(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1包装手段及び第2包装手段に、それぞれ前記個別包装品が搬出される第1包装品搬出手段と第2包装品搬出手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の包装機。
【実施例1】
【0016】
本発明に係る包装機の実施例を添付した図面にしたがって説明する。
図1は本実施例に係る包装機の構成の概略を示す平面図である。
【0017】
包装機10は、被包装物を充填した容器を複数個収納可能なケースに係る第1ケース搬入手段11と第2ケース搬入手段12、第1ケース移送手段13と第2ケース移送手段14、及びケース搬出手段15と、ケースから取り出した容器に係る第1包装手段16と第2包装手段17を有している。
【0018】
ここで、本実施例に係る被包装物は、酒類であることが好ましいが、水、お茶或いは清涼飲料水又はこれらに類する飲料であっても良い。さらには、容器に充填されて流通するような製品であれば、ゼリー又は豆腐のような半固形製品、クッキー等の焼き菓子又はペットフード或いは小麦粉のような粉粒体等の固形製品に適用することも可能である。
また、本実施例に係る容器は、四合瓶又は一升瓶であることが好ましいが、その他の瓶或いはペットボトル又はこれらに類する縦長容器であっても良い。さらには、縦長容器であればパウチ状の包装容器であっても良いし、これら縦長容器以外の容器に適用することも可能である。
そして、本実施例に係る包装袋は、四合瓶又は一升瓶を収納可能な縦長の包装袋であることが好ましく、さらに言えば当該縦長の包装袋は、不織布又は紙類からなる化粧袋であることが好ましい。さらには、縦長の包装袋に限定されず、容器に合わせて又は飾り付け等の目的に応じて最適な包装袋を選択することも可能である。
したがって、本実施例に係る包装機は、
図1に示すように、酒類が充填された四合瓶又は一升瓶をケースから取り出して、当該四合瓶又は一升瓶を化粧袋へ個別に収納して個別包装品を形成するように構成されている。
【0019】
第1ケース搬入手段11は、コンベアからなる第1ケース搬入路20を有している。
図1に示すように、第1ケース搬入路20は、一方にケースが供給される第1ケース供給口21を有し、他方にケースが停止する第1所定位置22を有している。当該第1所定位置22は、第1ケース供給口21から搬入されたケースを係止させるストッパー(図示略)と当該ケースを固定するクランプ(図示略)を有している。これにより、第1ケース搬入手段11は、ケース供給口21から供給されたケースを、第1ケース搬入路20に沿って第1所定位置22で停止させることができる。
また、第1ケース搬入路20は、第1所定位置22の手前に第1待機位置23を有している。第1待機位置23は、当該第1待機位置23上に配置されたケースを係止するストッパー(図示略)及びケースを固定するクランプ(図示略)、並びに配置された当該ケースを検知可能なセンサ(図示略)を有している。当該センサは、重量センサ、近接センサ、赤外線センサといった第1待機位置23にかかる荷重を検知したり、第1待機位置23にケースが接近したことを検知したりするセンサからなる。当該センサが第1待機位置23に一のケースが配されたことを検知したとき、ストッパーは、一のケースを一度停止させる。その後、第1ケース搬入手段11は、ケースを第1所定位置22へ搬入する。そして、次にセンサが第1待機位置23に他のケースが配されたことを検知したとき、当該他のケースは、第1待機位置23においてストッパーに係止させられた後クランプで固定される。これによって、第1所定位置22へは、常に一つのケースが搬入される。
なお、本実施例に係るケースは、3列×5行で15本の一升瓶若しくは四合瓶を収納可能なケースであるが、これに限定されず、用途に合わせて任意の数の容器が収納可能なケースを選択することができる。
第2ケース搬入手段12は、第1ケース搬入手段11と同様に、コンベアからなる第2ケース搬入路24を有し、第2ケース供給口25から供給されたケースを、第2ケース搬入路24に沿って、第2待機位置27を経てから第2所定位置26へ搬入するように形成されている。
【0020】
