(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記磁力選別機は、前記コンベアベルトに駆動力を伝達し前記コンベアベルトを回転させるヘッドプーリであって前記ヘッドプーリの周囲に磁場を形成するマグネット式ヘッドプーリであり、
前記キャリアローラは、前記搬送方向における前記マグネット式ヘッドプーリの上流近傍に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の磁性物回収振動ベルトコンベア。
前記磁力選別機は、前記コンベアベルトの上に吊り下げられ設置された吊下式磁力選別機と、前記コンベアベルトに駆動力を伝達し前記コンベアベルトを回転させるヘッドプーリであって前記ヘッドプーリの周囲に磁場を形成するマグネット式ヘッドプーリと、を含み、
複数の前記キャリアローラが設けられ、複数の前記キャリアローラのうちのいずれか1つは、前記吊下式磁力選別機の直下近傍に設けられ、複数の前記キャリアローラのうちのいずれか1つは、前記搬送方向における前記マグネット式ヘッドプーリの上流近傍に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の磁性物回収振動ベルトコンベア。
前記磁力選別機は、前記搬送方向における前記吊下式磁力選別機の下流側に設けられたマグネットプレートであって吸着した前記磁性物の搬送機能を有していない静止式マグネットプレートをさらに含み、
複数の前記キャリアローラが設けられ、複数の前記キャリアローラのうちのいずれか1つが前記静止式マグネットプレートの直下近傍にさらに設けられたことを特徴とする請求項6または8に記載の磁性物回収振動ベルトコンベア。
前記吊下式磁力選別機の直下近傍に設けられた前記キャリアローラによる前記コンベアベルトの振動周期は、前記静止式マグネットプレートの直下近傍に設けられた前記キャリアローラによる前記コンベアベルトの振動周期とは異なることを特徴とする請求項9に記載の磁性物回収振動ベルトコンベア。
前記キャリアローラは、前記搬送方向における前記吊下式磁力選別機の上流側にさらに設けられたことを特徴とする請求項6、8〜10のいずれか1項に記載の磁性物回収振動ベルトコンベア。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、コンベアベルトに振動を与え、磁性物および非磁性物が混入した原材料の中から磁性物を効率的に除去あるいは回収することができる振動ベルトコンベア用のキャリアローラおよび磁性物回収振動ベルトコンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明によれば、磁性物および非磁性物が混入した原材料に振動を与えつつ前記原材料を搬送する振動ベルトコンベアに用いられる振動ベルトコンベア用のキャリアローラであって、前記振動ベルトコンベアのコンベアベルトを支持するとともに前記コンベアベルトの移動に従って回転可能に設けられ、外形の少なくとも一部が円柱を呈するキャリアローラ本体と、前記円柱の表面から外側に向かって突出し、前記キャリアローラ本体の前記回転に伴い前記コンベアベルトの裏面に対する接触および非接触を繰り返すことにより前記コンベアベルトの搬送方向および幅方向に対して垂直な上下方向に前記コンベアベルトを振動させ
て前記原材料を強制的に飛散させ、前記原材料の内部に生じた空隙により前記原材料の内部から前記磁性物を前記上方向に移動させる3つ以下の振動付与部と、を備えたことを特徴とする振動ベルトコンベア用のキャリアローラにより解決される。
【0009】
本発明に係る振動ベルトコンベア用のキャリアローラによれば、円柱を呈するキャリアローラ本体には、円柱の表面から外側に向かって突出した振動付与部が設けられている。振動付与部は、キャリアローラ本体の回転に伴いコンベアベルトの裏面に対する接触および非接触を繰り返すことによりコンベアベルトの搬送方向および幅方向に対して垂直な上下方向にコンベアベルトを振動させる。これにより、コンベアベルトを介してキャリアローラの直上近傍に位置する原材料は、強制的に飛散する。これにより、コンベアベルトを介してキャリアローラの直上近傍に位置する原材料の内部に、空隙が生ずる。その結果、コンベアベルトにより搬送される原材料の層の厚さや層の重さの影響が緩和され、原材料に混入した磁性物を、原材料の内部から例えば磁力選別機の磁場に容易に移動させることができる。これにより、磁性物および非磁性物が混入した原材料の中から磁性物を効率的に除去あるいは回収することができる。つまり、磁性物の回収率を向上させることができる。
【0010】
本発明に係る振動ベルトコンベア用のキャリアローラにおいて、好ましくは、前記振動付与部は、前記キャリアローラ本体の前記回転の軸に沿って延びており、前記軸に沿った方向において、前記振動付与部の長さは、前記キャリアローラ本体の長さと同じであることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る振動ベルトコンベア用のキャリアローラによれば、振動付与部がキャリアローラ本体の回転の軸に沿って延び、振動付与部の長さがキャリアローラ本体の長さと同じであるため、コンベアベルトの裏面に対する振動付与部の局所的な接触を抑えることができる。すなわち、コンベアベルトの裏面に対する振動付与部の接触の面積を確保することができる。これにより、本発明に係る振動ベルトコンベア用のキャリアローラは、コンベアベルトを確実に支持しつつ、コンベアベルトの裏面に対する振動付与部の接触および非接触に起因するコンベアベルトの摩耗を抑えることができる。
【0012】
本発明に係る振動ベルトコンベア用のキャリアローラにおいて、好ましくは、前記軸に沿ってみたときの前記振動付与部の先端の形状は、曲線であることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る振動ベルトコンベア用のキャリアローラによれば、軸に沿ってみたときの振動付与部の先端の形状が曲線である。すなわち、振動付与部の先端部は、湾曲面を有する。これにより、コンベアベルトの裏面に対する振動付与部の局所的な接触をより一層抑えることができる。すなわち、コンベアベルトの裏面に対する振動付与部の接触の面積をより一層確保することができる。これにより、本発明に係る振動ベルトコンベア用のキャリアローラは、コンベアベルトを確実に支持しつつ、コンベアベルトの裏面に対する振動付与部の接触および非接触に起因するコンベアベルトの摩耗をより一層抑えることができる。
【0014】
本発明に係る振動ベルトコンベア用のキャリアローラにおいて、好ましくは、複数の前記振動付与部が、前記円柱の表面の円周方向に沿って
均等の角度で互いに離れた位置に設けられたことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る振動ベルトコンベア用のキャリアローラによれば、ひとつの振動付与部がキャリアローラ本体の表面に設けられた場合と比較して、キャリアローラによるコンベアベルトの振動周期は短くなる。これにより、ひとつの振動付与部がキャリアローラ本体の表面に設けられた場合と比較して、コンベアベルトを介してキャリアローラの直上近傍に位置する原材料が飛散する頻度を高くすることができる。これにより、磁性物および非磁性物が混入した原材料の中から磁性物をさらに効率的に除去あるいは回収することができる。つまり、磁性物の回収率をさらに向上させることができる。
【0016】
前記課題は、本発明によれば、磁性物および非磁性物が混入した原材料に振動を与えつつ前記原材料を搬送する振動ベルトコンベアと、前記原材料が前記振動ベルトコンベアにより搬送される際に前記原材料に混入した前記磁性物を磁力により吸着し回収する磁力選別機と、を備え、前記振動ベルトコンベアは、前記原材料を表面に載せて搬送する環状のコンベアベルトと、上記のいずれか1項に記載のキャリアローラと、を有することを特徴とする磁性物回収振動ベルトコンベアにより解決される。
