(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態の空気調和装置の正面の側から見た斜視図である。
【
図2】本実施の形態の空気調和装置の背面の側から見た斜視図である。
【
図3】本実施の形態に係る第1送風部のケーシング及び支持板を示す斜視図である。
【
図4】本実施の形態に係る空気調和装置を示す分解斜視図である。
【
図5】本実施の形態に係る第1送風部のケーシング及び支持板、気流案内部材を示す平面図である。
【
図6】本実施の形態に係る第1送風部のケーシング及び気流案内部材の分解斜視図である。
【
図7】本実施の形態に係る第1送風部のケーシング及びこれに取り付けられた気流案内部材を示す斜視図である。
【
図8】本実施の形態に係る第1送風部のケーシング及びこれに取り付けられた気流案内部材を示す平面図である。
【
図9】本実施の形態に係る気流案内部材を示す斜視図である。
【
図10】本実施の形態に係る空気調和ユニットを示す部分断面図である。
【
図11】本実施の形態に係る空気調和ユニットの一部を切り欠いて示す図である。
【
図12】本実施の形態に係る櫛形部材を示す斜視図である。
【
図13】本実施の形態に係る送風ユニットを底面側から見た斜視図である。
【
図14】本実施の形態に係る除湿機の除湿ロータの加熱を制御する動作の一例を示すフローチャートである。
【
図15】本実施の形態に係る除湿機の除湿ロータの加熱を制御する動作の他の一例を示すフローチャートである。
【
図16】本実施の形態に係る除湿機の除湿ロータの加熱を制御する動作のさらに他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施の形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号が付されている。
【0012】
また、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲の記載に基づいて、種々の変更を加えることができる。
【0013】
図1及び
図2を参照すると、本実施の形態に係る空気調和装置が全体に符号10で示されている。本形態の空気調和装置10は、室内の空気を調整するための空気調和ユニット12と、空気調和ユニット12で調整された空気(調整空気)を室内に送り出すための送風ユニット14とを備える。
【0014】
図4に示すように、空気調和ユニット12は、空気の温度及び湿度及び清浄度の少なくとも1つを調整する空気調整部22と、空気調整部にて調整された調整空気を第1吸引口44から吸入し第1吹出口50から放出させるための第1送風部23とを、有している。空気調和ユニット12は、箱形のハウジング20の内部に、空気調整部22と第1送風部23が収容されている。
【0015】
図1及び
図2に示すように、送風ユニット14は、空気調和ユニットにて調整された調整空気を吸引して吹き出す第2送風部24と、第2送風部を保持する保持枠26とを備えている。
【0016】
第2送風部24はハウジング28と、該ハウジング28の内部に収容された、駆動回転される送風ファン29(
図2参照)とを備える。送風ファン29は、例えば、プロペラファンとし、あるいは、シロッコファンやクロスフローファンを用いても良い(図示省略)。ハウジング28は、側壁部にて送風ファン29のラジアル外方を取り囲んでいる。即ち、ハウジング28の側壁部によって風洞部が形成されて、送風ファン29が発生させる空気流の直進性を向上するメリットがある。第2送風部24は、空気調和ユニット12から放出された調整空気をハウジング28の内部に吸引する第2吸引口28aと、ハウジング28内に吸引された調整空気をハウジング28の外部である室内に吹き出す第2吹出口28bとを有する。第2吹出口28bには、渦巻きパネル31が設けられている。渦巻きパネル31は、送風ファン29によって発生した空気流をスパイラル気流とし、このスパイラル気流は、螺旋状に渦を巻きながら直進し、空気調和ユニット12から放出された調整空気をより遠方に到達させることができる利点がある。第2送風部24は、さらに、保持枠26に水平軸線Lh(
図1参照)廻りに回転可能に保持(枢支)されている。即ち、第2送風部24は、上下方向に首振り可能に構成されている。
【0017】