第1所定位置22又は第2所定位置26まで搬入されたケースは、第1包装手段16又は第2包装手段17によって容器が取り出される。当該第1包装手段16又は第2包装手段17については後述する。
第1所定位置22でケースから容器が取り出された後の空ケースは、第1ケース移送手段13で移送され、第2所定位置26でケースから容器が取り出された後の空ケースは、第2ケース移送手段14で移送される。
【0021】
第1ケース移送手段13は、コンベアからなる第1ケース移送路30を有している。
図1に示すように、第1ケース移送路30は、一方が第1ケース搬送路20に連接し、他方が後述するケース搬出路40と連接している。また、第1ケース移送手段13は、空ケースを第1ケース搬送路20の終端から第1ケース移送路30へ押し出すプッシャー(図示略)を有している。これにより、第1ケース搬送路20の終端まで移動してきた空ケースは、進行方向を変えて、第1ケース移送路30に沿ってケース搬出路40へ移送される。
第2ケース移送手段14は、第1ケース移送手段13と同様に、コンベアからなる第2ケース移送路31と空ケースを押し出すプッシャー(図示略)を有し、当該第2ケース移送路31に沿って第2ケース搬送路24の末端からケース搬出路40へ空ケースを移送するように形成されている。
【0022】
ケース搬出手段15は、コンベアからなるケース搬出路40を有している。
図1に示すように、ケース搬出路40は、一方が第1ケース移送路30及び第2ケース移送路31と連接し、他方に空ケースを回収する空ケース回収口41を有している。ケース搬出路40は、当該ケース搬出路40上に配される空ケースを検知可能なセンサ(図示略)を有している。当該センサは、重量センサ、近接センサ、赤外線センサといったケース搬出路40上にかかる荷重を検知したり、ケース搬出路40上の所定の位置、たとえば空ケース回収口41近傍に先頭の空ケースが接近したことを検知したりするセンサからなる。当該センサは音又は光で報知する警報装置を有し、ケース搬出路40上に所定個数の空ケースが溜まったことを検知したとき、作業員に報知するように形成されている。これによって、作業員は空ケースがある程度溜まるまで空ケースを気にすることなくケース供給口へケースを供給する作業を行うことができるので、作業効率を上げることができる。
【0023】
上記したように、複数個の容器が収納されたケースは、一方では第1ケース供給口21から第1ケース搬入路20に沿って搬入され、第1所定位置22へ配置され、他方では第2ケース供給口25から第2ケース搬入路24に沿って搬入され、第2所定位置26へ配置される。
そして、当該第1所定位置22で容器が取り出された空ケースは、第1ケース移送路30からケース搬出路40へプッシャーで押し出され、当該ケース搬出路40に沿って搬出されて、空ケース回収口41から回収される。また第2所定位置26で容器が取り出された空ケースは、第2ケース移送路31からケース搬出路40へプッシャーで押し出され、当該ケース搬出路40に沿って搬出されて、空ケース回収口41から回収される。
【0024】
ここで、
図1に示すように、本実施例に係る包装機10は、第1ケース搬入路20と第1ケース移送路30、及び第2ケース搬入路24と第2ケース移送路31、並びにケース搬出路40のレイアウトについて、第1ケース供給口21又は第2ケース供給口25から供給されたケースが、当該両ケース供給口21,25と同一の側に形成した空ケース回収口41へUターンするように構成することができる。これによって、たとえば、供給するケースを積み上げたパレットと、回収した空ケースを積み上げる空パレットを並べたり、又ケースを包装機10へ供給した後、空いたパレットに空ケースを積み上げるといったように同一のパレットを使いまわしたりすることが容易にできる。また、作業動線を片方の側に集約することができるので、作業効率を上げることができる。
なお、本実施例では、
図1に示すように、第1ケース搬入路20及び第2ケース搬入路24、第1ケース移送路30及び第2ケース移送路31、及びケース搬出路40のレイアウトを、逆山の字を描くような左右対称形で構成したがこれに限定されるものではなく、たとえば、工場のスペース又は作業員の配置状況に応じて、第2ケース搬入路24とケース搬出路40を延伸して、ケース搬出路40の途中に第1ケース移送路30を接続し、第1所定位置22と第2所定位置26の位置が相対しないようなレイアウトを形成しても良い。このような場合であっても、第1ケース供給口21及び第2ケース供給口25、並びに空ケース搬出口41を同一の側にそろえることによって、ケースの取り扱いを容易にして作業効率を上げるという効果を得ることができる。
