傾斜している。また、ベース部31と傾斜面33eとの間には、前後方向に起立する壁部33gが形成されている。
【0048】
台部32とベース部31との間には、前記した傾斜面33eと同様な傾斜を有する傾斜面32hが形成されている。この傾斜面32hは、リブ38の位置から前面部35aの下端まで形成されている。
【0049】
プラグ差込部32fの裏面には、補強用リブ32gが形成されている。この補強用リブ32gは、プラグ差込部32fの外側面32f2よりも前後方向の長さが短く形成されている。この補強用リブ32gの先端(前端)は、絞り部14a(図2参照)の外面に当接する。
【0050】
図5は、取っ手を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
図5(a)に示すように、位置決め部36の下端面36s(下端)は、ねじ固定で使用されるねじボス32b,33b,33cのいずれよりも下方に位置している。すなわち、最下端のねじボス33cと位置決め部36との位置関係は、最下端に位置するねじボス33cの高さ位置をL1とし、位置決め部36の下端面36sの高さ位置をL2とすると、L2がL1よりも低くなるように(下方に位置するように)設定されている。これにより、仮にねじボス33cが下方にずれて後板14(図2参照)に固定されたとしても、同時に位置決め部36も下方にずれるようになっている。
【0051】
図5(b)に示すように、位置決め部36は、底板部35の下面から下方に突出するとともに傾斜面33eよりも下方に突出して形成されている。また、位置決め部36は、側面視において略台形状(または略三角形状)に形成され、後側に傾斜面33eから離れる方向(前方)に延びる面部36cが形成されている。これにより、傾斜面33eと位置決め部36の面部36cとの間には隙間S1が形成されている。この隙間S1は、側面視において略逆V字状に形成されている。
【0052】
延出部37は、ベース部31の裏面(前側の面)から前方に突出して形成されている。これにより、発泡ウレタン60(図8参照)が延出部37とベース部31とで囲まれる空間に流れ込み易くなっている。
【0053】
回転防止用のリブ38は、傾斜面33eの上端において前方に突出して形成されている。また、リブ38は、前方への突出高さが延出部37よりも低く形成されている。このリブ38を形成することで、ベース部31が補強されている。
【0054】
凹部33dに形成されるフック33d1は、上向きに突出して形成されるとともに、台部33の後端33aから後方に突出しないように構成されている。これにより、冷蔵庫100の設置時に、フック33d1が設置場所の壁面に衝突することがない。
【0055】
図5(c)に示すように、凹部32eに形成されるフック32e1は、上向きに突出して形成されるとともに、台部32の後端(面部32a)から後方に突出しないように構成されている。これにより、冷蔵庫100の設置時に、フック32e1が設置場所の壁面に衝突することがない。
【0056】
プラグ差込部32fの外側面32f2は、台部32の外側面32a1と連続した面で形成されている。また、外側面32f2は、フック32e1の上向きの部分および面部32aよりも前側に位置している(低く形成されている)。
【0057】
図6は、取っ手を後板にねじ固定した状態を示す平面図である。なお、図6は、発泡ウレタン60(図8参照)が充填される前の状態である。
図6に示すように、取っ手30は、後板14の絞り部14aの上端に固定される。換言すると、取っ手30は、傾斜面14eと外周縁部14sに固定される。すなわち、ねじ40は、ねじボス32bに挿通され、後板14の外周縁部14sを貫通して上板11に螺着される。ねじ41は、ねじボス33bに挿通され、後板14の外周縁部14sに螺着される。ねじ42は、ねじボス33cに挿通され、後板14の傾斜面14eに螺着される。
【0058】
ハンドル部34は、傾斜面14eより上側の平坦な外周縁部14sと前後方向(図示紙面に垂直な方向)に重なる位置に配置されている。
【0059】
また、プラグ差込部32fは、正面視において、絞り部14aの起立面14bと側板12との間に位置している。
【0060】
図7は、図6のVII−VII線断面図である。なお、図7では、庫内の各種部材の図示を省略している。また、外箱10と内箱20との間に充填される断熱材としての発泡ウレタン60を、ドットで図示している。
【0061】
発泡ウレタン60は、取っ手30を後板14に固定して、注入口31aを上向きの状態で注入される。なお、注入口31aは、発泡液が側板12,13と内箱20とで構成される各空間の前端まで落とすことができる位置に形成されている。発泡ウレタン60を注入、硬化後に注入口31aが閉じられる。