【0017】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアによれば、円柱を呈するキャリアローラ本体には、円柱の表面から外側に向かって突出した振動付与部が設けられている。振動付与部は、キャリアローラ本体の回転に伴いコンベアベルトの裏面に対する接触および非接触を繰り返すことによりコンベアベルトの搬送方向および幅方向に対して垂直な上下方向にコンベアベルトを振動させる。これにより、コンベアベルトを介してキャリアローラの直上近傍に位置する原材料は、強制的に飛散する。これにより、コンベアベルトを介してキャリアローラの直上近傍に位置する原材料の内部に、空隙が生ずる。その結果、コンベアベルトにより搬送される原材料の層の厚さや層の重さの影響が緩和され、原材料に混入した磁性物を、原材料の内部から磁力選別機の磁場に容易に移動させることができる。つまり、キャリアローラは、コンベアベルトを介して原材料を上下方向に振動させて原材料に混入した磁性物を磁力選別機の磁場に移動させ、磁力選別機に吸着させる。これにより、磁性物および非磁性物が混入した原材料の中から磁性物を効率的に除去あるいは回収することができる。つまり、磁性物の回収率を向上させることができる。
【0018】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアにおいて、好ましくは、前記磁力選別機は、前記コンベアベルトの上に吊り下げられ設置された吊下式磁力選別機であり、前記キャリアローラは、前記吊下式磁力選別機の直下近傍に設けられたことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアによれば、磁力選別機は、コンベアベルトの上に吊り下げられ設置された吊下式磁力選別機であり、吊下式磁力選別機の直下近傍に設けられたキャリアローラによりコンベアベルトを介して振動を与えられ飛散した原材料の中から磁性物を効率的に吸着し回収することができる。
【0020】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアにおいて、好ましくは、前記磁力選別機は、前記コンベアベルトに駆動力を伝達し前記コンベアベルトを回転させるヘッドプーリであって前記ヘッドプーリの周囲に磁場を形成するマグネット式ヘッドプーリであり、前記キャリアローラは、前記搬送方向における前記マグネット式ヘッドプーリの上流近傍に設けられたことを特徴とする。
【0021】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアによれば、磁力選別機は、ヘッドプーリの周囲に磁場を形成するマグネット式ヘッドプーリであり、マグネット式ヘッドプーリの上流近傍に設けられたキャリアローラによりコンベアベルトを介して振動を与えられて飛散しさらに積層の形状が崩れた原材料の中から磁性物を効率的に吸着し回収することができる。
【0022】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアにおいて、好ましくは、前記磁力選別機は、前記コンベアベルトの上に吊り下げられ設置された吊下式磁力選別機と、前記コンベアベルトに駆動力を伝達し前記コンベアベルトを回転させるヘッドプーリであって前記ヘッドプーリの周囲に磁場を形成するマグネット式ヘッドプーリと、を含み、複数の前記キャリアローラが設けられ、複数の前記キャリアローラのうちのいずれか1つは、前記吊下式磁力選別機の直下近傍に設けられ、複数の前記キャリアローラのうちのいずれか1つは、前記搬送方向における前記マグネット式ヘッドプーリの上流近傍に設けられたことを特徴とする。
【0023】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアによれば、磁力選別機のひとつとしてコンベアベルトの上に吊り下げられ設置された吊下式磁力選別機は、吊下式磁力選別機の直下近傍に設けられたキャリアローラによりコンベアベルトを介して振動を与えられ飛散した原材料の中から磁性物を効率的に吸着し回収することができる。また、磁力選別機の他のひとつとして設けられたマグネット式ヘッドプーリは、マグネット式ヘッドプーリの上流近傍に設けられたキャリアローラによりコンベアベルトを介して振動を与えられて飛散しさらに積層の形状が崩れた原材料の中から磁性物を効率的に吸着し回収することができる。これにより、磁性物および非磁性物が混入した原材料の中から磁性物をより一層効率的に回収することができる。
【0024】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアにおいて、好ましくは、前記磁力選別機は、前記搬送方向における前記吊下式磁力選別機の下流側に設けられたマグネットプレートであって吸着した前記磁性物の搬送機能を有していない静止式マグネットプレートをさらに含み、複数の前記キャリアローラが設けられ、複数の前記キャリアローラのうちのいずれか1つが前記静止式マグネットプレートの直下近傍にさらに設けられたことを特徴とする。
【0025】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアによれば、磁力選別機は、搬送方向における吊下式磁力選別機の下流側に設けられ吸着物の搬送機能を有していない静止式マグネットプレートをさらに含む。静止式マグネットプレートは、搬送機能を有する磁力選別機と比較して、高い磁力を発生させやすく、例えば静止式マグネットプレートの上流側に設けられた吊下式磁力選別機により吸着されなかった磁性物を吸着することができる。つまり、静止式マグネットプレートは、静止式マグネットプレートの上流側に設けられた吊下式磁力選別機を補完する磁力選別機として機能することができる。そして、磁力選別機のひとつとしての静止式マグネットプレートは、静止式マグネットプレートの直下近傍に設けられたキャリアローラによりコンベアベルトを介して振動を与えられ飛散した原材料の中から磁性物を効率的に吸着し回収することができる。
【0026】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアにおいて、好ましくは、前記吊下式磁力選別機の直下近傍に設けられた前記キャリアローラによる前記コンベアベルトの振動周期は、前記静止式マグネットプレートの直下近傍に設けられた前記キャリアローラによる前記コンベアベルトの振動周期とは異なることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアによれば、吊下式磁力選別機の直下近傍に設けられたキャリアローラによるコンベアベルトの振動周期は、静止式マグネットプレートの直下近傍に設けられたキャリアローラによるコンベアベルトの振動周期とは異なる。そのため、吊下式磁力選別機の直下近傍に設けられたキャリアローラによるコンベアベルトの振動のタイミングと、静止式マグネットプレートの直下近傍に設けられたキャリアローラによるコンベアベルトの振動のタイミングと、を互いにずらすことができる。そのため、吊下式磁力選別機の直下近傍に位置する原材料と、静止式マグネットプレートの直下近傍に位置する原材料と、が同時に飛散することを抑えることができる。これにより、吊下式磁力選別機および静止式マグネットプレートを用いて、磁性物および非磁性物が混入した原材料の中から磁性物をより一層効率的に回収することができる。
【0028】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアにおいて、好ましくは、前記キャリアローラは、前記搬送方向における前記吊下式磁力選別機の上流側にさらに設けられたことを特徴とする。