【0025】
図1に示すように、第1包装手段16は、第1所定位置22の近傍に、また第2包装手段17は、第2所定位置26の近傍に配されている。第1包装手段16は、第1所定位置22に配されたケースから容器を取り出して、第1包装位置50で当該容器を包装袋で個別に包装し、第2包装手段17は、第2所定位置22に配されたケースから容器を取り出して、第2包装位置55で当該容器を包装袋で個別に包装して、それぞれ個別包装品を形成するように構成されている。
【0026】
第1包装手段16は、容器を包装袋へ挿入する
第1挿入手段51と、当該
第1挿入手段51へ包装袋を供給する第1袋供給手段52と、容器を個別包装した後の個別包装品を搬出する第1包装品搬出手段53と、
第1挿入手段51、第1袋供給手段52、及び第1包装品搬出手段53の各手段の動作を制御する包装制御手段54を有している。
第2包装手段17は、同様に、
第2挿入手段56、第2袋供給手段57、及び第2包装品搬出手段58を有している。これらの各手段は、第1包装手段16と同様に包装制御手段54によって制御されている。
第1包装手段16と第2包装手段17は、同一の構成を有していることから、以降は第1包装手段16について説明する。
【0027】
第1挿入手段51は、
図2又は
図3に示すように、容器の口縁部近傍若しくは胴部を把持可能な
第1グリッパ60と、容器を包装袋へ案内するガイド61を有している。
第1グリッパ60は、鉛直方向及び水平方向へ移動自在に形成されたアーム62の先端に取り付けられている。当該アーム62はスライド機構(図示略)を介してサーボモータ(図示略)によって駆動されるように形成されている。すなわち、サーボモータの正逆方向の回動を制御することによって、
第1グリッパ60を立体的に動作させることができる。本実施例では挿入手段51は、
図1に示すように、3個の
第1グリッパ
60を有し、一回の包装工程で3個の容器を同時に個別包装することができる。また、
第1グリッパ60は、容器を把持したか否かを検知するセンサ(図示略)を有している。これによって、容器を掴み損なったり、移送中に容器が落下したりすることを防止することができる。
第1グリッパ60の移動は包装制御手段54によって制御される。包装制御手段54は、
第1グリッパ60が第1所定位置22に係止されたケースから容器を把持して上昇する上昇工程63と、第1所定位置から包装袋上へ容器を移送させる移送工程64と、容器を下降させて包装袋内へ挿入する下降工程65を連続して行うように制御するように形成されている。
ガイド61は底部が放射状に拡開可能な漏斗状に形成されている。ガイド61の下端を包装袋の袋口に挿入し、ガイド61上面側から容器を挿入すると、ガイド61の底面は容器に押下されて拡開し、包装袋の袋口を開口する。このように
第1グリッパ60とガイド61によって、容器をスムーズに包装袋内部へ誘導することができる。
【0028】
第1袋供給手段52は、
図1又は
図2に示すように、複数枚の包装袋がセットされる袋ストッカー70、当該袋ストッカー70から一枚ずつ包装袋を取り出す袋取出しユニット71、及び取り出した包装袋を第1包装位置
50まで移送して口を開き、容器の挿入に備える袋開口ユニット72を有している。
【0029】
袋ストッカー70は、複数個のマガジン73と、当該マガジンを昇降可能に支持するマガジン支持ユニット74を有している。マガジン73は、所定枚数の包装袋が長手方向に沿って二つ折りに折られて収納されている。マガジン73内の包装袋は、開口部が同一の側になるように、向きが揃えられている。マガジン支持ユニット74は、複数個のマガジン73のうち、一のマガジン73がセットされるように形成されている。マガジン支持ユニット74にセットされたマガジン73からは、袋取出しユニット71によって一枚ずつ包装袋が取り出される。包装袋が取り出されてマガジン73が空になったとき、マガジン支持ユニット74は空になったマガジン73を載置したまま下降し、当該空マガジン73上に次のマガジン73がセットされるように形成されている。これによって、複数枚の包装袋を連続して袋取出しユニット71で取り出すことができる。