【0062】
図7に示すように、後板14と内箱20(内板)との間には、断熱性を高めるための真空断熱材50が設けられる。この真空断熱材50は、四角板状に形成されたものであり、後板14の内壁面に接するように取り付けられる。また、真空断熱材50は、後板14の起立面14b,14cの近傍まで配置されている。
【0063】
真空断熱材50は、芯材を成す無機繊維集合体であるグラスウール層、吸着剤などを内袋材(図示せず)で内包し、アルミ箔などのガスバリヤ性を有する外被材で真空包装されたものである。
【0064】
内袋材(図示せず)は、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルムなどが使用される。つまり、内袋材は、吸湿性が低く熱溶着でき、アウトガス(ガス漏洩)が少ないものが用いられる。
【0065】
吸着剤には、細孔で水分やガス分子を捕捉する物理吸着タイプの合成ゼオライトなどが用いられる。なお、吸着剤は合成ゼオライトでなくとも、水分やガスを吸着するものであればよく、シリカゲルや酸化カルシウム、塩化カルシウム、酸化ストロンチウムなどの化学反応で水分やガスを吸着する化学反応型吸着剤を用いることもできる。
【0066】
外被材については、表面層として吸湿性が低いポリプロピレンフィルムを設け、防湿層としてポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミ蒸着層を設けたものが用いられる。そして、ガスバリヤ層は、エチレンビニルアルコール共重合体フィルムにアルミ蒸着層を設けて、防湿層のアルミ蒸着層と向かい合わせるように貼り合せている。
【0067】
本実施形態では、パネル状(平板状)の真空断熱材50を後板14の内壁面に貼り付けて、後板14と内箱20(内板)との間に形成される空間に硬質ウレタンフォームなどの発泡ウレタン60(発泡断熱材)が充填される。
【0068】
また、同様にして、真空断熱材51を側板12,13の内壁面に貼り付けて、側板12,13と内箱20(内板)との間に形成される空間に発泡ウレタン(発泡断熱材)が充填される。また、同様にして、真空断熱材52を断熱扉2の外板の内壁面に取り付けて、外板と内板との間に形成される空間に発泡ウレタン(発泡断熱材)が充填される。
【0069】
図8(a)は図6のVIII−VIII線断面図、(b)は分解断面図である。
図8(a)に示すように、取っ手30の位置決め部36は切欠孔14mに挿入される。また、取っ手30は、底板部35から延びる前面部35aの裏面が切欠孔14mの下端縁14m2より下側の傾斜面14eに面接触している。また、取っ手30は、ベース部31の裏面の上端が、切欠孔14mの上端縁14m1より上側の外周縁部14sに面接触している。なお、取っ手30の傾斜面33e(図4参照)は、切欠孔14mの左端縁14m3(図2参照)より左側の傾斜面14eに面接触している。また、取っ手30の傾斜面32h(図4参照)は、切欠孔14mの右端縁14m4(図2参照)より右側の傾斜面14eに面接触している。このように取っ手30が切欠孔14mの周縁部全体に面接触することで、取っ手30が後板14に安定して取り付けられる。
【0070】
このように取っ手30が切欠孔14mを介して後板14に取り付けられることにより、位置決め部36と前面部35aの裏面との間に断面視逆V字状の隙間S1が形成される。この隙間S1によって、取っ手30が切欠孔14mの下端縁14m2に係止される。
【0071】
また、後板14と内箱20(図7参照)との間に発泡ウレタン60が充填されると、隙間S1にも発泡ウレタン60が充填される。このような狭い空間である隙間S1に発泡ウレタン60が密に充填されるので、高密度ウレタンになって、取っ手30の取付強度を向上することができる。なお、この隙間S1は、冷蔵庫100の運搬時に、ハンドル部34に作用する応力の支点となる。よって、隙間S1の強度が向上することで、取っ手30の後板14に対する取付強度を向上できる。
【0072】
また、取っ手30が後板14に取り付けられることで、位置決め部36と真空断熱材50との間にも隙間S2が形成される。この隙間S2に発泡ウレタン60が充填されることで、発泡ウレタン60が密に充填されるので、高密度ウレタンとなり、取っ手30の取付強度を向上することができる。
【0073】
また、取っ手30が後板14に取り付けられることで、リブ38が切欠孔14mに挿入されるとともに上端縁14m1に当接する。
【0074】