【0029】
本発明に係る磁性物回収振動ベルトコンベアによれば、キャリアローラは、搬送方向における吊下式磁力選別機の上流側にさらに設けられる。そのため、吊下式磁力選別機の上流側に設けられたキャリアローラは、コンベアベルトを介してこのキャリアローラ自身の直上近傍に位置する原材料を強制的に飛散させ、搬送方向における吊下式磁力選別機の上流側において原材料の積層の形状を崩すとともに積層の形状を均すことができる。これにより、吊下式磁力選別機の直下近傍に設けられたキャリアローラは、コンベアベルトを介して吊下式磁力選別機の直下近傍に位置する原材料に効率的に振動を与えて原材料を発散させ、原材料に混入した磁性物を、原材料の内部から磁力選別機の磁場に効率的に移動させることができる。これにより、磁性物および非磁性物が混入した原材料の中から磁性物をより一層効率的に回収することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、コンベアベルトに振動を与え、磁性物および非磁性物が混入した原材料の中から磁性物を効率的に除去あるいは回収することができる振動ベルトコンベア用のキャリアローラおよび磁性物回収振動ベルトコンベアを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0033】
図1は、本発明の第1実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベアを表す側面図である。
図2は、本実施形態の吊下式磁力選別機の一例を表す側面図である。
図3は、
図1に表した領域A21を拡大して表した拡大図である。
なお、
図2は、
図1に表した矢印A11の方向からみたときの吊下式磁力選別機を表す側面図である。
【0034】
図1に表したように、本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2は、振動ベルトコンベア3と、吊下式磁力選別機4と、貯留ホッパ5と、を備える。本実施形態の吊下式磁力選別機4は、本発明の「磁力選別機」の一例である。なお、磁性物回収振動ベルトコンベア2は、必ずしも貯留ホッパ5を備えていなくともよい。
【0035】
振動ベルトコンベア3は、磁性物61および非磁性物62が混入した原材料6に振動を与えつつ、原材料6を搬送方向(
図1に表した矢印A2参照)に向かって搬送する。具体的には、振動ベルトコンベア3は、ヘッドプーリ31と、テールプーリ32と、凸部キャリアローラ33と、凸部なしキャリアローラ34と、リターンローラ35と、コンベアベルト36と、を有する。原材料6の詳細については、後述する。
【0036】
ヘッドプーリ31は、図示しないモータ等の駆動装置から伝達される駆動力により、
図1に表した矢印A1のように回転する。コンベアベルト36は、ヘッドプーリ31とテールプーリ32との間に環状に架け渡されている。コンベアベルト36は、例えば環状ベルトや無端ベルトなどと呼ばれる。コンベアベルト36は、ヘッドプーリ31から伝達される回転力により
図1に表した矢印A2の搬送方向に向かって移動し、原材料6を載置面(表面)361に載せて搬送する。コンベアベルト36の搬送方向の移動速度は、例えば約70m/分程度である。
【0037】
凸部キャリアローラ33および凸部なしキャリアローラ34は、環状のコンベアベルト36の内側においてコンベアベルト36の移動に従って回転可能に設けられ、コンベアベルト36を内側から支持する。すなわち、凸部キャリアローラ33および凸部なしキャリアローラ34は、コンベアベルト36の載置面361の裏面362を支持し、コンベアベルト36の移動に従って回転する。つまり、
図1に表した矢印A3のように、凸部キャリアローラ33は、コンベアベルト36の移動に従って回転する。
【0038】
本実施形態の凸部キャリアローラ33は、本発明の「キャリアローラ」および「振動ベルトコンベア用のキャリアローラ」の一例である。一方で、本実施形態の凸部なしキャリアローラ34は、本発明の「キャリアローラ」および「振動ベルトコンベア用のキャリアローラ」には該当しない。
【0039】
リターンローラ35は、環状のコンベアベルト36の下側においてコンベアベルト36の移動に従って回転可能に設けられ、コンベアベルト36を下側から支持する。すなわち、リターンローラ35は、コンベアベルト36の戻り面363を支持する。なお、凸部キャリアローラ33、凸部なしキャリアローラ34、およびリターンローラ35のそれぞれの設置数は、
図1に表した設置数に限定されるわけではない。また、本実施形態の振動ベルトコンベア3は、コンベアベルト36の張力を調整するスナッププーリを有していてもよい。
【0040】
ここで、本実施形態に係る凸部キャリアローラ33を、図面を参照してさらに詳しく説明する。
図4は、本実施形態に係る凸部キャリアローラを表す斜視図である。
図5は、
図4に表した矢印A12の方向からみたときの凸部キャリアローラを表す側面図である。
図6は、本実施形態の第1変形例に係る凸部キャリアローラを表す平面図である。
図7は、本実施形態の第2変形例に係る凸部キャリアローラを表す平面図である。
なお、
図6および
図7は、
図4に表した矢印A12の方向からみたときの凸部キャリアローラを表す側面図に相当する。
【0041】
本実施形態に係る凸部キャリアローラ33は、振動ベルトコンベア用のキャリアローラである。
図4および
図5に表したように、凸部キャリアローラ33は、キャリアローラ本体331と、軸部332と、振動付与部333と、を有する。キャリアローラ本体331の外形の少なくとも一部は、円柱を呈する。キャリアローラ本体331の円柱部分の径L3は、例えば約100mm程度である。キャリアローラ本体331の長さL1は、例えば約800mm程度である。なお、キャリアローラ本体331の円柱部分の径L3、およびキャリアローラ本体331の長さL1は、これだけには限定されない。
【0042】
軸部332は、キャリアローラ本体331の軸335に沿って延びており、キャリアローラ本体331の中心部に設けられている。そして、軸部332は、振動ベルトコンベア3の所定位置に軸支されている。これにより、凸部キャリアローラ33は、キャリアローラ本体331の軸335を中心として回転可能に設けられている。すなわち、軸335は、キャリアローラ本体331の回転の軸に相当する。
【0043】
振動付与部333は、キャリアローラ本体331の円柱部分の表面334から外側に向かって突出している。
図5に表したように、キャリアローラ本体331の円柱部分の表面334を基準としたときの振動付与部333の高さL4は、例えば約10mm程度である。
図4に表したように、振動付与部333は、キャリアローラ本体331の軸335に沿って延びている。キャリアローラ本体331の軸335に沿った方向において、振動付与部333の長さL2は、キャリアローラ本体331の長さL1と同じである。つまり、振動付与部333の長さL2は、例えば約800mm程度である。キャリアローラ本体331の軸335に沿ってみたときの振動付与部333の幅L5は、例えば約10mm程度である。なお、振動付与部333の長さL2、高さL4および幅L5は、これだけには限定されず、キャリアローラ本体331の円柱部分の径L3や、コンベアベルト36の移動速度や、コンベアベルト36の載置面361に積層された原材料6の層の厚さなどに応じて適宜設定可能とされている。
【0044】