【0030】
袋取出しユニット71は、マガジン73から袋を取り出す平板状のめくり板75と、取り出した袋を抑える平板状の抑え板(図示略)を有している。めくり板75は、蝶番(図示略)で連結され折り畳み可能な主板と副板とからなる。主板はマガジン73最上面の包装体を吸着するように形成された包装袋吸着機構75aを有している。包装袋を吸着した主板が反転し、副板が連動して展開すると、二つ折りの包装袋は、めくり板75上で展開される。抑え板は、めくり板75上の包装袋をめくり板75に対して押さえ付けるように形成されている。めくり板75と抑え板によって、包装袋の開口部近傍を平たくすると共に包装袋のしわを伸ばすことができる。
【0031】
袋開口ユニット72は、包装袋の口縁部近傍を把持する複数個の受渡爪76と、包装袋に容器を挿入する第1包装位置50まで包装袋を移送させる移送爪77と、包装袋の開口部を拡開する複数個の開口爪78及び開口補助爪79を有している。本実施例に係る袋開口ユニット72は、グリッパ60と対を成すように3組の受渡爪76、移送爪77、開口爪78及び開口補助爪79を有している。
受渡爪76は、第1包装位置50で包装袋を開口爪78へ受け渡すように形成され、回動可能なブラケット80の先端に脱着自在に取り付けられている。受渡爪76がめくり板75上の包装袋の口部近傍を掴持したとき、ブラケット80が略90度回動する。これによって包装袋は、めくり板75上から引き起こされてブラケット80に吊り下げられる。
移送爪77は、包装袋を吊り下げた受渡爪76を掴持するように形成され、レール81に沿って左右方向に往復可能なスライダ82に所定の間隔で取り付けられている。移送爪77が包装袋を第1包装位置50まで移送したとき、当該移送爪77は受渡爪76を解放するように形成されている。受渡爪76が開口爪78へ包装袋を受け渡した後、移送爪77は、再度受渡爪76を掴持して、包装袋の引き起こし位置まで戻るように形成されている。これにより、引き起こし位置へ戻った受渡爪76はブラケット80先端に装着されて、再度包装袋を引き起こすことができる。
開口爪78は、受渡爪76と略交差するように配されており、レール81に沿って左右方向に移動する受渡爪76に対して、包装袋の開口部近傍の所定位置を前後方向に引っ張って、包装袋の口部を開放するように形成されている。また、開口補助爪79は、受渡爪76と同方向、すなわち開口爪78と略交差するように配されており、開口爪78が包装袋の開口部を開放するとき、開口補助爪79は、包装袋が開口爪78で前後方向に引っ張られて平たくならないように包装袋を支持するように形成されている。これによって、包装袋の開口部近傍は開放され、ガイド61を容易に挿入することができる。
【0032】
第1包装品搬出手段53は、容器を個別に包装袋で包装した個別包装品を第1包装位置50から搬出する第1包装品搬出路85と、当該個別包装品を溜めておく第1包装品ストッカー86を有している。
第1包装品搬出路85は、コンベアからなり、一方が第1包装位置50をなし、他方が第1包装品ストッカー86に連接している。第1包装品搬出路85は、当該第1包装品搬出路85上の所定の位置を通過する個別包装品を検知可能なセンサ(図示略)を有している。当該センサは、重量センサ、近接センサ、赤外線センサといった第1包装品搬出路85の所定位置にかかる荷重を検知したり、当該所定位置を個別包装品が通過したことを検知したりするセンサからなる。当該センサが個別包装品の通過を検知したとき、第1包装品搬出路85は停止するように形成されている。この停止している間に、第1包装位置50においてグリッパ60が容器を包装袋へ挿入するように形成されている。これによって、グリッパ60が容器を包装袋へ挿入して個別包装品を形成している間、第1包装品搬出路85は停止し、包装終了後に、当該第1包装品搬出路85が作動して個別包装品は第1包装位置50から第1包装品ストッカー86へ搬出される。
【0033】
第1包装品ストッカー86は、テーブル87を有するターンコンベア88からなり、テーブル87上に個別包装品をストック可能に形成されている。これによって、個別包装品は、第1包装品搬出路85に連接された供給口86aから次々と押し込まれ、テーブル87上にストックされる。
【0034】