また、取っ手30が後板14に取り付けられることで、取っ手30の一部が切欠孔14m内に挿入された状態になる。すなわち、切欠孔14m内には、位置決め部36とともに、ベース部31の一部、底板部35の一部および延出部37の全体が挿入される。これにより、取っ手30が後板14から後方に突出するのが抑えられ、製品としての外形寸法の拡大および設置スペースの拡大が抑制される。
【0075】
図8(b)に示すように、位置決め部36が隙間S1よりも下方に位置しているので、取っ手30を後板14に取り付ける場合には、先に位置決め部36を切欠孔14m内に挿入して、隙間S1を下端縁14m2に係止させる。これにより、隙間S1が切欠孔14mに引っ掛かるので、取っ手30が切欠孔14mから抜け出にくくなる。
【0076】
上板11のフランジ部11cには、前方に突出するようにU字状に形成された曲げ部11dが形成されている。この曲げ部11dは、後板14側に向けて開放する形状を有している。このU字状の曲げ部11dに後板14のフランジ部14t1が差し込まれる。曲げ部11dの周囲に発泡ウレタン60(図8(a)参照)が充填されることで、発泡圧によって曲げ部11dが閉じられて、フランジ部14t1が曲げ部11dによって挟持される。
【0077】
このように、図8(a)に示すように、隙間S1に発泡ウレタン60が充填されることで、冷蔵庫100を立てた状態から寝かす際、隙間S1を支点として矢印R1方向の力(モーメント)が作用する。また、隙間S1に発泡ウレタン60が充填されることで、冷蔵庫100(後板14を下向きにした状態)を寝かせた状態で運搬する際、隙間S1を支点として矢印R2方向の力(モーメント)が作用する。本実施形態では、隙間S1が高密度ウレタンによって支点の強度が向上しているので、取っ手30におけるR1方向およびR2方向の力に対する強度を向上できる。また、隙間S2にも発泡ウレタン60が充填されることで、隙間S2の強度も向上するので、R1方向およびR2方向の力に対する強度をさらに向上できる。
【0078】
図9は、図7のIX部拡大図である。なお、図9では、後板14と側板12のみを図示している。
図9に示すように、後板14は、外周縁部14sの先端において前方に折り曲げられるフランジ部14t2が形成されている。一方、側板12のフランジ部12aには、前記上板11と同様に、U字状の曲げ部12bが形成されている。この曲げ部12bは、後板14側に向けて開放する形状を有し、起立面14bに沿って形成されている。曲げ部12bの周囲に発泡ウレタン60が充填されることで、発泡圧によって曲げ部12bが閉じられて、フランジ部14t2が曲げ部12bによって挟持される。なお、後板14と側板13との関係についても同様である。
【0079】
図10は、取っ手を後板に配置した状態を示す平面図である。
図10に示すように、リブ38は、切欠孔14mの上端縁14m1に沿って当接している。これにより、取っ手30を後板14にねじ固定する場合や運搬時など、取っ手30を矢印R10方向に回転させる力が作用したとしても、その回転を防止することができる。
【0080】
また、発泡ウレタン60(図8参照)が位置決め部36の各凹部36bに充填されることで、取っ手30にロープなどをかけて冷蔵庫100を吊り上げて運搬する際の強度を向上できる。また、凹部36bに充填される発泡ウレタン60(図8参照)も高密度になるので、後板14に対する取っ手30の取付強度を向上できる。
【0081】
以上説明したように、本実施形態の冷蔵庫100では、絞り部14aが後板14の左右両側に沿って当該後板14の上端まで突出して形成されている。取っ手30は、絞り部14aの上端に形成された切欠孔14mを介して固定されている。これによれば、後板14の上端まで絞り部14aを形成できるので、後板14の強度を向上させることができる。また、切欠孔14mを介して取っ手30を取り付けることができるので、取っ手30が後方へ出っ張るのを抑えることが可能になり、製品寸法の拡大を抑制して、冷蔵庫100の設置スペースの拡大を抑制できる。なお、本実施形態の取っ手30では、切欠部の一例として、周りが囲まれた孔の形状である切欠孔14mを挙げて説明をしているが、上方が繋がっておらず開口した形状であっても良い。
【0082】
ところで、従来技術ように、後板の上端に、取っ手を取り付けるための平面部を形成したものでは、平面部の下方の絞り部より下側から真空断熱材を配置する必要があるため、真空断熱材の設置面積を拡大することが困難であった。そこで、本実施形態では、後板14の上端まで絞り部14aを形成し、上端の絞り部14aと重なるように取っ手30を配置した。よって、傾斜面14eの下端縁14m2の近傍まで真空断熱材50を配置できるので、真空断熱材50の設置面積を拡大でき、断熱効率を高めることが可能になる。