送風ユニット14は、空気調和ユニット12に対し鉛直軸線Lv(
図1及び
図2参照)廻りに回転可能に支持されている。即ち、送風ユニット14は、左右方向に首振り自在に構成されている。
【0018】
空気調和ユニット12と送風ユニット14とは、首振りの基準姿勢(送風ユニット14が正面を向いた
図1及び
図2に示す状態にあり、かつ、第2吹出口28bが真上を向いた状態にある静止姿勢)となった際、空気調和ユニット12の上に送風ユニット14を載置したような連続性を有する一体の箱型となるように形成されている。前記基準姿勢では、空気調和ユニット12と送風ユニット14との隙間が狭く、しかも、空気調和ユニット12と送風ユニット14の間に段差がなくフラットとなり、空気調和ユニット12に埃やゴミが侵入しにくい。
【0019】
空気調和ユニット12は、ハウジング20の背面20bに空気取入口30を有し、かつ、内部の空気調和ユニット12で調整された空気をハウジング20の外部に送り出すための空気送出口32(
図10参照)が上面(頂面)20cに開口状に設けられている。
【0020】
図1及び
図13に示すように、送風ユニット14は、保持枠26の底壁部に、上下方向に連通する通気口27が形成されている。通気口27は、底壁部のほぼ全面にわたって形成された多数の窓部(隙間)である。送風ユニット14が左右方向どの向きに首を振っても、底壁部の多数の通気口27が空気調和ユニット12の空気送出口32に対応するように、通気口27が空気調和ユニット12の空気送出口32よりも広い範囲に形成されている。送風ユニット14の保持枠26は、左右両側に側壁部26a、26bを備え、後ろ側に後壁部26cを備えている。そのため、保持枠26が左右の側壁部26a、26bと後壁部26cで平面視コ字状となり、調整空気を逃がさず全量送風することができるため、十分な除湿性能を確保することが可能である。また、底壁部に形成された通気口27から調整空気が取り込まれるだけでなく、後壁部26cに形成された通気口33から外気が取り込まれるため、第2送風部24への供給風量を十分に確保することが可能である。また、第2送風部24の略円弧状の底面に、ほぼ全面にわたって吸引口が形成されている。第2送風部24が上下方向のどの向きに首を振っても、略円弧状の底面と底壁部の通気口27とが一定の距離を保つ。
【0021】
図1及び
図10に示すように、本形態の空気調和装置10は、空気調和ユニット12から放出される調整空気を第2送風部24の第2吸引口28aに導く誘導風路45が設けられている。
【0022】
誘導風路45は、空気調和ユニット12の空気送出口32の下流側に設けられ、後述する支持板16の開口部18を流入側(入口)とし、送風ユニット14の保持枠26の底壁部に形成された通気口27、及び、保持枠26の左右の側壁部26a、26bと後壁部26cで囲まれた空間によって形成されている。送風ユニット14の保持枠26を空気調和ユニット12の空気送出口32に被せるように設け、保持枠26の下部が空気調和ユニット12の上部に近接するように配設している。このように構成することにより、本形態の空気調和装置10は、空気調和ユニット12から放出される調整空気を、誘導風路45を介して、第2送風部24の第2吸引口28aに導くことが可能となっている。
【0023】
図13に示すように、送風ユニット14は、駆動源としてステッピングモータ35を備える。ステッピングモータ35は、パルス電力に同期して動作する同期電動機である。ステッピングモータ35を使用すれば、送風左右方向の精確な制御が容易になるだけでなく、部品点数の減少(すなわち、従来必要であったリンク機構が不要になる)という効果や、回転機構のコンパクト化という効果がある。送風ユニット14に設けた制御部(図示せず)は、ステッピングモータ35の回転角度を電気的に設定自在とし、言い換えれば、制御部は、送風ユニット14の左右首振りの角度を、ユーザー(使用者)の操作による設定入力に応じて、変更できるように構成されている。具体的には、