図5に表したように、キャリアローラ本体331の軸335に沿ってみたときの振動付与部333の先端の形状は、曲線である。すなわち、振動付与部333の先端部は、表面が外側に向かって凸となる湾曲面を有する。これにより、後述するように、コンベアベルト36の裏面362に対する振動付与部333の局所的な接触を抑えることができる。すなわち、コンベアベルト36の裏面362に対する振動付与部333の接触の面積を確保することができる。これにより、凸部キャリアローラ33は、コンベアベルト36を確実に支持しつつ、コンベアベルト36の裏面362に対する振動付与部333の接触および非接触に起因するコンベアベルト36の摩耗を抑えることができる。
【0045】
図4および
図5に表した凸部キャリアローラ33は、ひとつの振動付与部333を有する。一方で、
図6に表した第1変形例に係る凸部キャリアローラ33A、および
図7に表した第2変形例に係る凸部キャリアローラ33Bのように、複数の振動付与部333が設けられていてもよい。第1変形例に係る凸部キャリアローラ33Aおよび第2変形例に係る凸部キャリアローラ33Bは、本発明の「キャリアローラ」および「振動ベルトコンベア用のキャリアローラ」の一例である。
【0046】
すなわち、
図6に表したように、第1変形例に係る凸部キャリアローラ33Aは、2つの振動付与部333を有する。2つの振動付与部333は、キャリアローラ本体331の円柱部分の表面334の円周方向に沿って互いに離れた位置に設けられている。
図6に表した凸部キャリアローラ33Aでは、2つの振動付与部333は、キャリアローラ本体331の円柱部分の表面334の円周方向に沿って180度の角度で互いに離れた位置に設けられている。
【0047】
また、
図7に表したように、第2変形例に係る凸部キャリアローラ33Bは、3つの振動付与部333を有する。3つの振動付与部333は、キャリアローラ本体331の円柱部分の表面334の円周方向に沿って互いに離れた位置に設けられている。
図7に表した凸部キャリアローラ33Bでは、3つの振動付与部333は、キャリアローラ本体331の円柱部分の表面334の円周方向に沿って120度の角度で互いに離れた位置に設けられている。
【0048】
なお、振動付与部333の設置数は、1〜3に限定されるわけではなく、キャリアローラ本体331の円柱部分の径L3(
図5参照)や、コンベアベルト36の移動速度や、コンベアベルト36の載置面361に積層された原材料6の厚さなどに応じて適宜設定可能とされている。
【0049】
図1〜3に戻ってさらに説明すると、凸部キャリアローラ33は、吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられている。また、前述したように、凸部キャリアローラ33は、コンベアベルト36の移動に従って回転する。そうすると、
図3に表したように、振動付与部333は、キャリアローラ本体331の回転に伴いコンベアベルト36の裏面362に対する接触および非接触を繰り返す。これにより、
図3に表した矢印A9のように、振動付与部333は、コンベアベルト36の搬送方向(
図1に表した矢印A2参照)および幅方向に対して垂直な上下方向にコンベアベルト36を振動させる。コンベアベルト36の幅方向とは、
図3において、コンベアベルト36の奥行き方向である。これにより、
図3に表したように、コンベアベルト36を介して凸部キャリアローラ33の直上近傍に位置する原材料6は、強制的に飛散する。これにより、コンベアベルト36を介して凸部キャリアローラ33の直上近傍に位置する原材料6の内部に、空隙63が生ずる。
【0050】
貯留ホッパ5は、原材料6を一時的に貯留し、所定のタイミングで所定の量の原材料6をコンベアベルト36の載置面361に供給する。原材料6は、例えば廃棄物処理工場やリサイクル工場に回収されてくる廃棄物などであって、破砕機により所定の大きさに破砕された後の廃棄物などである。原材料6は、例えば木質チップなどであり、バイオマス発電用ボイラーの燃料として利用されたり、再生ボードに利用されたりする。このような原材料6は、破砕機により破砕されたままの状態では、金属類などの磁性物61と、木材類やプラスチック類などの非磁性物62と、を含んでいる。つまり、破砕機により破砕されたままの状態の原材料6の中には、磁性物61および非磁性物62が混入している。磁性物61としては、例えば、鉄屑や鉄釘や金属片などが挙げられる。非磁性物62としては、例えば、木片や木葉やプラスチックやアルミニウムなどが挙げられる。
【0051】
吊下式磁力選別機4は、磁場を形成し、原材料6が振動ベルトコンベア3により搬送される際に原材料6に混入した磁性物61を磁力により吸着する。これにより、吊下式磁力選別機4は、原材料6の中から磁性物61を除去あるいは回収することができる。吊下式磁力選別機4は、図示しない支柱等によりコンベアベルト36の上に吊り下げられ、振動ベルトコンベア3に対して相対的に固定されている。
【0052】
吊下式磁力選別機4の一例は、
図2に例示した通りである。すなわち、
図2に表した吊下式磁力選別機4は、基台41と、モータ等の駆動装置42と、ヘッドプーリ43と、テールプーリ44と、ベルト45と、マグネット46と、を有する。ヘッドプーリ43は、基台41に軸支され、駆動装置42から伝達される駆動力により回転する。テールプーリ44は、基台41に対して回転可能に軸支されている。ベルト45は、ヘッドプーリ43とテールプーリ44との間に環状に架け渡されており、ヘッドプーリ43から伝達される回転力により移動する。
【0053】
マグネット46は、基台41に設置され、ベルト45を介してマグネット46の下方に磁場を形成し、原材料6の中から磁性物61を吸着する。マグネット46は、電磁石式であってもよく、永久磁石式であってもよい。磁性物61は、マグネット46の磁力によりマグネット46に引き寄せられ、ベルト45を介してマグネット46に吸着される。すなわち、磁性物61は、ベルト45の表面に吸着される。ベルト45は、マグネット46の磁力により吸着された磁性物61を吸着したまま搬送する。そして、磁性物61は、マグネット46の磁力が及ばない領域に搬送されると、自然落下によりベルト45から離れる。このように、本実施形態の吊下式磁力選別機4は、磁性物61の搬送機能を有する。
【0054】
なお、吊下式磁力選別機4は、必ずしも搬送機能を有していなくともよい。例えば、吊下式磁力選別機4は、磁性物の搬送機能を有していない静止式マグネットプレートであってもよい。静止式マグネットプレートが用いられた例については、後述する。
【0055】
ここで、比較例に係る磁性物回収ベルトコンベアを、図面を参照して説明する。
図8は、比較例に係る磁性物回収ベルトコンベアを表す側面図である。
図9は、
図8に表した領域A22を拡大して表した拡大図である。
なお、比較例に係る磁性物回収ベルトコンベア2Aの構成要素が、
図1〜
図7に関して前述した本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2の構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0056】
図8に表したように、本比較例に係る磁性物回収ベルトコンベア2Aは、ベルトコンベア3Aと、吊下式磁力選別機4と、貯留ホッパ5と、を備える。ベルトコンベア3Aは、ヘッドプーリ31と、テールプーリ32と、凸部なしキャリアローラ34と、リターンローラ35と、コンベアベルト36と、を有する。すなわち、本比較例のベルトコンベア3Aは、本発明の「キャリアローラ」の一例としての凸部キャリアローラ33を有していない。この点において、本比較例に係る磁性物回収ベルトコンベア2Aは、
図1〜
図7に関して前述した本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2とは異なる。他の構造は、
図1〜
図7に関して前述した本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2と同様である。
【0057】