【0083】
また、本実施形態では、後板14の内壁面に設けられる真空断熱材50を備える。取っ手30は、真空断熱材50を位置決めする位置決め部36と、当該取っ手30を後板14にねじ固定するねじボス32b,33b,33c(ねじ固定部)を備える。位置決め部36は、ねじボス32b,33b,33cよりも下方に位置する(図5(a)参照)。これによれば、仮にねじボス33cの位置が下方にずれた状態で後板14に固定されたとしても、ねじボス33cの下方への位置ずれとともに位置決め部36も下方へずれるので、ねじによって真空断熱材50が損傷するといった不都合を防止することができる。
【0084】
また、本実施形態では、位置決め部36と後板14との間に隙間S1が形成され、隙間S1に発泡ウレタン60が充填される。これによれば、狭い空間である隙間S1に発泡ウレタンが充填されることで、ウレタン密度が高くなるので、隙間S1の領域の強度を向上できる。よって、冷蔵庫100を立てた状態から寝かした状態にする際に取っ手30に作用する力、冷蔵庫100を寝かした状態で運搬する際に取っ手30に作用する力に対する強度を向上できる。
【0085】
また、本実施形態では、取っ手30が、後板14および上板11(脇板)と共締めされている(図2参照)。これによれば、取っ手30の取付強度を向上できる。
【0086】
また、本実施形態では、取っ手30は、該取っ手30の発泡ウレタン60が充填される側の面に、当該発泡ウレタン60が回り込んで充填される延出部37が形成されている(図8参照)。これによれば、取っ手30を後板14から引き剥がす方向に対する強度を向上できる。また、冷蔵庫100を吊り上げて運搬する際に、取っ手30に作用する力に対しても強度を向上できる。
【0087】
また、本実施形態では、取っ手30が、切欠孔14mの上端縁14m1に当接するリブ38が形成されている。これによれば、取っ手30が後板14の切欠孔14m内で回転するのを防止することができる。
【0088】
さらに、本実施形態では、後板14の傾斜面14eの左右両側に切欠孔14mが形成されており、この切欠孔14mに取っ手30の一部を挿入することで、取っ手30は、傾斜面14eよりも前面側に位置する嵌挿領域と、傾斜面14eよりも後面側に位置する露出領域と、に分かれる。そして、露出領域の上端は、後板14の面に対して前方に広いスペースを有しているので、手を挿入するための空間を隔てて、左右方向へ延びるハンドル部34を形成することが可能となっている。このため、後板14の上端に平面を形成しなくても、取っ手30を取り付けることができるだけでなく、ハンドル部34を後板14の平坦面14dよりも前方の位置に収納させたり、平坦面14dからの出張り量を抑制したりすることができる。
【0089】
なお、本実施形態では、位置決め部36として、取っ手30の底板部35の下面から下方に突出する壁部(下端面36s)を形成した例について説明したが、これに限らない。例えば、取っ手30を切欠孔14mの縁にねじ固定する締結部の位置を高くし、取っ手30の底板部35自体で真空断熱材50の位置を規制するようにしても良い。つまり、嵌挿領域のうち最下端部を、締結部の最下端部よりも低くし、かつ、真空断熱材50に面するように位置させれば、真空断熱材50の破損を防止する効果は達成できる。
【0090】
以上、本実施形態について図面を参照しながら説明したが、本実施形態は前記の内容に何ら限定されるものではない。したがって、本発明には、様々な変形例が含まれる。すなわち、前記の実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0091】
1 断熱箱体
10 外箱
11 上板(脇板)
12,13 側板(脇板)
14 後板
14a 絞り部
14b,14c 起立面(絞り部)
14d 平坦面
14e 傾斜面(絞り部)
14f,14g,14h 位置決め凹部
14m 切欠孔(切欠部)
14m1 上端縁
14m2 下端縁
14s 外周縁部
20 内箱
30 取っ手
31a 注入口
32,33 台部
32f プラグ差込部
32b,33b,33c ねじボス(ねじ固定部)
34 ハンドル部
36 位置決め部
36a 仕切板
36b 凹部
36s 下端面(位置決め部の下端)
37 延出部
38 リブ
40,41,42 ねじ
50 真空断熱材
60 発泡ウレタン
100 冷蔵庫
S1 隙間(位置決め部と後板との間の隙間)
S2 隙間(位置決め部と真空断熱材との間の隙間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10