図13に示すように、底壁部24Aの通気口27の後方に固定板37が配置されている。固定板37には、ステッピングモータ35、左右首振りの軸39、原点検出手段41が固定されている。左右首振りの軸39は、左右首振りの回転軸である。原点検出手段41は、IR(赤外線)センサ(例えば、フォトトランジスタ等)から成る。なお、原点検出手段41は、磁石と磁気センサー等で構成されていても良い。図に示すように、送風ユニット14は、左右首振りの軸39と、左右首振りの軸39の周囲に設けられ、左右首振りをガイドする首振りガイド部43a、43b、43cとを備える。さらに、左右首振りの軸39の周囲には、送風ユニット14を支える脚部47a、47b、47c、47dを備えている。このような構成によれば、首振りガイド部に沿って左右首振りがガイドされるため、左右首振り時のガタつきを防止することができる。
【0024】
図1及び
図2に示すように、送風ユニット14と空気調和ユニット12の間には、支持板16が介装されている。
図3に示すように、支持板16には、送風ユニット14の回転中心となる鉛直軸線Lvと同軸状に固定歯車49が配置され、鉛直軸線Lvの前方には、空気調和ユニット12の空気送出口32に対応する開口部18が形成され、かつ、固定歯車49の後方を囲うように回転軸心を中心として円弧状のガイドスリット21が形成されている。
図13に示すように、送風ユニット14から首振りガイド部43a、43b、43cが下方に向けて形成されて、その内の1個の首振りガイド部43aの先端はフック状に形成され、開口部18の湾曲縁18aに形成された溝に引っ掛かるようになっている。また、他の首振りガイド部43b、43cの先端には座金が設けられ、ガイドスリット21から抜けないようになっている。また、首振りガイド部43a、43b、43cは、左右首振りの最大角度に応じた一定範囲だけを旋回する構造になっているため、左右首振りの角度規制にもなっている。
【0025】
図3及び
図5に示すように、開口部18の前方に沿って円弧状のガイドレール16aが設けられている。また、
図13に示すように、送風ユニット14から下方に向けて設けられた脚部47a、47b、47c、47dの先端にローラー(図示せず)が取り付けられ、この複数の脚部47a、47b、47c、47dの内の一部の脚部47c、47dのローラーがガイドレール16aに接地して、左右首振り動作時にローラーがガイドレール16a上を走行する。また、固定歯車49の中央部には孔49aが形成され、この孔49aに送風ユニット14側の左右首振りの軸39が取り付けられる。さらに、支持板16の上面には、原点検出手段(IRセンサ)41を遮光する凸条の遮光板57が形成されている。遮光板57によって遮光された時、原点検出手段(IRセンサ)41が左右首振りの原点を検出するようになっている。本発明に於て、左右首振りの原点とは、送風ユニット14が正面を向いた基準姿勢を示すものとする。
【0026】
上述したように、本形態の空気調和装置10に於て、誘導風路45の流入側開口部(符号18)は、空気調和ユニット12の空気送出口32(第1送風部23の第1吹出口50)の下流側に設けられている。
【0027】
図6及び
図7に示すように、本形態の空気調和装置10は、流入側開口部18の形状に対応して空気を案内する気流案内部材52が、第1吹出口50に設けられている。気流案内部材52は、第1送風部23のケーシング40と共同して第1吹出口50を形成している。第1吹出口50は、誘導風路45の流入側開口部18に向けて(指向して)解放しており、図例では、第1吹出口50が、流入側開口部18の形状に対応して弓形に形成されている。なお、前記弓形は、その湾曲して伸びる後記縁辺部56の両端間の中央において2つに仕切られてなる2つの扇形からなるものとしても良く、あるいは、縁辺部56の両端間に併設された形状の異なる複数の矩形からなるものとしても良い。
【0028】
図示の第1送風部23のケーシング40は、互いに相対する左右一対の側板50a、50b、及び、左右両側板50a、50bに連なる一の側板50cを有し、この3つの側板50a、50b、50cがコ字形を成すよう形成されている。気流案内部材52は、ケーシングの一対の側板50a、50b間に嵌着される左右一対の側板52a、52bと、左右両側板52a、52bに連なる一の側板52cからなる3つの側板と、3つの側板52a、52b、52cに連なる天板52dとを有する。ケーシングの側板50a、50bにはそれぞれ互いに相対する2つの矩形の係止凹部51が設けられ、また、気流案内部材52の両側板52a、52bにはそれぞれ互いに相対する弾性変形可能の2つの係止突起53が設けられている。係止凹部51に対する係止突起53の係合により、気流案内部材52がケーシング40に嵌着されている。気流案内部材52は、支持部材16の円弧状ガイドレール16aの内縁に対応して円弧状(弓形)の辺縁部56を有する。