図9に表したように、吊下式磁力選別機4は、原材料6がベルトコンベア3Aにより搬送される際に原材料6に混入した磁性物61を磁力により吸着する。ここで、磁性物61および非磁性物62が混入した原材料6は、貯留ホッパ5からコンベアベルト36の載置面361に供給され、コンベアベルト36の載置面361に積層された状態で搬送される。コンベアベルト36の載置面361に積層された原材料6の厚さは、10cm以上になることもある。そのため、本比較例に係る磁性物回収ベルトコンベア2Aの吊下式磁力選別機4は、積層された原材料6の表層部に存在する磁性物61を精度良く回収することができる一方で、積層された原材料6の内部に存在する磁性物61を精度良く回収することが困難な場合がある。すなわち、積層された原材料6の内部に存在する磁性物61は、原材料6の層の厚さや層の重さにより本比較例の吊下式磁力選別機4に対する吸着を阻害され、回収され難い場合がある。
図8および
図9では、本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2と比較して、吊下式磁力選別機4を通過した後の原材料6の中の磁性物61が多量であることを表している。
【0058】
これに対して、本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2によれば、振動ベルトコンベア3の凸部キャリアローラ33は、キャリアローラ本体331の円柱部分の表面334から外側に向かって突出した振動付与部333を有する。凸部キャリアローラ33がコンベアベルト36の移動に従って回転すると、
図3に表したように、振動付与部333は、キャリアローラ本体331の回転に伴いコンベアベルト36の裏面362に対する接触および非接触を繰り返す。これにより、
図3に表した矢印A9のように、振動付与部333は、コンベアベルト36の搬送方向(
図1に表した矢印A2参照)および幅方向に対して垂直な上下方向にコンベアベルト36を振動させる。これにより、コンベアベルト36を介して凸部キャリアローラ33の直上近傍に位置する原材料6は、強制的に飛散する。これにより、コンベアベルト36を介して凸部キャリアローラ33の直上近傍に位置する原材料6の内部に、空隙63が生ずる。
【0059】
その結果、コンベアベルト36により搬送される原材料6の層の厚さや層の重さの影響が緩和され、原材料6に混入した磁性物61を、原材料6の内部から吊下式磁力選別機4の磁場に容易に移動させることができる。つまり、凸部キャリアローラ33は、コンベアベルト36を介して原材料6を上下方向に振動させて原材料6に混入した磁性物61を吊下式磁力選別機4の磁場に移動させ、吊下式磁力選別機4に吸着させる。これにより、磁性物61および非磁性物62が混入した原材料6の中から磁性物61を効率的に除去あるいは回収することができる。つまり、磁性物61の回収率を向上させることができる。
図1および
図3では、本比較例に係る磁性物回収ベルトコンベア2Aと比較して、吊下式磁力選別機4を通過した後の原材料6の中の磁性物61が少量であることを表している。
【0060】
また、振動付与部333は、キャリアローラ本体331の軸335に沿って延びている。そして、キャリアローラ本体331の軸335に沿った方向において、振動付与部333の長さL2は、キャリアローラ本体331の長さL1と同じである。そのため、コンベアベルト36の裏面362に対する振動付与部333の局所的な接触を抑えることができる。すなわち、コンベアベルト36の裏面362に対する振動付与部333の接触の面積を確保することができる。これにより、凸部キャリアローラ33は、コンベアベルト36を確実に支持しつつ、コンベアベルト36の裏面362に対する振動付与部333の接触および非接触に起因するコンベアベルト36の摩耗を抑えることができる。
【0061】
また、キャリアローラ本体331の軸335に沿ってみたときの振動付与部333の先端の形状は、曲線である。すなわち、振動付与部333の先端部は、表面が外側に向かって凸となる湾曲面を有する。これにより、コンベアベルト36の裏面362に対する振動付与部333の局所的な接触をより一層抑えることができる。すなわち、コンベアベルト36の裏面362に対する振動付与部333の接触の面積をより一層確保することができる。これにより、凸部キャリアローラ33は、コンベアベルト36を確実に支持しつつ、コンベアベルト36の裏面362に対する振動付与部333の接触および非接触に起因するコンベアベルト36の摩耗をより一層抑えることができる。
【0062】
また、凸部キャリアローラ33の代わりに、第1変形例に係る凸部キャリアローラ33A(
図6参照)または第2変形例に係る凸部キャリアローラ33B(
図7参照)が設けられた場合には、凸部キャリアローラ33が設けられた場合と比較して、凸部キャリアローラ33A、33Bによるコンベアベルト36の振動周期は短くなる。これにより、凸部キャリアローラ33が設けられた場合と比較して、コンベアベルト36を介して凸部キャリアローラ33A、33Bの直上近傍に位置する原材料6が飛散する頻度を高くすることができる。これにより、磁性物61および非磁性物62が混入した原材料6の中から磁性物61をさらに効率的に除去あるいは回収することができる。つまり、磁性物61の回収率をさらに向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態の吊下式磁力選別機4は、コンベアベルト36の上に吊り下げられ設置されている。凸部キャリアローラ33は、吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられている。そのため、吊下式磁力選別機4は、吊下式磁力選別機4自身の直下近傍に設けられた凸部キャリアローラ33によりコンベアベルト36を介して振動を与えられ飛散した原材料6の中から磁性物61を効率的に吸着し回収することができる。
【0064】
さらに、本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2では、凸部キャリアローラ33が軸335を中心として回転しつつ、コンベアベルト36の裏面362に対する振動付与部333の接触および非接触の繰り返しによりコンベアベルト36を上下方向に振動させる。言い換えれば、凸部キャリアローラ33を上下方向に振動させるための特別な装置は不要である。そのため、本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2は、簡易的な構造によりコンベアベルト36に対して上下方向の振動を付与することができる。
【0065】
次に、本実施形態の変形例に係る磁性物回収振動ベルトコンベアを、図面を参照して説明する。
なお、本変形例に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Bの構成要素が、
図1〜
図7に関して前述した本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2の構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図10は、本実施形態の変形例に係る磁性物回収振動ベルトコンベアを表す側面図である。
【0066】
本変形例に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Bは、振動ベルトコンベア3Bと、吊下式磁力選別機4と、貯留ホッパ5と、静止式マグネットプレート7と、を備える。静止式マグネットプレート7は、
図2に関して前述した吊下式磁力選別機4とは異なり、磁性物61の搬送機能を有していない。静止式マグネットプレート7は、搬送方向における吊下式磁力選別機4の下流側に設けられている。具体的には、静止式マグネットプレート7は、図示しない支柱等によりコンベアベルト36の上に吊り下げられ、振動ベルトコンベア3Bに対して相対的に固定されている。