包装制御手段54は、制御盤に設けられている。包装制御手段54は、上記の
第1挿入手段51、第1袋供給手段52、及び第1包装品搬出手段53の各手段が連携して動作するような制御をするように形成されている。
第1所定位置22にケースが係止されたとき、包装制御手段54は、
第1挿入手段51を動作させて容器をケースから取り出す準備をすると共に、第1袋供給手段52を動作させて第1包装位置50に3枚の包装袋を配するように形成されている。
そして、包装制御手段54が
第1挿入手段51を動作させてケースから容器を取り出したとき、包装制御手段54は、第1袋供給手段52を動作させて包装袋の開口部を開放し、当該開口部にガイド61を差し込むように
第1挿入手段51を動作させ、第1包装品搬出手段53で第1包装品搬出路85を停止させて、
第1挿入手段51が容器を包装袋へ挿入するように形成されている。包装制御手段54は、上記のような
第1挿入手段51、第1袋供給手段52、第1包装品搬出手段53の各動作を連続して行うように制御することによって、容器の個別包装を合理化することができる。
【0035】
上記の構成を有する包装機10は、以下説明する各工程によって、容器を包装袋で個別に包装して個別包装品を形成している。
【0036】
本実施例に係る包装機で取り扱われる容器は、一升瓶又は四合瓶であって、当該瓶は不織布からなる縦長の化粧袋に個別に収納される。また瓶は15本入りのケースに収められ、当該ケースはパレットに積み上げられている。
【0037】
包装機10の包装工程は以下の各工程からなる。
(1)ケース搬入工程
(2)ケース位置決め工程
(3)容器取出/挿入工程
(4)袋供給工程
(5)個別包装品搬出工程
(6)空ケース搬出工程
【0038】
(1)ケース搬入工程
ケース搬入工程は、パレットに複数個積み上げられたケースを第1ケース搬入手段11又は第2ケース搬入手段12で搬入する工程である。作業員は、パレットから取り出したケースを、第1ケース供給口21又は第2ケース供給口25から第1ケース搬入路20又は第2ケース搬入路24へ供給する。
第1ケース搬入路20へ最初に供給された一のケースは、第1待機位置23においてストッパーに係止させられてから、第1所定位置22まで搬入される。次に供給された他のケースは、第1待機位置23においてストッパーで止められた後、クランプで固定される。これによって搬入された2ケース目以降を、第1ケース搬入路20上で待機させておき、第1所定位置22には常に一つのケースのみを配置することができる。第2ケース搬入路24側についても同様である。
【0039】
(2)ケース位置決め工程
ケース位置決め工程は搬入したケースを第1所定位置50又は第2所定位置55で固定する工程である。搬入されたケースは、第1所定位置50又は第2所定位置55でストッパーに係止させられ、クランプで固定される。これによって、第1包装手段16又は第2包装手段17が容器を取り出す際にケースが動かないようにすることができる。
【0040】
(3)容器取出/挿入工程
容器取出/挿入工程は、第1所定位置50に固定されたケースから、
第1挿入手段51の
第1グリッパ60が複数個の容器を同時に取り出す
第1取出工程と取り出した容器を包装袋へ個別に挿入する
第1挿入工程と
、第2所定位置55に固定されたケースから、第2挿入手段56の第2グリッパ60Aが複数個の容器を同時に取り出す第2取出工程と取り出した容器を包装袋へ個別に挿入する第2挿入工程と、からなる。本実施例においては一升瓶又は四合瓶が3本ずつ取り出され、それぞれ個別に包装袋へ挿入収納される。第1包装手段16と第2包装手段17で行われる容器取出/挿入工程は同一の工程であるから、以下第1包装手段16について説明する。
第1グリッパ60は、上昇工程63、移送工程64、下降工程65を連続で繰り返すように制御されている。
上昇工程63は、
第1グリッパ60が容器の上端縁部を把持したとき、すなわち本実施例の場合では、一升瓶又は四合瓶の口部近傍を把持したとき、センサによって容器を把持したことを確認した後、
第1グリッパ60を上昇させて容器を持ち上げる工程である。
第1グリッパ60を上昇させるサーボモータは、持ち上げる際にかかる負荷の変化に伴うピッチの変化を検出して、容器の種類を判別し、持ち上げる高さを決定する。これによって本実施例においては一升瓶若しくは四合瓶のいずれか一方であることが判別され、少なくとも瓶の底面がケースの上縁部を超える高さまで当該瓶を持ち上げることができる。