【0029】
気流案内部材52は、段差のない案内面によって空気を案内するように形成されている。
図9に示すように、気流案内部材52は、気流の下流側に円弧状(弓形)の辺縁部56を設け、かつ、気流の上流側に直線状の辺縁部52eを有している。この円弧状の辺縁部56と直線状の辺縁部52eの間は、滑らかに湾曲する案内面68によって連設されている。また、気流案内部材52の一方の側板52aは、下端部がケーシング40の段差61に当接し、かつ、後述の突出部の角部58aに連設された凹状に湾曲する傾斜面部58を有している(
図10参照)。気流案内部材52は、ケーシングとの合わせ部での段差の形成を最小限に抑えるよう構成されており、気流をスムーズに流通可能とし、気流が段差に当ることによる騒音の発生を防止している。
【0030】
図10に示すように、第1送風部23は、多翼遠心ファン38と、多翼遠心ファン38を回転可能に支持するケーシング40を備え、多翼遠心ファン38を図示省略のモーターにて回転させることで、多翼遠心ファン38とケーシング40が共同して気流を発生させるよう構成されている。
【0031】
気流案内部材52は、多翼遠心ファン38の回転方向の下流側に位置する案内面の少なくとも一部に、多翼遠心ファンの外周縁に接する接線L1に重なる傾斜面部58が形成されている。
図10に示すように、傾斜面部58が接線L1に重なっていることから、多翼遠心ファン38によりその回転方向における前方(矢印63で示す)へ接線L1に沿って送り出される空気が傾斜面部58とほぼ平行状に沿って流れる。この構成により、流体のエネルギ損失又は圧力損失が低減される。また、このことから、第1吹出口50から吹き出される空気の流れを乱れの少ないより滑らかなものとすることができる。
【0032】
図9及び
図10に示すように、気流案内部材52は、傾斜面部58の下方位置に突出部70を有し、突出部70の側面にて多翼遠心ファンからの気流を受けるように構成されている。突出部70は、傾斜面部58の下方位置においてケーシング40の一方の側板50aから突出する突出部分72の先端面に接している。これによれば、突出部70の側面が、多翼遠心ファン38から送り出される気流を受ける風受面部65となり、この風受面部65に気流送り方向に沿った隙間が存しないようにすることができ、これにより、気流送り方向に沿った隙間が存する場合における前記隙間を通しての前記除湿空気の漏出及びこれに伴う圧力損失の発生、騒音の発生等を防止することができる。言い換えると、ケーシング40の突出部分72と、突出部70との接する合わせ目67には、ほぼ隙間が無い状態か、隙間があっても気流送り方向に直交状に形成されることとなり、圧力損失を最小限に抑えることができるのである。
【0033】
図6及び
図10に示すように、第1吹出口50に於て、気流案内部材52の突出部70の側面に間隔をおいて対向状に設けられる整流片部62を備えている。整流片部62は、第1吹出口50の両側板50a、50b間において任意の位置に配置することができ、図示の例において、整流片部62は、一方の側板50aから、側板50a、50bの間の距離の約2/3を隔てた、他方の側板50b寄りの位置に設けられている。整流片部62は、多翼遠心ファン38の(接線L1とは異なる)接線L2にほぼ重なるように配設されている。好ましくは、整流片部62は、緩やかに湾曲している。
【0034】
第1吹出口50に於て、多翼遠心ファン38の回転により発生する気流は、回転方向の下流側の突出部70の側面(風受面部65)に向けて吹きつけられる傾向にあり、第1吹出口50に於ける図中左側の空間と、右側の空間には、圧力差が生じる。整流片部62は、第1吹出口50に於ける右側の空間を流れる気流を、多翼遠心ファン38の接線L2に平行な方向(図中矢印69に示す方向)へ案内して、圧力差の発生を抑制する。即ち、整流片部62は、圧力差に起因して発生する風のバタつき現象(乱気流)を防止して、騒音の発生を防いている。また、流体のエネルギ損失又は圧力損失が低減される。
【0035】