【0067】
静止式マグネットプレート7は、磁場を形成し、原材料6が振動ベルトコンベア3Bにより搬送される際に原材料6に混入した磁性物61を磁力により吸着する。これにより、静止式マグネットプレート7は、搬送方向における吊下式磁力選別機4の下流側において、原材料6の中から磁性物61を除去あるいは回収することができる。静止式マグネットプレート7は、電磁石式であってもよく、永久磁石式であってもよい。本変形例の静止式マグネットプレート7は、本発明の「磁力選別機」の一例である。つまり、本変形例に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Bでは、吊下式磁力選別機4と、静止式マグネットプレート7と、が本発明の「磁力選別機」に含まれる。
【0068】
振動ベルトコンベア3Bは、ヘッドプーリ31と、テールプーリ32と、凸部キャリアローラ33、33A、33Bと、リターンローラ35と、コンベアベルト36と、を有する。1つの振動付与部333を有する凸部キャリアローラ33は、搬送方向における吊下式磁力選別機4の上流側に設けられ、
図10に表した矢印A4のように、コンベアベルト36の移動に従って回転する。凸部キャリアローラ33は、吊下式磁力選別機4の上流側のコンベアベルト36を上下方向に振動させ、コンベアベルト36を介して凸部キャリアローラ33の直上近傍に位置する原材料6を強制的に飛散させて、搬送方向における吊下式磁力選別機4の上流側において原材料6の積層の形状を崩すとともに積層の形状を均す。
【0069】
3つの振動付与部333を有する凸部キャリアローラ33Bは、吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられ、
図10に表した矢印A3のように、コンベアベルト36の移動に従って回転する。凸部キャリアローラ33Bは、凸部キャリアローラ33Bの直上のコンベアベルト36を上下方向に振動させ、コンベアベルト36を介して凸部キャリアローラ33Bの直上近傍に位置する原材料6を強制的に飛散させる。これは、
図3に関して前述した通りである。これにより、磁性物61および非磁性物62が混入した原材料6の中から磁性物61を効率的に除去あるいは回収することができる。
【0070】
2つの振動付与部333を有する凸部キャリアローラ33Aは、静止式マグネットプレート7の直下近傍に設けられ、
図10に表した矢印A5のように、コンベアベルト36の移動に従って回転する。凸部キャリアローラ33Aは、凸部キャリアローラ33Aの直上のコンベアベルト36を上下方向に振動させ、コンベアベルト36を介して凸部キャリアローラ33Aの直上近傍に位置する原材料6を強制的に飛散させる。これにより、コンベアベルト36を介して凸部キャリアローラ33Aの直上近傍に位置する原材料6の内部に、空隙63が生ずる。
【0071】
その結果、コンベアベルト36により搬送される原材料6の層の厚さや層の重さの影響が緩和され、原材料6に混入した磁性物61を、原材料6の内部から静止式マグネットプレート7の磁場に容易に移動させることができる。つまり、凸部キャリアローラ33Aは、コンベアベルト36を介して原材料6を上下方向に振動させて原材料6に混入した磁性物61を静止式マグネットプレート7の磁場に移動させ、静止式マグネットプレート7に吸着させる。これにより、磁性物61および非磁性物62が混入した原材料6の中から磁性物61を効率的に除去あるいは回収することができる。つまり、磁性物61の回収率を向上させることができる。
【0072】
吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられた凸部キャリアローラ33Bによるコンベアベルト36の振動周期は、静止式マグネットプレート7の直下近傍に設けられた凸部キャリアローラ33Aによるコンベアベルト36の振動周期とは異なる。このような振動周期の相異は、振動付与部333の数が互いに異なる凸部キャリアローラ33Bと凸部キャリアローラ33Aとを、吊下式磁力選別機4の直下近傍と静止式マグネットプレート7の直下近傍とにそれぞれ設置することにより実現されている。
【0073】
なお、吊下式磁力選別機4の直下近傍のコンベアベルト36の振動周期と、静止式マグネットプレート7の直下近傍のコンベアベルト36の振動周期と、の相異は、吊下式磁力選別機4および静止式マグネットプレート7の直下近傍に設けられた例えば凸部キャリアローラ33のキャリアローラ本体331の円柱部分の径L3(
図5参照)を互いに異ならせることにより実現されてもよい。この場合には、互いに異なる径の凸部キャリアローラ33をコンベアベルト36に均一に接触させるため、キャリアローラ本体331の軸335の上下方向におけるセット位置を互いに異ならせる必要がある。すなわち、相対的に小さい径のキャリアローラ本体331の軸335を、相対的に大きい径のキャリアローラ本体331の軸335よりも上側にセットする必要がある。なお、キャリアローラ本体の円柱部分の径を異ならせる場合において、吊下式磁力選別機4および静止式マグネットプレート7の直下近傍に設けられる凸部キャリアローラは、凸部キャリアローラ33Aであってもよく、凸部キャリアローラ33Bであってもよい。
【0074】
本変形例に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Bによれば、静止式マグネットプレート7は、搬送機能を有する吊下式磁力選別機4と比較して、高い磁力を発生させやすく、静止式マグネットプレート7の上流側に設けられた吊下式磁力選別機4により吸着されなかった磁性物61を吸着することができる。つまり、静止式マグネットプレート7は、静止式マグネットプレート7の上流側に設けられた吊下式磁力選別機4を補完する磁力選別機として機能することができる。そして、静止式マグネットプレート7は、静止式マグネットプレート7の直下近傍に設けられた凸部キャリアローラ33Aによりコンベアベルト36を介して振動を与えられ飛散した原材料6の中から磁性物61を効率的に吸着し回収することができる。
【0075】
また、前述したように、吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられた凸部キャリアローラ33Bによるコンベアベルト36の振動周期は、静止式マグネットプレート7の直下近傍に設けられた凸部キャリアローラ33Aによるコンベアベルト36の振動周期とは異なる。そのため、吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられた凸部キャリアローラ33Bによるコンベアベルト36の振動のタイミングと、静止式マグネットプレート7の直下近傍に設けられた凸部キャリアローラ33Aによるコンベアベルト36の振動のタイミングと、を互いにずらすことができる。そのため、吊下式磁力選別機4の直下近傍に位置する原材料6と、静止式マグネットプレート7の直下近傍に位置する原材料6と、が同時に飛散することを抑えることができる。これにより、吊下式磁力選別機4および静止式マグネットプレート7を用いて、磁性物61および非磁性物62が混入した原材料6の中から磁性物61をより一層効率的に回収することができる。
【0076】