移送工程64は、
第1グリッパ60が持ち上げた容器を第1所定位置22から第1包装位置50まで移送する工程である。移送工程64中、袋開口ユニット72で第1包装位置50に並べられた包装袋の間隔にしたがって、3つの
第1グリッパ60の間隔もまた拡げられる。これによって、第1所定位置22から第1包装位置50まで容器を移送したとき、容器は包装袋の直上に配される。
下降工程65は、
第1グリッパ60が下降して容器を包装袋へ挿入する工程である。本実施例においては一升瓶又は四合瓶が縦長の化粧袋へ挿入される。サーボモータは
第1グリッパ60を下降させるとき、持ち上げた高さ分容器を下す。これによって、包装袋で個別包装された容器は、第1包装位置50を成す第1包装品搬出路85上で自立し、このとき
第1グリッパ60は容器を解放する。また、当該下降工程65では、
第1グリッパ60の下降と連動して、当該
第1グリッパ60の下降に先立ってガイド61が下降し、漏斗状のガイド61下端部が包装袋の開口部へ挿入される。これによって、容器を包装袋へスムーズに誘導することができる。
下降工程65を終えた
第1グリッパ
60は上昇し、第1所定位置22まで移動して次の容器を取り出す。上記の工程はケースが空になるまで繰り返される。ケースが空になったとき、空ケースは(6)空ケース搬出工程で搬出される。
【0041】
(4)袋供給工程
第1包装手段16において
第1挿入手段51が動作しているとき、当該
第1挿入手段51と連動して第1袋供給手段52が動作する。
また、第2包装手段17において第2挿入手段56が動作しているとき、当該第2挿入手段56と連動して第2袋供給手段57が動作する。第1袋供給手段52と第2袋供給手段57で行われる袋供給工程は同一の工程であるから、以下第1袋供給手段52について説明する。
袋供給工程は、袋ストッカー70にセットされたマガジン73に収容された包装袋を、第1包装位置50まで供給する工程である。
複数枚の包装袋からなる包装袋束が所定の方向に開口部を向けて、マガジン73に収容される。当該マガジン73は袋ストッカー70のマガジン支持ユニット74上にセットされる。昇降可能に形成されたマガジン支持ユニット74は、袋取出しユニット71で包装袋が取り出される度に残りの包装袋を押し上げる。これによって袋取出しユニット71は、常に同一の高さから包装袋を取り出すことができる。袋取出しユニット71の袋吸着機構75aで吸着された包装袋は、めくり板75上で二つ折りが展開されて載置され、抑え板で押さえられる。これによって、折り皺が伸ばされ、また折り癖によって包装袋が浮き上がることを防止することができる。めくり板75上の包装袋は口部近傍が受渡爪76によって掴持され、ブラケット80の回動によって引き起こされる。包装袋が引き起こされたとき、受渡爪76は移送爪77によって掴持される。移送爪77を備えたスライダ82は、包装袋を引き起こし位置から第1包装位置50まで、レール81に沿って包装袋を横方向に移送する。スライダ82の移動に伴って第1包装位置50には3枚の包装袋が所定の間隔で吊り下げられる。各包装袋が第1包装位置50内の所定の位置に配されたとき、受渡爪76と交差するように設けられた開口爪78が包装袋の口部近傍を掴持する。そして、受渡爪76は包装袋を解放し、受渡爪76と入れ替わりに開口補助爪79が包装袋を掴持する。開口補助爪79が包装袋を横方向に沿って固定し、開口爪78が前後方向にそれぞれ移動して包装袋の口部を開口する。この開口された隙間に漏斗状のガイド61の下端が挿入され、上記した容器挿入工程が行われる。そして、容器挿入工程の終了に連動して開口爪78及び開口補助爪79は包装袋を解放する。これによって容器の個別包装が終了し、個別包装品が形成される。形成された個別包装品は、個別包装品搬出工程によって搬出される。
【0042】
(5)個別包装品搬出工程
個別包装品搬出工程は、容器を包装袋で個別に包装した個別包装品を第1包装位置50から包装品ストッカー86へ搬出する工程である。
第1包装位置50は、第1包装品搬出手段53の第1包装品搬出路85の一端に形成されている。当該第1包装品搬出路85の他端には第1包装品ストッカー86が連接されている。同様に、第2包装品搬出手段58は第2包装位置55を一端に有する第2包装品搬出路89を有し、当該第2包装品搬出路89の他端には第2包装品ストッカー90が連接されている。以下、第1包装品搬出手段53側について説明する。