本実施の形態の空気調和装置に於て、空気調和ユニット12は、空気の湿度を調整する機能を有する空気調整部22を有している。即ち、空気調和装置の一形態として、(サーキュレータ付きの)除湿機を例示している。
【0036】
ここで、デシカント方式の除湿機の基本構造を説明すると、例えば、
図4に示すように、除湿ロータ36と、後述する凝縮器(熱交換器)34と、ヒーター42とを備え、多翼遠心ファン38及びケーシング40から構成される第1送風部23を有している。ヒーター42には、温度センサー43が付設されている。温度センサー43は、例えば、バイメタルから成る。除湿機の作用としては、第1送風部23を稼働させて、ハウジング20の空気取入口30を通して室内の空気を吸引し、除湿ロータ36を通過させ、空気中の水分を吸着する。これにより、ハウジング20内で空気が除湿される。除湿ロータ36により吸着された水分はヒーター42による加熱により、水蒸気にされる。
【0037】
図11に示すように、ヒーター42の加熱により生じた水蒸気は凝縮器34を構成する合成樹脂製の多数のパイプ34a内に導入され、ハウジング20内に存する空気により冷却され、凝縮して水となる。この水は、ハウジング20内に配置されたサブタンク46Aを経て、ハウジング20の底部に配置されサブタンク46Aに連通するメインタンク46Bに流れ落ち、該メインタンク内に貯留される。
【0038】
空気調整部22は、並列に配置された多数の合成樹脂製のパイプ34aを有する凝縮器34を備え、凝縮器の多数のパイプ間に差し込まれる多数の互いに平行な歯を有する櫛形部材72が付設されている。櫛形部材72の歯74(
図12参照)は、凝縮器34のパイプ34a相互間にあって、パイプ34aの成形時における変形を矯正し、また、使用時における経時的な変形を防止する働きをなす。これにより、凝縮器34の除湿性能の低下が防止される。
【0039】
また、
図12に示すように、櫛形部材72の各歯74は、先細りの先端部74aを有する。これにより、凝縮器34の多数のパイプ34a間への櫛形部材72の差し込みを容易にすることができる。また、これにより、櫛形部材72の歯74をより奥まで差し込むことができ、櫛形部材72が凝縮器34により確実に保持されるようにすることができる。
【0040】
図11示すように、空気調和ユニット12は、温度と湿度を検出する温湿度センサー48を備えている。空気調和ユニット12は、温湿度センサー48により検出した湿度に基づいてヒーター42による除湿ロータ36の加熱を制御する制御部71(
図4参照)を備えている。
【0041】
具体的には、空気調和ユニット12に於て、
図14に示すように、温湿度センサー48によって温度・湿度を検出し(ステップS1)、次に、温湿度センサー48によって検出された室内の湿度(相対湿度)が、所定の閾値(例えば30%)未満であるかを判別し(ステップS2)、湿度(相対湿度)が所定の閾値未満である場合には、ヒーター42をOFFに切換えて(ステップS3)、除湿ロータ36の加熱を停止するよう制御する。一方、湿度(相対湿度)が所定の閾値以上である場合には、温湿度センサー48による温度・湿度の検出を繰り返す。ヒーター42をOFFに切換えるための所定の閾値は、例えば、20%〜40%の湿度範囲の任意の値に設定する。なお、ヒーター42をOFFに切換えた後、温湿度センサー48によって検出される相対湿度が、上記閾値より高い別の閾値(例えば35%)を超えた際、ヒーター42をONに切換えて除湿ロータ36の加熱を再開(復帰)させるように制御する。この復帰のための閾値は、25%〜45%の湿度範囲で、ヒーター42をOFFに切換えるための閾値より高い任意の値に設定する。また、予め複数段の相対湿度の閾値を設定し、温湿度センサー48によって検出された湿度(相対湿度)が、複数段の内の最も高い閾値未満であるか判別し、その場合には、ヒーター42の出力を低減させ、さらに、その1段階低い中間の閾値未満であるか判別し、その場合には、ヒーター42の出力をさらに低減させ、このヒーター42の出力の低減を複数段で行って、そして、複数段の内の最も低い閾値未満であるか判別し、その場合には、ヒーター42をOFFに切換えるよう制御しても良い。このように、複数段にヒーター42の出力を低減して最後にヒーター42をOFFに切換えるのも好ましい。空気調和ユニット12は、上述したヒーター42の制御により除湿ロータ36の過熱を未然に防止すると共に、除湿ロータ36の過熱に伴う周辺機器(例えば凝縮器34)を構成する合成樹脂製の部品の熱溶融、火災等の発生を防止することができる。