また、搬送方向における吊下式磁力選別機4の上流側には、凸部キャリアローラ33が設けられている。前述したように、凸部キャリアローラ33は、搬送方向における吊下式磁力選別機4の上流側において原材料6の積層の形状を崩すとともに積層の形状を均すことができる。これにより、吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられた凸部キャリアローラ33Bは、コンベアベルト36を介して吊下式磁力選別機4の直下近傍に位置する原材料6に効率的に振動を与えて原材料6を発散させ、原材料6に混入した磁性物61を、原材料6の内部から吊下式磁力選別機4の磁場に効率的に移動させることができる。これにより、磁性物61および非磁性物62が混入した原材料6の中から磁性物61をより一層効率的に回収することができる。さらに、
図1〜
図7に関して前述した本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2の効果と同様の効果が得られる。
【0077】
なお、本変形例において、搬送方向における吊下式磁力選別機4の上流側には、凸部キャリアローラ33の代わりに、凸部キャリアローラ33Aまたは凸部キャリアローラ33Bが設けられてもよい。また、吊下式磁力選別機4の直下近傍のコンベアベルト36の振動周期が、静止式マグネットプレート7の直下近傍のコンベアベルト36の振動周期と異なる限りにおいて、凸部キャリアローラ33または凸部キャリアローラ33Aが吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられてもよく、凸部キャリアローラ33または凸部キャリアローラ33Bが静止式マグネットプレート7の直下近傍に設けられてもよい。
【0078】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、第2実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Cの構成要素が、
図1〜
図7に関して前述した第1実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2の構成要素、および
図10に関して前述した第1実施形態の変形例に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Bの構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0079】
図11は、本発明の第2実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベアを表す側面図である。
図12は、本実施形態のヘッドプーリの近傍を拡大して表した拡大図である。
【0080】
本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Cは、振動ベルトコンベア3Cと、貯留ホッパ5と、を備える。すなわち、本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Cは、コンベアベルト36の上に吊り下げられ設置された吊下式磁力選別機4や静止式マグネットプレート7などの吊下式の磁力選別機を備えていない、この点において、第2実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Cは、
図1〜
図7に関して前述した第1実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2、および第1実施形態の変形例に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Bとは異なる。
【0081】
振動ベルトコンベア3Cは、ヘッドプーリ31Aと、テールプーリ32と、凸部キャリアローラ33と、凸部なしキャリアローラ34と、リターンローラ35と、コンベアベルト36と、を有する。
【0082】
本実施形態のヘッドプーリ31Aは、永久磁石311を内蔵し、ヘッドプーリ31Aの周囲に磁場を形成するマグネット式ヘッドプーリである。具体的には、ヘッドプーリ31Aは、ヘッドプーリ31Aの全周にわたって磁場を形成する。コンベアベルト36により搬送された原材料6の中の磁性物61は、ヘッドプーリ31Aの永久磁石311の磁力により永久磁石311に引き寄せられ、コンベアベルト36を介して永久磁石311に吸着される。すなわち、磁性物61は、コンベアベルト36の載置面361に吸着される。コンベアベルト36は、永久磁石311の磁力により吸着された磁性物61を吸着したまま搬送する。そして、
図12に表した矢印A8のように、磁性物61は、永久磁石311の磁力が及ばない領域(コンベアベルト36がヘッドプーリ31Aから離れる位置)に搬送されると、自然落下によりコンベアベルト36から離れる。一方で、
図12に表した矢印A7のように、原材料6の中の非磁性物62は、ヘッドプーリ31Aの永久磁石311に吸着されることなく、自然落下によりコンベアベルト36から離れる。
図12に表したように、磁性物61および非磁性物62は、コンベアベルト36から離れる位置の違いに応じて、分岐板312により選別される。マグネット式ヘッドプーリとしてのヘッドプーリ31Aは、本発明の「磁力選別機」の一例である。
【0083】
図11に表したように、凸部キャリアローラ33は、搬送方向におけるヘッドプーリ31Aの上流近傍に設けられ、
図11に表した矢印A6のように、コンベアベルト36の移動に従って回転する。凸部キャリアローラ33は、ヘッドプーリ31Aの上流近傍のコンベアベルト36を上下方向に振動させ、コンベアベルト36を介して凸部キャリアローラ33の直上近傍に位置する原材料6を強制的に飛散させて、搬送方向におけるヘッドプーリ31Aの上流側において原材料6の積層の形状を崩すとともに積層の形状を均す。なお、搬送方向におけるヘッドプーリ31Aの上流近傍には、凸部キャリアローラ33の代わりに、凸部キャリアローラ33Aまたは凸部キャリアローラ33Bが設けられてもよい。
【0084】
本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Cによれば、マグネット式ヘッドプーリとしてのヘッドプーリ31Aは、ヘッドプーリ31Aの上流近傍に設けられた凸部キャリアローラ33によりコンベアベルト36を介して振動を与えられて飛散しさらに積層の形状が崩れた原材料6の中から磁性物61を効率的に吸着し回収することができる。
【0085】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、第3実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Dの構成要素が、
図1〜
図7に関して前述した第1実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2の構成要素、
図10に関して前述した第1実施形態の変形例に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Bの構成要素、および
図11に関して前述した第2実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Cの構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0086】
図13は、本発明の第3実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベアを表す側面図である。
なお、第3実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベアにおいて、ヘッドプーリの近傍の拡大図は、
図12に表した拡大図と同様である。
【0087】