第1包装品搬出路85は、第1包装位置50において
第1挿入手段51が包装袋へ容器を挿入する容器取出/挿入工程を行っている間はコンベアを停止している。これによって、容器を安定させたまま包装袋へ挿入することができる。包装袋へ容器が挿入され、開口爪78及び開口補助爪79が包装袋を解放したとき、第1包装品搬出路85のコンベアが動作して個別包装品を搬出する。第1包装品搬出路85上に設けたセンサで個別包装品の通過を検知し、第1包装位置50から個別包装品が搬出されたことが確認されたとき、コンベアは停止して、次の容器取出/挿入工程が行われる。こうして次々と包装された個別包装品は、第1包装品搬出路85を移動して第1包装品ストッカー86へ送られる。第1包装品ストッカー86はテーブル87を有するターンコンベア88からなり、当該ターンコンベア88は第1包装品搬出路85のコンベアと同期して回転する。これによって、第1包装品搬出路85からテーブル87へ個別包装品が受け渡される。テーブル87上に保管された個別包装品は、作業員によって取り出され、袋口を結束したり、能書掛けをしたりする出荷作業が行われる。
【0043】
(6)空ケース搬出工程
空ケース搬出工程は、容器取出/挿入工程で容器がケースからすべて取り出された後、空ケースをケース搬出手段15で搬出する工程である。
第1所定位置22で容器がすべて取り出された空ケースは、第1ケース移送手段13によって第1所定位置22から第1ケース移送路30を介してケース搬出路40へ移送される。第2所定位置26から第2ケース移送路31を介してケース搬出路40へ空ケースを搬出する第2ケース移送手段14についても同様である。以下第1所定位置22から空ケースを搬出する工程について説明する。
第1所定位置22のストッパーに係止され、クランプで固定されていたケースは、容器がすべて取り出された後、第1ケース移送手段13のプッシャーで第1ケース移送路30へ押し出される。空ケースは第1ケース移送路30上をケース搬出路40に向かって移送される。空ケースがケース搬出路40へ移送されたとき、ケース搬出路40は空ケースを空ケース回収口41に向かって搬出する。第1ケース移送路30又は第2ケース移送路31から移送された空ケースがケース搬出路40上で所定の個数となったとき、これをセンサが検知して音声又は光で報知する。これによって、作業員は空ケース回収口41から空ケースを回収して、空ケース用のパレットに空ケースを積み上げる。このようにケース搬出路40上に所定個数の空ケースを留置することができるので、その間に作業員は、ケース供給口21,25からケースを第1ケース搬入路20又は第2ケース搬入路24へ供給することができる。
【0044】
本実施例に係る包装機10によれば、ケース搬出路40の左右に第1ケース搬入路20と第2ケース搬入路24を配して、ケース供給口21,25と空ケース回収口41が同一の側に配されるようにレイアウトした。これによって、先ず包装機10を2台並べて設置するよりも設置スペースを省スペース化することができる。次に同一の性能を有する第1包装手段16と第2包装手段17を有することから、従来の包装機より単純に2倍の包装能力を得ることができる。したがって、包装機10の設置スペースを広く取らずに済み、さらには多くのスペースを割くことになるケースの供給と回収を同一の側で行うことができるので、作業員の作業動線を短くすると共に作業効率を上げて、作業員に負担を強いることなく個別包装品の生産性を向上させることができる。
また、第1包装手段16に係る個別包装品の生産ライン又は第2包装手段17に係る個別包装品の生産ラインは同時に運転しても良く、また両生産ラインのいずれか一方を運転しても良い。これによって旬に伴うシーズンに合わせて生産調整を容易に行うことができる。
【0045】
また、本実施例に係る包装機10によれば、第1包装手段16が有する第1挿入手段51
又は第2包装手段17が有する第2挿入手段56は、ケースから容器を取り出して、そのまま包装袋へ直接挿入するようにした。これによって、作業工程を短縮することができ、包装工程を高速化することができる。そのため、個別包装品の生産性を向上させることができる。