【0042】
また、空気調和ユニット12は、制御部71にて、温湿度センサー48により検出した温度に基づいてヒーター42による除湿ロータ36の加熱を制御する。
【0043】
具体的には、
図15に示すように、温湿度センサー48によって温度・湿度を検出し(ステップS10)、次に、温湿度センサー48によって検出された温度が、所定の閾値(例えば38℃)を超えているかを判別し(ステップS11)、温度が所定の閾値を超えている場合には、ヒーター42をOFFに切換えて(ステップS12)、除湿ロータ36の加熱を停止するよう制御する。一方、温度が所定の閾値以下であれば、温湿度センサー48による温度・湿度の検出を繰り返す。ヒーター42をOFFに切換えるための所定の閾値は、例えば、34℃〜40℃の温度範囲の任意の値に設定する。なお、ヒーター42をOFFに切換えた後、温湿度センサー48によって検出される温度が、上記閾値より低い別の閾値(例えば36℃)以下に下がった際、ヒーター42をONに切換えて除湿ロータ36の加熱を再開(復帰)させるように制御する。この復帰のための閾値は、32℃〜38℃の温度範囲で、ヒーター42をOFFに切換えるための閾値より低い任意の値に設定する。また、温湿度センサー48によって検出された温度に基づいて、複数段にヒーター42の出力を低減して最後にヒーター42をOFFに切換えても良い。
【0044】
空気調和ユニット12は、制御部71にて、温湿度センサー48により検出した絶対湿度に基づいてヒーター42による除湿ロータ36の加熱を制御するも好ましい。
【0045】
具体的には、
図16に示すように、温湿度センサー48によって温度・湿度を検出し(ステップS20)、次に、温湿度センサー48によって検出された絶対湿度が、所定の第1閾値(例えば9.2g/m
3)未満であるかを判別し(ステップS21)、絶対湿度が第1閾値未満である場合には、ヒーター42の出力を低下させ、次に、第2閾値、第3閾値…が設定されていれば、その各閾値と絶対湿度を比較して、当該閾値未満である場合には、ヒーター42の出力を順次低下させて、次に、所定の最終閾値(例えば、3.0g/m
3)未満であるかを判別し(ステップS22)、絶対湿度が最終閾値未満である場合には、ヒーター42をOFFに切換えて(ステップS23)、除湿ロータ36の加熱を停止するよう制御する。なお、ヒーター42をOFFに切換えた後、ヒーター42をONに切換えて除湿ロータ36の加熱を再開(復帰)させるための復帰用閾値が設定される。
【0046】
空気調和ユニット12は、上述した温湿度センサー48によるヒーター42の制御に加え、ヒーター42の外側に取り付けた温度センサー(バイメタル)43(
図4参照)によって、ヒーター42の温度を直接測り、ヒーター42の加熱状態を検知した際には、ヒーター42をOFFに切換える。即ち、空気調和ユニット12は、温湿度センサー48と、ヒーター42に取り付けた温度センサー43によって、ヒーター42の加熱を防止して、2重の安全対策を講じている。
【0047】
なお、空気調和ユニット12は、凝縮器34からサブタンク46A・メインタンク46Bに流れ落ちる水の量を検出する重量センサーを具備し、重量センサーによって検出された水の量に基づいてヒーター42による除湿ロータ36の加熱を制御しても良い。つまり、凝縮器34からサブタンク46A・メインタンク46Bに流れ落ちる水の量が、所定少量未満である場合には、ヒーター42をOFFにする、あるいは、ヒーター42の出力を低減する。
【0048】
[その他の実施の形態]
前記したところでは、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、これに限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0049】
例えば、本実施の形態に係る空気調和装置は、空気調和ユニット12に空気の温度及び湿度及び清浄度の少なくとも1つを調整する空気調整部22を備えていれば良く、例示した除湿機のほかに、加湿器、空気清浄機、暖房機、又は、これらの内の2つ以上を組み合わせた装置としても良い。