本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Dは、振動ベルトコンベア3Dと、吊下式磁力選別機4と、貯留ホッパ5と、静止式マグネットプレート7と、を備える。振動ベルトコンベア3Dは、ヘッドプーリ31Aと、テールプーリ32と、凸部キャリアローラ33、33A、33Bと、リターンローラ35と、コンベアベルト36と、を有する。つまり、本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Dでは、吊下式磁力選別機4と、静止式マグネットプレート7と、マグネット式ヘッドプーリとしてのヘッドプーリ31Aと、が本発明の「磁力選別機」に含まれる。
【0088】
本実施形態の振動ベルトコンベア3Dでは、2つの凸部キャリアローラ33が設けられている。一方の凸部キャリアローラ33は、搬送方向における吊下式磁力選別機4の上流側に設けられている。他方の凸部キャリアローラ33は、搬送方向におけるヘッドプーリ31Aの上流近傍に設けられている。
【0089】
凸部キャリアローラ33Aは、静止式マグネットプレート7の直下近傍に設けられている。凸部キャリアローラ33Bは、吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられている。本実施形態のヘッドプーリ31Aは、
図11および
図12に関して前述した通り、ヘッドプーリ31Aの周囲に磁場を形成するマグネット式ヘッドプーリである。このように、本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Dは、
図10に関して前述した第1実施形態の変形例に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Bと、
図11に関して前述した第2実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Cと、を組み合わせた構造を有する。
【0090】
本実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Dによれば、
図10に関して前述した第1実施形態の変形例に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2B、および
図11に関して前述した第2実施形態に係る磁性物回収振動ベルトコンベア2Cの効果と同様の効果が得られる。すなわち、コンベアベルト36の上に吊り下げられ設置された吊下式磁力選別機4および静止式マグネットプレート7は、吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられた凸部キャリアローラ33Bおよび静止式マグネットプレート7の直下近傍に設けられた凸部キャリアローラ33Aによりコンベアベルト36を介して振動を与えられ飛散した原材料6の中から磁性物61を効率的に吸着し回収することができる。また、マグネット式ヘッドプーリとしてのヘッドプーリ31Aは、ヘッドプーリ31Aの上流近傍に設けられた凸部キャリアローラ33によりコンベアベルト36を介して振動を与えられて飛散しさらに積層の形状が崩れた原材料6の中から磁性物61を効率的に吸着し回収することができる。これにより、磁性物61および非磁性物62が混入した原材料6の中から磁性物61をより一層効率的に回収することができる。さらに、
図10および
図11に関して前述したその他の効果も同様に得られる。
【0091】
次に、本発明者が実施した実験の例を、図面を参照して説明する
図14は、本発明者が実施した実験の結果の一例を表す表である。
【0092】
本発明者は、
図1に関して前述した磁性物回収振動ベルトコンベア2を用いて、次のような条件の下で磁性物61の回収率の実験を行った。なお、
図1に関して前述した磁性物回収振動ベルトコンベア2では、凸部キャリアローラ33が吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられる一方で、本実験では、凸部キャリアローラ33、33A、33Bおよび凸部なしキャリアローラ34のいずれか1つが、吊下式磁力選別機4の直下近傍に設けられる。この詳細については、後述する。
【0093】
実験の条件として、キャリアローラ本体331の円柱部分の径L3は、100mm(
図5参照)である。キャリアローラ本体331の長さL1(
図4参照)は、800mmである。振動付与部333の長さL2(
図4参照)は、800mmである。振動付与部333の高さL4(
図5参照)は、10mmである。振動付与部333の幅L5(
図5参照)は、10mmである。
【0094】
コンベアベルト36の載置面361と、吊下式磁力選別機4のベルト45の表面(吸着面)と、の間の距離は、230mmである。コンベアベルト36の搬送方向(
図1に表した矢印A2参照)の移動速度は、71m/分である。破砕機により破砕された原材料6がコンベアベルト36の載置面361に供給された際、積層された原材料6の層の厚さは、約100mm程度である。本発明者は、鉄屑が混入されていない重量1000kgの原材料6に対し、磁性物61の一例として重量15kgの鉄屑を均一に混入させた。
【0095】
このような条件の下で、本発明者は、
図1に関して前述した磁性物回収振動ベルトコンベア2を用いて、吊下式磁力選別機4により鉄屑を回収した。このときの実験結果の一例は、
図14に表した通りである。
図14に表した「キャリアローラの種類」の項目のうち「凸部なしキャリアローラ」は、
図1〜
図3に関して前述した凸部なしキャリアローラ34である。
図14に表した「キャリアローラの種類」の項目のうち「1連凸部キャリアローラ」は、
図4および
図5に関して前述した1つの振動付与部333を有する凸部キャリアローラ33である。
図14に表した「キャリアローラの種類」の項目のうち「2連凸部キャリアローラ」は、
図6に関して前述した2つの振動付与部333を有する凸部キャリアローラ33Aである。
図14に表した「キャリアローラの種類」の項目のうち「3連凸部キャリアローラ」は、
図7に関して前述した3つの振動付与部333を有する凸部キャリアローラ33Bである。
【0096】
図4に表した通り、コンベアベルト36の上下方向の振動回数(回/分)は、振動付与部333の数に比例し、凸部なしキャリアローラ34では0(回/分)であり、1連凸部キャリアローラ(凸部キャリアローラ33)では23(回/分)であり、2連凸部キャリアローラ(凸部キャリアローラ33A)では46(回/分)であり、3連凸部キャリアローラ(凸部キャリアローラ33B)では69(回/分)である。
【0097】
凸部なしキャリアローラ34が設置された場合において、鉄屑の回収重量は10.1kgであり、回収率は10.1/15≒67%であった。これに対して、1連凸部キャリアローラ(凸部キャリアローラ33)が設置された場合においては、鉄屑の回収重量は13.6kgであり、回収率は13.6/15≒91%であった。すなわち、1連凸部キャリアローラ(凸部キャリアローラ33)が設置された場合には、凸部なしキャリアローラ34が設置された場合と比較して、回収率の約24%の向上が確認された。2連凸部キャリアローラ(凸部キャリアローラ33A)が設置された場合においては、鉄屑の回収重量は14.6kgであり、回収率は14.6/15≒97%であった。すなわち、2連凸部キャリアローラ(凸部キャリアローラ33A)が設置された場合には、凸部なしキャリアローラ34が設置された場合と比較して、回収率の約30%の向上が確認された。3連凸部キャリアローラ(凸部キャリアローラ33B)が設置された場合においては、鉄屑の回収重量は14.8kgであり、回収率は14.8/15≒99%であった。すなわち、3連凸部キャリアローラ(凸部キャリアローラ33B)が設置された場合には、凸部なしキャリアローラ34が設置された場合と比較して、回収率の約32%の向上が確認された。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。